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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032361
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】懸架装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 11/10 20060101AFI20220217BHJP
   B60G 11/08 20060101ALI20220217BHJP
   F16F 1/18 20060101ALI20220217BHJP
   F16F 1/368 20060101ALI20220217BHJP
   F16F 15/073 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B60G11/10
B60G11/08
F16F1/18 G
F16F1/368 Z
F16F15/073
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136048
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯野 信次
(72)【発明者】
【氏名】中山 壮一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓也
【テーマコード(参考)】
3D301
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
3D301AA03
3D301AA04
3D301AA05
3D301CA02
3D301CA22
3D301DA03
3D301DA22
3D301DA50
3D301DA66
3D301DA90
3D301DB15
3D301DB22
3D301DB50
3J048AA01
3J048AD05
3J048BC04
3J048BD01
3J048BD04
3J048EA15
3J059AA10
3J059BA11
3J059BB01
3J059BD03
3J059DA01
3J059GA02
(57)【要約】
【課題】車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる懸架装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る懸架装置は、帯状に延びる板ばねと、第1アームと、第2アームと、第1及び第2アームを回転自在に連結する連結部材と、を備える懸架装置であって、板ばねの一端を保持する第1保持部と、板ばねの他端を保持する第2保持部と、第1アームに設けられ、板ばねの一端及び他端とは異なる位置で板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第1支持位置調整部と、第2アームに設けられ、板ばねの一端及び他端とは異なる位置で板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第2支持位置調整部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に延びる板ばねと、
第1アームと、
第2アームと、
前記第1及び第2アームを回転自在に連結する連結部材と、
を備える懸架装置であって、
前記板ばねの一端を保持する第1保持部と、
前記板ばねの他端を保持する第2保持部と、
前記第1アームに設けられ、前記板ばねの一端及び他端とは異なる位置で前記板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第1支持位置調整部と、
前記第2アームに設けられ、前記板ばねの一端及び他端とは異なる位置で前記板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第2支持位置調整部と、
を有することを特徴とする懸架装置。
【請求項2】
前記第1及び第2支持位置調整部による前記板ばねの支持位置は、前記第1アームと前記連結部材との第1の連結位置、及び、前記第2アームと前記連結部材との第2の連結位置の間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
【請求項3】
前記第1及び第2支持位置調整部は、
前記板ばねの長手方向に沿って当該板ばねに対する当接位置を変位可能なカムと、
前記カムを貫通する軸部材と、
前記軸部材を支持し、当該懸架装置の長手方向に移動可能な軸支持部と、
前記軸支持部を前記長手方向に移動させる動力を供給する動力供給部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の懸架装置。
【請求項4】
前記第1及び第2支持位置調整部は、
前記板ばねの挟み込む第1及び第2ローラーと、
前記第1及び第2ローラーを支持し、当該懸架装置の長手方向に移動可能なローラー支持部と、
前記ローラー支持部を移動させる駆動部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の懸架装置。
【請求項5】
前記駆動部は、
前記ローラー支持部と螺合する送りねじと、
前記送りねじを回転させる動力を供給するモータと、
を有することを特徴とする請求項4に記載の懸架装置。
【請求項6】
前記駆動部は、
前記第2ローラーと歯合するウォームと、
前記ウォームを回転させる動力を供給するモータと、
を有することを特徴とする請求項4に記載の懸架装置。
【請求項7】
前記第1及び第2支持位置調整部は、
前記板ばねを介して対向して設けられる、対をなす当接部を複数組有し、
前記当接部は、
伸長によって前記板ばねに圧接する伸縮部材、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の懸架装置。
【請求項8】
前記板ばねは、繊維強化プラスチックからなる、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の懸架装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸架装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等に設けられ、路面の凹凸による振動が車輪を経て車体に伝わらないようにする緩衝機能を有し、車両の乗り心地や操縦の安定性などを向上させる懸架装置が知られている。懸架装置のうち、リーフスプリング式の懸架装置は、板ばねを用いて構成される(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
板ばねは、車輪を支持するアームと、車体を支持するメンバーとに取り付けられる。具体的に、板ばねは、右側の車輪を支持する右アーム、左側の車輪を支持する左アーム、車体を支持するメンバーに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-263109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の懸架装置は、板ばねがメンバーに取り付けられているため、車輪からの振動が、この板ばねを伝達経路として、メンバーから車体に伝達される。振動が車体に伝達されると、乗り心地の品質や操縦の安定性が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる懸架装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る懸架装置は、帯状に延びる板ばねと、第1アームと、第2アームと、前記第1及び第2アームを回転自在に連結する連結部材と、を備える懸架装置であって、前記板ばねの一端を保持する第1保持部と、前記板ばねの他端を保持する第2保持部と、前記第1アームに設けられ、前記板ばねの一端及び他端とは異なる位置で前記板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第1支持位置調整部と、前記第2アームに設けられ、前記板ばねの一端及び他端とは異なる位置で前記板ばねを支持し、該支持位置を当該板ばねの長手方向に沿って変位可能な第2支持位置調整部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記第1及び第2支持位置調整部による前記板ばねの支持位置は、前記第1アームと前記連結部材との第1の連結位置、及び、前記第2アームと前記連結部材との第2の連結位置の間に位置する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記第1及び第2支持位置調整部は、前記板ばねの長手方向に沿って当該板ばねに対する当接位置を変位可能なカムと、前記カムを貫通する軸部材と、前記軸部材を支持し、当該懸架装置の長手方向に移動可能な軸支持部と、前記軸支持部を前記長手方向に移動させる動力を供給する動力供給部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記第1及び第2支持位置調整部は、前記板ばねの挟み込む第1及び第2ローラーと、前記第1及び第2ローラーを支持し、当該懸架装置の長手方向に移動可能なローラー支持部と、前記ローラー支持部を移動させる駆動部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記駆動部は、前記ローラー支持部と螺合する送りねじと、前記送りねじを回転させる動力を供給するモータと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記駆動部は、前記第2ローラーと歯合するウォームと、前記ウォームを回転させる動力を供給するモータと、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記第1及び第2支持位置調整部は、前記板ばねを介して対向して設けられる、対をなす当接部を複数組有し、前記当接部は、伸長によって前記板ばねに圧接する伸縮部材、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る懸架装置は、上記の発明において、前記板ばねは、繊維強化プラスチックからなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その1)である。
図4図4は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その2)である。
図5図5は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す平面図(その1)である。
図6図6は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す平面図(その2)である。
図7図7は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図であって、図2に示す懸架装置における板ばねの当接位置を変更した状態を示す斜視図である。
図9図9は、図8に示す懸架装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
図10図10は、図2に示す懸架装置と、図8に示す懸架装置との板ばねの当接位置について説明する図である。
図11図11は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その1)である。
図13図13は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その2)である。
図14図14は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置における、板ばねの当接位置の変更方法について説明する図である。
図15図15は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図16図16は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その1)である。
図17図17は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図(その2)である。
図18図18は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置における、板ばねの当接位置の変更方法について説明する図である。
図19図19は、本発明の実施の形態4に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図20図20は、図19に示すB-B線断面図である。
図21図21は、本発明の実施の形態4に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。懸架装置1は、例えば車両に設けられ、右側の車輪、左側の車輪、及び車体(ボディ)の間に介在して、車輪から伝わる振動が車体に伝達されることを抑制する。
【0019】
懸架装置1は、右側の車輪を支持する右アーム11と、左側の車輪を支持する左アーム12と、車体を支持するメンバー13と、車輪からの振動に応じて弾性変形する板ばね14と、第1支持位置調整部15と、第2支持位置調整部16とを備える。懸架装置1は、メンバー13を経て車体に取り付けられ、路面の凹凸に応じて車輪から伝達される振動を吸収する。車輪は、ナックルやディスクロータ等を経てアームに支持される。なお、図1において、X方向は車体に取り付けられた際の車両の左右方向であり、懸架装置1の長手方向に相当し、Y方向は車両の前後方向に相当し、Z方向は車両の上下方向に相当する。
【0020】
右アーム11は、右側の車輪を支持する第1支持部11aと、第1支持部11aの車輪支持側と反対側に設けられ、メンバー13に支持される第1被支持部11bと、第1被支持部11bの第1支持部11a側と反対側に延び、第1支持位置調整部15を移動可能に保持する保持部11cと、板ばね14の一端を把持する第1リンク11dとを有する。
【0021】
第1リンク11dは、板ばね14の一端を把持する第1把持部111と、第1支持部11aと第1把持部111とを連結する第1連結部112とを有する。第1把持部111は、第1連結部112に、Y方向と平行な軸112aのまわりに回転可能に支持される。軸112aは、第1把持部111を貫通して、第1連結部112の一端に支持される。第1連結部112は、第1支持部11aに、Y方向と平行な軸112bのまわりに回転可能に支持される。軸112bは、第1連結部112を貫通して、第1支持部11aに支持される。軸112a、112bは、例えば、ピンやボールジョイントによって構成される。
【0022】
左アーム12は、左側の車輪を支持する第2支持部12aと、第2支持部12aの車輪支持側と反対側に設けられ、メンバー13に支持される第2被支持部12bと、第2被支持部12bの第2支持部12a側と反対側に延び、第2支持位置調整部16を移動可能に保持する保持部12cと、板ばね14の他端端を把持する第2リンク12dとを有する。
【0023】
第2リンク12dは、板ばね14の一端を把持する第2把持部121と、第2支持部12aと第2把持部121とを連結する第2連結部122とを有する。第2把持部121は、第2連結部122に、Y方向と平行な軸122aのまわりに回転可能に支持される。軸122aは、第2把持部121を貫通して、第2連結部122の一端に支持される。第2連結部122は、第2支持部12aに、Y方向と平行な軸122bのまわりに回転可能に支持される。軸122bは、第2連結部122を貫通して、第2支持部12aに支持される。軸122a、122bは、例えば、ピンやボールジョイントによって構成される。
【0024】
ここで、第1リンク11d及び第2リンク12dは、板ばね14の端部をそれぞれ把持する。本明細書では、部材面に圧接して、この部材の少なくとも垂直方向(ここではZ方向)への動作を拘束して保持することを面支持という。この面支持では、部材を取り囲んで水平方向(ここではY方向)への動作、回転動作をさらに拘束して保持してもよい。第1把持部111及び第2把持部121は、面支持によって、板ばね14の端部をそれぞれ保持する。なお、板ばね14は、第1把持部111及び第2把持部121に対し挿脱する方向に移動可能である。
面支持に対し、突起等によって点や線で支持することを点支持という。点支持では、把持部に突起が設けられ、突起を支点として板ばね14が回転しうる程度の面積で板ばね14を支持する。第1把持部111及び第2把持部121は、点支持によって板ばね14を把持してもよい。
【0025】
メンバー13は、車体を支持し、車体と、右側車輪、右アーム11、左側車輪及び左アーム12との間に介在する。メンバー13は、右アーム11を支持するアーム支持部13aと、左アーム12を支持するアーム支持部13bと、X方向(車体の左右方向)に延び、右アーム11及び左アーム12に接続する本体部13cとを有する。アーム支持部13a、13bは、本体部13cが延びる方向(X方向)に対して垂直な方向(Y方向)に延びる。アーム支持部13aは、右アーム11を、Y方向に延びる回転軸Y1のまわりに回転可能に支持する。アーム支持部13bは、左アーム12を、Y方向に延びる回転軸Y2のまわりに回転可能に支持する。メンバー13は、右アーム11及び左アーム12を回転自在に連結する連結部材に相当する。なお、メンバー13は、車体と一体化されたものであってもよい。メンバー13が車体と一体化されている場合は、車体が右アーム11及び左アーム12と連結する連結部材の機能を担う。
【0026】
板ばね14は、帯状をなしてX方向に延びる。板ばね14は、例えば、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)や、金属、樹脂を用いて形成される。板ばねは、一枚の板材からなるものであってもよいし、複数枚の板材を積層してなるものであってもよい。なお、板ばね14の形状や弾性力等を設計するうえで、FRPは、金属や樹脂と比して、その設計の自由度が高い。
【0027】
続いて、第1支持位置調整部15及び第2支持位置調整部16について、図3図7を参照して説明する。図3及び図4は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。図5及び図6は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す平面図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。図4図6は、図3に示す構成からメンバー13を取り除いた図である。また、図7は、右アーム11を図1に示すA-A線で切断した図である。
【0028】
第1支持位置調整部15は、カム151と、軸部材152と、軸支持部153と、リニアアクチュエータ154とを有する。カム151及び軸部材152は、板ばね14を挟む位置に二つずつ設けられる。軸支持部153及びリニアアクチュエータ154は、カム151を挟む位置に二つずつ設けられる。
【0029】
軸部材152は、Y方向に延びてカム151を貫通するとともに、両端が軸支持部153に保持される。軸部材152は、カム151を板ばね14に押し付ける。
【0030】
軸支持部153は、保持部11cに対してX方向に摺動可能である。軸支持部153は、板ばね14を挟んで二つの軸部材152を支持する。
【0031】
リニアアクチュエータ154は、一端が軸支持部153に取り付けられ、X方向に進退自在である。リニアアクチュエータ154は、図示しない制御装置の制御のもとで駆動する。軸支持部153は、リニアアクチュエータ154の進退動作によって、X方向に移動する。
【0032】
第2支持位置調整部16は、カム161と、軸部材162と、軸支持部163と、リニアアクチュエータ164とを有する。軸支持部163及びリニアアクチュエータ164は、カム161を挟む位置に二つずつ設けられる。
【0033】
軸部材162は、Y方向に延びてカム161を貫通するとともに、両端が軸支持部163に保持される。軸部材162は、カム161を板ばね14に押し付ける。
【0034】
軸支持部163は、保持部11cに対してX方向に摺動可能である。軸支持部163は、板ばね14を挟んで二つの軸部材162を支持する。
【0035】
リニアアクチュエータ164は、一端が軸支持部163に取り付けられ、X方向に進退自在である。リニアアクチュエータ164は、図示しない制御装置の制御のもとで駆動する。軸支持部163は、リニアアクチュエータ164の進退動作によって、X方向に移動する。
【0036】
ここで、第1支持位置調整部15による板ばね14の支持位置は、右アーム11とメンバー13との連結位置(回転軸Y1)よりも内側(右側車輪側と反対側)である。また、第2支持位置調整部16による板ばね14の支持位置は、左アーム12とメンバー13との連結位置(回転軸Y2)よりも内側(左側車輪側と反対側)である。第1支持位置調整部15による板ばね14の支持位置、及び、第2支持位置調整部16による板ばね14の支持位置は、いずれも、回転軸Y1と回転軸Y2との間に位置している。
【0037】
また、懸架装置1では、アームの変位によって板ばね14が変形した場合であっても、メンバー13はその変形の影響を受けずに変形しない。すなわち、懸架装置1において、アームから板ばね14に振動が伝わった場合、板ばね14がその振動を吸収するとともに、メンバー13にはその振動が伝達されない。この際、右アーム11及び左アーム12は、メンバー13によって回転可能に支持されており、変動による荷重が回転力に変換されるため、アームの振動がメンバー13に伝達されることが抑制される。
【0038】
図8は、本発明の実施の形態1に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図であって、図2に示す懸架装置における板ばねの当接位置を変更した状態を示す斜視図である。図9は、図8に示す懸架装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【0039】
軸支持部153がX方向に移動すると、軸部材152がX方向に移動する。図8に示す例では、軸部材152が第1支持部11a側に移動した場合を示している。
軸部材152が移動すると、軸部材152に沿ってカム151が揺動回転し、板ばね14に対する当接位置が変化する。
【0040】
図10は、図2に示す懸架装置と、図8に示す懸架装置との板ばねの当接位置について説明する図である。図10の(a)は、図2に示す懸架装置1におけるカム151と板ばね14との接触状態を示し、図10の(b)は、図8に示す懸架装置1におけるカム151と板ばね14との接触状態を示す。軸部材152の移動によってカム151が揺動回転すると、上述したように、カム151と板ばね14との当接位置が変化する。板ばね14とカム151とは、例えば、図10の(a)に示す領域R1、R2において接触している状態から、軸部材152の移動によって、図10の(b)に示す領域R3、R4において接触している状態に遷移する。この際、右アーム11とメンバー13との連結位置(回転軸Y1)から、カム151と板ばね14との当接位置の中央部までの距離(d1>d2)が変化する。この当接位置の変位によって、懸架装置1のばね特性が変わる。
【0041】
なお、第2支持位置調整部16においても同様に当接位置が調整される。この際、第2支持位置調整部16における、左アーム12とメンバー13との連結位置(回転軸Y2)から、カム161と板ばね14との当接位置の中央部までの距離が、第1支持位置調整部15における、右アーム11とメンバー13との連結位置(回転軸Y1)から、カム151と板ばね14との当接位置の中央部までの距離と同等であることが好ましい。一方、各アームとメンバー13の連結位置と当接位置との距離は、左右のアームで異なるようにしてもよい。
【0042】
以上説明した実施の形態1では、右アーム11及び左アーム12によって板ばね14を支持し、アームの変位によって伝わる振動を板ばね14が吸収するとともに、板ばね14の変形(変位)による振動がメンバー13に直接伝わらないようにしたので、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる。また、懸架装置1は、例えば車体が傾斜(ロール)して、一方の車輪が上方側(車体側)に、他方の車輪がその反対側(ここではZ方向の反対側)に変位したときに、板ばね14が変形したり、元の形状に戻ろうとしたりすることによって、車体の傾き(ロール角)を抑制する。
【0043】
また、実施の形態1では、第1支持位置調整部15及び第2支持位置調整部16によって、各アームにおける板ばね14の当接位置を調整できるようにしたので、例えば、車体の大きさ等の車種や、車体速度、路面状況に応じて、懸架装置1の特性を調整することが可能となる。ここでいう特性とは、例えば、ばね特性が挙げられる。
【0044】
さらに、実施の形態1によれば、板ばね14をアームの配設領域内に配置しているため、板ばね14の配設スペースを効率化することができる。
【0045】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図11図14を参照して説明する。図11は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。図12及び図13は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。実施の形態2に係る懸架装置1Aは、上述した懸架装置1の第1支持位置調整部15及び第2支持位置調整部16に代えて第1支持位置調整部17及び第2支持位置調整部18を備える。本実施の形態2では、第1支持位置調整部17及び第2支持位置調整部18の構成以外は、上述した実施の形態1の構成と同じである。以下、第1支持位置調整部17及び第2支持位置調整部18の構成について説明する。
【0046】
第1支持位置調整部17は、第1ローラー171と、第2ローラー172と、ローラー支持部173と、送りねじ174と、モータ175とを備える。
【0047】
第1ローラー171及び第2ローラー172は、板ばね14に対して互いに反対側に設けられ、板ばね14を挟み込む。
【0048】
ローラー支持部173は、モータ175の駆動によって保持部11cに対してX方向に摺動可能である。ローラー支持部173は、第1ローラー171及び第2ローラー172を支持する。ローラー支持部173は、送りねじ174と螺合する。
【0049】
送りねじ174は、モータ175の駆動によって回転する。送りねじ174は、一端がモータ175に連結し、他端が保持部11cに保持される。
モータ175は、保持部11cに保持され、図示しない制御装置のもとで駆動する。
【0050】
第2支持位置調整部18は、第3ローラー181と、第4ローラー182と、ローラー支持部183と、送りねじ184と、モータ185とを備える。
【0051】
第3ローラー181及び第4ローラー182は、板ばね14に対して互いに反対側に設けられ、板ばね14を挟み込む。
【0052】
ローラー支持部183は、モータ185の駆動によって保持部11cに対してX方向に摺動可能である。ローラー支持部183は、第3ローラー181及び第4ローラー182を支持する。ローラー支持部183は、送りねじ184と螺合する。
【0053】
送りねじ184は、モータ185の駆動によって回転する。送りねじ184は、一端がモータ185に連結し、他端が保持部12cに保持される。
モータ185は、保持部12cに保持され、図示しない制御装置のもとで駆動する。
【0054】
図14は、本発明の実施の形態2に係る懸架装置における、板ばねの当接位置の変更方法について説明する図である。モータ175の駆動によって送りねじ174が回転すると、ローラー支持部173がX方向に移動する。ローラー支持部173は、送りねじ174の回転方向に応じて移動する。
ローラー支持部173が矢印Qの方向に移動すると、第1ローラー171及び第2ローラー172による板ばね14への当接位置がX方向に移動する。
第2支持位置調整部18においても同様に、モータ185の駆動によってローラー支持部183がX方向に移動することによって、第3ローラー181及び第4ローラー182による板ばね14への当接位置がX方向に移動する。
【0055】
以上説明した実施の形態2では、実施の形態1と同様、右アーム11及び左アーム12によって板ばね14を支持し、アームの変位によって伝わる振動を板ばね14が吸収するとともに、板ばね14の変形(変位)による振動がメンバー13に直接伝わらないようにしたので、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる。また、実施の形態2によれば、板ばね14をアームの配設領域内に配置しているため、板ばね14の配設スペースを効率化することができる。
【0056】
さらに、実施の形態2では、第1支持位置調整部17及び第2支持位置調整部18によって、各アームにおける板ばね14の当接位置を調整できるようにしたので、例えば、車体の大きさ等の車種や、車体速度、路面状況に応じて、懸架装置1Aの特性を調整することが可能となる。
【0057】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図15図18を参照して説明する。図15は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。図16及び図17は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。実施の形態3に係る懸架装置1Bは、上述した懸架装置1の第1支持位置調整部15及び第2支持位置調整部16に代えて第1支持位置調整部19及び第2支持位置調整部20を備える。本実施の形態3では、第1支持位置調整部19及び第2支持位置調整部20の構成以外は、上述した実施の形態1の構成と同じである。以下、第1支持位置調整部19及び第2支持位置調整部20の構成について説明する。
【0058】
第1支持位置調整部19は、第1ローラー191と、第2ローラー192と、ローラー支持部193と、ウォーム194と、モータ195とを備える。
【0059】
第1ローラー191及び第2ローラー192は、板ばね14に対して互いに反対側に設けられ、板ばね14を挟み込む。第2ローラー192には、ウォーム194と歯合するウォームホイール192aが設けられる。
【0060】
ローラー支持部193は、モータ195の駆動によって保持部11cに対してX方向に摺動可能である。ローラー支持部193は、第1ローラー191及び第2ローラー192を支持する。
【0061】
ウォーム194は、X方向に延び、モータ195の駆動によって回転する。モータ195は、図示しない制御装置のもとで駆動する。
【0062】
第2支持位置調整部20は、第3ローラー201と、第4ローラー202と、ローラー支持部203と、ウォーム204と、モータ205とを備える。
【0063】
第3ローラー201及び第4ローラー202は、板ばね14に対して互いに反対側に設けられ、板ばね14を挟み込む。第4ローラー202には、ウォーム204と歯合するウォームホイール202aが設けられる。
【0064】
ローラー支持部203は、モータ205の駆動によって保持部11cに対してX方向に摺動可能である。ローラー支持部203は、第3ローラー201及び第4ローラー202を支持する。
【0065】
ウォーム204は、X方向に延び、モータ205の駆動によって回転する。モータ205は、図示しない制御装置のもとで駆動する。
【0066】
図18は、本発明の実施の形態3に係る懸架装置における、板ばねの当接位置の変更方法について説明する図である。モータ195の駆動によってウォーム194が回転すると、第2ローラー192のウォームホイール192aが回転する。この際、ウォーム194の回転動力が、歯合によってウォームホイール192aの回転動力に変換される。ウォームホイール192aの回転により第2ローラー192が回転すると、第2ローラー192と板ばね14との間に生じる摩擦によって、第2ローラー192がX方向に移動する。第2ローラー192の移動によってローラー支持部193がX方向に移動する。このように、ローラー支持部193は、ウォーム194の回転方向に応じてX方向に移動する。
ローラー支持部193が矢印Q方向に移動すると、第1ローラー191及び第2ローラー192による板ばね14への当接位置がX方向に移動する。
第2支持位置調整部20においても同様に、モータ205の駆動によってローラー支持部203が移動することによって、第3ローラー201及び第4ローラー202による板ばね14への当接位置がX方向に移動する。
【0067】
以上説明した実施の形態3では、実施の形態1と同様、右アーム11及び左アーム12によって板ばね14を支持し、アームの変位によって伝わる振動を板ばね14が吸収するとともに、板ばね14の変形(変位)による振動がメンバー13に直接伝わらないようにしたので、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる。また、実施の形態3によれば、板ばね14をアームの配設領域内に配置しているため、板ばね14の配設スペースを効率化することができる。
【0068】
さらに、実施の形態3では、第1支持位置調整部19及び第2支持位置調整部20によって、各アームにおける板ばね14の当接位置を調整できるようにしたので、例えば、車体の大きさ等の車種や、車体速度、路面状況に応じて、懸架装置1Bの特性を調整することが可能となる。
【0069】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、図19図21を参照して説明する。図19は、本発明の実施の形態4に係る懸架装置の構成を模式的に示す斜視図である。図20は、図19に示すB-B線断面図である。図21は、本発明の実施の形態4に係る懸架装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。実施の形態4に係る懸架装置1Cは、上述した懸架装置1の第1支持位置調整部15及び第2支持位置調整部16に代えて第1支持位置調整部21及び第2支持位置調整部22を備える。本実施の形態4では、第1支持位置調整部21及び第2支持位置調整部22の構成以外は、上述した実施の形態1の構成と同じである。以下、第1支持位置調整部21及び第2支持位置調整部22の構成について説明する。
【0070】
第1支持位置調整部21は、複数の当接部(第1当接部211~第6当接部216)を備える。ここで、第1当接部211は、板ばね14を介して第4当接部214と対向する。同様に、第2当接部212は第5当接部215と対向し、第3当接部213は第6当接部216と対向する。
【0071】
第2支持位置調整部22は、複数の当接部(第1当接部221~第6当接部226)を備える。ここで、第1当接部221は、板ばね14を介して第4当接部224と対向する。同様に、第2当接部222は第5当接部225と対向し、第3当接部223は第6当接部226と対向する。
【0072】
各当接部は、エアシリンダと、エア接続部と、エアシリンダ押え部とを有する。ここでは、図21に示す第3当接部213の構成を例にして説明する。第3当接部213は、エアシリンダ217と、エア接続部218と、エアシリンダ押え部219とを有する。
【0073】
エアシリンダ217は、内部へのエアの導入によって伸縮する。具体的には、エアシリンダ217は、エア接続部218を経て送られるエアによって伸長する。エアシリンダ押え部219は、エアシリンダ217が板ばね14側とは反対側に伸長することを抑制する。
【0074】
第1支持位置調整部21及び第2支持位置調整部22では、図示しない制御装置の制御のもと、当接部へのエアの供給が制御される。第1支持位置調整部21では、互いに対向する当接部を組として、エアが供給される。例えば、第1当接部211と第4当接部214とにエアが供給される。エアが供給された当接部では、エアシリンダが伸長して板ばね14に当接する。この際、対をなす当接部のエアシリンダが伸長することによって、板ばね14が挟み込まれる。
【0075】
支持部へのエアの供給を制御することによって、第1支持位置調整部21における板ばね14への当接位置、及び、第2支持位置調整部22における板ばね14への当接位置をX方向に移動させることができる。
【0076】
以上説明した実施の形態4では、実施の形態1と同様、右アーム11及び左アーム12によって板ばね14を支持し、アームの変位によって伝わる振動を板ばね14が吸収するとともに、板ばね14の変形(変位)による振動がメンバー13に直接伝わらないようにしたので、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制することができる。また、実施の形態3によれば、板ばね14をアームの配設領域内に配置しているため、板ばね14の配設スペースを効率化することができる。
【0077】
さらに、実施の形態4では、第1支持位置調整部21及び第2支持位置調整部22によって、各アームにおける板ばね14の当接位置を調整できるようにしたので、例えば、車体の大きさ等の車種や、車体速度、路面状況に応じて、懸架装置1Cの特性を調整することが可能となる。
【0078】
なお、上述した実施の形態4では、板ばね14に当接する部材としてエアシリンダを用いる例について説明したが、これに限らず、例えば、バルーンや、油圧式のベローズ等の伸縮部材を用いることができる。
【0079】
さらに、実施の形態4において、各当接部の伸縮部材が、常に板ばね14に接触しており、板ばね14を支持する当接部の伸縮部材のみにエア等の圧力を加えて板ばね14に圧接する構成としてもよい。この構成の場合、エア等の圧力が加わっていない伸縮部材が板ばね14に接触しているため、伸縮部材と板ばね14との間に石等の異物が挟まるのを防ぐことができる。
【0080】
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【0081】
なお、上述した実施の形態1~4において、アームにおける板ばねと接触する部分(把持部)にゴム等の緩衝部材を配設し、該緩衝部材を介して板ばねを支持するようにしてもよい。
【0082】
また、上述した実施の形態1~4では、右アームとメンバーとの連結位置と、左アームとメンバーとの連結位置との間において板ばねを把持する例を説明したが、Z方向からみて連結位置と重複する位置で板ばねを支持してもよいし、連結位置よりも車輪側(外側)で板ばねを支持する位置に調整可能な構成としてもよい。
【0083】
また、上述した実施の形態1~4において、5箇所以上の複数の箇所において板ばねを支持する構成としてもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態1~4に係る懸架装置は、コイルばねを用いた懸架装置等の他の懸架装置と組み合わせて車両に設けてもよい。
【0085】
以上説明したように、本発明に係る懸架装置は、車輪からの振動が車体に伝わるのを抑制するのに好適である。
【符号の説明】
【0086】
1、1A~1C 懸架装置
11 右アーム
11a 第1支持部
11b 第1被支持部
11c、12c 保持部
11d 第1リンク
12a 第2支持部
12b 第2被支持部
12d 第2リンク
12 左アーム
13 メンバー
13a、13b アーム支持部
13c 本体部
14 板ばね
15、17、19、21 第1支持位置調整部
16、18、20、22 第2支持位置調整部
151、161 カム
152、162 軸部材
153、163 軸支持部
154、164 リニアアクチュエータ
171、191 第1ローラー
172、192 第2ローラー
173、183、193、203 ローラー支持部
174、184 送りねじ
175、185、195、205 モータ
181、201 第3ローラー
182、202 第4ローラー
192a、202a ウォームホイール
194、204 ウォーム
211、221 第1当接部
212、222 第2当接部
213、223 第3当接部
214、224 第4当接部
215、225 第5当接部
216、226 第6当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21