(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033343
(43)【公開日】2022-02-28
(54)【発明の名称】消火栓装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20220218BHJP
【FI】
A62C35/20
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001437
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2017247263の分割
【原出願日】2017-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】梅原 寛
(57)【要約】
【課題】放水ノズル付きホースを引き出して放水している消火作業中に、消火栓装置に戻ることなくノズル側の操作で簡単に放水を停止可能とする。
【解決手段】消火栓装置110は、放水ノズル10が設けられたホース60を引き出した状態で消火栓弁50を消火栓弁開閉レバー56により開操作して放水させる。消火栓装置110には、放水ノズル10への水の供給と停止とを切替える切替部と、受信した信号に応じて電動弁48を開閉駆動させる放水制御部62と、放水ノズル10に設けられ、放水ノズル10から操作方法を示す音声ガイダンスを出力させ、操作された内容に応じたスイッチ操作により放水停止信号を無線送信する放水操作部28と、が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放水ノズル付きホースが収納され、前記放水ノズル付きホースを引き出した状態で放水させる消火栓装置であって、
前記放水ノズルへの水の供給と停止とを切替える切替部と、
受信した信号に応じて前記切替部を開閉駆動させる放水制御部と、
前記放水ノズルに設けられ、当該放水ノズルから操作方法を示す音声ガイダンスを出力させ、操作された内容に応じて前記放水制御部に前記切替部を操作する信号を無線送信する放水操作部と、
を備えたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
請求項1記載の消火栓装置において、
前記放水制御部は、前記放水操作部から信号を受信したとき、前記放水操作部に対して信号を受信したことを示す応答信号を無線送信し、
前記放水操作部は、前記放水制御部から前記応答信号を受信したとき、前記放水ノズルから前記応答信号を受信した旨を報知させることを特徴とする消火栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル付きホースを引き出した状態で消火栓弁を開操作して放水させるトンネルなどに設置される消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災消火のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから水を散布させる水噴霧自動弁装置が設けられる。
【0003】
消火栓装置には放水ノズルを装着したホースが収納されており、火災時には消火栓扉を開いて放水ノズルを取り出してホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを開位置に操作することで消火栓弁を開放して放水ノズルから放水するようにしている。
【0004】
従来の放水ノズルは開放型であり、放水による消火作業が終了した場合には、放水したまま放水ノズルをその場所に置き、消火栓装置に戻って消火栓弁開閉レバーを閉位置に操作することで放水を止めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-058012号公報
【特許文献2】特開2011-147598号公報
【特許文献3】特開2012-011115号公報
【特許文献4】特開2015-188561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の開放型の放水ノズルが設けられた消火栓装置にあっては、消火作業を終了して放水を止めたい場合には、放水ノズルを放水したままその場所に置き、消火栓装置に戻って消火栓弁開閉レバーを閉位置に操作する必要があり、放水停止に手間がかかる問題があり、また、放水したまま放水ノズルを置くと、放置された放水ノズルが放水の反力により暴れ回る場合があり、火災現場に不要な混乱を招く虞れがある。
【0007】
この問題を解決するためには、放水ノズルに放水停止機構を設けることが考えられるが、使用前に放水ノズルの放水停止機構が誤って停止位置に操作されていた場合、消火栓装置の取扱いに不慣れなドライバー等の利用者が操作することから、火災時に放水できない事態が起きることが懸念される為、放水ノズルに放水停止機構を設けない、開放型放水ノズルを設置するようにしている。
【0008】
本発明は、放水ノズル付きホースを引き出して放水している消火作業中に、消火栓装置に戻ることなくノズル側の操作で簡単に放水を停止可能とする消火栓装置を提供すること
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(消火栓装置)
本発明は、放水ノズル付きホースが収納され、放水ノズル付きホースを引き出した状態で放水させる消火栓装置であって、
前記放水ノズルへの水の供給と停止とを切替える切替部と、
受信した信号に応じて切替部を開閉駆動させる放水制御部と、
放水ノズルに設けられ、当該放水ノズルから操作方法を示す音声ガイダンスを出力させ、操作された内容に応じて放水制御部に切替部を操作する信号を無線送信する放水操作部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
放水制御部は、放水操作部から信号を受信したとき、放水操作部に対して信号を受信したことを示す応答信号を無線送信し、
放水操作部は、放水制御部から応答信号を受信したとき、放水ノズルから応答信号を受信した旨を報知させる。
【発明の効果】
【0011】
(基本的な効果)
本発明は、放水ノズル付きホースが収納され、放水ノズル付きホースを引き出した状態で放水させる消火栓装置であって、放水ノズルへの水の供給と停止とを切替える切替部と、受信した信号に応じて切替部を開閉駆動させる放水制御部と、放水ノズルに設けられ、当該放水ノズルから操作方法を示す音声ガイダンスを出力させ、操作された内容に応じて放水制御部に切替部を操作する信号を無線送信する放水操作部と、を備えたため、消火栓装置から放水ノズル付きのホースを引き出して消火栓弁開閉レバーの開操作により放水を行い、消火作業が終了した場合には、放水ノズルのスイッチ操作により消火栓装置の操作弁を遠隔制御により閉駆動して放水を簡単に停止させることができ、消火栓装置に戻って消火栓弁開閉レバーを閉位置に操作する必要がなく、また、放水ノズルを放水したままその場所に置いて消火栓装置に戻る必要はないことから、放置した放水ノズルが放水の力により暴れて火災現場に混乱を招くようなこともなく、消火栓装置の操作に不慣れなドライバー等の利用者であっても、簡単且つ容易に放水を停止することが可能となる。
【0012】
(消火栓弁の開検知で操作弁閉駆動する効果)
また、放水制御部は、放水停止信号を受信し、且つ、消火栓弁の開放を検知している場合に操作弁を閉駆動させるようにしたため、消火栓弁開閉レバーの操作により消火栓弁が開放されて放水ノズルから放水されているときにのみ、放水ノズルからの遠隔操作による操作弁の閉駆動で放水を停止させることができ、消火栓弁開閉レバーにより消火栓弁が閉じている放水停止状態では、放水ノズル側で放水停止操作を行っても操作弁の閉駆動は行われず、操作弁が閉鎖した状態で消火栓弁開閉レバーの開操作により消火栓弁を開放した場合、操作弁が閉鎖していて放水できなくなる不具合を確実に防止できる。
【0013】
(放水再開操作による効果)
また、放水操作部は、更に、所定のスイッチ操作により放水開始信号を無線送信し、放水制御部は、放水操作部から放水開始信号を受信して操作弁を開駆動させるようにしたため、放水ノズル側からの遠隔操作により放水を停止した後に、火災が完全に鎮火しておらず、放水を再開したい場合には、放水ノズル側での放水開始操作により、閉駆動された操作弁が開駆動されることで、放水を簡単且つ容易に再開して消火活動を継続することができる。なお、この場合消火栓開閉レバーは開位置に操作されている状態にあるので、放水/放水停止は操作弁の開閉制御によってのみ制御可能となっていることはいうまでもない。
【0014】
したがって、消火栓装置から放水ノズル付きホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを開位置に操作することで放水を開始した場合、一時的に放水を停止して火災現場に向かい、火災現場に近づいたら放水を再開させるといった火災状況に応じた放水の停止と再開の操作が可能となる。
【0015】
また、放水を停止しているときはノズル反力の発生が無く、さらにホース内圧力の低下もあるため、ホース引き出し力が低くなり、放水地点方向を変えるためのホースを引き回し等を実行するなど一時的な操作を行い易くすることも可能となる。
【0016】
(消火栓弁の開検知で操作弁開駆動する効果)
また、放水制御部は、放水開始信号を受信し、且つ、消火栓弁の開放を検知している場合に操作弁を開駆動させるようにしたため、消火栓弁開閉レバーの操作により消火栓弁が開放されて放水ノズルから放水されているときにのみ、放水ノズルからの遠隔操作により閉鎖された操作弁の開駆動で放水を再開させることができる。
【0017】
(消火栓弁の閉検知で操作弁開駆動)
また、放水制御部は、消火栓弁の閉止を検知した場合に操作弁を開駆動させるようにしたため、消火作業の完了に伴って放水ノズル側からの遠隔操作で操作弁を閉駆動したのち、消火栓設備を原状復帰させるため消火栓開閉レバーにより消火栓弁を閉止した際に自動的に操作弁が開駆動されるため、特に操作手順が増えることなく今までの消火栓装置と同じ手順で復旧することを可能とし、次回の消火作業の際に操作弁が閉鎖していて放水できなくなる不具合を確実に防止できる。
【0018】
(無線信号応答確認)
放水制御部は、放水操作部から信号を受信したとき、放水操作部に対して信号を受信したことを示す応答信号を無線送信し、放水操作部は、放水制御部から応答信号を受信したとき、放水ノズルから応答信号を受信した旨を報知させるようにしたため、放水ノズルからの遠隔操作が無線信号で送られたかどうかをすぐに確認可能となる。操作弁の閉止動作後ホース内の水が抜けて圧力が低下するまで一定の時間がかかり、また操作弁の開放動作後ホース内を通って加圧水がノズルまで供給されて放水開始するまでもまた時間がかかるため、操作者はそれぞれの操作が正しく行われたか不安になる可能性がある。本願によれば、無線受信が正しく行われたことを確認できるため、そのような不安感を無くすことができる。
【0019】
(放水操作部の構成による効果)
また、放水操作部は、少なくとも放水停止操作が行なわれるスイッチと、少なくとも信号を無線により送信する通信部と、スイッチの操作によるスイッチ信号が入力した場合に通信部に指示して放水停止信号を無線送信させる制御部と、通信部及び制御部に電源を供給する電源部と、放水開始操作が行われる第2のスイッチを備え、制御部は、第2のスイッチの操作によるスイッチ信号が入力した場合に通信部に指示して放水開始信号を無線送信させるようにしたため、消火栓装置からの電源供給や信号線接続を必要とすることなく、簡単な構成により放水ノズル側の操作で放水を停止又は再開できる。
【0020】
(電源の種類による効果)
また、電源部は、電池電源、放水による水流により駆動されて発電する水流発電部、又は放水に伴う振動を電力に変換する振動発電部であるため、電源部は放水のノズルに外部から電源を供給する必要がなく、放水ノズルに対する放水操作部の組付け配置が簡単であり、また、水流発電部と振動発電部は、放水を行うと発電することから電池電源のように点検や交換を必要とせず、維持管理が簡単で容易になる。
【0021】
(振動発電部の効果)
また、放水操作部は、少なくとも無線信号を送信する通信部と、操作弁を操作する信号を通信部に無線送信させる制御部と、通信部及び制御部に電源を供給する電源部と、を備え、電源部は、放水に伴う振動による磁歪作用で発電する磁歪式振動発電部又は振動による圧電作用で発電する圧電式振動発電部であるため、磁歪式振動発電部及び圧電式振動発電部は機械的な駆動部分を持たない固体発電素子であることから、放水ノズルに対する組付け配置が容易であり、劣化も起きないことから長期間に渡り放水振動を受けた場合に確実に発電して放水操作部を動作させることができる。
【0022】
なお、通常の使い方は消火栓弁開閉レバーを開操作することにより放水が可能となり、放水操作部に電力があるかないかに影響されることはない。また、放水開始後は振動発電により電力が発生・充電するので、放水停止や放水再開の信号を送ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】放水ノズル側から放水停止の遠隔操作を行う消火栓装置の実施形態を示した説明図
【
図5】放水ノズルの放水操作部と消火栓装置の放水制御部の機能構成を示したブロック図
【
図6】消火栓装置に設けられた放水制御部の制御動作を示したフローチャート
【
図7】水流発電部を設けた放水ノズルの第2実施形態を示した説明図
【
図8】
図7の水流発電部を一部破断により平面から示した説明図
【
図9】
図7の第2実施形態に設けられた放水操作部の回路構成を示したブロック図
【
図10】振動発電素子を設けた放水ノズルの第3実施形態を示した説明図
【
図11】振動発電素子として磁歪式振動発電素子を用いた第3実施形態による放水操作部の回路構成を示したブロック図
【
図12】磁歪式振動発電素子の構造と動作原理を示した説明図
【
図13】振動発電素子として圧電式振動発電素子を用いた第3実施形態による放水操作部の回路構成を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は放水ノズル側から放水停止の遠隔操作を行う消火栓装置の実施形態を示した説明図であり、
図1(A)に正面図を、
図1(B)に消火栓扉を外した状態の内部構造を示している。
【0025】
図1(A)において、トンネル内に設置された消火栓装置110は、筐体112の前面に配置した化粧板114の右側の扉開口に、消火栓扉116と保守扉118が設けられており、その内部がホース収納空間及びバルブ類収納空間となっている。消火栓扉116は下側のヒンジを中心に上側にあるハンドルを手前に引き出して前方下側に開放することができる。
【0026】
消火栓扉116の上には、上側のヒンジを中心に上向に開閉する保守扉118が設けられており、点検時に消火栓扉116を開いて内側の保守扉118のロックを外すことで開くことができる。
【0027】
筐体112の左側扉開口の右側には通報装置扉120が設けられ、ここに赤色表示灯122、発信機124、及び応答ランプ126が設けられている。赤色表示灯122は常時点灯し、消火栓装置110の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機122を押して内蔵スイッチをオンすると、発信信号が監視室の防災受信盤に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が防災受信盤から送られて、応答ランプ126が点滅される。
【0028】
通報装置扉120の左側には消火器扉128が設けられ、
図1(B)に示すように内部に2本の消火器132が収納されている。消火器扉128は左側をヒンジとして前方に開くことができる。また、消火器扉128の下側には覗き窓130が設けられ、外部から消火器132の収納状態の有無を確認できるようにしている。
【0029】
図1(B)において、筐体112の左側に形成されたホース収納空間にはホースバケット134が設けられ、ホースバケット134及び筐体内壁で囲まれたホース収納空間にホース60を内巻きして収納している。ホースバケット134は、格子状のフレーム配置により扉開口の左右方向における略中央となる位置にホース取出口136を仕切り形成している。
【0030】
ホースバケット134の右側には、ホース取出口136から引き出されるホース60の先端にガンタイプの放水ノズル10が装着され、放水ノズル10は横向きに着脱自在に保持されている。放水ノズル10には遠隔操作により放水停止と放水開始を操作する放水操作部が設けられている。
【0031】
ホース収納空間の右側に配置したバルブ類収納空間には、ポンプ設備からの配管が接続される消火栓接続口からホース接続口に至る放水配管系統に、給水栓46、消火栓弁と直列に接続され、通常監視状態で開放されている操作弁として機能する電動弁、消火栓弁、自動調圧弁52及びメンテナンス装置54等を含む放水バルブ系統が設けられている。なお、電動弁と消火栓弁は銘板の背後に配置されており、正面からは見えない。
【0032】
消火栓弁に対しては消火栓弁開閉レバー56が設けられる。消火栓弁開閉レバー56を下向きとなる開位置に操作すると、銘板の裏側に配置された消火栓弁が開放位置に作動され、配管内の圧が上昇して自動排水弁は閉鎖位置に作動される。
【0033】
同時に消火栓弁開閉レバー56の背後に設置している消火栓弁開閉検出スイッチがオンし、これによってポンプ制御盤にポンプ起動信号が送られ、ポンプ設備が起動される。放水を停止する際には、消火栓弁開閉レバー56、を元の上向き位置に戻すと消火栓弁が閉じ、同時に消火栓弁開閉検出スイッチがオフとなってポンプ設備の運転停止が行われる。
【0034】
また給水栓46の手前にはポンプ起動スイッチ138が配置される。給水弁46及びポンプ起動スイッチ138は消防隊が消火時に操作する機器であり、消火栓扉116を開いても保守扉118により隠されており、消火栓装置を操作しようとするユーザに見せないことで、不要な混乱を起させないようにしている。
【0035】
[放水ノズルの第1実施形態]
(放水ノズルの概要)
図2は放水ノズルの第1実施形態を示した説明図、
図3は
図2の放水ノズルを平面で示した説明図である。
図2に示すように、本実施形態の放水ノズル10は、円筒状のノズル本体12の下側にグリップ18が設けられ、先端に放水部14が設けられ、後端にホース金具を接続する町野式のホース接続口16が設けられている。
【0036】
放水ノズル10には放水操作部28が設けられる。放水操作部28は、ノズル本体12の先端側にスイッチユニット30をバンド36によるノズル本体12に巻き付けた後にねじ38の締め付けで固定しており、スイッチユニット30には、
図3の平面に示すように、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34が配置されている。
【0037】
また、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34には、それぞれLED等の表示灯が内蔵されており、スイッチのオン操作により点灯して、スイッチ操作が行われたことを表示させる。
【0038】
放水ノズル10のグリップ18は内部に収納部20が形成されており、収納部20にはカバー18aが着脱自在に設けられている。収納部20の2箇所にはねじ穴26が形成され、カバー18aに形成されたねじ頭部埋込型の通し穴22を介してねじ24のねじ込みにより、カバー18aが着脱自在に固定されている。
【0039】
グリップ18の収納部20には、放水操作部28の電池電源40及び回路基板42が組込み配置され、回路基板42には電池電源40からの電源線が接続されると共にスイッチユニット30に設けられた放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34からの信号線が接続されている。
【0040】
回路基板42には放水操作部28の制御部と通信部を構成する回路が実装されており、回路基板42からはアンテナ44が引き出されて収納部20内に配置されている。
【0041】
(消火栓装置の放水配管系統)
図4は消火栓装置の放水制御系統と放水制御装置を示した説明図である。
図4に示すように、消火栓装置110のポンプ設備からの配管接続口から放水ノズル10が先端に連結されたホース60のホース接続口に至る放水配管系統には、電動弁48、消火栓弁50、自動調圧弁52及びメンテナンス装置54が直列に接続されている。
【0042】
また、消火栓装置110には、放水制御部62が設けられ、放水ノズル10に設けられた放水操作部28のスイッチ操作による放水停止信号又は放水開始信号を受信して電動弁の開閉駆動行う。
【0043】
消火栓弁50には消火栓弁開閉レバー56が設けられ、消火栓弁開閉レバー56を
図1(B)に示した下向きとなる開位置に操作すると消火栓弁50が開放され、元に戻すと消火栓弁50が閉鎖される。
【0044】
消火栓弁開閉レバー56に対しては消火栓弁開閉検出スイッチ58が設けられ、消火栓弁開閉レバー56を開位置に操作すると消火栓弁開閉検出スイッチ58がオンし、スイッチ信号が消火栓弁開検出信号として放水制御部62出力される。また、消火栓弁開閉検出スイッチ58のオンによるスイッチ信号は、防災受信盤に対しポンプ起動信号として送信される。
【0045】
(放水操作部と放水制御部)
図5は放水ノズルの放水操作部と消火栓装置の放水制御部の機能構成を示したブロック図である。
【0046】
図5に示すように、放水ノズルの放水操作部28は、電池電源40、制御部72アンテナ44が接続された通信部74、放水停止スイッチ32、放水開始スイッチ34、放水停止スイッチ32の表示灯75a及び放水開始スイッチ34の表示灯75bで構成され、制御部72と通信部74は
図2に示した回路基板42に設けられ、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34は
図2に示したスイッチユニット30に設けられている。
【0047】
通信部74は、消火栓装置110の放水制御部62との間で所定の通信プロトコルに従って放水停止信号又は放水開始信号を無線送信する。この通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(特定小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に準拠する。
【0048】
426MHz帯の特定小電力セキュリティシステム無線局設備では、426.2500MHz~426.8375MHzの間に12.5kHzの周波数帯域幅を持つ48チャンネルが割り当てられており、何れかのチャンネル周波数を割り当てて使用する。
【0049】
また、本実施形態の通信部74は送信機能が必須であるが、通信部74に使用する通信ICは送受信が可能であることから、受信機能を備えても良い。
【0050】
制御部72は、放水停止スイッチ32の操作によるスイッチ信号の入力を検出すると、LEDを用いた表示灯75aを点灯させると共に、通信部74に指示し、放水制御部62に固有なアドレスを設定した放水停止信号を無線送信させる制御を行う。
【0051】
また、制御部72は、放水開始スイッチ34の操作によるスイッチ信号の入力を検出すると、LEDを用いた表示灯75bを点灯させると共に、通信部74に指示し、放水制御部62に固有なアドレスを設定した放水開始信号を無線送信させる制御を行う。
【0052】
放水操作部28から送信される放水停止信号又は放水開始信号には、自身の消火栓装置110に設けられた放水制御部62に固有なアドレスが設定されているため、同じチャンネル周波数を使用していても、50メートル間隔でトンネル内に設置されている他の消火栓装置の放水制御部で受信されて放水制御が行われることが防止できる。
【0053】
一方、消火栓装置110の筐体112内に配置された放水制御部62は、制御部64、アンテナ61が接続された通信部66及び駆動部70で構成される。制御部64は、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路であり、CPUによるプログラムの実行により制御部64の機能が実現される。
【0054】
通信部66は、放水操作部28の通信部74と同様に、426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30に準拠し、放水操作部28から送信された信号電波を受信する。また、通信部66は受信機能が必須であるが、通信部66に使用する通信ICは送受信が可能であることから、送信機能を備えても良い。
【0055】
制御部64は、通信部66を介して放水操作部28から送信された自己アドレスを指定した放水停止信号の受信を判別すると、消火栓弁開閉検出スイッチ58により消火栓弁開検出信号が入力されていることを条件に駆動部70に指示して電動弁48を閉駆動させる制御を行う。
【0056】
また、制御部64は、通信部66を介して放水操作部28から送信された自己アドレスを指定した放水開始信号の受信を判別すると、消火栓弁開閉検出スイッチ58により消火栓弁開検出信号が入力されていることを条件に駆動部70に指示して電動弁48を開駆動させる制御を行う。
【0057】
(放水遠隔制御)
図6は消火栓装置に設けられた放水制御部の制御動作を示したフローチャートであり、
図5に示した放水制御部62の制御部64による制御動作となる。
【0058】
図6に示すように、制御部64は、ステップS1で駆動部70に指示して電動弁48を開駆動により開位置となる初期位置としており、これにより消火栓装置110は、消火栓弁50が閉鎖されている通常監視状態で、電動弁48は常に開放されており、消火栓弁開閉レバー56を開操作すると、電動弁48に妨げられることなく放水ノズル10からの放水を可能としている。
【0059】
続いて、制御部64はステップS2で自己アドレスを指定した放水停止信号の受信の有無を判別している。火災を伴う車両事故の発生で利用者が消火栓装置110からの放水ノズル10を取り出してホース60を引き出し、消火栓弁開閉レバー56を開操作して消火栓弁50を開位置に操作して放水ノズル10から放水し、この放水状態で火災が鎮火して放水ノズル10の放水操作部28の放水停止スイッチ32の操作により放水停止信号が送信されると、制御部64はステップS2で自己アドレスを指定した放水停止信号の受信を判別し、ステップS3に進んで消火栓弁開閉検出スイッチ58から消火栓弁開検出信号が出力されていることで消火栓弁50の開放を判別するとステップS4に進み、駆動部70に指示して電動弁48を閉駆動させ、これにより放水が停止される。
【0060】
また、利用者が放水操作部28の操作により放水を停止した後に、火災が完全に鎮火していないような場合には、放水操作部28の放水開始スイッチ34を操作することにより放水開始信号が送信される。
【0061】
これに対し制御部64はステップS5で自己アドレスを指定した放水開始信号の受信を判別するとステップS6に進み、消火栓弁開閉検出スイッチ58から消火栓弁開検出信号が出力されていることで消火栓弁50の開放を判別するとステップS8に進み、駆動部70に指示して電動弁48を開駆動させ、これにより放水が再開される。
【0062】
更に、制御部64はステップS9で消火栓弁50の閉鎖の有無を判別しており、火災の鎮火を確認して放水操作部28の操作で放水を停止させた後に、利用者が消火栓装置110に戻って消火栓弁開閉レバー56を閉位置に操作して消火栓弁50を閉鎖させると、消火栓弁開閉検出スイッチ58のオフにより消火栓弁開検出信号の出力が停止され、これにより消火栓弁50の閉鎖を判別するとステップS1に戻り、もし電動弁48が閉鎖されている場合には、駆動部70に指示して電動弁48の開駆動により開位置となる初期位置に戻す。
【0063】
[放水ノズルの第2実施形態]
図7は水流発電部を設けた放水ノズルの第2実施形態を示した説明図、
図8は
図8の水流発電部を一部破断により平面から示した説明図、
図9は
図7の第2実施形態に設けられた放水制御部の機能構成を示したブロック図である。
【0064】
図7及び
図8に示すように、本実施形態の放水ノズル10には放水操作部28が設けられ、放水操作部28は、
図2及び
図3の第1実施形態と同様に、ノズル本体12に放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34が設けられたスイッチユニット30が配置され、グリップ18の収納部20には制御部と通信部が実装された回路基板88が配置され、これに加えて新たに電源部として機能する水流発電部76が設けられている。
【0065】
水流発電器76は、水車カバー78、水車80、回転軸82及び発電器本体84で構成される。水車カバー78は、グリップ18の収納部20に配置され、ノズル本体12の内部流路12aに開口86を開いており、回転軸82により水車80を回転自在に支持し、この状態で水車80の羽根の一部がノズル本体12の内部流路12aに飛び出すようにしている。
【0066】
回転軸82は水車カバー78の外側に配置された発電器本体84の回転軸に連結又は一体に形成されており、水車80の回転を発電器本体84に伝えて発電させる。
【0067】
本実施形態の放水操作部28は、
図9に示すように、水流発電器76、電源回路部90、制御部72、アンテナ44を接続した通信部74、放水停止スイッチ32、放水開始スイッチ34で構成され、電源回路部90、制御部72及び通信部74は
図7に示した回路基板88に実装されている。なお、
図5の放水操作部28と同様に、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34に対し表示灯75a,75bが設けられるが、図示を省略している。
【0068】
電源回路部90は放水ノズル10の放水により水流発電器76から出力される発電電力を所定の直流電力に変換して各部に電源を供給する。
【0069】
ここで、放水ノズル10からの放水時には、水流により水流発電器76は高速回転されることで所定の発電電力を継続的に供給するようになり、放水操作部28の動作に必要な電力を超える余剰電力を発生する。この水流発電器76から出力される余剰電力は、コンデンサ等からなる充電部を充電するために用いられる。
【0070】
この充電部に充電された電力を用いて、放水停止命令を送って電動弁が閉止して水流がなくなり、水流発電ができない状態であっても、放水再開命令を無線送信することが可能となる。充電部が満充電となり、さらに余剰電力が生じる場合には例えば水冷型のダミー抵抗に流して消費させるか、或いは、水流発電器76の発電回路を周期的にオン、オフさせて必要電力を発電させるようにする。
【0071】
それ以外の構成及び機能は、
図1乃至
図6に示した第1実施形態と同じになることから、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0072】
[放水ノズルの第3実施形態]
図10は振動発電素子を設けたノズルの第3実施形態を示した説明図である。
図10に示すように、本実施形態の放水ノズル10には放水操作部28が設けられ、放水操作部28は、
図2及び
図3の第1実施形態と同様に、ノズル本体12に放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34が設けられたスイッチユニット30が配置され、グリップ18の収納部20には制御部と通信部が実装された回路基板98が配置され、これに加えて新たに電源部として機能する振動発電部94が設けられている。
【0073】
振動発電部94は、放水により放水ノズル10に加わる振動エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、例えば、
図11に示す磁歪式振動発電素子100や
図13に示す圧電式振動発電素子104が用いられる。
【0074】
振動発電部94はグリップ18の収納部20に配置され、固定金具96によりノズル本体12の外側に固定され、放水ノズル10の放水及び水流によりノズル本体12に加わる振動を受けて発電した電力を出力する。
【0075】
(磁歪式振動発電素子)
図11は振動発電部として磁歪式振動発電素子を用いた第3実施形態による放水操作部の回路構成を示したブロック図である。
【0076】
図11に示すように、本実施形態の放水操作部28は、磁歪式振動発電素子100、電源回路部102、制御部72、アンテナ44を接続した通信部74、放水停止スイッチ32、放水開始スイッチ34で構成され、電源回路部102、制御部72及び通信部74は
図10に示した回路基板98に実装されている。なお、
図5の放水操作部28と同様に、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34に対し表示灯75a,75bが設けられるが、図示を省略している。
【0077】
図12は磁歪式振動発電素子の構造と動作原理を示した説明図であり、
図12(A)は正面を示し、
図12(B)は側面を示し、
図12(C)は磁歪素子の変位に対する磁力線変化(コイルは省略)を示し、
図12(D)は発電原理を示す。
【0078】
図12(A)(B)に示すように、磁歪式振動発電素子100は、コイル156a,156bを巻いた2枚の板状の磁歪素子154a,154bを平行に並べ、一端を固定部150と結合し、他端を可動部152と結合した平行梁が構成され、固定部150と可動部152には磁石158が吸着され、ヨーク160により結合されている。
【0079】
図12(C)に示すように、固定部150を固定し、可動部152に例えば上方向の曲げ力Fを作用させると、平行梁は湾曲し、磁歪素子154aには圧縮力が加わって磁力線が減少し、一方、磁歪素子154bには引張り力が加わって磁力線が増加する。
【0080】
このため
図12(D)に示すように、平行梁に振動が加わると、磁歪素子154a,154bに加わっている磁力線は交番状に変化し、コイル156a,156bに起電力Vpが発生し、振動エネルギーが電気エネルギーに変換される。
【0081】
図11に示した電源回路部102は放水ノズル10の放水により磁歪式振動発電素子100から出力される交番電力を所定の直流電力に変換して各部に電源を供給する。
【0082】
それ以外の構成及び機能は、
図1乃至
図6に示した第1実施形態と同じになることから、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0083】
(圧電式振動発電素子)
図13は振動発電部として圧電式振動発電素子を用いた第3実施形態による放水操作部の回路構成を示したブロックである。
【0084】
図13に示すように、本実施形態の放水操作部28は、圧電式振動発電素子104、電源回路部106、制御部72、アンテナ44を接続した通信部74、放水停止スイッチ32、放水開始スイッチ34で構成され、電源回路部106、制御部72及び通信部74は
図10に示した回路基板98に実装されている。なお、
図5の放水操作部28と同様に、放水停止スイッチ32と放水開始スイッチ34に対し表示灯75a,75bが設けられるが、図示を省略している。
【0085】
図14は圧電式振動発電素子の構造を示した説明図である。
図14に示すように、圧電式振動発電素子104はケース170の中に、両側に電極174a,174bが設けられた圧電素子172を、起立したボルト175に通して配置すると共に、その上におもり176を配置してナット178により締付け固定し、振動体180に固定されている。
【0086】
図14の圧電式振動発電素子104は圧縮型と呼ばれる構造であり、ナット178を締めることで一定のプリロードをかけるとともに、圧電素子172とボルト175のバネ性とおもり176の質量から成る系を構成している。
【0087】
一定のプリロードにより圧電素子172には一定の電荷が生じており、振動部材180が図示の上方に向けて加速している時には、おもり176の慣性によって圧電素子172を更に圧縮する力が加わり(加圧)、逆に振動体180が図の下方に向けて加速している時には圧電素子172の圧縮を弱める方向に力が加わる(減圧)ことになる。
【0088】
このようにして振動により繰り返される加圧と減圧に応じて圧電素子172の両極に生じる電荷が増減し、この電荷をチャージアンプ(電荷増幅器)で電圧に変換することにより、加速度に比例した電圧信号を取り出すことができる。
【0089】
図13に示した電源回路部106はチャージアンプ(電荷増幅器)を備え、放水ノズル10の放水により圧電式振動発電素子104から出力される電荷を所定の直流電力に変換して各部に電源を供給する。
【0090】
振動発電部から出力される余剰電力は、第2実施形態と同様にコンデンサ等からなる充電部を充電するために用いられ、充電された電力によって放水停止時に放水再開の無線信号を送信する。
【0091】
それ以外の構成及び機能は、
図1乃至
図6に示した第1実施形態と同じになることから、同一符号を付し、その説明は省略する。
【0092】
[本発明の変形例]
(放水操作部のスイッチ構成)
上記の実施形態にあっては、放水操作部に放水停止スイッチと放水開始スイッチを設けているが、これに限定されず、放水操作部には放水停止スイッチのみを設けるようにしても良い。
【0093】
(切替表示と音声ガイダンス)
上記の実施形態は、放水ノズル側に放水停止スイッチと放水開始スイッチを設け、利用者の判断により操作可能としているが、消火栓装置は操作に不慣れなドライバー等の一般利用者が取り扱うことから、放水操作部に音声ガイダンス機能を設け、放水ノズルから放水を行っている場合に、放水停止操作とその後の放水開始操作の仕方を示す音声ガイダンスを周期的に出力させるようにしても良い。
【0094】
(発電部)
上記の実施形態は、放水を利用した発電部として、水流発電器、振動発電部を例にとっているが、これに限定されず、放水ノズルからの放水によるエネルギーを利用した適宜の発電部が含まれる。
【0095】
(消火栓装置)
上記の実施形態は、トンネル用の消火栓設備の放水ノズルを例にとっているが、これに限定されず、建物に設置されている消火栓装置の放水ノズルについても、同様に適用できる。
【0096】
(応答信号の送信と報知)
上記の実施形態は、放水操作部から放水制御部に無線信号を送信するとしているが、これに加えて、放水操作部に受信部を設け、放水制御部に送信部を設けることにより放水制御部から放水操作部に無線送信するようにしても良い。
【0097】
放水制御部は放水操作部から信号を受信したとき、放水操作部に対して信号を受信したことを示す応答信号を無線送信し、放水操作部は放水制御部から応答信号を受信したとき、放水ノズルから応答信号を受信した旨を操作スイッチの点灯や音声等で報知させる。
【0098】
上記の形態により、放水操作部からの無線操作が正しく行われたか操作者がすぐに確認可能となる。電動弁の開閉動作やホース内の水の移動に伴う、開閉操作から放水ノズル10までに水の状態が反映されるまでの時間を待たずに正しく操作できているかどうか確認可能となる。
【0099】
(電動弁の配置)
上記の実施形態は、消火栓弁の1次側に電動弁を備えるとしているが、例えば自動調圧弁の2次側など消火栓弁と直列の位置ならば適宜の場所に備えて良い。
【0100】
自動調圧弁の2次側に備えることで、通常時は充水していないことから点検・交換が容易であり、放水時においては調圧弁の2次側であるから消火栓弁の1次側と比較して圧力が低く管路が狭いため弁体を小さくできるから動作に係る電力が少なくし、さらに早く動作することが可能となる。
【0101】
また、消火栓弁と直列に配置される操作弁をパイロット圧の供給により閉鎖駆動されるピストンシリンダ機構を備えたパイロット式の操作弁とし、電動弁を当該操作弁のパイロット弁として機能させるようにしても良い。この実施形態によれば、放水に必要な流量を確保する必要がある管路とは別に細い管路を形成できるため、電動弁の操作に必要な電力を削減することが可能となる。
【0102】
上記の実施形態は、放水停止機構を設けていない放水ノズルについて記載したが、屋内消火栓等に用いられる放水ノズルに機械的に放水停止機構を設けたものについても適用可能である。放水停止機構としては常時開として、放水ノズルに設けられた放水操作部による放水停止操作と放水再開操作によって放水制御するようにしても良い。
【0103】
(その他)
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0104】
10:放水ノズル
12:ノズル本体
12a:内部流路
14:放水部
18:グリップ
18a:カバー
20:収納部
28:放水操作部
30:スイッチユニット
32:放水停止スイッチ
34:放水開始スイッチ
36:バンド
40:電池電源
42,88,98:回路基板
44:アンテナ
46:給水栓
48:電動弁
50:消火栓弁
52:自動調圧弁
54:メンテナンス装置
56:消火栓弁開閉レバー
58:消火栓弁開閉検出スイッチ
60:ホース
62:放水制御部
64,72:制御部
66,74:通信部
70:駆動部
75a,75b:表示灯
76:水流発電器
78:水車カバー
80:水車
82:回転軸
84:発電器本体
86:開口
90,102,106:電源回路部
94:振動発電部
96:固定金具
100:磁歪式振動発電素子
104:圧電式振動発電素子
110:消火栓装置