(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032738
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】蚊捕集具
(51)【国際特許分類】
A01M 1/06 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
A01M1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136865
(22)【出願日】2020-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】312014867
【氏名又は名称】黒田 まさみ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 哲正
(72)【発明者】
【氏名】黒田 まさみ
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA13
2B121BA38
2B121BA39
2B121BA51
2B121EA01
2B121FA01
2B121FA12
(57)【要約】
【課題】 主として蚊を効果的に捕集する蚊捕集具を提供する。
【解決手段】 蚊捕集具10は、送風部30と捕集部20とから構成されている。この捕集部20は捕集部20をこの送風部30に着脱可能に取り付ける為の取付部23を有し、この取付部23に連続する網目材料からなる捕集袋21を有し、この捕集袋21は取付部23以外は閉鎖された捕集空間25を有している。この送風部30から送られた空気は取付部23を通過して捕集袋21に入り、害虫は捕集空間25に捕集され、空気は網目を通って排出される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風部と捕集部とから構成される蚊捕集具であって、この捕集部は捕集部をこの送風部に着脱可能に取り付ける為の取付部を有し、この取付部に連続する網目材料からなる捕集袋を有し、この捕集袋は閉鎖された捕集空間を有し、この送風部から送られた空気は取付部を通過して捕集袋に入り、害虫は捕集空間に捕集され、空気は網目を通って排出されることが可能なことを特徴とする蚊捕集具。
【請求項2】
請求項1に記載の蚊捕集具は、その取付部に弾性部を備えていること特徴とする蚊捕集具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の蚊捕集具は、その取付部に調節部を備えていること特徴とする蚊捕集具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の蚊捕集具の捕集袋の内部にかえしを設けたことを特徴とする蚊捕集具。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の蚊捕集具に用いる捕集部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空中を飛来する害虫、特に蚊を捕集するための蚊捕集具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空中を飛来する害虫を捕集する工夫は多くなされてきた。その中で代表的なものは、紫外線を用い害虫を誘引し、高電圧で殺虫したり、粘着剤で捕集する技術であった。
【0003】
例えば、特許文献1に示すように、誘虫ランプ3により、紫外線を発して誘虫し、粘着シート4で虫を捕獲する技術が開示されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紫外線では、蛾のように光を求めて飛来する虫は沢山捕集できるが、蚊は紫外線には誘引され難かった。このため、捕集具には蛾が詰まってしまい、肝心の蚊はなかなか捕集できないという問題があった。さらに、紫外線を用いる方法では、昼間は殆ど効果がないという問題もあった。
【0006】
このため、この発明の発明者は種々観察を続けてみると、蚊は紫外線に誘引され難く、空中をランダムにフラフラと広範囲を飛びまわていることに気が付いた。したがって、ターゲットである粘着シートや他の機種のような電撃の電極は面積が小さく、蚊を捕集できる確率は小さいことが解った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
送風部と捕集部とから構成される蚊捕集具であって、この捕集部は捕集部をこの送風部に着脱可能に取り付ける為の取付部を有し、この取付部に連続する網目材料からなる捕集袋を有し、この捕集袋は閉鎖された捕集空間を有し、この送風部から送られた空気は取付部を通過して捕集袋に入り、害虫は捕集空間に捕集され、空気は網目を通って排出されることが可能なことを特徴とする蚊捕集具。
【0008】
上記の蚊捕集具は、その取付部に弾性部を備えていること特徴とする蚊捕集具。
上記の蚊捕集具は、その取付部に調節部を備えていること特徴とする蚊捕集具。
上記の蚊捕集具の捕集袋の内部にかえしを設けたことを特徴とする蚊捕集具。
上記の蚊捕集具に用いる捕集部。
【発明の効果】
【0009】
上記の問題点を解決し、主として蚊を効果的に捕集する蚊捕集具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施形態の蚊捕集具を分離した状態の正面図を示す。
【
図3】第一の実施形態の蚊捕集具の組み立てた状態の正面図を示す。
【
図5】第三の実施形態の蚊捕集具のかえしの斜視図を示す。
【
図7】第一の実施形態の蚊捕集具の一実施例の組み立てた状態の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、
図2、
図3により、第一の実施形態の蚊捕集具を説明する。蚊捕集具10は、送風部30と捕集部20とから構成されている。この捕集部20は捕集部20をこの送風部30に着脱可能に取り付ける為の取付部23を有し、この取付部23に連続する網目材料からなる捕集袋21を有し、この捕集袋21は取付部23内に開口する捕集孔28以外は閉鎖された捕集空間25を有している。
【0012】
捕集袋21は、捕集しようとする害虫より小さい多数の細孔を有するネットから構成されている。取付部23は、送風部30の外径に近い開口部を有し、取付部23に設けられた弾性部24により、送風部30の外径を緊迫するよう覆って取り付けられる。
この送風部30から送られた空気は取付部23内の捕集孔28を通過して捕集袋21に入り、害虫は捕集空間25に捕集され、空気は網目を通って排出される。捕集空間25に捕集された害虫は取付部23を外して容易に捨てることができる。
【0013】
取付部23近傍から奥に向かって、かえし22が設けられている。かえし22は、取付部23側が大きく、奥に向かって小さくしてある。このため、取付部23側から入った空気と害虫は奥には入り易いが、奥に入った害虫は取付部23側には逃げ難い構造となっている。
【0014】
図4は第二の実施形態の蚊捕集具10であり、面ファスナーからなる調節部27が取付部23に設けられている。既存の扇風機やサーキュレーターのように大きく外径の異なる送風部30であっても、取付部23を送風部30の外径部にぴったりと取り付けることができる。
【0015】
図5により第三の実施態様の蚊捕集具10のかえし22を説明する。かえし22は軽い弾力性を持たせてあるので、自然状態では、捕集孔28も、かえし孔26も閉じている。蚊捕集具10を送風部30に取り付けると、捕集孔28は開いた状態になる。この時、送風しないとかえし孔26は閉じたままであるが、送風を始めるとかえし孔26は開いた状態になる。送風を止めると、かえし孔26は閉じて、捕集された蚊の逆流は防止される。
【0016】
図6により第三の実施形態の蚊捕集具10を説明する。この実施形態では、蚊とそれ以外の害虫も捕集したい場合に使用するもので、炭酸ガスや紫外線を発生する誘引具40を設けたものである。
【実施例0017】
第一の実施形態の蚊捕集具の一実施例を
図7に示す。これと、市販の蚊捕集具とを比較実験した。
実施例 捕集部: φ200×300mm、メッシュ 送風部:31W
市販品 LEDによる紫外線誘引、 高電圧による電撃式、 ターゲット:130×80mm、 電極間隔 4mm
結果(1昼夜、勝手口軒下)
実施例 蚊捕集 16匹 その他捕集 52匹
市販品 蚊捕集 0 その他捕集 7匹
【0018】
市販品に比べ多数の蚊を捕集できた。また、市販品の電極間隔は4mmあるので、コバエのような小さい虫は捕虫できないが、実施例では網目が細かいので多数捕集できるという副次的な効果も得られた。さらに、蛾などが多数捕集されても、捕集部の面積が広いので、目詰まりが無いという効果もあった。
【0019】
また、蚊は人体によってくることから、人体に身に着けていた衣服類を使い色々実験してみると、足に着ける靴、靴下に誘引されやすいことから、これらを蚊捕集具10の近くに置いておくと、より効果的であることも解った。