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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033668
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】立体変形ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20220222BHJP
   A63H 3/46 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A63H3/04 Z
A63H3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020148569
(22)【出願日】2020-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】519356892
【氏名又は名称】大薮 信彦
(71)【出願人】
【識別番号】000190596
【氏名又は名称】新居 敏春
(72)【発明者】
【氏名】新居 敏春
(72)【発明者】
【氏名】大薮 信彦
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA01
2C150CA25
2C150DA21
2C150DF03
2C150EB01
2C150EC13
2C150EC18
2C150EF33
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】 従来技術は、各変形部が空気により制御されるものであり、必然的にコンプレッサーでの送風のため、使用時に常にコンプレッサーを作動させなくではならず、ランニングコストの問題やコンプレッサーの音の問題等、実用上問題がある。
また、別の従来技術の場合も同様で、空気(ブロワー)で膨らませるもので、これもまた、上記従来例と同様な問題点を有するものである。
【解決手段】 人形や動物等の変形本体の頭・胴体・足・腕などを形成した各部材内に各ワイヤーを連通し、ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることにより頭・胴体・足などを変形させたり戻したりしてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形や動物等の変形本体の頭・胴体・足・腕などを形成した各部材内に各ワイヤーを連通し、ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることにより頭・胴体・足・腕などを変形させたり戻したりしてなることを特徴とする立体変形ディスプレイ。
【請求項2】
前記各ワイヤーの後端を、前記変形本体の下部に設けた基台内に位置させてなることを特徴とする請求項1記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項3】
前記各ワイヤーの後端部を前記基台内に設けた制御具にて、各ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることを特徴とする請求項1又は2記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項4】
前記制御具が、上面に前記各ワイヤーの後端を取り付け、内部にスプリングを設け、下部を押すことにより各ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項5】
前記制御具の作動部が油圧式であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項6】
前記制御具の作動部がモーターであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項7】
前記基台に音声やカメラ等を設け、お客様とゲームをしながら変形本体を変化させるコントローラーを設けてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の立体変形ディスプレイ。
【請求項8】
前記基台を斜状に形成することを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7記載の立体変形ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形や動物等の変形本体の各部位を変形(変化)させ、お客様に驚きと感動を与える立体変形ディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、人形や動物などを模したものであって、軟質材製の風船本体と、風船本体から突出形成された軟質材製の変形部と、風船本体の内部に空気を連続的に供給する送風装置と、風船本体の空気を変形部に断続的に供給する供給弁と、変形部の空気を連続的に大気中に吐き出す吐出弁とを備え、供給弁によって変形部に供給される単位時間あたりの空気量を、吐出弁によって変形部から大気中に吐き出される単位時間あたりの空気量を多く設定して、変形部を供給弁の開放にともなう空気の供給によって起立させ、供給弁の閉鎖にともなう空気の供給遮断によって屈曲させるようにして、断続的に屈曲変形させるものがある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来技術として、錘の上部に、錘に設けられた吸気口から吸気した空気を錘の上方に吐気するブロワーを設けた底部構成体と、吸気口を避けて底部構成体とその上方空間を包み、表面に透光性の広告表示体を剥離可能に貼付した非通気性、透光性、かつ、可撓性のバルーン資材と、バルーン資材の中に頂部から吊り下げられてバルーン資材と広告表示体を透光させる光を発する光源とからなる内照式広告バルーンがある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-86467号公報
【特許文献2】特開2000-132130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記前者の従来技術の場合、各変形部が空気により制御されるものであり、必然的にコンプレッサーでの送風のため、使用時に常にコンプレッサーを作動させなくではならず、ランニングコストの問題やコンプレッサーの音の問題等、実用上問題がある。
【0006】
上記後者の従来技術の場合も同様で、空気(ブロワー)で膨らませるもので、これもまた、上記従来例と同様な問題点を有するものである。
【0007】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするもので、頭・胴体・足などを形成した各部材内に設けたワイヤーを引っ張ったり縮めたりして変形させることにより、驚きや感動を与える立体変形ディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するため、人形や動物等の変形本体の頭・胴体・足・腕などを形成した各部材内に各ワイヤーを連通し、ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることにより頭・胴体・足・腕などを変形させたり戻したりしてなること。前記各ワイヤーの後端を、前記変形本体の下部に設けた基台内に位置させてなること。前記各ワイヤーの後端部を前記基台内に設けた制御具にて、各ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすること。前記制御具が、上面に前記各ワイヤーの後端を取り付け、内部にスプリングを設け、下部を押すことにより各ワイヤーを引っ張ったり縮めたりすること。前記制御具の作動部が油圧式であること。前記制御具の作動部がモーターであること。前記基台に音声やカメラ等を設け、お客様とゲームをしながら変形本体を変化させるコントローラーを設けてなること。基台を斜状に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1)、人形や動物等の変形本体の頭・胴体・足などを形成した各部材をワイヤーを引っ張ったり縮めたりすることにより、各部材を変形(変化)させることにより驚きと感動を与えるディスプレイを提供できる。
2)、ワイヤーを基台内の制御具にて、各部材の動きを変えることができる。
3)、制御具を油圧式にすることにより、比較的重量のある各部材を各支柱を上下動させることにより、複雑な変形(変化)を制御できる。
4)、制御具をモーター式にすることにより、各ワイヤー1本づつに巻き取り可能なプーリーをモーターにて巻き取ったり戻したりすることにより、より複雑な変形(変化)を可能にする。
5)、基台を斜状に形成することにより、各部材の変形(変化)をより多面的に表現できる。
6)、商店街・各種イベント・店内外・テーマパーク等のディスプレイとして使用でき、集客性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】 本発明の第1実施例を示す立体変形ディスプレイの正面図。
図2】 本発明の第1実施例を示す立体変形ディスプレイの腕部材の縦断面図。
図3】 本発明の第1実施例を示す立体変形ディスプレイの基台内の制御具の縦断面図。
図4】 本発明の第1実施例を示す立体変形ディスプレイの使用状態図。
図5】 本発明の第2実施例を示す立体変形ディスプレイの基台内の制御具の縦断面図。
図6】 本発明の第3実施例を示す立体変形ディスプレイの基台内の制御具の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1は、人の形をした立体変形ディスプレイである。
2は、人の胴体形をした変形本体で、例えば、発泡スチロールやFRPで成形し、内部に3本の後述ワイヤーを挿通すべくチューブ2a・2b・2cを設けてなる。
3は、人の右腕形をした右腕部材で、右上腕部材3a・右下腕部材3b・右こぶし3cにより構成され、上記と同じ構造で、内部にチューブ3a1・3b1を設けてある。
4は、人の左腕形をした左腕部材で、左上腕部材4a・左下腕部材4b・左こぶし4cにより構成され、同じく内部にチューブ4a1・4b1を設けてある。
5は、人の右足形をした右足部材で、右上足部材5a・右下足部材5bにより構成し、上記と同様な内部にチューブ5a1・5b1を設けてある。
6は、人の左足形をした左足部材で、左上足部材6a・左下足部材6bにより構成し、上記と同様な内部にチューブ6a1・6b1を設けてある。(図1図2参照)
【0012】
つぎに、ワイヤーについて説明する。
立体変形ディスプレイ1の中央の胴ワイヤー7aは、チューブ2bに挿入し、頭部材T内に固定してある。
ワイヤー7aの左右にはワイヤー7b・7cを設けてあり、ワイヤー7bはチューブ2a・3a1・3b1に挿通させ、先端を右こぶし3cに固定する。
ワイヤー7cはチューブ2c・4a1・4b1に挿通させ、先端を左こぶし4cに固定する。
ワイヤー7dはチューブ5b1・5a1に挿通させ、先端を変形本体2の右下端に固定する。
ワイヤー7eはチューブ6b1・6a1に挿通させ、先端を変形本体2の左下端に固定する。(図1図2参照)
【0013】
つづいて、基台及び制御具について説明する。
基台8は、立体変形ディスプレイ1の下部に設け、各ワイヤーの後端を内部に設けると共に、制御具9を内設してある。
なお、必要に応じて、基台8の上面あるいは下面を斜状に形成してもよい。
また、斜状(角度)は、固定でも変化する形態でもよい。
この制御具9は、上部中央に圧縮スプリング9aを設けた半円球のワイヤー取付部9bの下面に溝9b1を4箇所設け、この溝9b1―――に各々油圧シリンダー(油圧式)による4本の作動部9cを設けてあり、制御部9dにてコントロールしてなるものである。
なお、ワイヤー7a・7b・7c・7d・7eの後端をワイヤー取付部9bの上面に固定してある。(図3参照)
【0014】
つぎに、立体変形ディスプレイ1の使用状態(作動状態)を説明する。
作動部9c―――を制御部9dにて上下動させることにより、各ワイヤー7a・7b・7c・7d・7eを上下動させ、各ワイヤー7a・7b・7c・7d・7eを引っ張ったり縮めたりすることにより、頭部材T・変形本体2・右腕部材3・左腕部材4・右足部材5・左足部材6を動かすことにより、立体変形ディスプレイ1が色々な形状(形態)に変化するものである。
例えば、通常は圧縮スプリング9aが伸びた状態であり、つまり、各ワイヤー7a・7b・7c・7d・7eを引っ張られた状態で、立体変形ディスプレイ1が自立している状態となる。(図1参照)
【0015】
つづいて、立体変形ディスプレイ1を変形(変化)させる方法について説明する。
例えば、ワイヤー7dを張縮させる作動部9cを上昇させることにより、ワイヤー7dは縮まる(緩む)。つまり、右足部材5がくの字になる。
また、ワイヤー7a・7b・7cを張縮させる作動部9c(中央)を上昇させることにより、頭部材Tが前側(後側)に垂れ、変形本体2も前側(後側)に倒れると共に、右腕部材3・左腕部材4が前方に垂れ下がる。(図4参照)
なお、各作動部9cをコントローラー9dにより色々上下動させることにより、立体変形ディスプレイ1を前方・後方・斜状に変形(変化)させることができるものである。
【0016】
つぎに、第2実施例の立体変形ディスプレイについて説明する。
立体変形ディスプレイ21は、第1実施例における基台8内の制御具9が異なるものである。
制御具29は、各ワイヤー7d・7b・7a・7c・7eの後端を巻き付けるべく、プーリー29c1を設けたモーターによる作動部29cを4台設けてある。
この制御具29は、コントローラー29dにより、各作動部29cのプーリー29c1をコントロールし、各ワイヤー7d・7b・7a・7c・7eを引っ張ったり縮めたり(巻いたり戻したり)することにより、各部材を変形(変化)させるものである。(図5参照)
【0017】
つぎに、第3実施例の立体変形ディスプレイについて説明する。
この立体変形ディスプレイ31は、ゲームをやりながら楽しめるもので、例えば、コントローラー29dによりスピーカーSからジャンケンポンの音声を出し、同時にカメラKでお客さんが出したグー・チョキ・パーを判断し、立体変形ディスプレイ31が負ければ制御具を作動させ、各部材を変形(変化)させる。
ある程度、形状が崩れたらお客さんの勝とする。
【0018】
なお、立体変形ディスプレイにおいて、人形のみならず、ゾウやクマ等の動物等色々考えられる。
また、各部材の材質や大きさ等も必要に応じて決めればよい。
さらに、制御具においても、同様な機能であれば、別の形態でもよい。
さらにまた、使用場所(テーマパーク・各種イベント・店舗等)においても、色々考えられるもので、立体変形ディスプレイの変形(変化)はコントローラーにて色々な形態(前後左右)にできる。
【符号の説明】
【0019】
1―――立体変形ディスプレイ
2―――変形本体
3―――右腕部材
4―――左腕部材
5―――右足部材
6―――左足部材
7a――ワイヤー
8―――基台
9―――制御具
図1
図2
図3
図4
図5
図6