(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032506
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】スマートフォンケース
(51)【国際特許分類】
H04M 1/21 20060101AFI20220217BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
H04M1/21 M
A45C11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136351
(22)【出願日】2020-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】511242694
【氏名又は名称】株式会社FOX
(74)【代理人】
【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】五十畑 理央
【テーマコード(参考)】
3B045
5K023
【Fターム(参考)】
3B045DA22
3B045DA23
3B045DA24
5K023AA07
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP12
5K023PP16
5K023QQ02
5K023QQ05
5K023RR08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構造で、片手で使用する機能と、スタンド機能を備え、スマートフォンの使い勝手の向上を可能にするスマートフォンケースを提供する。
【解決手段】スマートフォンケース10は、スマートフォンに装着可能なケース本体20と、ケース本体部20の背面に備えた、指を挿入するための一対の指挿入部30bを有し、スマートフォンを斜め立て可能にする可撓性体30と、可撓性体30を指挿入可能状態と斜め立て可能状態に変化させる可動体40と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンに装着して使用するスマートフォンケースであり、
スマートフォンに装着可能なケース本体と、
前記ケース本体部の背面に備えた、
指を挿入するための指挿入部を有し、スマートフォンを斜め立て可能にする可撓性体と、
前記可撓性体を指挿入可能状態と斜め立て可能状態に変化させる可動体と、
を含むことを特徴とするスマートフォンケース。
【請求項2】
前記可撓性体は、
中央部を、前記ケース本体の背面に固定し、
前記中央部の両側に、一対の前記指挿入部を形成した構成であることを特徴とする請求項1に記載のスマートフォンケース。
【請求項3】
前記可動体は、
前記可撓性体に対して前記ケース本体の背面側に位置し、
前記可動体の中央部は前記ケース本体に固定され、長手方向の両端部は遊動可能であり、
前記長手方向の両端部を前記ケース本体の背面に近接する方向に付勢する近接付勢力と、
前記長手方向の両端部を前記ケース本体の背面から離間する方向に付勢する離間付勢力と、
に変化可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスマートフォンケース。
【請求項4】
前記可動体は、
前記近接付勢力の作用により、前記可撓性体を指挿入可能状態に変化させ、
前記離間付勢力の作用により、前記可撓性体を斜め立て可能状態に変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスマートフォンケース。
【請求項5】
前記可動体は、短冊状板バネを含み、
前記短冊状板バネは、長手方向に延びる反転可能な曲げ部を有し、
前記曲げ部は、
非反転状態で、前記短冊状板バネに近接付勢力を作用させ、
反転状態で、前記短冊状板バネに離間付勢力を作用させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスマートフォンケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スマートフォンに装着して使用するスマートフォンケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンが広く普及しており、通信手段となるのみならず、カメラ、ゲームソフトをはじめとする様々なアプリケーション機能を搭載した次世代型ツールとして利用価値が高い。
【0003】
このようなスマートフォンを使用する際には、一般に、片手でそのまま持つか、或いはカバーとなる部材を取り付けた状態で本体を持ち、持った手の親指か、若しくはもう一方の手で画面操作をするようにして、電話、電子メール等の通信や、写真撮影、ゲーム等を行っている。
【0004】
特に、スマートフォンで写真撮影する場合には、片手でスマートフォンを持ちながら、その手の親指でシャッターボタンとなる画面上のアイコンを押すため、手振れ等で安定した撮影ができないことがある。このため、スマートフォンを片手だけで安定して持つことを可能にすることが要望されており、片手で安定的に持つことを可能にしたものが提案されている(特許文献1、2)。
【0005】
また、スマートフォンを斜めに立てた状態で、テーブル上に載置可能にするものが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的に、裏カバーの中央部に、ケース中央の折り曲げ部に平行な折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部を折り曲げることによってスマートフォンを斜めに立て、表カバーにスマートフォンの下部を当接させることにより、スマートフォンが斜めに立てられた状態で維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-017059号公報
【特許文献2】特開2013-215460号公報
【特許文献3】実用新案登録第3196372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1及び特許文献2に示されるものでは、構造が複雑であり、かつスマートフォンに装着して片手で使用することが可能な構成だけである。また、特許文献3に示されるものも、構造が複雑であり、かつスマートフォンを斜めに立てた状態で、テーブル上に載置可能にする構成だけである。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構造で、片手で使用する機能と、スタンド機能を備え、スマートフォンの使い勝手の向上を可能にするスマートフォンケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した.
【0010】
請求項1の記載の発明は、スマートフォンに装着して使用するスマートフォンケースであり、
スマートフォンに装着可能なケース本体と、
前記ケース本体部の背面に備えた、
指を挿入するための指挿入部を有し、スマートフォンを斜め立て可能にする可撓性体と、
前記可撓性体を指挿入可能状態と斜め立て可能状態に変化させる可動体と、
を含むことを特徴とするスマートフォンケースである。
【0011】
請求項2の記載の発明は、前記可撓性体は、
中央部を、前記ケース本体の背面に固定し、
前記中央部の両側に、一対の前記指挿入部を形成した構成であることを特徴とする請求項1に記載のスマートフォンケースである。
【0012】
請求項3の記載の発明は、前記可動体は、
前記可撓性体に対して前記ケース本体の背面側に位置し、
前記可動体の中央部は前記ケース本体に固定され、長手方向の両端部は遊動可能であり、
前記長手方向の両端部を前記ケース本体の背面に近接する方向に付勢する近接付勢力と、
前記長手方向の両端部を前記ケース本体の背面から離間する方向に付勢する離間付勢力と、
に変化可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスマートフォンケースである。
【0013】
請求項4の記載の発明は、前記可動体は、
前記近接付勢力の作用により、前記可撓性体を指挿入可能状態に変化させ、
前記離間付勢力の作用により、前記可撓性体を斜め立て可能状態に変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスマートフォンケースである。
【0014】
請求項5の記載の発明は、前記可動体は、短冊状板バネを含み、
前記短冊状板バネは、長手方向に延びる反転可能な曲げ部を有し、
前記曲げ部は、
非反転状態で、前記短冊状板バネに近接付勢力を作用させ、
反転状態で、前記短冊状板バネに離間付勢力を作用させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスマートフォンケースである。
【発明の効果】
【0015】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0016】
請求項1乃至請求項5に記載の発明では、スマートフォンに装着可能なケース本体と、ケース本体の背面に備えた、指を挿入するための指挿入部を有し、スマートフォンを斜め立て可能にする可撓性体と、可撓性体を指挿入可能状態と斜め立て可能状態に変化させる可動体と、を含むことで、簡単な構造で、片手で使用する機能と、スタンド機能を備え、スマートフォンの使い勝手の向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図8】可動体を構成する短冊状板バネの直線状態を示す図である。
【
図9】可動体を構成する短冊状板バネの曲がった状態を示す図である。
【
図10】可撓性体を指挿入可能状態にした図である、
【
図11】可撓性体を斜め立て可能状態にした図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明のスマートフォンケースの実施の形態について説明する。この実施の形態はスマートフォンケースの好ましい形態を示すものであるが、この発明はこれに限定されない。
【0019】
(スマートフォンケースの構成)
この実施の形態のスマートフォンケースを、
図1乃至
図9に基づいて説明する。
図1は正面図、
図2は背面図、
図3は平面図、
図4は底面図、
図5は右側面図、
図6は左側面図、
図7は可動体の変化を説明する図、
図8は可動体を構成する短冊状板バネの直線状態を示す図、
図9は可動体を構成する短冊状板バネの曲がった状態を示す図、
図10は可撓性体を指挿入可能状態にした図、
図11は可撓性体を斜め立て可能状態にした図である。
【0020】
この実施の形態のスマートフォンケース10は、スマートフォンに装着して使用するケースである。このスマートフォンケース10は、スマートフォンに装着可能なケース本体20と、ケース本体部20の背面に備えた、可撓性体30と、可動体40と、を含む。
【0021】
ケース本体20は、スマートフォンの裏面側からスマートフォンに装着して使用する構成であり、ケース本体20の素材は特に限定されず、合成樹脂、金属、皮革、布等を使用することができる。ケース本体20のケース平面には、カメラ対応窓部21が形成され、ケース側面には、操作ボタン対応切欠部22,23、集音等対応切欠部24及び充電・マイク等対応切欠部25が形成されている。
【0022】
可撓性体30は、指を挿入するための指挿入部を有し、スマートフォンを斜め立て可能にする構成である。この可撓性体30は、例えば、合成樹脂で環状形状に成形されているが、革、布等を使用することができる。可撓性体30は、中央部30aを、ケース本体20の背面にバンド50により固定し、中央部30aの両側に、一対の指挿入部30bを形成する構成である。
【0023】
可動体40は、可撓性体30に対してケース本体20の背面側に位置し、ケース本体20に、中央部40aがバンド50により可撓性体30の中央部30aと共に固定され、長手方向の両端部40bは、遊動可能である。可動体40は、短冊状板バネ41を含み、この短冊状板バネ41は、可撓性部材42により覆われている。可撓性部材42は、
例えば、合成樹脂で環状形状に成形されているが、革、布等を使用することができる。
【0024】
短冊状板バネ41は、
図8に示すように、中央部に長手方向に延びる反転可能な曲げ部41aを有する。曲げ部41aは、反転線Lを有しており、曲げ部41aを周辺部41b方向へ向けて押しており、これにより反転線Lを超えると反転し、短冊状板バネ41は、
図8の短冊状から、
図9の長手方向に両端部41cが近接して屈曲状になる。
【0025】
この短冊状板バネ41は、
図9の長手方向の両端部41cが近接した屈曲状から、長手方向の両端部41cを、曲りを解消する方向に押すと、これにより長手方向に延びる反転可能な曲げ部41aが、反転線Lを超えて元の状態に復帰するように反転し、短冊状板バネ41は、
図8の短冊状の元の状態に復帰する。
【0026】
この短冊状板バネ41は、中央部に長手方向に延びる反転可能な曲げ部41aを有しており、この曲げ部41aによって、非反転状態で、短冊状板バネ41に近接付勢力を作用させ、反転状態で、短冊状板バネ41に離間付勢力を作用させる。
【0027】
このように、可動体40の中央部40aは、ケース本体20に可撓性体30の中央部30aと共に固定され、長手方向の両端部40bは、遊動可能であり、長手方向の両端部40bを、ケース本体20の背面に近接する方向に付勢する近接付勢力と、長手方向の両端部40bを、ケース本体20の背面から離間する方向に付勢する離間付勢力と、に変化可能である。
【0028】
この可動体40は、近接付勢力の作用により、可撓性体30を指挿入可能状態に変化させ、離間付勢力の作用により、可撓性体30を斜め立て可能状態に変化させる構成である。
図5(a)及び
図6(a)は、近接付勢力が作用している状態を示し、
図5(b)及び
図6(b)は、離間付勢力が作用している状態を示し、近接付勢力と離間付勢力は、変化可能であり、簡単な構造で、片手で使用する機能と、スタンド機能を備え、スマートフォンの使い勝手の向上を可能にする。
【0029】
(スマートフォンケースの使用)
この実施の形態のスマートフォンケースの使用を、
図10及び
図11に基づいて説明する。
図10は可撓性体の指挿入可能状態を示す図、
図11は可撓性体の斜め立て可能状態を示す図である。
【0030】
図10において、スマートフォンケース10は、可撓性体30の一対の指挿入部30bに指挿入可能状態となっており、可動体40には、長手方向の両端部40bを、ケース本体20の背面に近接する方向に付勢する近接付勢力が作用している。
【0031】
スマートフォンケース10の一対の指挿入部30bに、指を挿通してスマートフォンを保持すると、スマートフォンを見やすく、且つ操作し易いように保持することができる。その結果、スマートフォンを見やすく、且つ操作し易いように保持してスマートフォンを使用しても、手首の疲れ、肩こり、頭痛等の身体的苦痛が生じることがない。
【0032】
図11において、スマートフォンケース10は、可動体40の長手方向の両端部40bを、ケース本体20の背面から離間する方向に付勢する離間付勢力が作用し、可撓性体30が斜め立て可能状態となっている。
【0033】
スマートフォンケース10は、可動体40によって、ケース本体20の背面から中央部の両側を離間する方向に付勢する離間付勢力が作用すると、可撓性体30は、中央部30aを支点として両側の一対の指挿入部30bが近接するように集められ、可撓性体30が斜め立て可能状態となる。
【0034】
このように、スマートフォンケース10によって、スマートフォンを斜め方向に立てた状態で維持することが可能になり、スマートフォンをテーブル上に立てた状態で載置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、スマートフォンに装着して使用するスマートフォンケースに適用され、簡単な構造で、片手で使用する機能と、スタンド機能を備え、スマートフォンの使い勝手の向上を可能にする。
【符号の説明】
【0036】
10 スマートフォンケース
20 ケース本体
21 カメラ対応窓部
22,23 操作ボタン対応切欠部
24 集音等対応切欠部
25 充電・マイク等対応切欠部
30 可撓性体
30a 中央部
30b 一対の指挿入部
40 可動体
40a 中央部
40b 長手方向の両端部
41 短冊状板バネ
41a 曲げ部
41b 周辺部
41c 両端部
42 可撓性部材
50 バンド