(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032357
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】ユニフォーム・サイズ決定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220217BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
G06Q30/06 320
G01B11/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136044
(22)【出願日】2020-08-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年5月26日に以下アドレスのウェブサイトに掲載 https://uni-mate.co.jp/aixrtailor/ 令和2年5月26日等に別紙に記載されたアドレスのウェブサイトに掲載 令和2年5月26日等に別紙に記載されたアドレスのウェブサイトに掲載 令和2年6月1日等に別紙に記載されたアドレスのウェブサイトに掲載
(71)【出願人】
【識別番号】518212425
【氏名又は名称】株式会社ユニメイト
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岸田 恭一
【テーマコード(参考)】
2F065
5L049
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065BB05
2F065CC16
2F065FF01
2F065JJ03
2F065JJ08
2F065JJ26
5L049BB24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユニフォーム着用者にとって精度の高い最適なサイズを提案でき、かつ、ユニフォームのサイズ決定のためのコスト・手間等を軽減化できるユニフォーム・サイズ決定システムを提供する。
【解決手段】ユニフォーム・サイズ決定システム1は、機械学習による学習結果を用いて算出されたユニフォーム着用者の採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部10bと、判定部10bで判定された最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部10cとを有したサイズ決定装置10(サイズ決定サーバ)を備える。判定部10bは、アイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベースから、ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出してアイテム毎に最適サイズを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械学習による学習結果を用いて算出されたユニフォーム着用者の採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部と、該判定部で判定された前記最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部とを有したサイズ決定装置を備え、
前記判定部は、前記アイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベースから、当該ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出して前記アイテム毎に前記最適サイズを判定する構成とされていることを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定の通知先は、前記ユニフォーム着用者自身が所有する端末であることを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記採寸データは、前記ユニフォーム着用者が任意の服を着用した状態の撮像データに基づいて算出されることを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニフォーム着用者にとって、より精度の高い最適サイズを提示することを可能としたユニフォーム・サイズ決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラで撮影したユーザの身体撮像データに基づいて、被写体の体型を画像解析し、実寸法を算出しようとするシステム(例えば、特許文献1参照)や身長、体重、性別に加え、服のブランド等の入力情報に基づいてユーザに適正サイズを提示するシステム(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-163031号公報
【特許文献2】特許第6309555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業や病院、レストラン、ホテル等では、働く人の職種に合わせてユニフォームが貸与等されたり、学校では生徒のためのユニフォームが決められているケースがよくみられる。このようなユニフォームを発注する際に、ユニフォームサイズの申告を、ユニフォーム着用者側に任せると、ユニフォーム着用者が自身の身体サイズを正しく把握していない等の理由により、提供されたユニフォームのサイズがユニフォーム着用者の身体サイズに合わない場合がある。そのような場合はユニフォームを交換しなければならず、サイズ交換に要するコスト(往復の配送費用、検品費用、クリーニング費用、入出庫料等)や手間が問題となる。
【0005】
例えば、ユニフォームをレンタル・販売する会社では、サイズ交換に要するコストを削減したい要請がある。また社内でユニフォームの管理を担当する部署では、サイズ交換に関する事務負担を軽減したい要請があり、サイズ集計・発注が容易で効率のよいシステムの提案が求められている。一方、ユニフォーム着用者にとっても、このようなサイズ交換は手間である。かといって、サイズの合わないユニフォームの着用は不快であり、ユニフォーム着用者にとって最適なサイズのユニフォームを着用し最適なフィッティングによる着心地の向上を求めるのは、当然である。
もちろん、最適なサイズのユニフォームを得るには、実際にユニフォーム着用者自身を採寸すればよいことは言うまでもない。しかし、採寸器具の準備を要するとともに計測者による正確な採寸が求められる。またユニフォームのサイズ表は、素材や型等のユニフォーム仕様毎に異なるため、例えば同じ9号というサイズであっても、ユニフォーム仕様によっては、9号サイズが合わない場合もある。よって、たとえ採寸器具を使って正確な採寸ができたとしても、ユニフォーム仕様に対応していない簡易なサイズ表からサイズを認定してもそれが最適サイズとは言えない。またユニフォーム仕様にあわせたサイズ表を取り寄せて確認するにしても、手間が生じてしまう。
【0006】
上記特許文献1及び上記特許文献2に開示されている内容は、いずれも、インターネット通販を利用する一般ユーザに対して、購入する前の段階で適正なサイズを知らせることを想定している。このような場合、提示される服のサイズは注文の際の目安となればよい。しかしながら、BtoBのユニフォーム市場では、サイズの選定はレンタル或いは購入契約後に行われることが一般的で、返品という選択肢がないため、ユニフォーム着用者のヌード寸法の採寸が容易で、精度の高い最適サイズの提案が求められる。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するため、ユニフォーム着用者にとって精度の高い最適なサイズを提示でき、かつ、ユニフォームのサイズ決定のためのコスト・手間等を軽減できるユニフォーム・サイズ決定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のユニフォーム・サイズ決定システムは、機械学習による学習結果を用いて算出されたユニフォーム着用者の採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部と、該判定部で判定された前記最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部とを有したサイズ決定装置を備え、前記判定部は、前記アイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベースから、当該ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出して前記アイテム毎に前記最適サイズを判定する構成とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のユニフォーム・サイズ決定システムは上述した構成とされているため、ユニフォーム着用者にとって精度の高い最適なサイズのものを提案でき、かつ、ユニフォームのサイズ決定のためのコスト・手間等を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るユニフォーム・サイズ決定システムのシステム系統図である。
【
図2】(a)は同実施形態におけるサイズ決定サーバのブロック図であり、(b)は同実施形態におけるユーザ端末のブロック図である。
【
図3】同実施形態における自動採寸サーバのブロック図である。
【
図4】同実施形態におけるユニフォーム・サイズ決定システムの基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【
図5】(a)~(c)は同実施形態におけるユーザ端末の表示画面の一例である。
【
図6】(a)~(d)は同実施形態におけるユーザ端末の表示画面の一例である。
【
図7】(a)及び(b)は同実施形態における最適サイズ判定処理の動作例を示す概略フローチャートである。
【
図8】(a)及び(b)は同実施形態における最適サイズ判定処理での変換ルールの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。まず、本サイズ決定システム1の概略のシステム構成について記述する。
【0012】
<ユニフォーム・サイズ決定システム>
本実施形態におけるユニフォーム・サイズ決定システム1(以下、サイズ決定システム1と略す)は、ユニフォーム着用者やユニフォーム管理者に、最適サイズを提案可能としたシステムである。サイズ決定システム1は、機械学習による学習結果を用いて算出された採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部10bと、該判定部10bで判定された最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部10cとを有したサイズ決定装置10を備えている。判定部10bは、上述のアイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベース12から、当該ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出してアイテム毎に最適サイズを判定する構成とされている。以下、本実施形態では、素材、型(デザイン)等のユニフォーム仕様がすでにオーダーメイドされ、ユニフォーム仕様が確定しているユニフォームをレンタルするケースについて説明する。
【0013】
図1に示すように本実施形態のサイズ決定システム1は、サイズ決定サーバ10と、インターネット3等の通信ネットワークを介して接続可能とされたユーザ端末20と、人工知能が搭載された自動採寸サーバ30とで構成され、セキュアな環境下でインターネット3(通信ネットワーク)を介して相互に通信自在とされる。通信ネットワークとしてはインターネット3の他、パケット通信網、電話回線、それらの組み合わせ等、特に限定されず、有線、無線は問わない。
【0014】
<サイズ決定サーバ(サイズ決定装置)>
図2(a)はサイズ決定サーバ10の構成例を示すブロック図である。サイズ決定サーバ10は、コンピュータ等の情報処理装置により構成されるクライアントサーバであり、サーバコンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。またサイズ決定サーバ10は、単一であってもよいし、複数台で構成されるものであってもよく、専用、汎用は問わない。サイズ決定サーバ10は、制御部10aと、判定部10bと、通知部10cと、送受信部10dと、表示画面生成部10eと、記憶部10fとを備える。制御部10aはCPUとメモリを備え、CPUがメモリに格納された所定のプログラムを実行することで、各種処理が実行される。判定部10bは、後記する自動採寸サーバ30で算出された採寸データに基づいて、ユニフォーム着用者の最適サイズを判定するマッチング処理を実行する。通知部10cは、判定部10bが判定した最適サイズを所定の通知先を判別して通知する。ここではユーザ端末20に通知する例を説明するが自動採寸サーバ30等、所定のサーバに通知し、機械学習のためのデータとして蓄積させてもよい。送受信部10dはユーザ端末20や自動採寸サーバ30等とのデータの送受信を実行する。表示画面生成部10eは、判定部10bで判定された最適サイズ等を提示する表示データを生成する。記憶部10fは、ROM、RAM等のメモリやHDDで構成される。記憶部10fには、ユニフォーム着用者にとっての最適サイズを判定する判定処理実行に必要な各種プログラムが記憶される。記憶部10fは、ユーザデータベース11とサイズデータベース12とを少なくとも備える。ユーザデータベース11には、ユーザ情報が記憶されている。サイズデータベース12には、ユニフォーム仕様毎にジャケット、スカート等のアイテム(ユニフォーム種別)に対応した各種サイズのサイズ表データ等が記憶されている。ユーザデータベース11には、マタニティのサイズデータが記憶されてもよく、サイズデータベース12に記憶されているサイズ表データは、判定部10bによる最適サイズ判定処理の際に参照される。
【0015】
<ユーザ端末>
図2(b)はユーザ端末20の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末20としては、
図1に示すようなスマートフォンやノートパソコンの他、タブレット端末、携帯電話機等、インターネット3を介してサイズ決定サーバ10や自動採寸サーバ30とデータの授受が可能なあらゆる端末装置が利用できる。すなわち、ユーザ端末20は、ユーザ側の情報処理装置のことであり、本実施形態ではユニフォーム着用者が所有するスマートフォンやユニフォームの管理や発注を行う部署等に設置されるパーソナルコンピュータが想定される。ユーザ端末20は、制御部20aと、送受信部20bと、記憶部20cと、表示部20dと、カメラ20eと、操作部20fとを備える。制御部20aはCPUとメモリを備え、CPUがメモリに格納された所定のプログラムを実行することで、各種処理が実行される。送受信部20bはサイズ決定サーバ10や自動採寸サーバ30等とのデータの送受信を実行する。記憶部20cは、ROM、RAM等のメモリやHDDで構成される。表示部20dは、ユーザ端末20、サイズ決定サーバ10や自動採寸サーバ30等による処理結果を表示するためのユーザインターフェースである。カメラ20eは、静止画や動画を撮影できる装置である。操作部20fはユーザによる操作を受け付けるユーザインターフェースである。ここではカメラ20eを備えたユーザ端末20で撮影したユニフォーム着用者の撮像データを採寸データの算出に利用する例を説明するが、別途カメラ等で撮影された撮像データを利用する例を除外するものではない。
【0016】
<自動採寸サーバ>
図3は自動採寸サーバ30の構成例を示すブロック図である。自動採寸サーバ30は、精度の高い最適データを提示するための制御部の一例といえ、ここではサイズ決定サーバ10とは別に設けられた例を説明するが、サイズ決定サーバに組み込まれて構成してもよい。機械学習が可能なプロセッサ(CPU、GPUやGPGPU等)が搭載されたサーバが望ましく、サーバコンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。また自動採寸サーバ30は、単一であってもよいし、複数台で構成されるものであってもよい。さらにここでは自動採寸サーバ30にアクセストークンを発行する認可サーバを備えた例を説明するが、認可サーバを別途設けてもよい。
【0017】
自動採寸サーバ30は、ユニフォーム着用者の精密なヌード寸法を採寸データとして算出する情報処理装置である。自動採寸サーバ30は、制御部30aと、受信部30bと、送信部30cと、採寸データ算出部30dと、記憶部30eとを備える。制御部30aは上述のプロセッサとメモリを備え、プロセッサがメモリに格納された所定のプログラムを実行することで、各種処理が実行される。受信部30b及び送信部30cは、サイズ決定サーバ10やユーザ端末20等とのデータの送受信を実行する。記憶部30eは、ROM、RAM等のメモリやHDD、SDD等で構成される。
【0018】
採寸データ算出部30dは、多層構造のニューラルネットワークを用いた機械学習によりユニフォーム着用者の属性情報、撮像データ等を入力として、属性情報・画像解析が実行され、高精度にユニフォーム着用者の採寸データを算出する。本実施形態では、ユニフォーム着用者の属性情報と撮影データとに基づき、採寸データを算出する例を説明するが、これに限定されず、属性情報のみから算出してもするものであってもよい。またユニフォーム着用者の属性情報としては、身長、体重、性別、年齢に限定されず、その他、普段着用している服のサイズや好みの服のブランド、過去数年の体重の増減情報、自己の体質情報(太りやすい等)等を含ませてもよい。自動採寸サーバ30で算出される採寸データとしては、バスト、ウエスト、ヒップの他、首回り、肩幅、胴回り等10か所以上のヌード寸法の得ることができるが、これに限定されず、さらに詳細なデータを得ることができるよう設定してもよい。よって例えばユニフォームとして、帽子やシューズも貸与される場合は、頭寸法、足の寸法について詳細な寸法を得られる設定としてもよい。さらに機械学習における学習データとしては、幼児層~シニア層といった年齢・性別を問わないデータが使用されるものとしてもよい。またレンタルユニフォーム市場の適用を想定すれば、業種、職種、地位等によって細分化したデータから推論プログラムを生成し、これを自動採寸サーバ30での算出に適用してもよい。
【0019】
本実施形態で説明する自動採寸サーバ30は、あくまで一例であって、要は、従来のように採寸器具を用いることなく、属性情報等に基づいて、ユニフォーム着用者のヌード寸法を高精度に算出できるものであればよい。撮像データとして使用する写真データ(画データ)は、ユニフォーム着用者がどのような服を着ていても、服を着たままで正確な採寸データを得ることができるもの、身体撮影場所は屋内・屋外ともに制約がなく、背景に対する許容度が高いもの、背中が丸まっている状態、肩の位置がずれている状態等、撮影姿勢に対する許容度が高いもの、採寸データの算出のため、必要となる撮像データ量(写真データであれば、2枚等)が少ない構成のものが望ましい。
【0020】
<ユニフォーム・サイズ決定システムの基本フロー>
次に
図4~
図6を参照しながら、サイズ決定システム1の基本動作の一例を説明する。
ここではユニフォーム着用者自身が所有するユーザ端末20(スマートフォンを想定)に専用のアプリケーションソフトウエアがインストールされており、そこからサイズ決定サーバ10にアクセスし、最適サイズを得るまでを説明するが、これにもちろん限定されない。ユニフォームを管理する管理者がユーザ端末20(パソコンを想定)からインターネット3を通じてサイズ決定サーバ10が提供するポータルサイト等からサイズ決定サーバ10にアクセスしてもよい。またここでは、会社コード、ユーザIDがすでに発行されパスワード設定も完了している例について説明するが、ユーザIDを発行・登録する処理は別途行われることは言うまでもない。
【0021】
まずユニフォーム着用者は、ユーザ端末20にインストールされたアプリケーションを起動させる。会社コード・ユーザID・パスワードを入力する画面が表示されたら(S101・
図5(a))、所定のこれらログイン情報を入力し、送信する。サイズ決定サーバ10では認証処理が実行される(S102)。サイズ決定サーバ10は、自動採寸サーバ30にアクセストークンの取得を依頼し(S102)、自動採寸サーバ30では生成・取得したアクセストークンをサイズ決定サーバ10に配布する(S103、S102)。一連の認証処理が完了したら表示画面が生成され(S104)、認証結果がユーザ端末20へ送信される。
【0022】
ユニフォーム着用者は、認証完了表示を確認し(S105)、画面を進めると撮影画面が表示される(S106・
図5(b))。所定のルールに沿って、ユーザ端末20のカメラ20eを起動しユニフォーム着用者の撮影を行い、撮像データの取り込みを行う。続いて属性情報の入力を行う(S107・
図5(c))。属性情報としては、身長、体重、性別、これに加えて、着心地の好みを入力する。
図5(c)の表示部20dには、属性情報の入力画面と同時に取り込んだ撮像データが表示される。そして「送信」ボタンを操作すると、採寸オーダーリクエストが生成され(S108)、属性情報とともに撮像データを受信した自動採寸サーバ30の採寸データ算出部30dは、機械学習によって取得したパターンにしたがって、採寸データを算出する(S109)。算出された採寸データを、サイズ決定サーバ10に送信し、サイズ決定サーバ10の判定部10bではユニフォーム仕様に応じた最適サイズを判定する(S110)。そして最適サイズ表示画面を生成し(S111)、ユーザ端末20に最適サイズを通知し、ユーザ端末20では、最適サイズが表示される(S112・
図7(a))。
なお、アクセストークンのフローは、初回のみに発生し、初回から一定期間内にアクセスがあれば、S103のフローは省略される。
【0023】
以上によれば、採寸用具によらず、またプロに採寸を依頼してなくても、衣服を着たままでユニフォーム着用者のヌード寸法を容易に得ることができる。また機械学習によって得られる採寸データに基づいてユニフォーム着用者の最適サイズを得ることもできるので、ユニフォーム仕様によって異なるサイズ表をその都度、確認する必要がなくなる。そしてこの最適サイズの情報に基づいてユニフォームの発注を行えば、ユニフォーム着用者にとって、最適なサイズのユニフォームが届くことになる。よって、サイズ交換の発生を低減させることができるので、サイズ交換にまつわるコスト・手間等を軽減化できる。またサイズ決定システム1を導入することで、コスト・手間等が軽減できるので、サービスの向上、差別化も図ることができる。
【0024】
<表示部での表示画面について>
図5及び
図6には、ユーザ端末20の表示部20dの一例を種々示している。なお、
図5(a)~(c)、
図6(a)~(d)に示す表示部20dの表示例は説明のために示す一例であって、これに限定されるものではない。
図5(a)には、ログイン画面の表示例を示している。ここでは、ユニフォーム仕様の素材、型(デザイン)がすでにオーダーメイドされ、ユニフォーム仕様が確定しているユニフォームをレンタルするケースを想定しているため、ユニフォーム仕様と、会社コードとユーザIDとが一意に紐付けされている。よって、会社コードを入力すれば、ユニフォーム仕様を特定することができる。
【0025】
図5(b)には、撮影画面の表示例を示している。ここには、正面を向いた人型の枠が表示されるので、ユニフォーム着用者を撮影する際にこの枠内にほぼ収まるように撮影すればよい。このように撮影時の目安となる枠が表示されていると、撮影時の向き、大きさを誤ることなく、スムーズな撮影を行うことができる。
【0026】
図5(c)には、属性情報の入力画面の表示例を示している。身長、体重、性別、着心地(ゆったり、ジャスト、タイトから選択)と順に入力できるようになっており、採寸リクエストして送信する写真も表示されるようになっている。この入力画面には、これらの他、性別欄に女性であることが入力され、マタニティユニフォームの提供がある会社の場合は、妊娠中であるか否かの選択項目が追加される態様であってもよい。
【0027】
図6(a)には、最適サイズの通知表示例を示している。ここに表示されるジャケット、ブラウス、スカート等といったユニフォームアイテム(ユニフォーム種別)は、会社コードに紐付けされた内容であり、提案するユーザによって異なる。よって、例えばベストの着用が求められる企業においては、ここにベストのサイズも自動的に表示される。
またここには、「申込画面」へ遷移する操作部20fが表示される態様になっている。このように、最適サイズが通知された後、レンタルの申込みができる構成としてもよい。もしくは、企業等の場合、このあと、ユニフォーム管理を行う部署へ通知する画面へ遷移する構成としてもよい。この場合、サイズ集計のフォーム等と連動させれば、サイズ集計の手間も削減することができる。
【0028】
図6(b)には、最適サイズを判定した結果、特別注文になることを通知する表示例を示している。サイズ決定サーバ10ではサイズデータベース12を参照してユニフォーム仕様に対応した情報が抽出されるが、採寸データがサイズ表に適合しない場合が生じる。この場合は、特別注文により、ユニフォームを発注する必要があるので、
図6(b)に示すような「特別注文になります。○○○までお問い合わせください。」といったメッセージを表示するようにしてもよい。○○○には、ユニフォームの管理を行う部署名や担当者名としてもよいし、ユニフォーム業者に直接連絡する態様としてもよい。
【0029】
図6(c)は最適サイズの通知を受けた後のユニフォーム選択画面の表示例である。
図6(a)から申込画面へ遷移した際の画面表示の一例とみることもできる。
この画面では、会社コードに基づいて、展開されるユニフォームの例えば、ジャケットの色、スカーフのデザイン(ネクタイか、リボンか等)、スカートの枚数をプルダウンメニューから選べる態様となっている。
【0030】
図6(d)は採寸データの表示例である。
図4に示すフローチャートでは、ユーザ端末20には、採寸データ(ユニフォーム着用者のヌード寸法)は通知されない例について説明しているが、これに限定されず、採寸データ算出処理の後(S109)に採寸データをユーザ端末に通知するようにしてもよい。また通知された内容は、ユーザ端末20に保存できる構成としてもよい。
上述では、ユニフォーム着用者と一意に紐づけられたユニフォーム仕様が、会社コードである場合について説明したが、これに限定されず、所属先コード、例えば学校である場合は、学校コード、医療機関であれば、病院コード等としてもよい。
またユニフォーム着用者と一意に紐づけられるのは、製品コードであってもよい。例えばカタログに掲載されている製品コードとユニフォーム仕様とを紐づけすれば、カタログの中から気に入ったユニフォームをユニフォーム着用者が選び、製品コードを入力すれば、ユニフォーム着用者の採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定し、所定の通知先へ通知する構成としてもよい。
さらにユニフォーム仕様に対応するアイテムは、必ずしも複数アイテムである場合だけでなく、単品である場合も含む。またユニフォーム仕様に対応するアイテムは、ジャケット、スカート等のほか、帽子や靴のサイズも含む。
採寸データや最適サイズ等の通知先は、ユニフォーム着用者自身が所有する端末のほか、ユニフォーム着用者の所属先(会社であれば会社、学校であれば学校等)の端末であってもよいし、ユニフォームを提供する会社であってもよい。また採寸データや最適サイズ等の通知先は一つの端末に限定されず、複数端末に通知される構成としてもよい。
【0031】
<最適サイズの判定処理:ユニフォーム仕様の特定について>
次に
図7(a)、
図7(b)を参照しながら、最適サイズの判定処理のユニフォーム仕様の特定について、さらに説明する。
図7(a)は、上述してきたユニフォーム仕様の素材、型(デザイン)がすでにオーダーメイドされ、ユニフォーム仕様が確定しているユニフォームに関し、最適サイズを判定するフローチャートの一例である。
会社コードからユニフォーム仕様を特定し(S201)、サイズデータベース12に記憶されている特定されたユニフォーム仕様に対応するサイズ表を抽出し、さらに対応するアイテムのサイズデータを抽出する(S202)。そして変換ルールに従って採寸データに基づき、最適サイズを判定する(S203)。
なお、ここでいう変換ルールは、採寸データを最適サイズデータに変換するためのルールをいい、
図8を参照しながら、後述する。
【0032】
以上によれば、オーダーメイドユニフォームの最適サイズが容易に特定でき、最適サイズが判定されるので、この後、ユニフォーム管理システムと連動させれば、サイズ集計を容易に行うことができる。またサイズ決定・システムと既存のユニフォーム管理システムと連動させれば、社内での人事異動・汚損・破損等によりユニフォームの変更・交換が必要な場合にも事務管理等の手間を大幅に低減することができる。
【0033】
図7(b)は、オーダーメイドのユニフォームではなく、複数のメーカによって製造された既製のものから選んだユニフォームに関し、最適サイズを判定するフローチャートの一例である。この場合は、ユーザ認証完了後(例えば
図4・S105)から採寸オーダーリクエストまでに(例えば
図4・S105~S108)、複数のメーカによって製造された既製のユニフォームを選択自在としたカタログ閲覧と選択できるフローが追加される。
品番等、選択したコードからユニフォーム仕様を特定し(S301)、サイズデータベース12に記憶されている特定されたユニフォーム仕様に対応するサイズ表を抽出し、さらに対応するアイテムのサイズデータを抽出する(S302)。そして変換ルールに従って採寸データに基づき、最適サイズを判定する(S303)。
【0034】
この場合、サイズデータベース12には、複数のメーカのユニフォーム仕様に対応した品番とこれに対応するアイテム、サイズ等が記憶されるとともに、随時更新できる構成となっている。
また複数のメーカで製造された既製のユニフォームの中から選択するため、ユニフォーム仕様の情報は、例えばメーカごとに区別されたカタログからユニフォームを選択できる構成であってもよいし、職種ごとに区別されたカタログからユニフォームを選択できる構成であってもよい。
【0035】
上述したようにサイズデータベース12には、複数のアパレルメーカのユニフォーム仕様に対応するアイテム、品番、サイズ等のサイズ表が登録されるため、例えばこのサイズ決定システム1に参画したいアパレルメーカは、ユニフォーム仕様に対応するアイテム、品番、サイズ等のサイズデータの登録が必要となる。
以上によれば、ユニフォーム着用者や企業等にとって好みのアパレルメーカの商品の中から好みのユニフォームを選ぶことができる。
【0036】
<最適サイズの判定処理:採寸データから最適サイズへの変換ルールについて>
次に
図8(a)及び
図8(b)を参照しながら、最適サイズの判定処理:採寸データから最適サイズへの変換ルールについて、さらに説明する。
自動採寸サーバ30で算出された採寸データから最適サイズを判定する際の変換ルールは、ユニフォーム仕様に基づきアイテムごとに設けられ、採寸データを個別に重みづけして数値データ化し、その数値データから最適サイズを判定する。
具体的には、ユニフォーム仕様に対応したアイテムより抽出され、アイテムに対応するサイズデータは、たとえばジャケットの場合、バスト、肩幅、袖丈、着丈といった寸法種別の採寸データから判定できる構成としてもよいし、より詳細な採寸データから、より細かい判定基準で判定をしてもよい。
【0037】
図8(a)及び
図8(b)には、バスト、肩幅、袖丈、着丈に加え、首回り、胴回り、裾回りの採寸データから、最適サイズを判定しようとするものである。下記区分化は一例であって、この手法に限定されるものではない。また下記では重みづけの手法を簡略化して述べているにすぎず、閾値やアルゴリズム等は下記に限定されてるものでもない。
バスト、肩幅、袖丈、着丈といった寸法種別ごとに、その寸法(採寸データの値)によって、複数に区分化されている。具体的には、寸法閾値に応じて、つぎのような区分が規定されている。
バスト・・・3区分(1~3)
肩幅・・・3区分(1~3)
袖丈・・・3区分(1~3)
着丈・・・4区分(1~4)
首回り・・・3区分(1~3)
胴回り・・・3区分(1~3)
裾回り・・・4区分(1~4)
上記( )内の数値は、寸法におうじた区分値であり、採寸データと寸法閾値との比較により得られる。
【0038】
図8(a)に示すようなユニフォームの場合、
図8(b)に比べてウエストを絞ったデザインであるため、採寸データから得た区分値を経て数値データに変換するうえで、胴回りと裾回りを重視し、首回りと着丈の重みづけを軽くするように行ってもよい。
例えばより具体的には、袖丈、胴回りの区分値は2倍(
図8(a)の○印)し、着丈、首回りの区分値は0.5倍(
図8(a)の△印)し、他の区分値はそのまま利用し、それらを合算し、数値データを算出する。既定サイズの例えばS、M、L、LL、3Lはあらかじめ閾値化されており、算出された数値データと既定サイズ閾値を比較し、サイズデータを決定する。
【0039】
具体的には、各区分値が
首回り:2、肩幅:3、胸回り:2、胴回り:4、裾回り:3、着丈:4、裄丈:3であれば、数値データは、2×0.5+3+2+4×2+3+4×0.5+3×2=25となる。
【0040】
S、M、L、LL、3Lの既定サイズ閾値を
S<16
16≦M<20
20≦L<24
24≦LL<26
26≦3L
とするならば、上記数値データは25であるから、最適サイズはLLであると決定される。
【0041】
図8(b)も同様に、寸法種別ごとに重みづけがされており、それに従って数値データが算出され、その数値データと既定サイズ閾値との比較によりサイズデータが決定される。
図8(b)のユニフォームは、裾回りはゆったりで、袖は七分であるため、裾回りと袖丈の重みづけを軽く(0.5倍(
図8(b)の△印))行うようにしてもよく、この手法は着心地(ゆったり、ジャスト、タイト等)を考慮した最適サイズの判定を行う際にも適用できる。
【0042】
このように、サイズ決定コンピュータ10では、ユニフォーム仕様によりサイズデータへの変換ルールが定められている。具体的には、変換ルールは、プログラム・コードや、それらを振り分けるためのコントロール・データなどで規定されればよい。また、変換ルールが、プログラム・コードのみで構成されてもよい。また、変換ルールは、上述の
図8に示したものには限られず、アパレルメーカやスポーツメーカ等のメーカ、或いはブランド毎に種々に異なるアルゴリズムであってもよい。また、サイズデータは、既定サイズであるS、M、L、LL、3Lに限られず、XS、S、M、L、XLといった国際基準に沿ったもの、5号、9号・・・といったJIS規格に沿ったもの、スポーツウエアの規格(JASPO等)に沿ったもの、アメリカやイギリス等のインチに沿ったもの、年代、性別によって分けたもの等、あらゆるサイズに対応可能に構成される。
【0043】
以上、サイズ決定システム1の構成は上述の実施形態に限定されるものではない。例えばサイズ決定サーバ10は、ユニフォーム提供会社等が運用、管理してもよいし、委託会社が運用、管理するものであってもよい。またサイズ決定コンピュータ10の構成自体をソフトウエアとし、ユーザ端末20にインストールできる構成としてもよいし、ユニフォームの発注が可能な店舗等に設置される端末にインストールする構成としてもよい。さらにユーザ端末20への通知はアプリケーションを通じて行うものでもよいし、登録するメールアドレスに通知する態様としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 ユニフォーム・サイズ決定システム(サイズ決定システム)
3 通信ネットワーク(インターネット)
10 サイズ決定装置(サイズ決定サーバ)
10b 判定部
10c 通知部
12 サイズデータベース
20 ユーザ端末
20e カメラ
30 自動採寸サーバ
30d 採寸データ算出部
【手続補正書】
【提出日】2021-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械学習による学習結果を用いてユニフォーム着用者の採寸データを算出する採寸データ算出部と、前記採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部と、該判定部で判定された前記最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部と、を備え、
前記判定部は、前記アイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベースから、当該ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出して前記アイテム毎に前記最適サイズを判定する構成とされており、
前記採寸データ算出部は、前記ユニフォーム着用者の身長、体重、性別、年齢及び着心地の好みを含む属性情報に基づき前記採寸データを算出することを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定の通知先は、前記ユニフォーム着用者自身が所有する端末であることを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記採寸データは、前記ユニフォーム着用者が任意の服を着用した状態の撮像データに基づいて前記採寸データ算出部において算出されることを特徴とするユニフォーム・サイズ決定システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のユニフォーム・サイズ決定システムは、 機械学習による学習結果を用いてユニフォーム着用者の採寸データを算出する採寸データ算出部と、前記採寸データに基づいて、ユニフォーム仕様に対応したジャケット、スカート等のアイテム毎の最適サイズを判定する判定部と、該判定部で判定された前記最適サイズを所定の通知先へ通知する通知部と、を備え、前記判定部は、前記アイテムに対応した各種サイズのサイズ表データが記憶されたサイズデータベースから、当該ユニフォーム仕様に対応した情報を抽出して前記アイテム毎に前記最適サイズを判定する構成とされており、前記採寸データ算出部は、前記ユニフォーム着用者の身長、体重、性別、年齢及び着心地の好みを含む属性情報に基づき前記採寸データを算出することを特徴とする。