(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033947
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】子宮マニピュレーター
(51)【国際特許分類】
A61B 17/42 20060101AFI20220222BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20220222BHJP
【FI】
A61B17/42
A61M25/10 500
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200537
(22)【出願日】2021-12-10
(62)【分割の表示】P 2020543906の分割
【原出願日】2019-01-22
(31)【優先権主張番号】15/899,427
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー シャオ
(72)【発明者】
【氏名】オコニエフスキー グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ホルブルックス アシュリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科手技および診断手技における子宮および子宮頸部の操作のための装置および方法を提供する。
【解決手段】子宮マニピュレーター装置100は、近位端および遠位端を有する細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する子宮頸部カップ23と、細長いカニューレ状管上に子宮頸部カップから近位に位置付けられた、少なくとも一つの一次リブおよび少なくとも二つの二次リブを有する本体を有する閉鎖栓を含み、少なくとも一つの二次リブの直径が一次リブの直径よりも小さい、閉鎖栓組立品19とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端および遠位端を含む細長いカニューレ状管と、
前記細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、
近位端および前記細長いカニューレ状管上の前記子宮頸部カップから近位に位置付けられた遠位端を有する閉鎖栓を含む閉鎖栓組立品であって、前記閉鎖栓が、少なくとも一つの一次リブおよび少なくとも二つの二次リブを有する本体を有し、少なくとも一つの二次リブの直径が前記一次リブの直径よりも小さい、閉鎖栓組立品と、を備える、子宮マニピュレーター装置。
【請求項2】
前記閉鎖栓の少なくとも一部分が、前記二次リブの一つから前記閉鎖栓の前記遠位端に延びるテーパーを有する円錐形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記閉鎖栓が、前記二次リブの一つが前記一次リブの近位に位置付けられ、前記二次リブの一つが前記一次リブの遠位に位置付けられるように楕円形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記閉鎖栓が連続気泡フォームから構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記閉鎖栓の前記本体が、前記本体の残りの部分とは異なる密度を有する外側表皮層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記外側表皮層が第一のガス透過性を、前記本体の前記残りの部分が第二のガス透過性を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記閉鎖栓組立品が、前記閉鎖栓の近位側および遠位側のうちの少なくとも一つの上に抗閉鎖栓移動特徴をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記閉鎖栓組立品が、前記閉鎖栓の前記本体内に位置付けられ、最小直径を有する前記リブの50%以下の直径を有する溝をさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記閉鎖栓組立品が、前記閉鎖栓の前記本体内に位置付けられ、前記最小直径を有する前記リブの25%以下の直径を有する溝をさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記閉鎖栓組立品が、前記細長いカニューレ状管上の前記閉鎖栓から近位に位置付けられたロック組立品をさらに含み、前記ロック組立品が、前記子宮頸部カップおよび前記閉鎖栓を前記細長いカニューレ状管上に沿った少なくとも一つの方向の移動からロックするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ロック組立品が、カラー内にロックされるように構成された複数のねじ山を有する蝶ネジを含み、少なくとも一つのねじ山がその他のねじ山と比較して変形している、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記カラーがナイロンから構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端および遠位端を含む細長いカニューレ状管であって、レーザーで印を付けられた基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管の外側表面に沿って位置付けられる、細長いカ
ニューレ状管と、
前記細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、
前記細長いカニューレ状管上の前記子宮頸部カップから近位に位置付けられた本体を有する閉鎖栓を含む閉鎖栓組立品と、備える、子宮マニピュレーター装置。
【請求項14】
前記レーザーで印を付けられた基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管の前記近位端と前記遠位端との間の位置から、前記細長いカニューレ状管に沿って近位および遠位の両方に延びる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記基準目盛りが、355nmの波長を放射するUVレーザーによってレーザーで印を付けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管上に位置付けられたアクリル酸ポリオレフィン層上にレーザーで印を付けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端および遠位端を含む細長いカニューレ状管と、
前記細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、
近位端および遠位端を含み、前記細長いカニューレ状管の前記遠位端上に位置付けられた子宮内バルーンであって、前記子宮内バルーンの前記近位端および前記遠位端が熱収縮材料によって前記細長いカニューレ状管に固定される、子宮内バルーンと、を備える、子宮マニピュレーター装置。
【請求項18】
前記細長いカニューレ状管の前記近位端上に位置付けられたハンドルをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハンドルを通して位置付けられ、前記細長いカニューレ状管のガス通路内腔に連通可能に結合される膨張弁をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記細長いカニューレ状管と前記子宮内バルーンとの間に位置付けられ、前記ガス通路内腔に連通可能に接続される密封された空洞をさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ハンドルを通って位置付けられ、前記細長いカニューレ状管および前記細長いカニューレ状管の前記遠位端上に位置付けられたキャップに連通可能に結合される染料注入ポートをさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記細長いカニューレ状管が、前記キャップを前記細長いカニューレ状管に固定するように構成された機械的保持特徴をさらに含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ハンドル内にあり、適用された力を一方向のみに方向付ける正方形のキー特徴をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記子宮内バルーンが、熱可塑性エラストマーから構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
前記キャップが、近位端および遠位端、およびそれらを通る少なくとも一つのチャネルを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つのチャネルが、前記キャップの側面を通して、前記キャップの前記近位端から前記遠位端に延びる、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも一つのチャネルが、前記キャプ内の中央に位置付けられ、前記キャップの前記遠位端と前記近位端との間に延びる、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも一つのチャネルが少なくとも一つの追加的なチャネルに分岐する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
外側表面を有する細長いカニューレ状管を備える子宮マニピュレーター装置の製造方法であって、
熱収縮の層を前記細長いカニューレ状管の前記外側表面に適用するステップと、
前記細長いカニューレ状管上の前記熱収縮の外側表面に沿ってレーザーマーク基準目盛りを適用するステップと、を含む、方法。
【請求項30】
前記レーザーマーク基準目盛りが、355nmの波長を放射するUVレーザーを使用して適用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記熱収縮層がアクリル酸ポリオレフィン層を含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月20日に出願された米国優先出願番号第15/899427号「UTERINE MANIPULATOR」に関し、その優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本開示は一般に、外科手技および診断手技における子宮および子宮頸部の操作のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な従来的な形態の子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタが公知である。例えば、米国特許第5,209,754号は、概して、半分長の湾曲した外側シャフト(後方の骨盤の湾曲に対応する)およびハンドルに接続された直線状の近位の半分と、外部キャップ内に位置付けられた内部キャップおよび外側管の遠位端に配置された円形ディスクと、外側管および円形ディスクを通して位置付けられた内側プラスチック管とからなり、内部キャップおよび外部キャップ(従来的な装置の一つの子宮頚部カップを含み得る)が遠位端にバルーンを有する、膣頚部レトラクタについて記載する。膣頚部レトラクタは、様々な医療診断および腹腔鏡手技中に、気腹を維持しながら子宮を操作および可視化するために使用される。このような診断および手技は、腹腔鏡下子宮全摘出術、腹腔鏡下子宮部分摘出術、膣切開術を含む。膣頚部レトラクタが、腹腔鏡下子宮全摘出術中に、例えば、部分的に、子宮内腔内に、バルーンを位置付けて膨張させ、内部カップに膣円蓋を捕捉し、適切にディスクを位置付けることにより気腹を維持することによって子宮を操作する間、腹腔鏡を、患者の腹部の壁に外科的に形成された切開部を通して挿入することができ、腹腔と子宮の視覚化を可能にして、子宮摘出術を支援する。その他の従来的な形態の子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタが存在し、類似の特徴を含んでいる。
【0004】
しかしながら、一部の従来的な子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタは、特定の医療手技(上述したような)の間に、気腹を十分に維持するための機構または構造構成を含まない。さらに、一部の従来的な子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタは、内側管またはマニピュレーター管の遠位端にバルーンを十分に適合させて保持するための構成を含まない。実際、このような従来的な子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタのバルーンは、組み立て中に一か所に集まることが多く、特定の医療手技の間の特定の潜在的な安全性および減菌の欠如の懸念を暗示する。さらに、従来的な子宮マニピュレーターおよび膣頚部レトラクタは、バルーン内のスリットを通る以外に染料を通過させる機構を含まず、ガスの代わりに生理食塩水を使用してバルーンを膨張させる。
【0005】
従って、従来的な装置のこれらおよびその他の欠点に対処するための機構または構造構成を含む、外科手技および診断手技における子宮および子宮頸部の操作のための改善された装置および方法のための技術分野におけるニーズがある。
【0006】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの背景技術セクションの説明またはこの出願の他の場所で議論されている限り、これらの議論は議論された特許/刊行物/製品は特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、議論された特許/刊行物/製品の一部または全ては、十分早期でない場合があり、十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、および/または特許法の目的のために先行技術に相当するほど、十分に可能ではない場合がある。特定の特許/刊行物/製品が、この背景技術セクションの説明および/または出願全体を通し
て上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、従来的な装置における様々な問題(本明細書に以下に記載するように)を克服する、外科手技および診断手技における子宮および子宮頸部の操作のための発明の装置および方法を対象とする。本明細書の実施形態の使用の非限定的な特定の目的は、腹腔鏡下膣式子宮全摘術(LAVH)、全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)、minilap、腹腔鏡下卵管閉塞術または診断的腹腔鏡検査(および、この開示に関連して当業者に理解されるべきその他の同様の手技)などの腹腔鏡手技の間の子宮および液体またはガス注入の操作のための装置、および、このような手技の間、膣を密封することにより気腹を維持するための装置を提供することである。簡潔に述べると、実施形態の子宮マニピュレーター装置は、外科手術ランドマークの明確な視認性、および骨盤壁からの安全な手術マージンを最大化する子宮の優れた移動性を作り出すことにより、医療従事者が骨盤腔内のキー外科手術標的により簡単にアクセスすることを可能にする。装置は、尿管から離して子宮頚部を移動させ、膀胱を前方に移動させ、膣切開の解剖面を画定し、そして切開手術の間の気腹の減少を防ぐように構造化および/または構成され得る(上述のように)。出願人は、医療従事者にとって、一貫した、予測可能かつ繰り返し可能な手技を実施するにあたり、強い信頼を持ってこのような手技にアプローチできることができることが有益であろうと認識し理解している。
【0008】
概して、一態様では、子宮マニピュレーター装置は、遠位端および近位端を含む細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、細長いカニューレ状管上の子宮頸部カップから近位に位置付けられた、少なくとも一つの一次リブおよび少なくとも二つの二次リブを有する本体を有する閉鎖栓を含み、少なくとも一つの二次リブの直径が一次リブの直径とは異なる、閉鎖栓組立品とを含む。
【0009】
別の態様によれば、子宮マニピュレーター装置は、遠位端および近位端を含む細長いカニューレ状管であって、レーザーで印を付けられた基準目盛りが、細長いカニューレ状管の外側表面に沿って位置付けられる、細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状の管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、細長いカニューレ状管上の子宮頸部カップから近位に位置付けられた本体を有する閉鎖栓を含む閉鎖栓組立品とを含む。
【0010】
さらなる態様によれば、子宮マニピュレーター装置は、遠位端および近位端を含む細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する子宮頸部カップと、遠位端および近位端を含み、細長いカニューレ状管の遠位端上に位置付けられた子宮内バルーンであって、遠位端および近位端が熱収縮材料によって細長いカニューレ状管に固定される、子宮内バルーンとを含む。
【0011】
本開示の目的で本明細書で使用される場合、「遠位」および「近位」という用語は、装置を使用する医療従事者の視点からの装置の実施形態の位置を説明するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の典型的な実施形態のみを示しており、従って、開示された主題は他の同等に有効な実施形態を認め得るため、その範囲を限定する
ものと見なされるべきではない。
【0013】
ここで添付図面を簡単に参照する。
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態による、完全に組み立てられた子宮マニピュレーター装置の上面斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態による、
図1のA---Aに沿った子宮マニピュレーター装置の子宮頸部カップの概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置の閉鎖栓の側面斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置の閉鎖栓の概略断面側面図である。
【
図3C】
図3Cは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置の閉鎖栓の概略断面図である。
【
図3D】
図3Dは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置の斜視図である。
【
図3E】
図3Eは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置の側面図である。
【
図3F】
図3Fは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置の閉鎖栓組立品の側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態による、子宮マニピュレーター装置のロック組立品の拡大正面図である。
【
図5】
図5は、実施形態による、蝶ネジが取り除かれた子宮マニピュレーター装置のロック組立品の拡大正面図である。
【
図6A】
図6Aは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置の最遠位部分の概略断面図である。
【
図6B】
図6Bは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置の最遠位部分の上面図である。
【
図6C】
図6Cは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置の最遠位部分の分解図である。
【
図6D】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6E】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6F】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6G】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6H】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6I】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6J】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6K】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6L】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6M】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6N】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6O】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6P】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6Q】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6R】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6S】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6T】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6U】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6V】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図6W】
図6D~6Wは、代替的な実施形態による、子宮マニピュレーター装置のキャップの代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)である。
【
図7】
図7は、実施形態による、バルーンが取り除かれた子宮マニピュレーター装置の最遠位部分の拡大概略図である。
【
図8】
図8は、実施形態による、閉鎖栓が取り除かれた子宮マニピュレーター装置の上部側面斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置のハンドルの概略断面図である。
【
図9B】
図9Bは、実施形態による、子宮マニピュレーター装置のハンドルの拡大斜視断面図である。
【0015】
該当する場合、同一の参照文字は、別段の表示がない限り、いくつかの図を通して同一
または対応する構成要素および単位を指し、正確な縮尺ではない。さらに、本明細書に開示される実施形態は、いくつかの図のうちの一つまたは複数、または、いくつかの図を組み合わせて生じる要素を含みうる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一実施形態における、子宮マニピュレーター装置100の概略図である、
図1を参照する。子宮マニピュレーター装置100は、(近位端1から遠位端3にかけて)ハンドル5と、ハンドル5内に位置付けられた(好ましくは、近位端を通り、子宮内バルーン25に連通可能に結合される)染料注入ポート7と、シリンジ(例えば、10ccのシリンジ、図示せず)が取り付けられ、パイロットバルーン11がハンドル5に取り付けられる(好ましくは、遠位端を通して)膨張弁9(子宮内バルーン25に連通可能に結合される)と、カニューレ状マニピュレーター管13とを含み得る。カニューレ状マニピュレーター管13は、後傾した子宮および前傾した子宮両方の操作のため、および近位端における子宮の適切な姿勢を維持するために、装置100を容易に導入するためにその遠位端では湾曲し、その近位端では直線状である。カニューレ状マニピュレーター管13は、ハンドル5(好ましくはハンドル5の遠位端で)および染料注入ポート7、膨張バルブ9、およびハンドル5を通してパイロットバルーン11に接続される。マニピュレーター管13は、仙骨曲線の角度と解剖学的に適合し、子宮の操作を容易にすることを可能とするように構成される。滑らかであり(図示するように)、全体としてユーザーの手に適合する、または四本の指全てを一方の側、親指を反対側に位置付けることを提供する、ハンドル5(複数の隆起部分などのグリップ/滑らかでない表面、または本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるその他の滑らかでない表面構造を含み得る)により、子宮を上方、下方、側方へと簡単に操作することが可能となる。
【0017】
子宮マニピュレーター装置100は、マニピュレーター管13上に位置付けられて、子宮の操作、および子宮頸部の収縮および昇降を提供する、操作/昇降機構のシステムを組み込む。これらの機構は、子宮頸部カップ23と、閉鎖栓19を含む閉鎖栓組立品18と、ステム55と、ロック組立品39とを含んでもよく、それぞれが、マニピュレーター管13に沿った移動およびマニピュレーター管13上の位置付けを容易にする、それを通る穴を含む(閉鎖栓組立品18および子宮頸部カップ23は、定位置でロックおよびアンロックされることができ、
図4~
図5に関して以下により詳細に示して説明するように、ロック組立品39の使用毎にマニピュレーター管13上を近位に移動することが防止される)。子宮頸部カップ23は、マニピュレーター管13の遠位端上にこれに隣接して位置付けられ、子宮頸部カップ23の側面を通して位置付けられた縫合のための部位/穴を含み得る。子宮頚部カップ23は、様々な容積および直径を含むことができ、その例を以下の表1に示す。
【0018】
【0019】
一実施形態における、
図1のA---Aに沿った子宮頸部カップ23の概略図である図
2を参照する。図示するように、子宮頸部カップ23は第一の直径を有する上部遠位部分から、周辺部87を有する中央穴85を含む、より小さい第二の直径を有する底部近位部分に先細りしている。周辺部は、近位端87Bにおいて面取り/長軸方向軸Aから離れるように角度付けられてもよく、遠位端87Aにおいて直線状/長軸方向軸Aに対して角度付けられていなくてもよい(角度付けは反対であってもよい)。周辺部の面取りは、マニピュレーター管13に沿った子宮頸部カップ23の移動を助ける。直線状/角度付けされていない周辺部は、マニピュレーター管13上の子宮頸部カップ23の保持力の増大と、マニピュレーター管13からのカップの分離の防止を助ける。さらに、穴85の直径は減少させ得る(2.15cmから2.05cm)。直線状/角度付けされていない周辺部、および穴85の直径の狭窄の組み合わせにより、マニピュレーター管13上の子宮頸部カップ23の保持力が著しく増大する。
【0020】
次に
図3Aを参照すると、それを通して位置付けられたマニピュレーター管13と共に閉鎖栓19およびステム55の例示的な実施形態の側面図が示される。閉鎖栓19の目的は、ガス(例えば、注入ガス)を露出した空洞内に保ち、空洞内のガス注入を維持することである。よって、閉鎖栓19は、比較的小さく(例えば、2.6’’を下回る直径)、挿入および取り外しが容易であり、ガスに対して不透過性であることが好ましい。一実施形態では、閉鎖栓19は、「表皮」層28(すなわち、外層)を有する連続気泡フォームから構成されてもよく、これにより、閉鎖栓19を適切な位置付けに対して容易に圧縮可能とすることができ、子宮マニピュレーターの使用中に適切に位置付けられた後にそのオリジナルの形状に戻るよう膨張するが(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)、連続気泡フォームを通した漏れを防止するようにも構成される。一実施形態では、内側連続気泡フォームおよび外層は、同一の材料から構成されてもよい。しかしながら、代替的に、外側表皮層は、異なる材料および/または密度(例えば、高密度)を有してもよく、および/または内側連続気泡フォームとは透過性が異なる領域であってもよい。例えば、閉鎖栓19の調製のためのモールドの温度を変化させることにより、厚くてより高密度な外側表皮層を提供し、外側表皮層の不透過性(多孔性としてではなく)の増大をもたらし得る。
【0021】
さらに
図3Aを参照すると、閉鎖栓19は楕円形状であり、複数の隆起(または「リブ」)を含む。図示した実施形態では、最大直径を有する一次リブ27は、閉鎖栓19のほぼ中心に位置付けられ、二次リブ29は、最遠位の二次リブ31および最近位の二次リブ33が最小直径を有するように、中心から離れるよう先細りにいずれかの側に位置付けられる(本質的に対称的な設計を形成する)。この対称的な設計は、閉鎖栓19の挿入および取り外しを容易にする一方、なおも閉鎖栓の本質的なブロック/閉鎖機能を実施する。代替的な実施形態では、一次リブ27のいずれかの側のすべての二次リブ29は、より小さく、および/またはおよそ同一の直径を有して等しくサイズ設定される。記載の実施形態では、二次リブ29は、一次リブ27の密封能力を妨げず、最良の閉鎖を可能にするよう構成されている。従来的な密封機構は対称的ではなく、通常は全体的に滑らかであり(すなわち、リブまたは隆起を欠く)、リブを有さずに先細りであり得る。
【0022】
ここで
図3Bを参照すると、閉鎖栓19はまた、遠位方向および近位方向におけるステム55に対する閉鎖栓19の移動を防ぐように構成された、その遠位側および/または近位側にある抗閉鎖栓移動特徴を含み得る。図示の実施形態では、抗移動特徴は「バーベル」特徴35である。閉鎖栓19の遠位端および近位端上のバーベル特徴35は、硬質プラスチックで構成され、それらの間に連続気泡フォームを維持するように構造される。閉鎖栓19はまた、一連の内部溝37を含んでもよく、これは、閉鎖栓19の最小リブ直径の50%以下の直径を有してもよく、閉鎖栓19の最小のリブ直径の25%以下の直径を有することが好ましい。内部溝37のサイズは、閉鎖栓19の圧縮性を助ける一方、閉鎖栓19の移動も防止する(上記のように)。バーベル特徴35は、閉鎖栓19がその中心軸
を中心に回転することを可能にする一方、内部溝37は、閉鎖栓19が追加的な構造特徴を有して、または有さずに、自由に移動することを防止するように構成され得る(ただし、構成される必要はない。内部溝37はまた、閉鎖栓19の自由回転を防止する構造特徴を有し得る。
【0023】
図3Cを参照すると、代替的な実施形態による、閉鎖栓19’の概略断面図が示されている。閉鎖栓19’は、本明細書に記述した特定の機能を実施するために、閉鎖栓19とは異なる形状である。例えば、前方/遠位先端セクション91は、円錐形状であり、遠位端で狭く、二次リブ29’の近くの近位端で広い/厚くて、解剖学的構造の自然拡張を可能にする(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)。一次リブ27’は二つの小さな二次リブ29’と29’との間の中央にある。二つ以上あり得る二次リブ29’、29’のそれぞれは、一つ以上のその他の二次リブ29’とは同一の厚さまたは異なる厚さのものとし得る。一次リブ27’は各二次リブ29’、29’から離間しており、一次リブ27’を挿入中に近位に、または取り外し時に遠位に少なくとも部分的に折り畳むことを可能にしている。一次リブ27’は、二次リブ29’、29’と比較して直径/厚さが大きい。一次リブ27’のいずれかの側に存在するこれらの二次リブ29’、29’は、一次リブ27’が漏れる、あるいは必要な通りに完全には作動しない場合に、追加的な密封能力を提供するように構成および構造される。しかしながら、二次リブ29’、29’はまた、二次リブ29’、29’が、一次リブ27’が完全に下方に折り畳まれ(プロップとしても作用する)、故に一次リブ27’が効果的でなくなることを防止するように構成および構造されるように、追加的な支持を一次リブ27’に提供するように構成される。
【0024】
図3Dを参照すると、代替的な実施形態による、完全に組み立てられた子宮マニピュレーター装置100’の斜視図が示されている。
図3Eは、代替的な実施形態による、完全に組み立てられた子宮マニピュレーター装置100’の側面斜視図であり、
図3Fは、閉鎖栓19’を含む閉鎖栓組立品18’の側面斜視図である。子宮マニピュレーター装置100’は、上述の閉鎖栓19’を含む。子宮マニピュレーター装置100’のその他すべての要素は、子宮マニピュレーター装置100と同一または類似している。
【0025】
ここで
図4を参照すると、ロック組立品39の拡大正面図が示されている。閉鎖栓19が、ガスが露出した空洞から抜けることをブロックするための所望の位置になると(本開示のレビューと併せて、当業者に理解されるべきである)、閉鎖栓19は所定位置にロックされるべきである(これはまた、子宮頸部カップ23の近位移動を防止する)。図示した実施形態では、ロック組立品39は、マニピュレーター管13に沿った所望の位置に閉鎖栓19を固定するための、蝶ネジ41をカラー43内に含む。従来的なねじでは、ユーザーは、ねじがカラー内のどれだけの深さにあるか分からないため、ねじを緩めるときにねじがしばしば外に落ちる。ねじを損失するリスクなくねじを締める、および緩めることを可能にするために、図示する実施形態の蝶ネジ41は変形して図示されている。示される蝶ネジ41は、最後の二つのねじ山45、47までの垂直な特徴を有する。中間ねじ山51は、ほぼ等距離に離間している。しかしながら、最後のねじ山47は、最後の二つのねじ山45と47との間に事実上ピッチがないように、過度にトルクが与えられている。最後の二つのねじ山45と47との間に空間がないので、蝶ネジ41はカラー43から完全に取り外すことはできない。したがって、蝶ネジ41は緩めることおよび締めることができるが、カラー43から完全に取り外すことはできず、蝶ネジ41の損失が防止される。
図4に示す蝶ネジ41は、まず、蝶ねじ41をカラー43内に置き、次に、冷間加工圧縮方法(例えば、アンビル上の蝶ネジに過度にトルクを与える)を用いて蝶ネジ41を変形させることによって作出され得る。次に、カラー43は装置100上に置かれ得る。あるいは、それを通してねじが位置付けられる穴よりも大きな(あるいはねじが穴から抜け出ることを可能にしない)その他のブロック機構(例えば、ワッシャ、ナット、プラスチ
ック部品、その他のネジの変形)が意図されている。
【0026】
ここで
図5を参照すると、ロック組立品39のカラー43の拡大正面図が示されている。従来、カラー43は軟質のサントプレーン材料から構成されるねじチャネルを有する。サントプレーン材料は非常に弾性であり、ねじ底部が外れるまで押下され得るように簡単に変形する。しかしながら、図示した実施形態では、カラー43は、例えばねじチャネルにオーバーモールドされた、硬質プラスチック、ポリカーボネート、ナイロンのリング53を有する。硬質プラスチックのリング53は、1ピース閉鎖栓ステム55設計の形状を維持する一方、蝶ネジ41をそれに対して押し付けることを可能にする。
【0027】
ここで
図6A~6Cを参照すると、マニュプレーター装置100の遠位端3の様々な概略図が示されている。マニピュレーター装置100の遠位端3には、マニピュレーター管13の最遠位部分57がある。マニピュレーター管13の最遠位部分57は、下記に考察するマニピュレーター管13の最遠位部分57のいくつかの特徴により、マニピュレーター管13の残りの部分の直径よりも大きい直径を有することが好ましい。
【0028】
図6Aをまず見ると、マニピュレーター装置100の遠位端3の概略断面(長軸方向軸に沿った)図が示されている。子宮内バルーン25は、マニピュレーター管13の最遠位部分上に位置付けられて示されている。バルーン25(例えば、10ccの膨張可能バルーン)は、子宮穿孔のリスクを減少させるように構成されて位置付けられ、マニピュレーター管13を子宮腔内で安定化させるために使用される。バルーン25は、熱可塑性エラストマー(TPE)バルーンとし得る。一実施形態では、TPEバルーンは、スチレンブロック共重合体、SEBS化合物に基づく。TPEバルーンは、強度および性能においてPVCバルーンと類似しており、バルーンの膨張を維持するように構成される。TPEバルーン25は、子宮マニピュレーター装置100と共に示され、説明されているが、従来的なシリコーンまたはウレタン系バルーンが使用されてもよい。しかしながら、TPEバルーンは、シリコーンバルーンと比較してガスに対する透過性が低い。シリコーンバルーンはガスに対する透過性が高いため、収縮する可能性がある。収縮に対処するために、生理食塩水は透過しないため、生理食塩水を使用してシリコーンを膨張させることが多い。TPEバルーンは、バルーンを気体で膨張させることで同様の性能を達成する。ガスは、生理食塩水ほどバルーン内の結合を歪ませないため、膨張を維持できる場合にはガスが好ましい。しかしながら、ユーザーの選択により、TPEバルーンを生理食塩水と併用してもよい。
【0029】
図6Aをさらに参照すると、子宮内バルーン25は、マニピュレーター管13をその最遠位部分57で覆う。従来的な子宮マニピュレーター装置では、バルーンは、バルーンの近位端および遠位端の両方に所定位置に接着されて(またはその他の類似の接着剤が使用されて)、バルーンを金属管に密封する。
図6Aに示す実施形態では、熱収縮59を使用して、マニピュレーター管13上のバルーンの近位端および遠位端の両方でバルーンを覆う。管を絶縁するための任意の市販の熱収縮を使用し得る。一実施形態では、Insultab社のHS-714(アクリル酸ポリオレフィン)熱収縮が使用されることが好ましい場合がある。熱収縮は、着色されて、レーザー目盛りマーキングの視認性を促進し得る。熱収縮材料はそれ自体と金属マニピュレーター管13に非常に良好に接着し、その他の従来的な方法(例えば、接着剤)に対して優れた形態の接着手段にする。発明者らは、従来的な接着剤の使用に対して、熱収縮59が多くの製造利点および信頼性利点を有することを発見した。例えば、熱収縮59は、接着剤と比較して、滅菌プロセスを通してその特性をより良好に保持する。接着剤が劣化して弱くなると、バルーンがスライドし、患者が接着剤に曝され、またバルーン自体の誤作動につながり得る。
【0030】
図6Bおよび6Cに示す熱収縮は、子宮内バルーン25を第一の位置、およびマニピュ
レーター管13の最遠位部分57に沿った第二の位置に密封し、バルーン25の周りに一対のカラー61を形成する。
図6Aおよび6Cに示すように、熱収縮はまた、滅菌目的のためにカラー61の位置においてマニピュレーター管13全体を覆うためにも使用される。バルーン25の部分63は、バルーン25が膨張し得るように、熱収縮59で覆われない。
図6Aをさらに簡単に参照すると、バルーン25の覆われていない部分63は、マニピュレーター管13とバルーン25との間の実質的に密封された空洞65に隣接している。内腔67は、マニピュレーター管13を通して、空洞65を通してガスをバルーン25に搬送する経路を提供する。内腔67は、バルーン25に閉じた通路を提供し、染料注入ポート7からバルーン25へ染料を導入することなく膨張を促進する。
【0031】
さらに、
図6A~6Cには、マニピュレーター管13の最遠位部分57のキャップ69が示される。
図6Cは、キャップ69が略T字型であり、丸みのある部分71およびステム部分73を有することを示す。
図6Aは、キャップ69のステム部分73がマニピュレーター管13内に位置付けられていることを示す。丸みのある部分71は、マニピュレーター管13の最遠位部分57の直径を横切って延びる。具体的には、キャップ69の丸みのある部分71の直径は、マニピュレーター管13の直径を超えて延びて、熱収縮カラー61の類似の直径まで延びる。図示した実施形態では、熱収縮カラー61とマニピュレーター管13との間にギャップ75が示されている。しかしながら、熱収縮59がマニピュレーター管13に適用されると、熱収縮59が変形し、ギャップ75を充填する。
【0032】
図6Cに戻ると、キャップ69は、キャップ69の丸みのある部分71およびステム部分73の両方を通る染料の通過のための成形チャネル77を追加的に含む。チャネル77はキャップ69全体を通って延び、それを通る染料の通過を促進する。染料は、近位端1の染料注入ポート7からマニピュレーター管13およびキャップ69を通って子宮腔へと通過し得る。従来的なキャップは、閉じられており、バルーン内のスリットを利用して染料のための通路を作出する。バルーン内のスリットは、製造中は開いており、バルーンの使用前にシールを介して閉じられる。一部の実例では、シールが機能せずにスリットは開いたままであり、バルーンを動作不能にする。その他の実例では、閉じたキャップにより、接着剤がマニピュレーター管の先端で一か所に集まる。しかしながら、
図6Aに示す実施形態のバルーン25は、内腔67によってマニピュレーター管13から完全に分離されている。特に、染料はマニピュレーター管13を通り、キャップ69内のチャネル77を通って流れる一方、ガスは内腔67を通って別個に通過してバルーン25を膨張させるように構成される。
【0033】
図6D~6Wを参照すると、キャップ69の代替的な実施形態の様々な図(斜視図、上面図、底面図、および側面図)が示されている。キャップ69のこれらの代替的な実施形態は、それを通過する様々な構造構成および多数の成形チャネルを含む。例えば、一つ以上のチャネルは、キャップ69のいずれかの側上でキャップ69の中心を通過してもよく、追加的な複数のチャネルへの分岐を含み得る(これは、染料を、卵管へ、および卵管を通してなど、特定の解剖学的構造に戦略的に分配するのを支援し得る)。
【0034】
図6D~6Gを参照すると、キャップ69の様々な図が、それを通して別々に通過する複数のチャネル77-1、77-2、および77-3と共に示されている。
【0035】
図6H~6Kを参照すると、キャップ69の様々な図が、二つの追加的なチャネル77-2および77-3に分岐する主チャネル77-1と共に示されている。
【0036】
図6L~6Oを参照すると、キャップ69の様々な図が、4つの別個のチャネル77-2、77-3、77-4および77-5に分岐する主チャネル77-1と共に示されている。
【0037】
図6P~6Sを参照すると、キャップ69の様々な図が、キャップ69の上面上の二つの追加的な開放チャネル77-2および77-3に分岐する主チャネル77-1と共に示されている。
【0038】
図6T~6Wを参照すると、キャップ69の様々な図が主開放側部チャネル77-1と共に示されており、これは使用時に、側部チャネル77-1がカニューレ状管13(によって少なくとも部分的に密封される内部にキャップ69の近位端が適合する)。
【0039】
ここで
図7を参照すると、キャップ69は、熱収縮59を適用する前のマニピュレーター管13の最遠位部分57に示されている。マニピュレーター管13は、キャップ69に隣接した機械的保持特徴79を含む。図示した実施形態では、保持特徴57はキャップ69とバルーン25との間に位置付けられている。
図7に示す実施形態では、保持特徴79は、マニピュレーター管13のレーザー切断された「W」特徴またはディンプル付きタブである。「W」特徴79は、マニピュレーター管13の内側でキャップ69を捕捉する(
図6Aに示すように)。従来的には、ゲル接着剤などの接着剤がキャップを固定するために使用される。しかしながら、接着剤は劣化することがあり、キャップが取り付けられずに患者内で損失することがある。一実施形態によれば、接着剤は、上述のような機械的保持を支援するために「W」特徴と共に使用され得る。
【0040】
ここで
図8を参照すると、子宮マニピュレーター装置100の側面斜視図が示されており、閉鎖栓組立品18が取り除かれて、マニピュレーター管13の特徴を示している。図示した実施形態に示されるように、マニピュレーター管13は、基準目盛り81の繰り返しのセット(例えば、子宮頸部カップ23のいずれかの側から離れるように4cm~16cm移動する)。マニピュレーター管13は、遠位端3および近位端1の両方から基準目盛り81で印を付けられ得る。基準目盛り81は、目盛りを付けられた子宮音と比較するためのガイドを提供し、使用中の挿入の適切な深さを達成することを支援し得る。
【0041】
従来的な装置では、基準目盛りは、パッド印刷の工程を介してマニピュレーター管に追加される。パッド印刷は、熱収縮の適用前に行われ得る。レーザーマーキングは一般的にパッド印刷よりも安価であるが、例えば、パッド印刷は擦り落とすことができるため、より正確かつより永久的である。その利点にもかかわらず、レーザーマーキングは、従来的なファイバーレーザーまたはハイブリッドレーザーなどの従来のレーザーが本明細書の実施形態の一部として記載された熱収縮をレーザーで印を付けられないため、従来の子宮マニピュレーター装置上で使用されていない。しかし、
図8では、基準目盛り81は、マニピュレーター管13上にレーザーで印を付けられている。一実施形態では、熱収縮59は、基準目盛り81がレーザーで印を付けられる前に、マニピュレーター管13に最初に適用される。アクリル酸熱収縮により、紫外線レーザーが、適用された熱収縮層に印を付けることが可能になることが、本発明者に見い出され、理解される。そのため、実施形態では、マニピュレーター管13上のアクリル酸ポリオレフィンの薄い層にうまく印を付けるために、紫外線レーザーが使用される。こうした実施形態では、UVレーザーは355nmの波長を放射する。UVレーザーからの他の波長を使用して、基準目盛り81をうまく作出し得ることが意図されている。
【0042】
ここで
図9A~9Bを参照すると、子宮マニピュレーター装置100のハンドル5の概略図および斜視図が示されている。ハンドル5は、ハンドルがトルクを与えられて操作が可能となることを防止する抗回転特徴を有する。図示の実施形態では、抗回転特徴は正方形のオーバーモールドされたキー特徴83である。従来、抗回転特徴は六角形形状のキー特徴である。六角形の形状は、ハンドル内のXおよびY方向の両方に力を方向付ける。よって、六角形の形状のキー特徴の二つの面が一度に見え得る。XおよびY方向の両方に力
があると、六角形の形状のキー特徴は、トルクが与えられるとハンドルを裂く可能性が高い。図示した実施形態では、正方形のオーバーモールドされたキー特徴83は、両方ではなく、XまたはYのいずれか一方の方向のみにいくらかの力を方向付ける。従って、正方形のオーバーモールドされたキー特徴83は、ハンドル5を裂く可能性が低い。
【0043】
本明細書に記載の子宮マニピュレーター装置の使用は、米国特許出願公開第20170354436号(例えば、
図4およびパラグラフ[0028])を参照のこと)に記載の子宮マニピュレーター装置の使用と類似している。
【0044】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端および遠位端を含む細長いカニューレ状管と、
前記細長いカニューレ状管上に位置付けられ、第一の直径の上部遠位部分およびより小さい第二の直径の底部近位部分を有する、子宮頸部カップと、
近位端および遠位端を含み、前記細長いカニューレ状管の前記遠位端上に位置付けられた子宮内バルーンと、
前記細長いカニューレ状管の前記遠位端上に位置付けられたキャップと、を備える、子宮マニピュレーター装置。
【請求項2】
前記細長いカニューレ状管の前記近位端上に位置付けられたハンドルをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記キャップが、近位端および遠位端、およびそれらを通る少なくとも一つのチャネルを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのチャネルが、前記キャップの側面を通して、前記キャップの前記近位端から前記遠位端に延びる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのチャネルが、前記キャップ内の中央に位置付けられ、前記キャップの前記遠位端と前記近位端との間に延びる、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのチャネルが少なくとも一つの追加的なチャネルに分岐する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記ハンドルを通して位置付けられ、前記細長いカニューレ状管のガス通路内腔に連通可能に結合される膨張弁をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記細長いカニューレ状管と前記子宮内バルーンとの間に位置付けられ、前記ガス通路内腔に連通可能に接続される密封された空洞をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドルを通って位置付けられ、前記細長いカニューレ状管に連通可能に結合される染料注入ポートをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記細長いカニューレ状管が、前記キャップを前記細長いカニューレ状管に固定するように構成された機械的保持特徴をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ハンドル内にあり、適用された力を一方向のみに方向付ける正方形のキー特徴をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記子宮内バルーンが、熱可塑性エラストマーから構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
レーザーで印を付けられた基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管の外側表面に沿って位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記レーザーで印を付けられた基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管の前記近位端と前記遠位端との間の位置から、前記細長いカニューレ状管に沿って近位および遠位の両方に延びる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記基準目盛りが、355nmの波長を放射するUVレーザーによってレーザーで印を付けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記基準目盛りが、前記細長いカニューレ状管上に位置付けられたアクリル酸ポリオレフィン層上にレーザーで印を付けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
近位端および前記細長いカニューレ状管上の前記子宮頸部カップから近位に位置付けられた遠位端を有する閉鎖栓を含む閉鎖栓組立品をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記閉鎖栓組立品が、前記細長いカニューレ状管上の前記閉鎖栓から近位に位置付けられたロック組立品をさらに含み、前記ロック組立品が、前記子宮頸部カップおよび前記閉鎖栓を前記細長いカニューレ状管上に沿った少なくとも一つの方向の移動からロックするように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ロック組立品が、カラー内にロックされるように構成された複数のねじ山を有する蝶ネジを含み、少なくとも一つのねじ山がその他のねじ山と比較して変形している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記閉鎖栓が、少なくとも一つの一次リブおよび少なくとも二つの二次リブを有する本体を有し、少なくとも一つの二次リブの直径が前記一次リブの直径よりも小さい、請求項17に記載の装置。