(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033397
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20220222BHJP
A61C 7/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
G16H10/60
A61C7/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137242
(22)【出願日】2020-08-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520310481
【氏名又は名称】株式会社Brickberg
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】村里 健太
【テーマコード(参考)】
4C052
5L099
【Fターム(参考)】
4C052JJ10
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】矯正装置の使用状態を直感的に記録し、把握できる技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、受付ステップと、生成ステップとを実行するように構成される。受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコンから2以上を順番に選択した入力を受け付ける。複数のアイコンは、歯又は歯茎を示す。生成ステップでは、入力で選択された2以上のアイコンを順番に沿って接続する接続線を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
受付ステップと、生成ステップとを実行するように構成され、
前記受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコンから2以上を順番に選択した入力を受け付け、ここで前記複数のアイコンは、歯又は歯茎を示し、
前記生成ステップでは、前記入力で選択された前記2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する接続線を生成する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記複数のアイコンは、第1のアイコンと、第2のアイコンとを備え、
前記第1のアイコンは、前記歯の表側を表し、
前記第2のアイコンは、隣接する前記歯の間の前記歯茎を表す、
もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記歯の前記表側は、前記歯の前記表側に装着された第1のブラケットと、前記歯の前記表側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含む、
もの。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置において、
前記隣接する前記歯の間の前記歯茎は、前記歯茎の前記表側に埋入されたインプラントと、前記歯の前記表側に装着された第1のブラケットに連結されたワイヤーのループ部分との少なくとも1つを含む、
もの。
【請求項5】
請求項2~請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記受付ステップでは、前記第1のアイコンと、前記第2のアイコンから2以上を順番に選択した前記入力を受け付け、
前記生成ステップでは、前記入力で選択された前記2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する前記接続線を生成する、
もの。
【請求項6】
請求項2~請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記複数のアイコンは、第3のアイコンをさらに備え、
前記第3のアイコンは、歯の裏側を表す、
もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記歯の前記裏側は、前記歯の前記裏側に装着された第2のブラケットと、前記歯の前記裏側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含む、
もの。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の情報処理装置において、
前記受付ステップでは、前記第1のアイコンと、前記第2のアイコンと、前記第3のアイコンとから2以上を順番に選択した前記入力を受け付け、
前記生成ステップでは、前記入力で選択された2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する前記接続線を生成する、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記接続線は、前記歯又は前記歯茎に装着する歯列矯正器具を示す、
もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置において、
前記歯列矯正器具は、前記歯又は前記歯茎に装着する顎間ゴムである、
もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理装置において、
最初に選択された前記アイコンである始点アイコンが再度選択された前記入力を受け付けた場合、
前記生成ステップでは、前記始点アイコンを始点及び終点とした環状の前記接続線を生成する、
もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理装置において、
連続して同じ前記アイコンである特定アイコンを選択した前記入力を受け付けた場合、
前記生成ステップでは、前記特定アイコンを終点とした前記接続線を生成する、
もの。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータを請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理装置として機能させる、
もの。
【請求項14】
情報処理方法であって、
受付ステップと、生成ステップとを備え、
前記受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコンから2以上を順番に選択した入力を受け付け、ここで前記複数のアイコンは、歯又は歯茎を示し、
前記生成ステップでは、前記入力で選択された前記2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する接続線を生成する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歯列矯正治療では、歯にブラケットなどの矯正装置を取り付け、これらの矯正装置をワイヤーで連結することにより歯を動かしていく方法が採用されてきた。特許文献1には、ブラケットを用いた歯列矯正支援方法および歯列矯正支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、矯正治療期間中、上記の矯正装置に加えて、顎間ゴムやパワーチェーンなどの補助器具を使用することがある。どの歯にどのような補助器具を装着させたのか、といった補助器具の使用情報は、文字情報としてカルテに記録されるのが一般的である。
【0005】
しかしながら、このような文字情報による記録方法では、補助器具の使用状態を直感的に理解することは難しい。また、複数の補助器具が使用された場合には、カルテの記録も複雑になり、また、実際の補助器具の使用状態を即座に把握することは困難となる。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、矯正装置の使用状態を直感的に記録し、把握できる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、受付ステップと、生成ステップとを実行するように構成される。受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコンから2以上を順番に選択した入力を受け付ける。複数のアイコンは、歯又は歯茎を示す。生成ステップでは、入力で選択された2以上のアイコンを順番に沿って接続する接続線を生成する。
【0008】
これにより、矯正装置の使用状態を直感的に記録し、把握できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す図である。
【
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
【
図4】ユーザ端末2によって表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末2によって表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図6】直線の接続線5を生成する場合の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図8】ジグザグ状又は環状の接続線5を生成する場合の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す図である。
【0015】
1.1 システム1
システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。
【0016】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。ユーザ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0017】
表示部及び入力部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザ(歯科医師、歯科衛生士等)が操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。
【0018】
通信部、記憶部及び制御部の具体的な説明については、次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0019】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0020】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0021】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0022】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(
図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0024】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、受付部331と、生成部332と、設定部333とを備える。
【0025】
(受付部331)
受付部331は、受付ステップを実行する。特に、受付部331は、ユーザ端末2の入力部を介して入力された種々の情報を受け付ける。受付部331は、2次元に配列された複数のアイコン4から2以上を順番に選択した入力を受け付ける。また、受付部331は、アイコン4及び/又は接続線5の表示設定を受け付ける。受付部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。本実施形態では、受付部331が受け付けた種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。
【0026】
(生成部332)
生成部332は、生成のステップを実行する。生成部332は、受付部331が受け付けた情報に基づき、接続線5を生成する。
【0027】
(設定部333)
設定部333は、受付部331が受け付けた種々の情報に基づき、アイコン4又は接続線5等の表示設定を設定する。例えば、設定部333は、複数のアイコン4に番号を振って表示するように設定してもよい。また、設定部333は、接続線5の色を表示するように設定してもよい。設定部333による各種設定は、設定ファイルとして記憶部32に記憶される。
【0028】
3.情報処理の詳細
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理装置3の情報処理について説明する。
図4及び
図5は、ユーザ端末2によって表示されるGUIの一例を示す図である。
【0029】
まず、直線の接続線5を生成する場合の情報処理を説明する。
図6は、直線の接続線5を生成する場合の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。ユーザは、ユーザ端末2の入力部を介して、ユーザ端末2の表示部に表示された複数のアイコン4の中から、接続線5で接続したいアイコン4を一つ選択する(A101)。なお、このとき選択されたアイコン4が、接続線5の始点となり、以後、ユーザによって最初に選択されたアイコン4を始点アイコン44という。
【0030】
図4に示されるように、複数のアイコン4は、複数の第1のアイコン41と、複数の第2のアイコン42とを備える。複数のアイコン4は、2次元に配列されたものであり、それぞれ歯又は歯茎を示す。第1のアイコン41は、歯の表側を表す。歯の表側とは、歯の表側に装着された第1のブラケットと、歯の表側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含むものである。また、第2のアイコン42は、隣接する歯の間の歯茎を表す。隣接する歯の間の歯茎とは、歯茎の表側に埋入されたインプラントと、歯の表側に装着された第1のブラケットに連結されたワイヤーのループ部分との少なくとも1つを含むものである。すなわち、ユーザは、第1のアイコン41及び第2のアイコン42の中から、一つを選択する。アイコン4が選択されると、受付部331は、複数のアイコン4からアイコン4を一つ選択した入力を受け付ける。
【0031】
なお、
図5に示されるように、複数のアイコン4は、複数の第3のアイコン43をさらに備えてもよい。第3のアイコン43は、歯の裏側を表す。歯の裏側は、歯の裏側に装着された第2のブラケットと、歯の裏側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含むものである。この場合、ユーザは、第1のアイコン41と、第2のアイコン42と、第3のアイコン43との中から、アイコン4を一つ選択する。なお、歯の表側とは、歯の唇側又は頬側であり、歯の裏側とは、歯の舌側である。
【0032】
次に、ユーザは、始点アイコン44とは異なるアイコン4を対象として選択する。これにより、受付部331は、2次元に配列された複数のアイコン4から2以上を順番に選択した入力を受け付けることとなる。また、ユーザは、再度同じアイコン4を選択する。以後、ここで連続して選択されたアイコン4を、特定アイコン45といい、この特定アイコン45が接続線5の終点となる。換言すると、ユーザは、接続線5の終点とする特定アイコン45を選択する(A102)。これによって、受付部331は、連続して同じアイコン4である特定アイコン45を選択した入力を受け付ける。受付部331が、連続して同じアイコン4である特定アイコン45を選択した入力を受け付けた場合、生成部332は、特定アイコン45を終点とした接続線5を生成する(A103)。接続線5は、歯又は歯茎に装着する歯列矯正器具を示す。特に、歯列矯正器具は、歯又は歯茎に装着する顎間ゴムである。
【0033】
まとめると、生成部332は、ユーザによる入力部を介した入力で選択された2以上のアイコン4を順番に沿って接続する接続線5を生成する。具体的には、複数のアイコン4が、第1のアイコン41と、第2のアイコン42とを備える場合、受付部331は、第1のアイコン41と、第2のアイコン42から2以上を順番に選択した入力を受け付け、生成部332は、かかる入力で選択された2以上のアイコン4を順番に沿って接続する接続線5を生成する。複数のアイコン4が、第3のアイコン43をさらに備える場合、受付部331は、第1のアイコン41と、第2のアイコン42と、第3のアイコン43とから2以上を順番に選択した入力を受け付ける。生成部332は、かかる入力で選択された2以上のアイコン4を順番に沿って接続する接続線5を生成する。
【0034】
なお、接続線5の始点となる始点アイコン44及び接続線5の終点となる特定アイコン45は、同種類のアイコン4でもよいし、異なる種類のアイコン4でもよい。例えば、始点アイコン44及び特定アイコン45がともに第1のアイコン41となってもよいし、特定アイコン45が第2のアイコン42で、特定アイコン45が第3のアイコン43となってもよい。
【0035】
図7は、生成された接続線5の一例を示す図である。
図7に示される接続線51は、直線の接続線5の一例である。ユーザが始点アイコン44a(第1のアイコン41)を選択し、その後特定アイコン45aを選択すると、受付部331がこれらアイコン4を順番に選択した入力を受け付ける。すると、生成部332によって始点アイコン44a及び特定アイコン45aをつなぐ接続線51が生成される。なお、始点アイコン44aが1回選択された後、2回連続して特定アイコン45aが選択(ダブルクリック、ダブルタップ等)されることに留意されたい。このように、最後に選択されたアイコン4を再選択するだけで接続線5が生成されることで、接続線5でつなぐアイコン4を確定させる際、別途他のアイコンを選択するなどの特別な操作が伴うことなく、より直感的に接続線5の生成が可能となる。
【0036】
続いて、ジグザグ状又は環状の接続線5を生成する場合の情報処理を説明する。
図8は、ジグザグ状又は環状の接続線5を生成する場合の情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0037】
ユーザは、
図6の場合と同様、複数のアイコン4の中から始点アイコン44となるアイコン4を一つ選択する(A201)。次に、ユーザは、始点アイコン44とは異なるアイコン4を選択する(A202)。以下、このときに選択されたアイコン4を中間アイコン46という。ユーザは、さらに別のアイコン4を中間アイコン46として選択してもよい。最後に選択したアイコン4が、始点アイコン44と異なるアイコン4である場合、連続して最後に選択したアイコン4を特定アイコン45として再度選択すると、受付部331は、これらの入力を受け付ける。すると、生成部332は、ユーザによって選択された3以上のアイコン4(始点アイコン44、中間アイコン46及び特定アイコン45)を順番に沿って接続するジグザグ状の接続線5を生成する(A203)。
【0038】
図7に示される接続線52は、折れ曲がりを含む接続線5の一例である。ユーザが始点アイコン44b(第2のアイコン42)を選択し、その後、中間アイコン46a(第1のアイコン41)を選択する。さらに、特定アイコン45b(第2のアイコン42)を選択すると、受付部331がこれらの入力を受け付け、生成部332によって始点アイコン44bと、中間アイコン46bと、特定アイコン45bとをつなぐジグザグ状の接続線51が生成される。
【0039】
一方、中間アイコン46が選択された後、再度始点アイコン44が選択された場合、受付部331は、始点アイコン44が再度選択された入力を受け付け、生成部332は、始点アイコン44を始点及び終点とした環状の接続線5を生成する(A204)。
【0040】
図7に示される接続線53は、環状の接続線5の一例である。ユーザが始点アイコン44c(第3のアイコン43)を選択し、その後中間アイコン46c(第1のアイコン41)及び中間アイコン46c(第1のアイコン41)を連続して選択する。最後に始点アイコン44cが選択されると、受付部331がこれらアイコン4を順番に選択した入力を受け付け、生成部332は、始点アイコン44cを始点及び終点とした環状の接続線5を生成する。このように、接続線5の始点と終点が同じアイコン4である場合、最初に選択したアイコン4を再度選択するだけで、余分なアイコン4を選択することなく、より直感的、かつ簡単に接続線5を生成することができる。
【0041】
このように、ユーザが接続線5で接続したい2以上のアイコン4を選択することで、選択されたアイコン4を接続する接続線5が生成される。また、これにより、2次元に配列された歯列弓の各部位を示すアイコン4を選択し、顎間ゴムなどの補助装置を示す接続線5が生成されることで、口腔内のどの位置に、顎間ゴムが装着されるのか、といった歯列矯正治療における補助器具の使用状態が直感的に把握可能な電子カルテを作成することが可能となる。また、
図7に示されるように、複数の顎間ゴムを同時に使用するような複雑な措置を行う場合においても、複数のアイコン4を接続線5で結ぶ、という簡単な操作を行うだけで、実際の補助器具の使用状態を即座に把握可能な電子カルテを作成することが可能となる。
【0042】
5.その他
本実施形態に係るシステム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0043】
(1)
図9に示されるように、生成部332は、接続線5が生成されると、装着情報7を生成してもよい。
図9は、文字情報6の一例を示す図である。装着情報7とは、歯又は歯茎に装着された補助器具の使用状態を示す文字情報6である。これにより、補助器具の使用状態が、文字情報6としても電子カルテに記録されることとなる。装着情報71は、歯又は歯茎に装着された直線の接続線5の接続状態を、文字及び記号で示したものである。装着情報72は、歯又は歯茎に装着されたジグザグ状の接続線5の接続状態を、文字及び記号で示したものである。
(2)前述の実施形態では、複数のアイコン4は、第1のアイコン41と、第2のアイコン42と、第3のアイコン43とを備える例を示したが、これに加え、複数のアイコン4は、第4のアイコンを備えるように実施されてもよい。第4のアイコンは、例えば、隣接する歯の間の裏側の歯茎である。
(3)本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータを情報処理装置3として機能させる。
(4)本実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。情報処理方法は、受付ステップと、生成ステップとを実行するように構成される。受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコン4から2以上を順番に選択した入力を受け付ける。複数のアイコン4は、歯又は歯茎を示す。生成ステップでは、入力で選択された2以上のアイコン4を順番に沿って接続する接続線5を生成する。
【0044】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記複数のアイコンは、第1のアイコンと、第2のアイコンとを備え、前記第1のアイコンは、前記歯の表側を表し、前記第2のアイコンは、隣接する前記歯の間の前記歯茎を表す、もの。
前記情報処理装置において、前記歯の前記表側は、前記歯の前記表側に装着された第1のブラケットと、前記歯の前記表側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含む、もの。
前記情報処理装置において、前記隣接する前記歯の間の前記歯茎は、前記歯茎の前記表側に埋入されたインプラントと、前記歯の前記表側に装着された第1のブラケットに連結されたワイヤーのループ部分との少なくとも1つを含む、もの。
前記情報処理装置において、前記受付ステップでは、前記第1のアイコンと、前記第2のアイコンから2以上を順番に選択した前記入力を受け付け、前記生成ステップでは、前記入力で選択された前記2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する前記接続線を生成する、もの。
前記情報処理装置において、前記複数のアイコンは、第3のアイコンをさらに備え、前記第3のアイコンは、歯の裏側を表す、もの。
前記情報処理装置において、前記歯の前記裏側は、前記歯の前記裏側に装着された第2のブラケットと、前記歯の前記裏側に装着されたリンガルボタンとの少なくとも1つを含む、もの。
前記情報処理装置において、前記受付ステップでは、前記第1のアイコンと、前記第2のアイコンと、前記第3のアイコンとから2以上を順番に選択した前記入力を受け付け、前記生成ステップでは、前記入力で選択された2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する前記接続線を生成する、もの。
前記情報処理装置において、前記接続線は、前記歯又は前記歯茎に装着する歯列矯正器具を示す、もの。
前記情報処理装置において、前記歯列矯正器具は、前記歯又は前記歯茎に装着する顎間ゴムである、もの。
前記情報処理装置において、最初に選択された前記アイコンである始点アイコンが再度選択された前記入力を受け付けた場合、前記生成ステップでは、前記始点アイコンを始点及び終点とした環状の前記接続線を生成する、もの。
前記情報処理装置において、連続して同じ前記アイコンである特定アイコンを選択した前記入力を受け付けた場合、前記生成ステップでは、前記特定アイコンを終点とした前記接続線を生成する、もの。
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させる、もの。
情報処理方法であって、受付ステップと、生成ステップとを備え、前記受付ステップでは、2次元に配列された複数のアイコンから2以上を順番に選択した入力を受け付け、ここで前記複数のアイコンは、歯又は歯茎を示し、前記生成ステップでは、前記入力で選択された前記2以上の前記アイコンを前記順番に沿って接続する接続線を生成する、方法。
もちろん、この限りではない。
【0045】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 :システム
2 :ユーザ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
53 :接続線
331 :受付部
332 :生成部
333 :設定部
4 :アイコン
41 :第1のアイコン
42 :第2のアイコン
43 :第3のアイコン
44 :始点アイコン
44a :始点アイコン
44b :始点アイコン
44c :始点アイコン
45 :特定アイコン
45a :特定アイコン
45b :特定アイコン
46 :中間アイコン
46a :後中間アイコン
46b :中間アイコン
46c :中間アイコン
5 :接続線
51 :接続線
52 :接続線
6 :文字情報