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  • 特開-密閉式空気膜造形防音室 図1
  • 特開-密閉式空気膜造形防音室 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032884
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】密閉式空気膜造形防音室
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220217BHJP
   E04B 1/82 20060101ALI20220217BHJP
   E04B 1/84 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
E04H1/12 302C
E04B1/82 M
E04B1/84 Z
E04B1/82 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020146316
(22)【出願日】2020-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】594154071
【氏名又は名称】ヤキィー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松岡 清明
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001DF04
2E001FA24
2E001FA41
2E001GA24
2E001HE07
(57)【要約】
【課題】空気の注入及び排出または強制的な吸引にて、容易に設置場所に搬入搬出及び設置解体可能な防音性能を高めた空間を建物内に自由に配置出来る防音室を提供する。
【解決の手段】密閉式空気膜造形用の膜材料と遮音効果吸音効果の高いシートを組み合わせ貼り合わせて新たに改良したシート、または遮音効果吸音効果の高いシートを密閉式空気膜造形用の膜材料として使用できるように新たに改良したシートを用いて、防音室を構成する床、天井、壁、及び出入口等のそれぞれの構造物を一体化した、または組合わせていくつかのパーツに分けた、または分割した、密閉式空気膜造形物としての防音室。
空気を注入により防音室が形成され、注入した空気を排出または強制的に吸引することにより、小さく折り畳めるサイズにすることを特徴としている。
密閉式空気膜造形物の空気を注入する空間に吸音効果の高い微細な繊維を挿入して防音効果を上げる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉式空気膜造形用の膜材料と遮音効果吸音効果の高いシートを組み合わせ貼り合わせて新たに改良したシート、または遮音効果吸音効果の高いシートを密閉式空気膜造形用の膜材料として使用できるように新たに改良したシートを用いた、防音室を構成する床、天井、壁、及び出入口等のそれぞれの構造物(以下 防音室構造物という)を一体化して、または組合わせていくつかのパーツに分けて、または分割して、外気圧より高い圧力をかけた空気を注入することにより防音室が形成でき、また その注入した空気を排出または強制的に吸引することにより、小さく折り畳めるサイズにすることが可能な密閉式空気膜造形物としての防音室。
【請求項2】
その密閉式空気膜造形物の空気を注入する空間に吸音効果の高い微細な繊維を挿入して、より防音効果を高めることを特徴とする防音室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
テレワークスペース、コワーキングスペースとしてでも利用できる防音室を、設置場所への搬入搬出作業及び設置場所での設置解体作業が容易に出来、建物内に自由に配置も出来る 密閉式空気膜造形物として提供する技術分野。
【背景技術】
【0002】
従来 遮音効果の高い部材 吸音効果の高い部材を組み合わせることにより防音効果の優れた防音室はよく製作されている。
【0003】
その製作工程は、防音効果を高めるために複雑で手間がかかりコストも高く、製作過程で生じる防音室構造物間の隙間が音漏れの原因になるため、そこをふさぐ作業にも手間がかかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-008553 防音室
【特許物件2】
特開2006-241957 移動組立て式防音室
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】CEFINE・NS(セフィーネNS)カタログ ヤマハ株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の防音室製作に比べ 設置場所への搬入搬出作業及び設置場所での設置解体作業を容易にし、建物内に自由に配置出来る防音室を密閉式空気膜造形物として製作する。
【0007】
製作組立の手間及びコストの低減を図る。
【0008】
防音室製作及び組立に伴う固体音の伝導に関与する接合具・固定具の使用箇所を減らす。
【0009】
音漏れの原因になる防音室構造物間の隙間を減らす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
密閉式空気膜造形物として防音室を提供するため 密閉式空気膜造形用の膜材料と遮音効果吸音効果の高いシートを組み合わせ貼り合わせて新たに改良したシート、または遮音効果吸音効果の高いシートを密閉式空気膜造形用の膜材料として使用できるように新たに改良したシートを製作する。(新たに改良したシートを以下 防音室空気膜シートと言う)
【0011】
防音室を構成する床、天井、壁、及び出入口等のそれぞれの構造物(以下 防音室構造物という)を一体化して、または組合わせていくつかのパーツに分けて、または分割して、外気圧より高い圧力をかけた空気を注入することにより ある幅を持った対応する防音室構造物を形成できる密閉式空気膜造形物(以下 空気膜構造物と言う)を防音室空気膜シートにて製作する。
(以下 空気膜構造物として一体化された防音室及び空気膜構造物の集合にて製作された防音室を空気膜防音室と言う)
【0012】
防音室製作及び組立に伴う固体音の伝導に関与する接合具・固定具の使用箇所を減らすため空気膜防音室とする。
【0013】
音漏れの原因になる防音室構造物間の隙間を減らすため、空気膜構造物の集合にて製作される空気膜防音室の場合は、空気膜構造物同士圧迫接触するように組み立てる。
【0014】
一層の防音効果を高めるため、空気膜構造物の空気を注入する空間に吸音効果の高い微細な繊維を挿入する。
【発明の効果】
【0015】
空気膜防音室は、空気の注入及び排出にて、または空気の注入及び吸引にて、設置場所への搬入搬出作業及び設置場所での設置解体作業が容易に出来、建物内に自由に配置も出来る。
【0016】
空気膜防音室は、防音室空気膜シートにて製作されているため、防音室製作及び組立に伴う固体音の伝導に関与する接合具・固定具の使用箇所を減らすことが可能となる。
【0017】
空気膜構造物の集合にて製作された空気膜防音室は、空気圧によって空気膜構造物同士が圧迫接触するように組立てられるため 防音室構造物間の隙間を減らせ音漏れを減少させることが出来る。
【0018】
空気膜構造物の空気を注入する空間に吸音効果の高い微細な繊維を挿入することにより防音効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】 全体の俯瞰図
図2】 ABCD断面矢視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
空気を抜いて小さく折り畳まれた空気膜構造物を設置予定の建物内に搬入し、設置場所に組立後の配置を考慮して広げる。
空気注入器により空気膜構造物に取り付けられた空気注入口から空気を外気圧以上の圧力で注入し 所定の空気量を注入後 空気注入口に栓をして空気が外部に漏れ出さないようにする。
空気膜構造物の集合にて製作される空気膜防音室の場合は、それぞれを組み合わせて空気膜防音室としての形状となった状態で建物に固定する。
【0021】
その後換気システム、空調システム及び照明器具を取り付け また室内に必要なものを搬入し、要望に応じて室内を内装材または防音性の高い材料にて装飾して、テレワークスペースやコワーキングスペースとして使用してもよい。
【0022】
防音室として使用した後撤去の必要が生じた場合は、室内に搬入したものや装飾品等の部材を取り外し搬出する。
【0023】
空気膜構造物の集合にて製作される空気膜防音室の場合はそれぞれに分解して、その後空気膜構造物内の空気を排出し、または空気吸引機で強制的に吸引して、小さく折り畳める状態にする。
運搬可能な形状になったら設置した建物から搬出し撤去作業は終了する。
【符号の説明】
【0024】
10 空気膜構造物天井
11a 空気膜構造物壁
11b 空気膜構造物壁
12a 空気膜構造物壁
12b 空気膜構造物壁
13 出入口
15 空気膜構造物床
20 内装床板
21a 内装壁材
21b 内装壁材
22 内装天井材
30 吸気口
31 排気口
32 排気用ファン
33 空調機(室内機)
34 空調機(室外機)
50 吸音効果の高い微細な繊維
51 建物床
図1
図2