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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033481
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220222BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220222BHJP
   B06B 1/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/01 560
G06F3/041 460
B06B1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137396
(22)【出願日】2020-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】592160663
【氏名又は名称】株式会社エスシーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】内田 啓治
【テーマコード(参考)】
5D107
5E555
【Fターム(参考)】
5D107AA12
5D107BB08
5D107CC20
5E555AA08
5E555AA76
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC01
5E555CA13
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB45
5E555CC01
5E555DA24
5E555DA32
5E555DA33
5E555DB18
5E555DB53
5E555DC13
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】簡素な構造による高い意匠性の確保とタッチ操作時の操作フィードバックの実施との両立を可能にした操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置3は、操作面4に対するタッチ操作を検出するタッチ検出部13と、操作面4にタッチ操作の表示項目の画像を表示する表示部12とを備える。表示部12及びタッチ検出部13の周囲には、表示部12によって表示される表示項目の画像を透過して表示項目を操作面4において視認可能にする表皮部8が巻かれている。表皮部8には、振動を発生可能な振動発生部18として形状記憶合金ワイヤ19が縫い込まれている。タッチ操作時、形状記憶合金ワイヤ19が振動することにより、タッチ操作に対する触覚的な操作フィードバックを付与する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面に対するタッチ操作を検出し、前記タッチ操作に応じたタッチ検出信号を出力するタッチ検出部と、
前記操作面にタッチ操作に係る画像を表示する表示部と、
前記タッチ検出部及び前記表示部の少なくとも一部を覆い、前記表示部によって表示される表示項目の画像を透過して、前記表示項目を前記操作面において視認可能にする表皮部と、
前記表皮部に保持され、タッチ操作に対応して振動することにより、前記タッチ操作に触覚を付与する振動発生部と
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記タッチ検出部の前記タッチ検出信号に基づき、前記振動発生部を制御する振動制御部を備えた
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記振動発生部は、パルス状の電圧信号を基に伸縮することで微小振動を発生する形状記憶合金ワイヤである
請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記形状記憶合金ワイヤは、直径が100μm以下に形成されている
請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記形状記憶合金ワイヤは、前記表皮部の端同士を繋ぎ合わせるように前記表皮部に保持されている
請求項3又は4に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作面をタッチ(なぞり等も含む)によって操作するタッチ式の操作装置の一種として、ディスプレイとは別に配置されたタッチパッドによってディスプレイ上の画面を遠隔操作するタッチパッド装置が周知である(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-206341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状、タッチパッドは、運転席のセンターコンソールやステアリングホイールなどの規定の位置に取り付けられ、点灯消灯に関わらず、常時、運転席に存在する。ところで、近年、運転席空間の意匠性を高くするニーズが高いが、タッチパッドにおいてこのニーズを満足しようとすると、例えばタッチパッドを可動式とし、非使用時は所定のフレーム内に収納しておき、使用時に回転やスライド移動するなどして外部に露出する構造を採用することが想定される。しかし、この場合、タッチパッドの構造が複雑となってしまう問題があった。
【0005】
また、この種のタッチパッドでは、タッチ操作時、タッチパッドの操作面が振動することにより、タッチ操作が実行されたか否かを触覚的にユーザに通知する操作フィードバックをとるようにすれば、タッチ操作ができたか否かをスムーズに認識でき、利便性が高い。よって、簡素な構造による高い意匠性の確保と、タッチ操作時の操作フィードバックの実施との両立が可能な技術の開発ニーズがあった。
【0006】
本発明の目的は、簡素な構造による高い意匠性の確保とタッチ操作時の操作フィードバックの実施との両立を可能にした操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決する操作装置は、操作面に対するタッチ操作を検出し、前記タッチ操作に応じたタッチ検出信号を出力するタッチ検出部と、前記操作面にタッチ操作に係る画像を表示する表示部と、前記タッチ検出部及び前記表示部の少なくとも一部を覆い、前記表示部によって表示される表示項目の画像を透過して、前記表示項目を前記操作面において視認可能にする表皮部と、前記表皮部に保持され、タッチ操作に対応して振動することにより、前記タッチ操作に触覚を付与する振動発生部とを備えた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡素な構造による高い意匠性の確保とタッチ操作時の操作フィードバックの実施とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の操作装置の車内での取り付け状態を示す斜視図。
図2】操作装置の構成図。
図3】形状記憶合金ワイヤの縫い付け方を示す斜視図。
図4】タッチ操作時に実行されるフローチャート。
図5】(a)、(b)は、透過皮革に表示される表示項目を示す斜視図。
図6】形状記憶合金の伸縮の仕方を示す説明図。
図7】別例の操作装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、操作装置の一実施形態を図1図6に従って説明する。
図1に示すように、車両1の車内には、車載機器2を作動させる際に操作する操作装置3が設けられている。本例の操作装置3は、装置表面の操作面4を指等のタッチによって操作するタッチパネル式の操作装置である。操作装置3は、例えば車内のセンタークラスター等に配置されている。操作装置3で操作される車載機器2は、例えばエアーコンディショナー装置、オーディオ装置、カーナビゲーション装置などがある。
【0011】
図2に示すように、操作装置3は、タッチ操作のインターフェースとなる操作ユニット5と、操作ユニット5の作動を制御する制御装置6とを備える。操作ユニット5は、操作面4に各種画像を表示して操作面4へのタッチ操作を検出するタッチパネル7と、タッチパネル7の周囲を覆うように配置された表皮部8とを備える。
【0012】
タッチパネル7は、車載機器2の機能を選択又は実行する際に操作に係る画像を操作面4に表示する表示部12と、操作面4に対するタッチ操作を検出するタッチ検出部13とを備える。表示部12は、例えばフレキシブル有機ELディスプレイであることが好ましい。表示部12は、タッチ操作の操作面4、すなわち表皮部8の表面に表示項目11(図5(b)参照)の画像を表示する。表示項目11には、例えば操作対象がエアーコンディショナー装置の場合、風量調節スイッチン、送風モード選択スイッチ、温度調節スイッチ、オンオフスイッチ、A/Cスイッチ、内外気切り換えスイッチなどがある。
【0013】
タッチ検出部13は、例えば静電電極であることが好ましく、裏面側の表示部12で表示された画像を透過可能に形成されている。タッチ検出部13は、操作面4へのタッチ操作に応じたタッチ検出信号Saを出力する。
【0014】
表皮部8は、光を透過する透過皮革14が使用されている。このように、表皮部8は、表示部12によって表示される表示項目11の画像を透過して、表示項目11を操作面4においてユーザに視認可能にする。本例の透過皮革14は、例えば可視光領域で透過率が0.1~20%の値をとることが好ましい。透過皮革14は、タッチパネル7の全体を覆うようにタッチパネル7に取り付けられている。透過皮革14は、例えばポリ塩化ビニルやオレフィン系熱可塑性エラストマーやの表面にシボ加工を施したもの(厚み0.5mm程度)であることが好ましい。透過皮革14は、表示部12及びタッチ検出部13を包むように取り付けられている。
【0015】
操作ユニット5は、操作ユニット5に対するユーザの操作意思の有無を検出する操作意思検出部15を備える。操作意思検出部15は、例えば操作ユニット5に組み込まれた感圧センサであって、操作ユニット5の上面(例えば、操作面4など)にユーザの手や指などが載置されたか否かを検出するものである。操作意思検出部15は、ユーザの手や指などの載置を検出した場合に、その操作意思検出信号Sbを制御装置6に出力する。なお、操作意思検出部15は、操作面4に対するユーザの操作意思を検出できるものであれば、センサ種や配置位置は特に限定されない。
【0016】
操作ユニット5は、操作面4へのタッチ操作に対応して振動してタッチ操作の操作フィードバックを触覚的にユーザに付与する振動発生部18を備える。本例の振動発生部18は、例えば形状記憶合金ワイヤ(SMA:Shape Memory Alloy)19が使用されている。形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8の少なくとも一部に保持されている。本例の場合、形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8の繋ぎ目20に縫い込まれている。
【0017】
図3に示すように、形状記憶合金ワイヤ19は、操作ユニット5の裏面において表皮部8の裏面の繋ぎ目20を縫うように設けられている。形状記憶合金ワイヤ19は、例えば直径が100μm以下のワイヤであることが好ましい。本例の場合、形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8の裏面の繋ぎ目20の一帯を巻くように縫い込まれて、表皮部8を繋ぎ合わせている。
【0018】
図2に示す通り、制御装置6は、タッチ検出部13から入力するタッチ検出信号Saを基に操作面4に対するタッチ操作を判定する検出判定部23と、表示部12の表示態様を制御する表示制御部24と、振動発生部18の作動を制御する振動制御部25とを備える。制御装置6は、表示制御部24によって表示された表示項目11のうち、検出判定部23の判定結果を基にタッチ操作された表示項目11を認識し、そのタッチ操作された表示項目11に準ずる作動をとるように車載機器2を制御する。
【0019】
振動制御部25は、タッチ操作時、パルス状の電圧信号Scを形状記憶合金ワイヤ19に出力することにより、形状記憶合金ワイヤ19を微小振動させる。このように、形状記憶合金ワイヤ19は、タッチ操作時、パルス状の電圧信号Scを基に伸縮することによって微小振動し、タッチ操作の操作フィードバックを触覚的にユーザに付与する。形状記憶合金ワイヤ19は、パルス状の電圧信号Scにおいて、Hiレベル信号の入力時に縮み、Loレベル信号の入力時に伸びる形状変化を、パルスのHi/Loの切り換わりの度に繰り返すことにより、微小振動する。
【0020】
次に、図4図6を用いて、本実施形態の操作装置3の作用について説明する。なお、図4のフローチャートは、例えば車両1の電源がACCオン(アクセサリー電源オン)やIGオン(イグニッション電源オン)となって操作装置3に電源が投入された際に開始される。
【0021】
図4に示すように、ステップ101において、制御装置6は、操作意思検出部15から操作意思検出信号Sbを入力したか否かを判定する。すなわち、制御装置6は、ユーザが操作面4上に手や指等を置くなどして操作装置3に対するユーザの操作意思を操作意思検出部15が検出した場合に、操作意思検出部15から操作意思検出信号Sbを入力したか否かを判定する。操作意思検出信号Sbを入力する場合、ステップ102に移行し、操作意思検出信号Sbを入力しない場合、ステップ101で待機する。
【0022】
ステップ102において、制御装置6は、操作意思検出部15から操作意思検出信号Sbを入力した場合、表示部12を点灯する。表示部12は、表示制御部24によって表示が制御される。
【0023】
図5(a)、(b)に、表示部12の消灯時及び点灯時の各々の状態図を図示する。図5(a)に示すように、表示部12の消灯時、表皮部8には何も表示されない。このとき、操作面4の表面は皮革調に見えるので、表示部12の消灯時には、操作面4の高い意匠性を確保することができる。
【0024】
一方、図5(b)に示すように、表示部12が点灯すると、表示部12によって表示される表示項目11の画像が表皮部8に投影される。本例の場合、タッチ検出部13が静電電極であるので、表示部12によって表示される画像は、タッチ検出部13を透過して、表皮部8まで至る。よって、表示項目11の画像が表皮部8を通して視認できる。車載機器2を操作したい場合、ユーザは、表皮部8に投影された表示項目11をタッチ操作する。本例の場合、表皮部8は樹脂の一種であるので、表皮部8の表面へのタッチ操作は表皮部8を介してタッチ検出部13に伝わる。
【0025】
図4に示す通り、ステップ103において、制御装置6は、タッチ検出部13からタッチ検出信号Saを入力したか否かを判定する。本例の場合、検出判定部23は、入力したタッチ検出信号Saを基に、操作面4上においてタッチ操作されたタッチ座標を判別し、表皮部8に映るどの表示項目11の画像がタッチ操作されたかを認識する。制御装置6は、タッチ操作された表示項目11に応じた車載機器2に制御信号Sdを出力し、その制御信号Sdに基づき車載機器2を作動させる。ステップ103において、タッチ検出信号Saを検出した場合、ステップ104に移行し、タッチ検出信号Saを検出しない場合、ステップ106に移行する。
【0026】
ステップ104において、振動制御部25は、操作面4へのタッチ操作が検出された場合、振動発生部18、すなわち形状記憶合金ワイヤ19を通電する。形状記憶合金ワイヤ19が通電されると、形状記憶合金ワイヤ19が振動する。
【0027】
図6に、形状記憶合金ワイヤ19の振動の様子を図示する。なお、同図において上から1段目に示す波形は、形状記憶合金ワイヤ19に付与するパルス状の電圧信号Scの波形図である。また、同図の2段目に示す図は、電圧信号Scのパルスが付与されたときの形状記憶合金ワイヤ19の形状であり、同図の3段目の図は、電圧信号Scのパルスが付与されないときの形状記憶合金ワイヤ19の形状である。
【0028】
同図に示されるように、振動制御部25は、形状記憶合金ワイヤ19にパルス状の電圧信号Scを出力することにより、形状記憶合金ワイヤ19を微小振動させる。形状記憶合金ワイヤ19は、パルス状の電圧信号Scにおいて、Hiレベル信号の入力時に縮み、Loレベル信号の入力時に伸びる形状変形を、パルスのHi/Loの切り換わりの度に繰り返すことにより、振動を発生する。
【0029】
具体的には、形状記憶合金ワイヤ19にパルス状の電圧信号Scを付与することにより、それに同期して縫合が伸縮し、これにより表皮部8が引っ張られたり伸びたりすることで、タッチパネルの操作面4に振動を伝えることができる。これがタッチ操作の操作フィードバックとして、タッチ操作するユーザの指等に伝わる。形状記憶合金ワイヤ19は、タッチ操作が検出されてから規定の一定時間、振動する。また、微振動は、30~200Hz程度の高い周波数を発生させることができる。この帯域は、人間が非常に敏感に感じることができる周波数であるので、信号伝達の点で非常に有効であることも利点の1つである。
【0030】
図4に示す通り、ステップ105において、表示制御部24は、表示部12の表示を、ユーザのタッチ操作に応じた態様に切り換える。例えば、エアーコンディショナー装置において設定温度がタッチ操作によって切り換えられた場合、その操作切り替え後の設定温度を表示部12に表示する。
【0031】
ステップ106において、制御装置6は、操作意思検出部15から操作意思検出信号Sbを入力したか否かを判定する。すなわち、制御装置6は、操作ユニット5に対するユーザの操作意思が継続されているか否かを判定する。操作意思検出信号Sbを入力する場合、ステップ103に戻って処理を繰り返し、操作意思検出信号Sbを入力しない場合、ステップ107に移行する。
【0032】
ステップ107において、制御装置6は、操作意思検出部15から操作意思検出信号Sbを入力しない場合、表示部12を消灯する。これにより、操作ユニット5の操作面4、すなわち表皮部8の表面に表示されていた表示項目11の画像が消え、皮革調の意匠の表皮部8に戻る。
【0033】
上記実施形態の操作装置3によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)操作面4に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作に応じたタッチ検出信号Saを出力するタッチ検出部13と、操作面4にタッチ操作に係る画像を表示する表示部12と、表示部12及びタッチ検出部13の少なくとも一部を覆い、表示部12によって表示される表示項目の画像を透過して、表示項目を操作面4において視認可能にする表皮部8と、表皮部8に保持され、タッチ操作に対応して振動することにより、タッチ操作に触覚を付与する振動発生部18とを備えた操作装置3とした。
【0034】
本例の構成によれば、表示部12の消灯時には、表皮部8の表面の柄が意匠面となり、操作装置3の高い意匠性が確保される。よって、表示部12を単に消灯するだけで、操作装置3の高い意匠性を確保することができる。また、表示部12の点灯時に表皮部8の表面の操作面4に投影表示される表示項目11がタッチ操作された場合、表皮部8に縫い込まれた振動発生部18を振動させることにより、タッチ操作に対する触覚の操作フィードバックを付与することができる。よって、簡素な構造による高い意匠性の確保とタッチ操作時の操作フィードバックの実施とを両立することができる。
【0035】
(2)操作装置3には、タッチ検出部13のタッチ検出信号Saに基づき、振動発生部18を制御する振動制御部25が設けられる。この場合、振動制御部25の制御を通じて、振動発生部18をタッチ操作に応じた種々の態様で振動させることが可能となる。よって、タッチ操作した表示項目11の種類や、タッチ操作の仕方に応じた適切な振動を生じさせることができる。
【0036】
(3)振動発生部18は、パルス状(矩形波)の電圧信号Scを基に伸縮することで微小振動を発生する形状記憶合金ワイヤ19である。この場合、振動発生源として形状記憶合金ワイヤ19を表皮部8に縫い込んでおくことが可能となるので、振動発生源を表皮部8に目立たない状態で取り付けることが可能となる。よって、操作装置3の意匠性の確保に一層寄与する。
【0037】
(4)形状記憶合金ワイヤ19は、直径が100μm以下に形成されている。よって、形状記憶合金ワイヤ19を目立たないものとすることが可能となるので、操作装置3の意匠性の確保に一層寄与する。また、表皮部8の縫い込み位置にも制限が生じ難くなる。
【0038】
(5)形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8の端同士を繋ぎ合わせるように表皮部8に保持されている。よって、タッチ操作時の振動発生源を、表皮部8を繋ぎ合わせる部材としても共用することが可能となるので、部品点数の増加を抑えるのに寄与する。
【0039】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
[操作装置3について]
図7に示すように、操作装置3は、取付け先に固定される構造に限定されず、例えば持ち運び可能なハンディタイプとしてもよい。この場合、操作意思検出部15は、操作ユニット5に取り付けられた把持検出部としてもよい。よって、操作装置3がユーザによって把持されたことが把持検出部で検出された場合に、表示部12を点灯させることが好ましい。この構成の場合、操作装置3を自由に持ち運べる端末として使用することができる。
【0040】
・操作装置3の操作ユニット5の取り付け位置は、センターコンソールに限定されず、例えば座席のアームレストに設けられてもよい。
[タッチ検出部13について]
・タッチ検出部13は、静電容量式に限定されず、例えば抵抗膜式など、種々の形式のものに変更可能である。
【0041】
・タッチ検出部13は、平板状に限定されず、曲面状としてもよい。
・タッチ検出部13は、表示部12と異なるサイズ(面積)としてもよい。
・タッチ検出部13は、操作意思検出部15で操作意思が検出されたときに駆動されることに限定されず、例えば電源投入後、常時駆動としてもよい。
【0042】
[表示部12について]
・表示部12は、有機ディスプレイに限定されず、液晶等に変更してもよい。
・表示部12は、フレキシブル性を持たないものでもよい。
【0043】
・表示部12は、平板状に限定されず、曲面状としてもよい。
・表示部12は、操作意思検出部15で操作意思が検出されたときに駆動されることに限定されず、例えば電源投入後、常時駆動としてもよい。
【0044】
[表示項目11について]
・表示項目11は、例えばアイコンや画面など、ユーザによって選択される画像であればよい。
【0045】
・表示項目11は、絵柄に限定されず、文字でもよい。
[表皮部8について]
・表皮部8は、透過皮革14に限定されず、裏面から投影される表示項目11の画像を映し出すことができる部材であればよい。
【0046】
・表皮部8は、表示部12及びタッチ検出部13の部品群の周囲全体を覆うことに限定されず、少なくともユーザの視界に入る表面側を覆っていればよい。
・表皮部8は、1枚の表皮から構成されることに限定されず、複数の表皮を繋ぎ合わせた構造としてもよい。
【0047】
[振動発生部18及び形状記憶合金ワイヤ19について]
・形状記憶合金ワイヤ19は、複数箇所に設けられてもよい。
・形状記憶合金ワイヤ19は、操作ユニット5の裏面に設けられることに限らず、操作ユニット5の表面や側面に配置されてもよい。
【0048】
・形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8の繋ぎ目20を縫うように設けられることに限らず、繋ぎ目20ではない箇所に縫い付けられてもよい。
・形状記憶合金ワイヤ19の縫い込み方は、表皮部8の内部に全て隠れる縫い方や、一部が表皮部8の表面に露出する縫い方のいずれでもよい。このように、形状記憶合金ワイヤ19の縫い方は、どのような縫い方をとってもよい。
【0049】
・形状記憶合金ワイヤ19は、表皮部8に縫い込まれる取り付け状態をとることに限らず、表皮部8に保持された取り付け状態をとっていればよい。
・形状記憶合金ワイヤ19の径は、100μm以下に限定されず、これよりも大きい径としてもよい。なお、形状記憶合金ワイヤ19の径は、縫い付け易さや目立ち難さから、例えば50μm以下とすることが好ましい。
【0050】
・振動発生部18は、形状記憶合金ワイヤ19に限定されず、表皮部8に縫い込むことができる部材であればよい。
[その他]
・タッチ操作時、1回のタッチ操作に対して1つの振動パターンで振動することに限らず、複数の振動パターンでタッチ操作の操作フィードバックを付与してもよい。
【0051】
・操作装置3は、車両1のステアリングホイールに設けられてもよい。この場合、ステアリングホイールの把持部(グリップ)に設けることもできる。操作装置3は、ステアリングホイールの把持部に儲けられる場合、断面円形状に形成されることが好ましい。
【0052】
・操作装置3は、車両1に適用されることに限定されず、車両1以外の他の機器や装置に使用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
3…操作装置、4…操作面、8…表皮部、11…表示項目、12…表示部、13…タッチ検出部、18…振動発生部、19…形状記憶合金ワイヤ、25…振動制御部、Sa…タッチ検出信号、Sc…電圧信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7