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▶ 小酒井 正浩の特許一覧

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  • 特開-車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033066
(43)【公開日】2022-02-28
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 5/027 20130101AFI20220218BHJP
【FI】
B62K5/027
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137156
(22)【出願日】2020-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】593067527
【氏名又は名称】小酒井 正浩
(72)【発明者】
【氏名】小酒井正浩
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA04
3D011AD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運転者の乗降車により、駐車制動の動作を自動で行うようにして、従来配送先毎に必要とされてきた操作を省略して配送時間の短縮を実現する。
【解決手段】三輪以上の車両を立ち姿勢で運転できる構造とし、着座動作を省略する。また、乗降することにより駐車制動機構が作動し駐車制動を操作しないでも駐車制動やその解除が行われるので迅速な運転がなされる車両。旋回走行時のバンクを運転者運転者乗車床よりも上方に設けられた車体回転軸を中心に前部機構部と後部機構部を回転し、前部機構部をバンクすることで自然なバンク感覚が得られる車両。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーハンドルを握り、立ち姿勢で運転できる三輪又は、三輪以上の原動機を装備している車両。
【請求項2】
車体回転軸の軸芯を中心に、ハンドル、フォーク、前輪、運転者乗車床等を含む前部機構部と後輪、原動機、後輪駆動部等を含む後部機構部を互いに回転可能な車体で車体回転軸の軸芯の延長が概ね前輪の着地点中心付近にある車両。
【請求項3】
運転者が乗車すると駐車制動が解除され、運転者が降車すると駐車制動される機構を有する原動機を装備した車両。
【請求項4】
車体回転軸の軸芯を中心に、ハンドル、フォーク、前輪、運転者乗車床等を含む前部機構部と後輪、原動機、後輪駆動部等を含む後部機構部を互いに回転可能な車体で車体回転軸の軸芯が運転者乗車床より高い位置に設けられている車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
新聞、郵便物、宅配小包等の宅配物の配送を安全、迅速行える原動機を装備した車両の提供にある。
【背景技術】
【0002】
宅配には小型の原動機付き二輪車や軽自動車,三輪の原動機付き車両により行われることが多い。しかしながら車両への乗降や発進、停車操作の為に必要な操作回数が多ので、操作に多くの時間を費やす事となっている。本発明は発進、停車の為に必要な操作回数を低減し、安全で迅速な配送を実現し配送時間の短縮により、配送コストの低減や、配送人員の負担を軽減するための車両を提供するためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-132525
【特許文献2】特開平10-194694
【特許文献3】特開2005-112307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送車両は例えば軽自動車等の四輪車両の場合は配送先毎に停車、変速機操作、駐車制動操作、シートベルト脱帯、ドア解放、降車、ドア閉塞して配送を行い ドア解放、乗車、ドア閉塞、シートベルト装着、駐車制動解除操作、変速機操作、発進を各配送先毎に行わねばならない。二輪車の場合は配送先毎に停車、変速機操作、降車、スタンド操作をして配送し、発車のためにスタンド操作、乗車、変速機操作、発進を配送先毎に必要とされる。これらの必要な複数の操作があるために配送先毎にかかる時間が多いことが問題である。又、三輪又は、三輪以上の車輪を有する車両の場合、旋回進行するときに遠心力で運転者が旋回外側に力を受けるため運転者の乗車している車体を遠心力に抗して旋回内側に倒しバンクする複雑な機構が備えられていので製造コストの上昇や車両重量の増加による燃費の低下の問題もある。バーハンドルを握り立ち姿勢で運転すると、着座動作が省略でき、これも配送先毎に必要な時間の短縮につながる。運転者の乗降車により、駐車制動の動作を自動で行うようにして、従来配送先毎に必要とされてきた操作を省略して配送時間の短縮を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
配送車両をバーハンドルを握り、立ち姿勢で運転できるようにし、騎乗又は、着座する動作を省略する。駐車制動装置は運転者の乗車により制動が解除され、降車により制動される機構を用いる。車両は自立出来るように少なくとも三輪又は、三輪以上の車輪を有し、配送時のスタンド操作を省略する。駐車制動装置の操作を省略して迅速な配送が可能となる車両を提供する。走行中左右に旋回するときには遠心力で運転者の体が旋回する外側に倒れるため前部機構部を遠心力に抗して内側に倒れるようにする。運転者乗車床より上方に設けられた車体回転軸により、前部機構部と後部機構部を回転可能な構造として、遠心力と釣り合ったバンク角を実現し運転者が快適に運転できるようにする。
【発明の効果】
【0006】
バーハンドルを握り立ち姿勢で運転できるため、配送車両に乗降し着座、騎乗する必要がないので、配送時間の短縮に寄与できる。また、駐車制動装置の操作も運転者の乗降により自動的に行われるため特に操作の必要はない。このため配送時間の短縮に寄与できる。旋回走行時の車体の傾斜機構も車体の車体回転軸の軸芯より乗員の立つ床板の位置を下方に設けることで全部機構部を遠心力によりバンクすることができる。この様に簡単な構造のため車体重量を軽減できる。乗員は遠心力に対してそれと釣り合うように旋回中心方向に倒しバンクすることで遠心力で外側に力を受けず乗り心地を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明実施車両の鳥観図を示す。
図2図2は本発明実施車両の駐車制動機構部側面図で駐車制動時(運転者降車時)を示す。
図3図3は本発明実施車両の駐車制動機構側面図で非駐車制動時(運転者乗車時)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の車両はバーハンドルを握り、着座しないで運転出来、疲労等を感じた時には一時的に着座出来るサドルを設けても良い、乗降は左右任意にできる構造の三輪又は、三輪以上の車輪を有する原動機を有する車両。運転者乗車床に運転者が乗車することで,その体重により駐車制動は解除される。運転者が降車することで駐車制動する。駐車制動装置は倍力機構を用いる事も妨げない。
【0009】
運転はバーハンドルで操舵しアクセルやブレーキ等の操作ができるレバー、回転グリップ等をハンドルに取り付けている。また、運転に必要とされる保安装置の操作もハンドル部に設けた操作スイッチやボタンにより行えようにしても良い。速度の表示やその他運転に必要な情報の表示ランプ、メータ等の装置もハンドルに設けられても良い。雨天に備え屋根やフロントウインドを備えることが好ましい。
【0010】
操舵による旋回走行時には車体は遠心力で回転中心方向に傾くように運転者の立つ運転者乗車床は車体回転軸の中心軸よりも下側に設けられている。これにより重心点は車体回転軸中心よりも下側に来る。このため、遠心力を受けると前輪、フォーク、ハンドル、運転者乗車床等で構成される前部機構部は旋回半径中心方向に傾く事が可能となる。車体回転軸は後輪、駆動機構、原動機等を含む車体機構部と前部機構部とをこの軸の軸芯を中心に互いに回転できる構造である。この車体回転軸は車両の左右のほぼ中央を通り、車両進行方向に平行かつ路盤面に対して鉛直な面内に軸芯を有する。又、この軸芯の車体前方の延長線は前輪の接地点近傍に有ることが好ましく、これにより、全部機構部は前輪着地点から大きくずれる事なく傾けることが出来る。
【実施例0011】
実施例として三輪の車両構造に基づき説明を行うが、前輪1はダブルタイヤの四輪車両でもよい。前輪1とそれを支持し操舵するためのフロントフォーク2、フロントフォーク操舵回動軸支部3を有する運転者乗車床4、床に設けられた駐車制動板5又、フロントフーフォーク2上部に固定された操舵のためのハンドル6が有る前部機構部7と後輪8、図示しない後輪駆動機構、原動機等を有する後部機構部10を互いに軸支する車体回転軸11を有する車両。
【0012】
車体回転軸11は車両の進行方向と平行で、車両左右の中央を通る面内にあり、その軸芯の延長は前輪1の接地点近傍になるように設ける事が好ましく、操舵操作による車体の左右への移動が抑えられる。運転者乗車床4に運転者26が乗車しハンドル6を操作して旋回を始めた場合、運転者26は遠心力により旋回中心の外側へ力を受けるため、体が外側へ倒れないように足に力を入れて支えるので運転者乗車床4は旋回中心の外側に力を受けて、運転者乗車床4、ハンドル6を含む前部機構部は車体回転軸11を中心に旋回中心方向に傾き、遠心力と釣り合うバンク角となる。駐車制動板5は運転者乗車床4の陥凹部に設けられることが好ましく、運転者26の乗降に支障のないよう配慮する。また、車体回転軸11の軸芯は運転者乗車床5の上方に設けられている。
【0013】
運転者26が乗車していない状態では駐車制動板5は駐車制動板戻しバネ12により付勢され、駐車制動板回動支点25を中心に反時計方向に回動する。このため、駐車制動板5に回動自在に結合される可撓性のワイヤー14が弛緩する。ワイヤー14の他端はカム回動中心20を中心に回動する駐車制動レバー22に回動自在に結合されている。ワイヤー14が弛緩すると、駐車制動レバー22はワイヤー制動戻しバネ23の作用でカム回動中心20を中心に時計方向に回動する。駐車制動レバー22と一体に回動する駐車制動回転カム19も一体に時計方向に回動する。駐車制動回転カム19は左右のブレーキシュー17のブレーキシュー支点21の他端に接しており、反時計方向の回転によりカム作動半径は増加する。左右のブレーキシュー17はカム半径が増加するために、制動ドラム16の内面へブレーキシュー戻しバネ18に抗して押し付られて駐車制動する。
【0014】
運転者26が乗車している状態では駐車制動板5は駐車制動板戻しバネ12に抗して、駐車制動板回動支点25を中心に時計方向に回動する。このため、駐車制動板5に回動自在に結合される可撓性のワイヤー14が緊縮される。ワイヤー14の他端はカム回動中心20を中心に回動する駐車制動レバー22に回動自在に結合されている。ワイヤー14が緊縮すると、駐車制動レバー22はワイヤー制動戻しバネ23に抗して、カム回動中心20を中心に反時計方向に回動する。駐車制動レバー22と一体に回動する駐車制動回転カム19も一体に反時計方向に回動する。駐車制動回転カム19は左右のブレーキシュー17のブレーキシュー支点21の他端に接しており、反時計方向の回転によりカム作動半径は減少する。左右のブレーキシュー17はカム半径が減少するために、制動ドラム16の内面へブレーキシュー戻しバネ18の作用で制動ドラム16の内側へ移動して駐車制動を解除する。
【0015】
駐車制動板5の動きで駐車制動を制御する方法は、この例ではヤイヤーに依っているが、必ずしもヤイヤーで無く手も良く、油圧機構、リンク機構、電気的な方法でも、また他の方法でもよい。必要により倍力装置を用いてより強力な制動力を得ることも妨げない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
新聞、郵便物、宅配物品等の配送を迅速にできる原動機の装備された車両を提供提供し、配送時間を短縮して、配送コストの低減や、配送人員の労働負荷を軽減することにある。又、車両製造コストの低減も意図される。
【符号の説明】
【0017】
1 前輪
2 フロントフォーク
3 フロントフォーク操舵回動軸支部
4 運転者乗車床
5 駐車制動板
6 ハンドル
7 前部機構部
8 後輪
10 後部機構部
11 車体回転軸
12 駐車制動板戻しバネ
14 ワイヤー
16 制動ドラム
17 ブレーキシュー
18 ブレーキシュー戻しバネ
20 カム回動中心
21 ブレーキシュー支点
22 駐車制動レバー
23 ワイヤー戻し制動バネ
25 駐車制動板回動支点
26 運転者
図1
図2
図3