(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033350
(43)【公開日】2022-02-28
(54)【発明の名称】組織把持デバイスおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/122 20060101AFI20220218BHJP
A61B 17/128 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
A61B17/122
A61B17/128
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022001622
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2019522620の分割
【原出願日】2017-07-13
(31)【優先権主張番号】62/361,953
(32)【優先日】2016-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519012389
【氏名又は名称】メドフリー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ラグヴィール バスデ
(57)【要約】
【課題】好適な組織把持デバイスおよび関連方法を提供すること。
【解決手段】心臓弁または静脈弁の尖を固定するためのクリップが、ハブの下端に結合されるもつれ抵抗性ばね付勢外側アームの対と、外側アームに隣接し、ハブの上端に結合されるもつれ抵抗性ばね付勢内側アームの対とを有するハブを含む。送達カテーテルが、外側および内側アームが互いに対して開放位置において付勢されている間に標的弁に隣接して弁クリップを位置付けるために使用され得る。弁尖が開放された外側および内側アーム間に位置した後、付勢力は、解放され、クリップが弁尖の上をおおってクリップを自己閉鎖することを可能にし得る。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第62/361,953号(2016年7月13日出願、代理人事件番号52206-703.101)の利益を主張し、上記出願の全内容は、参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療方法、デバイス、およびシステムに関する。特に、本発明は、組織接近または弁修復等、身体組織の血管内、経皮的、または低侵襲性外科手術処置のための方法、デバイス、およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、低侵襲性および他の手技を通した僧帽弁および三尖心臓弁、静脈弁、ならびに他の組織構造の修復のための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
身体組織の外科手術修復は、多くの場合、組織接近および接近配列におけるそのような組織の締結を伴う。弁を修復するとき、組織接近は、多くの場合、弁の尖を治療配列において接合することを含み、これは、次いで、尖を締結または固定することによって維持され得る。尖のそのような固定は、僧帽弁において最も一般的に起こる逆流を処置するために使用されることができる。
【0004】
僧帽弁逆流は、心臓の左心室から機能不全の僧帽弁を通した左心房の中への逆流によって特徴付けられる。心臓収縮の正常なサイクル(収縮期)中、僧帽弁は、左心房の中に戻るような酸素供給された血液の流動を防止するための逆止弁として作用する。このように、酸素供給された血液は、大動脈弁を通して大動脈の中に圧送される。弁の逆流は、心臓の圧送効率を有意に減少させ、患者を深刻な進行性心不全のリスクに晒し得る。
【0005】
僧帽弁逆流は、僧帽弁または左心室壁におけるいくつかの異なる機械的欠陥からもたらされ得る。弁尖、尖を乳頭筋に接続する弁腱、乳頭筋自体、または左心室壁は、損傷する、または別様に機能不全になり得る。一般的に、弁輪は、損傷する、拡張される、または弱化し、収縮期中に左心室の高圧に対して適正に閉鎖する僧帽弁の能力を限定し得る。
【0006】
僧帽弁逆流のための最も一般的な処置は、弁置換または尖および弁輪再造形を含む弁修復に依拠し、後者は、概して、弁形成術と称される。対向する弁尖の隣接するセグメントをともに縫合することに依拠する僧帽弁修復のための1つの技法は、「ボウタイ」または「切端」技法と称される。全てのこれらの技法は効果的であり得るが、それらは、通常、患者の胸部が、典型的には、胸骨切開術を介して開放され、患者が心肺バイパス術を受ける心臓切開外科手術に依拠する。胸部を開放することと、患者をバイパス術にかけることの両方の必要性は、外傷性であり、高い死亡率および疾病率と関連付けられる。
【0007】
いくつかの患者では、固定デバイスが、低侵襲性技法を使用して、心臓の中に設置されることができる。固定デバイスは、対向する弁尖の隣接するセグメントをともに保持し、僧帽弁逆流を低減させることができる。僧帽弁の前尖および後尖をともにクリップ留めするために使用される1つのそのようなデバイスは、Abbott Vascular(Santa Clara,California,USA)によって販売されるMitraClip(登録商標)固定デバイスである。
【0008】
MitraClip(登録商標)弁尖固定デバイス等の固定デバイスは、多くの場合、クリップアームが移動され、処置部位における組織に対して位置付けられ、次いで、組織に対して閉鎖される際、弁組織を把持および保持するように設計されるクリップを含む。そのようなクリップは、組織を継続して把持するために、最終位置に閉鎖され、次いで、その位置に機械的に係止されるように設計される。
【0009】
加えて、把持および最終位置に閉鎖する行為は、尖および潜在的に弁輪を締める。MitraClip(登録商標)が、機械的に係止される鋼(Elgiloy(登録商標))アームを伴う比較的に堅性のデバイスであることを考慮して、弁輪の自然膨張および収縮は、改変される。
【0010】
さらに、脱出を達成し、デバイスを除去または再位置付けするために、デバイスを極端な角度において(反転点まで)撓曲させ、把持を解放することが、要求される。デバイスの展開前、位置付け、閉鎖、および脱出中の固定デバイスの構成要素の本極端な移動および変形は、固定デバイスの弱化および早期劣化につながり得る。加えて、これは、複数の構成要素とともにデバイスを極端に複雑にし、デバイスの比較的に大きい全体的サイズに寄与し、したがって、対応して大きい(MitraClip(登録商標)固定デバイスに関して約24Fr)送達システムに寄与する。本大きいカテーテルサイズは、患者に追加の外傷を与える。比較すると、典型的な経中隔挿入器シースは、8.5Fr~12Fr(内径)および9Fr~16Fr(外径)である
【0011】
いくつかの組織固定処置は、デバイスが適切に展開され、標的組織が所望の位置に適切に固定された後であっても、固定デバイスがある程度の可撓性および可動性を維持し、ある範囲の生理学的移動を可能にすることを要求する。これは、(例えば、弁尖の連続的開放および閉鎖からの)撓曲する構成要素の継続される変形が、デバイスの好ましくない劣化につながるため、デバイスの複雑な係止機構の早期故障のリスクを増加させ得る。
【0012】
弁の解剖学的構造および疾患状態に応じて、概して、尖形状における接合長さおよび非類似性(例えば、前僧帽弁尖と後僧帽弁尖との間の非類似性)の変動が存在し得る。しかしながら、現在のデバイスおよび市場を先導するMitraClip(登録商標)固定デバイスは、1つのサイズしか提供されていない。これは、種々の弁サイズ、接合長さ、脆弱性、ならびに処置されるべき種々の機能性および変性弁欠陥を提示されるとき、外科医に対して問題をもたらし得る。
【0013】
脱出および再位置付けする能力は、医療デバイスの大部分に関して重要な安全性考慮事項である。現在の市場をリードするMitraClip(登録商標)固定デバイスは、これが脱出および再位置付けを可能にするため、ある程度これらの属性を保有する。しかしながら、これは、時として、組織または送達機構が組織握持特徴の返しに引っ掛かった状態になり得る安全性リスクを提示する。
【0014】
最後に、本手技中およびその後の可視化は、デバイスの正常な送達および結果の転帰において重要な役割を果たす。現在の最新技術のデバイスは、蛍光透視法および経食道心エコー図(TEE)に依拠する。TEEは、主として、全身麻酔を要求し、本タイプの修復手技が典型的に実施される、老齢および虚弱な患者集団に有意なリスクを追加する。
【0015】
少なくともこれらの前述の理由から、以下の必要性が依然としてある。
a) より少ない構成要素を伴うより単純なデバイス:多数かつ複雑な構成要素と関連付けられる安全性および製造リスクを増加させることなく、撓曲する構成要素の有益な弾性および耐久性を提供し得る、組織固定のための代替および/または追加の方法、デバイス、ならびにシステム。
b) 係止なしデバイス:デバイスの係止に関連する手技的リスクおよび展開後の係止機構の故障と関連付けられるリスクを排除するためのより単純なデバイスの必要性。
c) 弾性および伸縮性デバイス:弁輪(または尖)のある程度の自然膨張および収縮を保全しながら弁輪(または尖)を緩やかに締めるデバイスの必要性。
d) より小さいカテーテルサイズ/外形:これらの処置を受ける殆どの患者は、老齢かつ複数の併存疾患によって虚弱であり得ることを考慮して、24Frよりもはるかに小さい送達デバイスを作製し、血管アクセスと関連付けられるリスクを低下させる必要性もまたある。
e) 複数のデバイスサイズ:固定デバイスの組織把持能力を限定しない様式でそのような方法、デバイス、およびシステムを提供する。例えば、短い接合長さおよび/または虚弱な尖に対処するために、尖の形状および長さに適合しながら、尖の接合領域を越えて把持する能力の必要性があり得る。
f) もつれなし設計:現在の市場をリードするMitraClip(登録商標)固定デバイスは、組織握持特徴の両側上に露出される返しを有する。腱、組織、およびデバイス送達機構は、そのような露出される返しによって閉じ込められた状態になり得る。したがって、組織または送達機構が本手技中にデバイス内で膠着するリスクをさらに軽減する、デバイスの脱出および再位置付けの安全性を改良する必要性がある。
g) 可視化:患者への外傷を殆ど伴わずに本手技を安全かつ正常に実施するために、改良された可視化およびフィードバックの必要性がある。
h) 局所麻酔:理想的な手技は、全身麻酔の使用を伴わずに局所麻酔下であろう。これは、全身麻酔と関連付けられるより高いリスクを軽減する。
下記に開示される実施形態の少なくともいくつかは、これらの目的を対象とする。
【0016】
(2.背景技術の説明)
僧帽弁尖を接合および修正し、僧帽弁逆流を処置するための低侵襲性および経皮的手技が、PCT公開第WO 98/35638号(特許文献1)、第WO 99/00059号、第WO 99/01377号、および第WO 00/03759号、第WO 2000/060995号、第WO 2004/103162号に説明されている。Maisano、他(1998年)Eur.J.Cardiothorac.Surg.13:240-246、Fucci、他(1995年)Eur.J.Cardiothorac.Surg.9:621-627、およびUmana、他(1998年)Ann.Thorne.Surg.66:1640-1646は、対向する弁尖の縁が逆流を減少させるためにともに縫合される、「切端」または「ボウタイ」僧帽弁修復を実施するための観血術手技を説明している。DecおよびFuster(1994年)N.Engl.J.Med.331:1564-1575およびAlvarez、他(1996年)J.Thorne.Cardiovasc.Surg.112:238-247は、拡張型心筋症の性質および処置を議論する総説論文である。
【0017】
僧帽弁形成術が、以下の公開、すなわち、BachおよびBolling(1996年)Am.J.Cardiol.78:966-969、Kameda、他(1996年)Ann.Thorne.Surg.61:1829-1832、Bachおよび Bolling(1995年)Am.Heart J.129:1165-1170、ならびにBolling、他(1995)109:676-683に説明されている。僧帽弁修復に関する線形セグメント弁形成術が、Ricchi、他(1997年)Ann.Thorne.Surg.63:1805-1806に説明されている。三尖弁形成術が、McCarthyおよびCos- grove(1997年)Ann.Thorne.Surg.64:267-268、Tager、他(1998年)Am.J.Cardiol.81:1013-1016、ならびにAbe、他(1989年)Ann.Thorne.Surg.48:670-676に説明されている。
【0018】
経皮経管的心臓修復手技が、Park、他(1978年)Circulation 58:600-608、Uchida、他(1991年)Am.Heart J.121: 1221-1224、およびAli Khan、他(1991年)Cathet.Cardiovasc.Diagn.23:257-262に説明されている。血管内心臓弁置換が、米国特許第5,840,081号(特許文献2)、第5,411,552号、第5,554,185号、第5,332,402号、第4,994,077号、および第4,056,854号に説明されている。米国特許第3,671,979号は、人工心臓弁の一時的留置のためのカテーテルを説明している。
【0019】
他の経皮的および血管内心臓修復手技が、米国特許第4,917,089号(特許文献3)、第4,484,579号、および第3,874,338号、ならびにPCT公開第WO 91/01689号に説明されている。
【0020】
腹腔鏡下および他の低侵襲性心臓弁修復ならびに置換手技が、米国特許第5,855,614号(特許文献4)、第5,829,447号、第5,823,956号、第5,797,960号、第5,769,812号、および第5,718,725号に説明されている。
【0021】
組織に係合するMitraClip(登録商標)デバイス、システム、および方法が、米国特許第8,057,493号(特許文献5)、第7,226,467号に説明されている。
【0022】
米国特許公開第2015/0257883号は、主要発明者が本明細書における発明者である本願に特に関連する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】国際公開第98/35638号
【特許文献2】米国特許第5,840,081号明細書
【特許文献3】米国特許第4,917,089号明細書
【特許文献4】米国特許第5,855,614号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の要約)
本発明は、処置部位における組織接近および修復のためのデバイス、システム、ならびに方法を提供する。本発明のデバイス、システム、および方法は、血管内、低侵襲性、および観血術手技を含む種々の治療手技における使用を見出し、腹部、胸部、心臓血管系、心臓、腸管、胃、尿路、膀胱、肺、ならびに他の器官、血管、および組織を含む、種々の解剖学的領域において使用されることができる。本発明は、遠隔組織場所、特に、利用される器具が処置部位への長く狭い蛇行した経路を通り抜けなければならないものへの低侵襲性または血管内アクセスを要求するそれらの手技において特に有用である。加えて、本発明のデバイスおよびシステムの多くは、内部組織との干渉またはそれに対する外傷を伴わずに、任意の点において患者から可逆的かつ取り外し可能であるように適合される。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、処置部位における組織の固定のために適合される。例示的組織固定用途は、心臓弁修復、中隔欠損修復、血管結紮および咬持、裂傷修復、ならびに創傷閉鎖を含むが、本発明は、多種多様な組織接近および修復手技における使用を見出し得る。特に好ましい実施形態では、本発明のデバイス、システム、および方法は、逆流のための治療として、心臓弁、特に、僧帽弁の修復のために適合される。本発明は、逆流を低減させるために、「切端」または「ボウタイ」技法を使用して2つ以上の弁尖が接合されることを可能にするが、従来のアプローチのように胸部および心臓壁を通した観血術を要求しない。加えて、尖の位置は、石灰化、脱出、または動揺等の疾患のタイプおよび程度に応じて、罹患した僧帽弁において変動し得る。これらのタイプの疾患は、一方の尖が他方よりも可動性(例えば、捕捉することがより困難)であり、したがって、他方の尖と同一の把持において対称的に把持することがより困難であることをもたらし得る。本発明の特徴は、固定デバイスが、予測不可能な標的組織幾何学形状の課題を満たすように適合され、かついったんこれが捕捉されると、組織に対してよりロバストな把持を提供することを可能にする。加えて、本発明は、随意に、可視化技法を組み込み、デバイス留置手技が全身麻酔の使用を伴わずに実施されることを可能にする。
【0026】
本発明のデバイス、システム、および方法は、介入システムを形成するために、個別に、または種々の組み合わせにおいて使用され得る種々のデバイスを中心とする。好ましい実施形態では、介入システムは、マルチカテーテル誘導システム、送達カテーテル、および介入デバイスを含む。これらの構成要素の各々は、本明細書に議論されるであろう。
【0027】
例示的実施形態では、本発明は、外側アーム(または固定要素)の対を有する固定デバイスを提供し、各外側アームは、遊離端と、組織に係合するための係合面とを有し、外側アームは、組織を捕捉するための第1の位置と組織を固定するための第2の位置との間で移動可能である。好ましくは、係合面は、第1の位置において離間され、第2の位置においてともにより近接し、概して、互いに向かって面する。固定デバイスは、好ましくは、細長いシャフトと、近位端と、遠位端とを有する送達カテーテルによって、患者の身体内の標的場所に送達され、送達カテーテルは、血管穿刺もしくは切開または外科手術貫通等の遠隔アクセス点から標的場所に位置付けられるように構成される。好ましい実施形態では、標的場所は、心臓内の弁である。
【0028】
本発明の特定の利点は、平行または垂直関係において僧帽弁の尖(またはこれが使用される任意の他の組織)を接合するその能力である。言い換えると、尖は、捕捉され、一緒に引き寄せられ、固定され得、したがって、その近位上流面は、互いに平行に配置され、概して、接合点における弁を通した流動の方向と整列させられる。固定デバイスのいくつかの実施形態では、十分に剛性の外側アーム、高度に摩擦的かつ圧縮性の内側アーム、および受動的閉鎖機構の使用は、最適な接合構成を達成するために、尖を垂直に保ちながら(血流と整列させられる)、尖が離間関係において把持され、次いで、接合関係において一緒に引き寄せられることを可能にする。
【0029】
本発明の特定の利点は、尖の解剖学的輪郭と並んで把持しながら、平行または垂直関係において僧帽弁の尖(またはこれが使用される任意の他の組織)を接合するその能力である。言い換えると、尖は、捕捉され、一緒に引き寄せられ、固定され得、したがって、接合から離れるように解剖学的輪郭と並んで付加的に把持しながら、その近位上流面は、互いに平行に配置され、概して、接合点における弁を通した流動の方向と整列させられる。固定デバイスのいくつかの実施形態では、十分に可撓性の外側アーム、高度に摩擦的かつ圧縮性の内側アーム、および受動的閉鎖機構の使用は、最適な接合構成を達成するために、尖を垂直に保ちながら(血流と整列させられる)、尖が離間関係において把持され、次いで、接合関係において一緒に引き寄せられることを可能にする。
【0030】
本発明の特定の利点は、尖の解剖学的輪郭と並んで把持しながら、尖形状の近接する解剖学的関係において僧帽弁の尖(またはこれが使用される任意の他の組織)を接合するその能力である。言い換えると、尖は、捕捉され、一緒に引き寄せられ、固定され得、したがって、その自然解剖学的形状は、保持される。固定デバイスのいくつかの実施形態では、十分に可撓性の外側アーム、高度に摩擦的かつ圧縮性の内側アーム、および受動的閉鎖機構の使用は、最適な接合構成を達成するために、尖を垂直に保ちながら(血流と整列させられる)、尖が離間関係において把持され、次いで、接合関係において一緒に引き寄せられることを可能にする。
【0031】
固定デバイスは、好ましくは、デバイスの外形を最小化するように構成される送達位置における外側アームとともに送達される。心房側から僧帽弁に接近するとき、固定デバイスのいくつかの実施形態は、デバイスが、送達デバイスシャフトの縦方向軸に対して約90°を下回る、好ましくは、約20°を下回る角度を形成する略近位方向に向く外側アームの遊離端とともに送達されることを可能にする。この位置では、係合面は、概して、互いに向かって面しており、互いに対して約180°を下回る、好ましくは、約40°を下回る角度において配置されている。心室アプローチに関して、送達位置では、外側アームの遊離端は、略遠位方向に向いており、送達デバイスシャフトの縦方向軸に対して約90°を下回る、好ましくは、約20°を下回る角度を形成する。この位置では、係合面は、概して、互いに向かって面しており、通常、互いに対して約180°を下回る、好ましくは、約90°を下回る角度において配置されている。代替として、いくつかの心室アプローチでは、送達位置において略近位方向に向く固定要素の遊離端および互いから離れるように面する係合面を有することが、好ましくあり得る。
【0032】
本発明のデバイスおよびシステムの可逆性ならびに除去可能性を提供するために、尖は、縫合糸またはワイヤを使用して、十分に可撓性の外側アームから持ち上げられ、外側アームの反転を事実上模倣し、これは、デバイスが抜去されることが所望される場合、周辺組織とのもつれおよび干渉を最小化する。僧帽弁修復用途では、これは、腱索、弁尖、およびデバイスがもつれた状態になり得る他の組織の存在に起因して、特に重要である。(模倣された反転位置における)僧帽弁の心房側からのアプローチに関して、縫合糸またはワイヤは、互いに対して約180°を上回る、好ましくは、270°を上回る角度において配置される。模倣された反転位置における弁への心室アプローチに関して、縫合糸またはワイヤは、カテーテルシャフトに対して遠位方向に向いており、係合面は、概して、互いに向かって面し、通常、互いに対して約180°を下回る、好ましくは、90°を下回る角度において配置されているであろう。
【0033】
開放位置において、外側アームの係合面は、好ましくは、その中で弁尖または他の標的組織を捕捉する面積を最大限にするように、互いに対して最大180°の角度を形成する。外側アームは、好ましくは、係合面が互いに係合する、または互いに対して0°と同程度に小さい角度を形成する閉鎖位置まで可撓性である。外側アームは、種々の厚さ、幾何学形状、および間隔の組織の固定を可能にするために、内側アームに対向する圧縮力を付与しながら、可撓性であり、種々の位置のいずれかに恒久的に残されるように構成される。
【0034】
本発明の特定の利点は、外側および内側アームの両方が十分に超弾性かつ可撓性であり、a)尖の解剖学的形状およびb)尖に対する生理学的力と適合するようにわずかな移動を可能にしながら、組織に対して永続的かつ緩やかな(非外傷性)反力を付与することである。
【0035】
本発明の特定の利点は、外側および内側アームの両方が十分に超弾性、伸縮性、かつ可撓性であり、これが、開放状態における尖を閉鎖された最終構成に捕捉することに応じて、拡張期中のある程度の自然膨張を保全し、収縮期中の弁輪の自然収縮を補助しながら、弁輪に対する緩やかな治療締めを(直接または尖を介して)与えることである。弁輪に対するこの緩やかな締めは、潜在的に、特に、拡大した心臓の拡張した弁輪において、弁輪の肯定的再造形を促進する。加えて、これは、拡張期中の自然弁輪膨張を保全し、それは、順に、拡張期中の心房から心室への強化された血流のために弁のオリフィス面積を増加させる。本発明の弁クリップは、MitraClip(登録商標)デバイスよりも外傷性ではなく、より可撓性であろうが、クリップは、弁尖を堅く咬持および固定するために依然として十分にロバストであり、したがって、それらは、処置される弁を通した流量制御を改良するように所望に応じて機能することができる。
【0036】
本発明の別の特定の利点は、摩擦要素(返し)がアーム本体の長軸に沿って内側に配置され、連続的かつ忠実の側面によって閉じ込められることである。MitraClip(登録商標)デバイスとは異なり、返しは、側に沿って露出されない。これは、腱索、弁尖、およびデバイスがもつれた状態になり得る他の組織のもつれのリスクを有意に低減させるため、有利である。さらに、本特徴は、縫合糸またはワイヤもしくは潜在的に固定デバイスと接触し得る他のそのような送達カテーテル要素のもつれのリスクを低減させる。
【0037】
好ましい実施形態では、本発明の固定デバイスはさらに、少なくとも1つの内側アーム(または把持要素)と、1つの外側アーム(または接合要素)とを含むであろう。各内側アームおよび外側アームは、互いに対して移動可能であり、内側アームと外側アームの係合面との間に組織を捕捉するように構成されるであろう。好ましくは、外側アームおよび内側アームは、独立して移動可能であるが、いくつかの実施形態では、同一の機構を用いて移動可能であり得る。内側アームは、好ましくは、固定要素の係合面に向かって付勢され、逆もまた同様であり、その間に捕捉された組織に対して圧縮力を提供し得る。
【0038】
別の側面では、本発明は、カテーテルへの結合のために構成される結合要素と、結合要素に接続される外側アームの対とから成る固定デバイスを提供し、各外側アームは、組織を把持するために係合面を保持する。
【0039】
僧帽弁の修復等のいくつかの用途では、固定デバイスは、送達カテーテルから取り外され、患者内に恒久的に残されるように適合される。そのような用途では、多くの場合、固定デバイスの周囲の組織成長を促進することが、望ましい。この目的のために、固定デバイスの構成要素のいくつかまたは全ては、好ましくは、組織成長を促進するためのカバーまたはコーティングを用いて被覆される。一実施形態では、生体適合性織物カバーが、外側アームおよび/または内側アームの上をおおって位置付けられる。カバーは、随意に、組織成長促進物質、抗生物質、抗凝固剤、血液希釈剤、および他の作用剤を含む、種々の治療剤を用いて含浸またはコーティングされ得る。代替として、または加えて、固定要素および/またはカバーのいくつかもしくは全ては、生体侵食性、生体分解性、または生体吸収性材料から成り得、したがって、これは、修復された組織がともに成長した後、分解する、または身体によって吸収され得る。
【0040】
僧帽弁の修復等のいくつかの用途では、固定デバイスは、送達カテーテルから取り外され、患者内に一時的に残されるように適合される。そのような用途では、多くの場合、血液適合性かつ生体適合性表面を提供しながら、固定デバイスの周囲の組織成長を助長しないことが、望ましい。この目的のために、固定デバイスの構成要素のいくつかまたは全ては、好ましくは、組織成長を伴わずに血液適合性を促進するためのカバーまたはコーティングを用いて被覆される。一実施形態では、生体適合性織物カバーが、外側アームおよび/または内側アームの上をおおって位置付けられる。カバーは、随意に、組織成長阻害物質、抗生物質、抗凝固剤、血液希釈剤、および他の作用剤を含む、種々の治療剤を用いて含浸またはコーティングされ得る。代替として、または加えて、固定要素および/またはカバーのいくつかもしくは全ては、生体侵食性、生体分解性、または生体吸収性材料から成り得、したがって、これは、修復された組織がともに成長した後、分解する、または身体によって吸収され得る。
【0041】
外側アームおよび内側アームは、固定デバイスが心臓サイクル全体を通して標的組織に確実に締結されたままであるように、十分に高い保定力を提供するように構成されるであろう。同時に、遠位および内側アームは、それらによって係合される組織へのいずれの急性外傷も最小化するように構成されるであろう。これは、固定デバイスが、組織への臨床的に有意な傷害を生成することなく、初期適用後に組織から除去されることを可能にする。有意な外傷を生成することなく保定を強化するために、内側アームおよび/または外側アームは、標的組織に係合するその表面上に摩擦強化特徴を有し得る。そのような摩擦強化特徴は、とりわけ、返し、突起、溝、開口部、チャネル、粗面化、カバー、およびコーティングを含み得る。好ましくは、摩擦強化特徴は、デバイスが除去される場合、有意な傷害または瘢痕を残さないまま、組織に対する遠位および内側アームの保定力を増加させるように構成されるであろう。
【0042】
外側および内側アームはさらに、保定力を最大限にし、標的組織への外傷を最小化するための形状および可撓性を有し得る。好ましい実施形態では、外側アームの係合面は、内側アームが、標的組織とともに、外側アーム内で入れ子になる、またはその中に後退されることを可能にするように構成される凹状形状を有する。これは、外側アームによって係合される組織の表面積を増加させ、平面係合面よりも高い保定力を有する組織係合の幾何学形状を作成する。外傷を最小化するために、外側アームの縦方向縁ならびに遊離端は、好ましくは、係合面から離れるように外向きに湾曲し、したがって、これらの縁は、標的組織に対して丸形面を提示する。外側アームおよび/または内側アームはまた、それらが、それによって係合される組織に対する力に応答してある程度まで偏向し、組織がそのような力に応答して断裂する、または損傷するであろう可能性を低減させるように、可撓性であり得る。
【0043】
固定デバイスは、外側アームを開放、閉鎖、および反転位置間で移動させるための作動機構を含むであろう。種々の作動機構が、使用され得る。例示的実施形態では、送達システムハンドルによってユーザによって制御可能である縫合糸またはストリングまたはワイヤもしくはレバーが、外側または内側アームを上昇および降下させ、尖を捕捉するために使用され得る。
【0044】
本発明の固定デバイスは、好ましくは、送達カテーテルに取り外し可能に接続可能である結合部材を含む。結合部材は、種々の構造を有し得るが、例示的実施形態では、ハンドルから固定デバイスまで同軸上に、かつスライド可能に延びている、十分な引張強度の可撓性ロッド、ワイヤ、またはスタイレットを備えている。ユーザが所望するとき、ユーザは、結合部材の後退を可能にするハンドル安全解除機構を操作する。これは、順に、結合部材を、送達システムと固定デバイスとの間で係合要素からスライドさせる。送達カテーテルは、結合部材および固定デバイスの両方に取り外し可能に接続するように構成されるであろう。一実施形態では、送達カテーテルは、細長い部材を通した丸形孔と、細長い部材の孔内にスライド可能に配置されるロッド/ワイヤ/スタイレットとを有する。結合部材、細長い部材、および固定デバイスの接合部は、S字曲線または角度面もしくは平面を含む、種々の形状を有し得る噛合面を備えている。ロッド/ワイヤ/スタイレットは、送達カテーテルから外側部材内の軸方向チャネルを通して延び、固定デバイスとのその接続を維持する。ロッド/ワイヤ/スタイレットは、ねじ山付き接続を含む、種々の接続構造によって接続され得る。送達カテーテルの中に戻るようなロッド/ワイヤ/スタイレットの取り外しおよび後退は、送達カテーテルを結合解除し、固定デバイスの展開を可能にする。
【0045】
本発明の送達デバイスは、介入デバイスを身体内の標的場所に送達する。そのような介入デバイスは、特に、固定デバイスまたは弁尖等の組織に接近する任意のデバイスを含む。送達デバイスおよびシステムは、患者の脈管等を通した低侵襲性アプローチを通して介入デバイスを標的場所に向け、組織に接近させるため等の標的場所における介入デバイスの操作を提供する。随意に、送達デバイスおよびシステムは、介入デバイスの結合解除を提供し、介入デバイスがインプラントとして残されることを可能にし得る。
【0046】
本発明のある側面では、好ましくは、身体内の蛇行した経路を通した導入のために好適な細長い可撓性シャフトを備えている送達デバイスが、提供される。細長いシャフトは、近位端と、遠位端と、その間の主要管腔とを有する。送達デバイス内に含まれるものは、主要管腔を通して延びている、少なくとも1つの細長い本体、特に、少なくとも1つの可撓性管状ガイドである。いくつかの実施形態では、管状ガイドは、近位端に近接して、かつ遠位端に近接してシャフトに固定され、主要管腔内で側方に移動可能であるように、その間でシャフトに対して拘束されない。代替として、管状ガイドは、その部分のより高い可撓性を提供するように、シャフトの遠位部分においてのみ拘束されない場合がある。
【0047】
いくつかの実施形態では、2つの可撓性管状ガイドが、存在する。しかしながら、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれを上回る可撓性ガイドが、代替として、存在し得る。管状ガイドは、金属またはポリマーコイル等、圧縮下で強度を提供しながら側方可撓性を提供する任意の好適な材料から成り得る。加えて、円筒形ロッド、ワイヤ、縫合糸、スタイレット等の他の細長い本体も、存在し、追加の引張強度を提供し得る。いくつかの実施形態では、主要管腔は、流体によって占有され、したがって、細長い本体は、そのような流体によって囲繞される。
【0048】
本発明のある側面では、送達デバイスは、可撓性管状ガイドのうちの少なくとも1つの中に移動可能に配置され、近位端と遠位端との間に延びている作動要素を含む。作動要素は、介入要素の移動可能構成要素との結合のために適合され、したがって、作動要素の移動は、移動可能要素を移動させる。そのような介入要素は、典型的には、シャフトの遠位端に取り外し可能に結合される。移動可能構成要素は、把持、接近、切断、アブレーション、ステープル留め、または別様に組織に係合することを含む、種々の機能のいずれかを有し得る。一実施形態では、移動可能構成要素は、弁尖の接合等の組織の接近を提供する。好ましい実施形態では、介入要素は、その間で組織に係合するために適合される第1および第2の組織係合要素を有する。したがって、これらの実施形態では、作動要素は、組織に係合するように組織係合要素を移動させるために使用される。さらに、いくつかの実施形態では、シャフトおよび介入要素は、血管を通した位置付けのために適合される。
【0049】
本発明のある側面では、システムが、組織を処置部位に接近させるために提供される。いくつかの実施形態では、システムは、近位端と、遠位端と、その間の主要管腔と、主要管腔を通して延びている少なくとも1つの可撓性管状ガイドとを有する細長い可撓性シャフトを備えている。再び、好ましい実施形態では、管状ガイドは、近位端に近接して、かつ遠位端に近接してシャフトに固定され、主要管腔内で側方に移動可能であるように、その間で主要管腔の少なくとも一部の中に拘束されない。いくつかの実施形態では、システムはまた、管状ガイド内に移動可能に配置される作動要素と、シャフトの遠位端に結合される接近デバイスとを含み、接近デバイスは、その間で組織に係合するための第1および第2の係合要素を有し、係合要素のうちの少なくとも1つは、移動可能であり、作動要素に結合される。
【0050】
本発明の送達デバイスは、ユーザが、(血管内アプローチを通してか、または外科手術アプローチを通してかを問わず)遠隔アクセス点から標的部位に固定デバイスを送達し、デバイスを標的組織と整合させ、外側アームを選択的に閉鎖、開放、反転、係止、または係止解除することを可能にするように適合される。送達デバイスは、好ましくは、最小の細長いならびに高い引張および圧縮強度を伴う、高度に可撓性、耐キンク性、捩り堅性シャフトを有するであろう。送達デバイスはまた、降下および上昇位置間でアームを移動させ、アームを標的組織と係合するように移動させ、送達カテーテルから外側アームを取り外すために使用される、移動可能構成要素および関連付けられるアクチュエータを有するであろう。好ましくは、低摩擦係数を伴う、好ましくは、金属コイルまたはプラスチック管もしくは多管腔管の形態における複数の管状ガイドが、シャフトの内側管腔を通して延び、その近位および遠位端に近接してシャフトに固定されるが、その間に拘束されず、高度に可撓性かつ耐キンク性の構造を提供する。固定デバイスの内側アームおよび係止解除機構を作動させるためのラインは、これらの管状ガイドを通して延び、内側アームおよび係止解除機構に取り外し可能に結合される。
【0051】
送達カテーテルは、加えて、送達カテーテルからの取り外しに続くデバイスの回収を目的として、固定デバイスの一部に取り外し可能に結合される縫合糸またはワイヤもしくは可撓性ロッドから成るテザーを含み得る。テザーは、送達カテーテルから固定デバイスまで延びている別個の可撓性フィラメントであり得るが、代替として、係止解除機構または内側アームのいずれかに結合され、それらの構成要素を作動させるためにもまた使用されるラインであり得る。いずれの場合も、テザーは、固定デバイスから取り外し可能であり、したがって、これは、いったんデバイスが正常に展開されると、取り外され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、送達デバイスはさらに、少なくとも1つの可撓性管状ガイドのうちの1つの中に移動可能に配置される作動要素と、シャフトの遠位端に結合され、心臓の小室内に位置付けるために適合される固定デバイスとを含む。典型的には、固定デバイスは、シャフトに解放可能に結合される。いくつかの実施形態では、固定デバイスは、それらの間で弁尖に係合するように適合される少なくとも1つの内側アームおよび少なくとも1つの外側アームを有し、内側および外側アームのうちの少なくとも1つは、移動可能であり、作動要素に結合される。代替として、または加えて、作動要素は、係止ラインまたは内側アームラインもしくは外側アームライン等の可撓性ラインを備えている。
【0053】
システムはさらに、主要管腔を通して近位端から遠位端まで延びている、第1および第2の可撓性管状ガイドを備え得る。第1および第2の管状ガイドは、好ましくは、近位端に近接して、かつ遠位端に近接してシャフトに固定され、主要管腔内で側方に移動可能であるように、その間で主要管腔の少なくとも一部の中に拘束されない。さらに、第1の移動可能要素は、第1の管状ガイドを通して延び、第2の移動可能要素は、第2の管状ガイド内に移動可能に配置される。
【0054】
システムはまたさらに、シャフトの近位端に接続されるアクチュエータハンドルであって、本体を有する、アクチュエータハンドルと、それに移動可能に結合される、第1、第2、および第3の作動要素であって、第1、第2、および第3の移動可能要素に結合される、第1、第2、および第2の作動要素とを備え得る。
【0055】
本発明のシステムは、加えて、標的場所への送達カテーテルおよび固定デバイスの導入ならびにナビゲーションを促進するガイドを含み得る。ガイドは、好ましくは、送達カテーテルおよび固定デバイスがスライド可能に位置付けられ得る、その近位端と遠位端との間に延びているチャネルを伴う管状である。ガイドの遠位端は、操向可能であり、通常、少なくとも1つの軸を中心として、好ましくは、2つの軸を中心として偏向可能である。ガイドは、これが使用されている用途のために好適なサイズ、材料、可撓性、および他の特性を有するであろう。僧帽弁修復に関して、ガイドは、好ましくは、大腿静脈内に導入され、下大静脈を通して心臓の中に、心房中隔内の貫通を横断して、左心房内の僧帽弁と整合するように前進させられるように構成される。
【0056】
代替として、ガイドは、腕頭静脈または腋窩静脈もしくは頸静脈(首/肩アクセス)内に導入され、上大静脈を通して心臓の中に、心房中隔内の貫通を横断して、左心房内の僧帽弁と整合するように前進させられるように構成され得る。
【0057】
代替として、ガイドは、大腿動脈、腋窩動脈、または腕頭動脈内の導入ならびに大動脈および大動脈弁を通した、これが僧帽弁と整合するように操向される心室の中への前進のために構成され得る。さらなる代替では、ガイドは、僧帽弁にアプローチするための、胸壁における穿刺または切開部を通した、かつ心臓の壁における切開部を通した導入のために構成され得る。
【0058】
例示的実施形態では、ガイドは、内側管状部材または内側ガイドカテーテルと、外側管状部材または外側ガイドカテーテルとを含む、2つの構成要素を有するマルチカテーテル誘導システムを備えている。外側管状部材は、軸を中心として偏向可能な遠位端を有する。内側管状部材は、追加の軸を中心として偏向可能な遠位端を有する。さらに、内側管状部材の遠位端は、角度的に偏向可能であり得る。追加の方向における、かつ追加の軸を中心とする可動性が、随意に、提供され得る。
【0059】
本発明はさらに、ある組織部位において治療介入を実施する方法を提供する。一実施形態では、本方法は、近位端と、遠位端と、遠位端に近接する固定デバイスとを有する介入ツールを患者の身体内のある場所に前進させるステップであって、固定デバイスは、それぞれ、遊離端と、係合面とを有する外側アームの対を含む、ステップと、外側アームを開放位置に移動させるステップであって、遊離端は、離間される、ステップと、係合面がその組織部位における組織に係合するように外側アームを位置付けるステップと、介入ツールから固定デバイスを取り外すステップとを含む。好ましくは、本方法はさらに、脱出を可能にする、または本手技を再試行するために、外側アームから尖を結合解除するステップを含む。
【0060】
本開示の少なくとも一実施形態は、基部区分と、遊離端および基部に結合される固定端を有する第1の外側アームならびに離端および基部に結合される固定端を有する第1の内側アームと、続けて、モジュール方式で基部に同様に結合される第2の外側アームおよび第2の内側アームとを含む、組織把持デバイスに関し、組織は、遠位および近位アーム間に把持され、遠位および近位アームは、生理学的環境において超弾性を呈するように構成される弾塑性材料または粘性材料もしくは形状記憶材料から形成され、基部は、生理学的環境において超弾性を呈するように構成される弾性/塑性材料または形状記憶材料から形成される。
【0061】
本開示の少なくとも一実施形態は、血管内送達のために構成され、僧帽弁(または三尖弁)の処置中に僧帽弁(または三尖弁)組織を継合する際に使用するために構成される組織固定システムに関し、システムは、基部区分と、遊離端および基部に結合される固定端を有する第1の外側アームならびに遊離端および基部に結合される固定端を有する第1の近位アームと、続けて、モジュール方式で基部に同様に結合される第2の外側アームおよび第2の近位アームとを含む、組織把持デバイスを含み、組織は、遠位および近位アーム間に把持され、遠位および近位アームは、生理学的環境において超弾性を呈するように構成される形状記憶材料から形成され、基部は、生理学的環境において超弾性を呈するように構成される弾性/塑性材料または形状記憶材料から形成される。
【0062】
内側または外側アームの少なくとも一実施形態は、返しの両側上の平滑な外側縁内に包含される返しを有し、組織または送達機構が返しにおいて膠着するリスクを限定し、返しは、生理学的環境において超弾性を呈するように構成される弾塑性材料または粘性材料もしくは形状記憶材料から形成される。
【0063】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、能動的超音波プローブを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、超音波マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、手技中、および手技後に補助、識別、ならびにナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の特徴を有する。
【0064】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、受動的超音波プローブを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、超音波マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上のマルチモダリティ撮像有効化特徴を有する。
【0065】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、能動的光コヒーレンストモグラフィ(OCT)プローブを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、OCTマーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の有効化特徴を有する。
【0066】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、受動的光コヒーレンストモグラフィ(OCT)プローブを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、OCTマーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の特徴を有する。
【0067】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、バルーンの内側に格納される能動的光学カメラベースの撮像システムを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、バルーンは、バルーンが標的組織に接触するか、またはその近傍にあるかのいずれかのとき、可視化を可能にする流体(ガスまたは液体)を用いて充填され得、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、光学マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の有効化特徴を有する。
【0068】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、バルーンの内側に格納される受動的光学カメラベースの撮像システム(例えば、限定ではないが、光ファイバ撮像システム)を組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、バルーンは、バルーンが標的組織に接触するか、またはその近傍にあるかのいずれかのとき、可視化を可能にする流体(ガスまたは液体)を用いて充填され得、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、光学マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の特徴を有する。
【0069】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、能動的センサ/トランスデューサ/アクチュエータシステムを組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、圧力、歪み、応力、ECG、EMG、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ撮像特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の有効化特徴を有する。
【0070】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、受動的センサ/トランスデューサ/アクチュエータシステム(例えば、限定ではないが、RFIDベースのシステム)を組み込む、送達システムに内蔵されるスタンドアロンまたは専用プローブの提供があり、プローブは、後退可能、平行移動可能、回転可能、操向可能であり、限定ではないが、マーカまたは造影剤の使用の有無を問わず、圧力、歪み、応力、ECG、EMG、2D撮像、ドップラ、3D撮像、4D撮像、マルチモダリティ感知/変換特徴、(例えば、限定ではないが、心拍および呼吸によって引き起こされる)生理学的アーチファクトを限定するための同期または同期外れ、手技前、および/または手技中、ならびに/もしくは手技後に補助、識別、およびナビゲートすることに役立つ等、少なくとも1つ以上の有効化特徴を有する。
【0071】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、生体適合性および組織界面を強化するためにコーティングされるデバイスの提供があり、コーティングは、金属(例えば、限定ではないが、チタン、タンタル、金、白金、イリジウム、タングステン、またはそれらの組み合わせ)、および/またはセラミック、および/またはポリマー、例えば、限定でないが、フルオロポリマー(PTFE、PFA、FEP、ECTFE、ETFE)、パリレン、ポリエステル、PER、ポリプロピレン、PEEK、PVDF、HDPE、LDPE、UHMWPE、ホスホリルコリン、ヒドロキシアパタイト、CaP、THV、生体分解性材料(ポリ乳酸、ポリグリコール酸)、ポリジオキサノン、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)、コポリ(エーテル-エステル)、ポリアミド、ポリラクトン、ポリ(プロピレンフマル酸)等の生体侵食性材料、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを用いてであり得、これらのコーティングは、親水性または疎水性であり得る。
【0072】
固定デバイス送達システムの少なくとも一実施形態では、生体適合性および組織界面を強化するためにコーティングされるデバイスの提供があり、コーティングは、金属(例えば、限定ではないが、チタン、タンタル、金、白金、イリジウム、タングステン、またはそれらの組み合わせ)、および/またはセラミック、および/またはポリマー、例えば、限定でないが、フルオロポリマー(PTFE、PFA、FEP、ECTFE、ETFE)、パリレン、ポリエステル、PER、ポリプロピレン、PEEK、PVDF、HDPE、LDPE、UHMWPE、ホスホリルコリン、ヒドロキシアパタイト、CaP、THV、および生体分解性材料(ポリ乳酸、ポリグリコール酸)、ポリジオキサノン、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)、コポリ(エーテル-エステル)、ポリアミド、ポリラクトン、ポリ(プロピレンフマル酸)等の生体侵食性材料、ならびに/もしくはそれらの組み合わせを用いてであり得、これらのコーティングは、親水性または疎水性であり得る。
【0073】
本開示の少なくとも一実施形態は、組織を把持する方法に関し、本方法は、標的組織に近接して組織把持デバイスを位置付けるステップであって、組織把持デバイスは、形状記憶材料から形成され、基部区分と、第1のアームと、第2のアームとを含み、各アームは、基部区分に結合される第1の端部と、基部区分から延びている遊離端とを有し、第1および第2のアームは、互いに対向して配置される、ステップと、展開前構成から展開構成に向かって組織把持デバイスを移動させるステップであって、組織把持デバイスが展開前構成から展開構成に向かって移動されるにつれて、第1および第2のアームは、遠位方向において弛緩構成に向かって伸縮自在に撓曲するように構成される、ステップとを含む。
【0074】
本開示の少なくとも一実施形態は、組織把持デバイスを製造する方法に関し、本方法は、1つ以上の構造的特徴を形状記憶合金のストリップまたはシート原材料に切断するステップであって、1つ以上の構造的特徴は、原材料の側縁から離れた1つ以上の部位に配置される複数のスロット付き陥凹を含む、ステップと、1つ以上の屈曲特徴を原材料に熱形状設定するステップとを含む。
【0075】
第1の具体的側面では、本発明による弁クリップは、ハブと、ハブに結合された第1の内側アームおよび第1の外側アームを備えている尖捕捉アームの第1の対と、ハブに結合された第2の内側アームおよび第2の外側アームを備えている尖捕捉内側アームの第2の対とを備えている。外側および内側アームは、離れるように付勢され、それらの間に尖捕捉空間を生成し、尖が捕捉された後、付勢解除されると、弁尖の上をおおって自己閉鎖するように構成される。
【0076】
ハブは、典型的には、展開シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成され、尖捕捉アームの少なくともいくつかは、典型的には、板ばねとして形成される。各内側アームの外面は、各外側アームの内面に隣接して位置付けられ、各アームの下端は、ハブに結合され、各内側アームの下端は、典型的には、各外側アームの下端の上方にある。用語「下」および「上」は、弁クリップが埋込されるであろう患者解剖学的構造に関連して定義される。例えば、僧帽弁内に埋込されるとき、上は、心房に面するクリップの側を指し、下は、心室に面するクリップの側を指す。静脈内に埋込されるとき、上は、上流方向を指すであろう一方、下は、下流方向を指す。
【0077】
ばね付勢外側および内側アームは、「開放され」、最初に弁尖の対を捕捉し、尖が捕捉された後、弁尖の上をおおって自己閉鎖するように構成される。「開放される」とは、個々のアームが屈曲または付勢され得、したがって、それらがその通常の付勢解除構成、すなわち、それらに外力の印加に起因する変形がないときから移動されることを意味する。
【0078】
特定の実施形態では、弁クリップの外側および内側アームの少なくともいくつかは、弾力性のある基部およびより伸縮性のない(より剛性の)弁把持要素を伴う「板ばね」として形成される。弾力性のある基部は、通常、板ばね構造に関する伸縮性または屈曲能力の殆どもしくは全てを提供し、これがハブに直接または間接的に取り付けられ得るように構成される。弁把持要素(例えば、限定ではないが、返し)は、対照的に、通常、標的弁の尖の上をおおって展開されるとき、殆どまたは全く屈曲を被らないであろう。通常、外側および内側アームは全て、説明されるような構成を有するであろう。
【0079】
他の具体的実施形態では、弁クリップの隣接する外側および内側アームは、略合同形状を有するであろう。略合同とは、外側および内側アームが、同一または相補的形状を有し、ハブに取り付けられ、その付勢解除構成にあるときに「入れ子」になることが可能であろうことを意味する。通常、外側および内側アームがその付勢解除構成にあり、弁尖が弁クリップによって捕捉されるときにその間に弁尖を収容するとき、内側アームの下面と外側アームの上面との間に、典型的には、0mm~6mm、好ましくは、0.5mm~2.5mmの短い距離または間隙が存在するであろう。これらの間隙値は、内側および外側アーム間に典型的な厚さの単一の尖を収容する。2つ以上の尖がアームの対間に捕捉される他の具体的実施形態では、これらの間隙値は、2または3倍に増加され得る。最小間隙が存在し得るが、アームのばね付勢は、尖壁厚さの全範囲を収容するためにそれ自体で十分であり得る。
【0080】
第1の例証される実施形態では、弁クリップの弁把持要素は、外側および内側アームが付勢解除されると、ハブを通して共通軸から分岐し、V形状を形成するであろう。典型的には、弾力性のある基部は、湾曲しており、弁把持要素は、外側および内側アームの両方において直線である。さらにより典型的には、外側アーム上の弾力性のある基部は、間隙または分離を提供し、先に説明されるように弁尖を収容するために、内側アームの下面から外側アームの上面をオフセットまたは分離するように選択されるS形曲線を有する。代替として、スペーサが、尖を収容するための空間を生成するためにアーム間において使用され得る。
【0081】
他の例証される実施形態では、弁把持要素は、外側および内側アームが付勢解除されると、共通軸に平行である。そのような事例では、内側アームは、略直線であるが、外側アームの基部は、その間に弁尖を収容するために、内側アームの下面から外側アームの上面を分離するように選択された曲線を有する。
【0082】
本発明の第2の側面では、弁クリップを心臓または静脈弁に送達するためのシステムが、上記または別の場所もしくは本明細書に説明される弁クリップ設計のいずれかを備えているであろう。システムはさらに、弁クリップのハブに取り外し可能に取り付けられるように構成される、展開シャフトを備えているであろう。
【0083】
本発明のシステムの特定の実施形態では、展開シャフトは、ハブを通した対称軸に沿って、かつ右側の外側および内側アームと左側の外側および内側アームとの間で、ハブから上方向に延び得る。
【0084】
例示的実施形態では、システムはさらに、展開シャフトに取り外し可能に、または固定して結合される操向可能展開カテーテルを備えている。いくつかの事例では、展開シャフトの下端は、操向可能展開カテーテルに結合されるように構成される。他の事例では、展開シャフトの上端は、操向可能展開カテーテルに結合されるように構成される。
【0085】
またさらなる実施形態では、操向可能カテーテルは、埋込手技のリアルタイム可視化を可能にするために、撮像構成要素を含み得る。撮像構成要素は、光学撮像構成要素、超音波撮像構成要素、OCT撮像構成要素、または同等物のうちの1つ以上のものを含み得る。撮像構成要素は、展開カテーテル上に位置付けられ、したがって、それらは、弁クリップが弁尖にわたる埋込のために操作されている際に標的解剖学的弁および弁クリップの両方を可視化し得る。またさらなる実施形態では、送達システムおよび/または固定デバイスは、尖が完全に挿入されると位置を変化させる放射線不透過性かつ/または音波発生機械的インジケータを含有し、それによって、ユーザが、従来の蛍光透視または超音波撮像を介して可視化することによって尖の挿入を確認することを可能にし得る。
【0086】
本発明のシステムのさらに他の実施形態では、操向可能カテーテルは、アームを開放し、弁尖を受容および捕捉するための間隙または空間を生成するために、弁クリップの外側および/または内側アームに付勢力を選択的に印加するための機構を含むであろう。例証される実施形態では、テザーの第1の組が、送達カテーテル上に、またはそれを通して位置付けられ、外側アームに結合され得、したがって、テザーは、外側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように張力付与され得る。テザーの第2の組が、通常、送達カテーテルを通して位置付けられ、内側アームに結合され、内側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように構成されるであろう。テザーの両方の組は、典型的には、外側アームおよび内側アームを選択的に付勢解除するようにさらに構成され、したがって、外側および内側アームは、本明細書および上で説明される病状のいずれかの処置のために尖を固定するために、弁尖に向かって、かつそれの上をおおって自己閉鎖することを可能にされる。
【0087】
第3の具体的側面では、本発明は、種々の病状を処置するために、解剖学的弁をクリップ留めし、その弁の尖を固定する方法を提供する。例えば、僧帽弁の尖が、僧帽弁逆流を処置するためにクリップ留めされ得る。別の例では、静脈弁の尖が、静脈不全を処置するためにクリップ留めされ得る。
【0088】
本発明の方法は、外側アームの対および内側アームの対を有する弁クリップを標的解剖学的弁に隣接した場所に前進させるステップを含む。(1)外側アームの対および(2)内側アームの対のうちの少なくとも1つは、付勢され、隣接した外側および内側アーム間に弁尖捕捉空間または間隙を開放する。弁クリップは、次いで、1つの弁尖が左外側および内側アーム間の間隙または空間内に位置する、もしくは捕捉され、別の弁尖が右外側および内側アーム間の間隙または空間内に位置付けられるように位置付けられる。弁尖は、次いで、左外側および内側アームならびに右外側および内側アームが弁尖の上をおおって自己閉鎖し、したがって、尖を一緒に固定するように、外側または内側アームの少なくとも1つの対に対する付勢力または張力を解放することによって固定され得る。
【0089】
本発明の方法の特定の実施形態では、外側アームの対および内側アームの対の両方は、その間に弁尖捕捉間隙または空間の開放をもたらすために、最初に付勢されるであろう。付勢は、典型的には、外側および内側アームの対のうちの少なくとも1つに取り付けられるテザーを引き寄せることによって遂行され、典型的には、別個のテザー構造が、外側および内側アームの各対に取り付けられる。テザーは、外側および内側アームを付勢するために張力付与され得、したがって、それらは、互いから離れるように移動し、その間に弁尖捕捉間隙または空間を生成する。外側および内側アームが開放するように付勢され、弁尖が捕捉された後、テザーに対する張力は、外側および内側アームが弁尖の上をおおって自己閉鎖するように解放され得る。
【0090】
テザーの使用の代替として、付勢するステップは、外側および内側アームの少なくとも1つの対に対して支柱または他の係合部材の対を前進させるステップを含み得る。支柱は、少なくとも2つの下側アームまたは少なくとも2つの上側アームに係合し、下側および上側アームを弁尖捕捉位置に選択的に開放し得る。いくつかの事例では、支柱は、各外側アームの上面に係合し得、したがって、支柱を下方向に前進させることは、内側アームに対して外側アームを開放する。内側アームは、随意に、支柱が前進させられるとき、静止したままであるように構成され得る。他の事例では、支柱は、各内側アームの下面に係合し得、したがって、支柱を上方向に前進させることは、外側アームに対して内側アームを開放する。外側アームは、随意に、支柱が前進させられるとき、静止したままであるように構成され得る。
【0091】
本明細書の方法の他の実施形態では、弁クリップを位置付けるステップは、送達カテーテルを操作するステップを含み、弁クリップは、送達カテーテルの遠位端に解放可能に取り付けられる。位置付けるステップはさらに、弁クリップが位置付けられている際に、機械的弁位置インジケータ(上で説明されるような)を観察することによって、および/または送達カテーテル上の撮像構成要素を使用することによって、解剖学的弁ならびに弁クリップを観察するステップを含み得る。
【0092】
本発明の特定の利点は、固定デバイスの複数のサイズおよび形状である。固定デバイスは、尖の小さい区分(尖接合が平行シールをともに形成する場所)、または好ましい実施形態では、尖の平行接合区分ならびに湾曲輪郭区分を含むより大きい区分に取り付けられるように構成されることができる。より長い輪郭アームが、尖のより容易な捕捉を可能にする。
【0093】
本発明の別の特定の利点は、固定デバイスが、超弾性かつ十分に可撓性の内側および外側アームを使用することによって、係止なしであることである。
【0094】
本発明の別の特定の利点は、固定デバイスが、生理学的力下で尖の十分な動的移動を可能にしながら、組織を確実にであるが、非外傷性で把持する、十分に可撓性の内側および外側アームから作製されることである。
【0095】
本発明の別の特定の利点は、内側および外側アームの摩擦要素が、側上に陥凹形成およびバリケードされ、これが、腱、組織、または送達システムとのもつれのリスクを軽減することである。
【0096】
本発明の別の特定の利点は、外側および内側アームの両方のモジュール製造および/または組立を含む。種々の形状ならびにサイズの内側および外側アーム組み合わせは、患者/ユーザ臨床処置必要性に適合させるために、モジュール様式で置換可能に製造される、および/または組み立てられることができる。例えば、内側および外側アームの1つの側は、より大きい前僧帽弁尖を把持するためにより長くあり得る一方、より短い内側および外側アーム組み合わせは、より短い後僧帽弁尖を把持するために使用され得る。
【0097】
本発明の別の特定の利点は、尖把持アームの反転等、脱出中の固定デバイスの大きい増加される移動の排除である。これは、把持アームから離れるように尖を持ち上げるための縫合糸、ストリング、またはワイヤの使用によって達成される。
【0098】
本発明の別の特定の利点は、固定デバイスの比較的に単純かつコンパクトなサイズである。これは、より小さい直径のカテーテルの使用を可能にし、したがって、展開を患者に対してより非外傷性にする。例えば、MitraClip(登録商標)デバイスは、24Fr外径ガイドカテーテルを使用する。好ましい実施形態では、本発明は、12Fr外径ガイドカテーテルを使用する。
【0099】
本発明の別の特定の利点は、商業的に利用可能な経中隔挿入器シースとの互換性である。これは、送達デバイスを標準的な商業的に利用可能な固定または操向可能経中隔挿入器シースと互換性にすることによって達成される。商業的挿入器シース差合図のいくつかの例は、限定ではないが、7Fr、7.5Fr、8Fr、8.5Fr、9Fr、9.5Fr、10Fr、10.5Fr、11Fr、11.5Fr、および12Fr内径を含む。商業的に利用可能な挿入器のいくつかの事例(これらの例に限定されない)は、Merit Medical Systems,Inc.(UT)によるHeartSpan Fixed Curve Braided Trans-septal SheathおよびHeartSpan Steerable Sheath Introducer、Boston Scientific Corporation(MA)によるDIREXTMおよびZurpazTM Steerable Sheath、ならびにSt.Jude Medical(MN)によるAgilis NxTTMを含む。
【0100】
本発明の別の利点は、局所麻酔下で本手技を実施し、したがって、全身麻酔のリスクを排除する潜在性である。これは、経食道心エコー法(TEE)の必要性に取って代わる、可視化技法を送達カテーテルシステム内に、またはそれと併せて組み込むことによって達成される。
【0101】
本発明の他の目的および利点が、付随の図とともに、続く詳細な説明から明白となるであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
弁クリップであって、前記弁クリップは、
展開シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成されたハブと、
前記ハブに結合された第1の内側アームおよび第1の外側アームを備えている尖捕捉アームの第1の対と、
前記ハブに結合された第2の内側アームおよび第2の外側アームを備えている尖捕捉アームの第2の対と
を備え、
前記外側および内側アームは、離れるように付勢され、それらの間に尖捕捉空間を生成し、尖が捕捉された後、付勢解除されると、弁尖の上をおおって自己閉鎖するように構成されている、弁クリップ。
(項目2)
前記尖捕捉アームの少なくともいくつかは、板ばねとして形成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目3)
前記外側および内側アームの少なくともいくつかは、前記ハブに取り付けられた弾力性のある基部および前記基部から延びているより弾力性の低い弁把持要素を伴う板ばねとして形成されている、項目2に記載の弁クリップ。
(項目4)
前記外側および内側アームの各々は、前記ハブに取り付けられた弾力性のある基部および前記基部から延びているより弾力性の低い弁把持要素を伴う板ばねとして形成されている、項目3に記載の弁クリップ。
(項目5)
前記弁把持要素は、前記外側および内側アームが付勢解除されると、共通軸から分岐し、V形状を形成する、項目4に記載の弁クリップ。
(項目6)
前記外側および内側アームの両方に対して、前記弾力性のある基部は、湾曲しており、前記弁把持要素は、直線である、項目5に記載の弁クリップ。
(項目7)
前記外側アームの弾力性のある基部は、前記外側アームの下面から前記内側アームの上面を分離するように選択されたS形曲線を有し、そのような分離は、弁尖を収容する、項目6に記載の弁クリップ。
(項目8)
前記外側アームの弾力性のある基部は、前記外側アームの下面から前記内側アームの上面を分離するように選択されたS形曲線を有し、そのような分離は、前記弁尖を収容する、項目7に記載の弁クリップ。
(項目9)
前記弁把持要素は、前記外側および内側アームが付勢解除されると、共通軸に平行である、項目5に記載の弁クリップ。
(項目10)
前記内側アームは、略直線であるが、前記外側アームの基部は、前記外側アームの下面から前記内側アームの上面を分離するように選択された曲線を有し、そのような分離は、前記弁尖を収容する、項目9に記載の弁クリップ。
(項目11)
心臓弁または静脈弁に弁クリップを送達するためのシステムであって、前記システムは、
項目1に記載の弁クリップと、
前記弁クリップのハブに取り外し可能に取り付けられるように構成されている展開シャフトと
を備えている、システム。
(項目12)
前記展開シャフトは、右側の外側および内側アームと左側の外側および内側アームとの間の対称線に沿って、前記ハブから上方向に延びている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記展開シャフトに結合された操向可能展開カテーテルをさらに備えている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記展開シャフトの下端は、前記操向可能展開カテーテルに結合されるように構成されている、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記展開シャフトの上端は、前記操向可能展開カテーテルに結合されるように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記操向可能展開カテーテルは、撮像構成要素を含む、項目13に記載のシステム。
(項目17)
前記撮像構成要素は、機械的尖位置インジケータ構成要素、光学撮像構成要素、超音波構成要素、およびOCT撮像構成要素のうちの1つ以上のものを含む、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記外側アームに結合され、前記外側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように構成されているテザーの第1の組をさらに備えている、項目11に記載のシステム。
(項目19)
前記テザーの第1の組は、前記外側アームが前記弁尖に向かって自己閉鎖するように前記外側アームを選択的に付勢解除するようにさらに構成されている、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記内側アームに結合され、前記内側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように構成されているテザーの第2の組をさらに備えている、項目11に記載のシステム。
(項目21)
前記テザーの第2の組は、前記内側アームが前記弁尖に向かって自己閉鎖するように前記内側アームを選択的に付勢解除するようにさらに構成されている、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記外側アームに結合され、前記外側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように構成されているテザーの第1の組と、前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記内側アームに結合され、前記内側アームを弁尖捕捉位置に選択的に付勢するように構成されているテザーの第2の組とをさらに備えている、項目11に記載のシステム。
(項目23)
前記展開シャフトに往復動可能に結合された支柱の対をさらに備え、前記支柱は、少なくとも前記2つの下側アームまたは前記2つの上側アームに係合し、前記下側および上側アームを弁尖捕捉位置に選択的に開放する、項目11に記載のシステム。
(項目24)
前記支柱は、各外側アームの上面に係合するように構成され、前記支柱を下方向に前進させることは、前記内側アームに対して前記外側アームを開放する、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記内側アームは、前記支柱が前進させられるとき、静止したままであるように構成されている、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記支柱は、各内側アームの下面に係合するように構成され、前記支柱を上方向に前進させることは、前記外側アームに対して前記内側アームを開放する、項目23に記載のシステム。
(項目27)
前記外側アームは、前記支柱が前進させられるとき、静止したままであるように構成されている、項目26に記載のシステム。
(項目28)
解剖学的弁をクリップ留めする方法であって、前記方法は、
外側アームの対および内側アームの対を有する弁クリップを前記解剖学的弁に隣接した場所に前進させることと、
(1)前記外側アームの対および(2)前記内側アームの対のうちの少なくとも1つを付勢し、隣接した外側および内側アーム間に弁尖捕捉空間を開放することと、
1つの弁尖が左外側および内側アーム間の前記弁尖捕捉空間内に位置付けられ、別の弁尖が右外側および内側アーム間の前記弁尖捕捉空間内に位置付けられるように、前記弁クリップを位置付けることと、
前記左外側および内側アームと前記右外側および内側アームとが前記弁尖の上をおおって自己閉鎖し、それらを固定するように、前記少なくとも1つの外側または内側アームの対に対する付勢を解放することと
を含む、方法。
(項目29)
初期留置後、前記弁クリップの再位置付けまたは除去を可能にするために、前記弁尖から前記内側アームを持ち上げ、前記尖から前記弁クリップを解放することをさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記解剖学的弁は、心臓弁である、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記心臓弁は、僧帽弁である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記解剖学的弁は、静脈弁である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記付勢することは、前記少なくとも1つの外側または内側アームの対に取り付けられたテザーを引き寄せることを含む、項目29に記載の方法。
(項目34)
前記付勢することは、外側および内側アームの各対に取り付けられたテザーに張力を与えることを含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記付勢を解放することは、前記テザーに対する張力を解放することを含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記付勢することは、送達カテーテルを操作することを含み、前記弁クリップは、前記送達カテーテルの遠位端に解放可能に取り付けられている、項目29に記載の方法。
(項目37)
前記弁クリップが位置付けられているとき、前記送達カテーテル上の撮像構成要素を使用して、前記解剖学的弁および前記弁クリップを観察することをさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記付勢することは、支柱の対を前進させ、少なくとも前記2つの下側アームまたは前記2つの上側アームに係合させ、前記下側および上側アーム間に弁受け取り空間を選択的に開放することを含む、項目29に記載の方法。
(項目39)
前記支柱を各外側アームの上面に対して下方向に前進させることは、前記内側アームに対して前記外側アームを開放する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記支柱を各内側アームの下面に対して上方向に前進させることは、前記外側アームに対して前記内側アームを開放する、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記弁クリップが位置付けられているとき、前記送達カテーテル上の撮像構成要素を使用して、前記解剖学的弁および前記弁クリップを観察することをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目42)
前記内側アームおよび外側アームのうちの少なくとも1つは、腱または送達システムとのもつれに抵抗するために側レールまたは障壁内に閉じ込められた返しまたは組織固定要素を有する、項目3に記載の弁クリップ。
(項目43)
前記弁把持要素は、前記外側および内側アームが付勢解除されると、共通軸から分岐し、自然尖形状にぴったり合う湾曲形状を形成する、項目4に記載の弁クリップ。
(項目44)
前記内側および外側アームは、尖の接合セグメント内で前記尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目45)
前記内側および外側アームは、尖の接合セグメントおよび非接合セグメント内で前記尖を捕捉する、項目1に記載の弁クリップ。
(項目46)
前記内側アームおよび外側アームは、自然尖ならびに弁輪の輪郭に沿って前記接合セグメントおよび非接合セグメント内で前記尖を捕捉するように構成されている、項目45に記載の弁クリップ。
(項目47)
前記内側および外側アームは、同時に尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目48)
前記内側および外側アームは、連続的に尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目49)
前記内側アームおよび外側アームは、独立して尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目50)
前記展開シャフトは、圧力センサに結合されるように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目51)
前記展開シャフトは、超音波センサに結合されるように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目52)
前記展開シャフトは、OCTシステムに結合されるように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目53)
前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記外側アームに結合され、前記外側アームから前記尖を選択的に持ち上げるように構成されているテザーの第1の組をさらに備えている、項目11に記載のシステム。
(項目54)
前記送達カテーテルを通して位置付けられ、前記内側アームに結合され、前記外側アームに対して前記内側アームを選択的に上昇および降下させるように構成されているテザーの第2の組をさらに備えている、項目53に記載のシステム。
(項目55)
前記内側および外側アームの一方の対のサイズおよび形状は、前自然僧帽弁尖を捕捉するように構成され、前記内側および外側アームの他方の対は、後自然僧帽弁尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目56)
前記内側および外側アームの第1の対のサイズおよび形状は、第1の自然三尖弁尖を捕捉するように構成され、前記内側および外側アームの第2の対は、第2の自然三尖弁尖を捕捉するように構成され、前記内側および外側アームの第3の対は、第3の自然三尖弁尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目57)
前記内側および外側アームの各対のサイズおよび形状は、製造を容易にするために、かつ前記弁の疾患状態の変動に適合するために、モジュール式である、項目1に記載の弁クリップ。
(項目58)
前記内側および外側アームは、弾性的に変形または延伸し、各心拍による弁輪の自然運動に部分的に適合するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目59)
前記内側および外側アームは、各心拍による前記捕捉された尖の変形に弾性的に抵抗するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目60)
前記内側および外側アームは、前記捕捉された尖を締めることによって、弁輪をより閉じて弾性的に締めるように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目61)
前記展開シャフトに固定され、前記弁クリップに往復動可能に結合された支柱の対をさらに備え、前記支柱は、少なくとも前記2つの下側アームまたは前記2つの上側アームに係合し、前記下側および上側アームを弁尖捕捉位置に選択的に開放する、項目11に記載のシステム。
(項目62)
前記支柱は、各外側アームの上面に係合するように構成され、前記弁クリップを上方向に前進させることは、前記内側アームに対して前記外側アームを開放する、項目61に記載のシステム。
(項目63)
前記内側アームは、前記弁クリップが前記支柱に向かって前進させられるとき、静止したままであるように構成されている、項目61に記載のシステム。
(項目64)
前記支柱は、各内側アームの下面に係合するように構成され、前記弁クリップを下方向に前進させることは、前記外側アームに対して前記内側アームを開放する、項目61に記載のシステム。
(項目65)
前記展開シャフトに移動可能に結合され、前記弁クリップに往復動可能に結合された支柱の対をさらに備え、前記支柱は、少なくとも前記2つの下側アームまたは前記2つの上側アームに係合し、前記下側および上側アームを弁尖捕捉位置に選択的に開放する、項目11に記載のシステム。
(項目66)
前記支柱は、テザーの組に結合され、各外側アームの上面に係合するように構成され、前記支柱を下方向に前進させることは、前記内側アームに対して前記外側アームを開放する、項目65に記載のシステム。
(項目67)
前記支柱は、テザーの組に結合され、各内側アームの下面に係合するように構成され、前記支柱を上方向に前進させることは、前記外側アームに対して前記内側アームを開放する、項目65に記載のシステム。
(項目68)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、同時に尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目69)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、連続的に尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目70)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、独立して尖を捕捉するように構成されている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目71)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除するために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目72)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを上昇または降下させることと、前記外側アームから尖を持ち上げることとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目73)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記外側アームを付勢または付勢解除することと、前記外側アームから尖を持ち上げ、前記尖から前記弁クリップを係合解除することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目74)
外側および内側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目75)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することと、前記弁クリップを回収することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目1に記載の弁クリップ。
(項目76)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、同時に尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目77)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、連続的に尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目78)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、独立して尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目79)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除するために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目80)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを上昇または降下させることと、前記外側アームから尖を持ち上げることとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目81)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記外側アームを付勢または付勢解除することと、前記外側アームから尖を持ち上げ、前記尖から前記弁クリップを係合解除することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目82)
外側および内側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目83)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することと、前記弁クリップを回収することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目84)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、同時に尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目85)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、連続的に尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目86)
前記内側および外側アームの第1の対と内側および外側アームの第2の対とは、独立して尖を捕捉するように構成されている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目87)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除するために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目88)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記アームを上昇または降下させることと、前記外側アームから尖を持ち上げることとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目89)
少なくとも外側弁葉捕捉アームは、前記外側アームを付勢または付勢解除することと、前記外側アームから尖を持ち上げ、前記尖から前記弁クリップを係合解除することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目90)
前記外側および内側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
(項目91)
少なくとも前記外側弁葉捕捉アームは、前記アームを付勢または付勢解除し、前記尖を捕捉すること、または前記アームから前記捕捉された尖を解放することと、前記弁クリップを回収することとを行うために使用されることができるテザーに解放可能に取り付けられている、項目11に記載の弁クリップ。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【
図1A-1】
図1A-1は、収縮期中のヒト心臓の左心室および左心房を図示する。
【
図1A-2】
図1A-2は、正常な接合における僧帽弁尖の自由縁を図示する。
【
図1A-3】
図1A-3は、逆流性接合における僧帽弁尖の自由縁を図示する。
【
図1B-1】
図1B-1は、尖に対して逆行性配向において搭載される固定デバイスを図示する。
【
図1B-2】
図1B-2は、尖に対して好ましい順行性配向において搭載される固定デバイスを図示する。
【
図2A】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2B】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2C】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2D】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2E】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2F】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2G】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2H】
図2A-2Hは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用されるカテーテルベースの送達システムの種々の実施形態を描写する。
【
図2I】
図2I-1および2I-2は、2方向操向可能構成において操作されるときの挿入器シースの遠位セグメントを図示する。
【
図2J】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2K】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2L】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2M】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2N】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2O】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2P】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図2Q】
図2J-2Pおよび2Q-1-2Q-3は、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【
図3A】
図3A、3B-1、3B-2、および3Cは、固定デバイスの種々の例示的実施形態を示す。
【
図3B】
図3A、3B-1、3B-2、および3Cは、固定デバイスの種々の例示的実施形態を示す。
【
図3C】
図3A、3B-1、3B-2、および3Cは、固定デバイスの種々の例示的実施形態を示す。
【
図4A】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図4B】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図4C】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図4D】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図4E】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図4F】
図4A-4Fは、同時尖捕捉を使用する好ましい実施形態の段階的展開を描写する。
【
図5】
図5A-5Dは、内側アームの独立した操作を介した横並捕捉を使用する僧帽弁尖の段階的捕捉を描写する。
【
図6】
図6A-6Dは、内側および外側アームの独立した操作を介した横並捕捉を使用する僧帽弁尖の段階的捕捉を描写する。
【
図7】
図7A-7Fは、アームによる任意の程度の尖捕捉後の段階的脱出手技を描写する。
【
図8A】
図8Aは、それによって外側アームが操作される機構を図示する。
【
図8C】
図8Cは、脱出中に外側アームを制御するための
図8Aおよび8Bの機構の中間位置を図示する。縫合糸のこの位置は、デバイスから僧帽弁尖を取り出すために有益である。
【
図9A】
図9Aは、内側アームを操作するための機構を図示する。
【
図9C】
図9Cは、内側アームを操作するための機構の代替実施形態を示す。
【
図10A】
図10Aは、クリップならびに内側および外側アームの両方を制御するための展開機構の別の実施形態を図示する。
【
図11】
図11および11A-11Dは、内側および外側アームの隔離図を伴う、具体的固定デバイス(弁クリップ)実施形態を図示する。
【
図12】
図12および12A-12Dは、内側および外側アームの隔離図を伴う、対向するアームが類似しない長さを有する弁クリップ固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
図12Eは、僧帽弁内に埋込される
図12の弁クリップを図示する。
【
図13A】
図13Aは、内側および外側アームが単一の部品によって形成される弁クリップ固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図13B】
図13Bは、基部内にスペーサを有する弁クリップ固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図13C】
図13Cは、2つのアームを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図13D】
図13Dは、自然尖の接合長さに沿って4つのアームを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図13E】
図13Eは、内側および外側アームの3つの対を伴う例示的実施形態を図示する。これは、例えば、三尖弁における別個の3つの尖を捕捉するためのものである。
【
図13F】
図13F-1および13F-2は、送達カテーテルからの固定デバイスのより容易な取り外しを可能にする輪郭特徴を伴う基部ブラケット10のさらなる実施形態を図示する。
【
図13G】
図13G-1-13K-2は、展開中に固定デバイスの外側アームの拡散を可能にする支柱特徴を伴う解放バー16のさらなる実施形態を図示する。
【
図13H】
図13G-1-13K-2は、展開中に固定デバイスの外側アームの拡散を可能にする支柱特徴を伴う解放バー16のさらなる実施形態を図示する。
【
図13I】
図13G-1-13K-2は、展開中に固定デバイスの外側アームの拡散を可能にする支柱特徴を伴う解放バー16のさらなる実施形態を図示する。
【
図13J】
図13G-1-13K-2は、展開中に固定デバイスの外側アームの拡散を可能にする支柱特徴を伴う解放バー16のさらなる実施形態を図示する。
【
図13K】
図13G-1-13K-2は、展開中に固定デバイスの外側アームの拡散を可能にする支柱特徴を伴う解放バー16のさらなる実施形態を図示する。
【
図14】
図14は、両側のアームが異なる長さである、固定デバイスのさらなる実施形態構成を図示する。
【
図15】
図15は、両側のアームが異なる角度にある、固定デバイスのさらなる実施形態構成を図示する。
【
図16】
図16は、両側のアームが形状設定における異なる角度または非拘束角度にある、固定デバイスのさらなる実施形態構成を図示する。
【
図17A】
図17Aは、側上に露出される返し60を伴う内側把持アームを示す、MitraClip(登録商標)実施形態(
図11B、第US 8,057,493号、B2;ページ8/68)を再現する。
【
図17B】
図17Bは、返し60がアーム60’の幅内に再位置付けされ、本発明のもつれ抵抗側面と一直線である、Mitraclip(登録商標)デバイスに対する改良を図示する。
【
図18A】
図18A-18Eは、展開中に視覚を提供するために種々の形式の視認バルーンを伴うカメラ/光学システムを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図18B】
図18A-18Eは、展開中に視覚を提供するために種々の形式の視認バルーンを伴うカメラ/光学システムを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図18C】
図18A-18Eは、展開中に視覚を提供するために種々の形式の視認バルーンを伴うカメラ/光学システムを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図18D】
図18A-18Eは、展開中に視覚を提供するために種々の形式の視認バルーンを伴うカメラ/光学システムを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図18E】
図18A-18Eは、展開中に視覚を提供するために種々の形式の視認バルーンを伴うカメラ/光学システムを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図19】
図19は、展開中に視覚を提供するためにOCTセンサを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【
図20】
図20は、展開中に視覚を提供するために超音波エコーグラフィセンサを利用する固定デバイスのさらなる実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0103】
(発明の詳細な説明)
(I.心臓生理機能)
収縮期における正常な心臓Hの左心室LVが、
図1A-1に図示される。左心室LVは、収縮しており、血流が、矢印の方向において三尖(僧帽)弁AVを通して外向きに流動する。僧帽弁MVを通した血液の還流または「逆流」は、僧帽弁が、左心室内の圧力が左心房LA内のものよりも高いときに還流を防止する「逆止弁」として構成されるため、防止される。僧帽弁MVは、
図1A-1に図示されるように、閉鎖するように均一に接する自由縁FEを有する尖の対を備えている。尖LFの対向する端部は、弁輪ANと称される環状領域に沿って周辺心臓構造に付着する。尖LFの自由縁FEは、弁尖LFのそれぞれの下面の上をおおって固定される複数の分岐する腱を含む腱索CT(以降では腱と称される)を通して左心室LVの下側部分に固定される。腱CTは、順に、乳頭筋PMに付着し、これは、左心室の下側部分および心室内中隔IVSから上向きに延びている。
【0104】
心臓内のいくつかの構造的欠陥が、僧帽弁逆流を引き起こし得る。逆流は、弁尖が適切に閉鎖せず、心室から心房の中への漏出を可能にするときに起こる。
図1A-2に示されるように、前尖および後尖の自由縁は、通常、接合線Cに沿って接する。逆流を引き起こす欠陥の例が、
図1A-3に示される。ここでは、心臓の拡大が、僧帽弁輪を拡大した状態にさせ、自由縁FEが収縮期中に接することを不可能にする。これは、血液が心室収縮期中に弁を通して漏出することを可能にする間隙Gをもたらす。破裂または伸張した腱も、不適正な張力が腱を介して尖に伝達されるため、弁尖を脱出させ得る。他の尖は、正常な外形を維持するが、2つの弁尖は、適切に接さず、左心室から左心房の中への漏出が、起こるであろう。そのような逆流はまた、左心室が適切な閉鎖をもたらすために十分に接触しない虚血性心疾患を患う患者において起こり得る。
【0105】
(II.一般的概観)
本発明は、心臓弁逆流、特に、僧帽弁逆流を処置するために、弁尖等の組織を把持し、接近させ、固定する方法およびデバイスを提供する。本発明はまた、そのように所望される場合、特に、除去が腱CT等の解剖学的特徴によって妨げられ得る面積において、デバイスの再位置付けおよび除去を可能にする特徴を提供する。そのような除去は、そのように所望される場合、外科医が新しい様式で弁に再アプローチすることを可能にするであろう。
【0106】
把持は、好ましくは、いくつかの利益を提供する非外傷性であろう。非外傷性とは、本発明のデバイスおよび方法が、尖構造または機能のいずれの有意な臨床的障害も引き起こすことなく弁尖に適用され、次いで、除去され得ることを意味する。尖および弁は、本発明が適用される前と実質的に同一に継続して機能する。したがって、尖のある程度のわずかな貫通またはへこみが、本発明を使用して起こり得るが、依然として、「非外傷性」の定義を満たす。これは、本発明のデバイスが、弁機能に悪影響を及ぼすことなく、罹患した弁に適用され、所望される場合、除去または再位置付けされることを可能にする。加えて、いくつかの場合では、把持、固定のいずれか、またはその両方の間に尖を穿刺する、もしくは別様にそれに恒久的に影響を及ぼすことが必要である、または望ましくあり得ることを理解されたい。これらの場合のいくつかでは、把持および固定は、単一のデバイスによって遂行され得る。いくつかの実施形態が、これらの結果を達成するために提供されるが、基本的特徴の一般的概観が、本明細書に提示されるであろう。そのような特徴は、本発明の範囲を限定するように意図されず、本願において後で提示される個々の実施形態の説明のための基礎を提供することを目標として提示される。
【0107】
本発明のデバイスおよび方法は、所望の処置部位に近接して位置付けられ、標的組織を把持するために使用される介入ツールの使用に依拠する。血管内用途では、介入ツールは、典型的には、介入カテーテルである。外科手術用途では、介入ツールは、典型的には、介入器具である。好ましい実施形態では、把持された組織の固定は、インプラントとして残される介入ツールの一部を用いて把持を維持することによって遂行される。本発明は、身体全体を通した組織接近および固定のための種々の用途を有し得るが、これは、弁、特に、僧帽弁および三尖弁等の心臓弁の修復のために特に明確に適合される。
【0108】
図1B-1および1B-2は、それぞれ、展開のための逆行性および順行性構成の両方における固定デバイスを図示する。固定デバイスは、遠位送達カテーテル499の一部である解放バー16または166に取り付けられる。両方の外科手術方法において、デバイスの留置および位置は、変化しないままである。これは、固定デバイスが、ユーザ必要性に最良に適合する種々の進入点を使用して展開されることを可能にし得る。例証を目的として、順行性アプローチが、主として、以下に説明されるであろう。
【0109】
図2A-2Hは、固定デバイスを展開するために使用され得るカテーテルベースの固定デバイス送達システムの種々の実施形態を描写する。ノブ502および503が、2つの尖LFを固定するために、それぞれ、固定デバイスの内側(14、22)および外側(12、20)アームを(14’、22’)および(12’、20’)に位置付ける(逆もまた同様である)ために使用される(アーム操作)。各ノブは、デバイスの外側または内側アームのいずれかを操作するように構成され得る。2つのみのハンドルシステムが例示されているが、本概念は、固定および/または操向可能シャフトシステムの組み合わせを有する3つもしくはそれを上回るハンドルシステムを含むように拡大され得る。
【0110】
図2Aは、4方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて固定曲線挿入器シースを利用する送達システムの一実施形態を図示する。アーム操作ノブ502および503は、同一のカテーテルハンドル508上に構成される。ノブ500および501は、カテーテルの遠位送達シャフト499を4つの方向に操向するために使用され、各ノブ(500および501)は、2方向操向を提供する。遠位挿入器シース498は、固定曲線を保持する。
【0111】
図2Bは、2方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて固定曲線挿入器シースを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。アーム操作ノブ502および503は、カテーテルハンドル508と同様に構成される。ノブ504は、カテーテルの遠位送達シャフト499を2つの方向に向け、2方向操向を提供するために使用される。遠位挿入器シース498は、固定曲線を保持する。
【0112】
図2Cは、送達カテーテルとの組み合わせにおいて2方向操向可能挿入器シースを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。挿入器シースハンドル510は、遠位シース498を操作および操向するために、2方向操向ノブ505を格納する。これは、別のハンドル511と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502および503を保持する。Merit Medicalからの既製の2方向操向可能挿入器シース(HeartSpan(登録商標) Steerable Sheath Introducer,https://www.merit.com/cardiac-intervention/ep-and-crm/electrophysiology/heartspan-steerable-sheath-introducer/)が、例証を目的として、例として示されることに留意されたい。
【0113】
図2Dは、送達カテーテルとの組み合わせにおいて4方向操向可能挿入器シースを利用する送達システムの類似する実施形態を図示する。挿入器シースハンドル510は、遠位シース498を操作および操向し、4方向操向性を提供するために、2つの2方向操向ノブ506および507を格納する。これは、別のハンドル511と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502および503を保持する。
【0114】
図2Eは、2方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて2方向操向可能ガイドカテーテルを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。挿入器シースハンドル510は、遠位シース498を操作および操向するために、2方向操向ノブ505を格納する。これは、別のハンドル515と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502、503を保持し、加えて、遠位送達シャフト499の2方向操向を提供するノブ518を保持する。Merit Medicalからの既製の2方向操向可能挿入器シース(HeartSpan(登録商標) Steerable Sheath Introducer,https://www.merit.com/cardiac-intervention/ep-and-crm/electrophysiology/heartspan-steerable-sheath-introducer/)が、例証を目的として、例として示されることに留意されたい。
【0115】
図2Fは、4方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて2方向操向可能ガイドカテーテルを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。挿入器シースハンドル510は、遠位シース498を操作および操向するために、2方向操向ノブ505を格納する。これは、別のハンドル517と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502、503を保持し、加えて、4方向操向性をもたらす、それぞれ、遠位送達シャフト499の2方向操向を提供するノブ520および521を保持する。Merit Medicalからの既製の2方向操向可能挿入器シース(HeartSpan(登録商標) Steerable Sheath Introducer,https://www.merit.com/cardiac-intervention/ep-and-crm/electrophysiology/heartspan-steerable-sheath-introducer/)が、例証を目的として、例として示されることに留意されたい。
【0116】
図2Gは、2方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて4方向操向可能ガイドカテーテルを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。操向可能ガイドカテーテルハンドル523は、遠位シース498を操作および4方向操向するために、2つの2方向操向ノブ529および528を格納する。これは、別のハンドル515と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502、503を保持し、加えて、遠位送達シャフト499の2方向操向を提供するノブ518を保持する。いくつかの実施形態では、ノブ518は、送達カテーテル操向性の代わりにアーム操作のために構成され得る。
【0117】
図2Hは、2方向操向可能送達カテーテルとの組み合わせにおいて4方向操向可能挿入器シースを利用する送達システムのさらなる実施形態を図示する。挿入器シースハンドル523は、遠位シース498を操作および4方向操向するために、2つの2方向操向ノブ529および528を格納する。これは、別のハンドル517と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502、503を保持し、加えて、4方向操向性をもたらす、それぞれ、遠位送達シャフト499の2方向操向を提供するノブ520および521を保持する。
【0118】
図2I-1および2I-2は、2方向操向構成を伴う遠位挿入器シース498の移動を図示する。
【0119】
図2J-2Qは、心臓内に固定デバイスを展開するために使用される例示的12Frカスタムカテーテルベースの送達システムの好ましい実施形態を描写する。
【0120】
図2Jは、
図2Gと類似するが、しかしながら、カスタムハンドル745、747を使用する、送達カテーテルとの組み合わせにおいて4方向操向可能ガイドカテーテルを利用する例示的12Fr送達システムのさらなる実施形態を図示する。操向可能ガイドカテーテルハンドル745は、シース498を4方向操向するために、2つの2方向操向ノブ529および528を格納する。操向可能ガイドは、送達カテーテルハンドル747と連携して配置され、それは、順に、アーム操作ノブ502、503を保持し、加えて、送達カテーテル操向性の代わりにアーム操作のために構成されるノブ518を保持する。好ましい実施形態では、ノブ502は、一方の内側アームを独立して操作するために使用される一方、ノブ503は、他方の内側アームを独立して操作するために使用される。第3のノブ518は、2つの外側アームを同時に操作するために使用される。
【0121】
図2Kは、
図2Jに示されるカテーテルシステムの遠位セグメントを示す。見られ得るように、例示的9Fr外径送達カテーテルシャフト499は、例示的12Fr内径操向可能ガイドカテーテルシャフト498の管腔を通過する。
【0122】
図2Lは、操向可能ガイドおよび送達カテーテルハンドルを横並で示す。例示的ステンレス鋼管623は、操向可能ガイドカテーテルハンドルを好適なスタンド(図示せず)上に支持し、取り付けるための手段を提供する。一方、例示的ステンレス鋼管615は、操向可能ガイドハンドルの内側にあるとき、送達カテーテルを支持し、平行移動させるための手段を提供する。
【0123】
図2Mは、随意に、解放バー16において血行力学的圧力を測定するために使用され得る、フラッシュポート715を伴う送達カテーテルハンドルの詳細図を示す。加えて、図は、例示的4分の1回転係止解放ロッドノブ550を示す。ノブ550は、解放ロッド18を操作し、それによって、固定要素を解放/展開するために使用されることができる。
【0124】
図2Nは、カスタム送達カテーテルの例示的遠位セグメントを示す。
【0125】
図2Oは、拡張器近位シャフト403および4分の1回転係止拡張器ノブ730を伴う操向可能ガイドハンドル745の詳細を示す。加えて、操向可能ガイドカテーテルハンドルは、係止可能かつ挟持可能止血弁735から成る。係止解除され、ユーザによって挟持されていないとき、止血弁は、止血シールを提供するために、それ自体を堅く閉鎖するように圧潰する。
図2Oに示されるように、拡張器403(または送達カテーテル)が存在する場合、これは、次いで、拡張器403(または送達カテーテル)上で閉鎖され、止血シールを提供することに加えて、これはまた、拡張器403(または送達カテーテル)の運動を拘束するであろう。
【0126】
図2Pに示されるようにロック727を使用して係止されると、またはユーザによって挟持されると、止血弁は、開放され、拡張器(または送達カテーテル)の自由移動または通過を可能にする。随意かつ例示的標識700および702は、ノブ520および528の操向性機能を示す。
【0127】
図2Q-1は、操向可能ガイドカテーテルシャフト498の遠位セグメントの詳細図を示す。シャフト498は、要求される耐キンク性、トルク付与性、および押出性を提供するように補強されたワイヤである。近位シャフト405は、比較的に堅性である一方、遠位操向可能シャフト402は、比較的に可撓性であり、中間シャフト401は、中間レベル混合堅性を提供する。蛍光透視法下の可視化を強化するために、3つの放射線不透過性マーカ400が存在する。
【0128】
図2Q-2は、例示的標識702のうちの1つを示す。対応するノブ(
図2O、2Pに示されるような528)の操作は、操向可能ガイドカテーテルシャフト498の遠位セグメント402、401の例示的操向をもたらす。
【0129】
図3A-3Cは、固定デバイスタイプの例示的プロトタイプを示す。
【0130】
図3Aは、内側および外側アームが縫合糸およびピンを使用して締結される、最初のベアボーンプロトタイプを示す。さらに、本例示的プロトタイプでは、内側および外側アームは、自然弁の要求される接合を越えて追加の把持を可能にするように輪郭付けられる。本例示的プロトタイプの内側および外側アームは、ニチノールから作製された。
【0131】
図3B-1は、輪郭固定デバイスのまた別の例示的実施形態を示す。見られ得るように、これは、(内側アーム14、22、外側アーム12、20、基部ブラケット10、および締結具24を伴う)固定デバイスの完全なプロトタイプである。本例示的プロトタイプの内側および外側アームは、ニチノールから作製される一方、基部ブラケット10および締結具24は、チタンから作製される。
【0132】
図3B-2は、
図3B-1に示される固定デバイスの個々の内側アーム14、22および外側アーム12、20を示す。
図3B-1および3B-2の外側アームは、
図3Aまたは3Cに示されるプロトタイプの外側アームと比較したとき、より少ない返しまたは摩擦要素を有することに留意されたい。
【0133】
図3Cは、輪郭固定デバイスのまた別の例示的実施形態を示す。見られ得るように、これは、(内側アーム14、22、外側アーム12、20、基部ブラケット10、および締結具24を伴う)固定デバイスの完全なプロトタイプである。本例示的プロトタイプの内側および外側アームは、ニチノールから作製される一方、基部ブラケット10および締結具24は、チタンから作製される。
図3Aおよび3B-1の固定デバイスの輪郭プロトタイプと比較して、このプロトタイプは、主として、自然弁の接合領域のために設計される。
【0134】
図4A-4Fは、例えば、ノブ502、503、および/または518によって制御されるべきアーム操作を描写する。具体的には、これらの図は、順行性配向における固定デバイスの好ましい段階的展開を図示する。
【0135】
僧帽弁を通したデバイスおよび送達アセンブリの挿入前、デバイスは、操向可能ガイドカテーテルシャフト498の内側で圧潰状態のままであり、全てのアームは、上向きに折畳される。これは、アーム12、20、14、22の位置によって
図4Aに図示される。
【0136】
図4Aは、僧帽弁尖LFを過ぎたデバイスの挿入後の外側アーム12および20の位置12’および20’への操作60および61を示す。
【0137】
図4Bはさらに、弁尖LFの真下で上に面する外側アーム12および20の最終位置を示すことによって、これを図示する。
【0138】
図4Cは、僧帽弁尖LFが外側アーム20および12によって固定されるような固定デバイスの再位置付けを示す。これは、デバイスを約1cm心房方向に向かって平行移動させることによって達成される。
【0139】
図4Dは、位置14’および22’へのアーム14および22の62および63移動による尖LFの捕捉を示す。該要素の返し付き特徴は、尖LFを固定デバイスに固定する。
【0140】
図4Eはさらに、アーム14、22、12、および20が僧帽弁の尖LFを効果的に捕捉した捕捉の最終結果を図示する。
【0141】
図4Fは、固定デバイスの展開状態を示す。
図4Fは、好ましい実施形態の展開に関する全ての説明される手技の最終状態であることに留意されたい。
【0142】
図5A-5Dは、例えば、ノブ502、503、および/または518によって制御されるべきアーム操作を描写する。具体的には、これらの図は、内側アーム22および14がそれぞれ独立して尖を捕捉する、順行性配向における固定デバイスの段階的展開を図示する。
【0143】
図5Aは、
図4Cに先に説明されるように、僧帽弁尖LFの真下のその留置後の好ましい実施形態を図示する。
【0144】
図5Bは、内側アーム22を位置22’に降下させ、第1の尖LFを捕捉するための独立した操作62を描写する。
【0145】
【0146】
図5Dは、第2の尖LFを捕捉する、第2の内側アーム14の位置14’への独立した操作63を描写する。操作62および63の順序は、好ましいユーザ必要性を満たすために置換可能であることに留意されたい。
【0147】
図6A-6Dは、尖LFを連続的に捕捉するための独立したアーム操作の代替変形を描写する。具体的には、これらの図は、アイデアの表現を目的として、順行性配向における固定デバイスの段階的展開を図示する。
【0148】
図6Aは、外側アーム20の位置20’への操作60を図示する。デバイスは、ここでは、尖LFがアーム20の返し付き特徴に並置するように位置付けられなければならない。
【0149】
図6Bは、内側アーム22の位置22’.への降下62による尖LFの捕捉を示す。これは、第1の尖LFを捕捉する。
【0150】
操作62が続く操作60の結果は、
図6Cに示され、デバイスは、1つの尖LFを正常に捕捉した。これはまた、外側アーム12を位置12’に再位置付けするための操作61を示す。
【0151】
図6Dは、第2の尖LFを捕捉するために、内側アーム14を位置14’に降下させる操作63を図示する。
【0152】
操作対(60、62)および(61、63)は、ユーザ必要性を満たすために置換され得ることに留意されたい。
【0153】
図6A-6Dに描写される操作の結果は、
図4Eに図示され、アーム14、22、12、および20は、僧帽弁の尖LFを効果的に捕捉している。
【0154】
好ましい実施形態は、ユーザがいずれかの複雑性に続いてデバイス展開を中断することを可能にするように設計される。さらに、脱出手技が、尖の準最適捕捉を補正する、または再位置付けするために必要とされ得る。「脱出」手技の例が、
図7A-7Fに図示される。
【0155】
図7Aは、僧帽弁尖LFの完全な捕捉後の例示的固定デバイスを示す。
【0156】
図7Bは、操作64および65を介して内側捕捉アーム22および14を位置22’および14’に持ち上げることによる尖LFの解放を示す。
図7Cは、操作64および65の最終結果を描写する。
図7Dは、縫合糸セグメント42および44が位置42’および44’に平行移動されるような縫合糸47および48の作動51および52を図示する。本平行移動は、尖LFを外側アーム12および20から位置LF’に持ち上げることに留意されたい。
図7Eは、これらの操作51および52の最終結果を示す。
図7Fは、アーム20および12が完全に上向きに圧潰される、操作51および52のさらなる実施形態を示す。本段階において、脱出は、完了し、固定デバイスは、僧帽弁から離れて心房の中に後退されることができる。ユーザは、本手技を再試行するか、または操向可能ガイドカテーテルシャフト498を通して固定デバイスおよび送達カテーテル499を完全に後退させ、除去するかを選定し得る。
【0157】
図8A-8Dは、固定デバイスを送達システムに接続する縫合糸に焦点を当てる、固定デバイスの移動および操作のより詳細な描写を与える。
【0158】
図8Aは、図示の混乱を回避するために、内側アーム14および22を示すことなくデバイス(直面構成要素16)の裏側を図示する。本描写は、外側アーム12および20が捕捉できる状態である間の全ての他のデバイス要素の位置を表す。縫合糸95は、カテーテル管ならびに要素28および16を辿って、次いで、ループ98を通して進行し、セグメント91および93を形成する。縫合糸97は、カテーテル管ならびに要素28および16を辿って進行し、セグメント92および94を形成する。縫合糸91および92の遠位端は、孔30を通して解放ロッド18にループ形成される。縫合糸96はまた、カテーテル管ならびに要素28および16の前側を辿って進行し、それは、順に、ループ98を通してループ形成されるように特徴30を通して進行する。
図8Bは、特徴30の周囲に描かれる円によって指定される、
図8Aのズームイン画像である。ループ98の使用は、縫合糸96の遠位端におけるループを利用することによって現実的意味を失い得ることに留意されたい。
【0159】
図8Cは、
図8A内の図示のさらなる実施形態を表す。ここでは、操作110、111、および112は、
図8Aに保持されるその元々の位置から縫合糸セグメント93、94、および98を平行移動させる。操作110および112は、ハンドル上のノブ(例えば、ノブ518)を介してであり得る一方、これは、外側アーム12および20上のその位置から尖LFを取り出し、脱出を可能にすることに留意されたい。
図8Cは、本質的に、
図7Eの好ましい実施形態のより詳細な図示である。
図8Dは、要素30の周囲に描かれる黒色円によって指定される、
図8Cの実施形態のズーム画像を提供する。好ましい例示的実施形態では、操作110および112は、送達ハンドル上のノブの能動的操作(例えば、単一のノブ518を使用する110および112の両方の同時引き)であり得る一方、操作111は、受動的(例えば、ばねを使用する一定の張力の付与)であり得ることに留意されたい。
【0160】
図9A-9Dは、内側アーム14および22を操作する機構のより詳細な図を提供する。外側アーム12および20に関与する縫合糸ならびに機構は、簡易化するために
図9A-9Dに表示されないことに留意されたい。
【0161】
図9Aは、内側アーム14および22を圧潰させるための縫合糸75および76に対する操作77および78作用に先立つ固定デバイスを図示する。縫合糸76はまた、セグメント74および72から成ることに留意されたい。同様に、縫合糸75は、セグメント73および71から成る。セグメント71および72の遠位端は、展開バー16上の特徴26を通して解放ロッド18の周囲にループ形成される。
図9Bは、特徴26の周囲に描かれる円によって指定される、上で説明される機構および縫合糸の拡大図を提供する。
図9Cは、縫合糸セグメント71および73が内側アーム14に取り付けられる別個の縫合糸ループ83を介してループ形成する、固定デバイスのさらなる実施形態を描写する。同様に、縫合糸セグメント72および74は、別個の縫合糸ループ82を介してループ形成し、縫合糸は、ループ83および82を通してループ形成する。
図9Dは、操作77および78の継続が内側アーム14および22を正常に圧潰させた固定デバイスを示す。これは、デバイスが後退のためにコンパクトになることを可能にするため、脱出手技において不可欠である。加えて、外側アームが降下された状態を保ちながら、内側アームを上昇および降下させるためのこの操作は、ユーザが尖を捕捉するためにいくつかの試行を行うことを可能にする。
【0162】
図10A-10Eは、送達システムからの固定デバイスの展開および分離を図示する。
【0163】
図10Aは、僧帽弁尖LF(図示せず)を捕捉した後のその最終位置における固定デバイスを描写する。
図10Bは、要素30の周囲に描かれる円によって指定される、
図10Aの円形部分のズーム画像である。ここでは、操作180は、これが、例えば、解放ロッドノブ550を使用して送達システムから引動されるにつれて、解放ロッド18に作用する。この操作の結果は、
図10Cに示され、固定デバイスは、展開バー16から効果的に分離されている。
図10Dは、縫合糸セグメント91および92に対する操作180の影響を描写し、それらは、解放ロッド18の除去に起因してデバイスからリンク解除され、送達システムを通して上にその長さに沿って後退される。縫合糸セグメント71および72の解放は、特徴26を通した同一の機構を通して起こることに留意されたい。解放の最終結果は、
図10Eで視認されることができ、デバイスは、心臓内に正常に埋込されており、遠位送達シスタムは、後退できる状態である。
【0164】
図11は、固定デバイスの外側に形状設定された内側(22、14)および外側(12、20)アーム支柱を伴う実施形態の例を示す。加えて、これは、レーザまたはワイヤEDM切断ニチノール平面を使用してアームを製造する1つの方法を図示するために、平坦パターンの内側(22”、14”)および外側(12”、20”)アームを示す。
【0165】
図12は、固定デバイスの外側に形状設定された内側(22、122)および外側(120、20)アーム支柱を伴う好ましい実施形態の例を示す。内側122および外側120アームは、22および20よりも短く、より短い後僧帽弁尖を収容することに留意されたい。加えて、これは、レーザまたはワイヤEDM切断ニチノール平面を使用してアームを製造する1つの方法を図示するために、平坦パターンの内側(122”)および外側(120”)アームを示す。
【0166】
図13A-13Eは、固定デバイスの種々の代替実施形態を図示する。これらの実施形態および先に議論される実施形態の任意の組み合わせが、所望のユーザ必要性に対処するために使用され得ることに留意されたい。
【0167】
図13Aは、両方の外側アームが、両側上の尖を把持する単一の連続的分岐外側アーム構成要素201として形成される実施形態を図示する。同様に、両方の内側アームが、両側上の尖を把持する単一の連続的分岐内側アーム構成要素202として形成される。
【0168】
図13Bは、内側アーム間にスペーサ203が存在する、固定デバイスの実施形態の例を示す。本スペーサは、a)より厚い尖LFのための空間を提供し、b)内側アームに追加の可撓性を提供し、c)固定デバイスを送達カテーテルと取り外し可能に結合するための代替部位を提供する。
【0169】
図13Cは、尖LFを捕捉するために設計される、2つの外側アーム204のみを有し、いかなる内側アームも有していない弁クリップ固定デバイス実施形態の例を図示する。加えて、
図13Cは、アーム間にスペーサ203が存在する、固定デバイスの実施形態の例を示す。本スペーサは、組織捕捉のための、または送達カテーテルへの固定デバイスの取り付けのための間隙を提供するために使用され得る。
【0170】
図13Dは、主として、自然弁の接合線205に沿って尖LFを捕捉するために、外側アーム136、132および内側アーム134、138の対を使用する弁クリップ固定デバイス実施形態を図示する。捕捉アームが尖を把持するときに接合線から分岐する、先の実施形態と対照的に、
図13Cおよび13Dの捕捉アームは、尖を把持するときに接合線と並列に整列させられる。
【0171】
図13Eは、内側および外側アーム206の3つの対が存在する、弁クリップ固定デバイスの実施形態を示す。これは、三尖弁等の尖の3つの組を把持するためのものである。
【0172】
図13F-1および13F-2は、展開中の解放ロッド18の除去に応じた固定デバイスの上への容易な取り外しを強化する、傾斜特徴11を伴う基部ブラケット10の例示的実施形態を示す。
【0173】
図13G-1-13G-4は、2つの支柱17を伴う解放バー16の例示的実施形態を示す。支柱は、展開中に固定デバイスからのシームレスな取り外しを可能にしながら、尖の捕捉中に外側アームの拡散(または降下)を補助する。
【0174】
図13H-1および13H-2は、支柱17の機能を図示する。
図13H-1および13H-2は、それぞれ、解放バー16の背面図および側面図ならびに基部ブラケット10および解放ロッド18サブアセンブリを示す。アームは、明確化のために示されないことに留意されたい。開始位置では、基部ブラケット10は、より低い位置にあり、支柱17と基部ブラケット10との間に間隙54が存在する。
【0175】
図13I-1および13I-2では、基部ブラケットは、例えば、送達カテーテルハンドルノブのうちの1つに接続されるワイヤまたは縫合糸を使用して、支柱17に向かって操作される。この操作は、間隙54の低減をもたらす。
【0176】
図13J-1および13K-2は、解放バー16、解放ロッド18の正面図の一部、ならびに外側アーム132、136および内側アーム134、136の概略を示す。
図13J-1は、開始位置における基部ブラケット10を示す。本例示的実施形態では、内側および外側アームは、典型的には、ニチノール等の超弾性材料から作製される。外側アームは、垂直位置に向かって形状設定される一方、内側アームは、水平位置に向かって形状設定される。したがって、外側アームが
図13Dのように垂直位置に向かって移動するための一定の付勢が存在する一方、内側アームは、外側アームに向かって常に付勢される。さらに、外側アームは、例えば、より厚い外側アームを使用することによって、内側アームと比較してより強くされる。さらに、内側アームは、例えば、
図9Dの先に説明される技法を使用して、上昇位置に位置付けられる。したがって、外側アームは、支柱17のみによって拘束される。
図13J-2では、基部ブラケット10は、支柱17に向かって上向きに操作される。これは、それらが支柱17に対して下に押動されるにつれて、外側アームの所望の降下をもたらす。
【0177】
図13K-1および13K-2は、
図13J-1および13J-2と類似し、内側アーム134、138は、降下位置にあるように事前設定される。
【0178】
図13G-1-13K-2は、解放バー16に固定される支柱を示すが、支柱を移動可能にすることが、当業者に明白であろう。例えば、支柱は、レバーアーム上に搭載され、解放バー16にヒンジ止めされ、テザーを使用する機械的利点とともにアームを操作するために使用され得る。
【0179】
図14は、外側アームが返しまたは摩擦要素を有していない実施形態の例を示す。代替として、内側アームは、返しまたは摩擦要素を有する場合とそうではない場合がある。さらに、各個々の内側または外側アームの長さは、
【0180】
オフセット長さA=0~100mm、B=0~100mm、C=0~100mm、D=0~100mm、およびA≧B、またはB≧A、もしくはB≠A、C≧D、またはD≧C、もしくはC≠D、B≧D、またはD≧B、もしくはB≠D、A≧C、またはC≧A、もしくはC≠Aであるように変動し得る。オフセット長さのみが描写されたが、同一物が、アーム全体の個々の物理的長さまたは尖と係合するアームの区分のみに適用され得ることに留意されたい。つまり、各個々のアームは、厚さ、長さ、および幅において異なるサイズであり得る。
【0181】
図15は、最終角度(Af、Bf、Cf、Df)=0~180度、および角度Af≧角度Bf、または角度Af≦角度Bf、もしくは角度Af≠角度Bf、角度Cf≧角度Df、または角度Cf≦角度Df、もしくは角度Cf≠角度Df、角度Af≧角度Cf、または角度Af≦角度Cf、もしくは角度Af≠角度Cf、角度Bf≧角度Df、またはBf≦角度Df、もしくは角度Bf≠角度Dfであるような固定デバイス実施形態の種々の構成を図示する。好ましい構成では、内側および外側アームは、それらの間に留置されるときに尖を確実に捕捉するように、十分な力を用いて互いに向かって弾性的または超弾性的に付勢されることに留意されたい。
【0182】
図16は、最終角度(As、Bs、Cs、Ds)=0~180度、および角度As≧角度Bs、または角度As≦角度Bs、もしくは角度As≠角度Bs、角度Cs≧角度Ds、または角度Cs≦角度Ds、もしくは角度Cs≠角度Ds、角度As≧角度Cs、または角度As≦角度Cs、もしくは角度As≠角度Cs、角度Bs≧角度Ds、または角度Bs≦角度Ds、もしくは角度Bs≠角度Dsであるような固定デバイス実施形態の種々の構成を図示する。好ましい実施形態では、最終および形状設定角度は、以下の関係、すなわち、角度Af≦角度As、角度Bf≦角度Bs、角度Cs≦角度Cf、角度Df≦角度Ds、角度As≠角度Bf、角度Cs≠角度Dsを有し得る。
【0183】
図17Aは、側上に露出される返し60を伴う内側把持アームを示す、MitraClip(登録商標)実施形態(
図11B、第US 8,057,493号 B2;ページ8/68)を再現する。
【0184】
図17Bは、
図17AのMitraClip(登録商標)外部返し60が、内部返し60’(
図17B)と置換され、それを用いて再設計され、本発明と一直線である本発明のさらなる実施形態を描写する。本発明では、返しがアームの外部ではなくアーム内にあるようにアームを設計することはさらに、腱、組織、または送達デバイス構成要素(例えば、縫合糸またはワイヤ)が意図せず、または偶発的に、心臓内での固定デバイスの操作中に引っ掛からない、もつれないか、もしくは構造的に損なわれないことを確実にする。
【0185】
図18A-18Cは、本手技中に固定の可視化を補助するための実施形態を図示する。これは、生理食塩水またはDI水等のクリアな液体を用いて充填されたバルーン802の内側に埋設される光源800を伴う光学カメラを介して達成される。代替として、原位置カメラおよび/または光源は、光ファイバベースのスコープと置換され得る。
【0186】
図18Bは、バルーンが送達カテーテル管腔を介して膨張され、光学可視化が透明バルーンの表面に沿って達成される実施形態の例を示す。本実施形態では、半コンプライアントまたは可変堅性バルーン構成が、使用され得る。展開中、バルーン802は、クリアな生理食塩水またはDI水を用いて膨張され、クリップおよび/または組織に接触し、カメラ800を介して視覚フィードバックを提供する。視覚フィードバックは、本手技を計画および実施するために使用されることができる。
【0187】
図18Cは、光源800を伴う光学カメラを囲繞する非多孔質内部バルーン806を囲繞する多孔質外側バルーン804の例を示し、多孔質外側バルーンは、改良された可視化のために周囲血液を変位させる。
【0188】
図18Dは、可変コンプライアンスを伴うバルーン808の内側の後退可能/操向可能構造上の光源800を伴う光学カメラを示す。バルーンの高コンプライアンス内面812は、クリップおよび尖の上面に適合し、増加された可視化のための改良された接触を提供する。バルーンの上面812は、クリップおよび尖にわたるバルーン810の完全膨張を確実にするために、より堅性であり得る。バルーン810は、送達カテーテルまたはインプラント上にあり得る、もしくはスタンドアロンデバイスとしてであり得る。
【0189】
図18Eは、後退可能/操向可能構造824上に搭載されるバルーン822内またはその上に格納される光学カメラもしくは光ファイバセンサ820の対を示す。代替として、これらのセンサ/カメラは、操向可能/後退可能シャフト826上に搭載され得る。
【0190】
図19は、送達システムの遠位シャフト832に取り付けられる1つ以上の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)センサ830を示す。これらのセンサ830は、倍数単位で、または後退可能および/もしくは操向可能シャフト834上に搭載され得る。これは、埋込中の高分解能組織および送達デバイス撮像を可能にするであろう。
【0191】
図20は、送達システムの遠位シャフト842に取り付けられる1つ以上の超音波センサ840を示す。これらのセンサ840は、倍数単位で、または後退可能および/もしくは操向可能シャフト844上に搭載され得る。これは、本手技をナビゲートおよび実施することに役立つように統合される2D、3D、ならびにドップラモダリティを可能にするであろう。
【0192】
図18A-E-20に図示される実施形態の任意の組み合わせが、可視化を遂行するために本発明の一部として使用され得ることに留意されたい。好ましい実施形態では、開示されるこれらの可視化アイデアは、経食道心エコー図(TEE)および/または蛍光透視法に取って代わるために十分であるはずである。TEEは、患者が本手技中に全身麻酔を受ける主要な理由のうちの1つである。したがって、本手技中のTEEの要件を排除することは、全身麻酔と関連付けられるリスクを低減させる。一方、蛍光透視法を低減させることは、X線からのリスクを低下させる。
【0193】
本発明に関連して使用され得るセンサおよびアクチュエータは、送達システムおよび固定デバイスの安全性、容易な使用、ならびに有効性を改良するためのものである。センサおよびアクチュエータは、デバイス送達(急性)および有効性(急性または慢性)を補助ならびに評価するために使用され得る。センサおよびアクチュエータは、能動的もしくは受動的、取り外し可能、または埋込可能であり得、患者健康を判断または評価するために、急性または慢性生理学的もしくは非生理学的データを提供し得る。センサおよびアクチュエータは、能動的もしくは受動的、取り外し可能、または埋込可能であり、インプラント完全性を判断または評価するために、急性または慢性生理学的もしくは非生理学的データを提供し得る、ならびに/または機能センサが、可視化のために使用され得、熱、光学、超音波(ICEを含む)、OCT、蛍光センサおよびアクチュエータが、電気的、機械的、磁気的、RF、化学的、または組み合わせであり得る。センサおよびアクチュエータは、有線または無線であり得、モバイルまたは固定外部インターフェースと通信し得る。本発明のカテーテルは、外部センサ、例えば、Swan-Ganzカテーテルに取って代わる圧力センサのための導管として使用され得る。センサおよびアクチュエータという用語は、同義的に使用され得る。列挙されるセンサおよびアクチュエータは、例にすぎない。任意の好適な金属またはポリマーもしくはセラミック、有機または無機、可撓性または剛性、マトリクスまたは材料、およびそれらの組み合わせが、所望のセンサおよびアクチュエータを生産するために使用され得る。
【0194】
本発明に説明される全てのインプラント実施形態は、随意に、生体適合性および組織界面を改良するために、被覆される、被着される、コーティングされる、または同等物であり得る。好適なカバーは、織物、連結網、繊維質、編組、織成、または非織成であり得る。コーティングは、金属、セラミック、ポリマー、またはそれらの組み合わせであり得る。好適な金属コーティングは、チタン、TiN、タンタル、金、白金、およびそれらの合金を含む。好適なセラミックおよび無機コーティングは、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、CaP、および同等物を含む。好適なポリマーコーティングは、フルオロポリマー、例えば、PTFE、PFA、FEP、ECTFE、ETFE、パリレン、ポリエステル、PET、ポリプロピレン、PEEK、PVDF、HDPE、LDPE、UHMWPE、ホスホリルコリン、THV、および同等物を含む。好適な生体分解性物は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリジオキサノン、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)、コポリ(エーテル-エステル)、ポリアミド、ポリラクトン、ポリ(プロピレンフマル酸)、およびそれらの組み合わせを含む。そのような金属、セラミック、および/またはポリマーコーティングは、例としてのみ列挙される。任意の好適な金属、セラミック、ポリマー、およびそれらの組み合わせが、望ましいコーティングを生産するために使用され得る。
【0195】
以下は、本願において使用される参照番号の一覧表である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0196】
本開示の多くの実施形態が詳細に説明されたが、ある変形例および修正が、本明細書に説明される全ての特徴および利益を提供しない実施形態を含め、当業者に明白となるであろう。本開示は、具体的に開示される実施形態を超えて、他の代替または追加の実施形態および/もしくは使用ならびにその明白な修正および均等物に及ぶことが、当業者によって理解されるであろう。加えて、いくつかの変形例が、可変詳細において示され、説明されたが、本開示の範囲内である他の修正が、本開示に基づいて当業者に容易に明白となるであろう。また、実施形態の具体的特徴および側面の種々の組み合わせまたは副次的組み合わせが、成され得、依然として本開示の範囲内に該当することが想定される。故に、開示される実施形態の種々の特徴および側面は、本開示の可変モードを形成するために、互いに組み合わせられる、または互いに代用され得ることを理解されたい。したがって、開示される本明細書における本開示の範囲は、上で説明される特定の開示される実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。上で説明される実施形態の全てに関して、任意の方法のステップは、連続的に実施される必要はない。
【外国語明細書】