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  • 特開-電極式蒸気加湿器 図1
  • 特開-電極式蒸気加湿器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033410
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】電極式蒸気加湿器
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/02 20060101AFI20220222BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20220222BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20220222BHJP
【FI】
F24F6/02 B
F24F6/00 E
F24F11/70
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137274
(22)【出願日】2020-08-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000244958
【氏名又は名称】木村工機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】江原 拓志
【テーマコード(参考)】
3L055
3L260
【Fターム(参考)】
3L055BC10
3L055CA04
3L055DA20
3L260AB14
3L260FC31
(57)【要約】
【課題】 加湿量を高精度に制御できる電極式蒸気加湿器を得る。
【解決手段】 水容器(1)内の水に浸漬させた電極(2)間への電圧印加で生じる電流によって蒸気を発生させて加湿する電極式蒸気加湿器であって、電圧印加を周期的にON・OFFさせるリレー回路(3)と、電極(2)の浸漬水位が低くなるにしたがってリレー回路(3)の電圧印加のON時間をOFF時間よりも長くして設定加湿量となるように蒸気発生量を調整する制御装置(8)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水容器(1)内の水に浸漬させた電極(2)間への電圧印加で生じる電流によって蒸気を発生させて加湿する電極式蒸気加湿器であって、
前記電極(2)の浸漬水位の増減に比例させて前記電圧印加のデューティ比を変化させることで設定加湿量となるように調整する制御装置(8)を、備えたことを特徴とする電極式蒸気加湿器。
【請求項2】
前記電圧印加を周期的にON・OFFさせるリレー回路(3)と、前記電極(2)の浸漬水位が低くなるにしたがって前記リレー回路(3)の前記電圧印加のON時間をOFF時間よりも長くして前記設定加湿量となるように前記蒸気発生量を調整する制御装置(8)と、を備えた請求項1に記載の電極式蒸気加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電極式蒸気加湿器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電極式蒸気加湿器は、水容器内で水に浸漬させた電極間に電圧を印加して電流を流し、ジュール熱で水を沸騰させて蒸気を発生させ、その蒸気を空調機等の給気に噴霧して加湿するのに用いられる。加湿量(蒸気発生量)は、水に触れる電極の表面積(浸漬水位)を給排水により増減させることで電流値を変化させ、制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2013-228139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、蒸気発生等に伴って電極の浸漬水位が増減して電流値が変化すると蒸気発生量も変動するため、加湿量が安定せず制御性が悪い問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、水容器内の水に浸漬させた電極間への電圧印加で生じる電流によって蒸気を発生させて加湿する電極式蒸気加湿器であって、前記電極の浸漬水位の増減に比例させて前記電圧印加のデューティ比を変化させることで設定加湿量となるように調整する制御装置を、備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
電極の浸漬水位が増減して電流値が変化しても、蒸気発生量が安定するので設定加湿量と実加湿量の差が少なくなり、高精度に加湿量を制御できる。無接点の半導体リレーなので長寿命で信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の電極式蒸気加湿器の全体構成を示す説明図である。
図2】電極式蒸気加湿器の加湿制御の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0008】
図1は、本発明の電極式蒸気加湿器の一実施例を示しており、この電極式蒸気加湿器は、水容器1、電極2、リレー回路3、ホース4、加湿ノズル5、給水部6と、排水部7及び制御装置8を、備えている。水容器1の内部には、複数の電極2…を隔てて設け、加湿用の水を入れて電極2…を浸漬させる。この電極2…間に電圧印加して電流を発生させ、電流値に応じた量の加湿用蒸気を発生させて加湿する。
【0009】
水容器1で発生させた加湿用の蒸気は、ホース4を介して管状の加湿ノズル5から放出する。給水部6は、水容器1へ水を送る給水管9に電磁弁10を設けて成り、電磁弁10を介して水を給水する。排水部7は、水容器1から水を排出する排水管11にポンプ12を設けて成り、ポンプ12で排水する。
【0010】
リレー回路3は、ソリッドステートリレーなどの無接点の半導体リレー等で構成し、電圧印加を周期的にON・OFFさせる。制御装置8は、電極2の浸漬水位の増減に比例させて電圧印加のデューティ比を変化させることで設定加湿量となるように蒸気発生量を調整する。制御装置8は、電流値検出器13、水位検出器14及び設定器15を備えている。
【0011】
電流値検出器13は、電極2間に流れる電流値を検出する。水位検出器14は、水容器1の浸漬水位を検出する。加湿量、電極2の浸漬上限水位及び浸漬下限水位等の設定は、設定器15で行う。浸漬上限水位と浸漬上限水位は、設定加湿量を超える蒸気を発生させる電流値となるように設定する。
【0012】
図2に示すように、制御装置8によって、電極2の浸漬下限水位から浸漬上限水位になるまで給水を続け、浸漬上限水位から浸漬下限水位になるまで給水を停止する。このサイクルを蒸気加湿器の稼働中繰り返す。稼働中は、電圧印加による蒸気発生に伴い電極2の浸漬水位が低くなるにしたがって、リレー回路3の電圧印加のON時間をOFF時間よりも長くして設定加湿量となるように蒸気発生量を調整する。
【0013】
なお、本発明は上述の実施例に限定されない。例えば、電極2の数の増減や位置、形状などの構造を変更したり、リレー回路3を、電磁開閉器等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0014】
1 水容器
2 電極
3 リレー回路
8 制御装置
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
電流値検出器13は、電極2間に流れる電流値を検出する。水位検出器14は、水容器1の浸漬水位を検出する。加湿量、電極2の浸漬上限水位及び浸漬下限水位等の設定は、設定器15で行う。浸漬上限水位と浸漬下限水位は、設定加湿量を超える蒸気を発生させる電流値となるように設定する。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水容器(1)内の水に浸漬させた電極(2)間への電圧印加で生じる電流によって蒸気を発生させて加湿する電極式蒸気加湿器であって、
前記電圧印加を周期的にON・OFFさせるリレー回路(3)と、前記電極(2)の浸漬水位が低くなるにしたがって前記リレー回路(3)の前記電圧印加のON時間をOFF時間よりも長くして設定加湿量となるように前記蒸気の発生量を調整する制御装置(8)と、を備えたことを特徴とする電極式蒸気加湿器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
リレー回路3は、ソリッドステートリレーなどの無接点の半導体リレー等で構成し、電圧印加を周期的にON・OFFさせる。制御装置8は、電流値検出器13、水位検出器14及び設定器15を備え、電極2の浸漬水位と、電圧印加のON・OFF時間と、を制御する。