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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032637
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】入浴システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20220217BHJP
   G08B 21/08 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
F24H1/00 602P
G08B21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136622
(22)【出願日】2020-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 弘明
【テーマコード(参考)】
3L024
5C086
【Fターム(参考)】
3L024CC10
3L024DD02
3L024DD13
3L024DD17
3L024DD22
3L024DD27
3L024EE02
3L024GG02
3L024GG06
3L024GG17
3L024GG22
3L024GG24
3L024GG25
3L024GG28
3L024GG30
3L024GG41
3L024GG42
3L024HH12
3L024HH17
3L024HH22
5C086AA22
5C086AA46
5C086BA04
5C086CB02
5C086DA07
5C086EA13
(57)【要約】
【課題】本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者が浴槽内に存在することを判定できる入浴システムを提供する。
【解決手段】追焚用設定時間おきに浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、温度検出部30にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、浴槽水加熱部N2を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプ28の作動を継続する追焚運転制御を実行する運転制御部Hが設けられ、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部30にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における判定温度低下量よりも大きいときには、入浴者が浴槽Yに存在すると判定する入浴者判定部Jが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、前記浴槽水循環回路を通して前記浴槽から前記浴槽水加熱部に向けて流動する浴槽水の温度を検出する温度検出部と、追焚用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムであって、
前記追焚運転制御を開始した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定温度低下量よりも大きいとき、又は、前記追焚運転制御を実行した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が前記浴槽に存在すると判定する入浴者判定部が設けられている入浴システム。
【請求項2】
前記入浴者判定部が、前記追焚運転制御を開始した際において、前記温度検出部にて検される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、前記判定温度低下量よりも大きく、かつ、前記追焚運転制御を実行した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、前記判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が前記浴槽に存在すると判定する請求項1に記載の入浴システム。
【請求項3】
前記入浴者判定部が、前記判定温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する請求項1又は2に記載の入浴システム。
【請求項4】
前記入浴者判定部が、前記判定追焚時間を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する請求項1~3の何れか1項に記載の入浴システム。
【請求項5】
前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が浴槽に存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、前記確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、当該確認用追焚運転制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における確認用温度低下量よりも大きいときには、入浴者が浴槽に存在すると再判定する請求項1~4のいずれか1項に記載の入浴システム。
【請求項6】
前記入浴者判定部が、前記確認用温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する請求項5に記載の入浴システム。
【請求項7】
前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が浴槽に存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、前記確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽に存在しない場合における確認用追焚時間よりも長いときには、入浴者が浴槽に存在すると再判定する請求項1~4のいずれか1項に記載の入浴システム。
【請求項8】
前記入浴者判定部が、前記確認用追焚時間を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する請求項7に記載の入浴システム。
【請求項9】
前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記浴槽水加熱部を作動停止状態に維持する確認用循環制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、初回の前記確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとし、2回目以降の前記確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前回の前記確認用循環制御において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度からの低下量が、前記循環式温度低下量よりも大きくなると、前記入浴者存在条件が満たされたとすることにより、前記確認用循環制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用循環制御において、前記入浴者存在条件が満たされると、入浴者が浴槽に存在すると再判定する請求項1~4のいずれか1項に記載の入浴システム。
【請求項10】
前記入浴者判定部が、前記循環式温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する請求項9に記載の入浴システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、前記浴槽水循環回路を通して前記浴槽から前記浴槽水加熱部に向けて流動する浴槽水の温度を検出する温度検出部と、追焚用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられた入浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる入浴システムは、追焚運転制御を実行することにより、浴槽内の浴槽水の温度を入浴者の好みの目標湯張温度に昇温させて、良好な入浴を行えるものである。
つまり、例えば、目標湯張温度(例えば、41℃)の湯水を浴槽に湯張りした後において、追焚用設定時間おきに追焚運転制御が繰り返し実行されることにより、浴槽内の浴槽水の温度を目標湯張温度に維持させて、湯張り後においても、入浴者の好みの目標湯張温度にて良好に入浴できることになる。
【0003】
かかる入浴システムの従来例として、浴槽内の湯水に接触可能な位置に設置される一対の電極と、当該一対の電極に誘導された電気信号を処理して心電信号を検出した場合に、入浴者が浴槽内に存在すると判定する信号処理部とを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
つまり、例えば、入浴者が浴槽内に長時間に亘って居続けると、熱中症を発症して意識を失った状態となり、溺れてしまう等の不都合が生じる虞があるため、入浴者が浴槽内に長時間に亘って居続けることを回避させることを目的として、入浴者が浴槽内に存在することを判定できるようにしたものである。
【0005】
ちなみに、特許文献1において、浴室内のリモコンや浴室外に設けたリモコンに、入浴者が浴槽内に存在することや、入浴者が浴槽内に存在する時間を表示して、入浴者本人や同居人等の第3者に、入浴者の入浴時間が長いことを気づかせて、適正な入浴行動を促すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-195676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1においては、入浴者が浴槽内に存在することを判定するための専用部材として、浴槽内の湯水に接触可能な位置に設置される一対の電極や、当該一対の電極に誘導された電気信号を処理する信号処理部を設けることになり、入浴システムの構成が複雑になる不利がある。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者が浴槽内に存在することを判定できる入浴システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入浴システムは、浴槽内の浴槽水が循環される浴槽水循環回路と、当該浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプと、前記浴槽水循環回路内を流れる浴槽水を加熱する浴槽水加熱部と、前記浴槽水循環回路を通して前記浴槽から前記浴槽水加熱部に向けて流動する浴槽水の温度を検出する温度検出部と、追焚用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する追焚運転制御を実行する運転制御部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記追焚運転制御を開始した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定温度低下量よりも大きいとき、又は、前記追焚運転制御を実行した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が前記浴槽に存在すると判定する入浴者判定部が設けられている点にある。
【0010】
すなわち、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定温度低下量よりも大きいとき、又は、追焚運転制御を実行した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで追焚時間が、入浴者が浴槽に存在しない場合における判定追焚時間よりも長いときに、入浴者判定部が、入浴者が浴槽に存在すると判定することになる。
【0011】
説明を加えると、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱は、入浴者が浴槽に居ない場合には、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われる。
これに対して、入浴者が浴槽に居る場合には、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱は、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面に加えて、入浴者と接している界面での熱交換によっても行われることになる。
【0012】
つまり、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱量は、入浴者が浴槽に存在する場合の方が、浴槽に入浴者が存在しない場合よりも多くなることになる。
その結果、追焚用設定時間おきに追焚運転制御を開始した際において、浴槽に貯留されている浴槽水の温度は、入浴者が浴槽に存在する場合の方が、浴槽に入浴者が存在しない場合よりも低くなるのである。
また、追焚用設定時間おきに追焚運転制御を実行した際において、浴槽に貯留されている浴槽水の温度を目標湯張温度になるまで追焚する追焚時間は、入浴者が浴槽に存在する場合の方が、浴槽に入浴者が存在しない場合よりも長くなるのである。
【0013】
したがって、判定温度低下量を、入浴者が浴槽に存在する場合と入浴者が浴槽に存在しない場合とを判別できる値に定めることにより、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が判定温度低下量よりも大きいときには、入浴者が浴槽に存在すると判定できるのである。
同様に、判定追焚時間を、入浴者が浴槽に存在する場合と入浴者が浴槽に存在しない場合とを判別できる値に定めることにより、追焚運転制御を開始してから温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで追焚時間が、判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が浴槽に存在すると判定できるのである。
【0014】
そして、入浴者が浴槽内に存在することを判定するにあたり、追焚用設定時間おきに追焚運転制御が実行されること、及び、追焚運転制御において浴槽水温度が温度検出部にて検出されることを有効利用するものであるから、本来構成を利用した簡素な構成にて、入浴者が浴槽内に存在することを判定できるのである。
【0015】
要するに、本発明の入浴システムの特徴構成によれば、本来構成を利用した簡素な構成にて入浴者が浴槽内に存在することを判定できる。
【0016】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記追焚運転制御を開始した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、前記判定温度低下量よりも大きく、かつ、前記追焚運転制御を実行した際において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、前記判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が前記浴槽内に存在すると判定する点にある。
【0017】
すなわち、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が存在しない場合における判定温度低下量よりも大きくなり、加えて、追焚運転制御を実行した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで追焚時間が、入浴者が存在しない場合における判定追焚時間よりも長くなるときには、入浴者判定部が、入浴者が浴槽内に存在すると判定することになる。
【0018】
このように、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が存在しない場合における判定温度低下量よりも大きくなることの条件に加えて、追焚運転制御を開始した際において、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで追焚時間が、入浴者が存在しない場合における判定追焚時間よりも長くなることの条件が満たされたときに、入浴者が浴槽内に存在すると判定することになるから、入浴者が浴槽内に存在することを、一層的確に判定することができる。
【0019】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、一層的確に判定することができる。
【0020】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記判定温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する点にある。
【0021】
すなわち、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱が、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われることになるが、外気温度が低いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなり、しかも、浴槽水温度である目標湯張温度が高いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなることになる。
【0022】
このような実情に鑑みて、入浴者判定部が、判定温度低下量を外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定することになるから、外気温度の変動や目標湯張温度の変動に拘らず、入浴者が浴槽内に存在することを、的確に判定することができる。
【0023】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、外気温度や目標湯張温度の変動に拘らず的確に判定することができる。
【0024】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記判定追焚時間を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する点にある。
【0025】
すなわち、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱が、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われることになるが、外気温度が低いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなり、しかも、浴槽水温度である目標湯張温度が高いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなることになる。
【0026】
このような実情に鑑みて、入浴者判定部が、判定追焚時間を外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定することになるから、外気温度の変動や目標湯張温度の変動に拘わらず、入浴者が浴槽内に存在することを、的確に判定することができる。
【0027】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、外気温度や目標湯張温度の変動に拘らず的確に判定することができる。
【0028】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が浴槽に存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、前記確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、当該確認用追焚運転制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が存在しない場合における確認用温度度低下量よりも大きいときには、入浴者が浴槽に存在すると再判定する点にある。
【0029】
すなわち、入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに浴槽水循環ポンプを作動させて浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御が、複数回実行されることになる。
【0030】
そして、確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、当該確認用追焚運転制御を開始した際において温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が存在しない場合における確認用温度度低下量よりも大きいときには、入浴者判定部が、入浴者が存在すると再判定することになる。
【0031】
このように、入浴者が存在すると判定された場合において、確認用追焚運転制御を複数回実行しながら、入浴者が存在することを再判定することになるから、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0032】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0033】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記確認用温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する点にある。
【0034】
すなわち、上述の如く、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱が、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われることになるが、外気温度が低いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなり、しかも、浴槽水温度である目標湯張温度が高いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなることになる。
【0035】
このような実情に鑑みて、入浴者判定部が、確認用温度低下量を外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定することになるから、外気温度の変動や目標湯張温度の変動に拘らず、入浴者が浴槽内に存在することを、的確に再判定することができる。
【0036】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、外気温度や目標湯張温度の変動に拘らず的確に再判定することができる。
【0037】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、
前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、前記浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、前記確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度が前記目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽に存在しない場合における確認用追焚時間よりも長いときには、入浴者が浴槽に存在すると再判定する点にある。
【0038】
すなわち、入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに浴槽水循環ポンプを作動させて浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまで、浴槽水加熱部を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプの作動を継続する確認用追焚運転制御が、複数回実行されることになる。
【0039】
そして、確認用追焚運転制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用追焚運転制御において、温度検出部にて検出される浴槽水温度が目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が存在しない場合における確認用追焚時間よりも長いときには、入浴者判定部が、入浴者が存在すると再判定することになる。
【0040】
このように、入浴者が存在すると判定された場合において、確認用追焚運転制御を複数回実行しながら、入浴者が存在することを再判定することになるから、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0041】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0042】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記確認用追焚時間を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する点にある。
【0043】
すなわち、上述の如く、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱が、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われることになるが、外気温度が低いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなり、しかも、浴槽水温度である目標湯張温度が高いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなることになる。
【0044】
このような実情に鑑みて、入浴者判定部が、確認用追焚時間を外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定することになるから、外気温度の変動や目標湯張温度の変動に拘らず、入浴者が浴槽内に存在することを、的確に再判定することができる。
【0045】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、外気温度や目標湯張温度の変動に拘らず的確に再判定することができる。
【0046】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、前記追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに前記浴槽水循環ポンプを作動させて前記浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、前記浴槽水加熱部を作動停止状態に維持する確認用循環制御を複数回実行し、
前記入浴者判定部が、初回の前記確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前記目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽に存在しない場合における循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとし、2回目以降の前記確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度の前回の前記確認用循環制御において前記温度検出部にて検出される前記浴槽水温度からの低下量が、前記循環式温度低下量よりも大きくなると、前記入浴者存在条件が満たされたとする形態で、前記確認用循環制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用循環制御において、前記入浴者存在条件が満たされると、入浴者が浴槽に存在すると再判定する点にある。
【0047】
すなわち、入浴者判定部にて入浴者が存在すると判定された場合には、追焚用設定時間よりも短い確認用設定時間おきに浴槽水循環ポンプを作動させて浴槽水循環回路を通して浴槽水を循環させ、且つ、浴槽水加熱部を作動停止状態に維持する確認用循環制御が、複数回実行されることになる。
【0048】
そして、初回の確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において温度検出部にて検出される浴槽水温度の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が存在しない場合における循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとし、2回目以降の確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において温度検出部にて検出される浴槽水温度の前回の確認用循環制御において温度検出部にて検出される浴槽水温度からの低下量が、循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとする形態で、確認用循環制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用循環制御において、入浴者存在条件が満たされると、入浴者判定部が、入浴者が存在すると再判定する点にある。
【0049】
このように、入浴者が存在すると判定された場合において、確認用循環制御を複数回実行しながら、入浴者が存在することを再判定することになるから、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0050】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が存在している状態であることを、一層的確に判定することができる。
【0051】
本発明の入浴システムの更なる特徴構成は、前記入浴者判定部が、前記循環式温度低下量を外気温度及び前記目標湯張温度に応じて変更設定する点にある。
【0052】
すなわち、上述の如く、浴槽に貯留されている浴槽水(例えば、40~42℃)からの放熱が、大気との界面や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換により行われることになるが、外気温度が低いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなり、しかも、浴槽水温度である目標湯張温度が高いほど、大気との界面での熱交換による放熱量や浴槽の側壁及び底壁との界面での熱交換による放熱量が多くなることになる。
【0053】
このような実情に鑑みて、入浴者判定部が、循環式温度低下量を外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定することになるから、外気温度の変動や目標湯張温度の変動に拘わらす、入浴者が浴槽内に存在することを、的確に再判定することができる。
【0054】
要するに、本発明の入浴システムの更なる特徴構成によれば、入浴者が浴槽内に存在することを、外気温度や目標湯張温度の変動に拘らず的確に再判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】入浴システムの全体構成を示す概略図である。
図2】追焚モードにおける浴槽水温度の変化を示す図である。
図3】判定温度低下量と外気温度と目標湯張温度との関係を示す表である。
図4】判定追焚時間と外気温度と目標湯張温度との関係を示す表である。
図5】別実施形態の追焚モードにおける浴槽水温度の変化を示す図である。
図6】確認用温度低下量と外気温度と目標湯張温度との関係を示す表である。
図7】確認用追焚時間と外気温度と目標湯張温度との関係を示す表である。
図8】更なる別実施形態の追焚モードにおける浴槽水温度の変化を示す図である。
図9】循環式温度低下量と外気温度と目標湯張温度との関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(風呂給湯装置の全体構成)
図1に示すように、風呂給湯装置(入浴システムの一例)は、給湯栓Dに湯水を供給する一般給湯機能、浴槽Yに湯水を供給する湯張機能、及び、浴槽Yに貯留されている浴槽水を追焚きする追焚機能を有する給湯器Aを備えている。
給湯器Aは、ケーシングCAの内側に設けた缶体1の内部に、供給される燃料ガスを燃焼させる燃焼バーナ2と、この燃焼バーナ2の燃焼により湯水を加熱するフィンチューブ型の熱交換器として、給湯熱交換器N1と追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)とを備え、缶体1の下部に、燃焼バーナ2に燃焼用空気を通風するためのモータ駆動型の送風ファン4を備えている。
【0057】
燃焼バーナ2の近くには、燃焼バーナ2に点火させるための点火用イグナイタ5と、着火したか否かを検出するフレームロッド6が設けられている。
燃焼バーナ2への燃料ガス供給路Gには、元ガス電磁弁25、燃料ガス供給量を変更調節するガス比例弁26が設けられている。
【0058】
給湯熱交換器N1は、入水路としての給水路7から供給される水を目標温度に加熱して出湯路8に出湯させるように構成されている。
追焚熱交換器N2は、給湯器Aに設けた入路配管Liから供給される浴槽Yからの浴槽水を加熱して、給湯器Aに設けた出路配管Loに流出させるように構成されている。
給湯熱交換器N1の給湯側吸熱管路12及び追焚熱交換器N2の追焚側吸熱管路13には、伝熱フィン14が共用される状態で装着され、これら二つの給湯熱交換器N1及び追焚熱交換器N2が、燃焼バーナ2の燃焼ガス流路Sに流路長手方向に並べて設けられている。
【0059】
追焚熱交換器N2は、浴槽Yの浴槽水が循環される浴槽水循環回路Bにて浴槽Yに接続されている。この浴槽水循環回路Bは、浴槽Y内の浴槽水を流出させる風呂戻り配管9と、浴槽Y内に湯水を流入させる風呂往き配管10とを浴槽Yの風呂アダプタFに接続し、風呂戻り配管9と入路配管Liとを戻り継手3aを介して接続し、風呂往き配管10と出路配管Loとを往き継手3bを介して接続する形態で構成されている。
つまり、入路配管Li及び出路配管Loと追焚熱交換器N2の追焚側吸熱管路13とが、浴槽水循環回路Bにおける器内循環路部分として構成され、風呂戻り配管9と風呂往き配管10とが、浴槽水循環回路Bにおける器外循環路部分として構成されている。
【0060】
給湯器Aの内部の入路配管Liに、浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプ28が設けられ、この浴槽水循環ポンプ28を作動させることにより、浴槽Yと追焚熱交換器N2との間で浴槽Y内の浴槽水を循環させながら、浴槽水を追焚きするように構成されている。
【0061】
出湯路8には、給水路7からの水をバイパスして供給するバイパス路15が、給湯熱交換器N1からの出湯量とバイパス路15からのバイパス水量との混合比率を変更調節自在なミキシングバルブ16を介して接続され、このミキシングバルブ16にて混合された後の湯水が、給湯器Aの外部の給湯路17aを通して給湯栓Dから給湯され、また、給湯器Aの内部において出湯路8から分岐する湯張り路17bを通して浴槽Yに給湯(湯張り)されるように構成されている。
【0062】
給水路7のバイパス路15との接続箇所よりも上流側には、入水温度を検出する入水温サーミスタ19と、通水量を検出する水量センサ20とが備えられている。
出湯路8におけるミキシングバルブ16よりも上流側箇所には、給湯熱交換器N1から出湯される湯水温度を検出する出口湯温サーミスタ21が備えられている。
出湯路8におけるミキシングバルブ16よりも下流側箇所には、ミキシングバルブ16で混合された後の湯水の温度を検出する給湯サーミスタ22、及び、浴槽Yへの給湯中に給湯栓Dが開操作されたことを検出するために、給湯栓Dへの通水量が設定量以上であるか否かを検出する割り込みセンサ24が、湯水流れ方向に沿って順次並ぶ状態で備えられている。
【0063】
入路配管Liには、上述の浴槽水循環ポンプ28、設定量以上の通水があることを検出するとON作動する水流検出センサとしての水流スイッチ29、入路配管Li内の湯水の温度を入路側検出温度Tiとして検出する入路側湯温サーミスタ30が備えられている。
ちなみに、入路側湯温サーミスタ30は、浴槽水循環回路Bを通して浴槽Yから追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)に向けて流動する浴槽水の温度を検出する温度検出部として機能することになり、入路側検出温度Tiは、浴槽水循環回路Bを通して浴槽Yから追焚熱交換器N2に向けて流動する浴槽水の浴槽水温度に相当する。
出路配管Loには、追焚熱交換器N2にて加熱された後の出路配管Lo内の湯水の温度を出路側検出温度Toとして検出する出路側湯温サーミスタ34が備えられている。
【0064】
湯張り路17bが、出湯路8における給湯サーミスタ22と割り込みセンサ24との間から分岐して、入路配管Liにおける浴槽水循環ポンプ28よりも下流側箇所に接続されている。湯張り路17bには、流量検出センサ35、湯張り電磁弁36、逆流防止用ホッパ37、及び、逆止弁38が湯水流動方向に沿って並ぶ状態で設けられている。
また、逆流防止用ホッパ37の内部の残湯を排出する排出管路42が、入路配管Liにおける浴槽水循環ポンプ28よりも上流側箇所に接続され、この排出管路42には、排水電磁弁39が備えられている。ちなみに、本実施形態では、逆流防止用ホッパ37は、周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0065】
(運転制御について)
給湯器Aには、運転を指令する運転スイッチR1や湯張りスイッチR2等を備えたリモコンRと、このリモコンRから入力される指令情報に基づいて給湯器Aの各部の作動を制御する運転制御部Hとが備えられている。
また、リモコンRには、給湯栓Dに湯水を供給する一般給湯運転制御における一般給湯用目標温度や、浴槽Yに湯水を供給する湯張運転制御及び浴槽Yの浴槽水を追焚きする追焚運転制御における目標湯張温度を設定する温度設定部R3が備えられている。
【0066】
運転制御部Hは、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
そして、運転制御部Hは、運転スイッチR1が入り操作された状態において、給湯栓Dが開かれて給水路7を通して湯水が流動することが水量センサ20にて検出されると、一般給湯運転制御を実行することになる。この一般給湯運転制御では、燃焼バーナ2を燃焼させ、そして、給湯サーミスタ22にて検出される温度が一般給湯用目標温度になるように、燃焼バーナ2の燃焼量やミキシングバルブ16の混合比率を調整する制御を実行するが、その詳細は周知であるので、本実施形態では、燃焼バーナ2の燃焼量の調整制御やミキシングバルブ16の混合比率の調整制御についての詳細な説明は省略する。
【0067】
運転制御部Hは、運転スイッチR1が入り操作された状態で湯張りスイッチR2が入り操作されると、目標湯張温度の湯水を設定給湯量に達するまで湯張り路17bを通して給湯する湯張運転制御を実行することになり、その後、湯張りスイッチR2が切り操作されるまでの間は、設定追焚用時間(例えば、3分)おきに追焚運転制御を実行するように構成されている。
ちなみに、湯張運転制御は、給湯栓Dが開かれていないときに実行され、割り込みセンサ24にて給湯栓Dが開かれていることが検出されると停止される。
【0068】
湯張運転制御は、湯張り電磁弁36を開いて、目標湯張温度に加熱された湯水を湯張り路17b及び浴槽水循環回路Bを通して浴槽Yに給湯する制御を実行することになる。
この湯張運転制御では、一般給湯運転制御と同様に、給湯サーミスタ22にて検出される温度が目標湯張温度になるように、燃焼バーナ2の燃焼量やミキシングバルブ16の混合比率を調整する制御を実行することになるが、その詳細は周知であるので、本実施形態では、燃焼バーナ2の燃焼量の調整制御やミキシングバルブ16の混合比率の調整制御についての詳細な説明は省略する。
【0069】
また、本実施形態の湯張運転制御は、湯張り路17bを流動する湯水の流量を検出する流量検出センサ35の検出値を積算して、その積算値が設定給湯量に達するまで湯張りを継続する、いわゆる積算給湯制御を実行することになる。
【0070】
追焚運転制御は、浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまで、燃焼バーナ2を燃焼させることにより追焚熱交換器N2を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプ28の作動を継続する制御を実行する。
ちなみに、追焚運転制御においては、浴槽水循環ポンプ28を作動させたときに、水流スイッチ29にて設定量以上の通水が検出されたときに、燃焼バーナ2の燃焼を開始することになり、そして、出路側湯温サーミスタ34にて検出される出路側検出温度Toが目標湯張温度(追焚用温度)になるように、燃焼バーナ2の燃焼量が制御される。
【0071】
(入浴者判定について)
運転制御部Hが、入浴者が浴槽Yに存在すると判定する入浴者判定部Jとして機能するように構成されている。
入浴者判定部Jの判定形態としては、第1~第6判定形態があり、先ず、第1~第3判定形態について説明する。
【0072】
(第1~第3判定形態)
入浴者判定部Jの第1判定形態は、追焚運転制御を開始した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における判定温度低下量よりも大きいときに、入浴者が浴槽Yに存在すると判定し、低下量が判定温度低下量以下のときには、入浴者が浴槽Yに存在しないと判定するように構成されている。
尚、判定温度低下量は、予め実験により定められことになる。
【0073】
この第1判定形態における「追焚運転制御を開始した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)」とは、追焚運転制御を開始した後において、最初に、浴槽Yの浴槽水が入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Tiに相当する温度である。
つまり、追焚運転制御を開始して浴槽水循環ポンプ28を作動させると、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Tiは、当初は、浴槽水循環回路Bの内部に滞留している湯水の滞留温度であり、その後、浴槽Yの浴槽水の浴槽水温度となるから、第1判定形態においては、最初に、浴槽Yの浴槽水が入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Tiを浴槽水温度とする。
【0074】
尚、浴槽水温度は、滞留温度よりも高温であるから、追焚運転制御を開始した後において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Tiが、急激に上昇した時点の温度を、浴槽水温度として検出することができる。
ちなみに、追焚運転制御を開始した後において最初に浴槽水温度が検出されるまでの必要時間を、予め実験で求めておき、追焚運転制御を開始してから必要時間が経過したときに、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Tiを浴槽水温度とする形態で実施してもよい。
【0075】
入浴者判定部Jの第2判定形態は、追焚運転制御を実行した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における判定追焚時間よりも長いときに、入浴者が浴槽Yに存在すると判定し、追焚時間が判定追焚時間以下であるときには、入浴者が浴槽Yに存在しないと判定するように構成されている。
尚、追焚時間は、追焚運転制御を開始してから入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまでの時間である。
尚、判定追焚時間は、予め実験により定められことになる。
【0076】
入浴者判定部Jの第3判定形態は、追焚運転制御を開始した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における判定温度低下量よりも大きく、かつ、追焚運転制御を実行した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における判定追焚時間よりも長いときには、入浴者が浴槽Yに存在すると判定し、低下量が判定温度低下量以下、あるいは、追焚時間が判定追焚時間以下であると、入浴者が浴槽Yに存在しないと判定するように構成されている。
【0077】
説明を加えると、図2に示すように、浴槽Yに貯留されている浴槽水温度は、追焚用設定時間Tg(例えば、3分)が経過する間に、目標湯張温度Tmから漸次低下することになる。そして、入浴者が浴槽Yに存在しないときには、非存在温度Tnに下降し、入浴者が浴槽Yに存在するときには、非存在温度Tnよりも低い存在温度Trに下降することになる。
【0078】
その後、浴槽水温度が非存在温度Tnに下降したときには、非存在対応追焚時間E1の追焚き(追焚運転制御)が行われることにより、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度Tmになり、また、浴槽水温度が存在温度Trに下降したときには、非存在対応追焚時間E1よりも長い存在対応追焚時間E2の追焚き(追焚運転制御)が行われることにより、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度Tmになる。
【0079】
尚、図2は、浴槽水温度の変化を模式的に表したものであり、実際の温度変化を正確に表示するものではない。
また、図2は、浴槽Yに入浴者が存在しない状態から浴槽Yに入浴者が存在する状態に変化し、その後、再び、浴槽Yに入浴者が存在しない状態に変化した場合を例示する。
【0080】
従って、第1判定形態においては、非存在温度Tnと低い存在温度Trとの間に、判定温度低下量を定めておくことにより、入浴者が浴槽Yに存在するか否かを判定できるのである。
尚、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量は、入浴者が子供の場合には大人の場合よりも少なくなるから、判定温度低下量は、入浴者が子供の場合を基準にして定められることになる。
【0081】
また、第2判定形態においては、非存在対応追焚時間E1と存在対応追焚時間E2との間に、判定追焚時間を定めておくことにより、入浴者が浴槽Yに存在するか否かを判定できるのである。
尚、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量は、入浴者が子供の場合には大人の場合よりも少なくなるから、判定追焚時間は、入浴者が子供の場合を基準にして定められることになる。
【0082】
さらに、第3判定形態は、第1判定形態における判定温度低下量及び第2判定形態における判定追焚時間を定めておくことにより、入浴者が浴槽Yに存在するか否かを判定できるのである。
【0083】
また、判定温度低下量は、外気温度に応じて変化することになり、また、目標湯張温度が異なる場合には、目標湯張温度に応じて変化することになる。
ちなみに、図示は省略するが、給湯器Aには外気温度を検出する温度センサが備えられて、その検出情報が運転制御部H(入浴者判定部J)に入力されている。
本実施形態では、図3に示すように、入浴者判定部Jが、判定温度低下量を、外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定するように構成されている。つまり、判定温度低下量は、外気温度が低いほど大きく、また、目標湯張温度が高いほど大きくするように設定されることになる。
本実施形態では、例えば、目標湯張温度が39℃の場合において、外気温度が20.1℃の場合には、判定温度低下量が0.6℃に設定され、外気温度が20.2℃の場合には、判定温度低下量が0.58℃に設定されることになる。
【0084】
また、本実施形態では、図4に示すように、入浴者判定部Jが、判定追焚時間を、外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定するように構成されている。つまり、判定追焚時間は、外気温度が低いほど大きく、また、目標湯張温度が高いほど大きくするように設定されることになる。
本実施形態では、例えば、目標湯張温度が39℃の場合において、外気温度が20.1℃の場合には、判定追焚時間が60秒に設定され、外気温度が20.2℃の場合には、判定追焚時間が55秒に設定されることになる。
【0085】
(第4及び第5判定形態)
入浴者判定部Jの第4判定形態は、上記の第1~第3判定形態、特に、第1判定形態を実行した後に行う再判定である。
すなわち、図5に示すように、運転制御部Hが、入浴者判定部Jが第1~第3判定形態のいずれかにて入浴者が存在すると判定された場合には、追焚用設定時間Tgよりも短い確認用設定時間tg(例えば、1分)おきに浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまで、追焚熱交換器N2を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプ28の作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行する。本実施形態では、確認用追焚運転制御が3回実行される。
【0086】
入浴者判定部Jが、確認用追焚運転制御を複数回(本実施形態では3回)実行したうちの設定回数以上(本実施形態では2回以上)の確認用追焚運転制御において、当該確認用追焚運転制御を開始した際において入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度Tmからの低下量が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における確認用温度度低下量よりも大きいときには、入浴者が浴槽Yに存在すると再判定するように構成されている。
尚、確認用温度度低下量は、予め実験により定められことになる。
【0087】
入浴者判定部Jの第5判定形態は、上記の第1~第3判定形態、特に、第2判定形態を実行した後に行う再判定である。
すなわち、図5に示すように、運転制御部Hが、入浴者判定部Jが第1~第3判定形態のいずれかにて入浴者が存在すると判定した場合には、追焚用設定時間Tgよりも短い確認用設定時間tg(例えば、1分)おきに浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度になるまで、追焚熱交換器N2を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプ28の作動を継続する確認用追焚運転制御を複数回実行する。本実施形態では、確認用追焚運転制御が3回実行される。
【0088】
入浴者判定部Jが、確認用追焚運転制御を複数回(本実施形態では3回)実行したうちの設定回数以上(本実施形態では2回以上)の確認用追焚運転制御において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度Tmになるまでの追焚時間が、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における確認用追焚時間よりも長いときには、入浴者が存在すると再判定するように構成されている。
尚、確認用追焚時間は、予め実験により定められることになる。
【0089】
説明を加えると、図5に示すように、浴槽Yに貯留されている浴槽水温度は、確認用設定時間tg(例えば、1分)が経過する間に、目標湯張温度Tmから漸次低下することになる。そして、入浴者が浴槽Yに存在しないときには、確認用非存在温度tnに下降し、入浴者が浴槽Yに存在するときには、確認用非存在温度tnよりも低い確認用存在温度trに下降することになる。
【0090】
その後、浴槽水温度が確認用非存在温度tnに下降したときには、非存在確認追焚時間e1の追焚き(追焚運転制御)が行われることにより、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度Tmになり、また、浴槽水温度が確認用存在温度trに下降したときには、非存在確認追焚時間e1よりも長い存在確認追焚時間e2の追焚き(追焚運転制御)が行われることにより、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)が目標湯張温度Tmになる。
【0091】
図5は、浴槽水温度の変化を模式的に表したものであり、実際の温度変化を正確に表示するものではない。
また、図5は、浴槽Yに入浴者が存在しない状態から浴槽Yに入浴者が存在する状態に変化し、その後、再び、浴槽Yに入浴者が存在しない状態に変化した場合を例示する。
ちなみに、浴槽水温度が非存在温度Tnに下降するとき、つまり、浴槽Yに入浴者が存在しない状態に変化したときには、確認用追焚運転制御が3回実行されることはないが、図5においては、説明を分かり易くするために、浴槽水温度が非存在温度Tnに下降したときにも、確認用追焚運転制御が3回実行されることを記載している。
【0092】
尚、図5に示す如く、浴槽Yに入浴者が存在しない状態に変化したときに、確認用追焚運転制御を複数回(例えば、3回)実行して、目標湯張温度Tmからの低下量が確認用温度低下量以下であることや、目標湯張温度Tmになるまでの追焚時間が確認用追焚時間以下であることにより、入浴者が浴槽Yに存在しないことを再確認するように構成してもよい。
【0093】
従って、第4判定形態においては、確認用非存在温度tnと確認用存在温度trとの間に、確認用温度低下量を定めておくことにより、入浴者が浴槽Yに存在するか否かを判定できるのである。
尚、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量は、入浴者が子供の場合には大人の場合よりも少なくなるから、確認用温度低下量は、入浴者が子供の場合を基準にして定められることになる。
【0094】
また、第5判定形態においては、非存在確認追焚時間e1と存在確認追焚時間e2との間に、確認用追焚時間を定めておくことにより、入浴者が浴槽Yに存在するか否かを判定できるのである。
ちなみに、非存在確認追焚時間e1と存在確認追焚時間e2とは、入浴者が子供の場合には大人の場合よりも少なくなるから、確認用追焚時間は、入浴者が子供の場合を基準にして定められることになる。
【0095】
本実施形態では、図6に示すように、入浴者判定部Jが、確認用温度低下量を、外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定するように構成されている。つまり、確認用温度低下量は、外気温度が低いほど大きく、また、目標湯張温度が高いほど大きくするように設定されることになる。
ちなみに、図示は省略するが、給湯器Aには外気温度を検出する温度センサが備えられて、その検出情報が運転制御部H(入浴者判定部J)に入力されている。
本実施形態では、例えば、目標湯張温度が39℃の場合において、外気温度が20.1℃の場合には、確認用温度低下量が0.2℃に設定され、外気温度が20.2℃の場合には、確認用温度低下量が0.195℃に設定されることになる。
【0096】
また、本実施形態では、図7に示すように、入浴者判定部Jが、確認用追焚時間を、外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定するように構成されている。つまり、確認用追焚時間は、外気温度が低いほど大きく、また、目標湯張温度が高いほど大きくするように設定されることになる。
本実施形態では、例えば、目標湯張温度が39℃の場合において、外気温度が20.1℃の場合には、確認用追焚時間が20秒に設定され、外気温度が20.2℃の場合には、確認用追焚時間が19.6秒に設定されることになる。
【0097】
(第6判定形態)
入浴者判定部Jの第6判定形態は、上記の第1~第3判定形態を実行した後に行う再判定である。
すなわち、図8に示すように、運転制御部Hが、入浴者判定部Jが第1~第3判定形態のいずれかにて入浴者が浴槽Yに存在すると判定した場合には、追焚用設定時間Tgよりも短い確認用設定時間tg(例えば、1分)おきに浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、追焚熱交換器N2を作動停止させた状態に維持する確認用循環制御を複数回実行する。本実施形態では、確認用追焚運転制御が2回実行され、且つ、確認用追焚運転制御の実行時間e3は、例えば、10秒である。
【0098】
尚、図8は、浴槽水温度の変化を模式的に表したものであり、実際の温度変化を正確に表示するものではない。
また、図8は、浴槽Yに入浴者が存在しない状態から浴槽Yに入浴者が存在する状態に変化し、その後、再び、浴槽Yに入浴者が存在しない状態に変化した場合を例示する。
【0099】
入浴者判定部Jが、初回の確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の目標湯張温度からの低下量Wが、入浴者が浴槽Yに存在しない場合における循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとし、2回目以降の確認用循環制御では、当該確認用循環制御を開始した際において入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の前回の確認用循環制御において入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)からの低下量Wが、循環式温度低下量よりも大きくなることにより、入浴者存在条件が満たされたとする。
そして、確認用循環制御を複数回実行したうちの設定回数以上の確認用循環制御において、入浴者存在条件が満たされると、入浴者が浴槽Yに存在すると再判定するように構成されている。
尚、循環式温度低下量は、予め実験により定められることになる。
【0100】
本実施形態では、確認用循環制御を2回実行した後に確認用設定時間tg(例えば、1分)が経過すると、浴槽水循環ポンプ28を作動させて浴槽水循環回路Bを通して浴槽水を循環させ、且つ、追焚熱交換器N2を加熱作動させた状態で浴槽水循環ポンプ28の作動を継続する追焚運転制御を実行することになるが、その追焚運転追焚制御を開始した際において、入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)の前回の確認用循環制御において入路側湯温サーミスタ30にて検出される入路側検出温度Ti(浴槽水温度)からの低下量が、循環式温度低下量よりも大きくなると、入浴者存在条件が満たされたとするように構成されている。
【0101】
つまり、本実施形態では、確認用循環制御により入浴者存在条件が満たされているか否かが3回検出され、入浴者判定部Jが、3回中の2回において、入浴者存在条件が満たされていると、入浴者が存在すると再判定するように構成されている。
【0102】
本実施形態では、図9に示すように、入浴者判定部Jが、循環式温度低下量を、外気温度及び目標湯張温度に応じて変更設定するように構成されている。つまり、循環式温度低下量は、外気温度が低いほど大きく、また、目標湯張温度が高いほど大きくするように設定されることになる。
ちなみに、図示は省略するが、給湯器Aには外気温度を検出する温度センサが備えられて、その検出情報が運転制御部H(入浴者判定部J)に入力されている。
本実施形態では、例えば、目標湯張温度が39℃の場合において、外気温度が20.1℃の場合には、循環式温度低下量が0.2℃に設定され、外気温度が20.2℃の場合には、循環式温度低下量が0.195℃に設定されることになる。
【0103】
〔別実施形態〕
次にその他の別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態においては、給湯熱交換器N1と追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)とが、単一の燃焼バーナ2にて加熱される形態を例示したが、給湯熱交換器N1と追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)との夫々に対して、各別の燃焼バーナを備える形態で実施してもよい。
【0104】
(2)上記実施形態においては、追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)が、燃焼バーナ2にて直接加熱される形態を例示したが、追焚熱交換器N2(浴槽水加熱部の一例)として、循環流動される暖房用の熱媒と熱交換する液々熱交換式の追焚熱交換器を設ける形態で実施してもよい。
【0105】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
28 浴槽水循環ポンプ
30 温度検出部
B 浴槽水循環回路
H 運転制御部
J 入浴者判定部
N1 浴槽水加熱部
Y 浴槽
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9