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特開2022-33872喫煙物品のフィルタにおいて風味を与える香味料粒子の適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033872
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】喫煙物品のフィルタにおいて風味を与える香味料粒子の適用
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/14 20060101AFI20220222BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20220222BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A24D3/14
A24D3/04
A24D3/02
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021195632
(22)【出願日】2021-12-01
(62)【分割の表示】P 2018554712の分割
【原出願日】2017-02-22
(31)【優先権主張番号】62/324,764
(32)【優先日】2016-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516124616
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サービシーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】マンマヤ ケイ ミシュラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タバコフィルターに使用する香味料粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】香味料粒子のある製造方法は、食品用蝋100及び香味料110を融解して融解蝋120とする融解ステップと、融解蝋を凝固させる凝固ステップと、凝固した蝋を破砕して複数の香味料粒子50とする破砕ステップと、を含む。香味料粒子の他の製造方法は、食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とする融解ステップと、融解蝋を噴霧冷却して少なくとも1つの固体香味料粒子とする噴霧冷却ステップと、を含み、融解蝋は約50℃から約70℃の融解温度を有し、固体香味料粒子は約0.1ミリメートルから約2.0ミリメートルの直径を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とする融解ステップと、
前記融解蝋を凝固させる凝固ステップと、
凝固した蝋を破砕して香味料粒子とする破砕ステップと、
を含む、香味料粒子の製造方法。
【請求項2】
前記融解蝋は、約50℃から約70℃の融解温度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食品用蝋は、蜜蝋、パラフィン、カルナバ、カンデリラ及びポリエチレンワックス
の1つ以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記香味料は、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミント、チョコレート
、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン
、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロー
ル、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油及びタバコ香味の1つ以上
である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記香味料粒子にふるいを通過させるステップと、約0.1ミリメートルから約2.0
ミリメートルの範囲のサイズを有する前記香味料粒子を集めるステップとを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記香味料粒子にふるいを通過させるステップと、約0.2ミリメートルから約2.0
ミリメートルの範囲のサイズを有する前記香味料粒子を集めるステップとを含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記香味料粒子のそれぞれは、約1重量%から約5重量%の香味料と、約95重量%か
ら約99重量%の蝋とを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法によって形成される破砕した香味料粒子の少なくとも1つを、複
数の隣接する吸収部材間の軸方向中空空間に挿入する挿入ステップと、
少なくとも1つの前記香味料粒子及び前記複数の隣接する吸収部材をアウターカバーで
包む包含ステップと、を含み、少なくとも1つの前記香味料粒子は、タバコの喫煙中にタ
バコ煙の特性を変える流体、蒸気又は固体材料を包含する、タバコのフィルタの形成方法
【請求項9】
前記複数の隣接する吸収部材は円柱状である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記吸収部材は、アセチルセルロースから成る、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
請求項8に記載されたタバコのフィルタの形成方法と、
タバコロッドを前記タバコのフィルタの一端部に取付ける取付ステップと、
を含むタバコを形成する方法。
【請求項12】
前記香味料粒子を湿性無煙タバコ製品と結合するステップを含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項13】
食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とする融解ステップと、
前記融解蝋を噴霧冷却して少なくとも1つの固体香味料粒子とする噴霧冷却ステップと

を含み、
前記融解蝋は約50℃から約70℃の融解温度を有し、前記固体香味料粒子は約0.1
ミリメートルから約2.0ミリメートルの直径を有する、香味料粒子の製造方法。
【請求項14】
前記噴霧冷却ステップは、前記融解蝋を、約0℃から約15℃の温度を有する空気チャ
ンバ内に注入することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記食品用蝋は、蜜蝋、パラフィン、カルナバ、カンデリラ及びポリエチレンワックス
の1つ以上である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記香味料は、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミント、チョコレート
、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン
、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロー
ル、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油及びタバコ香味の1つ以上
である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記香味料粒子は、約1重量%から約5重量%の香味料と、約95重量%から約99重
量%の蝋とを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法によって形成される少なくとも1つの破砕した香味料粒子を、
複数の隣接する吸収部材間の軸方向中空空間に挿入する挿入ステップと、
少なくとも1つの前記香味料粒子及び前記複数の隣接する吸収部材をアウターカバーで
包む包含ステップと、を含み、少なくとも1つの前記香味料粒子は、タバコの喫煙中にタ
バコ煙の特性を変える流体、蒸気又は固体材料を包含する、タバコのフィルタの形成方法
【請求項19】
前記複数の隣接する吸収部材は円柱状である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記吸収部材は、アセチルセルロースから成る、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
請求項18に記載されたタバコのフィルタの形成方法と、
タバコロッドを前記タバコのフィルタの一端部に取付けるステップと、を含むタバコを
形成する方法。
【請求項22】
複数の香味料粒子が形成され、前記方法は前記香味料粒子を湿性無煙タバコ製品と結合
するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
この出願は、35 U.S.C.119に基づいて、2016年4月19日出願の米国特許仮出願第
62/324,764号の優先権を主張するものである。この出願の全内容を参照により
本明細書に援用するものとする。
【0002】
本開示は一般に、紙巻タバコ等の喫煙物品と紙巻タバコとともに使用するフィルタとに
関するものであり、タバコ及びフィルタを製造する方法に関するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とする融解ステップと、融解蝋を凝固させる凝固
ステップと、凝固した蝋を破砕して香味料粒子とする破砕ステップと、を含む、香味料粒
子の製造方法が開示される。
【0004】
食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とする融解ステップと、融解蝋を噴霧冷却して固
体香味料粒子とする噴霧冷却ステップと、を含み、融解蝋は約50℃から約70℃の融解
温度を有し、固体香味料粒子は約0.1ミリメートルから約2.0ミリメートルの直径を
有する、香味料粒子の製造方法が開示される。
【0005】
破砕した香味料粒子の少なくとも1つを、複数の隣接する吸収部材間の軸方向中空空間
に挿入するステップと、少なくとも1つの香味料粒子及び複数の隣接する吸収部材をアウ
ターカバーで包むステップと、を含み、少なくとも1つの香味料粒子は、喫煙物品の喫煙
中にタバコ煙の特性を変える流体、蒸気又は固体材料を包含する、タバコ等の喫煙物品の
フィルタの形成方法が開示される。
【0006】
少なくとも1つの香味料粒子を有するタバコのフィルタを形成するステップと、タバコ
ロッドをタバコのフィルタの一端部に取付けるステップと、を含むタバコを形成する方法
が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に従う紙巻タバコの形態である喫煙物品の平面図である。
図2】一実施形態に従う喫煙物品用のフィルタの一部の斜視図である。
図3】一実施形態に従う喫煙物品用の香味料粒子のマトリックスを有するフィルタの斜視図である。
図4】一実施形態に従う喫煙物品用のフィルタの斜視図である。
図5】一実施形態に従う喫煙物品用のフィルタの斜視図である。
図6】例示的実施形態に従う香味料粒子の製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
紙巻タバコ等のタバコ製品において、香気成分等の少なくとも1つの添加材を含む、香
味料粒子の解放可能なマトリックスを有する喫煙物品用フィルタを製造する方法を以下説
明する。少なくとも1つの添加材の喫煙物品への放出を制御することを、少なくとも1つ
の添加材を含む、好ましくは凝固した融解チャンク又はもろい香味粒子である1つ以上の
香味料粒子を使用することで改善することができる。例示的実施形態によれば、香味料粒
子又はもろい香味粒子が、例えば一対のアセチルセルロースのプラグの間及び/又はアセ
チルセルロースのプラグ内に形成される、開口部内に軸方向に挿入される。香味料粒子は
、主流煙に触れているとき及び/又は喫煙者の機械的干渉による要求に応じて放出される
ときに、添加材を放出する。
【0009】
図1に表すように、紙巻タバコ等の喫煙物品10は、時にはタバコ又は紙巻きタバコロ
ッド12と呼ばれるタバコ含有部分と、フィルタ部又はフィルタ14との2つの部分を含
む。チップペーパは一般に、紙巻タバコの口端部を形成するフィルタ14を囲む。チップ
ペーパは、フィルタ及びタバコを一緒に保持するように、タバコロッドと重なる。タバコ
ロッド12すなわち紙巻タバコの構成要素を含むタバコは、タバコが包まれる巻取紙と、
巻取紙の継ぎ目を一緒に保持するのりとを含む。タバコロッド12は、フィルタに一体的
に取付けられる第1端部と、タバコを吸うために点火又は加熱される第2端部と、を有す
る。タバコを吸うためにタバコロッド12が点火又は加熱されるときに、煙は添加された
端部から下流のタバコロッドのフィルタ端部に進み、更にフィルタを通って下流に進む。
【0010】
フィルタ14を、伝統的な紙巻タバコとともに使用することも、非伝統的な紙巻タバコ
とともに使用することもできる。非伝統的な紙巻タバコは、例えば同一出願人による米国
特許番号第6,026,820号明細書、米国特許番号第5,988,176明細書、米国特許番号第5,915,
387明細書、米国特許番号第5,692,526明細書、米国特許番号第5,692,525明細書、米国特
許番号第5,666,976明細書及び米国特許番号第5,499,636明細書で説明される電気喫煙シス
テム用のタバコを含む。これら文献の開示内容の全内容を参照により本明細書に援用する
ものとする。
【0011】
例示的実施形態によれば、例えば香味ビーズ又は香味ビーズのマトリックス及び/又は
香味チャンク50である、香味媒体を、フィルタ(図1)内の単一のプラグ-スペース-
プラグ構造に設置することができ(図2及び5)、若しくは複数のプラグ-スペース-プ
ラグ構造体に設置することができ、又は喫煙物品10のフィルタ(図4)に均等に分布さ
せることができる。香味媒体を押しつぶし若しくはこすることによって、又は機械的手段
によって、香味媒体は香味を放出する。媒体との機械的干渉によって香味を放出するよう
に、香味ビーズ及び/又は香味チャンク50を設計することができる。例示的実施形態に
よれば、香味ビーズ及び/又は香味チャンク50との干渉に基づいて、消費者は、媒体と
相互作用しないことにより付加的香味を追加しないよう選択することができ、又は媒体と
相互干渉する量に基づいて付加的香味を追加することができる。
【0012】
例示的実施形態によれば、球形化、スプレーチリング及び/又は押出プロセス等の技術
を用いて、(タバコ若しくはタバコ香味/抽出物とともに又はこれら無しに)香味ビーズ
又は香味チャンク50を製造することができる。例示的実施形態によれば、香味ビーズ又
はチャンク50の香味放出プロファイルを、例えばコアシェル構造体又はマトリックス構
造体を有するビーズを積層させて又は積層させずに生み出す流動層コーティング及び/又
はパンコーティングを用いることで、変更することができる。例示的実施形態によれば、
香味ビーズ及び/又は香味チャンク50の製造方法によって、生み出されるビーズ及び/
又はチャンク50は、様々な香味付与プロファイルを表すことができる。
【0013】
例示的実施形態によれば、各ビーズ50は、コア(マトリックス)を有することができ
、コアを囲む1つ以上の層を含み得る。層は、コーティング/バインダーを含むことがで
き、付加的香味、タバコ/タバコ香味及び他の任意の添加物またはこれらの組み合わせを
含み得る。例えば、マトリックス及び/又はコアは、炭水化物、水溶性高分子若しくは非
水溶性高分子、香味料又はこれらの組み合わせを含み得る。例示的実施形態によれば、香
味ビーズ50のコアは好ましくは、約0.5ミリメートルから2.0ミリメートルの直径
を有する。例示的実施形態によれば、香味ビード50は好ましくは一般的に相当な外径を
有する。
【0014】
例示的実施形態によれば、風味を含む融解食品用蝋を、スプレーチリングプロセスを用
いて凝固させることで、香味料粒子又はチャンク50を準備することができる。他の例示
的実施形態によれば、本方法は、食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とし、融解蝋を凝
固させ、凝固した融解蝋を破砕して複数の香味料粒子にすることを含み得る。例えば例示
的実施形態によれば、融解蝋を冷気チャンバ内へ噴霧冷却することで、融解蝋を硬化させ
又は冷却して固体粒子にすることができる。
【0015】
例示的実施形態によれば、粒子のスプレーチリングに関して、粒子は好ましくは、約0
.2ミリメートルから約1.0ミリメートルの間の一様の直径を有する。例示的実施形態
によれば、融解蝋の流速、ノズルのサイズ、圧力及び/又はこれらの組み合わせの1つ以
上によって、香味料粒子50のサイズを制御することができる。例えば例示的実施形態に
よれば、例えばタバコフィルタ又は湿性無煙タバコ製品において、噴霧冷却した粒子50
の2つ以上のサイズを組み合わせることができる。
【0016】
例示的実施形態によれば、融解蝋を、約0℃から約15℃の間の温度を有する空気チャ
ンバ内に注入又は噴霧することができる。例えば、紙巻タバコフィルタでの使用に関して
、融解蝋は、好ましくは約50℃から約100℃の融解温度、より好ましくは約50℃か
ら約70℃の融解温度を有する。
【0017】
例示的実施形態によれば、例えばタバコ製品の輸送中及び/又は保管中に、蝋が環境温
度又は周囲温度から融解しないように、蝋の融解温度は約50℃よりも高いことが好まし
く、例えばタバコロッドのフィルタ端部からの加熱によって香味料粒子を溶解させて香味
料を放出できるように、蝋の融解温度は約70℃未満であることが好ましい。
【0018】
例示的実施形態によれば、湿性無煙タバコ製品とともに使用することに関して、香味料
粒子50が熱への露出よりも機械的干渉によって香味料を放出できるように、融解蝋の融
解温度を、例えば約50℃から約70℃までの間とすることができ、例えば約50℃から
約60℃までの間とすることがより好ましい。
【0019】
例示的実施形態によれば、食品用蝋及び香味料を溶解させて融解蝋にするステップと、
融解蝋を凝固させるステップと、香味料粒子を破砕して複数の香味料粒子にするステップ
とを含む本方法に関して、凝固させた融解蝋の破砕後に、複数の香味料粒子又はチャンク
のそれぞれの直径(又はサイズ)は、約0.1ミリメートルから2.0ミリメートルの間
の範囲であり、より好ましくは約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルの間の範囲
である。例示的実施形態によれば、複数の香味料粒子又はチャンク50は、好ましくは不
規則な形状を有し、例えば円形では無い。
【0020】
例示的実施形態によれば、香味料粒子のサイズが、約0.1ミリメートルから2.0ミ
リメートルまでの範囲、より好ましくは約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルま
での範囲となるように、破砕された香味料粒子をふるいにかけることができる。例えば、
0.088ミリメートルの開口部を有するNo. 170 (US) 又は 170 Mesh (Tyler) のふる
いから、2.0ミリメートルの開口部を有するNo. 10 (US) 又は 9 Mesh (Tyler) のふる
いまでを使用できる。
【0021】
例示的実施形態によれば、蝋を例えば蜜蝋とすることができる。また、シェラック、パ
ラフィン、カルナバ、カンデリラ及び/又はポリエチレンワックス等の蝋を使用すること
ができる。例示的実施形態によれば、2つ以上の異なる蝋を組み合わせることができる。
例えば例示的実施形態によれば、例えば約50℃から約70℃までの融解温度を有するよ
うに、2つ以上の蝋を組み合わせることができる。例示的実施形態によれば、蝋をCompri
tol(登録商標)888とすることができる。
【0022】
紙巻タバコ等の喫煙物品を製造する方法の例示的実施形態は、タバコ製造機にタバコ部
(例えばタバコ柱)を形成するカットフィラーを設けるステップと、タバコ柱の周りに巻
取紙を設置してタバコロッド12を形成するステップと、タバコロッドにフィルタ14を
取付けて紙巻タバコ10を形成するステップと、を含む。図1に表すように、フィルタ1
4は、1つ以上の香味料粒子又は香味チャンク50を含むことができ、より好ましくは複
数の香味料粒子又は香味チャンク50を含むことができる。複数の香味料粒子又は香味チ
ャンク50は例えば有利には、単一のビーズよりも大きな表面積をもたらすことができる
【0023】
用語「主流煙」は、タバコロッド12等の紙巻タバコ10を通り、フィルタ端部等を通
って端部から発する気体及び/又はエアロゾールの混合物を含み、例えば紙巻タバコ10
の喫煙中にタバコの口端部から発し又は引き出される煙の総計を含む。主流煙は、紙巻タ
バコ10の加熱される部分及び巻取紙を通って引き出される空気を含む。
【0024】
図1に表されるように、フィルタ14は、第1吸収部材22と、第2吸収部材24と、
第1吸収部材22及び第2吸収部材24の間に設けられる空洞26とを有するフィルタサ
ブアセンブリ16を含み得る。例示的実施形態によれば、例えばある量の活性炭の形態で
ある第3吸収部材28をフィルタサブアセンブリ16の第1側に設けることができ、第4
吸収部材20をフィルタサブアセンブリ16の第2側に設けることができる。第4吸収部
材30も、ある量の活性炭を含むことができ、収着物がフィラメント状トウに分布する。
例示的実施形態では、吸収部材22,24,26及び20を、アセチルセルロースプラグ
を含むフィルタプラグとすることができる。
【0025】
巻紙タバコ10の「喫煙」とは、タバコからのある化学物質を、加熱し、燃焼し又は放
出させることを意味する意図である。一般に、紙巻きタバコの喫煙は、紙巻きタバコの一
端部に点火し、紙巻きタバコに包含されるタバコが燃焼し、熱分解され又は揮発性物質が
蒸留される間に、煙を下流に引き込んで紙巻タバコの口端部を通すことを伴う。しかしな
がら、紙巻タバコを他の方法によって喫煙することもできる。例えば、同一出願人による
米国特許番号第6,053,176号明細書、米国特許番号第5,934,289号明細書、米国特許番号第
5,591,368号明細書又は米国特許番号第5,322,075号明細書で説明される、電気ヒータを用
いて紙巻タバコを加熱することで、紙巻タバコを喫煙することができる。これら文献の開
示内容の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0026】
使用できるタバコ材料の適切な種類は、鉄管乾燥タバコ、バーレー種タバコ、メリーラ
ンドタバコ、オリエンタルタバコ、珍しいタバコ、特産品タバコ及びこれらのブレンド等
を含むが、これらに限定されるものではない。タバコ材料は、タバコのラミナ、体積膨張
タバコ又はふかしタバコ(puffed tobacco)等の加工済みタバコ材料、カットロールドス
テム又はカットパフステム等の加工済みタバコステム、再形成タバコ材料及びこれらのブ
レンド等を含むがこれらに限定されない、任意の適切な形態で提供される。タバコ代用品
も使用できる。
【0027】
伝統的な紙巻タバコ製造では、タバコは普通、カットフィルタの形態、すなわち約1/
10インチ(2.54ミリメートル)~約1/20インチ(1.27ミリメートル)又は
更に約1/40インチ(0.635ミリメートル)の範囲の幅に切断される刻みタバコ又
はストランドの形態で使用される。ストランドの長さの範囲は、約0.25インチ(6.
35ミリメートル)~約3.0インチ(76.2ミリメートル)の間である。紙巻タバコ
は、1つ以上の香味又は他の適切な添加剤(例えば燃焼添加剤、酸化変性剤、着色剤、バ
インダー等)を更に含み得る。
【0028】
フィルタ14のフィルタ材料を、タバコ喫煙フィルタ要素で使用するのに適した種々の
任意の繊維状物質とすることができる。典型的な繊維状物質は、アセチルセルロース、ポ
リプロピレン又は紙を含む。吸収材(又はフィルタ材料)20, 22, 24, 26は好ましくはア
セチルセルロースであろう。
【0029】
1つ以上の香味料粒子を組み込み得る、様々な紙巻タバコフィルタ構成を使用すること
ができる。使用できる例示的フィルタ構造体は、モノフィルタ、デュアルフィルタ、トリ
プルフィルタ、単一又は複数の空洞フィルタ、リセスフィルタ(a recessed filter)、
フリーフローフィルタ及びこれらの組み合わせ等を含むがこれらに限定されるものではな
い。モノフィルタは、典型的にはアセチルセルローストウ又はセルロース紙材を含む。純
粋なモノセルロースフィルタ又は紙フィルタはしばしば、タール及びニコチンを良好に保
持し、分解性が高い。デュアルフィルタは典型的に、アセチルセルロース口端部と、純粋
なセルロース又はアセチルセルロース部分を含む。デュアルフィルタにおける当該部分の
長さ及び圧力低下を、許容できる引出抵抗を維持しながら、最適な収着をもたらすように
調整できる。トリプルフィルタは、口側部分と、喫煙材又はタバコ側部分と、紙を含む中
央部分とを含むことができる。空洞フィルタは、少なくとも1つの空洞で分離される、少
なくとも2つの部分、例えばアセテート-アセテート、アセテート-紙、紙-紙を含む。
リセスフィルタは、開放した空洞を口側に含む。フィルタに風を通すこと、及び/又は、
付加的な収着物、触媒又は紙巻タバコのフィルタに使用するのに適した他の添加剤を含む
こともできる。
【0030】
例示的実施形態によれば、紙巻タバコ10の例示的実施形態のフィルタ14を、上流の
収着物及び下流の香味料粒子とともに構成することができる。活性炭等の収着物を、空洞
に、1つ以上の香味料粒子から離して配置することができる。香味料粒子を、収着物から
間をあけたフィルタの第2部又は部分に配置することができる。このような配置により、
紙巻タバコの濾過作用が収着物によって達成できるとともに、香味が収着物の吸収に影響
されること無しに、又は香味が収着物に吸収されること無しに、香味を紙巻タバコ内に配
置することができる。
【0031】
本明細書で使用される用語「収着」は、吸収による濾過作用及び/又は吸収を示す。収
着は、収着物の外表面における相互作用を含むとともに、収着物の気孔及びチャネル内の
相互作用を含む。言い換えれば、「収着物」は、他の物質の分子をその表面上に凝縮若し
くは保持できる物質、及び/又は、例えば収着物の内部構造若しくは収着物の気孔への浸
透によって、他の物質を吸収できる物質である。本明細書で使用される用語「収着物」は
、吸収物、吸着物又はこれら機能の両方を行うことができる物質を指す。本明細書で使用
される用語「除去する」は、タバコの主流煙の成分の少なくとも一部の吸収及び/又は吸
着を指す。
【0032】
任意の適切な材料を収着物として使用できる一方で、好ましい実施形態では、活性炭収
着物又は細孔物質を含み得る。収着物を、ガス成分をその表面で吸収及び/若しくは吸着
する能力、又はこのような成分をその本体内に同化する能力を有する、任意の材料とする
ことができる。必要に応じて、収着物は触媒材料をその中に組み込むことができる。例と
して、収着物は、活性炭等の炭素、アルミナ、ケイ酸塩、モレキュラシーブ及びゼオライ
トを含み得るがこれらに限定されるものではなく、収着物を単独で使用でき又は組み合わ
せて使用できる。好ましい実施形態では、収着材は活性炭である。
【0033】
活性炭等の細孔物質(例えば細孔収着物)を使用して、タバコ煙からガス成分を濾過し
て取り除くことができる。細孔収着物は、幅又は直径が約20Å(オングストローム)未
満の気孔を持つことができる。細孔物質はタバコ煙を濾過するのに有効となり得る一方で
、細孔物質は、例えばメンソールのような揮発性香味成分を追加する紙巻タバコデザイナ
ーの能力を妨げることがある。特に、細孔収着物は、タバコ製造時から消費者が使用する
までの間に、香味成分を吸収及び/又は吸着し、これにより紙巻タバコの香味成分の効力
を減少させる傾向がある。
【0034】
細孔収着物による吸収/吸着による香味成分の効力の減少に加えて、香味成分が収着物
に移動し、収着物が香味成分を吸収/吸着するときに、更に2つの課題が存在する。例示
的実施形態によれば、香味成分は、収着物に活性部位を持たせて、それにより収着物が煙
から対象気相成分を除去する能力を減少させることができる。また、収着物はしばしば香
味成分を強く吸収/吸着するため、香味成分を十分に開放することができないことがある
。かくして、細孔物質及び香味成分又は他の添加剤の間の分離が望まれる。
【0035】
用語「添加剤」は、紙巻タバコの喫煙時に紙巻タバコの特性を変える任意の材料又は成
分を意味する。任意の適切な添加材料又は材料の組み合わせを、1つ以上の香味料粒子内
に含めて、紙巻タバコ10の特性を変えることができる。このような添加材は、香味、中
和剤及び3-アミノプロピルシリル(APS)のような化学試薬等の他の煙変性剤を含む
ことができる。さらに、添加材は、主流煙の官能特質に影響を及ぼし又は及ぼさず、添加
剤の処理及び添加剤のカプセル化及び紙巻タバコの演出に役立つ、希釈剤、溶媒、又は加
工助剤も含み得る。
【0036】
例示的実施形態では、添加材は、液体香味又は固体香味及び香味調合物又は香味含有材
料等の1つ以上の香味を含むことができる。用語「香味」又は「タバコ香味」は、1つ以
上の香味料粒子内に液体状で解放可能に配置されて、例えば紙巻きタバコによって生み出
される主流煙の風味を高めるのに適した任意の香味化合物又はタバコ抽出物を含み得る。
【0037】
適切な香味又はフレーバリングは、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミ
ント、チョコレート、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリ
ン、エチルバニリン、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル
酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油及びタ
バコ香味を含み得るが、これらに限定されるものではない。他の適切な香味は、酸、アル
コール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、及びこれらの組み合わせ又はこれら
のブレンド等からなる群から選択される香味化合物を含み得る。
【0038】
例えば例示的実施形態によれば、香味料粒子50は、約1重量%から約10重量%の香
味又はフレーバリングと、99重量%から90重量%の蝋とを含むことができ、より好ま
しくは、約2重量%から約5重量%の香味又はフレーバリングと、98重量%から95重
量%の蝋とを含むことができる。例えば例示的実施形態によれば、融解蝋は、5重量%の
香味と、95重量%の蝋とを含む。
【0039】
一実施形態では、添加材は、主流煙の1つ以上の成分に関する化学試薬として役立つこ
とができる。このような添加材は例として、主流煙の1つ以上の成分と相互作用する化学
添加剤を含み得る。例えば、試薬を説明した、同一出願人による米国特許第6,209,547明
細書及び米国特許第6,595,218明細書を参照し、これら両文献の開示内容の全内容を参照
により本明細書に明示的に援用するものとする。
【0040】
フィルタ構造体内の香味料粒子は、特に活性炭を含む紙巻きタバコに対して利点をもた
らす。フィルタ内に活性炭を含む紙巻タバコにおいて、香味料粒子を活性炭下流のフィル
タに設置することで、活性炭が解放された添加剤を吸収し、結果として炭素を不活性化す
ることを実質的に妨げる。したがって、添加材が香味成分である場合、紙巻タバコの保管
中及び喫煙時に、活性炭が香味を吸収することを実質的に妨げる。
【0041】
固体、蒸気又は液体等の添加材をフィルタ内の1つ以上の香味料粒子に組み込むことで
、香味の副流煙への損失を大きく減少させることができ、紙巻タバコの喫煙時に熱分解さ
れる香味料粒子が少なくなり又は無くなる。さらに、フィルタ部分に添加材を含む1つ以
上の香味料粒子を位置付けることで、活性炭は、主流煙から、1,3-ブタジエン、アクロレ
イン及びイソプレン等の揮発性有機成分を除去する能力を含む、紙巻タバコの煙を変える
その能力を維持することができる。
【0042】
本明細書で使用される用語「解放可能に配置する」は、添加材を十分に含み、例えば保
管中に不必要な移動を実質的に妨げ又は最小化するように、添加材を香味料粒子に包含し
解放することを指す。この用語は、例えば香味料粒子が機械的な力によって破壊され又は
開放されるときに、添加材が香味料粒子から解放されるのに十分な流動性の、香味料粒子
内の添加材も含むが、これに限定されるものではない。例えば、香味料粒子を含む紙巻タ
バコフィルタの一部を圧搾する機械的干渉によって、香味料粒子を要求に応じて開放し、
ひいては香味料粒子内から添加材を解放することができる。
【0043】
図2は、一実施形態に従う紙巻タバコフィルタ14の一部の斜視図である。図2に表す
ように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第1吸収材22及び第
2吸収材24の間の空洞26とを含む。第1吸収部材22は一般に、円柱形状であり、第
1端部表面34を定める。第1吸収部材22の第1端部表面34は、紙巻タバコフィルタ
14に関する第1端部38を形成する。第2吸収部材24も一般に、円柱形状であり、第
2端部表面36を定める。第2吸収部材24の第2端部表面36は、紙巻タバコフィルタ
14の第2端部40を形成する。第1吸収部材22及び第2吸収部材24は、その外表面
周りを適切な通常のプラグラップの形態であるカバー30によって囲まれる。
【0044】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50を、第1吸収部材22と第2吸
収部材24との間に設けることができる。例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャ
ンク50は好ましくは、紙巻タバコ10の喫煙中にタバコ煙の特性を変えるために、固体
材料又は液体若しくは蒸気等の流体材料とすることができる解放可能な添加剤を含む。香
味料粒子又はチャンク50が喫煙者による圧搾等の機械的力を受けるときに、香味料粒子
又はチャンク50は添加材の少なくとも一部を解放する。例示的実施形態によれば、香味
料粒子又はチャンク50は好ましくは不規則な形状を有する。
【0045】
例示的実施形態によれば、第1吸収部材22及び第2吸収部材24はアセチルセルロー
スから成る。好ましい実施形態では、香味料粒子又はチャンク50は、第1吸収部材22
と第2吸収部材24との間に設けられる複数の香味料粒子又はチャンク50を含む。
【0046】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50を、単数部分又は複数部分の香
味料粒子又はチャンク50を含む様々な物理的調合物で形成することができる。小さな香
味料粒子を設ける場合に、香味料粒子50を紙巻タバコのフィルタ部分に分散配置して提
供することができ、又はフィルタ14内の1つ以上の空洞26,27に提供することがで
きる。
【0047】
紙巻タバコ10の香味料粒子又はチャンク50の添加材を機械的干渉によって要求に応
じて解放するときに、添加材は香味料粒子から解放される。主流煙は、タバコロッド12
から第2吸収部材24を通り、その後第1吸収部材22を通って流れることができる。希
釈空気は、スチームセットアセチルセルロース環状層32又はオーバーラップを通って流
れることができる。希釈孔を使用すること等によりアセチルセルロース濾過性能を調節す
ることで、2つの流れを調整することができる。香味料粒子は、フィルタ14内に活性炭
を含む紙巻タバコとともに使用するのに適切となり得る。香味料粒子又はチャンク50は
、香味成分を含むことができ、主流煙の選択的濾過を促進し紙巻タバコ10の喫煙前にも
解放される成分も含むことができる。
【0048】
第1吸収部材22及び第2吸収部材24のサイズ、密度及び組成を調節して、様々な希
釈のレベル、流れ及び送り出しに対する様々な抵抗のレベルを達成することができる。
【0049】
香味料粒子又はチャンク50から包含される添加材を解放するために、機械的作用等の
外力を加えることができる。外力を加える1つの好適な方法は、紙巻タバコの喫煙前又は
喫煙中に、香味料粒子を含むフィルタをユーザが圧搾し又はフィルタに外力を及ぼすこと
であろう。好ましくは圧搾作用又は外力の使用により、香味料粒子50が破壊され、又は
主要リザーバが少なくとも部分的に変形し、次に、決まった場所に機械的にロックされ又
は封止された香味料粒子又は内部要素を変位させるであろう。その後、この変位によって
、内部要素間に1つ以上のオープンスペースが生み出されるであろう。添加材の少なくと
も一部は香味料粒子50から解放されて当該オープンスペースを通ることができ、例えば
液体及び/又は蒸気が香味料粒子50から解放されてフィルタを通過するタバコ煙を変え
ることができる。作用力の方向を、紙巻タバコ軸線に沿う方向、又は紙巻タバコ軸線と交
差する方向とすることができる。ねじり力を加えることもできる。挟持装置、チューブ圧
搾装置、ピンセット又はねじり力又は圧縮力を加える他の任意の装置等の外部装置を用い
て、定められたフィルタ位置に力を繰り返し集中させることもできる。
【0050】
例示的実施形態によれば、本明細書で開示する香味料粒子50を、かぎたばこ及び/又
はスヌースといった湿性無煙タバコ製品等の経口で楽しむ植物材料と組み合わせることが
できる。例えば、かぎたばこ及び/又はスヌースといった湿性無煙タバコ製品のあるユー
ザは、苦さ、渋み、苦み、えぐい味及び/又は後味と関連する、あるネガティブな香味特
性を認めるときがある。したがって、本明細書で開示する香味料粒子又はチャンク50を
、湿性無煙タバコ又はスヌース製品に設置することができ、機械的干渉によって香味料を
解放できる。
【0051】
紙巻タバコの形態である好ましい喫煙物品10は、フィルタ14に一体的に取付けられ
るタバコロッド12を含むことができ、ここでフィルタ14は、紙巻タバコの煙の特性を
変える添加材を含む少なくとも1つの香味料粒子又はチャンク50を含むことができる。
【0052】
好ましくは、フィルタ14は、例えばフィルタ材を有する収着材の下流に設置される1
つ以上の香味料粒子50とともに配置される。フィルタ材は例えば、例えば1つ以上の香
味料粒子50と収着材との間の、又は1つ以上の香味料粒子50を有するフィルタの口端
部に存在するアセチルセルロースのプラグ22,24である。1つ以上の香味料粒子50
は、フィルタの口端部間、又はフィルタとフィルタの口端部との間に設置される。
【0053】
香味料粒子又はチャンク50を、紙巻タバコ等の喫煙物品で又は湿性無煙タバコ製品に
対して使用するのに適した任意のサイズとすることができる。香味料粒子又はチャンク5
0のサイズを、例えば0.1ミリメートルから0.5ミリメートル、0.1ミリメートルから1.0ミ
リメートル、0.1ミリメートルから2.0ミリメートル及び0.1ミリメートルから2.0ミリメー
トル超までとすることができる。伝統的な紙巻タバコに関して、複数の香味料粒子50の
それぞれは、好ましくは例えば約0.1ミリメートルから1.0ミリメートルの直径、より好ま
しくは例えば約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルの直径を有する。
【0054】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50は、疎水性とすることができる
、ハッカ油、メンソール又は上述した他の添加剤等の香味コアを含むことができる。
【0055】
図3は、一実施形態に従う喫煙物品10に関し、香味料粒子50のマトリックスを有す
るフィルタ14の斜視図である。図3に表すように、フィルタは、第1吸収材22を含み
、複数の香味料粒子又はチャンク50が第1吸収材22に埋め込まれている。
【0056】
図4は、一実施形態に従う喫煙物品10に関するフィルタ14の斜視図である。図4
表すように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第3吸収材23と
、第1吸収材22及び第2吸収材24の間の空洞(第1空洞)26と、第2吸収材24及
び第3吸収材23の間の第2空洞27とを含む。第3吸収材23は、第1空洞26と第2
空洞27との間に存在する。第1吸収部材22、第2吸収部材24及び第3吸収部材23
、並びに第1空洞26及び第2空洞27は、その外表面周りを適切な通常のプラグラップ
の形態であるカバー30によって囲まれ得る。
【0057】
例示的実施形態によれば、第1空洞26及び第2空洞27を、1つ以上の香味料粒子5
0で少なくとも部分的に充填することができる。第1空洞26及び第2空洞27内の香味
料粒子又はチャンク50を、同じ若しくは異なる香味料とすることができ、同じサイズ若
しくは異なるサイズの香味料粒子とすることができ、及び/又はこれらの組み合わせとす
ることができる。
【0058】
例示的実施形態によれば、香味料粒子(又はチャンク)50のそれぞれは、紙巻タバコ
10の喫煙中にタバコ煙の特性を変える固体材料、又は液体若しくは蒸気等の流体材料と
することができる、解放可能な添加剤を含む。例えば喫煙者が圧搾することによって香味
料粒子又はチャンク50が機械的力を受けるときに、香味料粒子又はチャンク50は、添
加材の少なくとも一部を解放する。
【0059】
図5は、例示的実施形態に従う喫煙物品10に関するフィルタ14の斜視図である。図
5に表すように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第1吸収材2
2及び第2吸収材24の間の空洞26とを含む。例示的実施形態によれば、空洞26は複
数の香味料粒子(又はチャンク)50で充填される。
【0060】
図6は、例示的実施形態に従う香味料粒子の製造方法を示す。図6に表されるように、
本方法は、食品用蝋100及び香味料110を融解して融解蝋120とするステップを含
む。その後、融解蝋120を凝固させ破砕して香味料粒子50にする。あるいは、例示的
実施形態では、融解蝋120を噴霧冷却して固体香味料粒子50にすることができる。
【0061】
本開示では特定の実施形態に関して詳細に説明したが、当業者は添付の特許請求の範囲
の範囲から逸脱すること無く、様々な変形及び変更を行うことができ、説明した実施形態
の均等物を利用することができることが明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気加熱されるタバコ製品に対して消費可能なタバコの製造方法であり、
食品用蝋及び香味料を融解して、50℃から70℃の範囲の融解温度を有する融解蝋とする融解ステップと、
前記融解蝋から固体香味料粒子を準備する準備ステップと、
前記固体香味料粒子の少なくとも一部をタバコと結合することで、前記消費可能なタバコを形成する形成ステップと、
を含む、製造方法。
【請求項2】
前記準備ステップは、前記融解蝋を凝固させて凝固した蝋を形成する凝固ステップと、前記凝固した蝋を破砕して前記固体香味料粒子とする破砕ステップと、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記形成ステップの前に、前記固体香味料粒子にふるいを通過させるステップと、0.1ミリメートルから2ミリメートルの範囲の範囲のサイズを有する前記固体香味料粒子を集めて、前記タバコと結合する前記固体香味料粒子の前記一部を得るステップとを更に含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項4】
前記準備ステップは、前記融解蝋を噴霧冷却して前記固体香味料粒子とする噴霧冷却ステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記噴霧冷却ステップは、前記固体香味料粒子のサイズを、0.1ミリメートルから2ミリメートル範囲に制御することを含む請求項4に記載の製造方法
【請求項6】
前記噴霧冷却ステップは、前記融解蝋を、0℃から15℃の範囲の温度を有する空気チャンバ内に注入することを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記固体香味料粒子は、溶解することによって香味料の少なくとも一部を放出するように構成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
味料は、メンソール、ペパーミント、スペアミント、チョコレート、リコリス、柑橘類、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、シナモン、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット、ゼラニウム、レモン、ジンジャー、タバコ又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記香味料は、メンソールを含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記食品用蝋は、蜜蝋、パラフィン、カルナバ、カンデリラ、ポリエチレンワックス又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記固体香味料粒子は、1重量%から10重量%の範囲の量の香味料を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記固体香味料粒子は、2重量%から5重量%の範囲の量の前記香味料を含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記固体香味料粒子は、90重量%から99重量%の範囲の量の前記食品用蝋を含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記固体香味料粒子は、95重量%から98重量%の範囲の量の前記食品用蝋を含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記食品用蝋は、第1食品用蝋と、前記第1食品用蝋とは異なる第2食品用蝋と、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記固体香味料粒子の一部は、第1粒子サイズを有する第1部分と、前記第1粒子サイズとは異なる第2粒子サイズを有する第2部分と、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
前記形成ステップの前に、前記固体香味料粒子を、流動層コーティング、パンコーティング、又は流動層コーティング及びパンコーティングの両方によってコーティングするコーティングステップを更に含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項18】
前記タバコは、1/40インチ~1/10インチの範囲の幅を有する複数の刻みタバコを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項19】
前記タバコは、0.25インチ~3インチの範囲の長さを有する複数の刻みタバコを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項20】
前記消費可能なタバコはタバコロッドであり、
前記タバコロッドは、前記タバコと、前記固体香味料粒子の前記一部と、前記タバコ及び前記固体香味料粒子の前記一部を囲むチップペーパと、を含む、請求項1に記載の製造方法。

【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気加熱されるタバコ製品に対して消費可能なタバコの製造方法であり、
食品用蝋及び香味料を融解して、50℃から70℃の範囲の融解温度を有する融解蝋とする融解ステップと、
前記融解蝋から固体香味料粒子を準備する準備ステップと、
前記固体香味料粒子の少なくとも一部をタバコと結合することで、前記消費可能なタバコを形成する形成ステップと、
を含む、製造方法。
【請求項2】
前記準備ステップは、前記融解蝋を凝固させて凝固した蝋を形成する凝固ステップと、前記凝固した蝋を破砕して前記固体香味料粒子とする破砕ステップと、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記形成ステップの前に、前記固体香味料粒子にふるいを通過させるステップと、0.1ミリメートルから2ミリメートルの範囲のサイズを有する前記固体香味料粒子を集めて、前記タバコと結合する前記固体香味料粒子の前記一部を得るステップとを更に含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項4】
前記準備ステップは、前記融解蝋を噴霧冷却して前記固体香味料粒子とする噴霧冷却ステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記噴霧冷却ステップは、前記固体香味料粒子のサイズを、0.1ミリメートルから2ミリメートル範囲に制御することを含む請求項4に記載の製造方法
【請求項6】
前記噴霧冷却ステップは、前記融解蝋を、0℃から15℃の範囲の温度を有する空気チャンバ内に注入することを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記固体香味料粒子は、溶解することによって香味料の少なくとも一部を放出するように構成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
味料は、メンソール、ペパーミント、スペアミント、チョコレート、リコリス、柑橘類、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、シナモン、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット、ゼラニウム、レモン、ジンジャー、タバコ又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記香味料は、メンソールを含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記食品用蝋は、蜜蝋、パラフィン、カルナバ、カンデリラ、ポリエチレンワックス又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記固体香味料粒子は、1重量%から10重量%の範囲の量の香味料を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記固体香味料粒子は、2重量%から5重量%の範囲の量の前記香味料を含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記固体香味料粒子は、90重量%から99重量%の範囲の量の前記食品用蝋を含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記固体香味料粒子は、95重量%から98重量%の範囲の量の前記食品用蝋を含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記食品用蝋は、第1食品用蝋と、前記第1食品用蝋とは異なる第2食品用蝋と、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
前記固体香味料粒子の一部は、第1粒子サイズを有する第1部分と、前記第1粒子サイズとは異なる第2粒子サイズを有する第2部分と、を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
前記形成ステップの前に、前記固体香味料粒子を、流動層コーティング、パンコーティング、又は流動層コーティング及びパンコーティングの両方によってコーティングするコーティングステップを更に含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項18】
前記タバコは、1/40インチ~1/10インチの範囲の幅を有する複数の刻みタバコを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項19】
前記タバコは、0.25インチ~3インチの範囲の長さを有する複数の刻みタバコを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項20】
前記消費可能なタバコはタバコロッドであり、
前記タバコロッドは、前記タバコと、前記固体香味料粒子の前記一部と、前記タバコ及び前記固体香味料粒子の前記一部を囲むチップペーパと、を含む、請求項1に記載の製造方法。

【外国語明細書】