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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032948
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】前方車体構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/18 20060101AFI20220217BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B60R19/18 A
B62D25/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069236
(22)【出願日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0101493
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 秉 奎
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ショートオーバハングタイプの軽・小型車の車体において、簡単な構成で重量を低減でき、正面衝突安全性を確保できる前方車体構造を提供する。
【解決手段】本発明による前方車体構造は、i)フロントサイドメンバ10にマウンティングプレート11を介して装着されるサブフレーム20と、ii)サブフレームの両側前端に車体の長手方向に沿ってそれぞれ結合されるロアクラッシュボックス30と、iii)ロアクラッシュボックスに車幅方向に沿って連結されるラジエータサポートロアメンバ50と、iv)ロアクラッシュボックスの前端に車幅方向に沿って連結されるロアスティフナ70と、を含んで構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサイドメンバにマウンティングプレートを介して装着されるサブフレームと、
前記サブフレームの両側前端に車体の長手方向に沿ってそれぞれ結合されるロアクラッシュボックスと、
前記ロアクラッシュボックスに車幅方向に沿って連結されるラジエータサポートロアメンバと、
前記ロアクラッシュボックスの前端に車幅方向に沿って連結されるロアスティフナと、
を含むことを特徴とする前方車体構造。
【請求項2】
前記サブフレームは、
前記フロントサイドメンバの後方側に連結されるフレーム本体と、
前記フレーム本体の両側前端にそれぞれ連結され、前記フロントサイドメンバの前端側と結合される縦方向メンバと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項3】
前記フロントサイドメンバの前端には、前記マウンティングプレートが上下方向に沿って結合され、
前記縦方向メンバの前端部は、前記マウンティングプレートの下部と結合されることを特徴とする請求項2に記載の前方車体構造。
【請求項4】
前記ロアクラッシュボックスは、
前記縦方向メンバの前端にステーブラケットを介して車体の長手方向に沿って連結されることを特徴とする請求項2に記載の前方車体構造。
【請求項5】
前記ステーブラケットは、
ステーマウンティング部を介して前記縦方向メンバの前端に結合されることを特徴とする請求項4に記載の前方車体構造。
【請求項6】
前記ラジエータサポートロアメンバは、
車幅方向に沿った両端に前記ロアクラッシュボックスと接合されるように形成された接合フランジ部を含むことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項7】
前記ロアスティフナは、
前記ロアクラッシュボックスの前端に形成されたラウンド形態の装着溝に結合されることを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項8】
前記ロアスティフナ、前記ロアクラッシュボックスおよび前記サブフレームは、車体の長手方向に沿って互いに連結されることを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項9】
前記フロントサイドメンバの前端にアッパクラッシュボックスを介して車幅方向に沿って連結されるバックビームをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項10】
前記アッパクラッシュボックスを介して前記バックビームと前記フロントサイドメンバとを連結する第1ロードパスと、
前記ロアクラッシュボックスを介して前記ロアスティフナと前記サブフレームとを連結する第2ロードパスと、
前記フロントサイドメンバの前端に結合されたマウンティングプレートを介して前記第1ロードパスと前記第2ロードパスとを上下方向に連結する第3ロードパスと、
が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の前方車体構造。
【請求項11】
車体の長手方向に両側に備えられるフロントサイドメンバと、
前記各フロントサイドメンバの前方にその上部が結合するマウンティングプレートと、
前記両側のマウンティングプレートと結合するバックビームと、
前記各フロントサイドメンバの後方と結合するフレーム本体と、前記フレーム本体の前方両側に備えられ、前記各マウンティングプレートの下部に結合する縦方向メンバと、を含むサブフレームと、
前記各サブフレームの前方両側に結合するロアクラッシュボックスと、
前記各ロアクラッシュボックスに結合するラジエータサポートロアメンバと、を含むことを特徴とする前方車体構造。
【請求項12】
前記各ロアクラッシュボックスに結合するロアスティフナをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の前方車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、前方車体構造に関し、より詳しくは、ショートオーバハングデザインの軽・小型車の前方車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、軽・小型自動車のように基本的に車体が小さい場合には、室内空間確保のためにショートオーバハング(short overhang)デザインを採用している。このようなショートオーバハングデザインの軽・小型自動車は、自動車の運動性能や回転安定性を確保できる。しかし、ショートオーバハングデザインの軽・小型自動車は、衝突による衝撃を吸収し、搭乗者に伝達される衝撃を低減するクラッシュゾーンが相対的に狭いため、衝突時、搭乗者の過剰な傷害を誘発することがある。
【0003】
これを改善するために、従来は、一例として、車体の前方側に横方向メンバを有するサブフレームを装着し、その前方側にフロントエンドモジュール(FEM)を構成する又はラジエータサポートメンバを構成している。しかし、従来は、前記のように車両の正面衝突安全性を確保するための構造物を適用するため、エンジンルームの空間が狭くなり、サブフレームのタイプの変更による重量およびコスト上昇をまねいていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ショートオーバハングタイプの軽・小型車の車体において、簡単な構成でもって重量とコストを低減でき、正面衝突安全性を確保できる前方車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による前方車体構造は、フロントサイドメンバにマウンティングプレートを介して装着されるサブフレームと、前記サブフレームの両側前端に車体の長手方向に沿ってそれぞれ結合されるロアクラッシュボックスと、前記ロアクラッシュボックスに車幅方向に沿って連結されるラジエータサポートロアメンバと、前記ロアクラッシュボックスの前端に車幅方向に沿って連結されるロアスティフナと、を含むことを特徴とする。
【0006】
前記サブフレームは、前記フロントサイドメンバの後方側に連結されるフレーム本体と、前記フレーム本体の両側前端にそれぞれ連結され、前記フロントサイドメンバの前端側と結合される縦方向メンバとを含むことを特徴とする。
【0007】
前記フロントサイドメンバの前端には、前記マウンティングプレートが上下方向に沿って結合され、前記縦方向メンバの前端部は、前記マウンティングプレートの下部と結合されることを特徴とする。
【0008】
前記ロアクラッシュボックスは、前記縦方向メンバの前端にステーブラケットを介して車体の長手方向に沿って連結されることを特徴とする。
【0009】
前記ステーブラケットは、ステーマウンティング部を介して前記縦方向メンバの前端に結合されることを特徴とする。
【0010】
前記ラジエータサポートロアメンバは、車幅方向に沿った両端に前記ロアクラッシュボックスと接合されるように形成された接合フランジ部を含むことを特徴とする。
【0011】
前記ロアスティフナは、前記ロアクラッシュボックスの前端に形成されたラウンド形態の装着溝に結合されることを特徴とする。
【0012】
前記ロアスティフナ、前記ロアクラッシュボックスおよび前記サブフレームは、車体の長手方向に沿って互いに連結されることを特徴とする。
【0013】
前記フロントサイドメンバの前端にアッパクラッシュボックスを介して車幅方向に沿って連結されるバックビームをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
前記アッパクラッシュボックスを介して前記バックビームと前記フロントサイドメンバとを連結する第1ロードパスと、前記ロアクラッシュボックスを介して前記ロアスティフナと前記サブフレームとを連結する第2ロードパスと、前記フロントサイドメンバの前端に結合されたマウンティングプレートを介して前記第1ロードパスと前記第2ロードパスとを上下方向に連結する第3ロードパスと、が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明による他の前方車体構造は、車体の長手方向に両側に備えられるフロントサイドメンバと、前記各フロントサイドメンバの前方にその上部が結合するマウンティングプレートと、前記両側のマウンティングプレートと結合するバックビームと、前記各フロントサイドメンバの後方と結合するフレーム本体と、前記フレーム本体の前方両側に備えられ、前記各マウンティングプレートの下部に結合する縦方向メンバとを含むサブフレームと、前記各サブフレームの前方両側に結合するロアクラッシュボックスと、前記各ロアクラッシュボックスに結合するラジエータサポートロアメンバと、を含むことを特徴とする。
【0016】
前記各ロアクラッシュボックスに結合するロアスティフナをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による前記前方車体構造は、ショートオーバハングタイプの軽・小型車の車体に適用でき、サブフレームと、ロアクラッシュボックスと、ラジエータサポートロアメンバと、ロアスティフナと、を設けたので、衝突エネルギーを効果的に分散させることができる。また、様々な方向のロードパスを設けたので、衝突エネルギーを効果的に分散でき、正面衝突安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例による前方車体構造を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例による前方車体構造を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施例による前方車体構造を示す側面図である。
図4】本発明の実施例による前方車体構造に適用できるロアクラッシュボックスを示す図である。
図5】本発明の実施例による前方車体構造に適用できるラジエータサポートロアメンバの結合構造を示す図である。
図6】本発明の実施例による前方車体構造に適用できるラジエータサポートロアメンバの結合構造を示す図である。
図7】本発明の実施例による前方車体構造に適用できるロアスティフナの結合構造を示す図である。
図8】本発明の実施例による前方車体構造に適用されるバックビームの結合構造を示す図である。
図9図8のA部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について詳しく説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
【0020】
明細書全体にわたって、同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上のためのものである。部分および領域を明確にするため、厚さを拡大して示している。構成の名称を第1、第2などは、同一の関係を区分するためのものである。構成要素を含むとする場合、他の構成要素をさらに包含できるものとする。明細書に記載の...部、...手段などの用語は、1つの機能や動作をする包括的な構成の単位を意味する。
【0021】
図1は、本発明の実施例による前方車体構造を示す結合斜視図であり、図2は、本発明の実施例による前方車体構造を示す分解斜視図であり、図3は、本発明の実施例による前方車体構造を示す側面構成図である。図1図3に示すように、本発明の実施例による前方車体構造100は、フロントサスペンションが装着された車両の前方構造に適用可能である。この構造は、韓国国内およびグローバル新興市場で需要が伸びている軽・小型自動車の前方構造に適用可能である。
【0022】
本発明の実施例による前方車体構造100は、軸間距離を長くして自動車の運動性能や回転安定性を確保できるショートオーバハングタイプの軽・小型自動車の車体に適用可能である。ここで、前方車体構造100は、車体1の前方側下部でエンジン、変速機、シャーシ部品などを支持することができる。当業界では、車幅方向をL方向、車体の前後方向をT方向、そして車体の高さ方向をH方向とする。しかし、本発明の実施例では、基準方向としてLTH方向に設定する代わりに、車幅方向、車体の長手方向および上下方向に設定して、下記の構成要素を説明する。さらに、下記の端(一側/一側端または他の一側/一側端)は、いずれか一方の端と定義され、その端を含む一定部分(一側/一側端部または他の一側/一側端部)と定義されてもよい。
【0023】
本発明による前方車体構造100は、ショートオーバハングタイプの軽・小型車の車体における簡単な構成でもって重量とコストを低減でき、正面衝突安全性を確保できる。前方車体構造100は、基本的に、サブフレーム20と、ロアクラッシュボックス30と、ラジエータサポートロアメンバ50と、ロアスティフナ70と、バックビーム80とを含んでなる。
【0024】
サブフレーム20は、車両の衝突事故の発生時、衝突荷重を車体から伝達され、車体から適切に離脱しながらエンジンや変速機などが車室側に移動するのを防止することができる。サブフレーム20は、車体1の前方下側で両側のフロントサイドメンバ10にマウンティングプレート11を介して装着される。サブフレーム20は、フロントサイドメンバ10の前方側および後方側の下部に装着される。マウンティングプレート11は、フロントサイドメンバ10の前端に上下方向に結合される。マウンティングプレート11は、その上端を介してフェンダエプロンアッパ13と連結される。そして、フロントサイドメンバ10の後端側には、リヤロアメンバ15が連結される。
【0025】
サブフレーム20は、複数のマウンティング部、例えば、4点の車体マウンティング部21a、21b、21c、21dを介してフロントサイドメンバ10の前方および後方下部に装着される。サブフレーム20は、フレーム本体23と、縦方向メンバ25とを含む。フレーム本体23は、上板と下板とが接合された本体として備えられ、そのフレーム本体23の両側には、フロントサスペンションのロアアーム(図示せず)が連結される。フレーム本体23は、フロントサイドメンバ10の後方下部に装着される。
【0026】
このようなフレーム本体23は、4点の車体マウンティング部21a、21b、21c、21dのうち後方両側に備えられた2点の車体マウンティング部21c、21dを介してフロントサイドメンバ10の後方下部に装着される。縦方向メンバ25は、フレーム本体23の両側前端からフロントサイドメンバ10の両側前端に延長形成される。縦方向メンバ25は、後端を介してフレーム本体23の両側前端にそれぞれ連結される。そして、縦方向メンバ25は、その前端部を介してフロントサイドメンバ10の前端側と結合される。より具体的には、縦方向メンバ25の前端部は、マウンティングプレート11の下部と結合される。
【0027】
縦方向メンバ25は、4点の車体マウンティング部21a、21b、21c、21dのうち前端部側に備えられた2点の車体マウンティング部21a、21bを介してマウンティングプレート11の下部に装着される。
したがって、のように構成されるサブフレーム20は、フレーム本体23の両側前端からフロントサイドメンバ10の両側前端に延びる縦方向メンバ25を有するC型のタイプで備えられる。
【0028】
図4は、本発明の実施例による前方車体構造に適用できるロアクラッシュボックスを示す図である。図1図4に示すように、ロアクラッシュボックス30は、車両の前方衝突時、衝撃によって圧縮変形しながら衝撃を吸収するものであって、サブフレーム20の両側前端に車体の長手方向に沿ってそれぞれ結合される。ロアクラッシュボックス30は、閉空間を有するボックスタイプで形成され、サブフレーム20の縦方向メンバ25の前端にステーブラケット31を介して車体の長手方向に沿って連結される。ロアクラッシュボックス30は、その後端を介してステーブラケット31に結合され、ステーブラケット31は、縦方向メンバ25の前端装着面に結合される。このようなステーブラケット31は、縦方向メンバ25の前端装着面にボルティング結合できる。例えば、ステーブラケット31は、3点のステーマウンティング部33を介して縦方向メンバ25の前端装着面にボルティング結合できる。
【0029】
図5および図6は、本発明の実施例による前方車体構造に適用できるラジエータサポートロアメンバの結合構造を示す図である。図5図6に示すように、ラジエータサポートロアメンバ50は、車体前方でラジエータを含むクーリングモジュールを支持するものであって、ロアクラッシュボックス30に車幅方向に沿って連結される。ラジエータサポートロアメンバ50は、閉断面を有するように形成され、その両端を介して車幅方向に沿ってロアクラッシュボックス30に結合される。よって、ラジエータサポートロアメンバ50の車幅方向に沿った両端には、ロアクラッシュボックス30と接合される接合フランジ部51が形成される。代案として、ラジエータサポートロアメンバ50の上面には、クーリングモジュールを装着するための別途のマウンティングブラケット(図示せず)が接合されてもよい。
【0030】
図7は、本発明の実施例による前方車体構造に適用できるロアスティフナの結合構造を示す図である。図7に示すように、本発明の実施例では、ロアスティフナ70は、歩行者との衝突時、歩行者の傷害を最小化するためのもので、車幅方向に沿ってラジエータサポートロアメンバ50の前方側と離隔して配置される。ロアスティフナ70は、パイプ形態で備えられ、ロアクラッシュボックス30の前端に車幅方向に沿って連結される。ロアスティフナ70は、ロアクラッシュボックス30の前端に備えられたラウンド形態の装着溝35に結合され、例えば、溶接結合される。
【0031】
図8は、本発明の実施例による前方車体構造に適用されるバックビームの結合構造を示す図であり、図9は、図8のA部分の拡大図である。図8および図9を参照すれば、本発明の実施例において、バックビーム80は、バンパユニットを装着するためのもので、ラジエータサポートロアメンバ50の上部でフロントサイドメンバ10の前端に車幅方向に沿って連結される。
【0032】
バックビーム80は、フロントサイドメンバ10の前端に対応して、アッパクラッシュボックス90を介してマウンティングプレート11に結合される。アッパクラッシュボックス90は、車両の前方衝突時、衝撃によって圧縮変形しながら衝撃を吸収するものであって、フロントサイドメンバ10の前方側のマウンティングプレート11とバックビーム80とを連結する。
【0033】
一方、のように構成される本発明の実施例による前方車体構造100は、ロアスティフナ70、ロアクラッシュボックス30およびサブフレーム20の縦方向メンバ25が車体の長手方向に沿って互いに連結された構造を有する。さらに、図3に示されるように、本発明の実施例による前方車体構造100は、車両の前方衝突による衝突エネルギーの分散を容易にするための、第1ロードパス101と、第2ロードパス102と、第3ロードパス103とを形成している。
【0034】
第1ロードパス101は、アッパクラッシュボックス90を介してバックビーム80とフロントサイドメンバ10とを連結する。第2ロードパス102は、ロアクラッシュボックス30を介してロアスティフナ70とサブフレーム20の縦方向メンバ25とを連結する。そして、第3ロードパス103は、マウンティングプレート11を介して第1ロードパス101と第2ロードパス102とを上下方向に連結する。つまり、本発明の実施例では、車体の前方側に第1、第2、第3ロードパス101、102、103を介してH型のロードパスを構成することができる。
【0035】
代案として、本発明の実施例では、第1および第2ロードパス101、102の間に他の部品を追加的に結合して、第3ロードパス103と別個の第4ロードパス(図示せず)を介して第1ロードパス101と第2ロードパス102とを上下方向に連結してもよい。この場合は、車体の前方側に第1、第2、第3ロードパス101、102、103および第4ロードパスを介して#型のロードパスを構成することができる。
【0036】
以下、本発明の実施例による前方車体構造100の作用を先に開示した図面を参照して説明する。本発明の実施例では、ロアクラッシュボックス30を介してロアスティフナ70とサブフレーム20の縦方向メンバ25とが連結される。また、本発明の実施例ではアッパクラッシュボックス90を介してバックビーム80とフロントサイドメンバ10とが連結される。したがって、本発明の実施例では、車両の正面衝突時、バックビーム80、アッパクラッシュボックス90およびロアクラッシュボックス70を介して衝突エネルギーを分散させることができる。
【0037】
また、本発明の実施例では、車両の正面衝突時、ロアスティフナ70を介して車幅方向の支持力を確保することができ、ロアスティフナ70がロアクラッシュボックス30の変形を誘導しながら衝撃力をサブフレーム20まで伝達して吸収することができる。さらに、本発明の実施例では、車両の正面衝突時、サブフレーム20がエンジンと共に離脱してサブフレーム20の縦方向メンバ25が変形しながら衝突エネルギーを吸収することができる。
【0038】
これによって、ショートオーバハングタイプの軽・小型車の車体において様々な方向のロードパスを介して衝突エネルギーを効果的に分散させることができ、正面衝突安全性を確保することができる。一方、本発明の実施例では、ラジエータサポートロアメンバ50がサブフレーム20の横方向メンバの役割を代替可能で、製造コストおよび重量の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 車体
10 フロントサイドメンバ
11 マウンティングプレート
13 フェンダエプロンアッパ
15 リヤロアメンバ
20 サブフレーム
21a、21b、21c、21d 車体マウンティング部
23 フレーム本体
25 縦方向メンバ
30 ロアクラッシュボックス
31 ステーブラケット
33 ステーマウンティング部
35 装着溝
50 ラジエータサポートロアメンバ
51 接合フランジ部
70 ロアスティフナ
80 バックビーム
90 アッパクラッシュボックス
100 前方車体構造
101 第1ロードパス
102 第2ロードパス
103 第3ロードパス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9