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  • 特開-除菌剤及び除菌剤の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033418
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】除菌剤及び除菌剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 47/44 20060101AFI20220222BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20220222BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220222BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A01N47/44
A01P1/00
A01P3/00
A01N25/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137292
(22)【出願日】2020-08-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】519032572
【氏名又は名称】株式会社イースト
(74)【代理人】
【識別番号】100154634
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 みさ子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 勉
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011AA04
4H011BB11
4H011DA13
(57)【要約】
【課題】 ウイルス不活性効果を維持しつつ、安全性を高めることが可能な除菌剤を提供できる。
【解決手段】本発明の除菌剤は、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを含有することを特徴とする。ポリアミノプロピルビグアナイドは一般的に防腐剤として広く使用されている。本願発明人は、アルカリ性電解水がポリアミノプロピルビグアナイドのウイルス不活性効果を高めることができ、従来より高濃度で細胞毒性を呈さない除菌剤を実現した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水と
を含有することを特徴とする除菌剤。
【請求項2】
前記除菌剤において、
ポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.0001重量%以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項3】
前記除菌剤は、
pHが9.0以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項4】
前記除菌剤は、
使用時において、
pHが11.2未満である
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項5】
前記除菌剤は、
使用時において、
ポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.0002重量%以上である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の除菌剤。
【請求項6】
ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液を希釈し、人体に直接的に接触させて使用する
ことを特徴とする希釈用除菌剤の使用方法。
【請求項7】
前記希釈された除菌剤は、
pHが9.0以上、11.5未満であり、
ポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.0002重量%以上である
ことを特徴とする請求項6に記載の希釈用除菌剤の使用方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば手指などの消毒・除菌に使用される除菌剤に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリアミノプロピルビグアナイド(以下、PAPBと略す)は、水溶性でpHの影響が小さいため、除菌剤や防腐剤として広く用いられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-33414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今のコロナ禍により、PAPBのウイルスへの不活性化効果について注目が向けられているものの、PAPBには細胞毒性が確認されており、安全性の観点から使用方法が限られるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、安全性を高めつつ高いウイルス不活性化効果を呈し得る除菌剤及び希釈用除菌剤の使用方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため、本発明の除菌剤は、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを含有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の除菌剤の使用方法は、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液を希釈し、人体に直接的に接触させて使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、針安全性を高めつつ高いウイルス不活性化効果を呈し得る除菌剤及び希釈用除菌剤の使用方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ネコカリシウイルスに対する不活性化試験の結果を示すグラフである。
図2】インフルエンザウイルスに対する不活性化試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の出願人は、ポリアミノプロピルビグアナイド(以下、PAPBと略す)とアルカリ性電解水とを組み合わせることにより、安全性が高くかつウイルス不活性化効果を除菌剤を調製し得ることを見出した。
【0012】
除菌剤において、PAPBの濃度は、ウイルスの不活性化に対する有効性の観点から、0.0001重量%以上、特に0.0002重量%以上であることが好ましい。
【0013】
また除菌剤を使用する際において、PAPBの濃度は、安全性の観点から、0.02重量%未満、さらには0.01重量%未満であることが好ましい。例えば、PAPBの濃度が0.04重量%の除菌剤を水(水道水、工業用水、精製水など)で10倍に希釈して使用することもできる。
【0014】
除菌剤としてのpHに特に制限は無いが、pHが9.0以上であることが好ましい。pHが低いと、ウイルスの不活性化に対して十分な効果が得られない可能性があるからである。除菌剤は、人体に対する安全性を担保するため、使用時において、pHが11.2未満であることが好ましい。例えば、pHが12.0の除菌剤を水(水道水、工業用水、精製水など)で10倍に希釈して使用することもできる。
【0015】
除菌剤の使用用途に制限は無いが、例えばテーブルなどに噴霧して拭き取るクリーナ剤や、除菌剤を繊維に含有させたウェットティッシュ、除菌剤を掌の上に滴下して掌全体に広げて使用する手指消毒剤として使用できる。本願発明の除菌剤は、安全性が高いため、人体に直接的、間接的に触れる場合であっても、安心して使用することが可能である。
【0016】
除菌剤は、PAPBとアルカリ性電解水とを混合することによって調製される。また、PAPBとアルカリ性電解水を混合した混合液を水で希釈したり、PAPB又はアルカリ性電解水の一方を水で希釈後に混合しても良い。原料はPAPBとアルカリ性電解水、若しくはPAPBとアルカリ性電解水と水のみでもよく、さらに保湿剤やゲル化剤などの各種添加剤を加えても良い。
【0017】
アルカリ性電解水としては特に制限されず、1槽型、2槽型、3槽型の電解槽で生成されたものが使用される。アルカリ性電解水は、電解質を溶解させた電解質水溶液を電気分解することにより生成され、公知の電解水生成装置で製造された物が適宜使用される。
【0018】
アルカリ性電解水として使用される電解質に制限は無く、公知の電解質を適宜選択して使用することができる。1槽型の電解槽を使用する場合には、例えば炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、アルカリ性(pH8.5~pH14)を呈する電解質が好適に使用される。また、2槽型、3槽型の電解槽で生成される場合には、同様のアルカリ性を呈する電解質に加え、例えば食塩などの中性(pH5.5~pH8.5)を呈する電解質が好適に使用される。
【0019】
原料のアルカリ性電解水としてのpHには特に限定されないが、好ましくは9.0以上、さらには10.0以上のものが好適に使用される。
【実施例0020】
次に、実施例について説明する。
【0021】
ウイルスとして、以下の2つを使用した。
V1:ネコカリシウイルス(Felinecalicivirus)strainF-9
ウイルス株:ATCC VR-782
V2:A型インフルエンザウイルス(Infuluenza Avirus(H1N1))A/PR/8/34
ウイルス株:ATCC VR-1469
【0022】
供試細胞として、以下の2つを使用した。
CRFK細胞 (Crandell Rees feline kidney cell)
細胞株No.JCRB9035
MDCK細胞 (Madin-Darby canine kidney cell)
細胞株No.JCRB9029
【0023】
使用培地及び試薬として、以下の物を使用した。
D-MEM:D-MEM(High Glucose)with L-Gulutamine and Phenol Red(富士フィルム和光純薬)
Kanamycin:Kanamycin Sulfate Solution (50mg/ml)(富士フィルム和光純薬)
PBS(-):D-PBS(-)
Trypsin-EDTA:0.05w/v% Trypsin-0.53mmpl/L EDTA/4Na Solution with Phenol Red(富士フィルム和光純薬)
FBS:HyClone FETAL BOVINE SERUM(GEヘルスケア)
LP希釈液「ダイゴ」30g(日本製薬)
日本薬局方 精製水(山善製薬)
【0024】
100mlのD-MEMに対してFBSを10ml、Kanamycineを0.1ml加えたものを細胞増殖用培地とした。また、100mlのD-MEMに対してFBSを1ml、Kanamycineを0.1ml加えたものを細胞維持用培地とした。1.0lの精製水にLP希釈液「ダイゴ」を1瓶加えて加温溶解し、121℃、15分で高圧蒸気滅菌した物をLPとした。
【0025】
以下の手順により、ウイルスV1溶液を調製した。CRFK細胞を、細胞増殖用培地にて約36℃、5%二酸化炭素の条件下で3~4日間培養し、培養上澄みを除去した。CRFK細胞にウイルスV1を接種した細胞維持培地で3~4日間ウイルス感染させ、80%以上の細胞が細胞変性効果(CPE)を示したことを確認した後、-80℃のディープフリーザーで凍結した。
【0026】
凍結した細胞を約37℃に保った恒温槽にて融解後、再度-80℃のディープフリーザーで凍結し、恒温槽で再度融解した後、3000rpmで10分間遠心分離を行い、上澄みをウイルスV1溶液とし、再度-80℃のディープフリーザーで凍結した。
【0027】
MDCK細胞及びウイルスV2を用いた以外はウイルスV1溶液と同様の手順で、ウイルスV2溶液を調製した。
【0028】
以下の手順により、細胞プレートを作製した。CRFK細胞及びMDCK細胞を、細胞増殖用培地にて約36℃、5%二酸化炭素の条件下で3~4日間培養し、培養フラスコ内で単層シート状となったCRFK細胞及びMDCK細胞をTrypsin-EDTAで剥離し、細胞を回収した。
【0029】
回収された各細胞を血球計算盤にて計測し、細胞維持培地での細胞数を調製し細胞浮遊液を作製した。細胞浮遊液を96ウェルマイクロプレートの各ウェルに0.1mlずつ加え、約36℃、5%二酸化炭素の条件下で1日間培養し、培養上澄みを除いた物を試験用の細胞プレートとした。
【0030】
以下の手順で被検物質(比較例1~7、実施例1~2)の作製を行った。比較例1~3では、被検原液として、濃度が2.5重量%のPAPB水溶液を、比較例5~7では濃度が1.0重量%のPAPB水溶液を、実施例1~2及び比較例4では被検原液として、PAPB0.4重量%をアルカリ性電解水で希釈したものを使用した。アルカリ性電解水としては、電解質として水酸化カリウム(KOH)を用いた。水酸化カリウムの濃度は0.17重量%であった。
【0031】
被検原液0.1mlに対し細胞維持培地0.1mlを加えて混和し、試料液とした。LP0.9mlに対し試料液0.1mlを加えて混和し、中和液とした。中和液を細胞維持培地で10倍、100倍、1000倍に希釈し、これらを被検物質とした。各被検物質の物性を表1に示す。なお推定pHは、被検原液をPAPBが同一濃度になるように水で薄めた場合のpHである。
【0032】
【表1】
【0033】
以下の手順で細胞毒性試験を行った。被検物質を細胞プレートに接種し、約36℃、5%二酸化炭素の条件下で4~7日間培養した。細胞プレートの各ウェルを培養倒立顕微鏡下で観察し、形態変化の有った場合には不適合、形態変化が見られなかった場合には適合とした。
【0034】
以下の手順でウイルスに対する中和実験を行った。PSB(-)を対照物質とし、対照物質0.9mlに対して細胞維持培地0.1mlを加えて混和し、対照試料液とした。LP0.9mlに対照試料液0.1mlを加えて混和し、対照物質とした。被検物質、対照物質にウイルスV1溶液、ウイルスV2溶液をそれぞれ0.01ml加えて混和し、室温で15分間静置したものを中和作用液とし、ウイルス感染価を測定した。被検物質と対照物質のウイルス感染価の差が±0.5Log10以内の場合には適合、それ以外は不適合とした。
【0035】
以下の手順でウイルス感染価を測定した。中和作用液を細胞維持培地で10倍希釈した後、0.1mlを細胞プレートに接種し、約36℃、5%二酸化炭素の条件下で4~7日間培養した。培養後、培養倒立顕微鏡下でCPEの有無を確認し、Reed-Muench法によりウイルス感染価を算出した(単位:TCID50/ml)。表2及び表3に細胞毒性試験及び中和実験の結果を示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
表からわかるように、アルカリ性電解水を含有する実施例1では細胞毒性を呈さないが、実施例1よりPAPB濃度の低い比較例6では細胞毒性を示している。このことから、アルカリ性電解水を使用することにより、細胞毒性が低下していると考えられる。言い換えると、同じPAPB濃度であっても、アルカリ性電解水を含有させることにより、細胞毒性を呈さなくなることが確認された。一方で、比較例5よりもPAPB濃度の低い比較例4では、中和実験において適合判定されており、アルカリ性電解水を含有させることにより、ウイルス不活性効果が高まっていることが確認された。言い換えると、アルカリ電解水を用いることにより、細胞毒性を呈さず、かつウイルス不活性効果を有するPAPBの濃度範囲を広げることが可能であることが確認された。
【0039】
以下の手順でウイルス不活性化試験を行った。被検物質として、細胞毒性が認められず、中和が確認された実施例2と比較例7を用いた。被検物質及び対照物質0.9mlに対してウイルスV1溶液又はウイルスV2溶液を0.1ml加えて混和して作用液とし、室温にて所定時間作用させた。作用時間後、LP0.9mlに各作用液を加えて混和し、中和実験と同様の手順でウイルス感染価を算出した。結果を表4及び表5、図1及び図2のグラフに示している。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
表及びグラフから、実施例2では、対照物質及び比較例7と比して明らかにウイルス感染価が低く、高いウイルス不活性能力を有することが確認された。
【0043】
以上の構成によれば、本発明の除菌剤では、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを含有することにより、アルカリ性電解水の作用により、ウイルス不活性効果を維持しつつ、安全性を高めることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、ウイルス不活性効果を維持しつつ、安全性を高めることが可能な除菌剤を提供できる。

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2020-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイド及びアルカリ性電解水からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項2】
ポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.001重量%未満である
とを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項3】
pHが11.2以下である
とを特徴とする請求項2に記載の除菌剤。
【請求項4】
前記アルカリ性電解水は、
1槽型の電解槽を使用する場合には、アルカリ性を呈する電解質が使用され、
2、3槽型の電解槽を使用する場合には、アルカリ性を呈する電解質又は中性を呈する電解質が使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項5】
前記除菌剤は、
使用時において、
ポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.0002重量%以上である

ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項6】
除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.001重量%未満になるよう希釈する
ことを特徴とする除菌剤の製造方法
【請求項7】
除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をpHが11.2以下になるよう希釈する
ことを特徴とする除菌剤の製造方法
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
かかる課題を解決するため、本発明の除菌剤は、除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイド及びアルカリ性電解水からなることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の除菌剤の製造方法は、除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.001重量%未満になるよう希釈するを特徴とする。また、除菌剤の製造方法は、除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をpHが11.2以下になるよう希釈することを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、安全性を高めつつ高いウイルス不活性化効果を呈し得る除菌剤及び除菌剤の製造方法を実現できる。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度が0.01重量%未満であるポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる
ことを特徴とする除菌剤。
【請求項2】
pHが11.2未満である
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項3】
前記アルカリ性電解水は、
1槽型、2槽型、3槽型の電解槽で生成されたものであって、
1槽型の電解槽を使用する場合には、アルカリ性を呈する電解質が使用され、
2、3槽型の電解槽を使用する場合には、アルカリ性を呈する電解質又は中性を呈する電解質が使用される
ことを特徴とする請求項に記載の除菌剤。
【請求項4】
前記除菌剤は、
リアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.0002重量%以上である

ことを特徴とする請求項1に記載の除菌剤。
【請求項5】
除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.01重量%未満になるよう希釈する
ことを特徴とする除菌剤の製造方法。
【請求項6】
濃度が0.01重量%未満であるポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をpHが11.2未満になるよう希釈する
ことを特徴とする除菌剤の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の除菌剤の製造方法は、除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をポリアミノプロピルビグアナイドの濃度が0.01重量%未満になるよう希釈することを特徴とする。また、除菌剤の製造方法は、除菌成分がポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水からなる除菌剤を製造する際、ポリアミノプロピルビグアナイドとアルカリ性電解水とを混合して調製された除菌剤の原液をpHが11.2未満になるよう希釈することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
アルカリ性電解水を含有する実施例1では細胞毒性を呈さないが、実施例1よりPAPB濃度の低い比較例では細胞毒性を示している。このことから、アルカリ性電解水を使用することにより、細胞毒性が低下していると考えられる。言い換えると、同じPAPB濃度であっても、アルカリ性電解水を含有させることにより、細胞毒性を呈さなくなることが確認された
【手続補正書】
【提出日】2021-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
アルカリ性電解水を含有する実施例1では細胞毒性を呈さないが、実施例1よりPAPB濃度の低い比較例では細胞毒性を示している。このことから、アルカリ性電解水を使用することにより、細胞毒性が低下していると考えられる。言い換えると、同じPAPB濃度であっても、アルカリ性電解水を含有させることにより、細胞毒性を呈さなくなることが確認された。