IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Techno−ideaの特許一覧

<>
  • 特開-開閉機構 図1
  • 特開-開閉機構 図2
  • 特開-開閉機構 図3
  • 特開-開閉機構 図4
  • 特開-開閉機構 図5
  • 特開-開閉機構 図6
  • 特開-開閉機構 図7
  • 特開-開閉機構 図8
  • 特開-開閉機構 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032872
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】開閉機構
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/08 20060101AFI20220217BHJP
   G03B 11/04 20210101ALN20220217BHJP
   G03B 9/07 20210101ALN20220217BHJP
【FI】
F16K7/08
G03B11/04 A
G03B9/07 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137143
(22)【出願日】2020-08-14
(71)【出願人】
【識別番号】519198454
【氏名又は名称】株式会社Techno-idea
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】潮田 和広
【テーマコード(参考)】
2H080
2H083
【Fターム(参考)】
2H080AA00
2H083BB00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成で容易に開閉動作を行うことができる開閉機構を提供する。
【解決手段】開閉機構10は、開口を備える少なくとも2つの筒体12と、変形可能な素材により形成され、2つの筒体12を連結する連結部30とを有し、連結部30が、一の筒体12の開口と他の筒体12の開口とを連結しており、連結部30に取り囲まれた領域には、連通領域32が形成されるものであり、連結部30を介して接続された2つの筒体12を相対的に回転させることにより連結部30が捻れ、連通領域32の径方向の大きさを縮小可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの開口を備える少なくとも2つの筒体と、
変形可能な素材により形成され、2つの前記筒体を連結する連結部とを有し、
前記連結部が、一の前記筒体の前記開口と他の前記筒体の前記開口とを連結しており、前記連結部に取り囲まれた領域には、一の前記筒体の前記開口と他の前記筒体の前記開口とを連通させる連通領域が形成されるものであり、
前記連結部を介して連結された2つの前記筒体を相対的に回転させることにより前記連結部が捻れ、前記連通領域の径方向の大きさを縮小可能である開閉機構。
【請求項2】
前記連通領域の径方向の大きさが最大となる開状態から、2つの前記筒体を相対的に回転させて、2つの前記筒体の前記開口の間が前記連結部により閉塞された閉状態とすることができ、
前記開状態から閉状態に至る過程で、2つの前記筒体の相対的な回転角度に応じて前記連通領域の径方向の大きさを調整可能である、請求項1に記載の開閉機構。
【請求項3】
2以上の前記筒体が軸線方向に沿って配置されている、請求項1又は2に記載の開閉機構。
【請求項4】
3以上の前記筒体と、
2以上の前記連結部とを備え、
3つの前記筒体のうち、前記連結部を介して連結されている2つの前記筒体を相対的に回転させて一方の前記連結部が捻れた際に、他方の前記連結部が前記軸線方向に延伸可能である、請求項3に記載の開閉機構。
【請求項5】
2つの前記筒体のうち、一方が主筒体とされ、他方が副筒体とされており、
前記副筒体が、前記主筒体の外周面側に設けられており、
前記連結部が、前記副筒体の内周面の少なくとも一部を覆うように設けられている、請求項1又は2に記載の開閉機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器や配管を開閉するための開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管と配管との間の流量を調整する調整バルブや、カメラのレンズカバーや容器の蓋材など、様々な種類の開閉機構が提供されている。例えば、下記特許文献1には、カメラのレンズカバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-221561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、配管と配管との間に設けられる調整バルブや、特許文献1に記載された開閉機構は、多くの部品が組み立てられたものが多く、構造も複雑となりかねない。
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成で容易に開閉動作を行うことができる開閉機構の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決すべく提供される本発明の開閉機構は、少なくとも1つの開口を備える少なくとも2つの筒体と、変形可能な素材により形成され、2つの前記筒体を連結する連結部とを有し、前記連結部が、一の前記筒体の前記開口と他の前記筒体の前記開口とを連結しており、前記連結部に取り囲まれた領域には、一の前記筒体の前記開口と他の前記筒体の前記開口とを連通させる連通領域が形成されるものであり、前記連結部を介して連結された2つの前記筒体を相対的に回転させることにより前記連結部が捻れ、前記連通領域の開口の大きさを縮小可能とされている。
【0007】
本発明の開閉機構によれば、簡易な構成で2つの筒体の間を開放及び閉塞することができる。言い方を変えれば、本発明の開閉機構によれば、簡易な構成で2つの筒体の間を閉塞する蓋体としての機能や、調整バルブとしての機能を発揮することができる。
【0008】
本発明の開閉機構は、前記連通領域の径方向の大きさが最大となる開状態から、2つの前記筒体を相対的に回転させて、2つの前記筒体の前記開口の間が前記連結部により閉塞された閉状態とすることができ、前記開状態から閉状態に至る過程で、2つの前記筒体の相対的な回転角度に応じて前記連通領域の径方向の大きさを調整可能である開閉機構ことが望ましい。
【0009】
上述の構成によれば、簡易な構成で2つの筒体の間の連通領域の大きさを調整することができる。言い方を変えれば、本発明の開閉機構によれば、簡易な構成で調整バルブとしての機能を発揮することができる。
【0010】
本発明の開閉機構は、2以上の前記筒体が軸線方向に沿って配置されているものとすることができる。
【0011】
上述の構成によれば、簡易な構成で2つの筒体の間を開放及び閉塞することができる。言い方を変えれば、本発明の開閉機構によれば、簡易な構成で2つの筒体の間を閉塞する蓋体としての機能や、調整バルブとしての機能を発揮することができる。
【0012】
本発明の開閉機構は、3以上の前記筒体と、2以上の前記連結部とを備え、3つの前記筒体のうち、前記連結部を介して連結されている2つの前記筒体を相対的に回転させて一方の前記連結部が捻れた際に、他方の前記連結部が前記軸線方向に延伸可能とすることができる。
【0013】
上述の構成によれば、並列に配置された3つの筒体のうち、軸線方向の両側に配置された筒体(第1の筒体及び第2の筒体)の軸線方向の位置をそのままとして、第1の筒体と第2の筒体との間、あるいは第2の筒体と第3の筒体との間を閉塞及び開放することができる。そのため、本発明の開閉機構によれば、軸線方向の位置を固定せざるを得ない配管などにおいて、好適に閉塞及び開放を行うことができる。
【0014】
本発明の開閉機構は、2つの前記筒体のうち、一方が主筒体とされ、他方が副筒体とされており、前記副筒体が、前記主筒体の外周面側に設けられており、前記連結部が、前記副筒体の内周面の少なくとも一部を覆うように設けられているものとすることができる。
【0015】
上述の構成によれば、例えば、収容対象物を収容させる収容体として主筒体を用いつつ、主筒体及び副筒体を相対的に回転させて、主筒体の開口を閉塞することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易な構成で容易に開閉動作を行うことができる開閉機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る開閉機構を示す斜視図である。
図2図1の開閉機構の分解斜視図である。
図3図1の開閉機構の断面図である。(a)は正面視における断面図、(b)は図3(a)のA1-A1’線断面図である。
図4図1の開閉機構の連通領域を閉塞させる過程を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る開閉機構を示している。
図6】本発明の第3の実施形態に係る開閉機構を示す斜視図である。
図7図6の開閉機構の分解斜視図である。
図8図6の開閉機構の断面図である。(a)は正面視における断面図、(b)は図8(a)のA2-A2’線断面図である。
図9図6の開閉機構の連通領域を閉塞させる過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明の開閉機構10について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る開閉機構10を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すとおり、開閉機構10は、2つの筒体12と、連結部30とを備えている。より具体的には、開閉機構10は、第1筒体20(第1の筒体)、第2筒体24(第2の筒体)、及び連結部30を備えている。図3(a)に示すとおり、開閉機構10は、2つの筒体12の内部空間11を連通及び閉塞可能とされている。
【0020】
図1に示すとおり、開閉機構10は、第1筒体20と第2筒体24とが、連結部30を介して接続されている。言い方を変えれば、第1筒体20と第2筒体24との間は、連結部30を介して内部空間11が連通している。
【0021】
図1に示すとおり、本実施形態の開閉機構10の第1筒体20及び第2筒体24は、円筒状の筒体とされている。また、図2に示すとおり、本実施形態の開閉機構10の第1筒体20及び第2筒体24は、筒体12の軸線Lが延びる方向(軸線方向X)の両側に開口13が形成されている。なお、図2に示すとおり、本実施形態の開閉機構10では、第1筒体20と第2筒体24とは、直径径D1や軸線方向Xの長さD2、あるいは素材が概ね同じとされている。そのため、以下の説明では、第1筒体20及び第2筒体24を総称して筒体12と記載して説明する。
【0022】
また、以下の説明では、筒体12の軸線Lが延びる方向を、単に「軸線方向X」と記載して説明する。さらに、開閉機構10の軸線方向Xのうち、第1筒体20側(図1では下側)を単に「基端側」と、基端側とは反対側(図1では上側)を単に「他端側」と記載して説明する場合がある。
【0023】
筒体12は、剛性を有する素材により形成されていることが望ましい。すなわち、筒体12は、容易に変形しない素材により構成されることが望ましい。筒体12は、例えば、ガラス、陶器、樹脂等の素材により構成することができる。
【0024】
図2に示すとおり、筒体12には、軸線方向Xの両端部に開口13が形成されている。より具体的には、筒体12には、基端側の開口13aと、他端側の開口13bとが形成されている。すなわち、第1筒体20及び第2筒体24には、それぞれ基端側及び他端側に開口13が形成されている。
【0025】
以下の説明では、筒体12のうち、第1筒体20に形成された基端側の開口13aを「開口22a」と、他端側の開口13bを「開口22b」と記載して説明する場合がある(図2参照)。また、第2筒体24に形成された基端側の開口13aを「開口26a」と、他端側の開口13bを「開口26b」と記載して説明する場合がある(図2参照)。
【0026】
さらに、以下の説明では、筒体12(第1筒体20及び第2筒体24)に設けられた開口13のうち、連結部30と連結される側の開口13を、「接続開口14」と記載して説明する場合がある(図2等参照)。
【0027】
なお、本明細書において、「筒状」の文言は、円形の断面形状を有する円筒状に限定されるものではない。すなわち、筒体12は、略矩形の断面形状を有する中空の筒状のものであってもよいし、楕円形等の断面形状を有するものであってもよい。また、本発明の開閉機構の筒体は、長手方向(軸線方向X)において、異なる断面形状を有するものであってもよい。
【0028】
例えば、本発明の開閉機構の筒体は、長手方向の中間部が略矩形とされ、長手方向の両端部の双方又は一方が円形の断面形状とされたものであってもよい。すなわち、本発明の開閉機構の筒体は、軸線方向Xの全域が円形の断面形状を有するものでなくてもよい。
【0029】
連結部30は、2つの筒体12(第1筒体20及び第2筒体24)を連結するために設けられている。図2に示すとおり、本実施形態の開閉機構10の連結部30は、シート状の素材の一端と他端とを接続して筒状とされている。すなわち、本実施形態では、1枚のシート状の素材の幅方向の端部を接合して接合部34を形成し(図1参照)、筒状に形成したものとされている。
【0030】
連結部30は、柔軟性を備え、変形可能なものであればいかなる素材で構成されていてもよい。例えば、連結部30は、シリコン、ゴムシート、樹脂シートなどにより構成することができる。また、1又は複数のシート材を接合して1つの連結部30が形成される場合には、シート材の接合手段はいかなるものであってもよい。例えば、シート材を接合する場合、熱圧着、接着剤により接合して接合部34を形成する等、種々選択可能である。
【0031】
図3(a)に示すとおり、連結部30は、2つの筒体12を連結するように設けられている。連結部30は、筒体12に対して接合される接続部35が形成されている。具体的には、連結部30は、軸線方向Xの両端のうち、一方が第1筒体20の接続開口14(開口22b)に接合され、他方が第2筒体24の接続開口14(開口26a)に接合されている。
【0032】
図3(a)に示すとおり、連結部30の軸線方向Xの長さD4は、筒体12の直径D1よりも大きいものとされている(長さD4>直径D1)。
【0033】
なお、図3(a)に示すとおり、本実施形態の開閉機構10では、連結部30は、第1筒体20の外周面20a及び第2筒体24の外周面24a(筒体12の外周面12a)に対して接合されているが、本発明の開閉機構はこれに限定されない。すなわち、本発明の開閉機構のシート体は、筒体12の内周面12bに対して接合されたものであってもよいし、筒体12の端面12cに対して接合されたものであってもよい。
【0034】
また、連結部30を筒体12に接合する手段は、熱圧着によるもの、接着剤により接合する等、種々選択可能である。さらに、連結部30を筒体12に対して成型するに際し、筒体12に対して樹脂素材などをインサート成型などの手法により成型してもよい。
【0035】
図3に示すとおり、開閉機構10には、第1筒体20の接続開口14と第2筒体24の接続開口14との間を連通させる連通領域32が形成されている。言い方を変えれば、開閉機構10には、連結部30に取り囲まれた領域として連通領域32が形成されている。
【0036】
<開閉動作について>
開閉機構10は、2つの筒体12を周方向に向けて相対的に回転させることにより、連結部30が捻れて連通領域32の径方向の大きさD3を縮小させ、連通領域32を閉塞可能とされている。
【0037】
具体的には、図4(a)に示すとおり、連結部30が捻れていない状態では、第1筒体20の接続開口14と第2筒体24の接続開口14との間が開放されており、連通領域32の径方向の大きさD3は最大となる状態(開状態)となる。また、図4(a)に示すとおり、連結部30が捻れていない状態では、第1筒体20の接続開口14と第2筒体24の接続開口14との離間距離D5は、連結部30の軸線方向Xの長さD4と略一致する。
【0038】
図4(b)に示すとり、一方の筒体12(例えば第2筒体24)を他方の筒体12(例えば第1筒体20)に対して周方向に向けて相対的に回転させると、連結部30が軸線方向Xに対して捻れるとともに、連通領域32の大きさD3が次第に縮小する。また、第1筒体20と第2筒体24との離間距離D5は次第に小さくなる。
【0039】
図4(c)に示すとおり、図4(b)の状態から、さらに2つの筒体12の相対的な回転角度θが大きくなると(θ>180度)、連結部30が軸線方向Xの中間部で絞られた状態となり、連通領域32が閉塞された状態(閉状態)となる。
【0040】
上述のとおり、開閉機構10は、2つの筒体12を相対的に回転させることで、2つの接続開口14の間を遮断して閉塞することができ、筒体12の蓋材として機能させることができる。また、開閉機構10は、2つの筒体12を相対的に回転させることで、連通領域32の径方向の大きさD3を縮小したり、拡大させたりすることができる。言い方を変えれば、開閉機構10は、2つの筒体12の内部空間11を連通させる連通領域32の大きさD3を調整して、一方の筒体12から他方の筒体12に流体が流れる流量を調整する調整バルブとしての機能を備えている。
【0041】
このように、開閉機構10は、2つの筒体12の間を閉塞する蓋材としての機能や、2つの筒体12の間の流量を調整する調整バルブのような機能を発揮する。
【0042】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る開閉機構40について説明する。図5(a)に示すとおり、本実施形態の開閉機構40は、3以上の筒体12を備えており、一の筒体12と他の筒体12との間に、連結部50が設けられている。別の言い方をすれば、本実施形態の開閉機構40は、複数の筒体12が連続するように軸線方向Xに沿って配置されており、隣り合う2つの筒体12の間に連結部50が設けられている。
【0043】
図5には、3つの筒体12と2つの連結部50とを示している。なお、本実施形態の開閉機構40の筒体12は、第1の実施形態に係る筒体12と同じ構成とされている。そのため、本実施形態では、3つの筒体12のうち、第3の筒体12を「第3筒体28」と記載して説明するとともに、詳細な説明を省略する。
【0044】
また、本実施形態に係る開閉機構40では、2つの連結部50のうち、一方の連結部50(第2筒体24と第3筒体28との間に配置された第2連結部58)が、軸線方向Xに伸縮可能な素材により構成されていること以外は同じ構成とされている。すなわち、連結部50は、シート状の部材が筒状に形成されて構成されており、内側には連通領域51が形成されている。
【0045】
以下の本実施形態の説明では、第1筒体20と第2筒体24との間に設けられている連結部50を「第1連結部54」と記載するとともに、第1連結部54の内側に形成される連通領域51を「連通領域55」と記載して説明し、詳細な説明を省略する。また、第2筒体24と第3筒体28との間に設けられている連結部50を「第2連結部58」と記載するとともに、第2連結部58の内側に形成されている連通領域51を「連通領域59」と記載して、詳細な説明を省略する。
【0046】
図5に示すとおり、開閉機構40では、第1筒体20、第2筒体24、及び第3筒体28が、軸線方向Xに沿って並列に配置されている。言い方を変えれば、本実施形態の開閉機構40では、第1筒体20、第2筒体24、及び第3筒体28は、軸線方向Xに沿って直線的に配列されている。
【0047】
第1筒体20と第2筒体24との間、及び第2筒体24と第3筒体28との間には、それぞれ連結部50が設けられている。言い方を変えれば、本実施形態の開閉機構40には、軸線方向Xの2箇所において、連通領域51が設けられている。
【0048】
上述のとおり、本実施形態の開閉機構40では、第2連結部58が、伸縮性を備える素材により構成されている。すなわち、第2連結部58は、柔軟性を備え、変形可能であるとともに、少なくとも軸線方向Xに伸縮するように変形可能とされている。
【0049】
<開閉動作について>
次いで、本実施形態に係る開閉機構40の開閉動作と、一の連結部50(第1連結部54)に係る連通領域51を縮小させる際の筒体12の位置や、他の連結部50(第2連結部58)の伸縮動作について説明する。
【0050】
図5(b)に示すとおり、第1筒体20と第2筒体24との間の連通領域55を閉塞させる際、第1の実施形態に係る開閉機構40と同様に、第1筒体20及び第2筒体24を相対的に回転させる。また、第1筒体20と第2筒体24とを相対的に回転させて、第1筒体20の接続開口14と第2筒体24の接続開口14との間を閉塞させると、連結部50が捻れて、第1筒体20及び第2筒体24の離間距離D6が小さくなる。
【0051】
この際、図5(b)に示すとおり、第2筒体24と第3筒体28との間に設けられた連結部50(第2連結部58)の長さD7が軸線方向Xに伸びて、第2筒体24の軸線方向Xへの移動を許容する。すなわち、第2連結部58がバッファのような役割を果たす。そのため、第1筒体20及び第3筒体28の軸線方向Xにおける位置をそのままとして、第2筒体24が第1筒体20に向けて軸線方向Xへの変位が許容される。
【0052】
これにより、開閉機構40は、第1筒体20と第3筒体28の軸線方向Xの位置を維持しながら、連通領域51を開閉することができる。
【0053】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態に係る開閉機構60について説明する。図6は、開閉機構60を示す斜視図である。図6に示すとおり、開閉機構60は、2つの筒体62と、連結部80とを備えている。
【0054】
図7に示すとおり、本実施形態の開閉機構60では、2つの筒体62は、大きさや長さの異なるものとされている。より具体的には、本実施形態の開閉機構60の筒体62は、一方の筒体62が内部に収容物を収容可能な収容体としての機能を発揮する主筒体70とされており、他方の筒体62が環状の部材とされた副筒体76とされている。
【0055】
本実施形態の開閉機構60は、例えば、収容対象物を収容する収容体として主筒体70を用いることができる。また、本実施形態の開閉機構60は、二つの筒体62(主筒体70及び副筒体76)を相対的に回転させることにより、主筒体70の開口72を閉塞することができる。
【0056】
図7に示すとおり、主筒体70(筒体62)は、軸線方向Xの両側の端部のうち、一方が閉塞されており、他方に開口72が形成されたものとされている。言い方を変えれば、主筒体70は、円筒状の筒体であって、内部に収容物を収容可能なものとされている。また、図6に示すとおり、主筒体70は、閉塞された側の端部を底部73をとして接地させ、開口72が上方を向くように配置させることができる(軸線方向が略鉛直方向を向くように接地させることができる)。
【0057】
図7に示すとおり、副筒体76は、短円筒状の部材である。図7に示すとおり、副筒体76は、両側の端部に開口78,79が設けられている。図7に示すとおり、副筒体76は、内周面76bの直径D8が主筒体70の外周面70aの直径D9よりもやや大きく、主筒体70の外周面70aに沿って軸線方向Xにスライド可能とされている。
【0058】
図6に示すとおり、副筒体76は、主筒体70の外周面70a側に配置されている。より具体的に説明すると、副筒体76は、主筒体70の開口72の縁部付近に配置されており、内周面76bの一部が主筒体70の外周面70aと向かい合うように配置されている。
【0059】
副筒体76は、主筒体70の開口72から底部73に向けて、スライドするように変位可能とされており、さらに主筒体70の外周面70aに沿って周方向に回転可能とされている。言い方を変えれば、本実施形態の開閉機構60では、副筒体76の内周面76bと主筒体70の外周面70aとが接触する構成とされている。
【0060】
連結部80は、2つの筒体62(主筒体70及び副筒体76)を連結するために設けられている。図7に示すとおり、連結部80は、シリコン等の柔軟性を有する素材が筒状に形成されたものとされている。すなわち、本実施形態の連結部80は、予め筒状に形成されたものであって、周方向に継ぎ目(接合部)を有さないものとされている。
【0061】
図8(a)に示すとおり、本実施形態の開閉機構60の連結部80は、副筒体76の内周面76b側に配置されている。また、連結部80は、軸線方向Xの両端部のうち、一方(基端側)が主筒体70の開口72近傍に接続され、他方(他端側)が副筒体76の主筒体70から離間する側の開口79に接続されている。
【0062】
なお、図8(a)に示すとおり、本実施形態の開閉機構60の連結部80は、主筒体70との接合部85が主筒体70の内周面70b側に設けられ、副筒体76との接合部85が副筒体76の外周面76a側に設けられたものとされているが、連結部80は、主筒体70及び副筒体76の外周面及び内周面のいずれに対して接続されていてもよい。また、連結部80は、主筒体70や副筒体76の端面に対して接合されていてもよい。
【0063】
上述のとおり、本実施形態の開閉機構60では、副筒体76の内側に連結部80が配置されている。言い方を変えれば、開閉機構60では、副筒体76の内周面76b側に連結部80により取り囲まれた連通領域82が形成される。開閉機構60は、副筒体76の内側に形成される連通領域82を拡大及び縮小させて、主筒体70の開口72を開閉することができる。
【0064】
<開閉動作について>
次いで、本実施形態の開閉機構60における開閉動作について説明する。開閉機構60は、2つの筒体62を相対的に周方向に回転させることで連結部80が捻れて連通領域82の開口の大きさD10を縮小させ、主筒体70の開口72を閉塞可能とされている。
【0065】
具体的には、図9(a)に示すとおり、連結部80が捻れていない状態では、主筒体70の開口72が連結部80によりほとんど閉塞されておらず、連通領域82の径方向の大きさD10が最大の状態(開状態)となる。また、連結部80が捻れていない状態(開状態)では、連結部80の大部分は、副筒体76の内周面76bに沿って配置された状態となる。
【0066】
図9(b)に示すとり、一方の筒体62(例えば副筒体76)を他方の筒体62(例えば主筒体70)に対して相対的に回転させると、連結部80が軸線方向Xに対して捻れるとともに、連結部80が副筒体76の内側を周部から中心に向けて閉塞し、連通領域82が次第に縮小する。
【0067】
図9(c)に示すとおり、図9(b)の状態からさらに相対的な回転角度θが大きくなると、連結部80が軸線方向Xの中間部で絞られた状態となり、連通領域82が閉塞された状態(閉状態)となる。
【0068】
上述のとおり、開閉機構60は、2つの筒体62を相対的に回転させることで、主筒体70の開口72を閉塞することができ、主筒体70の蓋材として機能させることができる。また、開閉機構60は、2つの筒体62を相対的に回転させることで、連通領域82の開口の大きさD10を縮小したり、拡大させたりすることができる。言い方を変えれば、開閉機構60は、主筒体70の内部空間71を連通させる連通領域82の開口の大きさD10を調整して、主筒体70の開口72の大きさを調整する調整バルブとしての機能を備えている。
【0069】
上述のとおり、本発明の開閉機構は、一の筒体の内部空間と他の筒体の内部空間との間を開閉するもの、あるいは一の筒体の内部空間を開閉するものとして好適に用いることができる。
【0070】
本発明の開閉機構は、工業製品、家庭用製品など、様々な製品に用いることができる。本発明の開閉機構は、配管の接続部分、容器の蓋材、筒容器の開閉機構、カメラの蓋材、スコープの絞り、自動車のマフラーの消音のための開閉機構、ホースの端部、ゴミ箱の蓋材等、種々採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、容器や配管を開閉するための開閉機構として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 開閉機構
12 筒体
13 開口
14 接続開口(開口)
20 第1筒体(第1の筒体、筒体)
24 第2筒体(第2の筒体、筒体)
28 第3筒体(筒体)
30 連結部
32 連通領域
40 開閉機構
50 連結部
51 連通領域
54 第1連結部(連結部)
55 連通領域
58 第2連結部(連結部)
59 連通領域
60 開閉機構
62 筒体
70 主筒体(筒体)
72 開口
76 副筒体(筒体)
78 開口
79 開口
80 連結部
82 連通領域
X 軸線方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9