IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三星舎の特許一覧

特開2022-32413返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム
<>
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図1
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図2
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図3
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図4
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図5
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図6
  • 特開-返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032413
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】返礼システム、返礼処理装置、返礼処理方法、及び返礼処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220217BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20220217BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136149
(22)【出願日】2020-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】520305281
【氏名又は名称】株式会社三星舎
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】左右田 大介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ふるさと納税の寄付を現地で行った者に対し、当該現地で即時の返礼を可能にする返礼システムを提供する。
【解決手段】返礼システム1は、返礼事業者端末50と、事務処理を代行する代行サーバ40と、を備える。代行サーバ40は、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを記憶装置に有しており、寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を返礼事業者端末50へ通知する返礼実行通知処理と、管理テーブルを基に、返礼の実行を指示した返礼事業者と提携関係にある自治体の端末30へ通知する寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼システムであって、
前記自治体から前記返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末と、
前記事務処理を代行する代行サーバと、を備え、
前記代行サーバは、前記事務処理を代行する自治体について、前記返礼の業務に関して提携関係にある前記返礼事業者と前記自治体との対応関係を示した管理テーブルを記憶装置に有しており、
前記代行サーバは、前記返礼事業者端末または前記寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、前記即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を前記返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、前記管理テーブルを基に、前記返礼の実行を指示した前記返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する前記寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行する、
返礼システム。
【請求項2】
前記代行サーバは、前記即時リクエストがクレジット取引に係るものである場合には、前記即時リクエストに示されたクレジット取引事業者の決済サーバへ前記寄付金の決済情報を送信し、前記寄付金の決済が承認されたことを示す承認情報を前記決済サーバから受信すると、前記返礼実行通知処理と、前記寄付情報出力処理と、を実行する、
請求項1に記載の返礼システム。
【請求項3】
前記代行サーバは、前記返礼事業者又はその他の事業者が運営する外部サイトへアクセスする前記ユーザ端末から直接的又は前記外部サイト経由で間接的に前記即時リクエストを受信すると、前記完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼実行通知処理と、前記寄付情報出力処理と、を実行する、
請求項1又は2に記載の返礼システム。
【請求項4】
前記代行サーバは、前記寄付情報出力処理において、前記寄付金の多寡、前記寄付者の情報、及び前記返礼事業者による返礼の完了を含む情報を出力する、
請求項1から3の何れか一項に記載の返礼システム。
【請求項5】
前記代行サーバは、前記寄付情報出力処理において、前記寄付に関する情報を通信回線、電子的記録媒体、又は送付用の書面の形態で出力する、
請求項1から4の何れか一項に記載の返礼システム。
【請求項6】
前記代行サーバは、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼実行通知処理を即時に実行する、
請求項1から5の何れか一項に記載の返礼システム。
【請求項7】
前記代行サーバは、前記即時リクエストが、前記事務処理を代行する自治体への寄付であることを前記管理テーブルで確認した場合に、前記完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼実行通知処理と、前記寄付情報出力処理と、を実行する、
請求項1から6の何れか一項に記載の返礼システム。
【請求項8】
前記返礼事業者端末は、前記寄付者が居る施設に設置されている、
請求項1から7の何れか一項に記載の返礼システム。
【請求項9】
寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼処理装置であって、
プロセッサとメモリとを備え、
前記プロセッサは、前記自治体から前記返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末または前記寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、前記即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を前記返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、前記事務処理を代行する自治体について、前記返礼の業務に関して提携関係にある前記返礼事業者と前記自治体との対応関係を示した管理テーブルを基に、前記返礼の実行を指示した前記返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する前記寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行する、
返礼処理装置。
【請求項10】
寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼処理方法であって、
前記事務処理を代行する代行サーバが、前記自治体から前記返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末または前記寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、前記即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を前記返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、前記事務処理を代行する自治体について、前記返礼の業務に関して提携関係にある前記返礼事業者と前記自治体との対応関係を示した管理テーブルを基に、前記返礼の実行を指示した前記返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する前記寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行する、
返礼処理方法。
【請求項11】
寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼処理プログラムであって、
前記事務処理を代行する代行サーバに、前記自治体から前記返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末または前記寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、前記即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、前記決済が承認されたことを確認すると、前記返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を前記返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、前記事務処理を代行する自治体について、前記返礼の業務に関して提携関係にある前記返礼事業者と前記各自治体との対応関係を示した管理テーブルを基に、前記返礼の実行を指示した前記返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する前記寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行させる、
返礼処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふるさと納税の返礼を司る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地方行政への関心と参加意識の向上を図り、全国の様々な地域に活力が生まれることを意図して創設されたふるさと納税が普及している。ふるさと納税とは、非居住地の自治体へ寄付を行った寄付者に対し、寄付額の一部を所得税及び住民税から控除することにより、寄付者の居住地にある自治体の収入の一部を非居住地の自治体へ実質的に移す制度である(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-139341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ふるさと納税制度に参加している自治体は、寄付を募るため、様々な返礼品を用意している。返礼品としては、例えば、地場産の食品、各種施設の利用券、その他各種のものが存在する。そして、自治体から寄付者への返礼品の提供は、自治体から委託された事業者が代行しているケースが殆どである。よって、例えば、事業者による返礼品の提供が現地等で寄付と同時に行われれば、寄付意欲の向上や、寄付者の地方探訪意欲の向上が図られ、ふるさと納税の制度趣旨である地方創生に更に寄与すると考えられる。
【0005】
しかしながら、ふるさと納税の返礼品は、寄付を受けた自治体がその返礼として寄付者へ提供するものである。よって、返礼品の提供は、通常、寄付がなされたことを自治体が確認した後に行われる。したがって、現状のふるさと納税制度では、現地を訪れてから寄付することを決めた寄付者へ即時に返礼を行うことは難しく、地方を探訪する人が特に多いと考えられる休日が行政機関の閉庁日ということもあり、返礼が主に宅配サービスの利用を前提とした物品類の提供にならざるを得ないのが実情であった。
【0006】
そこで、本願は、ふるさと納税の寄付を現地で行った者に対し、当該現地で即時の返礼を可能にする技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を代行する自治体について、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを代行サーバが記憶装置に有しており、返礼事業者端末または寄付者が操作するユーザ端末から受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、寄付金の決済の完了確認を実行し、返礼事業者に返礼の実行を指示することにした。
【0008】
詳細には、本発明は、寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼システムであって、自治体から返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末と、事務処理を代行する代行サーバと、を備え、代行サーバは、事務処理を代行する自治体について、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを記憶装置に有しており、代行サーバは、返礼事業者端末または寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返
礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、管理テーブルを基に、返礼の実行を指示した返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行する。
【0009】
上記の返礼システムであれば、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを記憶装置に有しており、返礼事業者端末または寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、即時リクエストに係る寄付金の決済の承認のみならず、返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、返礼の実行を指示した返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理とが実行される。
【0010】
このため、返礼実行情報を受けた返礼事業者が直ちに返礼を実行すれば、寄付者は、寄付を行ってすぐに返礼事業者から返礼を受けることができる。また、寄付に関する情報を受けた自治体は、当該寄付に関する情報を得ることができる。このため、上記の返礼システムであれば、例えば、ふるさと納税の寄付を現地で行った者に対し、当該現地で即時の返礼が可能となる。
【0011】
なお、代行サーバは、即時リクエストがクレジット取引に係るものである場合には、即時リクエストに示されたクレジット取引事業者の決済サーバへ寄付金の決済情報を送信し、寄付金の決済が承認されたことを示す承認情報を決済サーバから受信すると、返礼実行通知処理と、寄付情報出力処理と、を実行するものであってもよい。これによれば、クレジット取引事業者の決済サーバによる決済の承認を直ちに確認することができる。
【0012】
また、代行サーバは、返礼事業者又はその他の事業者が運営する外部サイトへアクセスするユーザ端末から直接的又は外部サイト経由で間接的に即時リクエストを受信すると、完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼実行通知処理と、寄付情報出力処理と、を実行するものであってもよい。これによれば、返礼事業者又はその他の事業者が独自に運営する外部サイトにおいて行われる寄付についても処理可能となる。
【0013】
また、代行サーバは、寄付情報出力処理において、寄付金の多寡、寄付者の情報、及び返礼事業者による返礼の完了を含む情報を出力するものであってもよい。これによれば、自治体は寄付に関する詳細な情報を把握可能となる。
【0014】
また、代行サーバは、寄付情報出力処理において、寄付に関する情報を通信回線、電子的記録媒体、又は送付用の書面の形態で出力するものであってもよい。これによれば、自治体は、寄付に関する情報を電子的手段又は書面で把握することが可能となる。
【0015】
また、代行サーバは、決済が承認されたことを確認すると、返礼実行通知処理を即時に実行するものであってもよい。これによれば、返礼事業者は、返礼実行情報を直ちに受け取ることができる。
【0016】
また、代行サーバは、即時リクエストが、事務処理を代行する自治体への寄付であることを管理テーブルで確認した場合に、完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼実行通知処理と、寄付情報出力処理と、を実行するものであってもよい。これによれば、返礼システムが寄付の事務処理を代行する自治体への寄付が行われた場合に、返礼実行通知処理や寄付情報出力処理が行われるようにすることができる。
【0017】
また、返礼事業者端末は、寄付者が居る施設に設置されていてもよい。寄付者が居る施設に返礼事業者端末が設置されていれば、寄付者が当該返礼事業者端末を操作して寄付のリクエストを行ったり、或いは、返礼事業者が当該施設で返礼実行情報を直ちに把握したりすることが可能となる。
【0018】
ところで、本発明は、返礼処理装置という側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼処理装置であって、プロセッサとメモリとを備え、プロセッサは、自治体から返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末または寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、事務処理を代行する自治体について、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを基に、返礼の実行を指示した返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行するものであってもよい。
【0019】
また、本発明は、方法またはプログラムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を担う返礼処理方法であって、事務処理を代行する代行サーバが、自治体から返礼の業務を受託した返礼事業者が使用する返礼事業者端末または寄付者が操作するユーザ端末から直接的又は間接的に受信した寄付のリクエストが、即時の返礼を伴う寄付のリクエストである即時リクエストの場合には、即時リクエストに係る寄付金の決済の完了確認を実行し、決済が承認されたことを確認すると、返礼事業者に返礼の実行を指示する返礼実行情報を返礼事業者端末へ通知する返礼実行通知処理と、事務処理を代行する自治体について、返礼の業務に関して提携関係にある返礼事業者と自治体との対応関係を示した管理テーブルを基に、返礼の実行を指示した返礼事業者と提携関係にある自治体の端末へ通知する寄付に関する情報を出力する寄付情報出力処理と、を実行してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ふるさと納税の寄付を現地で行った者に対し、当該現地で即時の返礼が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施形態に係る返礼システムよって実現される処理の概念図である。
図2図2は、返礼システムのシステム構成図である。
図3図3は、代行サーバにおいて実現される機能ブロック図である。
図4図4は、代行サーバにおいて実現される処理フロー図である。
図5図5は、寄付者端末に表示される画面の一例を示した図である。
図6図6は、返礼に関する情報の管理テーブルの一例を示した図である。
図7図7は、返礼事業者端末に表示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0023】
<概略>
図1は、実施形態に係る返礼システムよって実現される処理の概念図である。本実施形
態の返礼システムは、寄付者から自治体へ行われる寄付に伴う返礼の事務処理を司るものであり、当該事務処理を自治体から依頼された代行事業者が、寄付者が自治体宛に行う寄付の申出を自治体に代わって受け付ける。そして、当該寄付が、現地において即時の返礼を伴うものである場合には、クレジットカード等の決済事業者による寄付金の決済の承認後、寄付に対する返礼を行う事業者へ返礼の提供を通知すると共に、当該寄付者の情報を自治体へ提供する。返礼を行う事業者は、当該通知を受けると、返礼品等の提供を現地で即時に行う。
【0024】
このように、本実施形態の返礼システムでは、従来、自治体が寄付を受けた後に行っていた事業者への返礼の依頼を、代行事業者が自治体の代わりに行う。代行事業者は、自治体の閉庁日時においても営業可能である。よって、本実施形態の返礼システムであれば、例えば、体験型施設のように利用者が現地へ訪問する必要のあるものが寄付の返礼となっている場合であっても、当該利用者は、当該施設を休日等に訪れてから現地で寄付を決断し、寄付に対する返礼として即時に当該体験型施設を利用することが可能である。
【0025】
以下、本実施形態の返礼システムの詳細について説明する。
【0026】
<システム構成>
図2は、返礼システム1のシステム構成図である。返礼システム1は、寄付者2が操作する寄付者端末20、自治体3が操作する自治体端末30、代行事業者4が管理する代行サーバ40、返礼事業者5が操作する返礼事業者端末50、決済事業者6が管理する決済サーバ60を備える。寄付者端末20、自治体端末30、代行サーバ40、返礼事業者端末50、決済サーバ60は、公衆通信回線であるインターネット7を通じて相互に通信可能である。
【0027】
なお、図2では、寄付者端末20が返礼事業者端末50と別体で図示されているが、例えば、返礼事業者端末50を寄付者2が操作可能なようになっていれば、返礼事業者端末50が寄付者端末20の機能を担ってもよい。また、図2では、寄付者2と代行事業者4と返礼事業者5が一人ずつ図示され、寄付者端末20と代行サーバ40と返礼事業者端末50が一台ずつ図示されているが、寄付者2と代行事業者4と返礼事業者5はそれぞれ複数人存在し、寄付者端末20と代行サーバ40と返礼事業者端末50は複数台存在していてもよい。また、図2では、寄付者端末20、自治体端末30、代行サーバ40、返礼事業者端末50、決済サーバ60がインターネット7と実線で繋がっているが、各機器は無線と有線の何れでインターネット7に接続されていてもよい。
【0028】
寄付者端末20、自治体端末30、代行サーバ40、返礼事業者端末50、決済サーバ60は、何れもCPU(Central Processing Unit)やメモリ、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等の主記憶装置、入出力インターフェース、通信イン
ターフェース等を有するコンピュータである。寄付者端末20、自治体端末30、返礼事業者端末50としては、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、その他各種のコンピュータが適用可能である。また、代行サーバ40、返礼事業者端末50としては、例えば、汎用のサーバ、パーソナルコンピュータ、データセンタに設置されたレンタルサーバ、クラウド、その他各種のコンピュータが適用可能である。
【0029】
図3は、代行サーバにおいて実現される機能ブロック図である。代行サーバ40では、主記憶装置からメモリへロードされたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、受付処理部41と判定処理部42と出力処理部43という3つの機能ブロックが実現される。受付処理部41は、主に寄付者端末20からインターネット7経由で送られる寄付や返礼に関する情報を受け付ける。また、判定処理部42は、主に寄付や返礼に関わ
る各種の判定処理を司る。また、出力処理部43は、主に自治体端末30や返礼事業者端末50へインターネット7経由で送る情報の出力処理を司る。
【0030】
以下、本実施形態の返礼システム1において実現される処理内容について説明する。図4は、代行サーバ40において実現される処理フロー図である。以下、代行サーバ40において実現される処理フローの説明を中心にしながら、返礼システム1において実現される処理内容を説明する。
【0031】
代行サーバ40は、メモリにロードしたコンピュータプログラムの実行中、以下の処理を繰り返し実行する。すなわち、代行サーバ40は、寄付者2が操作する寄付者端末20からインターネット7経由で送られる寄付の申出を受信したか否かの判定を行う(S101)。そして、代行サーバ40は、ステップS101の処理で肯定判定を下した場合、次に、当該寄付の申出が即時返礼に係る寄付であるか否かの判定を行う(S102)。そして、代行サーバ40は、ステップS102の処理で肯定判定を下した場合、次に、当該寄付の申出に示された寄付金の決済を決済サーバ60へ要求する(S103)。そして、代行サーバ40は、決済事業者6の決済サーバ60による決済の承認を待つ(S104)。
【0032】
代行サーバ40は、ステップS104の処理において決済サーバ60による決済の承認がなされたことを確認すると、次に、返礼事業者端末50へ返礼実行情報を通知することにより、返礼事業者5に返礼の実行を指示する(S105)。そして、代行サーバ40は、自治体端末30へ寄付情報と返礼完了情報を通知することにより、自治体3に寄付と返礼が行われた旨を報告する(S106)。代行サーバ40及び返礼事業者端末50に対するこれらの通知は、代行サーバ40と返礼事業者端末50にインストールされた専用のアプリケーション特有のデータ形式であってもよいし、或いは、電子メールであってもよい。また、返礼事業者5に対する返礼の実行の指示は、代行サーバ40から寄付者端末20へ通知されて寄付者端末20の画面に表示された返礼実行情報を寄付者2が返礼事業者5へ見せるという形態で行われてもよい。
【0033】
ここで、寄付情報とは、寄付を受けた自治体に対して提供される、当該自治体へ寄付が行われた旨の情報であり、例えば、寄付者の個人情報や寄付額を含む情報が挙げられる。また、返礼実行情報とは、返礼を行う返礼事業者に対して提供される、返礼を指示する旨の情報であり、例えば、寄付者の氏名、及び返礼品の内容を含む情報が挙げられる。また、返礼完了情報とは、寄付を受けた自治体に対して提供される、寄付者へ寄付の返礼が行われた旨の情報であり、例えば、提供した返礼品や返礼が行われた日時に関する情報が挙げられる。
【0034】
一方、代行サーバ40は、ステップS102で否定判定を下した場合、通常の返礼(非即時の返礼)に係る処理を行う。すなわち、代行サーバ40は、ステップS102で否定判定を下した場合、次に、当該寄付の申出に示された寄付金の決済を決済サーバ60へ要求する(S107)。そして、代行サーバ40は、決済事業者6の決済サーバ60による決済の承認を待つ(S108)。そして、代行サーバ40は、ステップS108の処理において決済サーバ60による決済の承認がなされたことを確認すると、次に、自治体端末30へ寄付情報を通知することにより、自治体3に寄付が行われた旨を報告する(S109)。そして、代行サーバ40は、自治体3の承認を待つ(S110)。寄付が行われた旨の報告を受けた自治体3は、庁内における寄付の受付処理が完了すると、自治体端末30を操作して返礼の承認を代行サーバ40へ通知する。代行サーバ40は、自治体端末30から返礼の承認が通知されると、返礼事業者端末50へ返礼実行情報を通知することにより、返礼事業者5に返礼の実行を指示する(S111)。
【0035】
ステップS102で肯定判定が行われ、上記一連の処理(S103~S106)が実行
されると、決済サーバ60による決済の承認がなされ次第、返礼事業者端末50に対する返礼実行情報の通知がただちに行われる。これに対し、ステップS102で否定判定が行われ、上記一連の処理(S107~S111)が実行されると、決済サーバ60による決済の承認のみならず、自治体3による自治体内の承認手続を経た後に、返礼事業者端末50に対する返礼実行情報の通知が行われる。すなわち、本実施形態の返礼システム1では、寄付に対する返礼の可否の判断のプロセスが、寄付の返礼が即時のものであるか否かに応じて切り替わる。よって、本実施形態の返礼システム1であれば、例えば、体験型施設のように利用者が現地へ訪問する必要のあるものが寄付の返礼となっている場合であっても、当該利用者は、当該施設を休日等に訪れてから現地で寄付を決断し、寄付に対する返礼として即時に当該体験型施設を利用することが可能である。
【0036】
以下、体験型施設の場合を例に、上記一連の処理によって実現できる寄付と返礼の具体例について説明する。図5は、寄付者端末20に表示される画面の一例を示した図である。寄付者2は、訪問先の観光地にある体験型施設を訪れた際に、ふるさと納税の寄付を行えば返礼として当該体験型施設を利用できることを知った場合、寄付者端末20で代行サーバ40へアクセスする。寄付者端末20で代行サーバ40へアクセスすると、寄付者端末20には、例えば、図5に示されるような、当該体験型施設を返礼で利用できる寄付の受付画面(D101)が表示される。
【0037】
ここで、寄付者2は、大人2名分と子供2名分の当該体験型施設の入場券を、ふるさと納税の返礼で取得したいと考えた場合、寄付者端末20の画面をタッチ操作することにより、「ABC館 入場券 大人 1名」の右側にある数量を「2」に設定し、「ABC館
入場券 子供 1名」の右側にある数量を「2」に設定する。すると、寄付者端末20のブラウザまたはアプリケーションが、これらの入場券をふるさと納税の返礼品として受け取るために必要な寄付額の合計を自動的に計算し、寄付者端末20の画面に表示する。寄付額の合計を確認した寄付者2は、寄付者端末20の画面に表示されている「寄付する」というボタンを押す。当該ボタンが押されると、寄付者端末20は、当該寄付の申出に関する情報をインターネット7経由で代行サーバ40へ送信する。
【0038】
ここで、寄付者端末20から代行サーバ40へ送信される寄付の申出の情報には、寄付者2が選択した返礼品の種類や数量、寄付額の合計の他に、寄付者2のユーザ情報が含まれる。寄付者2の住所や電話番号、クレジットカード番号等の個人情報が既に代行サーバ40へ登録されている場合、このユーザ情報は、ユーザIDといった単なる識別情報となる。また、寄付者2の個人情報が代行サーバ40へ登録されていない場合、このユーザ情報は、寄付者2の住所や電話番号、クレジットカード番号等の個人情報となる。
【0039】
寄付者端末20から送信された当該寄付の申出に関する情報を受信した代行サーバ40では、ステップS101とステップS102の処理で肯定判定が下される。ステップS102では、例えば、以下のような処理が行われることにより、肯定判定が下される。図6は、返礼に関する情報の管理テーブルの一例を示した図である。ふるさと納税の返礼に関する業務を自治体3から受託した代行事業者4は、自治体3で取り扱っているふるさと納税の返礼品に関する情報を自治体3から受け取る。代行事業者4に対する自治体3の業務の委託内容には、寄付者2の寄付を自治体3に代わって受理する出納業務の代行、寄付を確認できた寄付者2に対して返礼を受ける権利を付与する権利発行業務の代行、寄付者2へ返礼を行う業務を自治体3から受託した返礼事業者5に対する返礼指示業務の代行が含まれる。よって、ふるさと納税の返礼に関する業務を自治体3から受託した代行事業者4は、図6のテーブルに示されるように、返礼品の内容、寄付額、該当する自治体名、当該返礼を行う業務を受託している返礼事業者名の情報を有している。また、代行事業者4は、返礼品が寄付の際に即時に寄付者2へ返礼されるものであるか否かの情報を有している。
【0040】
返礼品が即時の返礼に係るものであるか否かは、当該返礼品を取り扱っている返礼事業者5の事業形態に応じており、各返礼事業者5から提供された申告に基づいて設定される。例えば、ABC町に対する寄付の返礼品の1つである「ABC牛 高級ステーキ肉」を寄付者へ提供する業務を受託したXYZ精肉店が、店舗を訪れた客へ商品を手渡しで販売する店舗の形態を採っており、当該XYZ精肉店が返礼品の即時提供が可能であると自治体3又は代行事業者4へ申告している場合、図6の管理テーブルに示されるように、当該返礼品については即時の返礼品として設定される。また、例えば、ABC町に対する寄付の返礼品の1つである「ABC館 入場券」を寄付者へ提供する業務を受託したABC館の運営会社(XYZ企画)が、ABC館を訪れた客へ入場券の即時提供が可能であると自治体3又は代行事業者4へ申告している場合、図6の管理テーブルに示されるように、当該返礼品については即時の返礼品として設定される。一方、例えば、ABC町に対する寄付の返礼品の1つである「ABC豚 高級ばら肉」を寄付者へ提供する業務を受託したXYZ養豚場が店舗を持たない農場の形態であり、返礼品の提供を宅配経由に限定していることにより、当該XYZ養豚場が返礼品の即時提供が不可能であると自治体3又は代行事業者4へ申告している場合、図6の管理テーブルに示されるように、当該返礼品については即時でない返礼品として設定される。
【0041】
代行サーバ40には、以上のような管理テーブルが主記憶装置に予め格納されている。そして、代行サーバ40は、ステップS102の処理で当該管理テーブルを参照することにより、返礼品が即時の返礼に係るものであるか否かの判定を行う。よって、図5に示した画面(D101)において「ABC館 入場券」が選択され、当該寄付の申出が代行サーバ40で受信されると、代行サーバ40は、ステップS102の処理で肯定判定を下すことになる。
【0042】
そして、ステップS102の処理で肯定判定を下した代行サーバ40は、ステップS103の処理において、図5の受付画面(D101)に示される合計の寄付額、すなわち、30000円のクレジットカード決済を、寄付者2のクレジットカード番号に基づいて決済サーバ60へ要求する。
【0043】
決済サーバ60で決済が承認されると、代行サーバ40は、ステップS104の処理で肯定判定を下し、ステップS105とステップS106の処理を実行する。すなわち、代行サーバ40は、ステップS105において、大人2名分と子供2名分の「ABC館 入場券」の発券、及び当該入場券を受け取る寄付者2の氏名を示す返礼実行情報を返礼事業者端末50へ通知する。また、代行サーバ40は、ステップS106において、ABC町へ寄付を行った寄付者の個人情報と寄付額(30000円)を示す寄付情報、及び、ABC館を運営するXYZ企画が返礼として「ABC館 入場券」を寄付者に提供した旨を示す返礼完了情報を通知する。
【0044】
図7は、返礼事業者端末50に表示される画面の一例を示した図である。返礼実行情報を受信した返礼事業者端末50では、例えば、図7に示されるような返礼実行依頼画面(D102)が表示される。この画面には、図7に示されるように、寄付者の氏名、及び提供する返礼品の目録が記載されている。返礼事業者5は、返礼事業者端末50に表示された画面を確認すると、大人2名分と子供2名分の「ABC館 入場券」の発券を行い、ABC館の窓口で入場券を寄付者に渡す。ABC館の入場券を窓口で受け取った寄付者2は、当該入場券を使ってABC館へ入場することにより、ふるさと納税の寄付に対する返礼を即時に享受することができる。
【0045】
<変形例>
なお、上述したステップS107からステップS110までの一連の処理は省略されて
いてもよい。この場合、基本的に全ての返礼を即時に行うことになる。
【0046】
また、上述した返礼実行依頼画面(D102)は、返礼事業者端末50の代わりに寄付者端末20へ送信されてもよい。この場合、返礼事業者5は、寄付者端末20に表示される返礼実行依頼画面(D102)を見て返礼を行うことになる。
【0047】
また、上記実施形態では、決済事業者6のクレジットカード決済を利用していたが、寄付金の決済は、例えば、施設の窓口等における現金決済、ICカードやスマートフォン等を利用した電子マネーによる決裁、その他各種の決済方式であってもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、訪問先の観光地等において寄付することを決めた寄付者2が、代行サーバ40にアクセスして寄付を行う形態を採っていたが、代行サーバ40は、他社のウェブサーバで公開されているふるさと納税のサイトにアクセスした寄付者2が当該ウェブサイトで選んだ返礼品の情報を当該サーバから取得し、当該他社のサーバに代わって返礼実行情報の通知や寄付情報、返礼完了情報の通知を行うものであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、自治体3と代行事業者4が別体になっており、自治体端末30と代行サーバ40の両方が返礼システム1に備わっていたが、例えば、代行事業者4が代行サーバ40を自治体3へ引き渡しており、代行サーバ40を自治体3が管理する形態であってもよい。この場合、代行サーバ40は自治体3の庁舎内等に設置され、自治体端末30が代行サーバ40にインターネット7を経由せずに構内LAN等で繋ぐことも可能である。
【0050】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0051】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク(ブルーレイは登録商標)、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【符号の説明】
【0052】
1・・返礼システム
2・・寄付者
3・・自治体
4・・代行事業者
5・・返礼事業者
6・・決済事業者
7・・インターネット
20・・寄付者端末
30・・自治体端末
40・・代行サーバ
41・・受付処理部
42・・判定処理部
43・・出力処理部
50・・返礼事業者端末
60・・決済サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7