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特開2022-33001改善されたアイアンタイプゴルフクラブヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033001
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】改善されたアイアンタイプゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20220217BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220217BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021128644
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】63/065,310
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/337,151
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ イー. ゴールデン
(72)【発明者】
【氏名】グラント エム. マーテンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェントリー ファーグソン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ジェイ. エイ. リッチー
(72)【発明者】
【氏名】マルニ ディー. イネス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エル. クレグホーン
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー エム. ジマーマン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA03
2C002CH01
2C002CH03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善された性能を実現するアイアンゴルフクラブヘッド
【解決手段】この改善された性能向上は、当該アイアンの境界と当該アイアンゴルフクラブヘッドのフェースとの間の有効剛性面積比を特定のものになすことによる。より具体的には、この発明は、可変フェースプロファイルを特定のゴルフクラブヘッド枠組みに組み入れて約4.5から5.5の有効剛性面積比を実現してこの有効剛性面積比に応じた反発係数をもたらすアイアンゴルフクラブヘッドを開示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイアンゴルフクラブヘッドにおいて、
フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分であって、
上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有し、
上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有し、
上記薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、
上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する、上記前方部分と、
上記前方部分の背面に固着される本体部分とを有し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは境界高さ(HBoundary)および境界厚さ(TBoundary)を定義し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約4.5から約5.5の間のESA比を具備し、当該ESA比は、
ESA比=((HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT)/
(0.5×TBoundary×HBoundary
と定義され、
上記ゴルフクラブヘッドは
COR≧0.0196(ESA比)+0.7211
の関係により定義されるCORを具備することを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
上記アイアンゴルフクラブヘッドは約14mmから約25mmの間のESAFaceを有し、ESAFaceは、
ESAFace=(HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TVFT)×HVFT
により定義される請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記ESAFaceは、約16mmから約23mmの間である請求項2記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記ESAFaceは、約19mmである請求項3記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約380mmから約420mmのESDBoundaryを有し、当該ESDBoundaryは、
ESDBoundary=0.5×TBoundary×HBoundary
として定義される請求項2記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記ESDBoundaryは、約390mmから約410mmの請求項5記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記ESDBoundaryは、約400mmである請求項6記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記厚肉の中央部分は、約1.9mmから約2.3mmの間の上記VFT厚さ(TVFT)、約10mmから約27mmの間の上記VFT高さ(HVFT)、および、約15mmから約35mmの間のVFT幅(WVFT)を有する請求項1記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
上記VFT厚さ(TVFT)は、約2.0mmから約2.2mmの間であり、上記VFT高さ(HVFT)は、約10mmから約27mmの間であり、上記VFT幅(WVFT)は、約20mmから約30mmの間である請求項8記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
上記VFT厚さ(TVFT)は、約2.1mmであり、上記VFT高さ(HVFT)は、約18mmであり、上記VFT幅(WVFT)は、約26mmである請求項9記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
アイアンゴルフクラブヘッドにおいて、
フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分であって、
上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有し、
上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有し、
上記薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、
上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する、上記前方部分と、
上記前方部分の背面に固着される本体部分とを有し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約35mmから約40mmの間の境界高さ(HBoundary)、および、約18mmから約24mmの間の境界厚さ(TBoundary)を定義し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約4.5から約5.5の間のESA比を具備し、当該ESA比は、
ESA比=((HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT)/
(0.5×TBoundary×HBoundary
と定義され、
上記ゴルフクラブヘッドは
COR≧0.0196(ESA比)+0.7211
の関係により定義されるCORを具備することを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
上記境界高さ(HBoundary)は、約36mmから約39mmの間であり、上記VFT厚さ(TVFT)は約19mmから約23mmの間である請求項11記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
上記境界高さ(HBoundary)は、約37mmから約38mmの間であり、上記VFT厚さ(TVFT)は約20mmから約22mmの間である請求項12記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約380mmから約420mmのESDBoundaryを有し、当該ESDBoundaryは、
ESDBoundary=0.5×TBoundary×HBoundary
として定義される請求項13記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
上記ESDBoundaryは、約390mmから約410mmの請求項14記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
上記ESDBoundaryは、約400mmである請求項15記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
アイアンゴルフクラブヘッドにおいて、
フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分であって、
上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有し、
上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有し、
上記薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、
上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する、上記前方部分と、
上記前方部分の背面に固着される本体部分とを有し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約35mmから約40mmの間の境界高さ(HBoundary)、および、約18mmから約24mmの間の境界厚さ(TBoundary)を定義し、
上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約380mmから約420mmのESDBoundaryを有し、当該ESDBoundaryは、
ESDBoundary=0.5×TBoundary×HBoundary
として定義されることを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
上記ESDBoundaryは、約390mmから約410mmの請求項17記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
上記ESDBoundaryは、約400mmである請求項18記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
上記厚肉の中央部分は、約1.9mmから約2.3mmの間の上記VFT厚さ(TVFT)、約10mmから約27mmの間の上記VFT高さ(HVFT)、および、約15mmから約35mmの間のVFT幅(WVFT)を有する請求項19記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、アイアンゴルフクラブヘッドの境界とアイアンゴルフクラブヘッドのフェースとの間の有効剛性面積の特定の比率を有し、改善された反発係数を達成する、改善されたアイアンタイプのゴルフクラブヘッドに関する。より具体的には、この発明は、可変フェースプロファイルを有するアイアンゴルフクラブを特定のアイアンゴルフクラブヘッドシャーシに組み込み、その結果、約4.5から5.5の間の有効剛性面積比を実現し、この有効剛性面積比に応じた反発係数値を達成することに関する。
【背景技術】
【0002】
アイアンゴルフクラブヘッドは、双璧の他方であるウッドゴルフクラブヘッドと同様に、業界が経験した技術的進歩から多大な恩恵を受けてきた。現代のホローアイアンを伝統的なマシーやニブリックと比較すると、現代のメタルウッドは、視覚的には、パーシモン・ウッドに対してより異なって見えるけれども、当該技術の進歩はおそらくゲームを変貌させるものである。
【0003】
米国特許第4,826,172号(Antonious)は、凹型またはキャビティバックであり、キャビティ内のウエイト部材から成る改善された重量構成を備えた周囲重み付けされたアイアン型ゴルフクラブヘッドを教示することによって、アイアンゴルフクラブヘッドの設計および技術における初期の進歩の1つを示している。ゴルフクラブヘッドの質量を周囲に移動させてキャビティバックを作成することにより、ゴルフクラブヘッドは芯から外れたショットに対してより寛容になることができる。
【0004】
米国特許第5,362,047号(Shaw等)は、セットの少なくとも1つのアイアンにおいてフェースピースの厚さがヘッドのトウからヒールまで増加し、セットの他の少なくとも1つのアイアンにおいてヒールからトウまで増加する、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドの性能を改善する他の初期の例を示す。フェースピースの厚さを変えることは、それを必要としない打撃面の部分からの材料を減らすことによって、ゴルフクラブヘッドの性能をさらに改善することができる。
【0005】
米国特許第5,971,868号(Kosmatka)は、ゴルフクラブの輪郭付けされた裏面を作成する別の初期の試みを示しており、このゴルフクラブは、所定の力の印加によりほぼ同様の荷重を受けるフェースの各領域が同様の厚さを具備し、もって、同様の力を加えたときに応力がほぼ均一となるように、フェースの厚さを可変させたゴルフクラブフェースを示している。
【0006】
米国特許第6,200,228号(Takeda)は、ゴルフクラブの背面にキャビティが形成され、後部部材がキャビティにしっかりとはめ込まれ、本体が互いに密接に接触しているゴルフクラブを提供している。この裏打ちにより、ヘッドの強度を高めることができ、フェースの厚さを薄くすることができる。
【0007】
最近では、米国特許第7,169,057号(Wood等)は、2つの異なるケーシングから形成された中空の内部を有するアイアンゴルフクラブヘッドを開示し、このゴルフクラブヘッドでは、第1のケーシングの厚さおよび硬度は、長いアイアンゴルフクラブヘッドと短いアイアンゴルフクラブヘッドとの間で異なる。
【0008】
技術がアイアンタイプのゴルフクラブヘッドの設計において改善され、先の特許によって示されるように、従来のマッスルバック構造から、より多く、キャビティバックおよび中空キャビティタイプの構造に向かって徐々に発展し、また、アイアンタイプゴルフヘッドの打撃フェースがより薄くなり、そのようなゴルフクラブヘッドの打撃フェースの性能をさらに向上させる機会が生じる。
【0009】
したがって、上述に基づいて、新しい現代のクラブヘッドシャーシ設計を活用することができる改良されたアイアンタイプのゴルフクラブヘッドを開発する必要性が当技術分野に存在する。より具体的には、現代のクラブヘッドシャーシの機能である可変厚の打撃フェースを有するゴルフクラブヘッドを設計し、最適な性能のゴルフクラブヘッドを作成する絶好の機会がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,826,172号
【特許文献2】米国特許第5,362,047号
【特許文献3】米国特許第5,971,868号
【特許文献4】米国特許第6,200,228号
【特許文献5】米国特許第7,169,057号
【0011】
この発明の一側面は、フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分を有するアイアンゴルフクラブヘッドであり、上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有する。上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有する。薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する。アイアンゴルフクラブヘッドは、また、上記前方部分の背面に固着される本体部分を有する。上記アイアンゴルフクラブヘッドは境界高さ(HBoundary)および境界厚さ(TBoundary)を定義し、上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約4.5から約5.5の間のESA比を具備し、当該ESA比は、
ESA比=((HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT)/
(0.5×TBoundary×HBoundary
と定義され、上記ゴルフクラブヘッドは
COR≧0.0196(ESA比)+0.7211
の関係により定義されるCORを具備する。
【0012】
この発明の他の側面は、フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分を有するアイアンゴルフクラブヘッドであり、上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有する。上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有する。上記薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する。アイアンゴルフクラブヘッドは、また、上記前方部分の背面に固着される本体部分を有する。上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約35mmから約40mmの間の境界高さ(HBoundary)、および、約18mmから約24mmの間の境界厚さ(TBoundary)を定義し、上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約4.5から約5.5の間のESA比を具備し、当該ESA比は、
ESA比=((HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT)/
(0.5×TBoundary×HBoundary
と定義され、上記ゴルフクラブヘッドは
COR≧0.0196(ESA比)+0.7211
の関係により定義されるCORを具備する。
【0013】
この発明の他の側面は、フェース高さ(HFace)を規定する打撃フェースを具備する前方部分を有するアイアンゴルフクラブヘッドであり、上記打撃フェースはさらに実質的に平坦な前面表面および非平坦な背面表面を有する。上記打撃フェースの上記非平坦な背面表面はVFTプロファイルを形成し、当該VFTプロファイルはさらに厚肉の中央部分、遷移部分、および薄肉の周囲部分を有する。上記薄肉の周囲部分はフェース厚さ(TFace)を定義し、上記厚肉の中央部分はVFT高さ(HVFT)およびVFT厚さ(TVFT)を定義する。アイアンゴルフクラブヘッドは、また、上記前方部分の背面に固着される本体部分を有する。上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約35mmから約40mmの間の境界高さ(HBoundary)、および、約18mmから約24mmの間の境界厚さ(TBoundary)を定義する。上記アイアンゴルフクラブヘッドは、約380mmから約420mmのESDBoundaryを有し、当該ESDBoundaryは、
ESDBoundary=0.5×TBoundary×HBoundary
として定義される。
【0014】
この発明のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
この発明の前述および他の特徴および利点は、添付図面に示されているように、この発明の以下の説明から明らかになるであろう。ここに組み込まれ、明細書の一部を形成する添付図面は、この発明の原理を説明し、関連技術の当業者がこの発明を実施および使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【0016】
図1】添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの背面図を示している。
図2】添付図面の図2は、支持部材が取り外されたこの発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの背面図を示している。
図3】添付図面の図3は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの背面断面図を示している。
図4】添付図面の図4は、図3に示される断面線4~4'に沿って取った、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図5】添付図面の図4は、図3に示される断面線5~5'に沿って取った、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
図6】添付図面の図6は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッドのトウ側面図を示している。
図7】添付図面の7は、この発明のゴルフクラブヘッドのESA比とCORとの間の関係を、従来技術のゴルフクラブの当該関係とともに示すプロットを示している。
【発明の詳細な説明】
【0017】
以下の詳細な説明は、この発明を実施するための現在考えられている最良のモードを説明する。この説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、この発明の範囲が添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されるので、単にこの発明の一般原理を説明する目的でなされている。
【0018】
この発明の種々の特徴が以下に説明され、それぞれは、互いに独立して、または他の特徴と組み合わせて使用することができる。ただし、単一の発明性のある特徴は、上述の問題の一部またはすべてに対処しない場合もあれば、上述の問題の1つにのみ対処する場合もある。さらに、先に説明した1つ以上の問題は、以下で説明する機能のいずれによっても完全に対処できない場合がある。
【0019】
添付図面の図1は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の背面図を示している。ゴルフクラブヘッド100は、全般的には、アイアンタイプのゴルフクラブヘッド100に共通するゴルフクラブヘッド100のトウ端部102、ヒール端部104、トップライン106、およびソール108の部分を有して良い。これらの一般的な特徴および用語に加えて、添付図面の図1は、また、ゴルフクラブヘッドのホーゼル110の部分を示しており、それにシャフトが係合するように適合されている(図示しない)。
【0020】
ここで注目に値する1つの特徴は、添付図面の図1が、キャビティバックタイプのゴルフクラブヘッド100を示している点であり、これは、当該ゴルフクラブヘッド100の後部に位置する後部開口部112を具備する。従来のブレードタイプのゴルフクラブヘッドと比較した場合、キャビティバックタイプのゴルフクラブヘッド100は、全般的には、ゴルフクラブヘッド100の周囲への重量の移動により、より多くの寛容性を提供する。より多くの寛容性を提供することに加えて、キャビティバックタイプのゴルフクラブヘッド100は、また、より高い回復係数(COR)をしばしばもたらすことができる「フェースモード」を生成することによってゴルフクラブヘッド100のボールスピードを改善する機会を提供し、もって、標準のブレードタイプのゴルフクラブヘッドに対して改善を実現する。
【0021】
これらのタイプのキャビティバックアイアンタイプのゴルフクラブヘッドは、以前は、より多くの寛容性を求めるプレーヤーが必要としているため、より高いハンディキャップを有するゴルファーと関連付けられていたけれども、現代のゴルフクラブは、このキャビティバック技術を完全に採用している。実際、現代のゴルフプレーヤーは、ハンディキャップやツアープレーヤーに関係なく、とくに、ロングアイアンの場合、キャビティバックアイアンをバッグに組み込むことがよくある。これらのクラブが、あらゆるタイプのプレーヤーにメリットを提供する非常にプレイしやすいゴルフクラブに変わったためである。
【0022】
これらのタイプの設計を細かく設計することにますます多くの努力が注がれるにつれて、これらのクラブは、完全に中空の本体構造を作成することさえも行って、より深く、より完全なキャビティを開発した。アイアンタイプのゴルフクラブヘッド用のこれらのタイプのパフォーマンス指向型プラットフォームにおいて、一般に、打撃フェースがますます薄くなる傾向があり、このため、ますます強力な材料と組み合わせる必要がある。アイアンのこれらのタイプのより薄いフェースは、より強い材料で作られているものと組み合わされて、とくに、より完全なキャビティバックや中空ボディ構造など、より高い「面で作られた」ものを生み出すシャーシに組み込まれると、一般に、より高いフェースのたわみ、より高いCORを実現するけれども、その一方で、ストレスの増加という望ましくない影響を伴う。
【0023】
したがって、この発明の主要な目的の1つは、シャーシから生成される「フェースモード」の利点を十分に利用して、その利点がもたらす利益を享受しつつ、そのような設計に関連する増加したストレスを管理しながら、性能の必要性のバランスをとる高性能アイアンタイプのゴルフクラブヘッド100を作成することであることが分かる。
【0024】
「フェースモード」を生成するフェースの大きな非支持領域を具備る、これらの薄いフェースのアイアンゴルフクラブヘッドの応力を低減するという目標を達成するために、この発明は、打撃フェース111の裏面において可変フェース厚(VFT)プロファイル114を利用する。VFTプロファイル114は、一般に、厚くされた中央部分、遷移領域、および薄くされた周囲から構成されて良い。この発明の現行の例示的な実施例において、厚くされた中央部分は、一般に、一定の厚さを有して良い。他方、薄くされた周囲は、一般に一定の厚さを有するけれども、また、テーパを設けても良い。図1に示すゴルフクラブヘッド100の背面図は、完成品として示され、VFTプロファイル114の背面に接触する支持部材120を具備する。VFTプロファイル114をよりよく説明するために、添付図面の図2は、支持部材120が取り外されている状態を示す。
【0025】
添付図面の図2は、VFTプロファイル114のより明確な説明のために、支持部材(図1において120として示されている)を除去して、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド200の背面図を示している。一瞥するだけで、VFTプロファイル214は、先に検討した2つのサブコンポーネントをさらに有することがすぐに理解できる。より具体的には、VFTプロファイル210は、厚くされた中央部分210aおよび遷移部分210bをさらに有する。
【0026】
図2に示される打撃フェース111(先に図1に示される)の薄くされた周囲部分216は、また、例えば、ゴルフクラブヘッド200のヒール204の近くに位置するヒール周囲部分216a、ゴルフクラブヘッド200のトウ202の近くに位置するトウ周囲部分216c、および、ヒール周囲部分216aとトウ周囲部分216cとの間に並置された中央周囲部分216b囲の3つのサブコンポーネントに分離することができる。この発明の好ましい実施例において、周囲部分216a、216b、および216cの全体が、トウ周囲部分216cからヒール周囲部分216aに向かって一様にテーパ付けられて良く、トウ周囲部分216cが最も厚く、ヒール周囲部216aが最も薄い。しかしながら、この発明の代替的な実施例において、このテーパ付けは、一定である必要はなく、トウ周辺部分216c、中央周辺部分216b、ヒール周辺部分216a、またはそれらの任意の組み合わせにのみ存在して良い。ただし、最もトウ側の部分は、最もヒール側の部分よりも厚い。換言すると、先の周囲部分のトウ部分は、先の周囲部分のヒール部分よりも厚いと言うことができる。この発明の他の代替的な実施例において、周辺部分216a、216b、および216cの全体は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、すべて同じ厚さであって良い。
【0027】
したがって、打撃フェース211の全体を見ると、ゴルフクラブヘッド200は、2つのサブコンポーネントを備えた可変厚さプロファイル210を有すると言うことができ、これら2つのサブコンポーネントは、最も大きな厚さを有する厚肉の中央部分214a、および厚肉の中央部分214aから周辺部分216a、216b、および216cに遷移する可変厚さを有する遷移部分214bである。好ましい実施例において、周囲部分216a、216b、および216cは、一般に、ヒールよりもトウで厚く、全体にわたって徐々に先細になって良い。これを達成するために、ヒール周囲部分216aは平坦またはテーパ付けられて良く、中央周辺部分216bは平坦またはテーパ付けられて良く、また、トウ周囲部分216cは平坦またはテーパ付けられて良い。または、それらの任意の組み合わせを、この発明の範囲および内容から逸脱することなくすべて採用して良い。最後に、この発明の代替の実施例において、前述のように、周囲部分216a、216b、および216cの全体は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、一定であって良い。
【0028】
可変厚さプロファイル214の当該プロファイルの様々な寸法のより明確な図を提供するために、ゴルフクラブヘッド200の後部が取り外されているゴルフクラブヘッド200の断面図が提供される。添付図面の図3は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド300の拡大切欠き図を示しており、所定の追加の特徴を強調することができる。
【0029】
最初に、図3に示されるゴルフクラブヘッド300のこの切欠き図において、可変厚さプロファイル314は、より明確に見ることができる。図3に示される厚肉の中央部分314aは、この寸法がゴルフクラブヘッド300自体の性能にとって重要であるため、その寸法を特定することを可能にする。この発明のこの実施例において、厚肉の中央部分314aは、約15mmから約35mmの間、より好ましくは約20mmから約30mmの間、そして最も好ましくは約26mmの幅WVFTを有して良い。厚肉の中央部分314aは、約10mmから約27mmの間、より好ましくは約15mmから約22mmの間、そして最も好ましくは約18mmの高さHVFTを有して良い。図3は、また、厚肉の中央部分314aの中心点333を示す。
【0030】
添付図面の図3は、また、厚肉の中央部分314aの寸法に加えて、フェースの中心における打撃フェース311の高さに対応する距離HFaceを示す。距離HFaceによって表される打撃フェース311の高さは、一般に、約50mmから約54mmの間、より好ましくは約51mmから約53mmの間、最も好ましくは約52mmの間であって良い。
【0031】
最後に、添付図面の図3は、また、厚肉の中央部分314a内の2つの特定の点、すなわち、最大応力位置332および最大たわみ位置334を特定している。この発明にとって、厚肉の中央部分314aが最大応力位置332および最大たわみ位置334を包含することが重要である、なぜならば、これらの位置が一般に最も高い応力を経験する位置を大まかに示し、厚肉の中央部分314aに関連する材料の厚さの増加から利益を得ることができるためである。この発明のこの実施例において言及される最大たわみ位置334は、一般に、フェースのホットスポットと一致する点を指し、これは、偶然にも、ゴルフクラブヘッドのフェースの幾何学的中心でもある。最大たわみ位置334は、一般に、ゴルフクラブヘッド300のフェースの幾何学的中心の物理的測定を行うことによって決定することができる。代替的には、この位置は、モーダル分析を介して、ゴルフクラブヘッド300がゴルフボールとの衝突時に経験すると予想される実際のたわみの予測に基づく最大たわみを試して把握することによって、決定して良い。他方、最大応力位置332は、一般に、ゴルフボールの衝突位置の真後ろにある位置で発生する。この位置は、一般に、最大たわみ334の位置のわずかにヒール方向であり、最大たわみ位置334よりもフェース上でわずかに低い。この位置は、一般に、ヒールからトウ方向のスコアラインの中心点にあり、ゴルフクラブヘッド300の前縁から約15mm上にある位置にあると推定される。ここでも、厚肉の中央部分314aが最大応力位置332および最大たわみ位置334の双方を包含する点はこの発明にとって重要であることを繰り返すことは重要である。なぜならば、ゴルフボールに衝突するとき、これらの場所の双方がフェースの残りの部分よりも高い応力を経験し、厚肉の中央部分の314aの厚さが増すと、ゴルフクラブヘッド300の耐久性に非常に有益であるからである。
【0032】
添付図面の図4は、図3に示すゴルフクラブヘッド300の断面線4~4'で示される断面図を示している。この断面図により、打撃フェースフェース411の厚みをより明確に示すことができる。この図において、打撃フェース411が実質的に平面である前面と非平面の背面を有し、VFTプロファイルを作成していることが分かる。より具体的には、VFTプロファイルは、先に検討したように、周囲部分416cに移行する厚肉の中央部分414aから構成される。この発明のこの例示的な実施例に従う厚肉の中央部分414aは、一般に、約1.9mmから約2.3mmの間、より好ましくは約2.0mmから約2.2mmの間、最も好ましくは約2.1mmの厚さVFFTを有して良い。ゴルフクラブヘッド400のこの断面図は、図3に示される、当該ゴルフクラブヘッド400の中央部分に位置する断面線4~4'に沿って取られているので、ここに示される周囲部分の厚さは、実際には、中央周囲部分416bの厚さである。厚肉の中央部分414aの上下双方に位置する中央周辺部分416bは、一般に、約1.6mmから約2.0mmの間、より好ましくは約1.7mmから約1.9mmの間、最も好ましくは約1.8mmの厚さTFaceを有して良い。同じく厚肉の中央部分414aの上下に位置する遷移領域414bは、当該厚肉の中央部分414aから中央周辺部分416bの厚さになるようにて徐々にテーパ付けられる。
【0033】
添付図面の図5は、図3に示される断面線5~5'に沿って取られたゴルフクラブヘッド500の断面図を示す。この断面線は、ゴルフクラブヘッド300のトウ部分に沿って、最も高いフェース高さ値をもたらす点で取られる。したがって、図3で以前に説明されたけれども、HFaceが、この断面図に沿って、正確な測定を実現するために図3で必要とされるすべての情報をもたらすわけではない。なぜならば、側面から見た基準点がないためである。より具体的には、フェース高さ距離HFaceは、図3のように地面に平行ではなく、打撃フェースに平行であるゴルフクラブヘッド500のロフトに沿って測定される。これは最初に示唆しているであろう。フェースの高さ距離HFaceを測定するための正確な定義を取得することは、重要であり、これは、この発明にとって重要である、フェースの有効境界剛性領域(ESA)(ESAFace)を決定する際の重要な変数である。この発明に従うと、ESAFaceは、以下の式(1)によって定義される。
ESAFace=(HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT 式(1)
上の式(1)に基づいて、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド500は、約14mmから約25mmの間、より好ましくは約16mmから約23mmの間、最も好ましくは約19mmのESAFaceを有して良い。
【0034】
添付図面の図6は、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド600のトウ側面図を示しており、これは、ゴルフクラブヘッド600の全体的なサイズを示すことができる。図6は、さらに、境界のESA(ESABoundary)を決定する際に重要となる追加の寸法と測定値を特定する。最終的に、この発明に従うゴルフクラブは、特定のESAFACE対ESABoudary比を有するであろう。何よりもまず、添付図面の図6は、HBoudaryとして定義されるシャーシの高さを有するゴルフクラブを示しており、このHBoudaryは、アドレス位置でゴルフクラブヘッド600の上部からクラブヘッド600の下部までを測定する。ゴルフクラブヘッド600は、一般的には、約35mmから約40mmの間、より好ましくは約36mmから約39mmの間、最も好ましくは約37mmから約38mmの間の境界を有して良い。HBoudaryが決定されると、フェース634の幾何学的中心は、HBoundary距離を2で割ることによって、少なくともフェースの上で決定されて良い。フェース634の当該中心が決定されると、シャーシ境界の厚さ、TBoundaryが、決定されて良い。このTBoundaryは、打撃フェース自体の角度に垂直な角度でフェース634の中心から後方に測定するものとして決定される。この現行の例示的な実施例に示されるように、TBoundaryは、一般的には、約18mmから約24mmの間、より好ましくは約19mmから約23mmの間、より好ましくは約20mmから約22mmの間であって良い。
【0035】
HBoundaryおよびTBoundaryの値が確立されると、ESABoundaryは以下の式(2)に基づいて計算することができる。
ESABoundary=0.5×TBoundary×HBoundary 式(2)
上の式(2)に基づいて、この発明の例示的な実施例に従うゴルフクラブヘッド600は、約380mmから約420mmの間、より好ましくは約390mmから約410mmの間、最も好ましくは約400mmのESABoudaryを有して良い。
【0036】
ESAFaceおよびESABoundaryが定義および確立されたので、2つの数値間の比率を作成してESA比を生成できる。これは、クラブヘッド600がフェースモードを経験することを定量化する1つの方法を説明するこの発明の重要な特徴の1つを示す。ESA比は、以下の式(3)で定義される。
ESA比=ESABoundary/ESAFace 式(3)
この発明に従うゴルフクラブヘッドは、一般的には、約4.5から約5.5の間、より好ましくは約4.7から約5.3の間、より好ましくは約4.8から約5.2の間のESA比を有して良い。または、式(3)を式(1)および(2)と組み合わせて、以下の式(4)に示すように、ESA比のより詳細な定義を作成することもでる。
ESA比=((HFace×TFace)+(0.5×(TVFT-TFace)×HVFT)/0.5×TBoundary×HBoundary 式(4)
【0037】
添付図面の図7は、この発明のいくつかの実施例ならびに4つの異なる先行技術クラブのESA比対反発係数(COR)を示すプロットを示している。図7において、ここに示すように、ESA比はX軸に沿って示され、ゴルフクラブヘッドのCORはY軸に沿って示されている。先行技術のゴルフクラブのヘッドの3つに焦点を当てると、これらの3つの先行技術のデータポイントのESA比の値が4.5から5.5の間ではない、約3.4から約4.25の間でないこと、また、約4.0でないことがわかる。他の第4の従来技術のデータポイントは、4.5から5.5の間のESA比値を有するけれども、所与のESA比値に対して0.828を超える十分に高いCORを達成していない。この発明によって達成された性能が向上した領域を捕捉するために、式が図7に提供され、ここで、y≧0.0196x+0.7211は、前述のESA比率値内でこれまで達成されなかったパフォーマンス値の範囲をさらに狭めるのに役立つ。上の関係を、現行の検討に関連する値の文脈に入れるために、式(5)を以下に示す。
COR≧0.0196(ESA比)+0.7211 式(5)
【0038】
この議論を組み合わせると、現行のこの発明のゴルフクラブヘッドは、約4.5から約5.5の間のESA比、および0.0196(ESA比)+0.7211より大きいCOR値を有すると言うことができる。
【0039】
最後に、ここでなされたフェースが薄肉化されたアイアンに関する議論は、耐久性の重要性を認識せずに完了することはできないであろう。ゴルフクラブの耐久性は、一般に、ゴルフボールとの衝突時に受けるストレスの量に関連する。通常、鋼製のアイアンタイプのゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブの耐久性は、約2.2GPaを超える任意の数で著しく低下する。換言すると、この発明によるゴルフクラブヘッドは、約2.2GPa未満、より好ましくは約2.1GPa未満、最も好ましくは約2.0GPa未満の応力を有するためのものである。
【0040】
動作例以外、または、特に明記しない限り、本明細書の先の部分における、材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角度、種々の性能比、その他のような、すべての数値範囲、量、値およびパーセンテージは、「約」という用語が値、量、または範囲に明示的に現れなくても、「約」という用語が前に付いているかのように理解して良い。したがって、そうでないと示されない限り、上述の明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、この発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を請求項の範囲に限定することを試みることなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効桁数に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0041】
この発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告されている。ただし、数値には本質的に、それぞれのテスト測定で見つかった標準偏差に起因する特定のエラーが含まれる。さらに、様々な範囲の数値範囲がここに記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組み合わせが使用され得ることに留意されたい。
【0042】
もちろん、先の説明は、この発明の例示的な実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲に記載されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】