(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033784
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】クリップ、クリップアセンブリ、ならびにその作製および使用方法
(51)【国際特許分類】
F16C 17/26 20060101AFI20220222BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
F16C17/26
F16C35/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187279
(22)【出願日】2021-11-17
(62)【分割の表示】P 2020501179の分割
【原出願日】2018-07-12
(31)【優先権主張番号】62/532,564
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508298237
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジンドラ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クームメル、ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】フエンテン、ボルカー
(72)【発明者】
【氏名】アルペ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ブロッカー、アリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シュパイヒャー、イェンス デー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】定義された摺動力で十分な剛性および適切な低摩擦摺動界面を提供できると同時に費用効率の高い設計を有することが可能な移動アセンブリを提供する。
【解決手段】可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップ(302)であって、クリップ(302)は、少なくとも1つのストリップ(304)を備え、少なくとも1つのストリップ(304)は、第1軸方向端部(304a)、第2軸方向端部(304b)、および第1軸方向端部(304a)と第2軸方向端部(304b)との間の弓形(309)を備え、少なくとも1つのストリップ(304)は、アウトバウンド側(502)に摺動層を含む金属ストリップである、クリップ(302)。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、
前記少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および前記第1軸方向端部と前記第2軸方向端部との間の弓形を備え、
前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、クリップ。
【請求項2】
可動基板と、前記可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップとを備えるアセンブリであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、
前記少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および前記第1軸方向端部と前記第2軸方向端部との間の弓形を備え、
前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップであり、
少なくとも1つの径方向フランジは、前記少なくとも1つのストリップの前記第1軸方向端部および/または前記第2軸方向端部から径方向に突起しており、
少なくとも1つの突起または開口は、支持体に前記クリップを取り付けるのに適している、アセンブリ。
【請求項3】
可動基板に向かう摺動力を提供する方法であって、
可動基板およびクリップを備えるアセンブリを提供するステップであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、前記少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および前記第1軸方向端部と前記第2軸方向端部との間の弓形を備え、前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、ステップと、
前記クリップが前記可動基板に向かう所望の摺動力を提供できるように前記可動基板を移動させるステップと、を備える方法。
【請求項4】
前記クリップは、前記少なくとも1つのストリップの前記第1軸方向端部および/または前記第2軸方向端部から径方向に突起する少なくとも1つの径方向フランジをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのストリップは、支持体に前記クリップを取り付けるのに適している少なくとも1つの突起または開口をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの突起または開口は、前記少なくとも1つの径方向フランジに配置されている、請求項5に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの突起または開口は、前記支持体に取り付けるためのスナップイン機構を備える、請求項5または6に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項8】
前記摺動層はポリマーを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項9】
前記ポリマーは、フルオロポリマー、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、およびこれらの混合物の群から選択される、請求項8に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項10】
前記金属層は、弓形の適用負荷の下で弾性挙動を提供する、任意の種類の金属合金である、請求項1から9のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項11】
前記クリップは、少なくとも2つのストリップを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項12】
前記ストリップは、2つの隣り合うストリップの間の角度を30度から180度の範囲にして前記可動基板を囲むように、互いに位置決めされる、請求項11に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのストリップは、前記ストリップによって形成された円弧状空間を充填するために、前記金属ストリップのインバウンド外側に取り付けられたゴム材料をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項14】
前記ゴム材料は、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテル-ポリエステルエラストマー、エチレン-プロピレンエラストマー、エチレン-アクリレートゴム、および/またはフルオロエラストマーを備える、請求項13に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項15】
前記クリップは、少なくとも2つのフランジを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クリップ、軸受を含むクリップアセンブリ、ならびにその作製および使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
軸受は、1つの部品が別の部品に対して移動する移動アセンブリ内の移動部品間に摺動界面を提供する。最も基本的なレベルでは、軸受は、互いに対して移動可能な2つの部品の間を結合する低摩擦材料を含むことができる。軸受は、2つの部品間の摩擦係数を低下させる材料を含むことができ、こうしてその間のより容易な動きを促進する。
【0003】
ヒンジアセンブリ、回転アセンブリ、および摺動アセンブリを含むがこれらに限定されない移動アセンブリは、伝統的に、内部部品(またはシャフト)および外部部品(またはハウジング)を含む。軸受は、その間での並進を容易にするために、内部部品と外部部品との間に設けられることが可能である。
【発明の概要】
【0004】
業界は、定義された摺動力で十分な剛性および適切な低摩擦摺動界面を提供できると同時に費用効率の高い設計を有することが可能な移動アセンブリを求め続けている。
【0005】
実施形態は、例として示されており、添付図面に限定されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態によるクリップアセンブリの上面立面図である。
【
図2A】一実施形態によるクリップの側面図である。
【
図2B】一実施形態によるクリップの上面斜視図である。
【
図2C】一実施形態によるクリップの端面図である。
【
図2D】一実施形態によるクリップおよび取付部の端面図である。
【
図3A】一実施形態によるクリップの側面図である。
【
図3B】一実施形態によるクリップの上面斜視図である。
【
図3C】一実施形態によるクリップの端面図である。
【
図3D】一実施形態によるクリップおよび取付部の端面図である。
【
図4A】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4B】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4C】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4D】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4E】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4F】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4G】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4H】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4I】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4J】一実施形態によるクリップの上面斜視図およびクリップと取付部の側面図である。
【
図4K】一実施形態によるクリップの側面斜視図およびクリップと取付部の上面図である。
【
図4L】一実施形態によるクリップの側面斜視図およびクリップと取付部の上面図である。
【
図5】層を有し、本発明にしたがって構築されたクリップの、別の実施形態の概略側面断面図である。
【
図6A】一実施形態による、形成動作中の異なる断面を示すクリップ、取付部、およびマンドレルの側面図である。
【
図6B】一実施形態による、形成動作中の異なる断面を示すクリップ、取付部、およびマンドレルの側面図である。
【
図6C】一実施形態による、形成動作中の異なる断面を示すクリップ、取付部、およびマンドレルの側面図である。
【
図6D】一実施形態による、形成動作中の異なる断面を示すクリップ、取付部、およびマンドレルの側面図である。
【
図6E】一実施形態による、形成動作中の異なる断面を示すクリップ、取付部、およびマンドレルの側面図である。
【
図7】一実施形態による車両シートアセンブリの分解正面斜視図である。
【
図8A】一実施形態によるクリップおよび取付部の上面図である。
【
図8B】一実施形態によるクリップおよび取付部の側面斜視図である。
【
図9A】一実施形態によるクリップおよび取付部の上面図である。
【
図9B】一実施形態によるクリップおよび取付部の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示の理解を支援するために提供される。以下の説明は、本教示の特定の実施および実施形態に焦点を当てる。この焦点は、本教示の説明を支援するために提供されるものであり、本教示の範囲または適用性に対する制限として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願で開示されるような教示に基づいて、他の実施形態が使用されることも可能である。
【0008】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはその他何らかの変形は、包括的な包含を網羅するように意図される。たとえば、特徴のリストを備える方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されず、明確に列挙されない、またはこのような方法、物品、または装置に固有のその他の特徴を含んでもよい。さらに、そうではないと明確に述べられていない限り、「または」は排他的論理和ではなく包括的論理和を指す。たとえば、AまたはBという条件は、次のいずれか1つによって満たされる。Aは真(または存在)でBは偽(または不存在)、Aは偽(または不存在)でBは真(または存在)、およびAもBも真(または存在)。
【0009】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書で説明される要素および部品を説明するために採用される。これは単に便宜上、本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記述は、別の意味であることが明確でない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数も含む単数形、またはその逆を含むように読み取るべきである。たとえば、本明細書で単一のアイテムが説明されるとき、単一のアイテムの代わりに2つ以上のアイテムが使用されてもよい。同様に、本明細書で2つ以上のアイテムが説明されるとき、単一のアイテムがその2つ以上のアイテムと置き換えられてもよい。
【0010】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、説明のみを目的としており、限定することを意図していない。本明細書に記載されない範囲で、特定の材料および処理動作に関する多くの詳細は、従来のものであり、軸受および頭部拘束の分野の教科書およびその他の情報源に見出すことができる。
【0011】
本発明に記載される1つ以上の実施形態によるクリップアセンブリは、一般に、可動基板と、可動基板に隣接して設けられたクリップの形態の摺動部品とを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明に記載される1つ以上の実施形態によるクリップアセンブリは、一般に、環状可動基板と、環状可動基板の径方向内側または外側に設けられたクリップの形態の摺動部品とを含むことができる。摺動部品は、少なくとも1つの個別セグメントまたは個別クリップを含んでもよい。本明細書で使用される際に、「個別セグメント」は、別個のセグメントまたは部品またはクリップを指す。「個別セグメント」は、互いに分離するように、切り離されるかまたは不連続であってもよい。一実施形態では、摺動部品は、少なくとも4つの個別セグメント、少なくとも5つの個別セグメント、または少なくとも10個の個別セグメントなど、少なくとも3つの個別セグメントを含む。個別セグメントは、互いに離間していてもよく、すなわち個別セグメントは、接触または重複しない。この点に関して、クリップアセンブリの内側表面は、その中の摺動部品の接触面積よりも大きい表面積を含み得る。これにより、クリップアセンブリの全体的なコストを削減し、不要な材料の使用を最小限に抑えることができる。
【0012】
本発明に記載される1つ以上の実施形態によるクリップアセンブリまたはクリップを形成する方法は、一般に、複数の摺動部品を成形するステップと、摺動部品を一列に揃えるステップと、材料を摺動部品に揃えるステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法はまた、第1部品、取付部、または摺動部品を支持するための本体を形成するステップも含み得る。本体は、一般に環状であるか、または非環状であってもよい。
【0013】
図1は、一実施形態による、中心軸138に対するクリップアセンブリ112の上面図を示す。クリップアセンブリ112は一般に、第1部品(または本体または取付部)120および少なくとも1つの第2部品(または摺動部品またはクリップ)122を含み得る。第2部品122は、第1部品120に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、クリップアセンブリ112は、第1可動部品202と第2可動部品204との間に設けられてもよく、第2可動部品204に対する第1可動部品202または第1可動部品202に対する第2可動部品204の動きを容易にする。いくつかの実施形態では、クリップアセンブリ112の一部(第1部品120または第2部品122など)は、第1可動部品202または第2可動部品204であってもよい。いくつかの実施形態では、クリップアセンブリ112の一部(第1部品120または第2部品122など)は、第1可動部品202または第2可動部品204の一部または部品であってもよい。いくつかの変形例では、第1可動部品202または第2可動部品204の少なくとも一方は、可動基板205を含んでもよい。可動基板205は、シャフトまたはプロファイルであってもよい。異なる実施形態では、各々が複数の第1可動部品202または第2可動部品204を有する、少なくとも2つの結合された対象物の間の動きを容易にするために、複数のクリップアセンブリ112が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、内部部品202と外部部品204との間にクリップアセンブリ112が設けられてもよく、外部部品202に対する内部部品202または内部部品202に対する外部部品204の動きを容易にする。いくつかの実施形態では、第1部品120は、第1可動部品202または第2可動部品204を含んでもよく、第1可動部品202または第2可動部品204の他方は第1部品120に対して移動する。いくつかの実施形態では、第1部品120は、第1可動部品202または第2可動部品204を含んでもよく、第1部品120は、第1可動部品202または第2可動部品204の他方に対して移動する。
【0014】
いくつかの実施形態では、
図7に示されるように、第2可動部品204(この実施形態ではクリップアセンブリ112)は、第1および第2の対向する軸方向端部126および128と、その間に延在する管腔130とを画定する本体123を有することができる。
第1可動部品202(この実施形態では、ヘッドクッション106アセンブリの第1および第2ポスト108、110)は、第2可動部品204の管腔130を通じて第2可動部品204に対して摺動または移動し得る。特定の実施形態では、本体123は、全体的に円筒形であってもよい。別の実施形態では、本体123は、立方体または別の非円筒形であってもよい。さらに別の実施形態では、本体123は、卵形の断面プロファイルを有してもよい。さらなる実施形態では、本体123は、不均一なプロファイルを有してもよい。たとえば、本体123は、第1の箇所に第1の断面プロファイル、および第2の箇所に第2の断面プロファイルを有することができ、第1および第2の断面プロファイルは互いに異なっている。一実施形態では、第1部品120または本体123は、第2部品122に取り付けるのに適した支持体または取付部124の形態であってもよい。別の実施形態では、第1部品120は、取付部124が取り付けられて、第2部品122に取り付けられることも可能な、支持体であってもよい。一実施形態では、第2部品122は、第1部品120から管腔130内まで径方向内向きに延在することができる。別の実施形態では、第2部品122は、第1部品120から径方向外向きに延在することができる。
【0015】
クリップアセンブリ112は、複数の第2部品122を含むことができる。たとえば、クリップアセンブリ112は、少なくとも4つの第2部品122、少なくとも5つの第2部品122、少なくとも10個の第2部品、もしくは少なくとも25個の第2部品122など、少なくとも3つの第2部品122を含むことができる。一実施形態では、第2部品122は、クリップアセンブリ112の円周の周りで均等に離間していてもよい。一実施形態では、第2部品122は、クリップアセンブリ112の円周の周りで不均等に離間していてもよい。
【0016】
特定の実施形態では、第2部品122のうちの少なくとも2つは、互いに比較して同じサイズ、形状、構造、または材料の選択を有してもよい。さらなる実施形態では、第2部品122のうちの全ては、互いに比較して同じサイズ、形状、構造、または材料の選択を有してもよい。これにより、クリップアセンブリ112の周りの均等な力プロファイルを許容できる。つまり、第2部品122の全ては、互いに比較して実質的に等しい径方向力を提供し得る。当業者は、第2部品122間のこのような均一性が必要ではない場合もあることを認識するだろう。特定の用途では、第2部品122のうちの少なくとも2つが、互いに比較してサイズ、形状、構造、または材料の選択が異なることが望ましい場合もある。たとえば、非円形の断面プロファイルを有する内部部品では、幾何形状、サイズ、構造、または材料の選択が異なる第2部品を使用する必要がある場合もある。
【0017】
いくつかの実施形態では、
図2Aから
図4Lに示されるように、第2部品122のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのクリップ302を含み得る。クリップは、第1部品120に結合され、これと係合し、またはこれに沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、クリップ302は、第1部品120、第1可動部品202、または第2可動部品204上に位置する可動基板205に向かう摺動力を提供することができる。いくつかの実施形態では、クリップ302のうちの少なくとも1つは一体構造を有してもよく、すなわちクリップ302はモノリシックであってもよい。一実施形態では、クリップ302の全てが一体構造を有してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、クリップ302は、フランジ306を含んでもよい。フランジ306は、第1端部306aおよび第2端部306bを有してもよい。フランジ306は、中心軸138に対して径方向に位置し、径方向フランジ306であり、第1軸方向端部306aおよび第2軸方向端部306bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フランジ306は、
図4Aから
図4Lに示されるように、クリップまたは第2部品122を、取付部124または第1部品120に取付または結合してもよい。いくつかの実施形態では、フランジ306は、少なくとも1つの突起または開口315を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起または開口315は、
図4Aから
図4Lに示されるように、取付部124または第1部品120に対して静止位置に、クリップまたは第2部品122を係止または別途配置してもよい。いくつかの実施形態では、
図2Aから
図2Dに示されるように、少なくとも1つの突起または開口315は、クリップ302を取付部124または第1部品120に結合するフラップまたはタブであってもよい。いくつかの実施形態では、
図3Aから
図3Dに示されるように、少なくとも突起または開口315は、クリップ302を取付部124または第1部品120に結合するフランジ306の面の成形された突起または開口であってもよい。突起または開口315は、取付部124、第1部品120、または支持体に取り付けるためのスナップイン機構を提供し得る。
【0019】
図2Aから
図4Lは、いくつかの異なる実施形態による、クリップアセンブリ112、クリップ302、および第1部品120または取付部124に対するクリップ302の配向を示す。いくつかの実施形態では、
図2Aおよび
図3Aに最もよく示されるように、クリップ302はストリップ304を含んでもよい。ストリップ304は、第1端部304aおよび第2端部304bを有してもよい。ストリップ304は、中心軸138に対して軸方向に位置し、軸方向ストリップ304であり、第1軸方向端部304aおよび第2軸方向端部304bを含んでもよい。別の実施形態では、ストリップ304は、中心軸138に対して垂直な方向に設けられてもよい。一実施形態では、ストリップ304は、中心軸138に対して角度αで配向されてもよく、ここでαは、第1部品120内の軸138に沿って0°から360°の範囲内である。一実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つの配向は、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つの軸方向全長に沿って均一であってもよい。より具体的な実施形態では、クリップ302または第2部品122の全ての配向は、その軸方向全長に沿って均一であってもよい。別の実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つの配向が異なってもよい(すなわち、別のクリップ302とは径方向または軸方向に異なる配向のストリップ304を有するクリップ302を有している)。いくつかの実施形態では、ストリップ304の第1端部304aおよびフランジ306の第2端部306bは、交差部307を形成するために交わってもよい。いくつかの実施形態では、
図2Aから
図4Lに最もよく示されるように、ストリップ304は、少なくとも1つの弓形または弓形部分309を有してもよい。いくつかの実施形態では、
図2Aから
図4Lに最もよく示されるように、ストリップ304は、少なくとも1つの平面形状部分311を有してもよい。非限定的な実施形態として、
図2Aから
図3Aに示されるように、弓形部分309と平面形状部分311との間の角度θは、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、もしくは少なくとも10°など、少なくとも2°であり得る。別の実施形態では、角度θは、40°以下、35°以下、30°以下、25°以下、もしくは20°以下など、45°以下であり得る。いくつかの実施形態では、
図2Aから
図4Lに最もよく示されるように、ストリップ304は、弓形部分309と交差部307との間の第1平面形状部分311aおよび弓形部分309と第1軸方向端部304aとの間の第2平面形状部分311bを有してもよい。
図4Aに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、ストリップ304の第1端部304aおよび第2端部304bにおいて取付部124または第1部品120と接触してもよい。
図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、第1平面形状部分311aに沿ってこれと実質的に平行に置かれた後に、取付部124または第1部品120から離れる方へ広がってもよい。
図4Cに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、第1端部304aにおいて取付部124または第1部品120と実質的に平行に置かれてもよく、第2端部304bにおいて取付部124と実質的に平行に置かれてもよい。
図4Dに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、第1平面形状部分311aなしで、取付部124または第1部品120から離れる方へ広がってもよい。
図4Eに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、第1端部304aにおいて取付部124または第1部品120と実質的に平行に置かれてもよく、第2端部304bにおいて取付部124と実質的に平行に置かれてもよく、弓形部分309は、取付部124または第1部品120と接触するかまたはこれと実質的に平行に延びるように、その下に充填剤317を有してもよい。充填剤317は、ゴム材料を含んでもよい。ゴム材料は、ストリップ1119によって形成された円弧状空間を充填するために、金属ストリップ1119または低摩擦層1104のインバウンド外側に取り付けられてもよい。弾性材料は、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテル-ポリエステルエラストマー、エチレン-プロピレンエラストマー、エチレン-アクリレートゴムおよび/またはフルオロエラストマー、これらの組み合わせを含んでもよく、または別のタイプであってもよい。
図4Fに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、第1フランジ306’および第2フランジ306’’の両方にクリップ302を第1部品120に結合させて、第1端部304aにおいて取付部124または第1部品120と実質的に平行に置かれてもよく、第2端部304bにおいて取付部124と実質的に平行に置かれてもよい。
図4Gに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、複数の点において取付部124または第1部品120と接触および/または重複する弓形部分309を含んでもよい。
図4Hから
図4Iに示されるように、いくつかの実施形態では、ストリップ304は、弓形部分309a、309b、309c、309dが複数の点において取付部124または第1部品120と接触および/または重複するノード319を形成する、複数の弓形部分309a、309b、309c、309dを含んでもよい。
図4Jに示されるように、いくつかの実施形態では、クリップ302は、U字形状の3D断面で形成されて取付部124または第1部品120の回りに取り付けられてもよい単一の第1平面形状部分311aから始まる複数の弓形部分309a、309b、および309cを含んでもよく、弓形部分309a、309b、および309cは、複数の点において取付部124または第1部品120と接触および/または重複する。さらに、例示的な
図4Jによれば、第1部品120は、中心軸138に対して垂直に見たときに、多角形断面を有してもよい。例示的な多角形断面は、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、もしくは十角形さえも含む。本明細書では追加の形状も考えられ、一般には、多角形または楕円形を、単独または組み合わせで含む。クリップ302は、図示されるように少なくとも1つのフランジ306をさらに含んでもよい。
図4Kから
図4Lに示されるように、いくつかの実施形態では、クリップ302は、L字形状の3D断面で形成されて取付部124または第1部品120の回りに取り付けられてもよい単一の第1平面形状部分311aから始まる複数の弓形部分309a、309bを含んでもよく、弓形部分309a、309bは、複数の点において取付部124または第1部品120と接触および/または重複し、弓形部分309a、309bは、内向きまたは外向きに丸みを帯びてもよい。クリップ302は、図示されるように少なくとも1つのフランジ306をさらに含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、クリップ302は、
図4C、
図4Eに示されるように、先細軸方向端部321を有してもよい。先細軸方向端部は、シャフトまたはポストなどの内部または外部部品の、クリップアセンブリ112とのアライメントを容易にするのに役立ち得る。さらなる実施形態では、第2部品122の全てが先細軸方向端部を含んでもよい。
特定の実施形態では、先細軸方向端部は、内部または外部部品が第2部品と最初に接触するクリップアセンブリの軸方向端部に設けられてもよい。さらに別の実施形態では、第2部品の少なくとも1つは、その両方の軸方向端部に先細軸方向端部を含んでもよい。
【0021】
一実施形態では、クリップ302は、0.1mmから25mmの範囲の厚さTCを有することができる。一実施形態では、クリップ302の厚さは均一であってもよく、すなわちクリップ302の第1の箇所での厚さは、これに沿った第2の箇所での厚さと等しくてもよい。より具体的な実施形態では、側壁103は、0.25mmから1mmの範囲、0.3mmから1mmの範囲、0.35mmから1mmの範囲、0.4mmから1mmの範囲、0.45mmから1mmの範囲、0.5mmから1mmの範囲、0.55mmから1mmの範囲、0.6mmから1mmの範囲、0.65mmから1mmの範囲、0.7mmから1mmの範囲、0.75mmから1mmの範囲、0.8mmから1mmの範囲、0.85mmから1mmの範囲、0.9mmから1mmの範囲、もしくは0.95mmから1mmの範囲など、0.2mmから1mmの範囲の厚さTCを有することができる。別の実施形態では、厚さTCは、0.2mmから0.9mmの範囲、0.2mmから0.85mmの範囲、0.2mmから0.8mmの範囲、0.2mmから0.75mmの範囲、0.2mmから0.7mmの範囲、0.2mmから0.65mmの範囲、0.2mmから0.6mmの範囲、0.2mmから0.6mmの範囲、0.2mmから0.55mmの範囲、0.2mmから0.5mmの範囲、0.2mmから0.45mmの範囲、0.2mmから0.4mmの範囲、0.2mmから0.35mmの範囲、0.2mmから0.3mmの範囲、もしくは0.2mmから0.25mmの範囲など、0.2mmから0.95mmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、クリップの厚さTCは、その長さLCに沿って変化し得る。より具体的な実施形態では、クリップ302は、0.35mmから0.65mmの間の厚さTCを有することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、
図2A、
図2Bに最もよく示されるように、クリップ302フランジ306は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの長さL
Fを有してもよい。フランジ306は、0.5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下、50mm以下であり得る長さL
Fを有してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、
図2A、
図2Bに最もよく示されるように、クリップ302ストリップ304は、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの長さL
Sを有してもよい。ストリップ304は、5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下であり得る長さL
Sを有してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、クリップ302は、それに沿って見たときに、弓形の断面を有してもよい。あるいは、クリップ302は、その長さに沿って見たときに、多角形断面を有してもよい。例示的な多角形プロファイルは、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、もしくは十角形さえも含む。本明細書では追加の形状も考えられ、一般には、多角形または楕円形を、単独または組み合わせで含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、
図2A、
図2Bに最もよく示されるように、弓形部分309は、少なくとも2mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの径方向高さH
Aを有してもよい。弓形部分309は、0.5mm以下、0.10mm以下、0.15mm以下、0.20mm以下、0.30mm以下、0.40mm以下であり得る径方向高さH
Aを有してもよい。
【0026】
一実施形態では、
図5に示されるように、クリップ302(ストリップ304、フランジ306、または交差部307のいずれかを含む)は、複合材料を含むことができる。クリップ302は、基板または金属ストリップ1119、および低摩擦または摺動層1104を含んでもよい。摺動層1104は、金属ストリップ1119の少なくとも一部に結合され得る。特定の実施形態では、摺動層1104は、別の部品の別の表面との低摩擦界面を形成するように、金属ストリップ1119の表面に結合されることが可能である。特定の実施形態では、摺動層1104は、別の部品の別の表面との低摩擦界面を形成するように、金属ストリップ1119の径方向内側表面に結合されることが可能である。特定の実施形態では、摺動層1104は、別の部品の別の表面との低摩擦界面を形成するように、金属ストリップ1119の径方向外側表面に結合されることが可能である。
【0027】
一実施形態では、金属ストリップ1119は、少なくとも部分的に金属を含むことができる。金属は、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉛、鉄、青銅、これらの合金を含んでもよく、または別のタイプであってもよい。
より具体的には、基板は少なくとも部分的に、ステンレス鋼またはばね鋼などの鋼を含むことができる。たとえば基板は、少なくとも部分的に301ステンレス鋼を含むことができる。301ステンレス鋼は、焼き戻し、1/4ハード、1/2ハード、3/4ハード、またはフルハードであってもよい。金属ストリップ1119は、織りメッシュまたはエキスパンドメタルグリッドを含んでもよい。あるいは、織りメッシュは、織りポリマーメッシュであり得る。代替実施形態では、金属ストリップ1119は、メッシュまたはグリッドを含まなくてもよい。別の代替実施形態では、金属ストリップ1119は、固体部品、織りメッシュ、またはエキスパンドメタルグリッドとして、摺動層1104と金属ストリップ1119との間に含まれる少なくとも1つの接着層1121の間に埋め込まれてもよい。少なくとも1つの実施形態では、金属ストリップ1119は、弓形の適用負荷の下で弾性挙動を提供する、任意の種類の金属合金であり得る。
【0028】
任意選択的に、クリップ302は、摺動層1103を金属ストリップ1119に結合し得る少なくとも1つの接着層1121を含んでもよい。接着層1121は、フルオロポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル/ポリアミド共重合体、エチレン酢酸ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ETFE共重合体、パーフルオロアルコキシ(PFA)、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、リング技術に共通の任意の既知の接着材料を含み得る。加えて、接着剤は、-C=O、-C-O-R、-COH、-COOH、-COOR、-CF2=CF-OR、またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの官能基を含むことができ、Rは1個から20個の炭素原子を含む環状または鎖状有機基である。加えて、接着剤は、共重合体を含むことができる。一実施形態では、ホットメルト接着剤は、220℃以下など、250℃以下の溶融温度を有することができる。別の実施形態では、接着剤は、220℃超など、200℃超で分解する場合がある。さらなる実施形態では、ホットメルト接着剤の溶融温度は250℃超、もしくは300℃超にさえなり得る。接着層1121は、約7から15ミクロンなど、約1から50ミクロンの厚さを有することができる。
【0029】
任意選択的に、金属ストリップ1119は、処理前のクリップ302の腐食を防止するために、腐食保護層1704および1705で被覆されてもよい。加えて、腐食保護層1708が、層1704の上に適用され得る。層1704、1705、および1708の各々は、約7から15ミクロンなど、約1から50ミクロンの厚さを有することができる。
層1704および1705は、亜鉛、鉄、マンガン、またはこれらの任意の組み合わせのリン酸塩、またはナノセラミック層を含むことができる。さらに、層1704および1705は、官能性シラン、ナノスケールのシランベースのプライマー、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)または亜鉛ニッケルコーティング、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。層1708は、官能性シラン、ナノスケールのシランベースのプライマー、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマーを含むことができる。腐食保護層1704、1706、および1708は、処理中に除去されても維持されてもよい。
【0030】
任意選択的に、クリップ302は、耐腐食性コーティング1125をさらに含んでもよい。耐腐食性コーティング1125は、約5から20ミクロンなど、および約7から15ミクロンなどの、約1から50ミクロンの厚さを有することができる。耐腐食性コーティングは、接着促進剤層127およびエポキシ層129を含むことができる。接着促進剤層1127は、亜鉛、鉄、マンガン、スズ、またはこれらの任意の組み合わせのリン酸塩、またはナノセラミック層を含むことができる。接着促進剤層1127は、官能性シラン、ナノスケールのシランベースの層、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)または亜鉛ニッケルコーティング、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。エポキシ層1129は、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子ビーム硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、または空気硬化エポキシであり得る。さらに、エポキシ樹脂は、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレンオキシド、1,2-エポキシプロパン、2-メチルオキシラン、9,10-エポキシ-9,10-ジヒドロアントラセン、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
エポキシ樹脂層1129は、硬化剤をさらに含むことができる。硬化剤は、アミン、酸無水物、フェノールノボラックポリ[N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド](PHPMI)などのフェノールノボラック硬化剤、レゾールフェノールホルムアルデヒド、脂肪アミン化合物、ポリカルボン酸無水物、ポリアクリレート、イソシアネート、カプセル化ポリイソシアネート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロムベースの硬化剤、ポリアミド、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。一般に、酸無水物は、式R-C=O-O-C=O-R’に適合することができ、ここでRは上記のようにCXHYXZAUであり得る。アミンは、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンなどの脂肪族アミン、脂環アミン、環状脂肪族アミンなどの芳香族アミン、脂環式アミン、アミドアミン、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体など、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0031】
一実施形態では、摺動層1104は、たとえばポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリエチレン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、またはこれらの任意の組み合わせなどのポリマーを含む材料を備えることができる。一例では、摺動層1104は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンゾイミダゾール、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。特定の例では、低摩擦/耐摩耗層は、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせなどのポリマーを含む。さらなる例では、低摩擦/耐摩耗層は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトン、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせなどのポリケトンを含む。追加の例では、低摩擦/耐摩耗層は、超高分子量ポリエチレンであってもよい。例示的なフルオロポリマーは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデン(THV)とのターポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリウレタン、ポリエステル、液晶ポリマー(LCP)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。摺動層1104は、リチウム石鹸、黒鉛、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン、窒化炭素、炭化タングステン、またはダイヤモンド状炭素、金属(アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉛、鉄、青銅、鋼、ばね鋼、ステンレス鋼など)、金属合金(列挙された金属を含む)、陽極酸化金属(列挙された金属を含む)、またはこれらの任意の組み合わせを含む、固体ベースの材料を含んでもよい。特定の実施形態によれば、フルオロポリマーが使用されてもよい。
【0032】
摺動層1104は、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ素、PEEK、芳香族ポリエステル、炭素粒子、青銅、フルオロポリマー、熱可塑性充填剤、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、PPS、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、LCP、芳香族ポリエステル、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、書記素、膨脹黒鉛、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、またはこれらの任意の組み合わせを含む充填剤を、さらに含んでもよい。加えて、充填剤は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、雲母、ウォラストナイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。充填剤は、ビーズ、繊維、粉末、メッシュ、またはこれらの任意の組み合わせの形態であり得る。
【0033】
一実施形態では、低摩擦または摺動層1104は、0.15mmから0.35mmの範囲、もしくは0.2mmから0.3mmの範囲など、0.01mmから0.4mmの範囲の厚さT
FLを有することができる。一実施形態では、低摩擦または摺動層1104の厚さは均一であってもよく、すなわち、低摩擦または摺動層1104の第1の箇所での厚さは、これに沿った第2の箇所での厚さと等しくてもよい。一実施形態では、ストリップ304は金属ストリップ1119を含んでもよく、これは
図2A、
図3Aに示されるように、外(アウトバウンド)側502に低摩擦または摺動層1104を有して形成されてもよい。一実施形態では、ストリップ304は、金属ストリップ1119を含んでもよく、
図2A、
図3Aに示されるように、内(インバウンド)側504に低摩擦または摺動層1104を有して形成されてもよい。いくつかの実施形態では、金属ストリップ1119は、少なくとも部分的にクリップ302の長さに沿って延在してもよい。金属ストリップ1119は、低摩擦または摺動層1104によって少なくとも部分的に、封入されてもよい。
つまり、低摩擦または摺動層1104は、金属ストリップ1119の少なくとも一部を覆ってもよい。金属ストリップ1119の軸方向端部は、低摩擦または摺動層1104から露出してもしなくてもよい。特定の実施形態では、金属ストリップ1119は、金属ストリップ1119が視覚的に認知できないように、低摩擦または摺動層1104内に完全に封入されてもよい。別の実施形態では、金属ストリップ1119は、少なくとも部分的に低摩擦または摺動層1104の中まで延在する開口を含んでもよい。開口は一般に、クリップ302の剛性を低減することができ、これによって特別に設計された剛性のプロファイルを可能にする。
【0034】
一実施形態では、上記で説明されたような、クリップ302上の層のいずれかは、各々ロール状に設けられ、そこから剥がされて、圧力下で、高温で(熱間、冷間、またはロール)、接着剤によって、またはこれらの任意の組み合わせによって結合することができる。いくつかの実施形態では、上記で説明されたような、クリップ302上の層のいずれかは、少なくとも部分的に互いに重複するように、一緒に積層されてもよい。いくつかの実施形態では、上記で説明されたような、クリップ302上の層のいずれかは、たとえば物理蒸着または蒸着、噴霧、めっき、粉末コーティングなどのコーティング技術を使用して、もしくはその他の化学的または電気化学的技術を通じて、適用されてもよい。特定の実施形態では、低摩擦または摺動層1104は、たとえば押出コーティングを含む、ロールツーロールコーティングプロセスによって適用されてもよい。低摩擦または摺動層1104は、溶融または半溶融状態に加熱され、金属ストリップ1119の主表面上にスロットダイを通じて押し出されてもよい。別の実施形態では、低摩擦または摺動層1104は、鋳造または成形されてもよい。
【0035】
別の実施形態では、上記で説明されたような、クリップ302上の層のいずれかは、たとえば物理蒸着または蒸着、噴霧、めっき、粉末コーティングなどのコーティング技術によって、もしくはその他の化学的または電気化学的技術を通じて、適用されてもよい。特定の実施形態では、低摩擦層134は、たとえば押出コーティングを含む、ロールツーロールコーティングプロセスによって適用されてもよい。低摩擦層134は、溶融または半溶融状態に加熱され、基板132の主表面上にスロットダイを通じて押し出されてもよい。別の実施形態では、低摩擦層134は鋳造または成形されてもよい。
【0036】
特定の実施形態では、
図1に示されるように、第2部品122は、クリップアセンブリ112の中心軸138に沿って第1または第2部品120または122の一方または両方を第1または第2部品120または122の他方に対して並進させることによって、第1部品120内に実装され得る。
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、第2部品122またはクリップ302の外(アウトバウンド)側502は、環状の第1部品120に沿って内向きに面していてもよい。
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、第2部品122またはクリップ302の内(インバウンド)側504は、環状の第1部品120に沿って内向きに面していてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、
図6Aから
図6Eに示されるように、第2部品122またはクリップ302は、取付部124または第1部品120に実装または結合されることが可能であり、これはマンドレル223によって互いに係合されてもよい。
図6Aから
図6Bに示されるように、第2部品122またはクリップ302は、取付部124に実装または結合されることが可能である。次に、
図6Cから
図6Eに示されるように、第2部品122またはクリップ30のフランジ306は、マンドレル223によって、取付部124または第1部品120に対して係止または静止位置に第2部品122またはクリップ30を係止するように、変形または屈曲されてもよい。マンドレル223は、当業者にとって既知の従来の装置であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図8Aから
図8Bに示されるように、第2部品122またはクリップ302は、取付部または第1部品120に実装または結合されることが可能であり、これは実質的に円形、楕円形、または長円形の形状であってもよい。
図8Aから
図8Bに示されるように、第2部品122またはクリップ302は、弓形部分309がクリップ302のストリップ304の第2端部304b上になるように、取付部120に実装または結合されることが可能である。クリップ302は、弓形部分309が突起する平面部分311をさらに含んでもよい。第2部品122またはクリップ302は第1部品内に実装されてもよく、第1部品120がスイベルシートまたはターンテーブルシートアセンブリの一部である。別の実施形態では、
図9Aから
図9Bに示されるように、第2部品122またはクリップ302は取付部または第1部品120に実装または結合されることが可能であり、これは実質的に直線的な形状であってもよい。
【0039】
別の実施形態では、第1部品120は、第2部品122にオーバーモールドされ得る。
これは、ジグまたはその他の構造支持体の中に第2部品を位置決めし、その上に第1部品を成形することによって、実行され得る。第2部品の接触面に沿った第1部品の蓄積を防止するために、1つ以上のマスキング層が利用され得る。第1または第2部品を適切な構成にさらに成形するために、機械加工が実行され得る。例示的な機械加工技術は、研削、サンディング、アブレーション、酸洗い、エッチング、切断、穿孔、およびめっきを含む。
【0040】
別の実施形態では、第2部品122は第1部品120にオーバーモールドされ得る。たとえば、第1部品120は、中央管腔130を含むように形成され得る。一実施形態では、管腔130から第1部品120の中まで切り欠きが延在することができる。別の実施形態では、切り欠きは、第1部品120の径方向外側表面から第1部品120の中まで延在することができる。次いで第2部品122は切り欠き内に成形され、その中で硬化させられることが可能である。一実施形態では、第2部品122の少なくとも1つは、第1部品120の切り欠き140(
図1)と係合するようになっている本体を含むことができる。
【0041】
切り欠き140内の第2部品122の固定は、いくつかの技術によって実行され得る。
たとえば、第2部品122は、切り欠き140の形状を概ね補完し得る形状を含むことができる。別の実施形態では、第2部品122は、接着剤、機械的締結具、またはこれらの任意の組み合わせによって、切り欠き140内に固定され得る。別の実施形態では、
図8Aから
図8Bに示されるように、第1部品120および第2部品122は単一の均一なピースであってもよく、第2部品122は、打ち抜き、切断、または別の方法を通じて、第1部品120から形成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1部品120は、金属または剛性ポリマーなどの弾性材料を含んでもよい。第1部品120が第2部品122にオーバーモールドされ得る実施形態では、適切な成形特性を有するポリマーを利用することが望ましいかも知れない。例示的なポリマーは、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル(PE)、リエチレンイミン(PEI)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリカーボネート(PC)、またはこれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、第1部品120は、ナイロン、PBT、PPA、またはPPSを備えてもよい。ナイロンは、たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン66/6、ナイロン410、またはナイロン46であってもよい。
【0043】
図1に戻ると、いくつかの実施形態では、径方向内向きに延在するクリップ302を有するクリップアセンブリ112の場合のように、クリップアセンブリ112の最も適合する最も内側の円は、クリップ302に接して形成され得る。この点に関して、内部部品または可動基板205は、クリップ302の最も内側の接触部分のみでクリップアセンブリ112に接触してもよい。したがって、内部部品または可動基板205の円周の大部分など、少なくとも一部分に沿って、内部部品または可動基板205と第1部品120との間に有効な径方向ギャップ146が設けられてもよい。径方向外向きクリップ302を有するクリップアセンブリ112の場合のように、クリップアセンブリ112の最も適合する最も内側の円は、クリップ302に接して形成され得る。この点に関して、内部部品または可動基板205は、クリップ302の最も外側の接触部分のみでクリップアセンブリ112に接触してもよい。したがって、第1部品120の円周の大部分など、少なくとも一部分に沿って、クリップ302と内部部品または可動基板205との間に有効な径方向ギャップが設けられてもよい。いくつかの実施形態では、クリップ302、第2部品122、またはストリップ304は、2つの隣り合うストリップの間の角度を30度から180度の範囲にして可動基板205を囲むように、互いに位置決めされ得る。
【0044】
伝統的な滑り軸受は、内部部品との完全な、またはほぼ完全な円周接触を形成するが、本クリップアセンブリ112の実施形態は、面積接触を減少させることができる。また、有効な径方向ギャップ146を有するクリップアセンブリ112のこれらの領域は、高額な低摩擦材料なしで形成されることが可能であり、これにより、クリップアセンブリ112を作製するための材料および製造コストを削減することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つは、第1部品120の第1および第2の対向する軸方向端部126および128の間で少なくとも部分的に延在する。特定の実施形態では、クリップ302または第2部品122は、第1部品120の軸方向長さの少なくとも30%、第1部品120の軸方向長さの少なくとも40%、第1部品120の軸方向長さの少なくとも50%、第1部品120の軸方向長さの少なくとも60%、第1部品120の軸方向長さの少なくとも70%、第1部品120の軸方向長さの少なくとも80%、もしくは第1部品120の軸方向長さの少なくとも90%など、第1部品120の軸方向長さの少なくとも20%に沿って延在してもよい。より具体的な実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つは、第1部品120の軸方向長さの99%以下に沿って、第1部品120の軸方向長さの98%以下に沿って、第1部品120の軸方向長さの97%以下に沿って、第1部品120の軸方向長さの96%以下に沿って、もしくは第1部品120の軸方向長さの95%以下に沿ってなど、第1部品120の軸方向長さの100%以下に沿って延在してもよい。
【0046】
本発明に記載される1つ以上の実施形態によれば、クリップ302または第2部品122の単一の柱は、複数のクリップ302または第2部品122を含むことができる。別の実施形態では、クリップ302または第2部品122の軸柱の少なくとも1つは、少なくともクリップ302または第2部品122を含むことができる。多部品軸柱の利用は、材料費、およびクリップアセンブリ112と内部部品または可動基板205との間の不余蘊接触を、さらに削減する。
【0047】
一実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つは、軸方向長さの少なくとも30%に沿って、軸方向長さの少なくとも35%に沿って、軸方向長さの少なくとも40%に沿って、軸方向長さの少なくとも45%に沿って、軸方向長さの少なくとも50%に沿って、軸方向長さの少なくとも55%に沿って、軸方向長さの少なくとも60%に沿って、軸方向長さの少なくとも65%に沿って、軸方向長さの少なくとも70%に沿って、軸方向長さの少なくとも75%に沿って、もしくは軸方向長さの少なくとも80%に沿ってなど、その軸方向長さの少なくとも25%に沿って、均一な断面形状を有してもよい。一実施形態では、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つの形状は、クリップ302または第2部品122のうちの少なくとも1つの軸方向全長に沿って均一であってもよい。より具体的な実施形態では、クリップ302または第2部品122の全ての形状は、その軸方向全長に沿って均一であってもよい。不均一なクリップ302または第2部品122は、不均一な断面を有する内部部品を有する用途では、特に有利であり得る。たとえば、内部部品は、多角形部分および楕円形部分の両方を有してもよい。あるいは、内部部品は、これに沿った異なる箇所で異なる直径を有してもよい。先細または別途変化する形状は、このような内部部品との係合を強化し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、クリップ302の弓形部分309は、安定して設置されて第1部品120と可動基板205との間に径方向剛性を提供するために、比較的高い径方向力(たとえば、200Nまたはそれ未満またはそれ以上)を伝達することができる。いくつかの変形例では、クリップ302の弓形部分309は、約1200N/mm以上、約1300N/mm以上、約1500N/mm以上、約1700N/mm以上、約2000N/mm以上、約2100N/mm以上、約2200N/mm以上、約2300N/mm以上、約2400N/mm以上、約2500N/mm以上、約3000N/mm以上、約3500N/mm以上、もしくは約4000N/mm以上など、約1100N/mm以上などの、約1,000N/mm以上の、部品120と可動基板205との間の径方向剛性を提供し得る。さらに別の実施形態では、クリップ302の弓形部分309は、約7000N/mm以下、約6500N/mm以下、約6000N/mm以下、約5500N/mm以下、もしくは約5000N/mm以下など、約7500N/mm以下の、部品120と可動基板205との間の径方向剛性を提供し得る。これらは、1N/mmから250N/mmの間のクリップのばね定数を提供し得る。
【0049】
クリップ302またはクリップアセンブリ112は、直線運動アセンブリ(たとえばシート調整アセンブリ、頭部拘束アセンブリ、スイベルシートアセンブリ、ターンテーブルシートアセンブリ、アームレストアセンブリ、シートトラックアセンブリ、サンルーフアセンブリ、ディスプレイアセンブリ、トランクカバーアセンブリ、または別のタイプであってもよい)で使用されるときに、第1部品120と摺動部品205との間で使用され得る。クリップ302またはクリップアセンブリ112は、回転運動アセンブリ(たとえばグローブボックスアセンブリ、サンバイザアセンブリ、シェルフアセンブリ、引き出しアセンブリ、または別のタイプであってもよい)で使用されるときに、第1部品120と摺動部品205との間で使用され得る。
【0050】
図7に戻ると、非限定例として、車両シートアセンブリ100は概して、座面(図示せず)に結合された背もたれ102を含むことができる。頭部拘束アセンブリ104は、背もたれ102と係合することができ、ヘッドクッション106と、そこから延在する2つのポスト108および110を含むことができる。ポスト108および110は、ヘッドクッション106と背もたれ102との間の相対運動を許容するような方法で、背もたれ102に挿入可能であり得る。具体的には、ポスト108および110は、背もたれ102に対して縦方向に並進するようにでき、ヘッドクッション106を様々なサイズの乗員向けに適切に調整できるようにする。
【0051】
1つ以上のクリップアセンブリ112は、少なくとも部分的に背もたれ102の中に設けられ、そこに固定されることが可能である。一実施形態では、クリップアセンブリ112のうちの少なくとも1つは、溶接、接着剤、機械的締結具、またはその他いずれか適切な結合構成のうちの少なくとも1つによって、背もたれ102に結合され得る。この点に関して、クリップアセンブリ112は、背もたれ102に固定的に取り付けられてもよい。
【0052】
部品114は、クリップアセンブリ112のうちの少なくとも1つの軸方向端部に結合されてもよい。部品114は、クリップアセンブリ112に取り付けられてもよく、ポスト108および110が挿入され得る中央開口116を含んでもよい。
【0053】
一実施形態では、車両シートアセンブリ100は、部品114と類似の係止部品118を含むことができる。係止部品118は、中央開口が内部に延在する本体を含んでもよい。係止部品118は、背もたれ102に対するポスト108の縦方向並進を選択的に防止するようになっている係止機構を、さらに含んでもよい。車両シートアセンブリ100の上記の説明は例示的であり、本明細書に記載される実施形態を限定するように意図するものではない。
【0054】
可動基板205およびクリップ302を備えるアセンブリ112を提供するステップを含む、可動基板205に向かう摺動力を提供するための方法が本明細書に記載され、クリップ302は少なくとも1つのストリップ304を備え、少なくとも1つのストリップ304は、第1軸方向端部304a、第2軸方向端部304b、および第1軸方向端部304aと第2軸方向端部304bとの間の弓形309を備えており、少なくとも1つのストリップ304は、アウトバウンド側502に摺動層1104を備える金属ストリップ1119であり得る。方法は、クリップ302が可動基板205に向かう所望の摺動力を提供できるように、可動基板205を移動させるステップをさらに含んでもよい。
【0055】
一実施形態では、アセンブリ2は、少なくとも2kgf、少なくとも3kgf、少なくとも4kgf、少なくとも5kgf、少なくとも10kgf、もしくは少なくとも15kgfなど、シャフト4またはハウジング8に対して縦方向に少なくとも1kgfの組立力によって、実装または組み立てられることが可能である。さらなる実施形態では、トルクアセンブリ2は、19kgf以下、18kgf以下、17kgf以下、もしくは16kgf以下など、ハウジング8に対して縦方向の20kg以下の組立力によって、実装または組み立てられることが可能である。いくつかの実施形態では、リング100の突起120は、5から10の倍率で組立力を低減できる、スナップイン機能を有してもよい。
【0056】
クリップ304、クリップアセンブリ112、または方法は、ブッシングまたは軸受スリーブに置き換わることができ、より少ない材料を使用する費用効率の高い摺動界面を可能にする。さらに、クリップ304、クリップアセンブリ112、または方法は、グリースフリーまたは自己潤滑性であってもよい。さらに、クリップ304、クリップアセンブリ112、または方法は、移動基板205および/または第1部品120、または任意の周囲部品の公差補償を可能にし得る。さらに、クリップ304、クリップアセンブリ112、または方法は、いずれの方向でも、移動基板205および/または第1部品120、または任意の周囲部品の間のミスアライメント補償を提供し得る。さらに、クリップ304、またはクリップアセンブリ112、または方法は、いずれの形状の移動基板205および/または第1部品120でも使用できる。さらに、クリップ304、またはクリップアセンブリ112、または方法は、弓形部分309により高い剛性を提供し得る。さらに、クリップ304、またはクリップアセンブリ112、または方法は、振動またはノイズを低減でき、ノイズと振動を分離し得る。さらに、クリップ304、またはクリップアセンブリ112、または方法は、第1部品120に対する基板205の付着を低減し得る。
【0057】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかが、以下に説明される。この明細書を読んだ後、当業者は、これらの態様および実施形態が例示に過ぎず、本発明の範囲を限定しないことを、理解するだろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のいずれか1つ以上にしたがってもよい。
【0058】
実施形態1.可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップであって、クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および第1軸方向端部と第2軸方向端部との間の弓形を備え、
少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、クリップ。
【0059】
実施形態2.可動基板と、可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップとを備えるアセンブリであって、クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および第1軸方向端部と第2軸方向端部との間の弓形を備え、少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップであり、少なくとも1つの径方向フランジは、少なくとも1つのストリップの第1軸方向端部および/または第2軸方向端部から径方向に突起しており、少なくとも1つの突起または開口は、支持体にクリップを取り付けるのに適している、アセンブリ。
【0060】
実施形態3.可動基板に向かう摺動力を提供する方法であって、可動基板およびクリップを備えるアセンブリを提供するステップであって、クリップは、少なくとも1つのストリップを備え、少なくとも1つのストリップは、第1軸方向端部、第2軸方向端部、および第1軸方向端部と第2軸方向端部との間の弓形を備え、少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、ステップと、クリップが可動基板に向かう所望の摺動力を提供できるように可動基板を移動させるステップと、を備える方法。
【0061】
実施形態4.クリップは、少なくとも1つのストリップの第1軸方向端部および/または第2軸方向端部から径方向に突起する少なくとも1つの径方向フランジをさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0062】
実施形態5.少なくとも1つのストリップは、支持体にクリップを取り付けるのに適している少なくとも1つの突起または開口をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0063】
実施形態6.少なくとも1つの突起または開口は、少なくとも1つの径方向フランジに配置されている、実施形態5に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0064】
実施形態7.少なくとも1つの突起または開口は、支持体に取り付けるためのスナップイン機構を備える、実施形態5または6に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0065】
実施形態8.摺動層はポリマーを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0066】
実施形態9.ポリマーは、フルオロポリマー、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、およびこれらの混合物の群から選択される、実施形態8に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0067】
実施形態10.金属層は、弓形の適用負荷の下で弾性挙動を提供する、任意の種類の金属合金である、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0068】
実施形態11.クリップは、少なくとも2つのストリップを備える、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0069】
実施形態12.ストリップは、2つの隣り合うストリップの間の角度を30度から180度の範囲にして可動基板を囲むように、互いに位置決めされる、実施形態11に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0070】
実施形態13.少なくとも1つのストリップは、ストリップによって形成された円弧状空間を充填するために、金属ストリップのインバウンド外側に取り付けられたゴム材料をさらに備える、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0071】
実施形態14.ゴム材料は、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、架橋エラストマー、ポリエーテル-ポリエステルエラストマー、エチレン-プロピレンエラストマー、エチレン-アクリレートゴム、および/またはフルオロエラストマーを備える、実施形態13に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0072】
実施形態15.可動基板は、シャフトまたはプロファイルである、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0073】
実施形態16.ストリップは、支持体の複数の側面の回りに設けられた多角形断面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0074】
実施形態17.ストリップは、L字型またはU字型断面を有する、実施形態16に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0075】
実施形態18.クリップは、少なくとも2つのフランジを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0076】
実施形態19.ストリップは、先細軸方向端部を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0077】
実施形態20.クリップは、スライダシステム、たとえばシート機構、自動車内装機構、開閉機構での使用に適している、先行する実施形態のいずれかに記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【0078】
恩恵、その他の利点、問題の解決策は、特定の実施形態に関連して上記で説明されてきた。しかしながら、恩恵、利点、問題の解決策、ならびに任意の恩恵、利点または解決策を生じるかまたはより顕著にし得る任意の特徴は、任意のまたは全ての実施形態の重要な、必要な、または不可欠な特徴として解釈されるべきではない。
【0079】
本明細書、および本明細書に記載される実施形態の図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供するように意図される。明細書および図は、本明細書に記載される構造または方法を使用する装置およびシステムの要素および特徴の全ての徹底的で包括的な説明として役立つように意図される。別個の実施形態は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、本体に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴が、個別に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲において述べられている値の言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。この明細書を読めばすぐに、他の多くの実施形態が当業者にとって明らかとなり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、またはその他の変更がなされ得るように、他の実施形態が使用され、本開示から導出されてもよい。したがって、本開示は、限定的ではなく説明的であると見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップであって、前記少なくとも1つのストリップは第1軸方向端部および第2軸方向端部を備える、少なくとも1つのストリップと、前記少なくとも1つのストリップの前記第1軸方向端部および/または前記第2軸方向端部から径方向に突起する少なくとも1つの径方向フランジと、前記第1軸方向端部および前記第2軸方向端部の間の弓形と、を備え、前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、クリップ。
【請求項2】
可動基板と、前記可動基板に向かう摺動力を提供するためのクリップとを備えるアセンブリであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップであって、
前記少なくとも1つのストリップは第1軸方向端部、第2軸方向端部、および前記第1軸方向端部と前記第2軸方向端部との間の弓形を備える、少なくとも1つのストリップと、
前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップであり、
前記少なくとも1つのストリップの前記第1軸方向端部および/または前記第2軸方向端部から径方向に突起している少なくとも1つの径方向フランジと、
支持体に前記クリップを取り付けるように構成されている少なくとも1つの突起または開口と、を備えるアセンブリ。
【請求項3】
可動基板に向かう摺動力を提供する方法であって、
可動基板およびクリップを備えるアセンブリを提供するステップであって、前記クリップは、少なくとも1つのストリップであって、前記少なくとも1つのストリップは第1軸方向端部および第2軸方向端部を備える、少なくとも1つのストリップと、前記少なくとも1つのストリップの前記第1軸方向端部および/または前記第2軸方向端部から径方向に突起する少なくとも1つの径方向フランジと、前記第1軸方向端部および前記第2軸方向端部の間の弓形と、を備え、前記少なくとも1つのストリップは、アウトバウンド側に摺動層を備える金属ストリップである、ステップと、
前記クリップが前記可動基板に向かう所望の摺動力を提供できるように前記可動基板を移動させるステップと、を備える方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのストリップは、支持体に前記クリップを取り付けるように構成された少なくとも1つの突起または開口をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突起または開口は、前記少なくとも1つの径方向フランジに配置されている、請求項4に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの突起または開口は、前記支持体に取り付けるためのスナップイン機構を備える、請求項4に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項7】
前記摺動層はポリマーを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項8】
前記ポリマーは、フルオロポリマー、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリスルホン、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリウレタン(PUR)、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、およびこれらの混合物の群から選択される、請求項7に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項9】
前記金属ストリップは、弓形の適用負荷の下で弾性挙動を提供する、任意の種類の金属合金である、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項10】
前記クリップは、少なくとも2つのストリップを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項11】
前記ストリップは、2つの隣り合うストリップの間の角度を30度から180度の範囲にして前記可動基板を囲むように、互いに位置決めされる、請求項10に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項12】
前記クリップは、少なくとも2つのフランジを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項13】
前記ストリップは、前記支持体の複数の側面の周りに配置された多角形断面を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項14】
前記ストリップは、先細軸方向端部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ、アセンブリまたは方法。
【請求項15】
前記クリップは、スライダシステム、たとえばシート機構、自動車内装機構、開閉機構での使用に適している、請求項2に記載のアセンブリ。
【外国語明細書】