(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033070
(43)【公開日】2022-02-28
(54)【発明の名称】台座装置、設置体の設置構造及びブロック体の連結構造
(51)【国際特許分類】
F16B 5/06 20060101AFI20220218BHJP
F24F 1/60 20110101ALI20220218BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20220218BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
F16B5/06 B
F24F1/60
F24F13/32
F16B7/04 302B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137164
(22)【出願日】2020-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】川村 裕一
【テーマコード(参考)】
3J001
3J039
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA04
3J001JC02
3J001JC06
3J001JC12
3J001KA19
3J001KB09
3J039AA04
3J039BB03
3J039FA03
(57)【要約】
【課題】台座等の被連結体同士を簡単に連結することができる台座装置を提供する。
【解決手段】対向する一対の面と、この対向方向と交差する方向に開口した凹部16と、が設けられ、相互に積み重ね可能な第1台座11及び第2台座12と、これら2つの台座10を積み重ねた状態で、第1台座11に設けられた凹部16と、第1台座11と隣接する第2台座12に設けられた凹部16とに、それぞれ挿入される2つの挿入部32,32が基部31から同一方向に突出形成された連結部材30と、2つの挿入部32,32が、隣接する両台座10,10の各凹部16,16に挿入された状態を維持する維持手段と、を備えた。積み重ねられた両台座10,10は、2つの挿入部32,32を隣接する両台座10,10の各凹部16,16に挿入することで相互に連結される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被設置面に設置される設置体の下方に配置されて、前記設置体を前記被設置面から上方に嵩上げした位置に支持する台座装置であって、
対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられ、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を上下方向として相互に積み重ね可能な複数の台座と、
前記複数の台座を積み重ねた状態で、1の台座に設けられた前記凹部と、当該1の台座と隣接する別の前記台座に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入される2つの挿入部が基部から同一方向に突出形成された連結部材と、
前記2つの挿入部が、隣接する前記両台座の各凹部に挿入された状態を維持する維持手段と、からなり、
前記2つの挿入部を隣接する前記両台座の各凹部に挿入することで積み重ねられた前記両台座が相互に連結されていることを特徴とする台座装置。
【請求項2】
複数のうち隣接する前記各台座は、前記連結部材の挿入部の挿入方向が相反する2つの前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の台座装置。
【請求項3】
前記2つの挿入部が挿入される、前記隣接する両台座の各凹部は、前記一対の面のうち隣接する前記台座と対面する側の面からの距離が同一であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の台座装置。
【請求項4】
前記複数の台座は、前記一対の面の間が同一長さであり、前記凹部は、前記一対の面の対向方向のずれた位置に複数設けられており、前記ずれた位置に形成された複数の凹部のうち、少なくとも2の凹部は、前記一対の面のうち自身が近接する面からの距離が同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の台座装置。
【請求項5】
前記対向する一対の面のうち一方の面に前記設置体を固定する固定具を取着可能な溝が形成され、当該溝の長さ方向端部により前記凹部が構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の台座装置。
【請求項6】
前記溝は直線状を成し、当該溝の長さ方向両端部に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の台座装置。
【請求項7】
前記維持手段は、前記凹部への挿入方向への移動は許容し抜け出し方向への移動は前記凹部の内面への係止により阻止する係止爪からなり、当該係止爪は前記2つの挿入部のそれぞれとともに前記隣接する両台座の各凹部に挿入されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の台座装置。
【請求項8】
前記係止爪は、バネ性を有する金属製板により形成された係止部材に設けられ、前記凹部への挿入方向先端側を基端として切り起こされて、挿入時には係止せず反挿入方向への移動時には係止するよう形成され、
前記係止部材は、前記凹部の内面において前記積み重ね方向に隣接する前記台座の側となる面に前記係止爪が係止するように前記連結部材に取着されていることを特徴とする請求項7に記載の台座装置。
【請求項9】
前記係止爪は、バネ性を有する金属製板により形成された係止部材に設けられ、
前記係止部材は、略U字状をなし、一端側に前記係止爪が設けられ、他端側に前記挿入部に取着される取着部が設けられており、
前記係止爪が前記2つの挿入部の並び方向の内側となるようにして、2つの前記係止部材が前記2つの挿入部にそれぞれ取着されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の台座装置。
【請求項10】
前記連結部材の基部には、前記挿入部の突出方向先に粘着性を有するパテを注入するための貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の台座装置。
【請求項11】
前記連結部材の基部には、前記2つの挿入部の間に、前記挿入部の突出方向に貫通して粘着性を有するパテを挿入可能な貫通孔が形成され、
前記2つの挿入部が挿入される隣接した前記両台座の各凹部内は、隣接する前記台座の凹部と相互に連通し、且つ前記貫通孔とも連通していることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の台座装置。
【請求項12】
被設置面の上方に設置される設置体の下方に請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の台座装置が配置されて、前記設置体が前記被設置面から上方に嵩上げした位置に支持されており、
前記複数の台座が、上下方向に積み重ねられ、上下に隣接し合う前記台座は、前記連結部材及び前記維持手段によって相互に連結されていることを特徴とする設置体の設置構造。
【請求項13】
対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられた2つのブロック体が、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を隣接方向として隣接配置され、
連結部材の基部から同一方向に突出形成された2つの挿入部が、前記隣接配置されたうちの1のブロック体に設けられた前記凹部と、当該1のブロック体と隣接する別の前記ブロック体に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入されているとともに、
前記凹部への挿入方向への移動は許容し抜け出し方向への移動は前記凹部の内面への係止により阻止する係止爪が、前記挿入部とともに前記各凹部内にそれぞれ挿入されて、
前記隣接配置された両ブロック体が相互に連結されていることを特徴とするブロック体の連結構造。
【請求項14】
対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられた2つのブロック体が、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を隣接方向として隣接配置され、
連結部材の基部から同一方向に突出形成された2つの挿入部が、前記隣接配置されたうちの1のブロック体に設けられた前記凹部と、当該1のブロック体と隣接する別の前記ブロック体に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入されているとともに、
2つの前記挿入部と前記凹部との間に粘着性を有する非硬化性パテが充填されて、
前記隣接配置された両ブロック体が相互に連結されていることを特徴とするブロック体の連結構造。
【請求項15】
前記挿入部とともに前記各凹部内に挿入された係止爪が、当該挿入された凹部の内面に係止しており、前記非硬化性パテが前記係止爪及び前記凹部の内面を覆っていることを特徴とする請求項14に記載のブロック体の連結構造。
【請求項16】
前記隣接配置されたブロック体の対面し合う一方の面に形成された窪み部に、対面し合う他方の面から突出した突出部が嵌合していることを特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれかに記載のブロック体の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンの室外機、配線・配管材等の設置体を被設置面から上方に嵩上げして支持する台座装置、設置体の設置構造、及びブロック体同士を連結する連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアコンの室外機、配線・配管材、ヒートポンプユニット等の設置体を床面等の被設置面上に嵩上げした状態で設置するために台座が被設置面と設置体との間に設置されることがある。このとき、被設置面からの高さ調整のために台座にスペーサを介在させることがある。台座とスペーサとを備えた台座装置として特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の台座装置は、被設置面からの高さ位置に応じて配線・配管材を配設できるものであり、配線・配管材を上部にて保持可能な台座と、台座を嵩上げするスペーサと、台座、スペーサを被設置面に固定するための固定具とを備えている。台座とスペーサとはボルトを使用して連結される。ここで、被設置面からの配線・配管材の設置高さが大きい場合は、複数のスペーサが使用され、台座及びスペーサ同士を連結するために長いボルトが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の台座装置は、台座とスペーサあるいはスペーサ同士を連結する手段としてボルトを使用しているため、連結する際にはボルトの螺回動操作が必要でその作業が大変面倒であった。
また、台座とスペーサとを連結するためのボルトは、台座及びスペーサの積み重ね方向に取り付けられるから、積み重ねるスペーサの数に応じて長いものが必要となってくる。このため、配線・配管材の設置高さに応じて長さの異なる複数種類のボルトを用意する必要があり、そのボルトの管理も面倒であった。
【0006】
そこで、本発明は、台座等の被連結体同士を簡単に連結することができ、また、被連結体同士を安価に連結することができる台座装置、設置体の設置構造及びブロック体の連結構造の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の台座装置は、被設置面に設置される設置体の下方に配置されて、前記設置体を前記被設置面から上方に嵩上げした位置に支持する台座装置であって、
対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられ、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を上下方向として相互に積み重ね可能な複数の台座と、
前記複数の台座を積み重ねた状態で、1の台座に設けられた前記凹部と、当該1の台座と隣接する別の前記台座に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入される2つの挿入部が基部から同一方向に突出形成された連結部材と、
前記2つの挿入部が、隣接する前記両台座の各凹部に挿入された状態を維持する維持手段と、からなり、
前記2つの挿入部を隣接する前記両台座の各凹部に挿入することで積み重ねられた前記両台座が相互に連結されたものである。
【0008】
この台座装置によれば、単に連結部材の2つの挿入部を隣接する両台座の各凹部に差し込むだけで両台座を連結することができ、その状態で両台座が積み重ね方向に離間するのが防止される。そして、この連結状態において、維持手段によってその挿入部の挿入状態が維持されるので、連結部材の抜け出しが阻止され、安定した連結状態が維持される。
【0009】
また、連結部材の2つの挿入部は、一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部に挿入されるので、隣接する台座のそれぞれに複数の凹部が設けられ、複数の連結部材を使用して連結する場合には、連結部材の挿入部は、台座の一対の面の対向方向すなわち上下に積み重ねる方向とは関係ない方向から、隣接する2つの台座に跨って取着されるから、連結部材は被設置面からの高さに関係なく共通して台座に取着することができる。したがって、連結部材の種類を減らすことができ、部品コストは低減され、台座を安価に連結することができる。
【0010】
請求項2の台座装置は、特に、複数のうち隣接する各台座は、連結部材の挿入部の挿入方向が相反する2つの凹部が設けられている。これにより、隣接する各台座は、いずれも長さ方向の両側で連結部材によって連結されるので、安定して連結することができる。また、各台座の一対の面の対向方向に交差する長さが同一であるときは、台座の長手方向両側で連結部材の取着位置が揃い見栄えが良い。
【0011】
請求項3の台座装置は、特に、2つの挿入部が挿入される、前記隣接する両台座の各凹部は、前記一対の面のうち隣接する前記台座と対面する側の面からの距離が同一である。すなわち、連結部材の2つの挿入部から、隣接する台座と対面する側の面までの距離が同一となるから、連結部材は、上下方向において共通化でき、2つの挿入部を上下の方向性なく台座の凹部に挿入することができる。
【0012】
請求項4の台座装置は、特に、複数の台座は、一対の面の間が同一長さであり、凹部は、前記一対の面の対向方向のずれた位置に複数設けられており、前記ずれた位置に形成された複数の凹部のうち、少なくとも2の凹部は、前記一対の面のうち自身が近接する面からの距離が同一である。したがって、請求項3の台座装置と同様に作用する。
【0013】
請求項5の台座装置は、特に、対向する一対の面のうち一方の面に前記設置体を固定する固定具を取着可能な溝が形成され、当該溝の長さ方向端部により前記凹部が構成されている。これにより、固定具を固定するための溝を、連結のための台座の凹部としても兼用できるから、溝及び凹部を形成するために設けるスペースを削減できる。
【0014】
請求項6の台座装置は、溝が直線状を成し、当該溝の長さ方向両端部に前記凹部が形成されている。これにより、台座の長さ方向両端部に連結部材が取着され、請求項2と同様に、各台座を安定して連結することができる。また、各台座の一対の面の対向方向に交差する長さが同一であるときは、台座の長手方向両側で連結部材の取着位置が揃い見栄えが良い。
【0015】
請求項7の台座装置は、維持手段が、前記凹部への挿入方向への移動は許容し抜け出し方向への移動は前記凹部の内面への係止により阻止する係止爪からなり、当該係止爪は前記2つの挿入部のそれぞれとともに前記隣接する両台座の各凹部に挿入される。これにより、連結部材を台座の凹部内に押し込むだけで隣接する両台座に簡単にかつ安定して取着できる。
【0016】
請求項8の台座装置は、係止爪が、バネ性を有する金属製板により形成された係止部材に設けられ、前記凹部への挿入方向先端側を基端として切り起こされて、挿入時には係止せず反挿入方向への移動時には係止するよう形成され、前記係止部材は、前記凹部の内面において前記積み重ね方向に隣接する前記台座の側となる面に前記係止爪が係止するように前記連結部材に取着されている。これにより、両台座を近接方向に付勢して、安定してかつ確実に連結できる。また、係止爪が挿入部の内側に設けられているので、露出が少なく安全に取り扱うことができる。
【0017】
請求項9の台座装置は、係止爪が、バネ性を有する金属製板により形成された係止部材に設けられ、前記係止部材は、略U字状をなし、一端側に前記係止爪が設けられ、他端側に前記挿入部に取着される取着部が設けられており、前記係止爪が前記2つの挿入部の並び方向の内側となるようにして、2つの前記係止部材が前記2つの挿入部にそれぞれ取着されている。これにより、係止爪は、2つの挿入部の並び方向の内側となるので露出が少なく安全に取り扱うことができる。
【0018】
請求項10の台座装置は、連結部材の基部に、前記挿入部の突出方向先に粘着性を有するパテを注入するための貫通孔が形成されている。これにより、連結部材の貫通孔から粘着性を有するパテを注入することで、両台座を安定して連結することができる。
【0019】
請求項11の台座装置は、連結部材の基部には、前記2つの挿入部の間に、前記挿入部の突出方向に貫通して粘着性を有するパテを挿入可能な貫通孔が形成され、前記2つの挿入部が挿入される隣接した前記両台座の各凹部内は、隣接する前記台座の凹部と相互に連通し、且つ前記貫通孔とも連通している。これにより、粘着性を有するパテを連結部材の貫通孔から両台座の凹部内に一度に注入することができる。
【0020】
請求項12の設置体の設置構造は、被設置面の上方に設置される設置体の下方に請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の台座装置が配置されて、前記設置体が前記被設置面から上方に嵩上げした位置に支持されており、前記複数の台座が、上下方向に積み重ねられ、上下に隣接し合う前記台座は、前記連結部材及び前記維持手段によって相互に連結されているものである。この設置体の設置構造は、請求項1の台座装置と同様に作用する。
【0021】
請求項13のブロック体の連結構造は、対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられた2つのブロック体が、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を隣接方向として隣接配置され、
連結部材の基部から同一方向に突出形成された2つの挿入部が、前記隣接配置されたうちの1のブロック体に設けられた前記凹部と、当該1のブロック体と隣接する別の前記ブロック体に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入されているとともに、
前記凹部への挿入方向への移動は許容し抜け出し方向への移動は前記凹部の内面への係止により阻止する係止爪が、前記挿入部とともに前記各凹部内にそれぞれ挿入されて、
前記隣接配置された両ブロック体が相互に連結されたものである。
【0022】
請求項13のブロック体の連結構造は、請求項1の台座装置及び請求項12の設置体の設置構造と同様に作用するとともに、ブロック体は、上下の積み重ねに限らず、横並びにも連結することができる。
【0023】
請求項14のブロック体の連結構造は、対向する一対の面と、前記一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部と、が設けられた2つのブロック体が、前記凹部が同一方向に開口するようにして、前記一対の面の対向方向を隣接方向として隣接配置され、
連結部材の基部から同一方向に突出形成された2つの挿入部が、前記隣接配置されたうちの1のブロック体に設けられた前記凹部と、当該1のブロック体と隣接する別の前記ブロック体に設けられた前記凹部とに、それぞれ挿入されているとともに、
2つの前記挿入部と前記凹部との間に粘着性を有する非硬化性パテが充填されて、
前記隣接配置された両ブロック体が相互に連結されたものである。
【0024】
請求項14のブロック体の連結構造は、請求項1の台座装置、請求項12の設置体の設置構造及び請求項13のブロック体の連結構造と同様に作用するとともに、パテが非硬化性のものであるから、連結部材を簡単に取外すことができる。
【0025】
請求項15のブロック体の連結構造は、特に、挿入部とともに前記各凹部内に挿入された係止爪が、当該挿入された凹部の内面に係止しており、前記非硬化性パテが前記係止爪及び前記凹部の内面を覆っている。これにより、振動で係止爪及び凹部内面のいずれかまたは両方が割れたり変形するのが防止される。
【0026】
請求項16のブロック体の連結構造は、特に、隣接配置されたブロック体の対面し合う一方の面に形成された窪み部に、対面し合う他方の面から突出した突出部が嵌合している。これにより、複数のブロック体が一対の面方向にずれるのが抑制される。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、対向する一対の面の対向方向と交差する方向に開口した凹部が同一方向に開口するようにして複数の台座またはブロック体を積み重ねた状態で、連結部材の基部から同一方向に突出形成された2つの挿入部が隣接する両台座または両ブロック体の各凹部に跨るようにして挿入され、この挿入状態が維持手段または粘着性を有するパテの充填により維持されるので、単に連結部材の2つの挿入部材を隣接する両台座等の各凹部に挿入するだけで隣接する台座等を簡単に連結することができる。
【0028】
また、連結部材は、一対の面が対向する方向と交差する方向である、台座またはブロック体の側方から取着することができるので、複数の台座等を複数の連結部材を使用して連結する場合には、連結部材を共通化することにより安価に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態の台座装置を用いて設置体を被設置面上に嵩上げして設置した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1の台座装置を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側断面図である。
【
図3】
図2の第1台座を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【
図4】
図2の第2台座を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【
図5】第2台座に第1台座を積み上げた状態を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【
図6】係止部材を取着した
図2の連結部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は正面図である。
【
図7】
図6(b)のA-A切断線による拡大断面図である。
【
図8】
図6の連結部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は正面図である。
【
図9】
図6の係止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図10】
図2の台座装置を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB-B切断線による断面図、(c)は凹部に係止爪が係止している状態を凹部の反開口側からみた拡大図である。
【
図11】
図2の連結部材の貫通孔からパテを注入する状態を示す斜視図である。
【
図12】同一形状の3つの台座を積み重ねた状態を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【
図13】
図7とは別の係止部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〈台座装置〉
まず、本発明の実施形態の台座装置を図に基づいて説明する。
本実施形態の台座装置は、地面、床面等の被設置面に設置される設置体の下方に配置されて、設置体を被設置面から上方に所定距離嵩上げした位置に支持するものである。設置体としては、エアコンの室外機、配線・配管材、ヒートポンプユニットなどが挙げられる。
図1は台座装置1により設置体50が被設置面51から上方に嵩上げして設置されたものを示す。本実施形態では、設置体50として
図1に示すエアコンの室外機を例示する。また、台座装置1は
図2に示す、2つの台座10が上下に積み重ねられたものを例示する。
【0031】
図2に示す台座装置1は、一側に開口した凹部16を有し相互に積み重ね可能な複数、本実施形態では隣接する大小2つの台座10と、この2つの台座10,10の各凹部16,16に挿入される2つの挿入部32,32を有し、2つの台座10,10に跨って積み重ね方向と交差する横方向から取着される連結部材30と、2つの挿入部32,32が両台座10,10の各凹部16,16に挿入された状態を維持して連結部材30の抜け出しを防止する維持手段40と、を備えており、2つの挿入部32,32を隣接する両台座10,10の各凹部16,16に挿入することで、積み重ねられた両台座10,10を相互に連結したものである。
【0032】
具体的に、台座装置1の台座10は、一定断面の直線状に形成されており、
図3及び
図4に示すように、対向する一対の面13,13と、一対の面13,13の対向方向と交差する方向Xすなわち台座10の長さ方向に開口した凹部16と、が形成され、幅方向Yにおいて左右対称であり、両凹部16,16が同一方向に開口するようにして、一対の面13,13の対向方向Zを上下方向として相互に積み重ね可能になっている。本実施形態の
図2に示す2つの台座10,10は、一対の面13,13の間の長さが異なり高さが異なっており、
図5(b)に示す第1台座11の一対の面13,13の間の長さH1は
図5(b)に示す第2台座12の一対の面13,13の間の長さH2より大きくなっている。第1台座11と第2台座12とは、一対の面13,13の対向方向と交差する方向の長さLである全長が同一である。
【0033】
対向する一対の面13,13である上面14及び下面15のそれぞれの幅方向の中央部には一定幅の溝17が台座10の長さ方向全体に至って直線状に形成されている。溝17の開口縁には、その幅方向両側から上面14及び下面15に沿って溝17の幅を狭めるように溝幅方向の反対側へと延設された左右一対の延設片21,21が溝17の延びる方向に沿って連続して溝17の全長に形成されている。この溝17は、エアコン室外機や配線・配管材を固定するための固定具が取着可能となっている。したがって、各台座10は単独で使用することも可能である。
【0034】
対向する一対の面13,13の各溝17,17の内部には、左右の側面19と底面20と一対の延設片21,21とで囲まれた断面矩形状の空間18が台座10の長さ方向全体に至って形成されており、この空間18の長さ方向の両端部すなわち空間18における台座10の長さ方向の両端部は、それぞれ連結部材30の挿入部32が挿入される凹部16を構成している。つまり、凹部16は、台座10の上面14と下面15の各溝17における内部の空間18において連結部材30の挿入部32の挿入方向が相反する両端部2箇所に設けられ、各台座10に4箇所設けられている。更に、各凹部16は、一対の面13,13のうち隣接する台座10と対向する側の面からの距離が同一となるように設けられている。
【0035】
なお、第2台座12に設けられた凹部16は、第2台座12の長さ方向両側部にそれぞれ、一対の面13,13の対向方向のずれた位置すなわち高さ方向においてずれた位置に複数、本実施形態では2つ設けられており、上下にずれた位置に形成された2つの凹部16は、一対の面13,13のうち自身が近接する面からの距離が同一となっている。すなわち、上部側の凹部16aについて自身が近接している上面14からの距離と、下部側の凹部16bについて自身が近接している下面15からの距離とが同一となっている。また、上部側の凹部16aと下部側の凹部16bとは、同一形状に形成されている。
【0036】
連結部材30は、
図8に示すように、基部31から2つの挿入部32,32が同一方向に突出形成されて成る。2つの挿入部32,32は、2つの台座10,10を積み重ねた状態で、第1台座11に設けられた下部側の凹部16bと、第1台座11と隣接する第2台座12に設けられた上部側の凹部16aと、に分かれて挿入される。基部31は、矩形状に形成され、上部側の凹部16a及び下部側の凹部16bの両開口全体を覆う大きさに形成されている。2つの挿入部32,32は基部31の片面に上下対称に配置され、各挿入部32は、天壁32aと左右一対の側壁32b,32bとからなるコ字板状に形成され、左右対称であり、基部31の片面から凹部16内に向けて基部31の片面と直交する方向に突設されている。
【0037】
図6(d)に示す、コ字板状をなす各挿入部32の幅方向外側寸法B1は、
図5(b)に示す、台座10の凹部16内の両側面19,19の内側寸法B2と同一または僅かに小さく形成されている。また、
図6(c)に示す、2つの挿入部32,32の対向する各側壁32b,32bの上下間の隙間Sは、上下に隣接する台座10,10の溝17,17の各延設片21,21を重ね合わせた2枚分の厚さと同一または僅かに大きく形成されている。これにより、積み重ねられた2つの台座10,10の各溝17,17の延設片21,21が上下に2枚重なった状態で、2つの挿入部32,32の隙間S内に入り込み、その状態で上下2つの挿入部32,32は第1台座11の下部側の凹部16bと第2台座12の上部側の凹部16aとに分かれて挿入され、1つの連結部材30は2つの台座10,10に跨って取着されている。ここで、連結部材30の挿入部32は、所定の剛性を有して変形しにくいものであり、連結部材30は、積み重ねられた2つの台座10,10に跨って取着された後、これらが積み重ね方向に離間するのを防止する。
【0038】
加えて、
図8及び
図11に示すように、連結部材30の基部31は、2つの挿入部32の間の位置に、挿入部32の突出方向に貫通しその突出方向先に粘着性を有するパテ43を注入可能な貫通孔33が形成されている。貫通孔33は、予め形成されていてもよく、必要時にノックアウトにより形成されるものであってもよい。ここで、粘着性を有するパテ43は、凹部16内に注入されて、連結部材30の抜け出しを防止する維持手段40として機能したり、凹部16の内部を保護する。
【0039】
凹部16内への挿入部32の挿入状態を維持する維持手段40は、
図7に示した、連結部材30の2つの挿入部32,32にそれぞれ取着される係止部材41に設けられた上下2つの係止爪42,42によって構成されている。係止部材41は、バネ性を有する金属製板で形成され、
図9に示すように、全体として略U字板状あるいは略コ字板状に形成されている。係止部材41は、対向する上下の板である折曲片41aと折曲片41bとの間隔が連結部材30の挿入部32の天壁32aの板厚と同一または僅かに小さく形成されていて、連結部材30の挿入部32に押し込んで取り付けられている。また、係止部材41は、係止爪42が2つの挿入部32,32の並び方向の内側に配置されるようにして、2つの挿入部32,32にそれぞれ取着されている。なお、係止部材41あるいは連結部材30の形状は、係止部材41の全体が凹部16内に収まるように形成されており、これにより、係止部材41は凹部16内に隠れるため、見栄え良く設置することができる。
【0040】
係止部材41は、対向する一方の折曲片41aが、凹部16への挿入方向先端側を基端として湾曲面状に切り起こされ、先端部分は係止爪42になっている。係止爪42は2方に分岐し、各先端は楔状に尖った突起42aになっている。係止爪42は、挿入部32の挿入方向とは逆方向に突出しているので、挿入部32を凹部16に挿入するときはその移動を許容し、挿入部32が抜け出し方向に移動しようとするときは凹部16の内面に係止してその移動を阻止する。係止爪42は、2つの突起42a,42aが、
図10(c)に示すように、凹部16の内面において、積み重ね方向に隣接する台座10側の部分にある、溝17の延設片21の内面21aに当接し係止する。係止爪42は、バネ性を有する金属製板で形成されているから、連結部材30が台座10に取着されたとき、その弾性付勢力と係止によって2つの台座10の連結を安定して維持する。
【0041】
また、係止部材41の対向する他方の折曲片41bの略中央には、
図6、
図7に示すように、係止部材41が一旦挿入部32に取り付けられた後、挿入部32の天壁32aに食い込んで係止部材41が挿入部32から抜け外れるのを防止する取着部41cとなる逆止爪41dが形成されている。
【0042】
加えて、
図3、
図4に示すように、隣接配置された台座10の対向する一方の面である上面14には、窪み部22が形成され、対向する他方の面である下面15には窪み部22と嵌合する突出部23が形成されている。窪み部22は、一対の面13,13の対向方向である上下方向と交差する方向Xに延びた平行する複数の突条の間の空間で形成され、突出部23は窪み部22とは幅方向にずれた位置に設けられて平行する複数の突条で形成されている。この窪み部22と突出部23とが嵌合することで、両台座10が面方向にずれるのが抑制される。
【0043】
次に、このように構成された本実施形態の台座装置1によって、一対の面13,13の間の距離が長い第1台座11と短かい第2台座12とを積み重ねて連結する方法を説明する。
【0044】
図5に示すように、上側に第1台座11、下側に第2台座12となるように高さの異なる2つの台座10,10を、長さ方向両端部の位置を合わせて積み重ねる。このとき、第1台座11の下面15の突出部23と第2台座12の上面14の窪み部22とを嵌合させて両台座10,10が面方向にずれるのを抑える。2つの台座10,10を積み重ねたら、それらの長さ方向の一端部において、連結部材30の上側の挿入部32を側方からそのまま第1台座11の下部側の凹部16b内に差し込むとともに、連結部材30の下側の挿入部32を側方からそのまま第2台座12の上部側の凹部16a内に差し込む。このとき、各係止部材41の係止爪42は、連結部材30の基部31側に延びているので、溝17の延設片21の内面21aと当接して弾性的に撓みつつ、延設片21の内面21aに引掛かることなく凹部16の内部に向かって移動し、連結部材30の基部31が台座10の長さ方向の一端部に当接したら、
図10(c)に示すように、先端の突起42aが凹部16の内面でもある延設片21の内面21aに係止した状態で停止する。これにより、連結部材30は第1台座11と第2台座12の隣接側の各凹部16に跨って取り付けられる。
【0045】
続いて、第1台座11及び第2台座12の長さ方向の他端部においても、同様にして連結部材30を取り付ける。次に、
図11に示すように、連結部材30の基部31の貫通孔33から凹部16内に向けて粘着性を有するパテ43を注入する。このとき、第1台座11の下部側の凹部16bと第2台座12の上部側の凹部16aとは各溝17,17を介して連通しているので、一度に隣接する2つの凹部16の内部全体にパテ43を注入することができる。パテ43の注入により、両台座10を安定して連結することができる。以上で、第1台座11と第2台座12との連結は完了し、各台座10,10が積み重ね方向に離間するのが防止される。連結後は、係止部材41の係止爪42が凹部16の内面である溝17の延設片21の内面21aに係止し、凹部16内にパテ43が充填され、これにより、連結状態が維持され、連結部材30が凹部16から抜け外れて両台座10,10が離間するのが防止される。なお、パテ43は、係止爪42において、その全体でなくても、先端が尖った突起42aが延設片21の内面21aと係止する箇所のみを覆っていてもよい。
【0046】
なお、その後は、台座装置1を地面等の被設置面51に設置し、第1台座11の上面14の溝17に
図2に示すボルト24及びナット25を取り付けて設置体50であるエアコンの室外機を設置することができる。
【0047】
次に、本実施形態の台座装置1の作用を説明する。
本発明は、対向する一対の面13,13の対向方向と交差する方向Xに開口した凹部16が同一方向に開口するようにして第1台座11と第2台座12とを積み重ねた状態で、連結部材30の2つの挿入部32,32が隣接する両台座10,10の各凹部16,16に跨るようにして挿入され、この挿入状態が係止爪42及び粘着性を有するパテ43の充填により維持されるので、連結部材30の2つ挿入部32,32を隣接する両台座10,10の各凹部16,16に単に挿入するだけで2つの台座10,10を簡単に連結することができる。
そして、この連結状態において、維持手段40によって挿入部32の挿入状態が維持されるので、連結部材30の抜け出しが阻止され、安定した連結状態が維持される。
【0048】
また、凹部16は、台座10において、連結部材30の挿入部32の挿入方向が相反する長さ方向の両端部に設けられている。これにより、各台座10,10は、長さ方向の両側で連結部材30によって連結されるので、安定して連結することができる。また、各台座10,10は、一対の面13,13の対向方向と交差する方向の長さLが同一であるから、台座10の長手方向の両側で連結部材30の取着位置が揃い見栄えが良い。
【0049】
そして、2つの挿入部32,32が挿入される各凹部16,16は、対向する一対の面13,13のうち自身が近接する面すなわち隣接する台座10と対面する側の面からの距離が同一である。つまりは、連結部材30の挿入部32から隣接する台座10と対向する側の面までの距離が同一となるから、連結部材30は、上下方向において共通化でき、2つの挿入部32,32を上下の方向性なく各台座10,10の凹部16,16に挿入することができる。
【0050】
加えて、一対の面13,13に設置体50を固定する固定具を取着可能な溝17が形成され、溝17の長さ方向の端部により凹部16が構成されているから、固定具を固定するための溝17を、連結のための台座10の凹部16としても兼用することができ、溝17及び凹部16を形成するために設けるスペースを削減できる。
【0051】
更に、係止爪42は、バネ性を有する金属製板により形成されているので、両台座10を近接方向に付勢して安定して確実に連結することができる。また、係止爪42は、2つの挿入部32,32の並び方向の内側となるようにして各挿入部32,32にそれぞれ取着されているので、露出が少なく安全に取り扱うことができる。
【0052】
〈設置体の設置構造〉
上記のように構成された台座装置1を使用して
図1に示すように設置体50を被設置面51から上方に嵩上げした位置に支持するものは、設置体の設置構造の発明として捉えるすることも可能である。
すなわち、
図1に示したものは、被設置面51の上方に設置される設置体50の下方に台座装置1が配置され、設置体50が被設置面51から上方に嵩上げした位置に支持されており、2つの台座10,10が、上下方向に積み重ねられ、上下に隣接し合う各台座10,10は、連結部材30及び維持手段40によって、相互に連結された設置体の設置構造として捉えることも可能である。
【0053】
この設置構造では、隣接する台座10同士の全てが、相互に連結され、例えば、
図12に示すように、3つの第2台座12が積み重ねられている場合は、上段及び中段の第2台座12が連結されるとともに、中段及び下段の第2台座12が連結され、これにより3つ全ての第2台座12が連結される。
【0054】
なお、連結部材30は、一対の面13,13の対向方向と交差する方向Xである、第2台座12の側方から挿入部32を各凹部16に取着することができるので、このような3段以上の第2台座12を連結するような場合などで、複数の台座10等を複数の連結部材30を使用して連結する場合には、連結部材30を共通化することにより安価に台座10同士を連結することができる。
【0055】
〈ブロック体の連結構造〉
また、上記の台座装置の発明は、台座10を、これを含めて広く連結されるブロック体として置き換えることにより、ブロック体の連結構造の発明として捉えることも可能である。
【0056】
すなわち、対向する一対の面13,13と、一対の面13,13の対向方向と交差する方向Xに開口した凹部16と、が設けられた複数のブロック体が、凹部16が同一方向に開口するようにして、一対の面13,13の対向方向を隣接方向として隣接配置され、連結部材30の基部31の2つの挿入部32,32が、隣接配置されたうちの1のブロック体に設けられた凹部16と、1のブロック体と隣接する別のブロック体に設けられた凹部16とに、それぞれ挿入されているとともに、凹部16への挿入方向への移動は許容し、抜け出し方向への移動は凹部16の内面への係止により阻止する係止爪42が、挿入部32とともに各凹部16内にそれぞれ挿入されて、隣接配置されたブロック体が相互に連結された、ブロック体の連結構造として捉えることも可能である。
【0057】
ここで、ブロック体は、前述のように、上記実施形態の台座10も対象となるのであるが、この台座10に限らず広くブロックとして連結可能なものであって、その連結構造は、上下積み重ねに限らず、床面上などにおいて横並びも可能である。
【0058】
ブロック体の連結構造は、係止爪42が挿入部32とともに各凹部16に挿入されることに代えて、挿入部32と凹部16との間に粘着性を有する非硬化性のパテ43が充填されたものとすることもできる。なお、パテ43が非硬化性のものである場合は、連結部材30を簡単に取外すこともできる。
【0059】
また、ブロック体の連結構造は、係止爪42が凹部16の内面に係止し、かつ、非硬化性のパテ43が係止爪42及び凹部16の内面を覆うものとすることもできる。この場合には、振動で係止爪42及び凹部16の内面のいずれかまたは双方が割れたり変形するのが防止される。なお、非硬化性パテ43は、係止爪42の全体でなくても、一部の係止箇所のみを覆うものであってもよい。
【0060】
更に、ブロック体の連結構造は、隣接配置されたブロック体の対向する一方の面13に形成された窪み部22に、ブロック体の対向する他方の面13から突出した突出部23が嵌合したものとすることもできる。窪み部22は、一対の面13,13の対向方向である上下方向と交差する方向Xに延びた平行する複数の突条の間の空間で形成され、突出部23は窪み部22とは幅方向にずれた位置に設けられ、平行する複数の突条で形成されている。この場合、複数のブロック体が一対の面13,13方向にずれるのが抑制される。
【0061】
ところで、上記各実施形態の凹部16は、各台座等において複数設けられているが、1つの台座において1つのみ設けたものであってもよい。
【0062】
また、上記各実施形態の各台座10は、互いにその全長は同一に形成されているが、互いに異なるものであってもよい。
【0063】
更に、上記実施形態の台座装置1は、積み重ねられる複数の台座10が第1台座11と第2台座12とであって高さが異なるものであったが、積み重ねられる複数の台座10は、
図12に示すように、いずれも高さあるいは形状が同じものであってもよい。
【0064】
そして、凹部16は溝17の長さ方向の端部によって構成され、凹部16と溝17とは兼用して設けられているが、本発明を実施する場合は、両者はそれぞれ専用に設けたものであってもよい。
【0065】
加えて、上記実施形態では、係止爪42は、凹部16の内面において溝17の延設片21の内面21aに係止しているが、凹部16の内面において他の部分に係止するものとしてもよい。
【0066】
また、係止部材41は、
図7に示すように、1つの連結部材30に2つ備えられ、連結部材30の2つの挿入部32にそれぞれ取着されているが、
図13に示すように、1つの連結部材30に1つ備えられ、連結部材30の2つの挿入部32に一体に取着されるものとしてもよい。
図13に示す係止部材41は、1枚のバネ性を有する金属製板を略U字板状に折り曲げ、折り曲げられた両側の対向する平面の一部をコ字状に切り欠き、その切欠片44の基端において切欠片44の先端が互いに近接する方向に折り曲げ、更に切欠片44の先端部分に係止爪42を形成している。係止爪42の先端は楔状に尖った突起42aとなっている。そして、略U字板状をなす係止部材41の対向する一対の側片にはそれぞれ挿入部32の天壁32aに食い込む逆止爪41dが切り起こされ、この逆止爪41dは挿入部32に取着される取着部41cとなる。係止部材41は挿入部32の先端側から連結部材30の基部31に向けて2つの挿入部32間に挿入され、挿入後は逆止爪41dが挿入部32の天壁32aに食い込んで連結部材30に取着される。
【0067】
加えて、台座10及びブロック体は、上面14に形成された窪み部22が一対の面13,13の対向方向と交差する方向Xに延びる平行な複数の突条の間の空間で形成され、下面15に形成された突出部23が同方向に延びる平行な複数の突条で形成されているが、窪み部22及び突出部23は、これに限られるものではなく、1の突条等で形成したものであってもよく、あるいは、突条等でなく点在するものとして形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 台座装置 23 突出部
10 台座 30 連結部材
11 第1台座 32 挿入部
12 第2台座 33 貫通孔
13 一対の面 40 維持手段
14 上面 41 係止部材
15 下面 41c 取着部
16 凹部 41d 逆止爪(取着部)
16a 上部側の凹部 42 係止爪(維持手段)
16b 下部側の凹部 43 パテ(維持手段)
17 溝 50 設置体
22 窪み部 51 被設置面
H1 第1台座の一対の面の間の長さ
H2 第2台座の一対の面の間の長さ
X 一対の面の対向方向と交差する方向
Z 一対の面の対向方向