(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032370
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】鞄
(51)【国際特許分類】
A45C 13/26 20060101AFI20220217BHJP
A45F 3/02 20060101ALI20220217BHJP
A45C 13/30 20060101ALI20220217BHJP
A45C 13/22 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A45C13/26 Q
A45F3/02 410
A45C13/30 G
A45C13/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136059
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】511260160
【氏名又は名称】株式会社小野祥子商店
(72)【発明者】
【氏名】小野正人
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA23
3B045AA24
3B045AA35
3B045AA51
3B045GA01
3B045GA02
3B045GA03
3B045GB02
3B045GD03
3B045GD04
3B045LA10
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】
鞄の使用者は、背負いベルトの長さを調整できる範囲が狭く、事故が生じたり、洋服などを引っ掛けて傷める割合が高かった。
【解決手段】
本発明の鞄は、収容物を収容するための収容部を有する本体と、調節連結部品により長さの調節ができる支持具と、前記支持具を収納可能な収納部と、を含み、前記支持具は一端と他端とを有する掛ベルトを含み、前記収納部は、前記調整連結部品と前記他端との間の前記掛ベルトを収納可能であることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を収容するための収容部を有する本体と、調節連結部品により長さの調節ができる支持具と、前記支持具を収納可能な収納部と、を含み、前記支持具は一端と他端とを有する掛ベルトを含み、前記収納部は、前記調整連結部品と前記他端との間の前記掛ベルトを収納可能であることを特徴とする鞄。
【請求項2】
前記収納部は前記本体に含まれることを特徴とする請求項1に記載の鞄。
【請求項3】
前記支持具は、前記本体を前記鞄の使用者に掛けるための前記掛ベルトと、前記掛ベルトを長さ調節する前記調節連結部品と、前記調節連結部品を前記本体に固定する調節連結部品固定ベルトとを有する請求項1または請求項2に記載の鞄。
【請求項4】
前記調節連結部品固定ベルトは、前記収納部に取り付け固定されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鞄。
【請求項5】
前記収納部は、前記本体の表地と同じ素材で形成されている請求項4に記載の鞄。
【請求項6】
前記収納部の表地と前記本体の表地とは、連続していることを特徴とする請求項4に記載の鞄。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者それぞれの身長、体重、骨格差、また体格差が大きく変化する場合にも、安全かつ快適に使用者が使用できるランドセルやリュックサックなどの背負い鞄等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ランドセル、リュックサックなどの背負い鞄には、様々な形状や構造のものが存在するが、その多くは人の背中に密着状態で接し、支持される背当て面を備え、人の背中に背負われて内部に収容物を収容する収容部を備えてなる背負い鞄本体と、人の左右の肩部に該背負い鞄本体を背負わせるべく掛け回され、背負い鞄本体の背当て面上方にその上端部を支持し、背負い鞄本体の背当て面下方にその下端部側を支持する左右一対の各背負いベルトを備えるようにしている。
【0003】
また、前記左右一対の各背負いベルトは、前記背負い鞄本体の背当て面の上側に備えられる連結体にその上端部を結合してなり、一方、背負い鞄本体の背当て部の下方側に支持される背負いベルトの下端側は、通常支持される背負い鞄本体の背当て面の下方に対し、その長さを調整可能に連結される。
【0004】
また、背負いベルトの中には、下記特許文献2や3に示すように、背負い鞄本体の背当て面の上側に備えられる連結体にその上端部を結合してなる上ベルトと、背負い鞄本体の背当て面の下方側に支持され、該下方側から延びる下ベルトとにより構成され、上ベルトの下端と下ベルトの上端とは掛け回す肩部のサイズに対応し、その結合位置を可変にし、長さ調整可能に相互に連結可能としたものも存在する。すなわち、こうした構成からなる背負いベルトは、上ベルトの下端と、下ベルトの上端との連結を、上ベルトの下端あるいは下ベルトの上端のいずれかに他のベルトの端部を挿通可能とするバックル状の連結環を支持させ、連結環が支持されたベルトに対する他方のベルトの端部にはその長さ方向において所定間隔をもって複数の止着孔を穿設し、他方のベルトを連結環に挿通させて連結環に支持される止着針を任意の長さ位置にある止着孔に止着して行うようにしている。これにより連結環に挿通される他のベルトの端部の連結環に対する止着結合位置を可変にし、上下のベルトを長さ調整可能に相互に連結させることを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-130471号広報
【特許文献2】実用新案登録第3133399号公報
【特許文献3】特開2008-54940号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載される従来の背負い鞄は、背負いベルトの長さを調整し、収納するために付属装置を鞄の内部に設置する必要がある。また、特許文献2及び特許文献3では、背負いベルトの長さを調整した後、背負いベルトの余りを付属品である環やクリップ等を用いて鞄の外側に、はみ出して固定している。
【0007】
さらに、特許文献1に記載される背負い鞄は、背負いベルトの調整できる範囲が狭い。その理由は、背負いベルトの下端を引き込む装置が背当て面の内部に設置されている。そして、引っ張りスプリングによって背負いベルトの下端を引き込む構造である。そのことから、背当て面の高さが背負いベルトの調整可能範囲の限度になる。したがって背負いベルトの余りを収納することは可能であるが、ベルトの長さを調整できる範囲が狭い。
【0008】
さらに、特許文献2や特許文献3の背負いベルトの固定方法は、背負い鞄の外側に付属品をはみ出して固定する為、凹凸が増えることで事故を生じたり、洋服などを引っ掛けて傷める割合が高まると考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消するものである。背負い鞄の使用者が背負いベルトの長さを広い範囲の中で調節できる。そして、背負い鞄の使用者が、安全かつ快適に背負い鞄を使用することができる。また、背負い鞄本体の内側に背負いベルトの自由端を収納することができることによって、背負い鞄外側の凹凸が無くなる。したがって、事故の発生の割合を減らし、安全に使用する事ができる。また、洋服などを引っ掛けて傷める割合を減らすことができる。
【0010】
さらに、背負い鞄がランドセル等の成長段階の子供が使用者である場合、保護者など購入者の経済的な負担がかかる立場にとって、前記使用者が前記背負い鞄を使用している期間中に、体格が大きくなるなどしてサイズが合わなくなってしまうような不安を取り除くことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、本発明の背負い鞄は、収容物を収容するための収容部を有する本体と、調節連結部品により長さの調節ができる支持具と、前記支持具を収納可能な収納部と、を含み、前記支持具は一端と他端とを有する掛ベルトを含み、前記収納部は、前記調整連結部品と前記他端との間の前記掛ベルトを収納可能であることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明の背負い鞄の前記収納部は前記本体に含まれることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明の背負い鞄の前記支持具は、前記本体を前記鞄の使用者に掛けるための前記掛ベルトと、前記掛ベルトを長さ調節する前記調節連結部品と、前記調節連結部品を前記本体に固定する調節連結部品固定ベルトとを有する。
【0014】
そして、本発明の背負い鞄の前記調節連結部品固定ベルトは、前記収納部に取り付け固定されたことを特徴とする。
【0015】
そして、本発明の背負い鞄の前記収納部は、前記本体の表地と同じ素材で形成されている。
【0016】
そして、本発明の背負い鞄の前記収納部の表地と前記本体の表地とは、連続していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の背負い鞄は、調節連結部品によって前記背負い鞄の使用者の体格に応じた長さに支持具を調節できる。また、前記背負い鞄は前記支持具を収納可能な収納部を含み、前記支持具は一端と他端とを有する掛ベルトを含み、前記収納部は、前記調整連結部品固定ベルトを取り付けするための固定部を有している。そして、前記収納部は、前記他端との間の前記掛ベルトを収納可能である。
【0018】
したがって、前記背負い鞄本体に前記他端との間の前記背負い掛ベルトを収納した際、鞄外側の凹凸が無くなることで、事故の発生の割合を減らし安全に使用する事ができる。また、洋服などを引っ掛けて傷める割合を減らすことができる。
【0019】
さらに、本発明の背負い鞄の前記収納部は、前記背負い鞄を製作する際に前記背負い鞄本体の表地と連続した裁断図面によってつなげて裁断する事ができる。そのため、前記背負い鞄の、部品数や製作時の工程数を減らすことができる。また、前記収納部を設ける際、前記収納部の挿入口に特別な装置や差し込み口、ハトメ穴金具などの専用付属部品を取り付ける必要がない。
【0020】
さらに、本発明の背負い鞄をランドセルとした場合、前記ランドセルの購入時期である前記ランドセルの使用者が小学校入学前の体型であっても、小学校を卒業する前に成長期が訪れて小学生の標準体型を大幅に超えて大きな体格になった場合であっても、前記調整連結部品と前記他端との間の前記背負い掛ベルトを収納可能な収納部を前記ランドセル本体内部に設けている事で、前記背負い掛ベルトは前記ランドセルの外側にはみ出す事がない。そして、前記外側に凹凸無く前記掛ベルトを前記収納部に収納できる。よって、事故の発生の割合を減らし安全に使用する事ができる。また、洋服などを引っ掛けて傷める割合を減らすことができる。したがって、想定する使用者たちの体格差が広範囲に渡った場合にでも、その誰しもが、背負いベルトを快適かつ安全に長さに調節することができる。
【0021】
さらに、本発明の背負い鞄をランドセルとした場合、前記ランドセルの使用者が前記ランドセルを購入検討する時期である小学校入学の1年前の幼児の体格に合わせても快適に背負うことができるかどうかの確認ができる。そして、6年後の小学校卒業まで快適な長さにベルト調節ができるかどうかの判断をするために、前記使用者の保護者が実際に前記ランドセルを試しに背負うことで身を持って実感することができる。前記使用者である子供にとっても、そして、経済的負担を負う保護者にとっても安心して購入可否の判断ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の背負い鞄の本体と支持具と収納部を示した斜視図
【
図1a】本発明の背負い鞄の支持具を見るための背当て面側からの正面図
【
図1b】本発明の背負い鞄の調節連結部品固定ベルトが背負い掛ベルトの収納部に取り付け固定された状態を示すために、調節連結部品固定ベルトと収納部の一部を破断させて鞄本体側面から見た図
【
図4a】背負い掛けベルトを収納部に収納した状態を本体側面側から見た図
【
図4b】背負い掛けベルトを収納部に収納した状態を本体側面側を一部破断させて見た図
【
図4c】背負い掛けベルトを収納部に収納した状態を本体側面側を一部破断させて見た図
【
図4d】背負い掛ベルトが収納部に望ましい形で収納された様を本体側面を一部破断させて見た側面図及び断面図
【
図5】本発明の収納部を収容部に設けた場合の表地の展開図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1ないし
図5は、本発明に係る背負い鞄の実施例を説明するための図である。また、
図6aは、本発明に係る手提げ鞄の実施例を説明するための図である。また、
図6bは、本発明に係る肩掛鞄の実施例を説明するための図である。
【0024】
図1において、背負い鞄は、三つの要素に大きく分けることができる。収容物を収容するための収容部X-cを有する背負い部本体Xと調節連結部品Y-bにより長さの調節ができる支持具Yと前記支持具Yに含まれる背負い掛ベルトY-aを収納可能な収納部Zである。
【0025】
図1aにおいて、前記背負い鞄の前記支持具Yは、前記調節連結部品2により前記背負い掛ベルト1の長さの調節ができる。さらに、前記背負い部本体Xは、前記支持具yを収納可能な前記収納部6を含み、前記支持具Yは一端と他端とを有する前記背負い掛ベルト1を含み、前記収納部6は、前記調整連結部品2と前記他端との間の前記掛ベルト1-1を収納可能である。また、前記支持具Yは、前記調節連結部品2を前記本体Xに固定する調節連結部品固定ベルト3を含み、前記背負い掛けベルト1は、前記背負い鞄の使用者の左右両肩に掛かるように左右一対になっている。背負い掛ベルト1の一端は、背当て面4の上部に縫い付けて固定部5に固定されている。また、前記背負い掛ベルト1-1は前記収納部6の挿入口7を貫通し、前記収納部6に収納させる事ができるようになっている。
【0026】
図1bにおいて、前記支持具Yの前記調節連結部品固定ベルト3が前記鞄本体Xの固定部8に取り付け固定された状態を示している。前記調節連結部品固定ベルト3は、前記背負い掛ベルト1-1を前記収納部6に収納するための差込口である挿入口7に差し込んだ後、前記調節連結部品固定ベルト3の末端3-1を固定部8に縫い付けして固定している。
【0027】
図2aは、前記背負部本体Xの表地X-aと前記収納部6が連続している展開図を示したものである。前記表地X-aは、背当て面4、正面9、側面10、底面11、そして、前記収納箇所6の合計五つの要素で構成されている。
図1のように前記背負い鞄を組み立て完成した状態では、前記表地X-aは、前記背負い鞄本体の外観部分になる。また、前記背負い鞄を効率よく製作する目的のため、前記表地X-aと前記収納部6を連続して一枚に繋がった形状で裁断することで、部品数が少なくなる。さらに作業の工程数も減らすことができる。したがって、前記表地X-aと前記収納部6を連続して一枚に繋がった形状で裁断することは製作コストの面で効果的である。 また、前記挿入口7は、前記本体Xを組み立てた時に山折り線7-1に沿って折り畳まれ、前記表地X-aが二重になるため、強度の優れた構造になる。なお、切り欠き12は、前記固定部5の目印である。
【0028】
図2bは、前記背負い部本体Xの裏地Xーbの展開図である。前記裏地Xーbは、背当て面4-1、正面9-1、側面10-1、底面11-1の合計四つ要素で構成されている。
図1のように前記背負い鞄を組み立てた状態では、前記裏地X-bは、前記背負い部本体Xの収容物の収容部X-cになる。そのことから、
図4dのように前記収納部6は、前記表地X-aと前記裏地Xーbに挟まれた層X-dに隠れた構造になっている。したがって、前記収納部6は、前記背負い鞄の外観側からも、前記収容部X-c側からも目視して存在を確認することができない構造になっている。
【0029】
図3は、上述した前記本体Xの表地の展開図を組み立てた斜視図である。前記収納部6は、前記側面10の内側に隠れるように折りたたんで組み立てる。そのため、外観上、前記収納部6のほとんどが前記側面10の下部10-2の内側に隠れて見えない状態になる。また、前記収納箇所6の一部は、前記背当て面4と前記側面10が縫い付けられている縫製箇所13の前記縫製箇所下部13-1からはみ出している直角二等辺三角形状のはみ出し部6-1になる。
図1bに示されるように、前記はみ出し部6-1の直角二等辺三角形状の長辺6-2は、前記背当て面4と前記側面10にそれぞれが別々に縫い付けて固定されている。したがって、前記はみ出し部6-1の前記長辺6-2は、前記側面10側から見ても、前記背当て面4側から見ても、外観上は縫い塞がれているように見える。しかしながら、実際には前記挿入口7から順に、前記はみ出し部6-1、前記長辺6-2のそれぞれの内側は貫通している。したがって、前記背負い掛ベルト1-1を前記収納箇所6に収納することができる。また、前記はみ出し部6-1の片短辺6-3は、前記挿入口7である。また、前記はみ出し部6-1の他短辺6-4は、
図2aに示されるように、前記表地の展開図にある山折り線6-4-1,谷折り線6-4-2に沿って折り曲げてあるため閉じている。また、前記はみ出し部の長辺6-2と前記はみ出し部の片短辺6-3の交わる前記はみ出し部上端部6-5が縫い付けてある縫い代部6-6と前記側面10をカシメ14(もしくは縫い糸でも可能)を使って補強することで、前記上端部6-5が引き裂き破壊されることに対して、耐久性を向上させることができる。
【0030】
図4aは、前記背負い掛ベルト1-1を前記収納箇所6に納めた状態を前記側面10側から見た図である。前記側面10の外観からは、前記背負い掛ベルト1-1が前記本体Xの外側に垂れ下がることなく、また外部にもはみ出すことなく収納ができることがわかる。
【0031】
図4bは、前記側面10の一部を破断し、前記背負い掛ベルト1-1が前記収納箇所6に収納された状態を前記側面10側から見た図である。
前記背負い掛ベルト1-1を前記収納部6に収納する方法を示す。
前記背負い掛ベルト1-1の長さが前記収納部6の奥行きの長さAよりも長い場合、前記背負い掛ベルト1-1を前記長さAよりも短い長さBになるように折り曲げる。そうすることによって、前記背負い掛ベルト1-1は、前記収納箇所6からはみ出さないように収納することができる。
また、
図4cは、前記背負い掛ベルト1-1を前記収納部6に収納する際、複数回に折り曲げた状態を示した図である。
なお、前記背負い掛ベルトを前記収納部6に収納する際の収納方法や手順は上記の例に限られたものでなく、背負い鞄の使用者が任意の方法で前記背負い掛ベルトを前記収納部6に収納してよい。
【0032】
図2aを参照して、前記本体の表地X-aの展開図を用いて組み立てる際の注意する点を説明する。前述したように前記背負い掛ベルト1-1は、前記挿入口7から差し込んで前記収納部6に収納される構造になっている。したがって、前記本体の表地Xーaを組み立てる際に、前記収納部6と前記挿入口7の間の部分を縫い付ける際に塞いでしまわないように注意する必要がある。以下に手順を示す。
最初に山折り線7-1に沿って折り曲げる、そして、谷折り線7-2-1に沿って折り曲げると縫製箇所7-3-1が重なり合う。そして縫製箇所7-3-1を3枚まとめて縫い合わせる。
次に、谷折り線7-2-2に沿って折り曲げると縫製箇所7-3-2が重なり合う。そして、縫製箇所7-3-2を3枚まとめて縫い合わせる。
次に、山折り線6-4-1と谷折り線6-4-2を重ねた状態で折り曲げる。そうすれば、前記収納部6になる部分が2枚重なった状態になる。そして、前記収納部6の縫製線6-7を2枚重ねて縫い合わせる。
ここまでの組み立て工程によって、前記収納部6と前記挿入口7の組み立てが完成する。
【0033】
図4dは、前記背負い掛ベルト1-1が前記収納部6に収納された様を切り取り線Cに沿って切り取って上から見た断面図である。前記背負い掛ベルト1は、前記調節連結部品2のベルト連結構造2-1を利用して連結させる。そして、前記背負い掛ベルト1-1は、前記挿入口7から差し込み前記収納部6に収納させる。この時、前記収納部6は前記本体の表地X-aと前記本体の裏地X-bに挟まれた層X-dに囲まれるように位置している。前記収納部6と前記本体の収容部X-cはそれぞれが独立した構造になっていて繋がっていない。
【0034】
なお、上述した前記収納部6は、前記層X-dの前記側面10と前記収容部側の側面10-1に挟まれたところに位置する。しかし、他の場所でも設置が可能である。前記収納部6の位置が、設置可能な他の場所は、前記背当て面4と前記収容部側の背当て面4-1の間、さらに前記正面9と前記収容部側の正面9-1の間、さらに前記底面11と前記収容部側の底面11-1の間にも前記収納部6を設けることができる。
【0035】
上述したように前記収納部6は前記表地X-aと前記裏地X-bに挟まれた構造になっている。したがって、前記収納部6と前記本体の収容部X-cとはそれぞれが独立した構造になっていて繋がっていない。しかし、別の構造でも設置が可能である。設置可能な別の構造は、前記背負い鞄を設計する際に、前記背負い部本体の裏地X-bを省く時などである。その際は、前記収納部6が前記背負い部本体Xの収容部X-c側から目視することができる。また、前記裏地X-bが前記背負い部本体Xの構造から省かれているため、前記表地Xーaが前記収容部X-cの役割を担う。
また、前記裏地X-bは、鞄の形崩れなどを防止する目的などの用途で使われる芯材等に置き換えることができる。
また、前記収納部6は、
図5に示すように前記収納部6の一部を省くことができる。この場合も、前記背負い部本体の外観には変化がない。そして、この場合は、前記収容部X-cが前記収納部6の役割も担う事になる。
【0036】
図6aは、上述した前記背負い鞄X以外の実施可能な形態を手提げ鞄で示す。手提げハンドル15-1が手提げ鞄本体15に結合されている結合部15-3の前記手提げ鞄本体15側に前記手提げハンドルの収納部15-2を設けることができる。前記手提げハンドル15-1の一端を前記結合部15-3に結合し、他端側にのみ前記収納部15-2を設ける方法と、前記手提げハンドル15-1の両端の前記結合部15-3の前記手提げ鞄本体15側に前記収納部15-2を設けることもできる。
【0037】
図6bは、上述した前記背負い鞄X以外の実施可能な形態を肩掛鞄で示す。肩掛ベルト16-1が肩掛鞄本体16に結合されている結合部16-3の前記肩掛鞄本体16側に前記肩掛ベルトの収納部15-2を設けることができる。前記肩掛ベルト16-1の一端を前記結合部16-3に結合し、他端側にのみ前記収納部16-2と設ける方法と、前記肩掛ベルト16-1の両端の前記結合部16-3の前記肩掛鞄本体16側に前記収納部16-2を設けることもできる。
【符号の説明】
【0038】
X 背負い部本体
X-a 背負部本体の表地
X-b 背負部本体の裏地
X-c 背負部本体の収納物の収容部
X-d 背負い部本体の表地と背負い部本体の裏地に挟まれた層
Y 支持具
Y-a 背負い掛ベルト
Y-b 調節連結部品
Y-c 調節連結部品固定ベルト
Z 背負い掛ベルトの収納部
1 背負い掛ベルト
1-1 調整連結部品と背負い掛けベルトの他端との間の背負い掛ベルト
2 調節連結部品
2-1 調節連結部品の背負い掛ベルト連結構造
3 調節連結部品固定ベルト
3-1 調節連結部品固定ベルトの側端
4 背負部本体の背当て面
4-1 背負部本体の収容部側の背当て面
5 背負い掛ベルトの一端の固定部
6 背負い掛ベルトの収納部
6-1 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部
6-2 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の長辺
6-3 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の片短辺
6-4 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の他短辺
6-4-1 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の他短辺の本体の表地の展開図上の山折り線
6-4-2 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の他短辺の本体の表地の展開図上の谷折り線
6-5 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の上端部
6-6 背負い掛ベルトの収納部のはみ出し部の上端部の縫い代部
6-7 背負い掛ベルトの収納部の縫製線
7 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口
7-1 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口の山折り線
7-2-1 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口の背当て面側の谷折り線
7-2-2 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口の側面側の谷折り線
7-3-1 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口の背当て面側の縫製箇所
7-3-2 背負い掛ベルトの収納箇所の挿入口の側面側の縫製箇所
8 調節連結部品固定ベルトの固定部
9 背負部本体の正面
9-1 背負部本体の収容部側の正面
10 背負部本体の側面
10-1 背負部本体の収容部側の側面
10-2 背負部本体の側面の下部
11 背負部本体の底面
11-1 背負部本体の収容部側の底面
12 背負い掛ベルトの一端の固定部の目印
13 背当て面と側面の縫製箇所
13-1 背当て面と側面の縫製箇所の下部
14 カシメ
15 手提げ鞄本体
15-1 手提げ鞄の手提げハンドル
15-2 手提げ鞄の手提げハンドルの収納部
15-3 手提げ鞄本体と手提げハンドルの結合部
16 肩掛鞄本体
16-1 肩掛鞄の肩掛ベルト
16-2 肩掛鞄の肩掛ベルトの収納部
16-3 肩掛鞄本体と肩掛ベルトの結合部
A 背負い掛ベルトの収納部の奥行きの長さ
B 背負い掛ベルトを折り曲げたときの長さ
C 背負い掛ベルトの収納部の切り取り線