(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032708
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】代替通貨システム、代替通貨方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/04 20120101AFI20220217BHJP
【FI】
G06Q20/04 314
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136783
(22)【出願日】2020-08-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】397038266
【氏名又は名称】株式会社スカイコム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克匡
(72)【発明者】
【氏名】柴田 信彦
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA15
(57)【要約】
【課題】本発明は、デジタル通貨の所定の額を支払い等のために一度だけ使うことができるワンタイム通貨を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、当該通貨の有効性を確認できるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システム1に、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行モジュール111と、発行されたワンタイム通貨を取得し、ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手モジュール112と、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合モジュール113と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムであって、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行手段と、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手段と、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする代替通貨システム。
【請求項2】
請求項1に記載の代替通貨システムにおいて、
前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、
前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、
前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システム。
【請求項3】
請求項1に記載の代替通貨システムにおいて、
前記ワンタイム通貨がトークンであって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、
前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、
前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システム。
【請求項4】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨方法であって、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップと、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップと、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップと、
を備えることを特徴とする代替通貨方法。
【請求項5】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムに、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップ、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップ、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル通貨である代替通貨を利用するための代替通貨システム、代替通貨方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な企業が独自のデジタル通貨を発行しており、消費者はスマートフォン等の端末を使用してデジタル通貨を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなデジタル通貨を使用するときには、デジタル通貨を電子文書と関係付けて使用したい場合がある。例えば、印紙が電子化された電子印紙は、デジタル通貨の一部と言えるが、課税対象となる電子文書と関係付けてこの電子印紙を使用することが求められる。加えて、トークン等のデジタル通貨で商品を購入した際には、電子文書となる領収書と使用したトークンを関係付けて使用されることが望ましい。一方、上述のように複数の企業が独自のデジタル通貨を発行しているため、自身が受け取ったデジタル通貨(例えば、電子印紙、トークン)が信用できる通貨であるか確認したいという要望がある。
【0004】
デジタル通貨に関して、例えば、以下のような課題がある。(1)発行されたデジタル通貨を使用した際に、デジタル通貨が使われた相手側は、デジタル通貨の有効性と発行額が正しいかを確認したい。(2)デジタル通貨が印紙であれば、電子的な所定の課税文書に印紙を使用するが、この電子文書を受け取った側が、印紙の有効性と使用した金額の確認をしたい。(3)トークンのようなデジタル通貨で店舗に支払いを行った場合、店舗が発行する領収書から、支払ったトークンの発行元が正当であることを確認したい。
【0005】
これらの課題に応えるために、発明者らは、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」と定義した。すなわち、「ワンタイム通貨」とは、発行者が所定金額分の通貨を発行し、発行された分の金額を一度だけ使用することができる通貨であって、上述の印紙や所定額のトークンが該当する。
【0006】
本発明は、この「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、当該通貨の有効性を確認できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
第1の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムであって、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行手段と、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手段と、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明によれば、使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムにおいて、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行手段と、発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手段と、前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、を備える。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、代替通貨システムのカテゴリであるが、代替通貨方法、及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0011】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムであって、
前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、
前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、
前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0012】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムにおいて、前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する。
【0013】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムであって、
前記ワンタイム通貨がトークンであって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、
前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、
前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0014】
第3の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムにおいて、前記ワンタイム通貨がトークンであって、前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する。
【0015】
第4の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨方法において、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップと、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップと、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップと、
を備えることを特徴とする代替通貨方法を提供する。
【0016】
第5の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムに、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップ、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップ、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップ、
を実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、代替通貨システム1の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、代替通貨システム1の構成図である。
【
図3】
図3は、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】
図4は、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理するデータの内容を示す図である。
【
図5】
図5は、代替通貨システム1で第三者により電子文書が改ざんされた場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0020】
[代替通貨システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1の概要を説明するための図である。代替通貨システム1は、WEBアプリケーション等のユーザ4による操作が可能なソフトウェアとブロックチェーンから構成される、代替通貨の発行・使用と代替通貨の正当性及び発行金額の照合が可能なコンピュータシステムである。ユーザ4は、ユーザ端末2を介して、代替通貨システム1にアクセスする。
【0021】
代替通貨システム1のWEBアプリケーションは、端末装置やサーバやクラウドコンピュータ等で実行されてよい。1台の装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数の仮想的な装置で実現されてもよい。また、ここではWEBアプリケーションと表現したが、コンピュータにインストールするアプリケーションや、携帯端末にインストールする携帯アプリケーション、クラウドサービス等の形態であってもよい。
【0022】
代替通貨システム1のブロックチェーンは、分散型台帳であってよく、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、ユーザ情報・ワンタイム通貨情報・電子文書情報等のデータを同期して記録する。ブロックチェーンに、どのようなタイミングでどのようなデータを記録するかの詳細については、後述する。代替通貨システム1には、ブロックチェーンに必要な、複数のコンピュータも構成として含むものとする。ブロックチェーンでデータの管理を行うことで、データが改ざんされない信頼性の高いシステムを実現することが可能となる。
【0023】
図4は、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理するデータの内容を示す図である。代替通貨システム1を利用するユーザ情報として、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。代替通貨システム1で利用可能なワンタイム通貨情報として、ワンタイム通貨ID、ワンタイム通貨を購入したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものとする。ワンタイム通貨と関係付ける電子文書情報として、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。また、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込むものとする。これらのデータを、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理する。
【0024】
図1に戻り、ユーザ端末2は、ユーザ4がWEBアプリケーションを利用するために使用する端末であり、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。WEBアプリケーションと公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0025】
次に、代替通貨システム1が実行する処理の概要について説明する。本発明において、「ワンタイム通貨」とは、発行者が所定金額分の通貨を発行し、発行された分の金額を一度だけ使用することができる通貨である。ワンタイム通貨の発行者も、代替通貨システム1を利用して、ワンタイム通貨を発行するものとする。ワンタイム通貨には、電子印紙や所定額のトークンが該当する。本発明において、トークンとは、買い物をする際に購入する金額に相当するデジタル通貨という意味で使用する。
【0026】
代替通貨システム1は、WEBアプリケーションを介してユーザ端末2からのワンタイム通貨の発行指示を受け付ける(ステップS01)。ここで、ワンタイム通貨の発行指示には、ユーザ端末2を使用するユーザ4のユーザ情報と、ワンタイム通貨の利用額を含むものとする。ユーザ情報とは、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。ここでのワンタイム通貨とは、納税に使用する電子印紙や商品購入に使用する所定額のトークン等である。ここで使用するユーザ情報は、事前又は利用時に、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0027】
次に、代替通貨システム1は、ステップS01の発行指示に基づき、所定の金額分だけワンタイム通貨を発行する(ステップS02)。ここで、所定の金額とは、ステップS01で指示されたワンタイム通貨の利用額のことである。ワンタイム通貨を発行する際、ワンタイム通貨情報を付与する。ワンタイム通貨情報とは、ワンタイム通貨ID、ステップS01で取得したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものであり、ステップS02のワンタイム通貨発行の段階では、未使用とする。ここで発行するワンタイム通貨のワンタイム通貨情報は、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0028】
ここで、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税者であるユーザ4(ユーザ端末2)に対して電子印紙を発行する。一方、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合は、商品の購入者であるユーザ4は、商品の支払いを代替通貨システム1に既に行っており、代替通貨システム1は、商品を販売した販売者(ユーザ端末2)に対して所定額のトークンを発行する。
【0029】
そして、ユーザ4は、発行されたワンタイム通貨を所定の文書に使用する際には、ユーザ端末2がユーザ4からの操作(ドラッグ操作等)を受付けて、ワンタイム通貨を使用する所定の電子文書とワンタイム通貨を代替通貨システム1が関係付ける。すなわち、ユーザ端末2がワンタイム通貨と関係付ける電子文書を代替通貨システム1に送信し、代替通貨システム1は、これを受信し、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書を代替通貨システム1に登録する(ステップS03)。ここで、代替通貨システム1は、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書に、電子文書情報を付与する。電子文書情報には、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。
また、代替通貨システム1又はユーザ端末2により、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込んでもよい。この所定の電子文書と関係付けたワンタイム通貨のワンタイム通貨情報も、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ここで、使用するワンタイム通貨情報の状態は未使用から、有効へと更新を行い、ブロックチェーンでもワンタイム通貨情報の管理を行う。併せて、ワンタイム通貨情報の状態を有効へと更新した電子文書を、ユーザ端末2に対して送信する。ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類である電子文書に対して電子印紙を関係付け、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、商品販売者の領収書(電子文書)に対して所定額のトークンを関係付けることになる。
【0030】
次にユーザ4は、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を使用する(ステップS04)。具体的には、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先に対して課税書類である電子文書を送信し、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、販売者が購入者に対して領収書である電子文書を送信することが該当する。
図1では、電子文書の受信者端末3に対して、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を送信するものとする。
【0031】
最後に、電子文書の受信者端末3は、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、代替通貨システム1に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する(ステップS05)。ワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合は、ワンタイム通貨の発行元(代替通貨システム1)、発行日時、発行先(ユーザ4)、ワンタイム通貨ID、発行金額(上述の利用額)等を、ブロックチェーンに記録された発行時のデータと比べて照合する。さらに、ブロックチェーンに記録された電子文書情報と受信した電子文書を比べて照合してもよい。具体的にここでの照合では、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先が電子印紙の金額や発行日時や納税者であるユーザを照合することが可能であり、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、購入者又は販売者が、所定額のトークンの金額や発行日時やトークンの購入者を照合することが可能である。ここでの照合は、受信者端末3が代替通貨システム1に対して、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、問い合わせを行う処理であってよい。
【0032】
上記のように、前述した課題に対して、代替通貨システム1であれば、以下の効果が得られる。(1)発行されたワンタイム通貨を使用した際に、ワンタイム通貨が使われた相手側は、ワンタイム通貨の有効性と発行額が正しいかを確認することができる。(2)ワンタイム通貨が電子印紙であれば、課税書類である電子文書を受け取った納税先側が、電子印紙の有効性と使用した金額の確認を行うことができる。(3)ワンタイム通貨が所定額のトークンであり、トークンで購入者が販売者(店舗)に支払いを行った場合、販売者が発行する領収書から、購入者からも販売者からも、支払ったトークンの金額や発行元(トークンの購入者)が正当であることを確認できる。
【0033】
このように、本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【0034】
以上が、代替通貨システム1が実行する処理の概要である。
【0035】
[代替通貨システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、代替通貨システム1は、通信部110、制御部120、記憶部130、入力部140、出力部150を実現可能な構成とブロックチェーン10とから構成される、代替通貨の発行・使用と代替通貨の有効性を確認・照合が可能なコンピュータシステムである。
図2には図示していないが、ユーザ4は、ユーザ端末2を介して、代替通貨システム1にアクセスする。
【0036】
代替通貨システム1は、端末装置やサーバやクラウドコンピュータ等で実行されてよい。1台の装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数の仮想的な装置で実現されてもよい。また、代替通貨システム1はWEBアプリケーション、コンピュータにインストールするアプリケーション、携帯端末にインストールする携帯アプリケーション、クラウドサービス等の形態であってもよい。
【0037】
代替通貨システム1のブロックチェーン10は、分散型台帳であってよく、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、ユーザ情報・ワンタイム通貨情報・電子文書情報等のデータを同期して記録する。代替通貨システム1には、ブロックチェーン10に必要な、複数のコンピュータも構成として含むものとする。ブロックチェーンでデータの管理を行うことで、データが改ざんされない信頼性の高いシステムを実現することが可能となる。
【0038】
代替通貨システム1は、制御部110として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。制御部110は、通信部120、記憶部130と協働して、ワンタイム通貨発行モジュール111、関係付モジュール112、照合モジュール113を実現する。この関係付モジュール112は、ユーザ4が利用するユーザ端末2側で動作することとしてもよい。
【0039】
代替通貨システム1は、通信部120として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。有線方式のデバイスであってもよい。
【0040】
代替通貨システム1は、記憶部130として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージを備える。データの保存先は、クラウドサービスやデータベース等であってもよい。
【0041】
代替通貨システム1は、入力部140として、代替通貨システム1の管理者又はユーザ4が代替通貨システム1を利用するために必要な機能を備えるものとする。入力を実現するための例として、タッチパネル機能を実現する液晶ディスプレイ、キーボード、マウス、ペンタブレット、装置上のハードウェアボタン、音声認識を行うためのマイク等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0042】
代替通貨システム1は、出力部150として、代替通貨システム1の管理者又はユーザ4が代替通貨システム1を利用するために必要な機能を備えるものとする。出力を実現するための例として、液晶ディスプレイ、PCのディスプレイ、プロジェクターへの投影等の表示と音声出力等の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0043】
[代替通貨利用処理]
図3に基づいて、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理について説明する。
図3は、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0044】
代替通貨システム1のワンタイム通貨発行モジュール111は、ユーザ端末2からのワンタイム通貨の発行指示を受け付ける(ステップS301)。ここで、ワンタイム通貨の発行指示には、ユーザ端末2を使用するユーザ4のユーザ情報と、ワンタイム通貨の利用額を含むものとする。ユーザ情報とは、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。ここでのワンタイム通貨とは、納税に使用する電子印紙や商品購入に使用する所定額のトークン等である。ここで使用するユーザ情報は、事前又は利用時に、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ブロックチェーンで管理するデータの内容は、
図4の記載と前述の通りである。
【0045】
次に、ワンタイム通貨発行モジュール111は、ステップS301の発行指示に基づき、所定の金額分だけワンタイム通貨を発行する(ステップS302)。ここで、所定の金額とは、ステップS301で指示されたワンタイム通貨の利用額のことである。ワンタイム通貨を発行する際、ワンタイム通貨情報を付与する。ワンタイム通貨情報とは、ワンタイム通貨ID、ステップS301で取得したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものであり、ステップS302のワンタイム通貨発行の段階では、未使用とする。ここで発行するワンタイム通貨のワンタイム通貨情報は、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0046】
ここで、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税者であるユーザ4(ユーザ端末2)に対して電子印紙を発行する。一方、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合は、商品の購入者であるユーザ4は、商品の支払いを代替通貨システム1に既に行っており、代替通貨システム1は、商品を販売した販売者(ユーザ端末2)に対して所定額のトークンを発行する。
【0047】
そして、ユーザ4は、発行されたワンタイム通貨を所定の文書に使用する際には、ユーザ端末2がユーザ4からの操作(ドラッグ操作等)を受付けて、ワンタイム通貨を使用する所定の電子文書とワンタイム通貨を代替通貨システム1の関係付モジュール112が関係付ける。すなわち、ユーザ端末2がワンタイム通貨と関係付ける電子文書を代替通貨システム1に送信し、代替通貨システム1は、これを受信し、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書を登録する(ステップS303)。ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類である電子文書に対して電子印紙を関係付け、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、商品販売者の領収書(電子文書)に対して所定額のトークンを関係付けることになる。
【0048】
代替通貨システム1の関係付モジュール112は、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書に、電子文書情報を付与してユーザ端末2に電子文書を返却するために送信する(ステップS304)。電子文書情報には、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。また、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込むものとする。この所定の電子文書と関係付けたワンタイム通貨情報も、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ここで、使用するワンタイム通貨情報の状態は未使用から、有効へと更新を行い、ブロックチェーンでもワンタイム通貨情報の管理を行う。ユーザ4に対して返却するのは、ワンタイム通貨情報の状態を有効へと更新した電子文書である。
【0049】
次に、ユーザ端末2は、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を使用して、電子文書受信者の受信者端末3へと送信する(ステップS305)。具体的には、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先に対して課税書類である電子文書を送信し、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、販売者が購入者に対して領収書である電子文書を送信することが該当する。
【0050】
そして、受信者端末3は、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、代替通貨システム1の照合モジュール113に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する(ステップS306)。ワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合は、ワンタイム通貨の発行元(代替通貨システム1)、発行日時、発行先(ユーザ4)、ワンタイム通貨ID、発行金額(上述の利用額)等を、ブロックチェーンに記録された発行時のデータと比べて照合する。さらに、ブロックチェーンに記録された電子文書情報と受信した電子文書を比べて照合してもよい。具体的にここでの照合では、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先が電子印紙の金額や発行日時や納税者であるユーザを照合することが可能であり、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、購入者又は販売者が、所定額のトークンの金額や発行日時やトークンの購入者を照合することが可能である。ここでの照合は、受信者端末3が代替通貨システム1に対して、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、問い合わせを行う処理であってよい。
【0051】
最後に、照合モジュール113は、照合元である電子文書受信者の受信者端末3に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合結果を通知する(ステップS307)。
【0052】
上記のように、前述した課題に対して、代替通貨システム1であれば、以下の効果が得られる。(1)発行されたワンタイム通貨を使用した際に、ワンタイム通貨が使われた相手側は、ワンタイム通貨の有効性と発行額が正しいかを確認することができる。(2)ワンタイム通貨が電子印紙であれば、課税書類である電子文書を受け取った納税先側が、電子印紙の有効性と使用した金額の確認を行うことができる。(3)ワンタイム通貨が所定額のトークンであり、トークンで購入者が販売者(店舗)に支払いを行った場合、販売者が発行する領収書から、購入者からも販売者からも、支払ったトークンの金額や発行元(トークンの購入者)が正当であることを確認できる。
【0053】
このように、本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【0054】
以上が、代替通貨利用処理である。
【0055】
[ワンタイム通貨の無効化]
ワンタイム通貨は、ワンタイム通貨情報の状態として、未使用、有効、無効、の何れかの状態をとるものとする。この状態を、未使用から有効へと更新するのは、前述の通りワンタイム通貨を所定の電子文書に関係付けた後である。その後、ユーザ4によりワンタイム通貨を所定の電子文書に関係付けがキャンセルされた場合や、契約の破棄や購入の取り消し等により電子文書を無効にする必要がある場合には、ワンタイム通貨と当該電子文書の関係付けを取り消し、ワンタイム通貨情報の状態を、有効から無効へと更新する。代替通貨システム1は、このデータをブロックチェーン10で管理するとともに、必要に応じて当該ワンタイム通貨の利用額を、ユーザ4に対して返金する。
【0056】
[ワンタイム通貨の不正利用防止]
代替通貨システム1で、ワンタイム通貨Xとある電子文書Aを関係付けた(ステップS03、ステップS304に相当)後に、別の電子文書Bとワンタイム通貨Xとを再度関係付けようとした場合には、ワンタイム通貨Xのワンタイム通貨情報の状態が既に有効となっているため、電子文書Bとワンタイム通貨Xとを関係付けて登録することはできない。このように、ワンタイム通貨の状態を管理することで、ワンタイム通貨の不正利用を防止することが可能である。
【0057】
[ユーザに対する請求のタイミング]
代替通貨システム1で、ワンタイム通貨の利用額をユーザ4に対して請求する(ユーザ4の口座情報又はクレジットカード情報を基に引き落としする)タイミングは、ユーザ端末2からワンタイム通貨の発行指示を行う(ステップS01、ステップS301に相当)前でもよいし、ワンタイム通貨と電子文書を関係付けたタイミング(ステップS03、ステップS304に相当)でもよいし、契約成立時(ステップS04、ステップS305に相当)であってもよい。ユーザ4に対する請求のタイミングは、システム毎又はユーザ毎に設定や変更可能としてよい。また、ユーザ4がワンタイム通貨を事前に一定額チャージしておき、チャージした金額から請求時の支払いを行う構成としてもよい。
【0058】
[電子文書とワンタイム通貨の関係付け処理]
図1及び
図3では、ユーザ端末2側で、事前にワンタイム通貨の発行依頼を行い、電子文書にワンタイム通貨を関係付けて、代替通貨システム1に送信する例を記載した。その他の方法として、ユーザ端末2から電子文書とワンタイム通貨との関係付け依頼を代替通貨システム1へと送信することにより、代替通貨システム1でワンタイム通貨を発行して、受信した電子文書と発行したワンタイム通貨を関係づけて登録し、ワンタイム通貨情報の状態を有効とし、ユーザ端末2にワンタイム通貨を関係づけた電子文書を返却してもよい。
【0059】
[電子文書が改ざんされた場合]
図5は、代替通貨システム1で第三者により電子文書が改ざんされた場合の例を示す図である。
図1のステップS03のワンタイム通貨を電子文書に関係付けて登録した後に、第三者5により、電子文書が改ざんされた場合の例を示している。この場合、ステップS04の電子文書を使用する際に、電子文書受信者の受信者端末3に送信する電子文書は、改ざん後の電子文書である。そのため、ステップS05の照合処理で、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理されている電子文書情報との比較を行う際に、電子文書の違い(例えば、電子文書情報の違い)を検出することが可能であり、照合結果をNGとする。照合結果のNGに基づき、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類が改ざんされたとみなされ、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、領収書が改ざんされたとみなされる。
【0060】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
1 代替通貨システム、2 ユーザ端末、3 受信者端末、4 ユーザ、5 第三者
【手続補正書】
【提出日】2020-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル通貨である代替通貨を利用するための代替通貨システム、代替通貨方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な企業が独自のデジタル通貨を発行しており、消費者はスマートフォン等の端末を使用してデジタル通貨を使用している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなデジタル通貨を使用するときには、デジタル通貨を電子文書と関係付けて使用したい場合がある。例えば、印紙が電子化された電子印紙は、デジタル通貨の一部と言えるが、課税対象となる電子文書と関係付けてこの電子印紙を使用することが求められる。加えて、トークン等のデジタル通貨で商品を購入した際には、電子文書となる領収書と使用したトークンを関係付けて使用されることが望ましい。一方、上述のように複数の企業が独自のデジタル通貨を発行しているため、自身が受け取ったデジタル通貨(例えば、電子印紙、トークン)が信用できる通貨であるか確認したいという要望がある。
【0005】
デジタル通貨に関して、例えば、以下のような課題がある。(1)発行されたデジタル通貨を使用した際に、デジタル通貨が使われた相手側は、デジタル通貨の有効性と発行額が正しいかを確認したい。(2)デジタル通貨が印紙であれば、電子的な所定の課税文書に印紙を使用するが、この電子文書を受け取った側が、印紙の有効性と使用した金額の確認をしたい。(3)トークンのようなデジタル通貨で店舗に支払いを行った場合、店舗が発行する領収書から、支払ったトークンの発行元が正当であることを確認したい。
【0006】
これらの課題に応えるために、発明者らは、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」と定義した。すなわち、「ワンタイム通貨」とは、発行者が所定金額分の通貨を発行し、発行された分の金額を一度だけ使用することができる通貨であって、上述の印紙や所定額のトークンが該当する。
【0007】
本発明は、この「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、当該通貨の有効性を確認できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムであって、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行手段と、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手段と、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明によれば、使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムにおいて、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するワンタイム通貨発行手段と、発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付ける関係付手段と、前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、を備える。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、代替通貨システムのカテゴリであるが、代替通貨方法、及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0012】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムであって、
前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、
前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、
前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0013】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムにおいて、前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する。
【0014】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムであって、
前記ワンタイム通貨がトークンであって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、
前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、
前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【0015】
第3の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である代替通貨システムにおいて、前記ワンタイム通貨がトークンであって、前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する。
【0016】
第4の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨方法において、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップと、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップと、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップと、
を備えることを特徴とする代替通貨方法を提供する。
【0017】
第5の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムに、
ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ発行するステップ、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨を所定の電子文書と関係付けるステップ、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップ、
を実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、代替通貨システム1の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、代替通貨システム1の構成図である。
【
図3】
図3は、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】
図4は、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理するデータの内容を示す図である。
【
図5】
図5は、代替通貨システム1で第三者により電子文書が改ざんされた場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0021】
[代替通貨システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1の概要を説明するための図である。代替通貨システム1は、WEBアプリケーション等のユーザ4による操作が可能なソフトウェアとブロックチェーンから構成される、代替通貨の発行・使用と代替通貨の正当性及び発行金額の照合が可能なコンピュータシステムである。ユーザ4は、ユーザ端末2を介して、代替通貨システム1にアクセスする。
【0022】
代替通貨システム1のWEBアプリケーションは、端末装置やサーバやクラウドコンピュータ等で実行されてよい。1台の装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数の仮想的な装置で実現されてもよい。また、ここではWEBアプリケーションと表現したが、コンピュータにインストールするアプリケーションや、携帯端末にインストールする携帯アプリケーション、クラウドサービス等の形態であってもよい。
【0023】
代替通貨システム1のブロックチェーンは、分散型台帳であってよく、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、ユーザ情報・ワンタイム通貨情報・電子文書情報等のデータを同期して記録する。ブロックチェーンに、どのようなタイミングでどのようなデータを記録するかの詳細については、後述する。代替通貨システム1には、ブロックチェーンに必要な、複数のコンピュータも構成として含むものとする。ブロックチェーンでデータの管理を行うことで、データが改ざんされない信頼性の高いシステムを実現することが可能となる。
【0024】
図4は、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理するデータの内容を示す図である。代替通貨システム1を利用するユーザ情報として、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。代替通貨システム1で利用可能なワンタイム通貨情報として、ワンタイム通貨ID、ワンタイム通貨を購入したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものとする。ワンタイム通貨と関係付ける電子文書情報として、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。また、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込むものとする。これらのデータを、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理する。
【0025】
図1に戻り、ユーザ端末2は、ユーザ4がWEBアプリケーションを利用するために使用する端末であり、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンやサーバ等のコンピュータ、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末等である。WEBアプリケーションと公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0026】
次に、代替通貨システム1が実行する処理の概要について説明する。本発明において、「ワンタイム通貨」とは、発行者が所定金額分の通貨を発行し、発行された分の金額を一度だけ使用することができる通貨である。ワンタイム通貨の発行者も、代替通貨システム1を利用して、ワンタイム通貨を発行するものとする。ワンタイム通貨には、電子印紙や所定額のトークンが該当する。本発明において、トークンとは、買い物をする際に購入する金額に相当するデジタル通貨という意味で使用する。
【0027】
代替通貨システム1は、WEBアプリケーションを介してユーザ端末2からのワンタイム通貨の発行指示を受け付ける(ステップS01)。ここで、ワンタイム通貨の発行指示には、ユーザ端末2を使用するユーザ4のユーザ情報と、ワンタイム通貨の利用額を含むものとする。ユーザ情報とは、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。ここでのワンタイム通貨とは、納税に使用する電子印紙や商品購入に使用する所定額のトークン等である。ここで使用するユーザ情報は、事前又は利用時に、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0028】
次に、代替通貨システム1は、ステップS01の発行指示に基づき、所定の金額分だけワンタイム通貨を発行する(ステップS02)。ここで、所定の金額とは、ステップS01で指示されたワンタイム通貨の利用額のことである。ワンタイム通貨を発行する際、ワンタイム通貨情報を付与する。ワンタイム通貨情報とは、ワンタイム通貨ID、ステップS01で取得したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものであり、ステップS02のワンタイム通貨発行の段階では、未使用とする。ここで発行するワンタイム通貨のワンタイム通貨情報は、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0029】
ここで、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税者であるユーザ4(ユーザ端末2)に対して電子印紙を発行する。一方、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合は、商品の購入者であるユーザ4は、商品の支払いを代替通貨システム1に既に行っており、代替通貨システム1は、商品を販売した販売者(ユーザ端末2)に対して所定額のトークンを発行する。
【0030】
そして、ユーザ4は、発行されたワンタイム通貨を所定の文書に使用する際には、ユーザ端末2がユーザ4からの操作(ドラッグ操作等)を受付けて、ワンタイム通貨を使用する所定の電子文書とワンタイム通貨を代替通貨システム1が関係付ける。すなわち、ユーザ端末2がワンタイム通貨と関係付ける電子文書を代替通貨システム1に送信し、代替通貨システム1は、これを受信し、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書を代替通貨システム1に登録する(ステップS03)。ここで、代替通貨システム1は、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書に、電子文書情報を付与する。電子文書情報には、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。
また、代替通貨システム1又はユーザ端末2により、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込んでもよい。この所定の電子文書と関係付けたワンタイム通貨のワンタイム通貨情報も、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ここで、使用するワンタイム通貨情報の状態は未使用から、有効へと更新を行い、ブロックチェーンでもワンタイム通貨情報の管理を行う。併せて、ワンタイム通貨情報の状態を有効へと更新した電子文書を、ユーザ端末2に対して送信する。ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類である電子文書に対して電子印紙を関係付け、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、商品販売者の領収書(電子文書)に対して所定額のトークンを関係付けることになる。
【0031】
次にユーザ4は、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を使用する(ステップS04)。具体的には、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先に対して課税書類である電子文書を送信し、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、販売者が購入者に対して領収書である電子文書を送信することが該当する。
図1では、電子文書の受信者端末3に対して、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を送信するものとする。
【0032】
最後に、電子文書の受信者端末3は、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、代替通貨システム1に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する(ステップS05)。ワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合は、ワンタイム通貨の発行元(代替通貨システム1)、発行日時、発行先(ユーザ4)、ワンタイム通貨ID、発行金額(上述の利用額)等を、ブロックチェーンに記録された発行時のデータと比べて照合する。さらに、ブロックチェーンに記録された電子文書情報と受信した電子文書を比べて照合してもよい。具体的にここでの照合では、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先が電子印紙の金額や発行日時や納税者であるユーザを照合することが可能であり、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、購入者又は販売者が、所定額のトークンの金額や発行日時やトークンの購入者を照合することが可能である。ここでの照合は、受信者端末3が代替通貨システム1に対して、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、問い合わせを行う処理であってよい。
【0033】
上記のように、前述した課題に対して、代替通貨システム1であれば、以下の効果が得られる。(1)発行されたワンタイム通貨を使用した際に、ワンタイム通貨が使われた相手側は、ワンタイム通貨の有効性と発行額が正しいかを確認することができる。(2)ワンタイム通貨が電子印紙であれば、課税書類である電子文書を受け取った納税先側が、電子印紙の有効性と使用した金額の確認を行うことができる。(3)ワンタイム通貨が所定額のトークンであり、トークンで購入者が販売者(店舗)に支払いを行った場合、販売者が発行する領収書から、購入者からも販売者からも、支払ったトークンの金額や発行元(トークンの購入者)が正当であることを確認できる。
【0034】
このように、本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【0035】
以上が、代替通貨システム1が実行する処理の概要である。
【0036】
[代替通貨システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である代替通貨システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、代替通貨システム1は、通信部110、制御部120、記憶部130、入力部140、出力部150を実現可能な構成とブロックチェーン10とから構成される、代替通貨の発行・使用と代替通貨の有効性を確認・照合が可能なコンピュータシステムである。
図2には図示していないが、ユーザ4は、ユーザ端末2を介して、代替通貨システム1にアクセスする。
【0037】
代替通貨システム1は、端末装置やサーバやクラウドコンピュータ等で実行されてよい。1台の装置で実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数の仮想的な装置で実現されてもよい。また、代替通貨システム1はWEBアプリケーション、コンピュータにインストールするアプリケーション、携帯端末にインストールする携帯アプリケーション、クラウドサービス等の形態であってもよい。
【0038】
代替通貨システム1のブロックチェーン10は、分散型台帳であってよく、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、ユーザ情報・ワンタイム通貨情報・電子文書情報等のデータを同期して記録する。代替通貨システム1には、ブロックチェーン10に必要な、複数のコンピュータも構成として含むものとする。ブロックチェーンでデータの管理を行うことで、データが改ざんされない信頼性の高いシステムを実現することが可能となる。
【0039】
代替通貨システム1は、制御部110として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。制御部110は、通信部120、記憶部130と協働して、ワンタイム通貨発行モジュール111、関係付モジュール112、照合モジュール113を実現する。この関係付モジュール112は、ユーザ4が利用するユーザ端末2側で動作することとしてもよい。
【0040】
代替通貨システム1は、通信部120として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。有線方式のデバイスであってもよい。
【0041】
代替通貨システム1は、記憶部130として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージを備える。データの保存先は、クラウドサービスやデータベース等であってもよい。
【0042】
代替通貨システム1は、入力部140として、代替通貨システム1の管理者又はユーザ4が代替通貨システム1を利用するために必要な機能を備えるものとする。入力を実現するための例として、タッチパネル機能を実現する液晶ディスプレイ、キーボード、マウス、ペンタブレット、装置上のハードウェアボタン、音声認識を行うためのマイク等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0043】
代替通貨システム1は、出力部150として、代替通貨システム1の管理者又はユーザ4が代替通貨システム1を利用するために必要な機能を備えるものとする。出力を実現するための例として、液晶ディスプレイ、PCのディスプレイ、プロジェクターへの投影等の表示と音声出力等の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0044】
[代替通貨利用処理]
図3に基づいて、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理について説明する。
図3は、代替通貨システム1が実行する代替通貨利用処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0045】
代替通貨システム1のワンタイム通貨発行モジュール111は、ユーザ端末2からのワンタイム通貨の発行指示を受け付ける(ステップS301)。ここで、ワンタイム通貨の発行指示には、ユーザ端末2を使用するユーザ4のユーザ情報と、ワンタイム通貨の利用額を含むものとする。ユーザ情報とは、ユーザ名、ユーザID、パスワード、口座情報又はクレジットカード情報等の支払情報、を含むものとする。ここでのワンタイム通貨とは、納税に使用する電子印紙や商品購入に使用する所定額のトークン等である。ここで使用するユーザ情報は、事前又は利用時に、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ブロックチェーンで管理するデータの内容は、
図4の記載と前述の通りである。
【0046】
次に、ワンタイム通貨発行モジュール111は、ステップS301の発行指示に基づき、所定の金額分だけワンタイム通貨を発行する(ステップS302)。ここで、所定の金額とは、ステップS301で指示されたワンタイム通貨の利用額のことである。ワンタイム通貨を発行する際、ワンタイム通貨情報を付与する。ワンタイム通貨情報とは、ワンタイム通貨ID、ステップS301で取得したユーザID、利用額、発行日時、状態、を含むものとする。ワンタイム通貨情報の状態とは、未使用、有効、無効、の何れかを示すものであり、ステップS302のワンタイム通貨発行の段階では、未使用とする。ここで発行するワンタイム通貨のワンタイム通貨情報は、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。
【0047】
ここで、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税者であるユーザ4(ユーザ端末2)に対して電子印紙を発行する。一方、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合は、商品の購入者であるユーザ4は、商品の支払いを代替通貨システム1に既に行っており、代替通貨システム1は、商品を販売した販売者(ユーザ端末2)に対して所定額のトークンを発行する。
【0048】
そして、ユーザ4は、発行されたワンタイム通貨を所定の文書に使用する際には、ユーザ端末2がユーザ4からの操作(ドラッグ操作等)を受付けて、ワンタイム通貨を使用する所定の電子文書とワンタイム通貨を代替通貨システム1の関係付モジュール112が関係付ける。すなわち、ユーザ端末2がワンタイム通貨と関係付ける電子文書を代替通貨システム1に送信し、代替通貨システム1は、これを受信し、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書を登録する(ステップS303)。ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類である電子文書に対して電子印紙を関係付け、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、商品販売者の領収書(電子文書)に対して所定額のトークンを関係付けることになる。
【0049】
代替通貨システム1の関係付モジュール112は、ワンタイム通貨と関係付けた電子文書に、電子文書情報を付与してユーザ端末2に電子文書を返却するために送信する(ステップS304)。電子文書情報には、タイトル・電子文書名、電子文書のハッシュ情報、署名・サイン情報等の電子文書情報と、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨ID、を含むものとする。また、電子文書自体にも、署名・サイン情報・タイムスタンプや、ワンタイム通貨情報、等の情報を埋め込むものとする。この所定の電子文書と関係付けたワンタイム通貨情報も、ブロックチェーンに登録して管理するものとする。ここで、使用するワンタイム通貨情報の状態は未使用から、有効へと更新を行い、ブロックチェーンでもワンタイム通貨情報の管理を行う。ユーザ4に対して返却するのは、ワンタイム通貨情報の状態を有効へと更新した電子文書である。
【0050】
次に、ユーザ端末2は、ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書を使用して、電子文書受信者の受信者端末3へと送信する(ステップS305)。具体的には、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先に対して課税書類である電子文書を送信し、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、販売者が購入者に対して領収書である電子文書を送信することが該当する。
【0051】
そして、受信者端末3は、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、代替通貨システム1の照合モジュール113に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する(ステップS306)。ワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合は、ワンタイム通貨の発行元(代替通貨システム1)、発行日時、発行先(ユーザ4)、ワンタイム通貨ID、発行金額(上述の利用額)等を、ブロックチェーンに記録された発行時のデータと比べて照合する。さらに、ブロックチェーンに記録された電子文書情報と受信した電子文書を比べて照合してもよい。具体的にここでの照合では、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、納税先が電子印紙の金額や発行日時や納税者であるユーザを照合することが可能であり、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、購入者又は販売者が、所定額のトークンの金額や発行日時やトークンの購入者を照合することが可能である。ここでの照合は、受信者端末3が代替通貨システム1に対して、受信したワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、問い合わせを行う処理であってよい。
【0052】
最後に、照合モジュール113は、照合元である電子文書受信者の受信者端末3に対してワンタイム通貨の正当性及び発行金額の照合結果を通知する(ステップS307)。
【0053】
上記のように、前述した課題に対して、代替通貨システム1であれば、以下の効果が得られる。(1)発行されたワンタイム通貨を使用した際に、ワンタイム通貨が使われた相手側は、ワンタイム通貨の有効性と発行額が正しいかを確認することができる。(2)ワンタイム通貨が電子印紙であれば、課税書類である電子文書を受け取った納税先側が、電子印紙の有効性と使用した金額の確認を行うことができる。(3)ワンタイム通貨が所定額のトークンであり、トークンで購入者が販売者(店舗)に支払いを行った場合、販売者が発行する領収書から、購入者からも販売者からも、支払ったトークンの金額や発行元(トークンの購入者)が正当であることを確認できる。
【0054】
このように、本発明によれば、デジタル通貨の所定の額を、支払い等のために一度だけ使うことができる「ワンタイム通貨」を、この通貨と関係する電子文書と関係付けて、この通貨の有効性を確認できるシステムを提供することが可能となる。
【0055】
以上が、代替通貨利用処理である。
【0056】
[ワンタイム通貨の無効化]
ワンタイム通貨は、ワンタイム通貨情報の状態として、未使用、有効、無効、の何れかの状態をとるものとする。この状態を、未使用から有効へと更新するのは、前述の通りワンタイム通貨を所定の電子文書に関係付けた後である。その後、ユーザ4によりワンタイム通貨を所定の電子文書に関係付けがキャンセルされた場合や、契約の破棄や購入の取り消し等により電子文書を無効にする必要がある場合には、ワンタイム通貨と当該電子文書の関係付けを取り消し、ワンタイム通貨情報の状態を、有効から無効へと更新する。代替通貨システム1は、このデータをブロックチェーン10で管理するとともに、必要に応じて当該ワンタイム通貨の利用額を、ユーザ4に対して返金する。
【0057】
[ワンタイム通貨の不正利用防止]
代替通貨システム1で、ワンタイム通貨Xとある電子文書Aを関係付けた(ステップS03、ステップS304に相当)後に、別の電子文書Bとワンタイム通貨Xとを再度関係付けようとした場合には、ワンタイム通貨Xのワンタイム通貨情報の状態が既に有効となっているため、電子文書Bとワンタイム通貨Xとを関係付けて登録することはできない。このように、ワンタイム通貨の状態を管理することで、ワンタイム通貨の不正利用を防止することが可能である。
【0058】
[ユーザに対する請求のタイミング]
代替通貨システム1で、ワンタイム通貨の利用額をユーザ4に対して請求する(ユーザ4の口座情報又はクレジットカード情報を基に引き落としする)タイミングは、ユーザ端末2からワンタイム通貨の発行指示を行う(ステップS01、ステップS301に相当)前でもよいし、ワンタイム通貨と電子文書を関係付けたタイミング(ステップS03、ステップS304に相当)でもよいし、契約成立時(ステップS04、ステップS305に相当)であってもよい。ユーザ4に対する請求のタイミングは、システム毎又はユーザ毎に設定や変更可能としてよい。また、ユーザ4がワンタイム通貨を事前に一定額チャージしておき、チャージした金額から請求時の支払いを行う構成としてもよい。
【0059】
[電子文書とワンタイム通貨の関係付け処理]
図1及び
図3では、ユーザ端末2側で、事前にワンタイム通貨の発行依頼を行い、電子文書にワンタイム通貨を関係付けて、代替通貨システム1に送信する例を記載した。その他の方法として、ユーザ端末2から電子文書とワンタイム通貨との関係付け依頼を代替通貨システム1へと送信することにより、代替通貨システム1でワンタイム通貨を発行して、受信した電子文書と発行したワンタイム通貨を関係づけて登録し、ワンタイム通貨情報の状態を有効とし、ユーザ端末2にワンタイム通貨を関係づけた電子文書を返却してもよい。
【0060】
[電子文書が改ざんされた場合]
図5は、代替通貨システム1で第三者により電子文書が改ざんされた場合の例を示す図である。
図1のステップS03のワンタイム通貨を電子文書に関係付けて登録した後に、第三者5により、電子文書が改ざんされた場合の例を示している。この場合、ステップS04の電子文書を使用する際に、電子文書受信者の受信者端末3に送信する電子文書は、改ざん後の電子文書である。そのため、ステップS05の照合処理で、代替通貨システム1のブロックチェーンで管理されている電子文書情報との比較を行う際に、電子文書の違い(例えば、電子文書情報の違い)を検出することが可能であり、照合結果をNGとする。照合結果のNGに基づき、ワンタイム通貨が納税に使用する電子印紙の場合には、課税書類が改ざんされたとみなされ、ワンタイム通貨が商品購入に使用する所定額のトークンである場合には、領収書が改ざんされたとみなされる。
【0061】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 代替通貨システム、2 ユーザ端末、3 受信者端末、4 ユーザ、5 第三者
【手続補正書】
【提出日】2021-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムであって、
ユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するワンタイム通貨発行手段と、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録する関係付手段と、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする代替通貨システム。
【請求項2】
請求項1に記載の代替通貨システムにおいて、
前記ワンタイム通貨が電子印紙であって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけ電子印紙を発行し、
前記関係付手段は、発行された電子印紙を取得し、前記電子印紙を課税書類と関係付け、
前記照合手段は、前記印紙が関係付けられた課税書類に基づいて、当該印紙の正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システム。
【請求項3】
請求項1に記載の代替通貨システムにおいて、
前記ワンタイム通貨がトークンであって、
前記ワンタイム通貨発行手段は、ユーザ端末からの指示に応じて、所定の金額分だけトークンを発行し、
前記関係付手段は、発行されたトークンを取得し、前記トークンを電子文書と関係付け、
前記照合手段は、前記トークンが関係付けられた電子文書に基づいて、当該トークンの正当性及び発行金額を照合する
ことを特徴とする代替通貨システム。
【請求項4】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨方法であって、
コンピュータがユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するステップと、
コンピュータが発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録するステップと、
コンピュータが前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップと、
を備えることを特徴とする代替通貨方法。
【請求項5】
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムに、
ユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するステップ、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録するステップ、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第1の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムであって、
ユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するワンタイム通貨発行手段と、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録する関係付手段と、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする代替通貨システムを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第1の特徴に係る発明によれば、使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムにおいて、ユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するワンタイム通貨発行手段と、発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録する関係付手段と、前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合する照合手段と、を備える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第4の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨方法において、
コンピュータがユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するステップと、
コンピュータが発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録するステップと、
コンピュータが前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップと、
を備えることを特徴とする代替通貨方法を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第5の特徴に係る発明は、
使い切りの貨幣であるワンタイム通貨で支払いを行う代替通貨システムに、
ユーザ端末からの指示に応じて、ワンタイム通貨ID、ユーザID、利用額、発行日時、未使用・有効・無効の何れかを示す状態、を含むワンタイム通貨情報を付与した所定の金額分のワンタイム通貨を発行してブロックチェーンに登録するステップ、
発行されたワンタイム通貨を取得し、前記ワンタイム通貨と所定の電子文書とを、使用するワンタイム通貨のワンタイム通貨IDを含む電子文書情報を電子文書に付与し、また、当該電子文書に署名・サイン情報・タイムスタンプとワンタイム通貨情報とを埋め込むことで関係付けブロックチェーンに登録するステップ、
前記ワンタイム通貨が関係付けられた電子文書に基づいて、前記ブロックチェーンに登録された電子文書との比較により当該ワンタイム通貨の正当性及び発行金額を照合するステップ、
を実行させるためのプログラムを提供する。