(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032688
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
B42F 1/02 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
B42F1/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136734
(22)【出願日】2020-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】517357697
【氏名又は名称】石田 寛敏
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(74)【代理人】
【識別番号】100112416
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 定信
(72)【発明者】
【氏名】石田 寛敏
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017BA06
(57)【要約】
【課題】一まとめにされた複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される折り畳み部を挟んだ状態から外れにくく、且つ、コスト上も有利なクリップを提供する。
【解決手段】一まとめにされた複数枚の紙片Pを折り畳むことによって形成される折り畳み部Qの山側に位置する山側挟着片11と、折り畳み部Qの谷側に位置する谷側挟着片12と、折り畳み部Qの両方の外側に位置する外側第一挟着片13及び外側第二挟着片14と、を備え、山側挟着片11と谷側挟着片12とで折り畳み部Qが山谷双方から挟持され、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とで折り畳み部Qが両方の外側から挟持されるように、山側挟着片11と谷側挟着片12と外側第一挟着片14と外側第二挟着片14とが弾性的に一体に形成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一まとめにされた複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される折り畳み部の山側に位置する山側挟着片と、前記折り畳み部の谷側に位置する谷側挟着片と、前記折り畳み部の両方の外側に位置する外側第一挟着片及び外側第二挟着片と、を備え、前記山側挟着片と前記谷側挟着片とで前記折り畳み部が山谷双方から挟持され、前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とで前記折り畳み部が両方の外側から挟持されるように、前記山側挟着片と前記谷側挟着片と前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成される、クリップ。
【請求項2】
一本の弾性線材を折り曲げることで形成される、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記一本の弾性線材の略中間部に折り返し部が形成され、該折り返し部内に前記一本の弾性線材の両端部が挿入され、前記折り返し部によって前記山側挟着片が形成され、前記折り返し部内で前記山側挟着片に圧接する挿入圧接部によって前記谷側挟着片が形成される、請求項2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記折り返し部に繋がる二股部によって前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが形成される、請求項3に記載のクリップ。
【請求項5】
一まとめにされた第二の複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される第二の折り畳み部の谷側に位置する第二の谷側挟着片を備え、前記山側挟着片と前記第二の谷側挟着片とで前記第二の折り畳み部が山谷双方から挟持され、前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とで前記第二の折り畳み部が両方の外側から挟持されるように、前記山側挟着片と前記谷側挟着片と前記第二の谷側挟着片と前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の紙片を一まとめにして折り畳み部を形成し、この折り畳み部を挟んで止めるクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数枚の紙片を挟んで止めるクリップの一例として、特許文献1により、次のクリップが提案されている。このクリップは、非綴状態の文書紙用クリップであり、所定大きさのヘッド部と、該ヘッド部から突出伸長する所定の剛性及び長さを有する3本の棒状体とを有し、該棒状体の内の1本のメイン棒状体が他の2本よりも長く形成され、前記メイン棒状体と他の2本の棒状体それぞれとの間にて文書紙を挟むようにしたことを特徴としている。
【0003】
前記クリップによれば、最も長いメイン棒状体を非綴状態の文書紙の一方の面に当て、他の2本を反対の面側に出すようにし、その間に非綴状態の文書紙を差し込むようにすることによって、簡単かつしっかりと文書紙をメイン棒状体と他の2本の棒状体間に挟むことができるとされている。そして、この動作は、メイン棒状体を他の2本の棒状体よりも長くしていることによってより容易なものとなるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のクリップにおいては、特許文献1の
図5~
図7に示すように、3本の棒状体が相互間に間隔をおいて互いに平行に延びているので、文書紙の枚数が少ない場合には棒状体による文書紙の挟持力が弱くならざるを得ないという欠点がある。
【0006】
この欠点を克服するためにか、特許文献1の請求項5では、「前記いずれかの棒状体又は全ての棒状体の突出側先端部に略球形状の拡径部を形成」することが提案され、これにより、「先端部での挟み力の増加を達成できる」(特許文献1の0010段落参照)とされている。しかし、棒状体の先端部に略球形状の拡径部を形成するとコスト高となるので、コスト面では得策とは言えない。
【0007】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、一まとめにされた複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される折り畳み部を挟んだ状態から外れにくく、且つ、コスト上も有利なクリップを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1の本発明に係るクリップは、一まとめにされた複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される折り畳み部の山側に位置する山側挟着片と、前記折り畳み部の谷側に位置する谷側挟着片と、前記折り畳み部の両方の外側に位置する外側第一挟着片及び外側第二挟着片と、を備え、前記山側挟着片と前記谷側挟着片とで前記折り畳み部が山谷双方から挟持され、前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とで前記折り畳み部が両方の外側から挟持されるように、前記山側挟着片と前記谷側挟着片と前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項2の本発明に係るクリップは、請求項1のものにおいて、一本の弾性線材を折り曲げることで形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項3の本発明に係るクリップは、請求項2のものにおいて、前記一本の弾性線材の略中間部に折り返し部が形成され、該折り返し部内に前記一本の弾性線材の両端部が挿入され、前記折り返し部によって前記山側挟着片が形成され、前記折り返し部内で前記山側挟着片に圧接する挿入圧接部によって前記谷側挟着片が形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項4の本発明に係るクリップは、請求項3のものにおいて、前記折り返し部に繋がる二股部によって前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5の本発明に係るクリップは、請求項1乃至4のいずれかのものにおいて、一まとめにされた第二の複数枚の紙片を折り畳むことによって形成される第二の折り畳み部の谷側に位置する第二の谷側挟着片を備え、前記山側挟着片と前記第二の谷側挟着片とで前記第二の折り畳み部が山谷双方から挟持され、前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とで前記第二の折り畳み部が両方の外側から挟持されるように、前記山側挟着片と前記谷側挟着片と前記第二の谷側挟着片と前記外側第一挟着片と前記外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の本発明によれば、山側挟着片と谷側挟着片とで折り畳み部が山谷双方から挟持され、外側第一挟着片と外側第二挟着片とで折り畳み部が両方の外側から挟持されるので、全体としての挟持力が強く、外れにくい。また、山側挟着片と谷側挟着片と外側第一挟着片と外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成されることで二種類の挟持力が創出されるので、コスト低減に資するものとなる。さらに、クリップの弾性を利用して着脱を行うので、着脱作業が容易である。
【0014】
請求項2の本発明によれば、簡易な構成でクリップが形成されるので、一層のコスト低減に資するものとなる。
【0015】
請求項3の本発明によれば、一本の弾性線材の弾性により折り返し部と挿入圧接部とが常時圧接することで、山側挟着片と谷側挟着片とで複数枚の紙片の折り畳み部が山谷双方から挟持される。
【0016】
請求項4の本発明によれば、折り返し部に繋がる二股部が一本の弾性線材の弾性により常時互いに圧接することで、外側第一挟着片と外側第二挟着片とで複数枚の紙片の折り畳み部が両方の外側から挟持される。
【0017】
請求項5の本発明によれば、前記複数枚の紙片に加えて、それとは別の第二の複数枚の紙片をも、折り畳み状態で挟持することができる。すなわち、一まとめにされた第二の複数枚の紙片を、第二の折り畳み部の山側と谷側から山側挟着片と第二の谷側挟着片とで挟持すると共に、第二の折り畳み部の両方の外側から外側第一挟着片と外側第二挟着片とで挟持する。このため、第二の複数枚の紙片に対する全体としての挟持力が強く、第二の複数枚の紙片も外れにくい。また、山側挟着片と谷側挟着片と第二の谷側挟着片と外側第一挟着片と外側第二挟着片とが弾性的に一体に形成されることで、複数枚の紙片及び第二の複数枚の紙片のそれぞれに対する二種類の挟持力が創出されるので、コスト低減に資するものとなる。さらに、クリップの弾性を利用して第二の複数枚の紙片の着脱を行うので、着脱作業が容易である。
【0018】
なお、請求項5の本発明において、山側挟着片と協働して第三の複数枚の紙片を挟持するための第三の谷側挟着片を設けることにより、さらに、第三以降の複数枚の紙片を挟持するための第三以降の谷側挟着片を設けることにより、複数枚の紙片の組をさらに多く、互いに区別して挟持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の一形態に係るクリップの全体斜視図である。
【
図2】(a)は
図1のクリップの正面図、(b)は同背面図、(c)は同右側面図、(d)は同左側面図、(e)は(a)のA-A矢視断面図である。
【
図3】
図1のクリップの使用方法を示す斜視図であり、(a)→(b)→(c)の順で、クリップによる紙片の綴じ過程を示している。
【
図4】
図1のクリップで紙片を綴じた状態における、
図2(e)に対応する断面図である。
【
図5】
図1のクリップの別の使用方法を示す斜視図である。
【
図6】
図5の使用方法で紙片を綴じた状態における、
図4に対応する断面図である。
【
図8】本発明の実施の一形態に係るクリップの説明図であり、(a)は、同クリップの、
図2(a)に対応する正面図、(b)は、(a)のB-B矢視断面図である。
【
図9】
図8のクリップで複数組の紙片を綴じた状態における、
図8(b)に対応する拡大断面図である。
【
図10】
図8のクリップで複数組の紙片を綴じた状態における、
図9とは別例の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施の一形態に係るクリップ10は、山側挟着片11と、谷側挟着片12と、外側第一挟着片13と、外側第二挟着片14と、を備え、これらが弾性的に一体に形成される。限定はされないが、
図1及び
図2のクリップは、一本の弾性線材1を折り曲げることで形成される。この場合の弾性線材としては、ばね鋼等の弾性に富む金属線材を用いるのが好ましい。
【0022】
具体的には、
図1及び
図2のクリップは、一本の弾性線材1の略中間部に折り返し部(中間折り返し部)2を形成し、この中間折り返し部2と一本の弾性線材1の両端部1a,1bのそれぞれとの間に第二の折り返し部3,3を形成し、中間折り返し部2内に一本の弾性線材1の両端部1a,1bを挿入することによって作製される。その結果、一本の弾性線材1の弾性により、中間折り返し部2内に位置する弾性線材1が中間折り返し部2に対して圧接するとともに、中間折り返し部2に繋がる二股部4が互いに圧接状態となる。ここでは、中間折り返し部2内に位置する弾性線材1の、中間折り返し部2への圧接部を挿入圧接部12と呼び、挿入圧接部12から弾性線材1の端部1a,1b側を脚部5と呼ぶ。この場合、中間折り返し部2によって山側挟着片11が形成され、中間折り返し部2内で山側挟着片11に圧接する挿入圧接部12によって谷側挟着片が形成される。また、中間折り返し部2に繋がる弾性線材1の二股部4によって、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とが形成される。
【0023】
図1及び
図2のクリップにおいては、
図2(e)に明瞭に示されているように、中間折り返し部2内において、弾性線材1が自身の弾性により、二箇所で中間折り返し部2に対して圧接している。すなわち、
図2(e)の例では、中間折り返し部2内に挿入されて中間折り返し部2に圧接する挿入圧接部12が、第一の挿入圧接部12-1と第二の挿入圧接部12-2の二つ存在する。一つの挿入圧接部と中間折り返し部2とで複数枚の紙片Pの折り畳み部Qを山谷双方から挟持させることができるので、
図2(e)の例では、折り畳み部Qを形成した紙片群Pを最大で二組挟持することができる。
【0024】
図1及び
図2のクリップ10を用いることにより、一まとめにされた複数枚の紙片Pを折り畳んだ状態で綴じることができる。一まとめにされる複数枚の紙片Pの種類は問わない。例えば、書類であっても良いし、新聞紙であっても良いし、紙幣であってもよい。折り畳んだ状態の紙片Pの大きさに応じて、クリップの好ましいサイズが決まる。よって、
図1及び
図2のクリップ10を大小様々なサイズでユーザーに提供し、ユーザーが使用場面に応じて適宜選択して使用できるようにするのが好ましい。
【0025】
図1及び
図2のクリップ10の使用方法について、
図3を参照して説明する。まず、
図3(a)に示すように、一まとめにされた複数枚の紙片Pを折り畳むことによって、折り畳み部Qを形成する。紙片Pにおける折り畳み部Qの形成位置は問わない。
図3の例では一枚の紙片Pを図示してあるが、これは図示簡略化のためである。
【0026】
図3(a)に示すように、紙片Pの折り畳み部Qの谷側にクリップ10の谷側挟着片12よりも先端側の二本の脚部5,5を挿入する。この挿入過程においては、
図3(b)に示すように、山側挟着片11を折り畳み部Qの山側に沿ってスライドさせる。その結果、山側挟着片11と谷側挟着片12-1,12-2のそれぞれが折り畳み部Qの山側と谷側のそれぞれに当接し、且つ、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14のそれぞれが折り畳み部Qの二つの外側の紙片のそれぞれに当接した状態となる。そして、クリップ10の弾性により、山側挟着片11と谷側挟着片12とで折り畳み部Qが山谷双方から挟持され、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とで折り畳み部Qが両方の外側から挟持される。
【0027】
図3(c)に示すように、第二の折り返し部3付近まで紙片Pに対してクリップ10をスライドさせた状態が、クリップ10による紙片Pの綴じ状態である。この綴じ状態においては、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とによる紙片Pの挟持位置が、山側挟着片11と谷側挟着片12とによる紙片Pの挟持位置に比べて、紙片Pの折り畳み部Qの山側から遠い位置となる。前記とは逆方向にクリップ10をスライドさせれば、クリップ10を取り外すことができる。
【0028】
図1のクリップによれば、
図3(c)及び
図4に示すように、山側挟着片11と谷側挟着片12とで紙片Pの折り畳み部Qが山谷双方から挟持され、
図3(c)に示すように、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とで紙片Pの折り畳み部Qが両方の外側から挟持されるので、全体としての挟持力が強く、外れにくい。また、山側挟着片11と谷側挟着片12と外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とが弾性的に一体に形成されることで二種類の挟持力が創出されるので、コスト低減に資するものとなる。さらに、クリップ10の弾性を利用して着脱を行うので、着脱作業が容易である。
【0029】
図1及び
図2のクリップ10の別の使用方法として、
図3(a)に対応する
図5に示すように、第一の紙片P1の第一の折り畳み部Q1の谷側にクリップ10の谷側挟着片12よりも先端側の一本の脚部5のみを挿入することもできる。その後のクリップ10の動きは、
図3(b),(c)と同様である。この場合、クリップ10のもう一本の脚部5を異なる紙片(第二の複数枚の紙片)P2の折り畳み部(第二の折り畳み部)Q2の谷側に挿入することで、一つのクリップ10によって二種類の紙片P1,P2を綴じることができる。
図5の使用方法で第一の複数枚の紙片P1と第二の複数枚の紙片P2とを綴じると、
図6に示すように、単一の山側挟着片11と二つの谷側挟着片12-1,12-2とで第一及び第二の折り畳み部Q1,Q2が山谷双方から挟持されることになる。
【0030】
図5の使用方法は、綴じるべき対象物を種類分けして綴じたい場合に有効である。具体的には、綴じるべき対象物が金額の異なる紙幣の場合に有効である。例えば一万円札と千円札等、金額が異なる二種類の紙幣を一つのクリップで種類分けして綴じることにより、紙幣の使用時に必要な紙幣のみをクリップから外して使用できるので、好適である。
【0031】
図5の使用例のクリップ10は、次のように捉えることもできる。すなわち、一まとめにされた第一の複数枚の紙片P1を折り畳むことによって形成される第一の折り畳み部Q1の山側に位置する山側挟着片11と、前記第一の折り畳み部Q1の谷側に位置する第一の谷側挟着片12-1と、前記第一の折り畳み部Q1の両方の外側に位置する外側第一挟着片13及び外側第二挟着片14と、一まとめにされた第二の複数枚の紙片P2を折り畳むことによって形成される第二の折り畳み部Q2の山側に位置する前記山側挟着片と、前記第二の折り畳み部Q2の谷側に位置する第二の谷側挟着片12-2と、を備え、前記山側挟着片11と前記第一の谷側挟着片12-1とで前記第一の折り畳み部Q1が山谷双方から挟持され、前記山側挟着片11と前記第二の谷側挟着片12-2とで前記第二の折り畳み部Q2が山谷双方から挟持され、前記外側第一挟着片13と前記外側第二挟着片14とで前記第一の折り畳み部Q1と前記第二の折り畳み部Q2が外側から挟持されるように、前記山側挟着片11と前記第一の谷側挟着片12-1と前記第二の谷側挟着片12-2と前記外側第一挟着片13と前記外側第二挟着片14とが弾性的に一体に形成されるクリップである。
【0032】
図1のクリップ10の変形例として、
図7に示すように、
図1のクリップ10の第二の折り返し部3,3を滑らかな湾曲部3a,3aへと変更したクリップ10aとすることもできる。このクリップ10aの他の構成や使用方法や作用効果は
図1の場合と同じである。
【0033】
次に、
図8~
図10を参照して、本発明の他の実施の形態に係るクリップ20について説明する。
【0034】
図8のクリップ20は、
図2のクリップ10の変形例であり、
図2のクリップ10の中間折り返し部2と、この中間折り返し部2内に挿入される、一本の弾性線材1の二つの端部1a,1bのそれぞれとの間に、第一~第三の折り返し部3-1,3-2,3-3を設けたものに相当する。そして、
図8(b)に示すように、中間折り返し部2内において、弾性線材1が自身の弾性により、四か所で中間折り返し部2に対して圧接している。すなわち、
図8(b)の例では、中間折り返し部2(山側挟着片11)内に挿入されて中間折り返し部2に圧接する挿入圧接部(谷側挟着片)が、第一の挿入圧接部12-1~第四の挿入圧接部12-4の四つ存在する。一つの挿入圧接部と中間折り返し部2とで紙片Pの折り畳み部Qが山谷双方から挟持されるので、
図8(b)の例では、折り返し部Qを形成した紙片群Pを最大で四組(P1~P4)挟持することができる。
【0035】
図8のクリップ20も、
図2のクリップ10と同様に、中間折り返し部2に繋がる弾性線材1の二股部によって、外側第一挟着片13と外側第二挟着片14とが形成される。これらの挟着片13,14による作用効果は、
図2の場合と同様である。なお、
図8~
図10では、中間折り返し部2(山側挟着片11)に当接する第一の挿入圧接部(第一の谷側挟着片)12-1~第四の挿入圧接部(第四の谷側挟着片)12-4同士の間に間隔が開いているが、これは図示明確化のためであり、実際には
図2(e)や
図4に示すように、隣接する谷側挟着片同士は密着した状態となる。
【0036】
図9と
図10に、
図8のクリップ20の使用方法が例示されている。
図9の使用方法は、各挿入圧接部からなる各谷側挟着片12-1~12-4と中間折り返し部2からなる山側挟着片11との間に、折り畳み部Qを形成した紙片群P1~P4を挟持させた例である。
図9の使用方法によれば、折り畳み部Qを形成した四組の紙片群P1~P4を挟持することができる。
【0037】
一方、
図10の使用方法は、折り畳み部Qを形成した第一及び第二の紙片群P1,P2のそれぞれを、両端のそれぞれの谷側挟着片12-1,12-4と山側挟着片11との間に挟持させ、内側の二つの谷側挟着片12-2,12-3と山側挟着片11との間に、折り畳み部Qを形成した第三の紙片群P3を挟持させた例である。この場合、内側の二つの谷側挟着片12-2,12-3に繋がる二本の脚部5,5を、適宜のカードCを挟持するカード挟持部として利用することができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 一本の弾性線材
2 中間折り返し部
10,10a クリップ
11 山側挟着片
12 谷側挟着片(挿入圧接部)
13 外側第一挟着片
14 外側第二挟着片
20 クリップ
P 複数枚の紙片
Q 折り畳み部