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特開2022-32878汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクターおよびその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032878
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクターおよびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/34 20060101AFI20220217BHJP
   C02F 3/10 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
C02F3/34 101B
C02F3/34 101D
C02F3/34 101C
C02F3/34 101A
C02F3/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140510
(22)【出願日】2020-08-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】202010808085.1
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】黄輝
(72)【発明者】
【氏名】彭沖
(72)【発明者】
【氏名】任洪強
(72)【発明者】
【氏名】張徐祥
【テーマコード(参考)】
4D003
4D040
【Fターム(参考)】
4D003DA22
4D003EA01
4D003EA14
4D003EA22
4D003EA38
4D003FA10
4D040BB07
4D040BB32
4D040BB42
4D040BB63
4D040BB72
4D040BB82
4D040BB91
4D040BB93
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクター、およびその動作方法を提供する。
【解決手段】汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクター1は、直方体構造を有するバイオフィルムリアクター1であり、バイオフィルムリアクター1は下から上へ順次逆洗部材2、進水領域3、玉石層4、セラミックサイト層5およびアルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層6を含み、バイオフィルムリアクター1の頂部の外側にオーバーフロー堰7が設けられ、水流が大きすぎると、進水領域3を逆洗部材2の下方に設置し、それによって逆洗部材2により進水を均一に分配し、玉石層4への衝撃を低減する構造とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体構造を有し、下から上へ順次進水領域(3)、逆洗部材(2)、玉石層(4)、セ
ラミックサイト層(5)、およびアルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層或い
はポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイト層からなる機能性フィルタ層(6
)を含み、頂部の外側にオーバーフロー堰(7)が設けられるバイオフィルムリアクター
(1)と、
進水ポンプ(9)を備えた進水管(10)を介して前記進水領域(3)に接続され、内部
にスターラー(11)が設けられ、汚水を貯蔵するための注入口プール(8)と、
計量ポンプ(14)を備えた試薬添加管(15)を介して注入口プール(8)に接続され
、貯蔵キノンレドックスメディエーターを貯蔵するための第1の試薬貯蔵ボックス(12
)、硫黄源を貯蔵するための第2の試薬貯蔵ボックス(13)、および炭素源を貯蔵する
ための第3の試薬貯蔵ボックス(20)と、
水排出管(19)を介して前記オーバーフロー堰(7)に接続され、逆洗水ポンプ(23
)を備えた逆洗管(17)を介して前記逆洗部材(2)に接続され、その上部にバルブ付
きの水排出口(161)が設けられ、浄化水を貯蔵するための出口プール(16)と、
進水ポンプ(9)、スターラー(11)、計量ポンプ(14)、逆洗水ポンプ(23)と
電気的に接続され、装置全体の動作を制御するためのPLCコントローラー(18)と、
を含むことを特徴とする汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクター。
【請求項2】
前記アルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層の作製方法は、
ステップ1:アルミニウムイオンで、濃度10~12g/Lの硫酸アルミニウム溶液を調
製し、水酸化ナトリウムを加えて溶液のpHを7.0に調整し、5~10分間攪拌し、反
応により水酸化アルミニウム沈殿を生成した後、1~2g/Lの二酸化チタン粉末を溶液
に加えて均一に攪拌し、そして密閉容器に入れ100~110℃に加熱し、24~36h
振とうして、粒子径20~30μmの硫酸アルミニウム-二酸化チタン混合液を形成する
ことと、
ステップ2:前記硫酸アルミニウム-二酸化チタン混合液に重量%5~10%のフライア
ッシュを焼結して得られた多孔質セラミックサイトを加え、洗浄した後調製された溶液に
20~30分間浸漬し、取り出した後、分子力によりミクロンレベルの硫酸アルミニウム
とナノレベルの二酸化チタンをセラミックサイトの細孔構造に付着させ、乾燥させること
と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリ
アクター。
【請求項3】
ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイト層からなる前記機能性フィルタ層の
作製方法は、
ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイト層中のモンモリロナイトを重量%で
、65.5%SiO2、14.3%Al2O3、1.78%Fe2O3、1.08%Ca
O、1.42%MgO、0.2%K2O、0.19%TiO2で調製し、
ステップ1:固液比1:100のモンモリロナイト懸濁液を24h膨潤させ、22kHz
超音波下で5min分散させること、
ステップ2:0.1MFeCl3溶液に0.1MNaOH溶液を加え、[OH]/[Fe]=
2.0にし、鉄ポリヒドロキシ錯体を形成し、修飾溶液を調製すること、
ステップ3:鉄と粘土の比率が1.0mmol/gになるように、修飾溶液を粘土懸濁液
に滴下し、混合した懸濁溶液を室温で24h保持し、粘土を遠心分離し、蒸留水が塩素を
含まない状態まで洗浄し、室温で乾燥させ、500℃で2h焼成すること、を含むことを
特徴とする請求項1に記載の汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクター。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のバイオフィルムリアクター(1)を使用して、汚水
を高度に浄化するための動作方法であって、
S1:処理する生物化学的廃水を検出し、その炭素-窒素比を測定し、進水状況に応じて
進水全窒素負荷を算出して、算出結果に従って、従属栄養脱窒モードまたは硫黄の独立栄
養‐従属栄養脱窒モードを選択して処理し、選択された処理方式に応じて、バイオフィル
ムリアクター(1)への後継の処理および薬物添加を実施すること、
S2:従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、フィルターが正常に開始され
た後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に50~120nMキノンレドック
スメディエーターを加え、
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、廃水中の炭素-窒
素比に応じて一定量の硫黄源を追加し、バイオフィルムを培養しフィルターを正常に開示
した後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に70~150nMキノンレドッ
クスメディエーターを加え、脱窒を強化させる、を含むことを特徴とする動作方法。
【請求項5】
前記生物化学的廃水は、都市汚水処理場の生物化学的廃水、産業廃水の生物化学的廃水の
中のいずれか1つであり、全窒素濃度が30mg/L以下であることを特徴とする請求項
4に記載の動作方法。
【請求項6】
前記従属栄養脱窒モードが、COD/TN≧3、進水により設計された進水全窒素負荷が
0.25~0.60kg・TN/(m3・d)である条件下で選択され、
前記硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードが、COD/TN<3、進水により設計された
進水全窒素負荷が0.05~0.35kg・TN/(m3・d)である条件下で選択される
、ことを特徴とする請求項4に記載の動作方法。
【請求項7】
前記従属栄養脱窒モードでは、温度が15~25℃である場合、キノンレドックスメディ
エーターを一日おきに加え、添加濃度が80~120nMであり、温度が10~15℃で
ある場合、連続的に投与し、投与濃度が50~100nMであり、前記キノンレドックス
メディエーターは、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム、1,2-ナフトキノン
-4-スルホン酸ナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムの中
のいずれか1つであることを特徴とする請求項4に記載の動作方法。
【請求項8】
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードにおいて、従属栄養脱窒モードでは、前記硫黄源は
元素硫黄、硫化ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムの中のいずれか1つであることを特
徴とする請求項4に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオフィルム汚水処理の技術分野に属し、具体的には、汚水を高度に浄化す
るためのバイオフィルムリアクターおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水処理排水基準の継続的な改善に伴い、汚水中の全窒素や全リンなどの汚染物質の除去
は、汚水処理プラントに大きな課題を引き起こし、汚水に新しい汚染物質や他の物質が徐
々に注目されるように、高度な汚水処理と安全な再利用による排水の生物学的毒性の低減
は、汚水処理における研究ホットスポットの1つになる。
【0003】
従来の活性汚泥プロセスは、次第に厳格化する汚水排出基準を満たすことが困難であり、
バイオフィルム法の脱窒フィルタープロセスは、その簡単な操作、小さな設置面積、低コ
スト、および深い脱窒により、益々広く適用されている。炭素源を追加する方法と比較し
てコストが低いため、硫黄の独立栄養-従属栄養脱窒およびその他の方法が脱窒フィルタ
ープロセスに徐々に適用されているが、従来の従属栄養脱窒と比較すると、その脱窒速度
が低く、動作環境の温度が比較的に低いとき、脱窒フィルターでの脱窒プロセスが阻害さ
れ、脱窒効率が大幅に低下し、脱窒率を効果的に高める方法は、その応用で直面する主な
問題の1つである。一般的に言えば、脱窒フィルターの脱窒率を上げる方法は、主に担体
を改善し、硝化装置の設計を改善し、バイオエンリッチャーを追加し、動作温度を上げる
などであり、たとえば、中国の発明特許「マルチポイント強化脱窒および脱窒生物フィル
ター」 「プール」(公開番号CN208200506U)は、給水と炭素源の投与ポン
プを複数配置して水を分配し、投与することにより、単位時間あたりの水頭損失を減らし
、脱窒フィルターの効率を改善するという目的を達成できるが、設備コストが高くなり、
操作が難しくなり、中国の発明特許「河川水中の強化された脱窒のための生態学的マトリ
ックス粒子の調製方法と応用」(公開番号CN106365305B)は、高透過性多孔
質材料、無機バインダー、トウモロコシの穂軸などの徐放性炭素源で構成されています生
態学的マトリックス粒子は、生態学的フィルターと人工湿地で炭素源をゆっくり放出する
ために使用され、それによって窒素除去の目的を達成できるが、このような粒子の基質強
度は一般に大きく、その効果は徐放性炭素源の放出とともに徐々に変化し、効果を維持す
るために、フィラーを間欠的に補充する必要がある。近年、いくつかのキノンは、電子キ
ャリアとして作用することにより微生物間の電子移動の効率を改善し、それにより、硝酸
塩および亜硝酸塩を除去する微生物の速度を効果的に高め、従来の従属栄養脱窒フィルタ
ーに適用できることを示しているが、新しいタイプの硫黄独立栄養-従属栄養脱窒フィル
ターは、生化学的尾水処理の強化された脱窒のための新しいアイデアを提供する。
【0004】
リンの高度除去という観点から見ると、技術の進歩に伴い、アルミニウム化合物は全リン
除去で比較的良好な性能を示しているが、フィルターにアルミニウムと鉄の化合物を追加
する従来の方法は、フィルターの操作とコストに影響を与え、総リンを除去するための固
体搭載アルミナイドフィルターメディアの使用は、潜在的に実現可能な方法になり、さら
に、二酸化チタンまたは限られたスペースのマイクロ/ナノ触媒酸化の使用は、内分泌か
く乱物質などのテール水に残っている微量の新しい汚染物質を効果的に分解でき、パーソ
ナルケア製品などの最終的な排水の毒性を低減し、処理後の廃水の再利用の安全性を確保
する。したがって、生化学的廃水と新しい汚染物質の全リンに対する脱窒フィルターの浄
化効果を同時に改善する機能フィルター層を設定することで、脱窒フィルターの高度な処
理のための潜在的に効果的な技術的手段と重要な開発方向となり、全リンと新しい汚染物
質の同時除去は、既存の特許文献にはほとんど記載していない。
【0005】
同時に、バイオフィルムの老化プロセス中に形成された「スラッジ」は、脱窒フィルター
システムの動作にも一定の悪影響を及ぼし、リアクターによる汚染物質の高度除去には不
利であり、バイオフィルターを定期的に逆洗し、システムのバイオフィルムの活性を回復
することは、バイオフィルムリアクターと省エネ運転の高度浄化効率を改善するための重
要な手段でもある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、脱窒フィルター汚水を高度に浄化するとき全窒素、全リン除去プロセスでは、
薬物または炭素源の添加による動作負担と低温条件による低い脱窒効率の問題を解決し、
汚水処理中の毒性低減を考慮し、汚水を高度に浄化と安全再利用に新しい装置(バイオフ
ィルムリアクター、バイオフィルム反応機)およびその装置の動作方法を提供する。
【0007】
本発明の技術的解決策は、以下の通りである。汚水を高度に浄化するためのバイオフィル
ムリアクターは、
直方体構造を有し、下から上へ順次進水領域、逆洗部材、玉石層、セラミックサイト層、
およびアルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層、またはポリヒドロキシコンプ
レックス修飾モンモリロナイト層からなる機能性フィルタ層を含み、頂部の外側にオーバ
ーフロー堰が設けられるバイオフィルムリアクターと、
進水ポンプを備えた進水管を介して前記進水領域に接続され、内部にスターラーが設けら
れ、汚水を貯蔵するための注入口プールと、
計量ポンプを備えた試薬添加管を介して注入口プールに接続され、貯蔵キノンレドックス
メディエーターを貯蔵するための第1の試薬貯蔵ボックス、硫黄源を貯蔵するための第2
の試薬貯蔵ボックス、および炭素源を貯蔵するための第3の試薬貯蔵ボックスと、
水排出管を介して前記オーバーフロー堰に接続され、逆洗水ポンプを備えた逆洗管を介し
て前記逆洗部材にも接続され、その上部にバルブ付きの水排出口が設けられ、浄化水を貯
蔵するための出口プールと、
進水ポンプ、スターラー、計量ポンプ、逆洗水ポンプと電気的に接続され、装置全体の動
作を制御するためのPLCコントローラーと、を含む。
【0008】
さらに、逆洗部材は、フィルターレンガおよびフィルターレンガの下に位置する棚板を含
み、棚板とバイオフィルムリアクターの底部は逆洗水ポンプが接続された逆洗水分配領域
であり、逆洗水分配領域に位置する逆洗ガスパイプが設けられ、逆洗ガスパイプが逆洗水
ポンプ付きの逆洗管を介して出口プールに接続され、
フィルターレンガの両側に、隣接するフィルターレンガに接続され隣接するフィルターレ
ンガを等しい幅のスリットで分離する接続筒と接続柱が設けられ、フィルターレンガ内部
の4つのコーナーで傾斜した斜め仕切り板が設けられ、4つの斜め仕切り板上に複数の水
・ガス分配管が設けられ、4つの斜め仕切り板は、フィルターレンガ内部を中心にある六
角柱空洞、および4つのコーナーにある空洞に分割し、上層の2つの空洞の頂部にフィル
ターレンガを垂直に貫通する第1の逆洗穴が設けられ、下層の2つの空洞の側面にフィル
ターレンガを水平に貫通する第2の逆洗穴が設けられ、
六角柱空洞の内部に、六角柱空洞を上方のガス分配空洞と下方の水分配空洞に分割するた
めの仕切り板が水平に配置され、水分配空洞の底部に進水のための切りかけが設けられ、
棚板が水分配空洞の下に位置し切りかけと連通する進水溝が開設され、逆洗水を水分配空
洞に導入し順次下層の斜め仕切り板の水・ガス分配管を通過して下層の2つの空洞に進入
させ二次水分配し、最終的に両側の第1の逆洗穴から隣接する2つのフィルターレンガ間
のスリットに流れ、スリットを通って上向きに逆洗を行い、逆洗ガスパイプ上に複数のガ
スクロスノズルが設けられ、ガスクロスノズルが上向きに順次棚板と仕切り板上の予設穴
を通過してガス分配空洞に延伸し、逆洗気流をガス分配空洞に導入し順次上層斜め仕切り
板の水・ガス分配管を通過して上層2つの空洞に到達し、二次ガス分配し、最終的にフィ
ルターレンガ頂部の第2の逆洗穴から吐出され、フィルター層をガス逆洗する。逆洗時の
ガス・水の分配は個別または同時に行われる。本発明のフィルターレンガの内部はコンク
リートを流し込んで作られ、斜め仕切り板と仕切り板内部に衝撃力を抵抗するための補強
リブが設けられる。
【0009】
さらに、機能性フィルタ層の作製方法は、以下のステップを含む。
前記機能性フィルタ層の作製方法は、以下のステップを含む。
ステップ1:アルミニウムイオンで、濃度10~12g/Lの硫酸アルミニウム溶液を調
製し、水酸化ナトリウムを加えて溶液のpHを約7.0に調整し、5~10分間攪拌し、
反応により水酸化アルミニウム沈殿を生成した後、1~2g/Lの二酸化チタン粉末を溶
液に加えて均一に攪拌し、そして密閉容器に入れ100~110℃に加熱し、24~36
h振とうして、粒子径20~30μmの硫酸アルミニウム-二酸化チタン混合液を形成す
る。
ステップ2:前記硫酸アルミニウム-二酸化チタン混合液に重量%5~10%のフライア
ッシュを焼結して得られた多孔質セラミックサイトを加え、洗浄した後調製された溶液に
20~30分間浸漬し、取り出した後、分子力を使用してミクロンレベルの硫酸アルミニ
ウムとナノレベルの二酸化チタンをセラミックサイトの細孔構造に付着させ、自然に乾燥
させる。
【0010】
本発明は、さらに、ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイト層からなる機能
性フィルタ層を提供し、ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイト層中のモン
モリロナイトは重量%で、65.5%SiO2、14.3%Al2O3、1.78%Fe
2O3、1.08%CaO、1.42%MgO、0.2%K2O、0.19%TiO2か
らなる。
ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイトの作製方法は、以下のステップを含
む。
ステップ1:固液比1:100のモンモリロナイト懸濁液を24h膨潤させ、22kHz
超音波下で5min分散させる。
ステップ2:0.1MFeCl3溶液に0.1MNaOH溶液を加え、[OH]/[Fe]=
2.0にし、鉄ポリヒドロキシ錯体を形成し、修飾溶液を調製する。
ステップ3:鉄と粘土の比率が1.0mmol/gになるように、修飾溶液を粘土懸濁液
に滴下し、混合した懸濁溶液を室温で24h保持し、粘土を遠心分離し、蒸留水で塩素が
含まないまで洗浄し、室温で乾燥させ、500℃で2h焼成する。
【0011】
本発明は、さらに、上記バイオフィルムリアクターを使用して汚水を高度に浄化するため
の動作方法を提供し、それは以下のステップを含む。
S1:処理する生物化学的廃水を検出し、その炭素-窒素比を測定し、進水状況に応じて
進水全窒素負荷を算出して、算出結果に従って、従属栄養脱窒モードまたは硫黄の独立栄
養‐従属栄養脱窒モードを選択して処理し、選択された処理方式に応じて、バイオフィル
ター(1)への後継の処理および薬物添加を実施する。
S2:従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、フィルターが正常に開始され
た後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に50~120nMキノンレドック
スメディエーターを加え、
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、廃水中の炭素-窒
素比に応じて一定量の硫黄源を追加し、バイオフィルムを培養しフィルターを正常に開示
した後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に70~150nMキノンレドッ
クスメディエーターを加え、脱窒を強化する目的を達成する。
【0012】
さらに、前記生物化学的廃水は、都市汚水処理場の生物化学的廃水、産業廃水の生物化学
的廃水の1つであり、全窒素濃度が30mg/L以下である。
【0013】
さらに、前記従属栄養脱窒モードが、COD/TN≧3、進水により設計された進水全窒
素負荷が0.25~0.60kg・TN/(m3・d)である条件下で選択され、
前記硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードが、COD/TN<3、進水により設計された
進水全窒素負荷が0.05~0.35kg・TN/(m3・d)である条件下で選択される

さらに、前記従属栄養脱窒モードでは、温度が15~25℃である場合、キノンレドック
スメディエーターを一日おきに加え、添加濃度が80~120nMであり、温度が10~
15℃である場合、連続的に投与し、投与濃度が50~100nMであり、前記キノンレ
ドックスメディエーターは、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム、1,2-ナフ
トキノン-4-スルホン酸ナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリ
ウム中のいずれか1つである。
【0014】
さらに、硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードにおいて、従属栄養脱窒モードでは、前記
硫黄源は元素硫黄、硫化ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム中のいずれか1つである。
従属栄養脱窒と独立栄養脱窒によりそれぞれ全窒素を除去するための量の比が1:1~1:
2であり、硫黄源の投与量と硫黄の独立栄養脱窒により除去される全窒素の量の比は、3
~5kg元素硫黄/kg・TN、5~6kg硫化ナトリウム/kg・TN、8~10kg
チオ硫酸ナトリウム/kg・TNの比で投与する。
【0015】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
(1)本発明は、炭素源の追加によって引き起こされる高コストの欠陥を補うために硫黄
独立栄養-従属栄養脱窒を使用し、基本的に流入する有機物濃度の条件を変更しない微量
キノンレドックスメディエーターの追加を使用し、限られた炭素源濃度の条件下で、脱窒
フィルターの脱窒能力を改善して、脱窒を強化する目的を達成し、総窒素を増やし、除去
率を高め、炭素源を追加する方法と比較して、コストを効果的に節約できる。
(2)本発明は、フィルター材料層またはポリヒドロキシ複合体修飾モンモリロナイト層
からなる機能性フィルター材料層としてアルミナおよび二酸化炭素セラムサイトを使用し
、これにより、薬剤投与システムが大幅に簡素化され、全リンの除去効果が向上し、効果
的に水の毒性を減らす。
(3)本発明は、バイオフィルムリアクターの汚水処理プロセスにおける全窒素、全リン
、および生物学的毒性の除去を大幅に改善でき、高度浄化効果が大きく、処理後の汚水の
再利用の安全性が向上する。
(4)本発明の逆洗部材により、水の分配の均一性は90%以上に達し、逆洗のエネルギ
ー消費は30%~40%削減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の装置の全体構造概略図である。
図2】本発明のフィルターレンガの断面概略図である。
図3】本発明のフィルターレンガの上面図である。
図4】本発明のフィルターレンガの右側面図である。
図5】本発明の仕切り板の平面概略図である。
図6】本発明の逆洗部材の組立概略図である。
図7】本発明の強化常温条件下で従属栄養脱窒フィルターにより高度に二次排水を浄化する動作効果図である。
図8】本発明の強化低温条件下で硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒フィルターにより高度に産業廃水の二次生物化学的廃水を浄化する動作効果図である。
図9】本発明の強化低温条件下で従属栄養脱窒フィルターにより高度に都市廃水を浄化する二次生物化学的廃水脱窒の動作効果図である。
図10】本発明の強化常温条件下で硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒フィルターにより高度に都市汚水処理場の二次生物化学的廃水を浄化するの動作効果図。
【0017】
[符号の説明]
1 バイオフィルムリアクター
2 逆洗部材
21 フィルターレンガ
22 棚板
23 逆洗水ポンプ
24 逆洗水分配領域
25 逆洗气ポンプ
26 逆洗ガスパイプ
27 接続筒
28 接続柱
29 斜め仕切り板
210 水・ガス分配管
211 六角柱空洞
212 空洞
213 第1の逆洗穴
214 第2の逆洗穴
215 仕切り板
216 ガス分配空洞
217 水分配空洞
218 切りかけ
219 進水溝
220 ガスクロスノズル
221 予設穴
3 進水領域
4 玉石層
5 セラミックサイト層
6 機能性フィルタ層
7 オーバーフロー堰
8 注入口プール
9 進水ポンプ
10 進水管
11 スターラー
12 第1の試薬貯蔵ボックス
13 第2の試薬貯蔵ボックス
14 計量ポンプ
15 試薬添加管
16 出口プール
161 水排出口
17 逆洗管
18 PLCコントローラー
19 水排出管
20 第3の試薬貯蔵ボックス
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の内容をさらに理解するために、以下実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
実施例1
図1に示すように、汚水を高度に浄化するためのバイオフィルムリアクターは、直方体構
造を有するバイオフィルムリアクター1であり、バイオフィルムリアクター1は下から上
へ順次逆洗部材2、進水領域3、玉石層4、セラミックサイト層5およびアルミナと二酸
化チタンからなる機能性フィルタ層6を含み、バイオフィルムリアクター1の頂部の外側
にオーバーフロー堰7が設けられ、水流が大きすぎると、進水領域3を逆洗部材2の下方
に設置し、それによって逆洗部材2により進水を均一に分配し、玉石層4への衝撃を低減
する。
図1図2図3図4図5図6に示すように、逆洗部材2は、フィルターレンガ2
1およびフィルターレンガ21の下方に位置する棚板22を含み、棚板22とバイオフィ
ルムリアクター1の底部は、逆洗水ポンプ23が接続された逆洗水分配領域24であり、
逆洗水分配領域24に位置する逆洗ガスパイプ26が設けられ、逆洗ガスパイプ26は逆
洗水ポンプ23を備えた逆洗管17を介して出口プール16に接続され、
フィルターレンガ21の両側に隣接するフィルターレンガ21に接続され隣接するフィル
ターレンガ21を等しい幅のスリットに分割する接続筒27と接続柱28が設けられ、フ
ィルターレンガ21の内部の4つのコーナーに、それぞれ傾斜した斜め仕切り板29が設
けられ、4つの斜め仕切り板29上に複数の水・ガス分配管210が設けられ、4つの斜
め仕切り板29は、フィルターレンガ21の内部を中心位置の六角柱空洞211、および
4つのコーナーの空洞212に分割し、上層の2つの空洞212の頂部にフィルターレン
ガ21を垂直に貫通する第2の逆洗穴214が設けられ、下層の2つの空洞212の側面
にフィルターレンガ21を水平に貫通する第1の逆洗穴213が設けられ、
六角柱空洞211の内部に、六角柱空洞211を上方のガス分配空洞216と下方の水分
配空洞217に分割するための仕切り板215が水平に配置され、水分配空洞217の底
部に進水のための切りかけ218が設けられ、棚板22が水分配空洞217の下方に位置
し切りかけ218と連通する進水溝219が開設され、逆洗水を水分配空洞217に導入
し順次下層斜め仕切り板29の水・ガス分配管210を通過して下層2つの空洞212に
到達し、二次水分配し、最終的に両側の第1の逆洗穴213から隣接する2つのフィルタ
ーレンガ21間のスリットに流れ、スリットにより上向きに水流逆洗し、逆洗ガスパイプ
26上に複数のガスクロスノズル220が設けられ、ガスクロスノズル220が上向きに
順次棚板22と仕切り板215上の予設穴221を通過してガス分配空洞216に延伸し
、逆洗気流をガス分配空洞216に導入し順次上層斜め仕切り板29の水・ガス分配管2
10を通過して上層2つの空洞212に到達し、二次ガス分配し、最終的にフィルターレ
ンガ21の頂部の第2の逆洗穴214から吐出され、フィルター層をガス逆洗する。逆洗
時のガス・水の分配は単独または同時に行われる。本発明のフィルターレンガ21の内部
はコンクリートを流し込んで作られ、斜め仕切り板29と仕切り板215内部に衝撃力を
抵抗するための補強リブが設けられる。
図1に示すように、汚水を貯蔵するための注入口プール8は、進水ポンプ9を備えた進水
管10を介して進水領域3に接続され、注入口プール8内に、スターラー11が設けられ
、キノンレドックスメディエーターを貯蔵するための第1の試薬貯蔵ボックス12、硫黄
源を貯蔵するための第2の試薬貯蔵ボックス13は、第1の試薬貯蔵ボックス12、第2
の試薬貯蔵ボックス13、第3の試薬貯蔵器20はそれぞれ計量ポンプ14を備えた試薬
添加管15を介して注入口プール8に接続され、浄化水を貯蔵するための出口プール16
は、水排出管19を介してオーバーフロー堰7に接続され、出口プール16は逆洗水ポン
プ23を備えた逆洗管17を介して逆洗部材2にも接続され、出口プールの上部にバルブ
付きの水排出口161が設けられ、処理された廃水を即時に排出し、出口プール16内に
十分な逆洗用水を確保し、装置全体の動作を制御するためのPLCコントローラー18は
、それぞれ進水ポンプ9、スターラー11、計量ポンプ14、逆洗水ポンプ23と電気的
に接続される。
本装置の動作方法は以下の通りである。まず廃水を検出し、検出対象にはCOD濃度、T
N濃度、硝酸態窒素濃度、アンモニア態窒素濃度、亜硝酸態窒素濃度、全リン、pH、環
境温度が含まれる。COD/TNから硝化モードを選択し、COD/TN≧3、進水によ
り設計された進水全窒素負荷が0.25~0.60kg・TN/(m3・d)の場合、従属
栄養脱窒モードを選択し、COD/TN<3、進水により設計された進水全窒素負荷が0
.05~0.35kg・TN/(m3・d)の場合、硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モード
を選択する。
貯水のために廃水を注入口プール8に導入し、従属栄養脱窒モードを選択すると、第1の
試薬貯蔵ボックス12の計量ポンプ14を開き、必要に応じてキノンレドックスメディエ
ーターを連続的または間欠的に注入口プール8に投与し、スターラー11により均一に攪
拌・混合し、進水ポンプ9を介して注入口プール8内の廃水を進水管10から進水領域3
のAエリア221に輸送し、廃水が連通管223を介して上向きにBエリア222までオ
ーバーフローし、順次玉石層4、セラミックサイト層5、機能性フィルタ層6を通過して
層ごと浄化・濾過され、浄化水がオーバーフロー堰7に流入した後水排出管19から出口
プール16に流入し、リアクターの全窒素量が排水要求を満たさなくなると、必要に応じ
て第3の試薬貯蔵ボックス20を開き炭素源を投与する。
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードを選択すると、まず第2の試薬貯蔵ボックス13の
計量ポンプ14を開き、廃水中の炭素-窒素比に応じて一定量の硫黄源を加え、バイオフ
ィルムを培養した後、進水ポンプ9を開きバイオフィルムリアクター1に注水し始め、動
作環境温度に応じて第1の試薬貯蔵ボックス12の計量ポンプ14を選択的に開き、進水
中に連続的または間欠的にキノンレドックスメディエーターを加え、脱窒を強化する目的
を達成する。
一定の時間が経過してバイオフィルムリアクター1を逆洗する必要がある場合、進水ポン
プ9を閉じ進水を停止する同時に、逆洗水ポンプ17を開き出口プール16内の貯蔵浄化
水をBエリア222に送り、同時に逆洗气ポンプ25を開き、浄化水と逆洗ガスをフィル
ターレンガ21の水流通道211を循環し、流量制御隙間212から外側に分散し、隣接
する2つのフィルターレンガ21間の隙間から、上向きに水・ガスを均一に分配し逆洗を
行い、同時に浄化水が水流通道211中を流れる期間、フィルターレンガ21の頂部に開
設された逆洗穴214を介して上層ろ材を均一に逆洗する。フィルターレンガ21は接続
穴216を介して棚板22の連通管223に固定的に接続され、フィルターレンガ21の
変位を防止することができる。異なるエリアで進水と逆洗を行うことでフィルターレンガ
詰まりを効果的に防止し、逆洗効率を高め、逆洗エネルギー消費を低減することができる
【0019】
実施例2
本実施例は、脱窒フィルターが従属栄養脱窒方式を採用して高度に二次生物化学的廃水を
浄化する場合、キノンレドックスメディエーターを加えて脱窒を強化する方法に関する。
処理する二次生物化学的廃水を検出した結果、そのCOD濃度が50~65mg/Lであ
り、TN濃度が16~19mg/Lであり、硝酸態窒素濃度が14~17mg/Lであり
、アンモニア態窒素濃度が0.4~0.6mg/Lであり、亜硝酸態窒素濃度が0.2~
0.8mg/Lであり、全リンが0.50~0.58mg/Lであり、pHが7.4~7
.6であり、環境温度が18℃である。検出結果から分かるように、そのCOD/TNが
3を超え、油圧保持時間が1.0hであり、進水全窒素負荷が0.5kg・TN/(m3
・d)であり、従属栄養脱窒フィルター処理を選択し、温度が常温であるため、間欠投与
方式を採用し、上向きの方式で脱窒フィルターを動作させる。
比較組と試験組の2組の硝化装置を設置しそれぞれ廃水を処理し、比較組では実施例1中
の機能性フィルタ層6のない装置で動作する。試験組では実施例1中の機能性フィルタ層
6を備えた硝化装置で動作する。
機能性フィルタ層6の作製方法は以下の通りである。10g/L(アルミニウムイオンで
)の硫酸アルミニウム溶液(Al2(SO4)3・18H2O)を調製し、水酸化ナトリウ
ムを加えて溶液pHを約7.0に調整し、6分間攪拌した後1.8g/Lの二酸化チタン
(TiO2)粉末を溶液に加え、溶液を密閉容器で100℃に加熱し、24時間振とうし
た後、5wt%フライアッシュと混合した多孔質セラミックサイトを選択し、洗浄して調
製された溶液に30分間浸漬し、その後取り出して自然乾燥させ、機能性フィルタ層を得
る。
硝化装置の動作期間、全窒素の出入る水の水質については、図7に示すように、70日動
作後、硝化装置の排水が比較的に安定し、脱窒フィルター排水を検出した結果、その排水
TN濃度が8~11mg/Lであり、全窒素除去率が比較的低く、この時、試験組では進
水中、1日おき120mMの1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムを加え、
その排水TOCとTN濃度を検出し、その後の35日の動作中、レドックスメディエータ
ーを加えた後、排水中のTOC濃度がほとんど変化せず、排水全窒素濃度が3.5~8.
5mg/Lであり、比較組と比較すると、平均全窒素除去率が3.75mg/L向上し、
全窒素除去率が24.6%向上し、脱窒を強化する目的を達成した、同時に排水全リンが
0.20~0.28mg/Lであり、発光細菌を使用した生物学的毒性試験から分かるよ
うに、試験組の排水の相対抑制率は、比較組よりも26%~32%低減した。単位質量当
たりの全窒素を除去するのに必要な酢酸ナトリウムの質量を6g酢酸ナトリウム/gTN
とすると、酢酸ナトリウム22.5mg/Lを添加する必要があり、酢酸ナトリウムの価
格を2500元/トンとし、1,2-ナフトキノン-4-スルホン酸ナトリウムを220
0元/kg(95%純度)として計算すると、コストを0.022元/m3節約し、炭素源
投与コストを38.7%節約することができる。逆洗部材の水の分配の均一性が93%に
達し、逆洗エネルギー消費が34%削減された。
【0020】
実施例3
本実施例は、脱窒フィルターは硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒方式を採用して低温下で高
度に産業廃水(紡績廃水)の二次生物化学的廃水を浄化するとき、キノンレドックスメデ
ィエーターを加えて脱窒を強化する方法に関する。
処理する二次生物化学的廃水を検出した結果、そのCOD濃度が30~35mg/Lであ
り、TN濃度が15~18mg/Lであり、硝酸態窒素濃度が13~15mg/Lであり
、アンモニア態窒素濃度が0.1~0.3mg/Lであり、亜硝酸態窒素濃度が0.1~
0.4mg/Lであり、全リンが0.15~0.26mg/Lであり、pHが7.5~7
.8であり、環境温度が10℃である。そのCOD/TNが3未満であるため、油圧保持
時間が2.0hであり、進水全窒素負荷が0.15kg・TN/(m3・d)であるため、
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒フィルター処理を使用し、温度が低温条件であるため、連
続的投与方式を使用し、上向き方式で脱窒フィルターを動作させ、油圧保持時間を2.0
hとし、硫化ナトリウムを硫黄源として選択し、従属栄養脱窒と独立栄養逆消化1:1の
比で添加するので、添加される硫化ナトリウム濃度が40mg/Lである。
比較組と試験組の2組の硝化装置を設置しそれぞれ廃水を処理し、比較組では実施例1中
の機能性フィルタ層6のない装置で動作する。試験組では実施例1中の機能性フィルタ層
6を備えた硝化装置で動作する。
機能性フィルタ層6の作製方法は以下の通りである。重量%で、65.5%SiO2、1
4.3%Al2O3、1.78%Fe2O3、1.08%CaO、1.42%MgO、0
.2%K2O、0.19%TiO2でモンモリロナイトを構成し、その固液比1:100
のモンモリロナイト懸濁液を24h膨潤させ、22kHz超音波下で5min分散させる
。0.1MFeCl3溶液に0.1MNaOH溶液を加え、[OH]/[Fe]=2.0にし
、鉄ポリヒドロキシ錯体を使用して修飾溶液を調製した。修飾溶液を、鉄と粘土の比率が
1.0mmol/gになるように粘土懸濁液に滴下し、混合した懸濁溶液を室温で24h
保持した。粘土を遠心分離し、蒸留水で塩素が含まないまで洗浄し、室温で乾燥させ、5
00℃で2h焼成した後機能性層ろ材を得る。
リアクターの動作結果は、図8に示すように、70日動作させると、リアクターの排水が
比較的に安定し、脱窒フィルターの排水を検出した結果、その排水TN濃度が9~12m
g/Lであり、全窒素除去率が低く、このとき試験組では進水中、70mMのアントラキ
ノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムを連続的に投与し、その排水TOCとTN濃度
を検出し、その後の35日の動作中、レドックスメディエーターを添加し、排水TOC濃
度がほとんど変化せず、排水全窒素濃度が5.8~9.6mg/Lであり、比較組と比較
すると、平均全窒素除去率が3.10mg/L向上し、全窒素除去率が18.2%向上し
、脱窒を強化する目的を達成し、同時に排水全リンが0.08~0.14mg/Lであり
、発光細菌を使用した生物学的毒性試験から分かるように、試験組の排水の相対抑制率が
比較組よりも48%~52%低減した。単位質量当たりの全窒素を除去するのに必要な酢
酸ナトリウムの質量を6g酢酸ナトリウム/gTNとすると、酢酸ナトリウム18.6m
g/Lを添加する必要があり、酢酸ナトリウムの価格を2500元/トンとし、アントラ
キノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムを1200元/kg(90%純度)として計算
すると、コスト0.020元/m3節約でき、炭素源投与コストを42.3%節約ことが
できる。逆洗部材の水の分配の均一性が94.5%に達し、逆洗エネルギー消費が35%
削減された。
【0021】
実施例4
本実施例は、脱窒フィルターは従属栄養脱窒方式を使用して低温下で高度に都市廃水の二
次生物化学的廃水を浄化する場合、キノンレドックスメディエーターを加えて脱窒を強化
する方法に関する。
処理する都市廃水を検出した結果、そのCOD濃度が40~60mg/Lであり、TN濃
度が14~16mg/Lであり、硝酸態窒素濃度が13~15mg/Lであり、アンモニ
ア態窒素濃度が0.4~0.6mg/Lであり、亜硝酸態窒素濃度が0.2~0.5mg
/Lであり、全リンが0.56~0.64mg/Lであり、pHが7.0~7.2であり
、環境温度が12℃である。そのCOD/TNが大体3を超えるため、油圧保持時間が1
.5hであり、進水全窒素負荷が0.4kg・TN/(m3・d)であるため、従属栄養脱
窒フィルター処理を使用し、温度が低温条件であるので、連続的投与の方式を使用し、重
力流方式で脱窒フィルターを動作させる。
比較組と試験組の2組硝化装置を設置しそれぞれ廃水を処理し、比較組では実施例1中の
機能性フィルタ層6のない装置で動作する。試験組では実施例1中の機能性フィルタ層6
を備えた硝化装置で動作する。
機能性フィルタ層6の作製方法は以下の通りである。10g/L(アルミニウムイオンで
)の硫酸アルミニウム溶液(Al2(SO4)3・18H2O)を調製し、水酸化ナトリウ
ムを加えて溶液pHを約7.0に調整し、6分間攪拌した後1.0g/Lの二酸化チタン
(TiO2)粉末を溶液に加え、溶液を密閉容器で105℃に加熱し、48時間振とうし
た後、10wt%フライアッシュと混合した多孔質セラミックサイトを選択し、洗浄し、
調製された溶液に30分間浸漬した後取り出し、自然乾燥させ、機能性フィルタ層を得る

リアクター動作結果は図9に示すように、70日動作すると、排水が比較的安定し、脱窒
フィルター排水を検出した結果、その排水TN濃度が9~11mg/Lであり、全窒素除
去率が低く、このとき試験組では進水中、80mMのアントラキノン-2-スルホン酸ナ
トリウムを連続的に投与し、その排水TN濃度を検出し、その後35日の動作中、レドッ
クスメディエーターを加えた後、排水全窒素濃度が4.5~6.4mg/Lであり、比較
組と比較すると、平均全窒素除去率が4.55mg/L向上し、全窒素除去率が42.5
%向上し、脱窒を強化する目的を達成し、同時に排水全リンが0.26~0.36mg/
Lに達し、発光細菌を使用した生物学的毒性試験から分かるように、試験組の排水相対抑
制率が比較組よりも18%~24%削減した。単位質量当たりの全窒素を除去するのに必
要な酢酸ナトリウムの質量を6g酢酸ナトリウム/gTNとすると、酢酸ナトリウム27
.3mg/Lを添加必要があり、酢酸ナトリウムを2500元/トンとし、アントラキノ
ン-2-スルホン酸ナトリウムを1600元/kg(92%純度)として計算すると、コス
ト0.028元/m3節約でき、炭素源投与コストを41.8%節約した。逆洗部材の水
の分配の均一性が95%に達し、逆洗エネルギー消費が38%削減された。
【0022】
実施例5
本実施例は、脱窒フィルターは硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒方式を使用して常温下で高
度にある都市汚水処理場の二次生物化学的廃水を浄化する場合、キノンレドックスメディ
エーターを加えて脱窒を強化する方法に関する。
まず、ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイトを機能性フィルタ層6として
作製し、その作製方法は以下の通りである。
処理する地面のマイクロ汚水を検出した結果、そのCOD濃度が20~30mg/Lで、
TN濃度が15~20mg/Lで、硝酸態窒素濃度が14~19mg/Lで、アンモニア
態窒素濃度が0.2~0.3mg/Lで、亜硝酸態窒素濃度が0.2~0.4mg/Lで
、全リンが0.20~0.28mg/Lで、pHが7.4~7.6で、環境温度が22℃
である。そのCOD/TNが3未満であるため、硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒フィルタ
ー処理を使用し、温度が常温条件であるため、間欠的に投与し、重力流方式で脱窒フィル
ターを動作させ、油圧保持時間が2.5hであり、元素硫黄を硫黄源として選択し、従属
栄養脱窒と独立栄養逆消化1:1.5の比で添加し、添加される元素硫黄の量が80mg
/Lである。
比較組と試験組の2組硝化装置を設置しそれぞれ廃水を処理し、比較組では実施例1中の
機能性フィルタ層6のない装置で動作する。試験組では実施例1中の機能性フィルタ層6
を備えた硝化装置で動作する。
機能性フィルタ層6の作製方法は以下の通りである。機能性フィルタ層6は、ポリヒドロ
キシコンプレックス修飾モンモリロナイト層からなり、ポリヒドロキシコンプレックス修
飾モンモリロナイト層中のモンモリロナイトは、重量%で、65.5%SiO2、14.
3%Al2O3、1.78%Fe2O3、1.08%CaO、1.42%MgO、0.2
%K2O、0.19%TiO2からなる。
ポリヒドロキシコンプレックス修飾モンモリロナイトの作製方法は、以下のステップを含
む。固液比1:100のモンモリロナイト懸濁液を24h膨潤させ、22kHz超音波下
で5min分散させる。0.1MFeCl3溶液に0.1MNaOH溶液を加え、[OH]
/[Fe]=2.0にし、鉄ポリヒドロキシ錯体を形成し、修飾溶液を調製する。修飾溶液
を、鉄と粘土の比率が1.0mmol/gになるように粘土懸濁液に滴下し、混合した懸
濁溶液を室温で24h保持する。粘土を遠心分離し、蒸留水で塩素が含まないまで洗浄し
、室温で乾燥させた後、500℃で2h焼成して機能性フィルタ層を得る。
リアクターの結果は図10に示すように、70日動作すると、排水が比較的に安定し、脱
窒フィルター排水を検出した結果、その排水TN濃度が10~13mg/Lであり、全窒
素除去率が低く、この時試験組では進水中、1日おき120mMのアントラキノン-2,
6-ジスルホン酸二ナトリウムを投与し、その排水TN濃度を検出し、その後35日の動
作中、レドックスメディエーターを添加した後、排水全窒素濃度が5.8~7.6mg/
Lであり、比較組と比較すると、平均全窒素除が4.8mg/L向上し、全窒素除去率が
41.7%向上し、脱窒を強化する目的を達成し、同時に排水全リンが0.12~0.1
6mg/Lに達し、発光細菌を使用した生物学的毒性試験から分かるように、試験組の排
水相対抑制率が比較組よりも12%~20%削減した。単位質量当たりの全窒素を除去す
るのに必要な酢酸ナトリウムの質量を6g酢酸ナトリウム/gTNとすると、酢酸ナトリ
ウム28.8mg/Lを添加する必要があり、酢酸ナトリウムを2500元/トンとし、
アントラキノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムを1800元/kg(95%純度)と
して計算すると、コスト0.032元/m3節約でき、炭素源投与コストを44.8%節
約した。逆洗部材の水の分配の均一性が96%に達し、逆洗エネルギー消費が40%削減
された。
【0023】
なお、当業者であれば、本発明の思想および具体的な実施例に基づいて、本発明の開示内
容及び常識からいくつかの変形を直接想到でき、その詳細を省略するが、他の方法、また
は従来技術の周知技術の置換、および特徴間の様々な組み合わせなどの実質的でない変更
によっても同様に本発明の機能および効果を達成することもできるが、それぞれ本発明の
保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体構造を有し、下から上へ順次進水領域(3)、逆洗部材(2)、玉石層(4)、セ
ラミックサイト層(5)、およびアルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層或い
鉄ポリヒドロキシ錯体で修飾されたモンモリロナイト層からなる機能性フィルタ層(6
)を含み、頂部の外側にオーバーフロー堰(7)が設けられるバイオフィルムリアクター
(1)と、
進水ポンプ(9)を備えた進水管(10)を介して前記進水領域(3)に接続され、内部
にスターラー(11)が設けられ、汚水を貯蔵するための注入口プール(8)と、
計量ポンプ(14)を備えた試薬添加管(15)を介して注入口プール(8)に接続され
、貯蔵キノンレドックスメディエーターを貯蔵するための第1の試薬貯蔵ボックス(12
)、硫黄源を貯蔵するための第2の試薬貯蔵ボックス(13)、および炭素源を貯蔵する
ための第3の試薬貯蔵ボックス(20)と、
水排出管(19)を介して前記オーバーフロー堰(7)に接続され、逆洗水ポンプ(23
)を備えた逆洗管(17)を介して前記逆洗部材(2)に接続され、その上部にバルブ付
きの水排出口(161)が設けられ、浄化水を貯蔵するための出口プール(16)と、
進水ポンプ(9)、スターラー(11)、計量ポンプ(14)、逆洗水ポンプ(23)と
電気的に接続され、装置全体の動作を制御するためのPLCコントローラー(18)と、
を含むことを特徴とする汚水の独立栄養脱窒処理および従属栄養脱窒処理に使用される
を浄化するためのバイオフィルムリアクター。
【請求項2】
請求項1に記載のバイオフィルムリアクター(1)を使用して、汚水の独立栄養脱窒処理
および従属栄養脱窒処理に使用される汚水を浄化するための動作方法であって、
S1:処理する生物化学的廃水を検出し、その炭素-窒素比を測定し、進水状況に応じて
進水全窒素負荷を算出して、算出結果に従って、従属栄養脱窒モードまたは硫黄の独立栄
養‐従属栄養脱窒モードを選択して処理し、選択された処理方式に応じて、バイオフィル
ムリアクター(1)への後継の処理および薬物添加を実施すること、
S2:従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、フィルターが正常に開始され
た後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に50~120nMキノンレドック
スメディエーターを加え、
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、廃水中の炭素-窒
素比に応じて一定量の硫黄源を追加し、バイオフィルムを培養しフィルターを正常に開示
した後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に70~150nMキノンレドッ
クスメディエーターを加え、脱窒を強化させる、を含むことを特徴とする動作方法。
【請求項3】
前記生物化学的廃水は、都市汚水処理場の生物化学的廃水、産業廃水の生物化学的廃水の
中のいずれか1つであり、全窒素濃度が30mg/L以下であることを特徴とする請求項
に記載の動作方法。
【請求項4】
前記従属栄養脱窒モードが、COD/TN≧3、進水により設計された進水全窒素負荷が
0.25~0.60kg・TN/(m3・d)である条件下で選択され、
前記硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードが、COD/TN<3、進水により設計された
進水全窒素負荷が0.05~0.35kg・TN/(m3・d)である条件下で選択される
、ことを特徴とする請求項に記載の動作方法。
【請求項5】
前記従属栄養脱窒モードでは、温度が15~25℃である場合、キノンレドックスメディ
エーターを一日おきに加え、添加濃度が80~120nMであり、温度が10~15℃で
ある場合、連続的に投与し、投与濃度が50~100nMであり、前記キノンレドックス
メディエーターは、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム、1,2-ナフトキノン
-4-スルホン酸ナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムの中
のいずれか1つであることを特徴とする請求項に記載の動作方法。
【請求項6】
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードにおいて、従属栄養脱窒モードでは、前記硫黄源は
元素硫黄、硫化ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムの中のいずれか1つであることを特
徴とする請求項に記載の動作方法。
【手続補正書】
【提出日】2020-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体構造を有し、下から上へ順次入水領域(3)、逆洗部材(2)、玉石層(4)、セ
ラミックサイト層(5)、およびアルミナと二酸化チタンからなる機能性フィルタ層或い
は鉄ポリヒドロキシ錯体で修飾されたモンモリロナイト層からなる機能性フィルタ層(6
)を含み、頂部の外側にオーバーフロー堰(7)が設けられるバイオフィルムリアクター
(1)と、
入水ポンプ(9)を備えた入水管(10)を介して前記入水領域(3)に接続され、内部
にスターラー(11)が設けられ、汚水を貯蔵するための注入口プール(8)と、
計量ポンプ(14)を備えた試薬添加管(15)を介して注入口プール(8)に接続され
、貯蔵キノンレドックスメディエーターを貯蔵するための第1の試薬貯蔵ボックス(12
)、硫黄源を貯蔵するための第2の試薬貯蔵ボックス(13)、および炭素源を貯蔵する
ための第3の試薬貯蔵ボックス(20)と、
水排出管(19)を介して前記オーバーフロー堰(7)に接続され、逆洗水ポンプ(23
)を備えた逆洗管(17)を介して前記逆洗部材(2)に接続され、その上部にバルブ付
きの水排出口(161)が設けられ、浄化水を貯蔵するための出口プール(16)と、
入水ポンプ(9)、スターラー(11)、計量ポンプ(14)、逆洗水ポンプ(23)と
電気的に接続され、装置全体の動作を制御するためのPLCコントローラー(18)と、
を含むことを特徴とする汚水の独立栄養脱窒処理および従属栄養脱窒処理に使用される汚
水を浄化するためのバイオフィルムリアクター。
【請求項2】
請求項1に記載のバイオフィルムリアクター(1)を使用して、汚水の独立栄養脱窒処理
および従属栄養脱窒処理に使用される汚水を浄化するための動作方法であって、
S1:処理する生物化学的廃水を検出し、その炭素-窒素比を測定し、入水状況に応じて
入水全窒素負荷を算出して、算出結果に従って、従属栄養脱窒モードまたは硫黄の独立栄
養‐従属栄養脱窒モードを選択して処理し、選択された処理方式に応じて、バイオフィル
ムリアクター(1)への後継の処理および薬物添加を実施すること、
S2:従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、フィルターが正常に開始され
た後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に50~120nMキノンレドック
スメディエーターを加え、
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードを選択して廃水を処理する場合、廃水中の炭素-窒
素比に応じて一定量の硫黄源を追加し、バイオフィルムを培養しフィルターを正常に開示
した後、動作環境温度に応じて水に連続的または間欠的に70~150nMキノンレドッ
クスメディエーターを加え、脱窒を強化させる、を含むことを特徴とする動作方法。
【請求項3】
前記生物化学的廃水は、都市汚水処理場の生物化学的廃水、産業廃水の生物化学的廃水の
中のいずれか1つであり、全窒素濃度が30mg/L以下であることを特徴とする請求項
2に記載の動作方法。
【請求項4】
前記従属栄養脱窒モードが、COD/TN≧3、入水により設計された入水全窒素負荷が
0.25~0.60kg・TN/(m ・d)である条件下で選択され、
前記硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードが、COD/TN<3、入水により設計された
入水全窒素負荷が0.05~0.35kg・TN/(m ・d)である条件下で選択される
、ことを特徴とする請求項2に記載の動作方法。
【請求項5】
前記従属栄養脱窒モードでは、温度が15~25℃である場合、キノンレドックスメディ
エーターを一日おきに加え、添加濃度が80~120nMであり、温度が10~15℃で
ある場合、連続的に投与し、投与濃度が50~100nMであり、前記キノンレドックス
メディエーターは、アントラキノン-2-スルホン酸ナトリウム、1,2-ナフトキノン
-4-スルホン酸ナトリウム、アントラキノン-2,6-ジスルホン酸二ナトリウムの中
のいずれか1つであることを特徴とする請求項2に記載の動作方法。
【請求項6】
硫黄の独立栄養‐従属栄養脱窒モードにおいて、従属栄養脱窒モードでは、前記硫黄源は
元素硫黄、硫化ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムの中のいずれか1つであることを特
徴とする請求項2に記載の動作方法。