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特開2022-33955付加製造システム、及びワークピース上に付加印刷するためのCADモデルを生成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033955
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】付加製造システム、及びワークピース上に付加印刷するためのCADモデルを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/80 20210101AFI20220222BHJP
   B22F 12/30 20210101ALI20220222BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20220222BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220222BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20220222BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220222BHJP
   B22F 10/25 20210101ALN20220222BHJP
   B22F 10/28 20210101ALN20220222BHJP
   B22F 10/366 20210101ALN20220222BHJP
   B22F 10/64 20210101ALN20220222BHJP
   B22F 10/66 20210101ALN20220222BHJP
【FI】
B22F10/80
B22F12/30
B22F12/90
B33Y50/00
B29C64/386
B33Y30/00
B22F10/25
B22F10/28
B22F10/366
B22F10/64
B22F10/66
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201485
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2020010732の分割
【原出願日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】16/261,827
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ジンジエ シ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ロイ ウォーシング、ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ エドワード ハンプシャー
(57)【要約】
【課題】付加製造機械及びシステム並びにワークピース上に付加印刷する方法を改善する。
【解決手段】付加製造システム(100)は、視覚システム(102)及び付加製造機械(104)に動作可能に結合されたコントローラ(2000)は、ライブラリCADモデル(850)においてワークピース(116)に対応する基準モデル(852)を横断する基準モデル界面(854)を決定し、ライブラリCADモデル(850)の基準モデル界面(854)をワークピース(116)のワークピース界面(120)のデジタル表現と比較するように構成されても良い。デジタル表現は、少なくとも部分的に基準モデル界面(854)に基づいて拡張セグメント(802)のモデルを生成するために視覚システム(102)を使用して得られる。拡張セグメント(802)のモデルはワークピース(116)のワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定される。
【選択図】図11A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース(116)に対応する基準モデル(852)の、前記ワークピース(116)の表面を含むワークピース界面(120)に対応する位置において、当該基準モデル(852)を横断する平面を含む基準モデル界面(854)をライブラリCADモデル(850)において決定すること、
前記ライブラリCADモデル(850)の前記基準モデル界面(854)を、前記ワークピース(116)の前記ワークピース界面(120)のデジタル表現と比較し、前記デジタル表現は、前記ワークピース界面(120)を含む視野(114)を有する視覚システム(102)によって得られるものであること、 及び
前記基準モデル界面(854)に基づき拡張セグメント(802)のモデルを生成し、前記拡張セグメント(802)の前記モデルは前記ワークピース(116)の前記ワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定されること、
を含むワークピース界面(120)と合致する拡張セグメント(206)を含むCADモデルを生成する方法。
【請求項2】
拡張セグメント(802)のモデルを生成することは、
前記基準モデル(852)から前記基準モデル界面(854)を抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
拡張セグメント(802)のモデルを生成することは、
少なくとも部分的に前記比較に基づき前記基準モデル界面(854)を変形し、前記ワークピース界面(120)の前記デジタル表現に合致する変形モデル界面(804)を規定すること、及び
前記変形モデル界面(804)を拡張し、前記ワークピース界面(120)の上に付加印刷されるように設定された前記拡張セグメント(802)のモデルを規定すること、を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準モデル界面(854)を変形することは、
前記基準モデル界面(854)の少なくとも一部を回転する、曲げる、捻る、シフトする、縮小拡大する、平滑化する、位置合わせする、オフセットする及び/又はモーフィングすることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準モデル界面(854)を変形することは、
前記基準モデル界面(854)の少なくとも第1の部分をワークピース界面(120)の前記デジタル表現と位置合わせするために選択された第1の変形操作(1000)を実行し、前記第1の変形操作(1000)がシフト及び/又は回転の変形操作(1000)を含むこと、及び
前記基準モデル界面(854)の少なくとも第2の部分を前記ワークピース界面(120)の前記デジタル表現と位置合わせするために選択された第2の変形操作(1000)を実行し、前記第2の変形操作(1000)が曲げ及び/又は縮小拡大の変形操作(1000)を含むこと、
を含む請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記変形モデル界面(804)を拡張することは、
少なくとも部分的に前記視野(114)の前記デジタル表現に基づき前記ワークピース(116)の高さを決定すること、
前記ワークピース(116)の前記ワークピース界面(120)上に付加印刷すべき前記拡張セグメント(206)の高さを決定すること、
前記変形モデル界面(804)を前記拡張セグメント(206)の高さに対応する分だけz方向に拡張すること、
を含む請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記変形モデル界面(804)を前記拡張セグメント(206)の高さに対応する分だけz方向に拡張することは、
前記変形モデル界面(804)を、付加製造機械(104)のビルド面(122)に対応する高さに位置決めすること、
前記変形モデル界面(804)の複製を、前記変形モデル界面(804)の上方に前記拡張セグメント(206)の高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、及び
前記変形モデル界面(804)から前記変形モデル界面(804)の前記複製までz方向に延びる前記拡張セグメント(802)の前記モデルを規定すること、
を含む請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記変形モデル界面(804)を前記拡張セグメント(206)の高さに対応する分だけz方向に拡張することは、
前記変形モデル界面(804)を、付加製造機械(104)のビルド面(122)に対応する高さに位置決めすること、
前記基準モデル(852)の上端面に対応する前記基準モデル(852)の基準拡張面(1104)を決定し、前記基準モデル(852)の前記基準拡張面(1104)を、前記変形モデル界面(804)の上方に前記拡張セグメント(206)の高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、及び
前記変形モデル界面(804)から前記基準拡張面(1104)までz方向に延びる前記拡張セグメント(802)の前記モデルを規定すること、
を含む請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記変形モデル界面(804)を前記拡張セグメント(206)の高さに対応する分だけz方向に拡張することは、
前記変形モデル界面(804)を、付加製造機械(104)のビルド面(122)に対応する高さに位置決めすること、
前記拡張セグメント(802)の前記モデルの拡張面のスライス高さを決定すること、
前記基準モデル(852)における基準拡張面(1104)を決定し、前記基準拡張面(1104)は前記拡張セグメント(802)の前記モデルの前記スライス高さに対応する高さにあること、
前記基準拡張面(1104)を、前記変形モデル界面(804)の上方に前記スライス高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、
前記基準拡張面(1104)を変形し、変形拡張面を規定し、前記基準拡張面(1104)を変形することが少なくとも部分的に前記基準拡張面(1104)の前記変形モデル界面(804)と及び/又は前記拡張セグメント(206)の高さに対する前記変形モデル界面(804)上の前記基準拡張面(1104)の位置との比較に基づくこと、及び
前記変形モデル界面(804)から前記基準拡張面(1104)までz方向に延びる前記拡張セグメント(802)の前記モデルを規定すること、
を含む請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張セグメント(802)の前記モデルを拡張セグメントCADモデル(800)に出力することを含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ワークピース(116)はターボ機械用のコンプレッサブレード又はタービンブレードからなり、前記拡張セグメント(206)はブレード端を含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
対応の複数のワークピース(116)上に付加印刷されるように設定された複数の拡張セグメント(206)を含むCADモデルを生成する方法であって、前記複数のワークピース(116)の各々について、
前記複数のワークピース(116)の各々に対応する基準モデル(852)の断面を形成する基準モデル界面(854)を前記ライブラリCADモデル(850)において決定すること、
前記ライブラリCADモデル(850)の前記基準モデル界面(854)を前記複数のワークピース(116)の各々のワークピース界面(120)のデジタル表現と比較し、前記デジタル表現は前記視覚システム(102)を使用して得られ、前記視覚システム(102)は前記複数のワークピース(116)の各々の前記ワークピース界面(120)を含む視野(114)を有すること、及び
少なくとも部分的に前記複数のワークピース(116)の各々に対応する前記基準モデル界面(854)に基づき、前記複数のワークピース(116)の各々に対応する拡張セグメント(802)のモデルを生成し、前記拡張セグメント(802)の前記モデルは前記複数のワークピース(116)の各々の前記ワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定されること、
を含む、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
拡張セグメント(802)のモデルを生成することは、
前記基準モデル(852)から複数のワークピース(116)の各々に対応する前記基準モデル界面(854)を抽出すること、
少なくとも部分的に前記比較に基づき、前記複数のワークピース(116)の各々に対応する前記基準モデル界面(854)を変形し、前記複数のワークピース(116)の各々の前記ワークピース界面(120)の前記デジタル表現に合致する変形モデル界面(804)を規定すること、
前記変形モデル界面(804)を拡張し、前記複数のワークピース(116)の各々の前記ワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定された拡張セグメント(802)のモデルを規定すること、及び
前記複数のワークピース(116)の各々の前記対応するワークピース界面(120)上に付加印刷されるようにそれぞれ設定された複数の拡張セグメント(206)のモデルを、拡張セグメントCADモデル(800)に出力すること、
を含む、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ライブラリCADモデル(850)の前記基準モデル界面(854)を第1のワークピース(116)の第1のワークピース界面(120)の第1のデジタル表現と比較し、前記第1のデジタル表現が前記視覚システム(102)を使用して得られ、前記視覚システム(102)が前記第1のワークピース界面(120)を含む視野(114)を有すること、
少なくとも部分的に前記比較に基づいて前記基準モデル界面(854)を変形し、前記第1のデジタル表現に合致する第1の変形モデル界面(804)を規定すること、
前記第1の変形モデル界面(804)を拡張し、前記第1のワークピース(116)の前記第1のワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定された第1の拡張セグメント(206)の第1のモデルを規定すること、
前記ライブラリCADモデル(850)の前記基準モデル界面(854)を第2のワークピース(116)の第2のワークピース界面(120)の第2のデジタル表現と比較し、前記第2のデジタル表現が前記視覚システム(102)を使用して得られたものであり、前記視覚システム(102)が前記第2のワークピース界面(120)を含む視野(114)を有すること、
少なくとも部分的に前記比較に基づき前記基準モデル界面(854)を変形し、前記第2のデジタル表現に合致する第2の変形モデル界面(804)を規定すること、
前記第2の変形モデル界面(804)を拡張し、前記第2のワークピース(116)の前記第2のワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定された第2の拡張セグメント(206)の第2のモデルを規定すること、及び
前記第1の拡張セグメント(206)の前記第1のモデル及び前記第2の拡張セグメント(206)の前記第2のモデルを拡張セグメントCADモデル(800)に出力すること、
を含む請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
視覚システム(102)と付加製造機械(104)とに動作可能に結合されたコントローラ(2000)を備える付加製造システム(100)であって、前記コントローラ(2000)は1又は複数のコンピュータ可読媒体と1又は複数のプロセッサ(2004)とを含み、前記1又は複数のコンピュータ可読媒体はコンピュータ実行可能命令(2008)を含み、前記コンピュータ実行可能命令(2008)は前記1又は複数のプロセッサ(2004)により実行されると前記付加製造システム(100)に、
ワークピース(116)に対応する基準モデル(852)の、前記ワークピース(116)の表面を含むワークピース界面(120)に対応する位置において、当該基準モデル(852)を横断する平面を含む基準モデル界面(854)をライブラリCADモデル(850)において決定させ、
前記ライブラリCADモデル(850)の前記基準モデル界面(854)を、前記ワークピース界面(120)を含む視野(114)を有する視覚システム(102)を使用して得られた前記ワークピース(116)の前記ワークピース界面(120)のデジタル表現と比較させ、及び
少なくとも部分的に前記基準モデル界面(854)に基づき、前記ワークピース(116)の前記ワークピース界面(120)上に付加印刷されるように設定された拡張セグメント(802)のモデルを生成させる、付加製造システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して付加製造(additive manufacturing)システム、及びワークピース(workpiece)上に付加印刷(additively printing)する方法、特にワークピースの位置を特定するように構成された視覚システムを含むシステム及び方法、並びにワークピース上に付加印刷するように構成された付加製造機械に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造機械又はシステムは、3次元コンピュータモデルに従ってコンポーネントを生産することに利用することができる。コンポーネントのモデルはコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使用して製作することができ、付加製造機械又はシステムはこのモデルに従ってコンポーネントを付加印刷することができる。従来の付加製造機械又はシステムでは、通常、コンポーネントはビルドプレート及び/又はビルドチャンバの上に付加印刷される。付加印刷プロセスの完了後、更なる処理のためにコンポーネントはビルドプレート及び/又はビルドチャンバから取り外される。ビルドプレート及び/又はビルドチャンバは付加製造されるコンポーネントの一部ではなく、ビルドプレート及びビルドチャンバはそれぞれ付加印刷処理の間、コンポーネントを支持するための面及び/又は手段を規定するものである。そのため、コンポーネントがCADモデル通りにうまく印刷されるのであれば、ビルドプレート上及び/又はビルドチャンバ内の最終的付加印刷コンポーネントの特定の位置は特に重要ではない。
【0003】
しかしながら、本明細書によると、単一のビルドの一部として複数の既存のワークピース上に付加印刷することも含め、既存のワークピース上に付加印刷するためには付加製造機械又はシステムを利用することが望ましい。そのようなワークピース上に付加印刷する際、ニアネットシェイプコンポーネントを提供するためには、付加製造機械あるいはシステム及び方法は、充分な精度及び正確さで既存のワークピース上に付加印刷することが望まれる。したがって、付加製造機械及びシステム、並びにワークピース上に付加印刷する方法を改善する必要がある。
【0004】
本明細書で考慮されるワークピースには、新規に製作されるコンポーネントのみならず、例えば耐用期間中に破損、摩耗及び/又は劣化し得る機械コンポーネントあるいは装置コンポーネントといった、修理、再生、又は改良等々が予定されるコンポーネントも含まれる。機械コンポーネントあるいは装置コンポーネントなどのワークピースを修理、再生又は改良するためには、該コンポーネント上に付加印刷することが望ましい。また、向上した性能又は耐用期間を有するコンポーネントのような新規のコンポーネントを生産するためには、ワークピース上に付加印刷することが望ましい。
【0005】
機械コンポーネント又は装置コンポーネントの一つの例は、ターボ機械に用いられるコンプレッサブレード又はタービンブレードなどのエアフォイルである。これらのエアフォイルは、耐用期間中にしばしば破損、摩耗及び/又は劣化を被る。補修中のエアフォイル、例えばガスタービンエンジンのコンプレッサブレードなどは、長期間の使用後の腐食、傷及び/又はひびを示す。具体的には、例えばこのようなブレードはかなりの高ストレス及び高温に晒され、これが必然的にブレード、特にブレードの先端付近を時間の経過とともに摩耗させる。例えば、ブレード端とターボ機械シュラウドとの間の摩擦やこすれ、高温ガスによる化学劣化又は酸化、ローディング及びアンローディングの繰り返し、結晶格子の拡散クリープなどから、ブレード端は摩耗や損傷を受けやすい。
【0006】
特に、ブレードの摩耗や損傷は、そのままにしておくと機械の故障又は性能低下をもたらし得る。具体的には、そのようなブレードは、ガスがブレード端とターボ機械シュラウドとの間の隙間から機械エネルギに変換されることなくターボ機械の段を通って漏れることを可能にするので、ターボ機械の運転効率を低下させ得る。効率が特定のレベル以下に低下すると、ターボ機械は通常、オーバーホール及び修理のため撤去される。それに加え、強度の低下したブレードはエンジンの完全な破壊や破局的故障をもたらし得る。
【0007】
それ故、ターボ機械のコンプレッサブレードは、通常、頻繁な検査、修理又は交換の対象となっている。通常、そのようなブレードをすべて交換するのは費用がかさむが、いくつかは比較的低コストで(全部を新品と交換する場合に比べて)耐用期間延長のため修理することができる。それでも従来の修理プロセスは労働集約的且つ時間がかかりがちである。
【0008】
例えば、従来の修理プロセスは溶接/クラッド技術を用い、それにより修理材料は粉体形状又はワイヤ形状のいずれかで修理面に供給可能であり、修理材料は、レーザ、e-ビーム、プラズマアークなどの集束電源を使用することにより修理面に溶融させ接着させることができる。しかしながら、このような溶接/クラッド技術により修理したブレードも、目標形状及び表面仕上げを達成するために長時間の後処理にかけられる。具体的には、修理面に接着した溶接/クラッド修理材料の大きなフィーチャーサイズに起因し、修理されたブレードは余分な材料を除去するための大掛かりな切削、及びそれに続く目標表面仕上げを達成するための研磨を必要とする。特に、このような切削及び研磨は、単一のブレードについて同時に行われ、きつく単調な労働であり、一回の修理にかかる全体的労働コストは高くなる。
【0009】
他の選択肢として、別の指向性エネルギ堆積(DED)法、例えば、高速金属粉体を該粉体が変形しベースコンポーネントに堆積するように目標あるいはベースコンポーネントに向けて衝突させる、コールドスプレーをブレード修理に用いても良い。しかしながら、バッチ処理即ち大量のコンポーネントを時間的に効率よく修理することに適したDED法は存在せず、事業的価値はほとんどあるいは全くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、補修されるコンポーネントを修理又は再生するための改善されたシステム及び方法を提供することが望まれる。特に、摩耗したコンプレッサブレードを迅速且つ効率的に再生又は修理するための付加製造器械及びシステムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
態様及び利点の一部は以下の記載に述べられ又は該記載から自明であり、又はここに開示される内容を実施することにより知ることができる。
【0012】
一つの態様では、本開示はワークピース界面に応じた拡張セグメントを含むCADモデルを生成する方法に及ぶ。一つの例示的方法は、ライブラリCADモデルにおいてワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面を決定すること、ライブラリCADモデルの基準モデル界面をワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較すること、少なくとも基準モデル界面の一部に基づき拡張セグメントのモデルを生成することを含み、デジタル表現はワークピース界面を含む視野を有する視覚システムを使用して得られたものであり、拡張セグメントのモデルはワークピースのワークピース界面上に付加印刷されるように設定される。
【0013】
他の態様では、本開示は付加製造システムに及ぶ。一つの例示的付加製造システムは視覚システムと付加製造機械とに動作可能に結合されたコントローラを含み得る。コントローラは1又は複数のコンピュータ可読媒体と1又は複数のプロセッサとを含み得る。1又は複数のコンピュータ可読媒体はコンピュータ実行可能命令を含んでも良く、それは1又は複数のプロセッサにより実行されると付加製造システムにワークピース界面に応じた拡張セグメントのモデルを含むCADモデルを生成させる。
【0014】
例として、付加製造システムは、ライブラリCADモデルにおいてワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面を決定するように構成されても良い。付加製造システムはまたライブラリCADモデルの基準モデル界面をワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較するように構成されても良く、デジタル表現はワークピース界面を含む視野を有する視覚システムを使用して得られたものであっても良い。更に、付加製造システムは少なくとも基準モデル界面の一部に基づき拡張セグメントのモデルを生成するように構成されて良く、拡張セグメントのモデルはワークピースのワークピース界面上に付加印刷されるものであっても良い。
【0015】
更に別の態様では、本開示はコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体にも及び、コンピュータ実行可能命令は1又は複数のプロセッサにより実行されると付加製造システムにワークピース界面に合致する拡張セグメントのモデルを含むCADモデルを生成させる。
【0016】
例示のコンピュータ可読媒体は、付加製造システムにワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面をライブラリCADモデルにおいて決定させるように設定されているコンピュータ実行可能命令を含んでも良い。例示のコンピュータ可読媒体はまた、付加製造システムにライブラリCADモデルの基準モデル界面をワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較するように設定されているコンピュータ実行可能命令を含んでも良く、デジタル表現はワークピース界面を含む視野を有する視覚システムを使用して得られたものであっても良い。更に例示的コンピュータ可読媒体はまた、付加製造システムに少なくとも基準モデル界面の一部に基づき拡張セグメントのモデルを生成するように設定されているコンピュータ実行可能命令を含んでも良く、拡張セグメントのモデルはワークピースのワークピース界面上に付加印刷されるものであっても良い。
【0017】
これらの及び他の特徴、態様及び利点は、以下の記載及び添付の特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。本明細書に含まれ且つ本明細書を構成する添付の図面は、例示的実施形態を図示し、明細書の記載と共に開示された内容のいくつかの原理を説明する役割を果たすものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
当業者に十分であり且つ実施可能であって、最良の実施形態を含む開示が、以下に説明する添付の図面を参照しつつ明細書に記載されている。
【0019】
図1A図1Aは例示的付加製造システムを概略的に表す。
図1B図1Bは例示的付加製造システムを概略的に表す。
図2A図2Aは、ビルドプレートに固定された複数のワークピースを含む例示的ワークピースアセンブリを概略的に表す。
図2B図2Bは、図2Aの例示的ワークピースアセンブリを概略的に表し、ビルドプレートに固定されている複数のワークピースに拡張セグメントが付加印刷される複数のコンポーネントを有する。
図3A図3Aは、ビルド面と位置がずれている複数のワークピースと、その結果ビルド面に一様な粉体の層を塗布することに失敗したリコータとを概略的に表す。
図3B図3Bは、ビルド面と位置がずれている複数のワークピースと、その結果ビルド面に一様な粉体の層を塗布することに失敗したリコータとを概略的に表す。
図3C図3Cは、ビルド面と位置合わせされた複数のワークピースと、ビルド面に一様な粉体の層を塗布することに成功したリコータとを概略的に表す。
図3D図3Dは、ビルド面と位置合わせされた複数のワークピースと、ビルド面に一様な粉体の層を塗布することに成功したリコータとを概略的に表す。
図4図4は、ワークピースのワークピース界面上に拡張セグメントを付加印刷する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図5A図5Aは、サブトラクティブ改修前後における例示的ワークピースを概略的に表す。
図5B図5Bは、サブトラクティブ改修前後における例示的ワークピースを概略的に表す。
図5C図5Cは、図5Bに表されるワークピース上に拡張セグメントを付加印刷することにより形成される例示的コンポーネントを概略的に表す。
図6A図6Aは、視覚システムを使用して取り込まれた、ワークピースを含む視野の例示的デジタル表現を概略的に表す。
図6B図6Bは、視覚システムを使用して取り込まれた、複数のワークピースを含む1又は複数の視野の例示的デジタル表現を概略的に表す。
図7A図7Aは、ワークピース、ワークピース界面及び/又はワークピース界面外周を決定する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図7B図7Bは、印刷コマンドを生成する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図8A図8Aは、複数の拡張セグメントのモデルを含む例示的拡張セグメントCADモデルを概略的に表す。
図8B図8Bは、複数の基準ワークピースの基準モデルを含む例示的ライブラリCADモデルを概略的に表す。
図9A図9Aは、拡張セグメントCADモデルを生成する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図9B図9Bは、拡張セグメントCADモデルを生成する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図10A図10Aは、基準モデル界面をワークピース界面のデジタル表現に合致させるために行うことが可能な例示的変形操作、例えば図9A及び図9Bに表される例示的方法を概略的に表す。
図10B図10Bは、図9A及び図9Bに表される例示的方法のような、基準モデル界面をワークピース界面のデジタル表現に合致させるように行うことが可能な例示的変形操作を概略的に表す。
図10C図10Cは、図9A及び図9Bに表される例示的方法のような、基準モデル界面をワークピース界面のデジタル表現に合致させるように行うことが可能な例示的変形操作を概略的に表す。
図10D図10Dは、図9A及び図9Bに表される例示的方法のような、基準モデル界面をワークピース界面のデジタル表現に合致させるように行うことが可能な例示的変形操作を概略的に表す。
図11A図11Aは、例示的基準モデル、例えばライブラリCADモデルを概略的に表す。
図11B図11Bは、拡張セグメントの例示的モデル、例えば拡張セグメントCADモデルを概略的に表す。
図12A図12Aは、モデル界面から基準拡張面にz方向に延びる拡張セグメントのモデルを定義するために行うことが可能なモデル界面を拡張する例示的方法、例えば図9A及び9Bに表される例示的方法を表すフローチャートを示す。
図12B図12Bは、図9A及び9Bに表される例示的方法のような、モデル界面から基準拡張面にz方向に延びるモデルを定義するように行うことが可能なモデル界面を拡張する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図12C図12Cは、図9A及び9Bに表される例示的方法のような、モデル界面から基準拡張面にz方向に延びるモデルを定義するように行うことが可能なモデル界面を拡張する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図12D図12Dは、図9A及び9Bに表される例示的方法のような、モデル界面から基準拡張面にz方向に延びるモデルを定義するように行うことが可能なモデル界面を拡張する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図13図13は、複数の拡張セグメントのスライスを付加印刷するための例示的印刷コマンドを概略的に表す。
図14図14は、例示的較正CADモデルを概略的に表す。
図15図15は、付加製造機械を使用して印刷された複数の印刷較正マークを含む例示的較正面を概略的に表す。
図16図16は、視覚システムを使用して得られた複数の印刷較正マークを含む視野の例示的デジタル表現を概略的に表す。
図17図17は、複数のデジタル表現された較正マークの各一つの複数のモデル較正マークの対応する各一つとの例示的比較を図示する、例示的比較テーブルを概略的に表す。
図18A図18Aは、較正前後の視覚システムから得られたワークピース界面の例示的デジタル表現、例えば視覚システムに適用される較正調整を概略的に表す。
図18B図18Bは、較正前後の付加製造機械を使用して付加印刷された拡張セグメントの例示的位置、例えば付加製造機械に適用される較正調整を概略的に表す。
図18C図18Cは、較正前後の拡張セグメントCADモデルにおける拡張セグメントのモデルの例示的位置、例えば拡張セグメントCADモデルに適用される較正調整を概略的に表す。
図19図19は、付加製造システムを調整する例示的方法を表すフローチャートを示す。
図20図20は、付加製造システムの例示的制御システムを表すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の同じ又は類似の機能又は構成要素には、本明細書及び図面において同じ参照符号を繰り返し使用している。
【0021】
ここに開示される内容の例示的実施形態を以下に詳細に記載する。その1又は複数の例は図面に示されている。各例は説明として提供されるものであり、本開示を限定するものと解釈すべきではない。事実、本開示の範囲や精神を逸脱することなく、本開示にさまざまな修正や変更を加えることができることは当業者には明らかである。例えば、一つの実施形態の一部として図示あるいは記載されている機能を別の実施形態に用い、更に別の実施形態を生み出すことができる。したがって、本開示は添付の特許請求の範囲及びそれらの均等範囲や精神内にある変更及び修正を含むものと意図される。
【0022】
「上端」「底」、「内側」、「外側」などの用語は便宜上の語であり、限定用語とは解釈されないと理解すべきである。ここで用いられる用語「第1」、「第2」及び「第3」は一つのコンポーネントを別のコンポーネントを区別するために交換可能に用いることができるものであり、個々のコンポーネントの位置や重要性を表すものではない。
【0023】
明細書及び特許請求の範囲全体を通し、範囲限定は、組み合されそして置き換えられており、文脈や言い回しにより特に定められない限り、そのような範囲はその内部に含まれるサブ範囲を包含する。例えば、ここに開示されるすべての範囲は端点を含んでおり、これら端点は個々に互いに組み合わせ可能である
【0024】
明細書及び特許請求の範囲全体を通して用いられる近似語は、基本機能において変更をもたらすことなく許容範囲内で変化可能な任意の定量表現を修正するために使用される。したがって、一つの用語又は複数の用語、例えば「約」、「ほぼ」、「実質的に」などにより修正される値は、明記の厳密な値に限定されない。少なくともいくつかの例では、近似語は、値を測定する計測器の精度、コンポーネント及び/又はシステムを造形する又は製造する方法又は機械の精度に対応し得る。
【0025】
以下に詳細に記載するように、本発明の例示的実施形態は付加製造システムまたは方法の使用を含む。ここで用いられる用語「付加製造」又は「付加製造技術又はプロセス」は、概して材料の連続層が相互に重ね合わされて供給され、層を重ねて3次元のコンポーネントを「ビルドアップ」することを指す。概して連続層は相互に融合し、さまざまな一体型サブコンポーネントを有し得る一体構造のコンポーネントを形成する。
【0026】
ここで用いられる用語「ニアネットシェイプ」は、最終的「ネット」形状に非常に近い印刷形状を有する付加印刷形状を指す。ニアネットシェイプコンポーネントは、研磨、バフ掛けなどの表面仕上げがなされても良いが、最終の「ネット」形状を得るために大変な機械加工は必要としない。一例として、ニアネットシェイプは、最終ネット形状から約1,500ミクロン以下、例えば、約1,000μm以下、約500μm以下、約250μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約50μm以下、又は25μm以下だけ、異なっても良い。
【0027】
ここでは、付加製造技術はオブジェクトを一点ずつ、一層ずつ、一般には垂直方向に築き上げることにより複雑なオブジェクトの製造を可能にするものと記載しているが、本発明の範囲内の他の製造方法も可能である。例えば、ここでは連続層を形成するための材料の付加を説明しているが、当業者であれば、ここに開示される方法及び構造は任意の付加製造技術や製造テクノロジーで実施可能であることは理解できる。例えば、本発明の実施形態は積層プロセス、層切削プロセス又はハイブリッドプロセスを用いることができる。
【0028】
本開示に従う適切な付加製造技術は例えば、熱溶融積層法(FDM)、選択的レーザ焼結法(SLS)、インクジェットやレーザジェットなどの3D印刷、光造形法(SLA)、直接選択的レーザ焼結法(DSLS)、電子ビーム焼結法(EBS)、電子ビーム溶融法(EBM)、レーザ加工ネットシェイピング(LENS)、レーザネットシェイプ製造法(LNSM)、デジタルメタルデポジション(DMD)、デジタルライトプロセシング(DLP)、直接選択的レーザ溶融法(DSLM)、選択的レーザ溶融法(SLM)、直接金属レーザ溶融法(DMLM)及び他の公知のプロセスを含む。
【0029】
粉体の層の一部を選択的に焼結又は溶融させるためにエネルギ源を使用する、溶融直接金属レーザ焼結法(DMLS)又は直接金属レーザ溶融法(DMLM)を使用することに加え、他の実施形態によれば、付加製造プロセスは「バインダージェッティング」であっても良いことを理解されたい。これに関し、バインダージェッティングは、上記同様の方法で連続的に付加粉体の層を堆積することを含む。しかしながら、粉体層を選択的に溶融又は融合させるためにエネルギビームを発生させるエネルギ源を使用するのではなく、バインダージェッティングは、粉体の各層の上に液体接着剤を堆積させることを含む。液体接着剤は例えば、光硬化性ポリマーあるいは他の液体接着剤であっても良い。他の適切な付加製造方法及び変形は本発明の範囲内にあると意図される。
【0030】
ここに記載される付加製造方プロセスは、任意の適切な材料を用いてコンポーネントを形成することに使用できる。例えば材料は、プラスチック、金属、コンクリート、セラミック、ポリマー、エポキシ樹脂、フォトポリマー樹脂、又は固体、液体、粉体、シート材料、ワイヤもしくは他の任意の適切な形態であり得る他の任意の適切な材料であっても良い。より具体的には、本発明の例示的実施形態によれば、ここに記載される付加製造されるコンポーネントは、純金属、ニッケル合金、クロム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレススチール、及びニッケルあるいはコバルトベースの超合金(例えば、インコネルの名称でスペシャルメタルズ株式会社から入手可能なもの)を含むが、これらに限定されない材料によりその一部又は全体もしくは何らかの組み合わせで形成されても良い。これらの材料は、ここに記載する付加製造プロセスの使用に適した材料の例であり、一般には「付加材料(additive materials)」と呼ばれる。
【0031】
更に、当業者であれば、これらの材料を接着するさまざまな材料が使用可能であり、また本開示の範囲内にあることが理解される。ここで用いられる「融合(fusing)」は、上記の任意の材料の接着層を作るのに適した任意のプロセスを意味する。例えば、オブジェクトがポリマーから作られる場合、融合はポリマー材料間の熱硬化性接着剤を作り出すことを意味する。オブジェクトがエポキシ樹脂であれば、接着剤は架橋プロセス により形成されても良い。材料がセラミックであれば、接着剤は焼結プロセス により形成されても良い。材料が粉体金属であれば、接着剤は溶融又は焼結プロセス により形成されても良い。当業者であれば、付加製造によりコンポーネントを作るために材料を融合させる他の方法が可能であり、ここに開示する発明はこれらの方法で実施できることを理解できる。
【0032】
更に、ここに開示する付加製造プロセスは、単一のコンポーネントが複数の材料から形成されることを可能にする。したがって、ここに記載するコンポーネントは上記の材料の任意の適切な混合から形成し得る。例えば、コンポーネントは異なる材料及び/又は異なる付加製造機械を使用して形成される複数の層、セグメント又はパーツを含んでも良い。このようにして、任意の特定用途の要求を満たすために異なる材料及び材料特性を有するコンポーネントを製作できる。更に、ここに記載のコンポーネントはその全体が付加製造プロセスにより製作されるが、他の実施形態においては、これらのコンポーネントの全て又は一部が鋳造、機械加工及び/又は任意の他の適切な製造プロセスによって形成されても良い。実際、これらのコンポーネントを形成するために材料及び製造方法の任意の適切な組み合わせを用いることが可能である。
【0033】
例示的付加製造プロセスを説明する。付加製造プロセスは、3次元(3D)情報、例えばコンポーネントの3次元コンピュータモデルを使用してコンポーネントを製作する。したがって、コンポーネントの3次元設計モデルが製造に先立って規定されても良い。この点に関し、コンポーネントの3次元情報を決定するためにコンポーネントのモデルあるいはプロトタイプがスキャンされても良い。他の例として、コンポーネントのモデルがコンポーネントの3次元設計モデルを規定するための適切なコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使用して造形されても良い。
【0034】
設計モデルはコンポーネントの外部及び内部表面の両方を含むコンポーネントの全体の形状の3D数値座標を含んでも良い。例えば、設計モデルはボディ、面及び/又は開口、支持構造などの内部通路を規定しても良い。一つの例示的実施形態では、3次元設計モデルは例えばコンポーネントの中心(例えば垂直)軸あるいは任意の他の適切な軸に沿った複数のスライス又はセグメントに変換される。各スライスは、スライスの所定の高さのコンポーネント薄肉断面を規定しても良い。複数の連続する断面スライスは、その全体で3Dコンポーネントを形成する。コンポーネントは次に、層又はスライス単位で完了するまで「ビルトアップ」される。
【0035】
このようにして、ここに記載されるコンポーネントは付加プロセスを使用して製作できる。より具体的には 例えばレーザエネルギや熱を用いてプラスチックを融合又は重合させることにより又は金属粉を焼結あるいは溶融させることにより、各層は連続的に形成される。例えば、特定の種類の付加製造プロセスは、金属粉を焼結または溶融するためにエネルギビーム、例えばレーザビームなどの電子ビーム又は電磁放射を使用することができる。任意の適切なレーザあるいはレーザパラメータを、パワー、レーザビームスポットサイズ及びスキャン速度を勘案の上、使用することができる。ビルド材料は、強度、耐久性、及び特に高温下での耐用年数を向上させる目的で選択される任意の適切な粉体又は材料から形成することができる。
【0036】
各連続層は例えば、約10μm~200μmであって良いが、厚さは任意の数のパラメータ及び他の実施形態に従う任意の適切なサイズに基づいて選択し得る。したがって、上記の付加形成方法を利用することにより、ここに記載のコンポーネントは、付加形成プロセスの間利用される一つの粉体層の一つの厚みと同じ薄さ、例えば10μmの薄さの断面を有し得る。
【0037】
更に、上記の付加形成方法を利用することにより、用途の必要性に応じてコンポーネントの表面仕上げ及び形状を変化させることができる。例えば、特に成形品表面に対応する断面層外周における付加プロセスの間、適切なレーザスキャンパラメータ(例えば、レーザパワー、スキャン速度、焦点サイズなど)を選択することにより、表面仕上げを調整できる(例えばより滑らか、あるいは荒くする)。例えば、荒仕上げはレーザスキャン速度を上げる又は形成される溶融プールのサイズを小さくすることによって得られ、平滑仕上げはレーザスキャン速度を下げる又は形成される溶融プールのサイズを大きくすることによって得られる。スキャンパターン及び/又はレーザパワーも選択領域の表面仕上げを変更するために変更可能である。
【0038】
コンポーネントの製作が完了した後、さまざまな後処理手順をコンポーネントに適用しても良い。例えば、後処理手順は吹き付け又は吸引により余分の粉体を除去することを含んでも良い。他の後処理手順は応力緩和プロセスを含んでも良い。更に、要求される強度、表面処理及び他のコンポーネント特性又は形状を達成するため、熱的、機械的及び/又は化学的後処理手順を用いて部分を仕上げても良い。
【0039】
特に、例示的実施形態においては、製造上の制約により本発明のいくつかの態様及び特徴は以前は不可能であった。しかしながら、本発明者等は、さまざまなコンポーネントを改良するための付加製造技術及びそのようなコンポーネントを付加製造する方法における最新の進歩を有利に利用した。本開示は、一般にこれらのコンポーネントを形成する付加製造の使用に限定されるものではなく、付加製造は製造の容易化、コスト低減、より高い正確さなどを含むさまざまな製造上の利点を提供するものである。
【0040】
また、上記の付加製造方法は、ここに記載するコンポーネントの格段に複雑で入り組んだ形状及び輪郭を非常に高いレベルの精度で形成することを可能にする。例えば、そのようなコンポーネントは薄い付加製造層、断面形状及びコンポーネント輪郭を含んでも良い。更に、上記の付加製造プロセスは、コンポーネントンの異なる部位が異なる性能特性を示し得るように、異なる材料を有する単一のコンポーネントを製造することを可能にする。製造プロセスの連続的付加特性はこれら新規の特徴を有する造形を可能にする。結果として、ここに記載する方法を使用して形成されるコンポーネントは向上した性能及び信頼性を示し得る。
【0041】
本開示は、概して既存のワークピース上に付加印刷するように構成された付加製造機械、システム及び方法を提供する。既存のワークピースは、修理、再生又は改良されるワークピースのみならず新規のワークピースを含んでも良い。ここに開示される付加製造機械及びシステムは、デジタル画像などであっても良い、視野内に置かれた1又は複数のワークピースのデジタル表現を取り込む視覚システムを利用する。各ワークピースの形状及び位置は視覚システムを使用して決定されても良く、印刷コマンドは少なくとも部分的に1又は複数のワークピースのデジタル表現に基づいて生成されても良い。印刷コマンドは付加製造機械に1又は複数のワークピースのそれぞれの上に直接に拡張セグメントを付加印刷させるように設定されても良い。
【0042】
ワークピースはワークピース界面を含んでも良く、その上に付加製造機械が拡張セグメントを付加印刷できる。いくつかのワークピースでは、ワークピース界面は付加印刷の準備のための前処理を受けた表面を有する。例えば、表面は、機械加工、研削、研磨、ブラシ掛け、エッチング、研磨されても良く、ワークピース界面を設けるために実質的に改修されても良い。このようなサブトラクティブ改修は、少なくとも表面の摩耗または損傷した部位を取り除き、及び/又はワークピースと付加印刷材料との間の接着を改善し得る。以前使用されたコンポーネント、例えばコンプレッサブレードやタービンブレードなどの場合、微小亀裂、窪み、剥離、欠陥、異物、堆積、不整などのアーチファクトを含み、表面はある程度損傷あるいは摩耗している可能性がある。サブトラクティブ改修は、このような損傷や摩耗を除去し、付加印刷の準備ができたワークピース界面を有するワークピースを提供し得る。
【0043】
ワークピースの一つの例は、ターボ機械の翼、例えばコンプレッサブレード及び/又はタービンブレードなどである。一般的なターボ機械は、それぞれが複数の圧縮ステージを有し得る1又は複数のコンプレッサセクションと、それぞれが複数のタービンステージを有し得る1又は複数のタービンセクションとを含む。コンプレッサセクション及びタービンセクションは、一般的には回転軸の向きに置かれ、それぞれが各ステージの周囲に円周方向に配列され、シュラウドにより円周方向に囲まれている一連の翼を有する。
【0044】
通常、修理又は再生のためにターボ機械から取り外される一組のブレードの損傷又は摩耗の性質及び程度はブレード毎に異なる。その結果、ワークピース界面を準備するためにサブトラクティブ改修プロセスの間に除去する必要のある材料の量はブレード毎に変わり得る。更に、いくつかのブレードは高応力、高温に晒されることにより、及び又は/シュラウドとの摩擦などにより、それらの元のネットシェイプから変形している可能性がある。その結果、個々のブレードは、その元のネットシェイプからブレード毎の変化度合いで相違している可能性がある。
【0045】
更に、翼のサイズ及び形状はステージ毎に異なり得、そして翼の先端は比較的小さなワークピース界面を規定する。一例として、例示的高圧コンプレッサブレードは約1~2インチの高さであり得、約0.5mm~約5mmの断面幅のブレード端を有し得、非常に小さなワークピース界面を規定する。他の例示的高圧コンプレッサブレードは、低圧コンプレッサブレード及びタービンセクションからのブレード(例えば高圧タービンブレード及び低圧タービンブレード)と同様、いくぶん大きく例えば約10インチの高さがあるが、それでも小さなワークピース界面を規定する。
【0046】
元のネットシェイプからの差異、サブトラクティブ改修の量の相違及び/又は寸法及び形状の相違を含む、このワークピース毎のばらつきは、このようなワークピース界面上への付加印刷において鍵となる重要課題であり、本開示によって対処される。特に、本開示は、たとえ上記のばらつきの1又は複数の理由によりそれぞれのワークピース界面が互いに異なっていてもニアネットシェイプのコンポーネントを提供するために、充分な精度及び正確さでそれぞれのワークピース上に拡張セグメントを付加印刷することを可能にする。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示は、ワークピースが異なる寸法又は形状を有する場合であっても、付加製造機械又はシステムがそれぞれのワークピースのワークピース界面上に付加印刷し得るようにワークピースをビルドプレートに及び/又はビルドチャンバ内に固定するシステム及び方法を提供する。例えば、本開示は、ワークピース界面を互いに位置合わせさせるように構成された1又は複数の付勢部材と、ワークピースをビルドプレートに固定するように作動するクランプ機構とを有するビルドプレートを規定する。ワークピースは、ワークピース及び/又はワークピース界面の位置を特定するために付加製造システムが利用可能な、座標系にマップされた登録点により特定され得る位置でビルドプレートに固定されても良い。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示は1又は複数の拡張セグメントを含むCADモデル、例えば対応のワークピースの位置及び形状に合致する1又は複数の拡張セグメントが付加印刷される拡張セグメントCADモデルを決定又は生成するシステム及び方法を規定する。このような拡張セグメントCADモデルは付加製造機械用の印刷コマンドを生成するのに利用可能であり、付加製造機械がニアネットシェイプコンポーネントを提供するために充分な精度及び正確さで拡張セグメントをワークピース界面上に付加印刷することを可能にする。
【0049】
本開示は、拡張セグメントCADモデルを、例えば1又は複数の基準ワークピース、コンポーネント又は拡張セグメントの基準モデルを含むライブラリCADモデルから決定/及び又は生成することを規定する。ライブラリCADモデルは、少なくとも部分的に視覚システムから得られる1又は複数のワークピース界面の視野のデジタル表現に基づき、CADモデルのライブラリから選択されても良い。基準モデルを横断する基準モデル界面はライブラリCADモデルにおいて決定されても良く、また拡張セグメントのモデルは少なくとも部分的に基準モデル界面のワークピース界面のデジタル表現との比較に基づき、選択及び/又は生成されても良い。1又は複数の拡張セグメントのモデルは拡張セグメントCADモデルに出力されても良く、付加製造機械用の印刷コマンドは拡張セグメントCADモデルを使用して生成されても良い。
【0050】
いくつかの実施形態では、拡張セグメントのモデルの生成は、基準モデルから基準モデル界面を抽出すること、少なくとも部分的にワークピース界面のデジタル表現との比較に基づき基準モデル界面を変形すること、及び/又は拡張セグメントのモデルを規定するために変形モデル界面を拡張することを含んでも良い。更に又は代替として、拡張セグメントのモデルは基準モデルの3次元の部位から生成されても良く、それはワークピース界面のデジタル表現に合致する拡張セグメントのモデルを規定するためにそのような3次元部位を変形することをふくんでも良い。
【0051】
本開示はまた、付加製造システムの1又は複数の態様の間で時折発生することがある、不一致、かたより、ずれ、較正エラーなどを防ぐあるいは緩和するために較正調整を実行するシステム又は方法を規定する。このような較正調整は、視覚システムと付加製造機械との間、視覚システムと1又は複数の生成されたCADモデルとの間、1又は複数のCADモデルと付加製造機械との間、更にはこれらの組み合わせに生じ得る、不一致、かたより、不整合、較正エラーに対処するものである。
【0052】
ワークピース界面上に拡張セグメントを付加印刷する際、ワークピースと拡張セグメントとの間の位置ずれは、不良ビルドあるいは欠陥コンポーネントを生じさせる可能性がある。従来の付加製造システムでは、ツールパス座標とCADモデルの座標との間のマッピングに、システム上のかたよりが発生する可能性がある。このようなシステム上のかたよりは、付加印刷されたコンポーネントを全体的にシフトさせる可能性があるが、これは従来の付加製造システムにおいては重要なことではなかった。しかしながら、本開示は、拡張セグメントがワークピースのワークピース界面の位置及び形状に合致するようにニアネットシェイプコンポーネントを提供する。そのようなニアネットシェイプコンポーネントを提供するためには、付加製造ツールの精度のみが重要ではなく、ワークピース及び対応の拡張セグメントの位置および形状が正確且つ高精度に互いに位置合わせされていることも重要である。
【0053】
いくつかの実施形態では、拡張セグメントに使用される付加材料はワークピースの材料と相違しても良い。材料の相違は、ワークピースと比較し、向上した耐摩耗性、改善された硬度、強度及び/又は延性を含む、拡張セグメントの異なる性質又は性能特性を規定し得る。新規のあるいは未使用のコンポーネントは、本開示に従い、拡張セグメントにワークピースとは異なる材料を提供するように付加製造または改良可能である。例えば、コンプレッサブレードやタービンブレードなどの翼は、高性能材料で形成されたブレード端により改良されても良い。同様に、損傷又は摩耗したコンポーネントは、ワークピースとは異なる材料、例えば高性能材料を使用して修理又は再生可能である。
【0054】
本開示の例示的実施形態をより詳しく説明する。付加製造システム100の例示的実施形態を図1A及び1Bに示す。例示的付加製造システム100は、視覚システム102、付加製造機械104、視覚システム102及び/又は付加製造機械104を制御するよう動作可能に構成された制御システム106を含む。視覚システム102及び付加製造機械104は、単一の一体型ユニット又は分離された単体ユニットとして提供可能である。視覚システム102及び付加製造機械104は、有線又は無線の通信ラインを利用し、通信インタフェースを介して互いに動作可能に結合されても良く、それにより視覚システム102と付加製造機械104との間の直接接続を提供できる。制御システム106は1又は複数の制御システム106を含んでも良い。例えば、単一の制御システム106が視覚システム102及び付加製造機械104の動作を制御するように動作可能に構成されるか、あるいは、別々の制御システム106が視覚システム102と付加製造機械104とをそれぞれ制御するように動作可能に構成されても良い。制御システム106は、視覚システム102の一部として、付加製造機械104の一部として、及び/又は視覚システム102及び付加製造機械104から分離して提供される単一ユニットとして実装可能である。制御システム106は、視覚システム102及び/又は付加製造機械104と有線又は無線の通信ラインを利用して通信インタフェースを介して動作可能に結合されても良く、それにより制御システム106と視覚システム102との間の直接接続及び/又は制御システム106と付加製造機械104との間の直接接続が可能となる。例示的付加製造システム100は、所望によりユーザインターフェース108及び/又は管理システム110を含んでも良い。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の制御システム106が拡張セグメントCADモデルを決定し、少なくとも部分的にこのセグメントCADモデルに基づいて1又は複数の印刷コマンドを生成し、及び/又はこの1又は複数の印刷コマンドを第2の制御システム106に送信しても良く、そして第2の制御システム106が少なくとも部分的にこの印刷コマンドに基づいて付加製造機械104に拡張セグメントを付加印刷させても良い。第1の制御システム106が視覚システム102の一部として実装されても良く、及び/又は第2の制御システム106が付加製造機械104の一部として実現されても良い。あるいは又は更に、第1の制御システム106及び/又は第2の制御システ106が 視覚システム102及び/又は付加製造機械104から分離した単体ユニットとして実装されても良い。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の制御システム106が第2の制御システムに106拡張セグメントCADモデルを決定して送信しても良く、第2の制御システム106が拡張セグメントCADモデルを1又は複数の印刷コマンドが生成されるようにスライスして第3の制御システム106に同時的に又はその後に1又は複数の印刷コマンドを送信しても良く、そして3の制御システムが少なくとも部分的にこの印刷コマンドに基づいて付加製造機械104に拡張セグメントを付加印刷させても良い。第1の制御システム106が視覚システム102の一部として実装されても良く、第2の制御システム106が単体ユニットして実装されても良く、第3の制御システム106が付加製造機械104の一部として実装されても良い。あるいは又は更に、第1の制御システム106及び/又は第2の制御システ106は視覚システム102及び/又は付加製造機械104から分離した単体ユニットとして実現されても良い。
【0057】
視覚システム102は、1又は複数の視野114のデジタル表現を含む画像を得るように動作可能に構成された任意の適切な1又は複数のカメラ112あるいは他の機械視覚デバイスを含んでも良い。このようなデジタル表現は、デジタル画像あるいは画像と呼ばれることもあるが、本開示はこのようなデジタル表現を人間の目に見える形にレンダリングすることなく、実施可能であることを理解されたい。しかしながら、いくつかの実施形態においては、視野114に対応する人間の目に見える画像が少なくとも部分的に上記の1又は複数の視野114のデジタル表現に基づいてユーザインターフェース108上に表示できる。
【0058】
視覚システム102は、1又は複数の拡張セグメントがそれぞれ付加印刷可能な1又は複数のワークピース116に関連する情報を、付加製造システム100が得ることを可能にする。特に、1又は複数の拡張セグメントを対応する1又は複数のワークピース116上に十分に高い正確さ及び精度で印刷するよう付加製造機械104に指示できるように、視覚システム102は1又は複数のワークピース116の位置を特定し、定義することを可能にする。1又は複数のワークピース116は、ビルド面122に位置合わせされた各ワークピース116のワークピース界面(例えば上端面)120でビルドプレート118に固定されても良い。
【0059】
視覚システム102の1又は複数のカメラ112は、視野114の2次元デジタル表現及び/又は視野114の3次元デジタル表現を含む、2次元あるいは3次元画像データを得るように構成されても良い。ワークピース界面120のビルド面122との位置合わせは、1又は複数のカメラ112が高品質の画像を得ることを可能にする。例えば、1又は複数のカメラ112はビルド面122に調整された又は調整可能な焦点距離を有しても良い。ビルド面122と位置合わせされた1又は複数のワークピース116のワークピース界面120により、1又は複数のカメラ112はワークピース界面120のデジタル画像を容易に得ることができる。1又は複数のカメラ112は、ビルドプレート118に固定された1又は複数のワークピース116の全て又は一部を取り囲む視野114を含んでも良い。例えば、単一の視野114は複数のワークピース116、例えばビルドプレート118に固定された複数のワークピース116を取り囲むほど十分広くても良い。あるいは、それぞれのワークピース116のデジタル表現が別々に得られるように、視野114は個々のワークピース116により狭く焦点を合わせても良い。複数のワークピース116のデジタル表現を得るために別々に得られたデジタル画像をつなぎ合わせても良いことを理解されたい。いくつかの実施形態では、視野114の周辺近くに位置するワークピース又はその一部が歪まないように、カメラ112は平坦焦点面を規定するように構成されたコリメートレンズを含んでも良い。更に又は代替として、視覚システム102はそのような歪に対処するため、歪み補正アルゴリズムを利用しても良い。
【0060】
視覚システム102により得られた1又は複数のワークピース116のデジタル表現を含む画像データは制御システ106に送信されても良い。制御システ106は、視覚システム102により取り込まれた1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現から複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120を決定し、次に複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120の1又は複数の座標を決定するように構成されても良い。制御システ106は1又は複数のデジタル表現に基づき1又は複数の印刷コマンドを生成しても良く、それは付加製造機械104が複数のワークピース116の各一つの上に複数の拡張セグメントを付加印刷できるように付加製造機械104に送信されても良い。1又は複数の印刷コマンドは複数の拡張セグメントを付加印刷するように設定され、複数の拡張セグメントの各一つは対応のワークピース116のワークピース界面120上に配置されても良い。
【0061】
付加製造機械104は、任意の必要とする付加製造テクノロジーを利用することができる。一つの例示的実施形態では、付加製造機械は粉体床溶融結合(PBF)技術、例えば直接金属レーザ溶融法(DMLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、選択的レーザ溶融法(SLM)、溶融直接金属レーザ焼結法(DMLS)又は選択的レーザ焼結法(SLS)などを利用できる。付加製造機械104は任意の上記の付加製造テクノロジーを備えても良く、また、任意の他の付加製造テクノロジーも使用できる。一例として、粉体床溶融結合技術を使用すると、粉体材料の層をワークピース界面120に層単位で溶融又は融合させることにより、複数の拡張セグメントの各一つを複数のワークピース116の対応する各一つの上に付加印刷することができる。いくつかの実施形態では、粉体材料の単一の層をワークピース界面120に溶融又は融合させることによりコンポーネントを付加印刷することができる。更に又は代替として、粉体材料の連続する層を順次互いに溶融又は融合しても良い。
【0062】
更に図1A及び1Bを参照すると、付加製造機械104は、粉体126の供給源を収容している粉体供給チャンバ124とビルドチャンバ128とを含む。固定された1又は複数のワークピース116を有するビルドプレート118はビルドチャンバ128内に配置されても良く、そこでワークピース116を層単位で付加印刷することができる。粉体供給チャンバ124は、システム100の稼働中に粉体床132を上昇させる粉体ピストン130を含む。粉体床132が上昇すると粉体126の一部が粉体供給チャンバ124に押し出される。
【0063】
ローラ又はブレードなどのリコータ134は、粉体126の一部を、ワーク面136を横切りビルドプラットフォーム138上まで押し出す。ビルドプレート118をビルドプラットフォーム138上に及び/又はビルドチャンバ128内に十分に高い正確さ及び精度で配置するように構成されたチャックシステム140により、ビルドプレート118をビルドプラットフォーム138に固定しても良い。ビルドプレート118をビルドプラットフォーム138に固定する前に、ワークピース116をビルドプレート118に固定しても良い。リコータ134は、ビルドチャンバ128を粉体126で満たし、そしてワークピース116の連続的層を付加印刷するためにワークピース116の上端付近のビルド面122に粉体126の薄層を分布させる。例えば、粉体126の薄層は10~100ミクロン、例えば20~80μm、40~60μm、20~50μm、又は10~30μmの厚みであっても良い。ビルド面122は粉体126により形成すべきワークピース116の次の層に対応する面として機能する。
【0064】
ワークピース116上に拡張セグメントの層(例えば、界面層又は次の層)を形成するために、エネルギ源142はレーザ又は電子ビームなどのエネルギビーム144をビルド面122に沿った粉体126の薄層に向け、粉体126をワークピース116の上端に溶融又は融合させる(例えば、層をワークピース116界面120に溶融又は融合させ、及び/又は引き続く層をそこに溶融又は融合させる)。スキャナ146は、粉体126のワークピース116に溶融又は融合すべき部分だけが溶融又は融合するようにビームのパスを制御する。通常、DMLM、EBM 又はSLM法により、粉体126は完全に溶融し、それぞれの層はエネルギビーム144のそれぞれのパスで溶融あるいは再溶融する。一方、DMLS又はSLS法では、粉体126の層は焼結され、粉体126の融点に達することなく粉体126の粒子は互いに融合する。粉体126の層がワークピース116に溶融又は融合した後、ビルドピストン148はビルドプラットフォーム138を粉体126の次の層のビルド面122を規定する分だけ徐々に下げ、リコータ134はビルド面122に粉体126の次の層を分布させる。付加印刷プロセスが完了するまで、粉体126の連続的な層をこのようにしてワークピース116に溶融又は融合することができる。
【0065】
図2A及び2Bを参照すると、ビルドプレート118に固定された複数のワークピース116を含むワークピースアセンブリ200が示されている。ビルドプレート118は、ワークピース116をそれぞれの登録点202に位置合わせするように構成されても良い。登録点202は座標系にマップされても良い。図2Aはビルドプレート118に固定された複数のワークピース116を含むワークピースアセンブリ200を示している。図2Aに表される配置は、ワークピース界面120に拡張セグメントを付加印刷する前の時点のものである。図2B図2Aのワークピースアセンブリ200を示しているが、付加印刷プロセスの後の時点のものである。図2Bに示されるように、複数のコンポーネント204はビルドプレート118に固定されており、それらは複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の対応の各一つに付加印刷することにより付加印刷プロセス中に形成されたものである。
【0066】
図2A及び2Bに示されるビルドプレート118及び/又はワークピースアセンブリ200は、複数の拡張セグメント206の各一つを単一のビルドの一部として複数のワークピース116の対応の各一つに付加印刷することを含む、ワークピース116上への拡張セグメント206の付加印刷を促進するために使用することができる。いくつかの実施形態では、視覚システム102による画像取り込みを促進するために、そしてCADモデルのワークピース116との位置合わせを促進するために(例えば、CADモデルにより定義される拡張セグメント206が適切にワークピース116上に付加印刷されるように)、及び/又は付加製造機械104の操作が容易になるように、ビルドプレート118を、ワークピース116をそれぞれの登録点202に位置合わせするように構成しても良い。
【0067】
図2A及び2Bに示されるワークピースアセンブリ200は任意の数のワークピース116を保持することができる。一つの例では、図示のワークピースアセンブリ200は20個までのワークピース116を保持できる。別の例として、ワークピースアセンブリ200は、2個~100個又はそれ以上のワークピース116、例えば2個~20個のワークピース116、10個~20個のワークピース116、20個~60個のワークピース116、25個~75個のワークピース116、40個~50個のワークピース116、50個~100個のワークピース116、5個~75個のワークピース116、75個~100個のワークピース116、少なくとも2個のワークピース116、少なくとも10個のワークピース116、少なくとも20個のワークピース116、少なくとも40個のワークピース116、少なくとも60個のワークピース116、又は少なくとも80個のワークピース116を保持するように構成されても良い。
【0068】
いくつかの実施形態では、ワークピース116がターボ機械のコンプレッサブレード又はタービンブレードなどの翼である場合、ワークピースアセンブリ200はコンプレッサ及び/又はタービンの1又は複数の段のブレード数に対応する数のブレードを保持するように適宜構成されても良い。このようにして、タービン及び/又はコンプレッサの所与の1又は複数の段のブレードの全てを一括管理することができ、単一のビルド内でそれらに拡張セグメント206を付加印刷することができる。ワークピースアセンブリ200及びビルドプレート118は一つの例示的実施形態を現すものであり、それらは例として規定されるものであって限定するものでないことを理解されたい。ワークピース116を適切な位置決め及び位置合わせにより固定することを可能にし、本開示の精神及び範囲内にある、ワークピースアセンブリ200及び/又はビルドプレート118のさまざまな他の実施形態が考慮される。
【0069】
図2A及び2Bに示す例示的ワークピースアセンブリ200は、内部に配置されている1又は複数のワークピースベイ208を有するビルドプレート118を含む。1又は複数のワークピースベイ208のそれぞれは1又は複数のワークピースドック210を含んでも良い。1又は複数のワークピースベイ208は更に、1又は複数のワークピース116をビルドプレート118に固定するように作動する1又は複数のクランプ機構212を含んでも良い。1又は複数のワークピースドック210は1又は複数のワークピースシュー214を受容するように構成されても良く、1又は複数のワークピースシュー214はそれぞれワークピース116を受容するように構成されても良い。1又は複数のクランプ機構212は、対応のワークピースドック210内の位置にワークピースシュー214をクランプするように構成されても良い。
【0070】
ワークピースドック210及び/又はワークピースシュー214は、ワークピースシュー214とビルドプレート118との間、例えばワークピースドック210の底に付勢力(例えば上方あるいは垂直方向付勢力)を及ぼすように構成された1又は複数の付勢部材(不図示)を含んでも良い。付勢部材は、そのような付勢力を及ぼすために動作可能な、1又は複数のばね、1又は複数のマグネット対(例えば永久磁石又は電磁石)、1又は複数の圧電アクチュエータなどを含んでも良い。付勢部材によって及ぼされる付勢力は、ワークピース界面120(例えば、ワークピース116の上端面)が互いに位置合わせされることを可能にするようにワークピースシュー214を付勢する。例として、付勢部材を部分的に圧縮してワークピース界面120(例えば、ワークピース116の上端面)を互いに位置合わせさせるために、位置合わせプレート(不図示)をワークピース116の上端に設置しても良い。いくつかの実施形態では、位置合わせプレートをワークピース116の上端で必要な高さに位置決めすることを支援するために、昇降ブロック(不図示)をビルドプレート118と位置合わせプレート(不図示)との間に設置しても良い。互いに位置合わせされたワークピース界面120により、ワークピース116をビルドプレート118に固定するようにクランプ機構212が締め付けられても良い。
【0071】
図3A及び3Bに示すように、ワークピース116のビルド面122からの位置ずれは印刷の失敗をもたらす可能性がある。図3Aは、ビルド面122と位置合わせされた第1のワークピース300と、ビルド面122の下に位置する第2のワークピース302とビルド面122の上に位置する第3のワークピース304とを含む、複数のワークピース116を示している。リコータ134が粉体126をビルド面122に分布させると、通常、第1のワークピース300は粉体126の薄層をその上端部で適切に受容すると予想される。一方、第2のワークピース302及び第3のワークピース304はビルド面122からの位置ずれを示しており、これは印刷の失敗を引き起こし得る。例えば、第2のワークピース302は過度に厚い粉体126の層306が原因となる印刷失敗、例えば粉体126の層の第2のワークピース302への不十分な接着などをもたらす可能性がある。そのような不十分な接着は、溶融が十分であれば除去されるものである層内部に捕らわれたガスにより形成されるボイドに加え、粉体126又は第2のワークピース302の上端層(例えばワークピース界面120)の不完全な溶融によって引き起こされる可能性がある。別の例として、第3のワークピース304はビルド面122から突き出る第3のワークピース304の面308が原因となる印刷失敗をもたらし、リコータ134が第3のワークピース304の突出面308を飛び越す可能性があり、及び/又はリコータ134が第3のワークピース304に遮られてリコータ134が損傷するかあるいはリコータ134が突出面308を越えて移動することが妨げられる可能性がある。
【0072】
いくつかの実施形態では、たとえ位置合わせが正しくなされなかったワークピース116がリコータ134を妨害するなどの完全な印刷失敗を引き起こさなかったとしても、この位置ずれは溶融、寸法上の不正確さ、微小硬度、引張特性及び/又は物質密度の変動を引き起こす可能性がある。これらの変動は、連続的層がワークピース116に付加されるときにワークピース116に伝搬する可能性がある。更に、そのような変動を有するコンポーネント204は稼働中に故障し、他の機器に破局的故障を含む損傷を引き起こす可能性がある。コンプレッサブレード又はタービンブレードが故障すると、この故障はターボ機械の他の部分に損傷を与え、ターボ機械を直ちに動作不能に陥らせる可能性がある。
【0073】
しかしながら、図3C及び3Dに示すように、本開示は複数のワークピース116の上端部をビルド面122と位置合わせするように構成されたビルドプレート118及び/又はワークピースアセンブリ200を提供する。例示的実施形態では、ワークピース116の上端部はワークピース界面120を規定し、ワークピース116にサブトラクティブ改修を実施することにより、このワークピース界面120は少なくとも部分的に用意できる。このようなワークピース界面120は、通常はビルドプレート118に装着されたときにワークピース116の最も高い位置にある部分又は最も高い部分に対応する、面、平面、先端などを含み得る。位置合わせされた上端部により、リコータ134が各ワークピース116に粉体126の一様な層を塗布することを確保しつつ、粉体床溶融結合プロセスを使用して複数の拡張セグメント206を対応の複数のワークピース116上に共通ビルド内で一括して付加印刷することができる。いくつかの実施形態では、ビルドプレート118は複数のワークピース116を、ビルド面122に対し100ミクロン以下、例えば80μm以下、60μm以下、40μm以下、20μm以下、あるいは10μm以下の誤差で位置合わせすることができる。
【0074】
ワークピースアセンブリ200により提供される位置合わせは、それぞれのワークピース116の寸法の相違を補償し得る。このような寸法の相違は、ワークピース116の元の形状が異なるということを含む多くの原因から生じるワークピース116の寸法上の変動及び/又はワークピース116上にワークピース界面120を用意するために実施されるサブトラクティブ改修から生じるワークピース116の寸法上の変動に起因し得る。いくつかの実施形態では、ワークピース116がターボ機械の翼、例えばコンプレッサブレード及び/又はタービンブレードなどである場合、ターボ機械の異なる段からの翼は、たとえそれぞれのワークピース116が互いに異なる寸法を有していても、それぞれのワークピース界面120(例えば、ワークピース116の上端面)が互いに位置合わせされた状態でワークピースアセンブリ200内に固定できる。
【0075】
図4を参照し、拡張セグメント206をワークピース116のワークピース界面120上に付加印刷する例示的方法400を説明する。この例示的方法は、ここに記載するように、例えば視覚システム102に通信可能に結合された制御システム106及び付加製造機械104を使用し、付加製造システム100によって実施されても良い。例示的方法400は、工程402において視覚システム102により取り込まれた視野114のデジタル表現からワークピース界面120を決定することを含む。ワークピース116を決定することは、ワークピース界面120を決定することを含んでも良い。例えば、例示的方法は視覚システム102により取り込まれた1又は複数の視野114のデジタル表現から複数のワークピース116のそれぞれのワークピース界面120を決定することを含んでも良い。ワークピース界面120を決定することは、ワークピース界面120の1又は複数の座標、例えば複数のワークピース116のそれぞれの座標を決定することを含んでも良い。1又は複数の視野114は3次元の空間に置かれた1又は複数のワークピース、例えば2次元の視野114又は3次元の視野114などを含んでも良い。例えば、1又は複数の視野114は、1又は複数のワークピース116個々の及び/又は複数のワークピース116一括の2次元又は3次元の上面図、例えば1又は複数のワークピース116個々の又は複数のワークピース116一括のワークピース界面120の2次元又は3次元の上面図を含んでも良い。
【0076】
いくつかの実施形態では、例示的方法400は工程404において、視野114がワークピース界面120を含む視覚システム102を使用して視野114のデジタル表現を得ることを含んでも良い。これは、視覚システム102を使用し、1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現を得ることを含んでも良い。あるいは、例示的方法400は既に視覚システム102から得られた1又は複数のデジタル表現で開始しても良い。
【0077】
示的方法400は、更に工程406において、ワークピース界面120上に拡張セグメント206を付加印刷するように設定された印刷コマンドを付加製造機械104に送信することを含み、印刷コマンドは少なくとも部分的に視野114のデジタル表現に基づいて生成されたものである。印刷コマンドはワークピース界面120上に拡張セグメント206を付加印刷するように設定されても良い。1又は複数の印刷コマンドは付加製造機械104に送信されても良く、1又は複数の印刷コマンドは複数の拡張セグメント206を付加印刷するように設定されても良く、複数の拡張セグメント206の各一つは複数のワークピース116に対応する各一つのワークピース界面120の上に置かれる。
【0078】
1又は複数の印刷コマンドは、少なくとも部分的に、1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現に基づいて生成されても良い。例示的方法400は、所望により工程S408において少なくとも部分的に、視覚システム102に取り込まれた視野114のデジタル表現に基づいて生成されることを含んでも良い。これは、少なくとも部分的に、1又は複数のワークピース116及び/又はその1又は複数のワークピース界面120を含む1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現に基づいて1又は複数の印刷コマンドを生成することを含んでも良い。あるいは、例示的方法400は、既に生成されている又は別々に生成された1又は複数の印刷コマンドについて、例えば制御システム106により、あるいは別のものにより実行されても良い。
【0079】
例示的方法400は更に、工程S410において、少なくとも部分的に印刷コマンドに基づき、ワークピース界面120上に拡張セグメント206を付加印刷することを含んでも良い。これは、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の対応する各一つの上に、例えば、その複数のワークピース界面120の対応する各一つの上に付加印刷することを含んでも良い。例えば、1又は複数の印刷コマンドは、少なくとも部分的にそれぞれのワークピース界面120の1又は複数の座標に基づいて、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の対応する各一つのワークピース界面120の上に位置決めするように設定されても良い。
【0080】
例示的方法400は、1又は複数の拡張セグメント206を1又は複数のワークピース116の上に付加印刷することによりコンポーネント204を提供するように実行されても良い。いくつかの実施形態では、複数のワークピース116はターボ機械用の複数のブレード、例えばコンプレッサブレード及び/又はタービンブレードを含んでも良く、対応する複数の拡張セグメント206は複数のブレード端を含んでも良い。コンポーネント204は、付加製造機械104を使用し、層単位で付加印刷されても良い。例えば、例示的方法400は、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120の上に複数の拡張セグメント206の第1の層を付加印刷し、次に複数の拡張セグメント206の第1の層の上に複数の拡張セグメント206の第2の層を付加印刷することを含んでも良い。第1の層はワークピース界面120とその上に付加印刷すべき拡張セグメント206との間の界面層であっても良い。第2の層は拡張セグメント206の次の層であっても良い。いくつかの実施形態では、コンポーネント204は、粉体材料単一の界面層をワークピース界面120に溶融あるいは融合させることにより付加印刷されても良い。
【0081】
図5Aないし5Cを参照すると、例示的ワークピース116(図5A及び5B)と例示的コンポーネント204(図5C)が示されている。例示的ワークピース116及びコンポーネント204は、コンプレッサブレード又はタービンブレードなどの翼、又は他のワークピース116あるいはコンポーネント204であっても良い。図示されるように、ワークピース116及びコンポーネント204はターボ機械の高圧ブレード(HPCブレード)を表す。ワークピース116は新規に製作されるワークピースであっても修理、再生等がなされるワークピース116であっても良い。
【0082】
例示的方法400は、ワークピース116をサブトラクティブ改修することにより、その上にワークピース界面120を設けても良い。これは、切削、研削、機械加工、放電加工、ブラッシング、エッチング、研磨、あるいはワークピース界面120を設けるためのワークピース116を実質的に改修することを含み得る。サブトラクティブ改修は、サブトラクション部分500(図5A)を除去し、ワークピース界面120(図5B)を設けることを含み得る。サブトラクティブ改修は、少なくともワークピース116の摩耗あるいは損傷した表面部分を除去することを含み得る。例えば図5Aに示すように、ワークピース116は微小亀裂、窪み、剥離、欠陥、異物、堆積、不整などのアーチファクト502を含み得る。このようなアーチファクト502は、通常、コンプレッサあるいはタービンブレードの上端面に、このようなブレードが晒される極限状態の結果として現れ得る。サブトラクティブ改修は、更に又は代替として、ワークピース116と拡張セグメント206との間の接着を改善するために実施されても良い。
【0083】
ワークピース116がターボ機械用の翼、例えばコンプレッサブレード及び/又はタービンブレードを含む場合、図5A及び5Bに示すように、サブトラクティブ改修は、例えば摩耗したあるいは損傷した部分を除去するために、翼の先端部を除去することを含み得る。あるいは、いくつかの実施形態では、コンポーネント204は最初、図5Bに示すようにサブトラクティブ改修を必要とせず、あるいはサブトラクティブ改修中にコンポーネント204の重要な部分を除去する必要がない状態で現れる。例えば、ワークピース116は最初の製作プロセスにおける中間ワークピース116であっても良い。
【0084】
サブトラクティブ改修中に除去される材料の量は、ワークピース116の性質、例えばワークピース界面120を設けるために及び/又は摩耗あるいは損傷した材料を除去するためにどれくらい材料を取り去るべきか、により変わり得る。サブトラクティブ改修がかなりの厚みの層を除去することなくワークピース界面120を設けることを意図する場合、又はワークピース116の摩耗あるいは損傷が薄い表面層に限定されている場合には、除去される材料の量を非常に薄い表面層だけに限定することができる。あるいは、ワークピース116から除去される材料の量は、例えばワークピース116が大きな亀裂、割れ目又はワークピース116内部まで深く入り込む他の損傷がある場合には、ワークピース116の大部分を含むものであっても良い。
【0085】
いくつかの実施形態では、除去される材料の量は約1ミクロン~約1センチメートル、例えば、約1μm~1000μm、約1μm~500μm、約1μm~100μm、約1μm~25μm、約100μm~500μm、約500μm~1,000μm、約100μm~5mm、約1mm~5mm、又は約5mm~1cmであっても良い。更に他の実施形態では、除去される材料の量は約1センチメートル~約10センチメートル、例えば約1センチメートル~約5センチメートル、約2センチメートル~約7センチメートル、又は約5センチメートル~約10センチメートルであっても良い。
【0086】
ワークピース116の性質に関わらず、図5Cに示すように、ニアネットシェイプコンポーネント204はワークピース116上に拡張セグメント206を付加印刷することにより形成することができる。拡張セグメント206が十分な合同性でワークピース116(及び/又はワークピース界面外周504)と揃い、そして研磨、バフ掛けなどの表面仕上げは別として、その後のサブトラクティブ改修を必要とすることなくニアネットシェイプコンポーネント204を提供できるように、ニアネットシェイプコンポーネント204はワークピース116(及び/又はワークピース界面外周504)と実質的に合同である拡張セグメント206を含んでも良い。拡張セグメント206がワークピース116及び/又はワークピース界面120と実質的に合同となるように、拡張セグメント206はそれぞれのワークピース界面120上に付加印刷されても良い。例えば、ワークピース界面120はワークピース界面外周504(図5B)有しても良く、拡張セグメント206は、拡張セグメント206がワークピース界面外周504と実質的に合同となるようにワークピース界面120上に付加印刷されても良い。拡張セグメント206は、ワークピース界面外周504と実質的に合同である界面層外周を有するワークピース界面120と実質的に合同である界面層を有しても良い。例示的実施形態では、ワークピース116が三日月形のワークピース界面120を有する翼(例えば、コンプレッサブレード又はタービンブレード)であり、拡張セグメント206もまた少なくとも部分的にワークピース116のワークピース界面120のデジタル表現に基づいて決定される三日月形を有する場合、ワークピース界面120上に付加印刷される拡張セグメント206は、ワークピース116(及び/又はワークピース界面外周504)と実質的に合同であるとみなすことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、図5Cに示すように、コンポーネント204は張出し506を含んでも良く、例えば拡張セグメント206はワークピース界面120(例えばワークピース界面外周504)に張り出している。例えば張出し506が研磨、バフ掛けなどの表面仕上げは別として、その後のサブトラクティブ改修を必要としない場合などは、張出し506が存在するにもかかわらず、コンポーネント204はニアネットシェイプコンポーネント204であると見なすことができ、及び/又は拡張セグメント206はワークピース116(及び/又はワークピース界面外周504)と実質的に合同であるとみなすことができる。張出し506の目的は、例えば研磨、バフ掛けなどの表面仕上げに利用できる材料の小部分を残しておくことである。張出し506の寸法は仕上げプロセスの性質に基づいて決定しても良い。そのような仕上げプロセスの後、張出し506を実質的に除去することができる。
【0088】
一例として、いくつかの実施形態では、張出し506は約1ミクロン~約1,000ミクロン、例えば約1μm~500μm、約1μm~100μm、約1μm~50μm、約1μm~25μm、約10μm~50μm、約25μm~50μm、約50μm~100μm、約50μm~250μm、約250μm~500μm、約500μm~1,000μm、約1,000μm以下、約500μm以下、約250μm以下、約100μm以下、約50μm以下、又は約25μm以下であっても良い。例示的実施形態では、複数の拡張セグメント206の各一つは、約1,500ミクロン以下、例えば約1,000μm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、又は約25μm以下の最大張出距離を有する張出し506で複数のワークピース116の各一つの対応のワークピース界面120に張り出しても良い。例示的実施形態では、拡張セグメント206が約1,500ミクロン以下、例えば約1,000μm以下、約500μm以下、約100μm以下、約50μm以下、又は約25μm以下の最大張出距離を有する張出し506を有する場合、拡張セグメント206はワークピース116及び/又はワークピース界面外周504と合同であると見なしても良い。
【0089】
ワークピース界面120は比較的小さいが、付加製造機械104は拡張セグメント206をその上に付加印刷し、ニアネットシェイプコンポーネント204を提供することができる。例えば図5Bに示すように、ワークピース116は断面幅w、高さhを有するワークピース界面120を含み、断面幅に対するワークピース116の高さの比は、約1:1~1,000:1、例えば約1:1~500:1、約1:1~250:1、約1:1~約100:1、約1:1~約75:1、約1:1~約65:1、約1:1~約35:1、約2:1~約100:1、約5:1~約100:1、約25:1~約100:1、約50:1~約100:1、約75:1~約100:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも25:1、少なくとも50:1、少なくとも75:1、少なくとも100:1、少なくとも250:1、少なくとも500:1、又は少なくとも750:1であっても良い。
【0090】
図5Cに示すように、拡張セグメント206は高さhを有し、拡張セグメント206の高さhに対するワークピース116の断面幅wの比は、約1:1,000~約1,000:1、例えば、約1:1,000~約1:500、約1:500~約1:100、約1:100~約1:1、約1:10~約1:1、約1:10~約10:1、約1:1~約1:1,000、約1:1~約1:10、約1:1~約100:1、約1:1~約500:1、又は約500:1~約1,000:1であっても良い。
【0091】
拡張セグメント206の高さhに対するワークピース116の高さhの比は、約2:1~約10,000:1、例えば約10:1~約1,000:1、約100:1~約10,000:1、約100:1~約500:1、約500:1~約1,000:1、約1,000:1~約10,000:1、約500:1~約5,000:1、約2,500:1~約7,500:1、少なくとも2:1、少なくとも100:1、少なくとも500:1、少なくとも1,000:1、少なくとも5,000:1、又は少なくとも7,000:1であっても良い。
【0092】
いくつかの実施形態では、ワークピース116の断面幅は、約0.1ミリメートル~約10センチメートル、例えば、約0.1mm~約5cm、約0.2mm~約5cm、約0.5mm~約5cm、約0.5mm~約1cm、約0.1mm~0.5mm、約0.1mm~約5mm、約0.5mm~約10mm、約0.5mm~約5mm、約0.5mm~約3mm、約1mm~約5mm、約3mm~約10mm、約1cm~約10cm、約10cm以下、約5cm以下、約3cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約3mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下 であっても良い。他の実施形態では、ワークピース116の断面幅は比較的大きく、例えば、約1cm~約25cm、約5cm~約15cm、約5cm~約10cm、少なくとも約1cm、少なくとも約5cm、少なくとも約10cm、少なくとも約15cm、又は少なくとも約20cmであっても良い。
【0093】
いくつかの実施形態では、ワークピース116の高さhは、約0.5センチメートル~25センチメートル、例えば約0.5cm~5cm、約0.5cm~3cm、約1cm~3cm、約1cm~10cm、約10cm~15cm、約15cm~25cm、少なくとも約0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも約10cm、少なくとも約20cm、約25cm以下、約20cm以下、約15cm以下、約10cm以下、約5cm以下、約3cm以下、又は約1cm以下であっても良い。他の実施形態では、ワークピース116の断面幅は比較的大きく、例えば約1cm~約25cm、約5cm~約15cm、約5cm~約10cm、少なくとも1cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、少なくとも15cm、又は少なくとも20cmであっても良い。
【0094】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント206の高さhは約10ミクロン~約20センチメートル、例えば約10μm~約1,000μm、約20μm~約1,000μm、約50μm~約500μm、約100μm~約500μm、約100μm~約1,000μm、約100μm~約500μm、約250μm~約750μm、約500μm~約1,000μm、約1mm~約1cm、約1mm~約5mm、約1cm~約20cm、約1cm~約5cm、約5cm~約10cm、約10cm~約20cm、約20cm以下、約10cm以下、約5cm以下、約1cm以下、約5mm以下、約3mm以下、約1mm以下、約500μm以下、又は約250μm以下であっても良い。
【0095】
例示的実施形態では、ワークピース116は約1cm~5cmの高さhと約0.1mm~約5mmの断面幅wとを有し、その上に付加印刷される拡張セグメント206は約10μm~約5mm、例えば約100μm~約1mm、又は約1mm~約5mmの高さhを有しても良い。例示的ワークピース116では、拡張セグメント206の高さhに対するワークピース116の高さhの比は約2:1~約10,000:1、例えば約2:1~約10:1、約10:1~約50:1、約50:1~約100:1、約100:1~約1,000:1、約1,000:1~約5,000:1、約10:1~約10,000:1、約2:1~約100:1、約50:1~約5,000:1、約100:1~約1、000:1、約1,000:1~約5,000:1、約1,000:1~約10,000:1、約5,000:1~約10,000:1、少なくとも2:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、少なくとも500:1、少なくとも1,000:1、又は少なくとも5,000:1であっても良い。
【0096】
例示的ワークピース116では、拡張セグメント206の高さhに対するワークピース116の断面幅wの比は約1:50~約1,000:1、例えば約1:10~約1:1、約1:5~約1:1、約1:1~約5:1、約5:1~約10:1、約10:1~約50:1、約50:1~約100:1、約100:1~約500:1、約500:1~約1,000:1、約2:1~約1,000:1、約1:2~約1:1、約1:1~約1,000:1、約2:1~約10:1、約5:1~約500:1、約10:1~約100:1、約100:1~約500:1、約100:1~約1,000:1、約500:1~約1,000:1、少なくとも2:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、少なくとも100:1、又は少なくとも500:1であっても良い。
【0097】
図1A及び1Bを参照し、視覚システム102を使用して視野114のデジタル表現を得る例示的方法を説明する。視覚システム102が付加製造機械104に組み込まれている場合、視覚システム102は、ワークピース116がビルドプレート118に固定されビルドプレート118がビルドプラットフォーム138に固定された状態で、ワークピース116のデジタル画像を取り込んでも良い。チャックシステム140は、高レベルの精度及び正確さでビルドプレート118をビルドチャンバ128内及びビルドプラットフォーム138上に位置決め及び位置合わせし、それによりワークピース116をビルドチャンバ128内に位置決め及び位置合わせすることができる。デジタル画像は、ビルドプレート118がビルドチャンバ128内に配置されビルドプラットフォーム138に固定される前に取り込まれても良いが、一般的にはチャックシステム140により提供される位置決め及び位置合わせを利用することが好ましい。視覚システム102が付加製造機械104に組み込まれていない場合、例えば視覚システム102が付加製造機械104とは別個のユニットとして設けられる場合には、デジタル画像は、ビルドプレート118がビルドチャンバ128内に配置され、ビルドプラットフォーム138に固定される前に取り込まれても良い。
【0098】
ワークピース116のデジタル画像は、粉体126のビルドチャンバ128への供給中又は供給後に取り込むことができる。しかしながら、通常、デジタル画像は粉体126をビルド面122及び/又はワークピース界面120全体に分布させる前に取り込まれる。いくつかの実施形態では、ワークピース116を取り囲んでいるがワークピース界面120を覆ってはいない粉体126の層は、視覚システム102がワークピース界面120のより良いデジタル画像を得ることを助ける。例えば、粉体126は、1又は複数のカメラ112がワークピース界面120によりよく焦点を合わせることを可能にする、改善されたバックグランド(例えば、より良いコントラスト、低反射、より多くの一様性など)を提供する。しかしながら、ワークピース界面120の一部を覆う粉体126は、デジタル画像の質を低下させ、それぞれのワークピース界面120を決定する際の制御システム106の信頼性に影響し得る。いくつかの実施形態では、粉体126の層は、ワークピース116のデジタル画像が取り込まれる前にビルド面122の直下及び/又はワークピース界面120の直下に来るビルドチャンバ128に供給されても良い。デジタル画像は、所定の位置にある、そのような粉体126の層と共に取り込まれても良い。それた位置の粉体126は、デジタル画像を取り込む前にワークピース界面120から払い落としても良い。
【0099】
視覚システムに102により取り込まれた1又は複数の視野114の例示的デジタル表現が図6A及び6Bに概略的に表されている。図6Aは一つのワークピース116を含む視野114のデジタル表現を表し、図6Bは複数のワークピース116を含む1又は複数の視野114のデジタル表現を表している。図6Bに示されるデジタル表現は単一の視野114から取り込まれてもよく、また、複数の視野114がつなぎ合わされ、複数のワークピース116を含む1又は複数の視野114のデジタル表現を提供しても良い。
【0100】
図6A及び6Bに示されるように、視野114はワークピース界面120及び/又はワークピース116(図6A) に対応する着目領域600、あるいはそれぞれが複数のワークピース界面120及び/又はワークピース116(図6B) に対応する複数の着目領域600を含んでも良い。視野114が1又は複数の着目領域600を含むか否かに関わらず、着目領域600は、視野114内のワークピース界面120及び/又はワークピース116の想定位置に対応する。想定位置は、例えば、座標系にマップされた登録点202(図2A及び2B)に基づいて決定することができる。制御システム106は、処理時間を短縮するため、視野114内の1又は複数の着目領域600だけを処理しても良い。図示のように、着目領域600は、そこに位置するワークピース116のデジタル表現を含む。図示の視野114はワークピース116の上面図を示しても良く、例えばワークピース116のデジタル表現がワークピース界面120のデジタル表現を含み、それはワークピース界面外周504のデジタル表現を含み得る。
【0101】
次に図7Aを参照し、ワークピース116、ワークピース界面120、及び/又はワークピース116のワークピース界面外周504を説明する。例示的方法700は、工程702において、視野114内の着目領域600を決定することを含む。着目領域600は、視野114内のワークピース116、ワークピース界面120及び/又はワークピース界面外周504の想定領域に対応しても良い。着目領域は、少なくとも部分的に、視野114の座標のワークピース116についての登録点202へのマッピングに基づいて決定しても良い。
【0102】
例示的方法700は更に、工程704において、着目領域600内のワークピース界面外周504を決定することを含んでも良い。ワークピース界面外周504はエッジ検出アルゴリズムを使用して検出されても良い。例示的エッジ検出アルゴリズムは、視野114のデジタル表現内において不連続性、例えば輝度やコントラストの変化を有する画素を特定することによりワークピース界面外周504を決定しても良い。ワークピース界面120及び/又はワークピース116は、エッジ検出アルゴリズムを使用して決定されたワークピース界面外周504に基づいて決定されても良い。一次又は二次演算を含め、任意の適切なエッジ検出アルゴリズムを使用することができる。例示的エッジ検出アルゴリズムには、キャニー法、ソーベル法、プレウィット法、ロバーツ法、しきい値法、差分法、ファジィ論理法などがある。デジタル画像はまた、ガウスフィルタなどのエッジ細線化フィルタに掛けても良い。例示的エッジ検出アルゴリズムは副画素の正確さでワークピース界面外周504を決定することができる。
【0103】
ワークピース界面120と着目領域600の周辺部との間(及び又はワークピース界面外周504と着目領域600の周辺部との間)の良好なコントラストは、エッジ検出アルゴリズムの性能を改善し得る。いくつかの実施形態では、画像取り込みは、粉体126の層をビルド面122の直下及び/又はワークピース界面120の直下に来るビルドチャンバ128に導入することにより改善可能である。これは「下塗り)」と呼ばれることもある。更に又は代替として、いくつかの実施形態では、ワークピース界面120が変位するためのスリットを有するスカート(不図示)が利用されても良い。スカートはビルドプレート118に固定されるとワークピース116の上方に位置し、このときワークピース界面120はデジタル画像を得るために露出されたままであり、次にスカートは付加印刷に先立ち取り除かれる。
【0104】
例示的方法700は、工程706において、ワークピース界面外周504、ワークピース界面120及び/又はワークピース116に対応する点群602を生成することを含んでも良い。点群はワークピース界面外周504、ワークピース界面120及び/又はワークピース116に対応する必要な数の点を含むことができる。点の数は点群602の必要とされる解像度に基づいて選択されても良い。例示的点群602が図6A及び6Bに示されている。いくつかの実施形態では、図6Aに示すように、点群602はワークピース界面外周504とその上に付加印刷すべき拡張セグメント206との間の意図する張出距離に対応するオフセット量604だけオフセットされても良い。点群602にそのようなオフセットを設ける場合、点群602を生成する工程706は、オフセット量604を決定し、点群602の一続きの点をオフセット量604だけオフセットすることを含んでも良い。いくつかの実施形態では、オフセット量は外周504に沿う第1の点と外周504に沿う第2の点との間の関係では変動しても良い。例えば、オフセット量は付加製造ツールの曲率及び/又はツールパスに応じて変化するように設定されても良い。
【0105】
図4を参照して説明したように、拡張セグメント206を付加印刷する例示的方法400では、視野114のデジタル表現からワークピース界面120を決定した後、例示的方法400は、工程406においてワークピース界面120上に拡張セグメント206を付加印刷するように設定された印刷コマンドを付加製造機械104に送信することを含んでも良く、また所望により例示的方法400は、工程408において少なくとも部分的に視野114に基づいて印刷コマンドを生成することを含んでも良い。
【0106】
いくつかの実施形態では、印刷コマンドは少なくとも部分的にCADモデル、例えば1又は複数のワークピース116上、例えばそれぞれのワークピース界面120上に付加印刷されるように設定された1又は複数の拡張セグメント206のモデルを含む拡張セグメントCADモデルに基づいても良い。例示的方法400は、拡張セグメントCADモデルを決定すること及び/又は拡張セグメントCADモデルを生成することを含んでも良い。更に又は代替として、少なくとも部分的に視覚システム102により取り込まれた視野114に基づいて印刷コマンドを生成する工程408は、拡張セグメントCADモデルを決定すること及び/又は拡張セグメントCADモデルを生成することを含んでも良い。
【0107】
図7Bは、印刷コマンドを生成する例示的方法750、例えば図4に示した拡張セグメント206を付加印刷する例示的方法の工程408におけるようなものを示している。例示的方法750は、拡張セグメントCADモデル752を決定及び/又は生成し、拡張セグメントCADモデル754をスライスし、拡張セグメントCADモデル756の各スライスのためのツールパス及び付加印刷領域を決定することを含む。拡張セグメントCADモデル756のスライスのためのツールパス及び付加印刷領域を決定した後、例示的方法750は他のスライス758が存在するかどうか決定し、もし存在すれば例示的方法750は工程756に進んで拡張セグメントCADモデル800の次のスライスのためのツールパス及び付加印刷領域を規定しても良い。例示的方法750は、ツールパス及び付加印刷領域を決定することのできる更なるスライスが存在しない場合、終了する。スライスの数は、拡張セグメントCADモデルにおける拡張セグメントの寸法(例えば、高さ、厚さ)や粉体126の層あるいは拡張セグメントを印刷するために使用可能な他の材料の厚さに応じて決定されても良い。
【0108】
図8Aは例示的拡張セグメントCADモデル800を示す。例示的拡張セグメントCADモデル800は1又は複数の拡張セグメント206のモデルを含む。図示のように、拡張セグメントCADモデル800は拡張セグメント802の複数のモデルを含む。拡張セグメント802のモデルは、複数の拡張セグメント206が付加印刷される複数の対応するワークピース116の位置及び形状にそれぞれ合致している。例えば、拡張セグメント802のそれぞれのモデルはビルドプレート118に固定された複数のワークピース116の登録点202にそれぞれ対応する座標に位置合わせされても良く、及び/又は拡張セグメント802のモデルは対応のワークピース116のワークピース界面120と実質的に合同であるモデル界面804を含んでも良い。モデル界面804はモデル界面外周806により規定されても良く、モデル界面外周806はそれぞれのワークピース116のワークピース界面外周504と実質的に合同であっても良い。拡張セグメント802のモデルは、モデル界面804から上端面808まで延びる高さhを有しても良い。
【0109】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント206が付加印刷される複数のワークピース116は互いに異なっても良く、その場合でも拡張セグメントCADモデル800は、複数のワークピース116の各一つの位置及び形状に合致する複数の拡張セグメント802のモデルを含んでも良い。このモデルは、対応のワークピース界面120及び/又は対応のワークピース界面外周504と実質的に合同である1又は複数のモデル界面外周806と実質的に合同である、1又は複数のモデル界面804を含んでも良い。拡張セグメントCADモデル800は、少なくとも部分的にCADモデル、例えばデータベースやCADモデルライブラリから選択されたライブラリCADモデルに基づいて決定及び/又は生成されても良い。データベース又はCADモデルライブラリは、拡張セグメントCADモデル800が選択及び/又は生成され得る複数のライブラリCADモデルを含んでも良い。
【0110】
例示的ライブラリCADモデルが図8Bに示されている。ライブラリCADモデル850は、1又は複数の基準ワークピース116、コンポーネント204又は拡張セグメント206の基準モデルを含んでも良い。例えば、図8Bに示すように、ライブラリCADモデル850は、修理、再生及び/又は改良が意図される1又は複数のコンポーネント204の基準モデル852を含んでも良い。図示のように、ライブラリCADモデル850は、複数の基準コンポーネント204の基準モデル852を含んでも良い。ライブラリCADモデル850は、あるいは単一の基準コンポーネント204を含んでも良い。更に又は代替として、ライブラリCADモデル850は、基準拡張セグメント206の1又は複数の基準モデル852及び/又は基準ワークピース116の1又は複数の基準モデル852を含んでも良い。いくつかの実施形態では、CADモデルライブラリは1又は複数の拡張セグメントCADモデル800を含んでも良く、これは、次の拡張セグメントCADモデル800を決定及び/又は生成し得る、1又は複数の先に決定された及び/又は先に生成された拡張セグメントCADモデル800を含んでも良い。
【0111】
図8Bに示すように、基準モデル界面854は基準モデル852から決定されても良い。基準モデル界面854は、ライブラリCADモデル850に関連付けられた基準ワークピース116のワークピース界面120の想定位置に対応しても良い。基準モデル界面854は基準モデル界面外周856により規定され、基準モデル界面外周856はそれぞれのワークピース116のワークピース界面外周504と実質的に合同であってもなくても良い。基準モデル界面854は、基準モデル852の基準上端面858までの基準モデルの任意のz方向位置に配置することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、ライブラリCADモデル850又は拡張セグメントCADモデル800は1又は複数のコンポーネント204が最初に製作された実CADモデルであっても良く、あるいはライブラリCADモデルは1又は複数のコンポーネント204が最初に製作されたCADモデルの修正版であっても良い。ライブラリCADモデル850は、一般的に拡張セグメント206が付加印刷される1又は複数のワークピース116に対応するが、1又は複数のワークピース116はそれらの最初のネットシェイプからワークピース116毎に相違しても良い。最初のネットシェイプからの相違は、例えばワークピース116が、極限温度状態及び/又は外力の摩擦あるいは衝撃に晒された場合に存在し得る。最初のネットシェイプについての相違はまた、ワークピース116上にワークピース界面120を設けるために実施されるサブトラクティブ改修の変化によっても存在し得る。しかしながら、本開示は、拡張セグメントCADモデル800及び/又はその拡張セグメント802のモデルに基づいて複数の拡張セグメント206が付加印刷される、複数のワークピース116の位置及び形状にそれぞれ合致する拡張セグメント802の複数のモデルを含む、拡張セグメントCADモデル800の生成を規定する。
【0113】
拡張セグメントCADモデル800を生成する例示的方法が図9A及び9Bに示されている。図9Aに示されるように、拡張セグメントCADモデル800を生成する例示的方法900は、複数のワークピース116の各々について実施されても良い。例示的方法900は、工程902においてライブラリCADモデルを決定することを含み、基準モデル界面854は複数のワークピース116の各一つに対応する基準モデルを横断している。基準モデルは、ワークピース116が由来するコンポーネント204のモデルのような基準コンポーネント204を含んでも良い。しかしながらワークピース116は、コンポーネント204が使用された環境の結果としてワークピース116から受けた損傷や摩耗、及び/又は拡張セグメント206が付加印刷されるワークピース116を用意するために実行されるサブトラクティブ改修などから、基準モデルに応じて付加製造されたコンポーネント204とは相違する。基準モデルは、更に又は代替として、基準ワークピースのモデル、例えば基準ワークピース界面120を設けるためにコンポーネント204をサブトラクティブ改修することによって製造されたワークピース116の基準モデルを含んでも良い。基準モデルは、更に又は代替として、基準拡張セグメント802のモデル、例えば基準ワークピース116に対応する拡張セグメント802の基準モデルを含んでも良い。
【0114】
基準モデル界面854を決定することは、ライブラリCADモデルを横断する面を、決定された高さに決定することを含んでも良い。決定された高さは、基準ワークピース116の基準ワークピース界面120の想定位置の高さに対応しても良い。例として、ライブラリCADモデルは、ワークピースに対応する基準コンポーネント204のモデルを含んでも良く、ワークピース116は、ワークピース界面120を設けるためにサブトラクティブ改修されても良い。ワークピース界面120の想定位置は、少なくとも部分的にサブトラクティブ改修の性質に基づいて、例えばサブトラクティブ改修の結果として除去される材料又はワークピース116の高さの変化の量に基づいて決定されても良い。
【0115】
更に又は代替として、決定された高さは、ワークピース116のデジタル表現から決定されたワークピース界面120の高さに対応しても良い。ワークピース界面120の高さは、少なくとも部分的にワークピースのデジタル表現から得られたワークピース116の1又は複数の寸法に基づいて測定されても良く、基準モデル界面854は少なくとも部分的に測定された高さに基づいて決定されても良い。更に又は代替として、ワークピース界面120の高さは、少なくとも部分的に視野114内に取り込まれたワークピース位置合わせシステム200の1又は複数の寸法に基づいて測定されても良い。例えば、ワークピース界面120の高さは、少なくとも部分的にワークピースシュー214の高さに基づいて、又は少なくとも部分的にワークピース界面120の高さとワークピースシュー214の高さとの差に基づいて、又は少なくとも部分的にワークピース界面120の高さとビルドプレート118の高さとの差に基づいて決定されても良い。
【0116】
いくつかの実施形態では、基準モデル界面854は最適アルゴリズムを使用して決定されても良い。ライブラリCADモデル850を横断する基準モデル界面854を決定することは、最適アルゴリズムに関連するワークピース界面120のデジタル表現に適用される測定基準を満たすライブラリCADモデルを横断する面を決定することを含んでも良い。最適アルゴリズムは、ライブラリCADモデルを横断する1又は複数の面を、比較される面が最適測定基準を満たすまでワークピース界面120のデジタル表現と比較することを含んでも良い。基準モデル界面854は、少なくとも部分的に最適測定基準を満たす面に基づいて決定されても良い。例えば、最適測定基準を満たす面は基準モデル界面854であると決定されても良い。
【0117】
更に図9Aを参照すると、拡張セグメントCADモデル800を決定及び/又は生成する例示的方法900は、工程904において、ライブラリCADモデルの基準モデル界面854を、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現と比較することを含んでも良い。デジタル表現は、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120を含む視野114を有する視覚システム102を使用し、先行して又は同時に得られても良い。比較は画像マッチングアルゴリズムを使用して実行しても良い。いくつかの実施形態では、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と比較することは、工程906において、基準モデル界面854とワークピース界面120のデジタル表現とが互いに十分に一致するかどうかを決定することを含んでも良い。しかしながら、いくつかの実施形態はマッチング工程906を含む必要はない。
【0118】
含む場合には、マッチング工程906は、基準モデル界面854の1又は複数の座標とワークピース界面120のデジタル表現の1又は複数の座標とを比較すること、それらの1又は複数の差を決定することを含んでも良い。比較工程904は、更に又は代替として、1又は複数の登録点202の1又は複数の座標とライブラリCADモデルの基準モデル界面854の対応の1又は複数の座標とを比較すること、それらの1又は複数の差を決定することを含んでも良い。登録点202は、付加製造機械104を使用して複数の拡張セグメント206の各一つが付加印刷される複数のワークピース116の各一つの位置に対応しても良い。比較工程904及びマッチング工程906は別々に実行されても良く、同じ工程の一部として同時に実行されても良い。いくつかの実施形態では、マッチング工程906は、基準モデル界面854とワークピース界面120との間に部分的な一致、近い一致、又は不一致があるかどうかを決定しても良い。あるいは、マッチング工程906は、基準モデル界面854とワークピース界面120との間に何らかの一致(例えば少なくとも部分的な一致)があるか、又は不一致があるかを決定しても良い。
【0119】
マッチング工程906が基準モデル界面854とワークピース界面120との間に少なくとも部分的な一致があると判断した場合、例示的方法900は工程908に進み、少なくとも部分的に基準モデル界面854に基づく拡張セグメント802のモデルの生成を規定しても良い。工程908は、拡張セグメント802のモデルが複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120上に付加印刷されるべく設定されるように、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現に合致する拡張セグメント802のモデルを規定する。
【0120】
マッチング工程906が基準モデル界面854とワークピース界面120との間に少なくとも部分的な一致はないと判断した場合、例示的方法900は、別の基準モデル界面854を決定しそして別の基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と比較するために工程902に戻る。別の基準モデル界面854は、同じライブラリCADモデル又は別のライブラリCADモデルから選択しても良い。
【0121】
いくつかの実施形態では、マッチング工程906は、部分的な一致以上のもの、例えば基準モデル界面854とワークピース界面120との間に近い一致があるかどうか決定することを含んでも良い。マッチング工程906が基準モデル界面854とワークピース界面120との間に近い一致があると決定した場合、例示的方法900は、工程910において、少なくとも部分的に比較に基づき、ライブラリCADモデルから基準モデル界面854及び/又は少なくとも基準モデルの三次元部分を選択することを含んでも良い。例えば、比較は、選択された基準モデル界面854及び/又はライブラリCADモデルからの基準モデルが複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現に合致すると決定、例えば選択された基準モデル界面854がワークピース界面120のデジタル表現に対応する座標に位置合わせし得る、及び/又は選択された基準モデル界面854がワークピース界面120のデジタル表現と実質的に合同であり得る、と決定しても良い。さまざまな例示的実施形態では、工程910はそれぞれのワークピースについて基準モデル全体を選択すること、それぞれのワークピース116(基準モデル界面854を含んでも良い)について基準モデルの3次元部分を選択すること、及び/又はそれぞれのワークピース116について基準モデル界面854のみを選択すること、を含んでも良い。
【0122】
工程908で基準モデル又はその3次元部分が選択される場合、例示的方法900はライブラリCADモデルから拡張セグメントCADモデルを決定することを含んでも良い。例えば、基準拡張セグメント206を含むライブラリCADモデルがワークピース界面120に十分に一致すると決定されると、例えば工程910、912で基準モデル界面854を変形あるいは拡張することを要することなく拡張セグメント206がワークピース界面120上に付加印刷される。一方、ライブラリCADモデルが基準拡張セグメント206ではなく基準コンポーネント204のモデル又は基準ワークピース116のモデルを含む場合、例示的方法900は、例えばコンポーネント204あるいはワークピース116のモデルではなく拡張セグメント802のモデルを規定するために、工程908で拡張セグメント802のモデルを生成する。工程908で生成された拡張セグメント802のモデルは、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120上に付加印刷されるように設定されても良く、一方、たとえ基準モデル界面854がワークピース界面120とかなり一致しても、コンポーネント204又はワークピース116のモデルはそのように設定されなくても良い。
【0123】
工程906を含まない例示的方法900においては、例示的方法が工程904で基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と比較した後に工程908に進み、少なくとも部分的に基準モデル界面854に基づいて拡張セグメント802のモデルを生成しても良い。いくつかの実施形態では、工程904及び908を単一の工程にまとめる、例えば基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と比較することが少なくとも部分的に基準モデル界面854に基づいて拡張セグメント802のモデルを生成するプロセスの一部であるようにしても良い。
【0124】
工程908、910で拡張セグメント802のモデルを生成及び/又は選択した後、例示的方法900は工程912において複数のワークピース116が他のワークピース116を含むかどうか確認しても良い。他のワークピースが存在する場合、例示的方法900は、決定工程902及びそれに続く工程912までの工程を繰り返すことを含んでも良い。追加のワークピース116が存在しないことが工程912で示された場合、例示的方法900は工程914に進み、それぞれ複数のワークピース116の各一つの対応するワークピース界面120上に付加印刷されるように設定された複数の拡張セグメント802のモデルの出力を規定しても良い。このモデルは拡張セグメントCADモデル800であっても良く、また少なくとも部分的に基準モデル界面854及び/又はライブラリCADモデルからの基準モデルに基づくものであっても良い。
【0125】
各ワークピース116が工程908、910で生成及び/又は選択されると同時に又はその後に、工程914において複数の拡張セグメント802のモデルが出力されて良い。いくつかの実施形態では、モデルを出力することは、複数のモデル、例えば複数のワークピース116の各一つについてそれぞれ選択された及び/又は変形され生成されたモデルをつなぎ合わせることを含んでも良い。拡張セグメントCADモデル800を決定及び/又は生成する例示的方法900を、複数の拡張セグメント206に関して説明したが、拡張セグメントCADモデル800はまた、単一の拡張セグメント206について決定及び/又は生成し得ることに留意されたい。例えば、例示的方法900は単一の拡張セグメント206について実施されても良い。
【0126】
図9Bを参照し、拡張セグメント802(図9A)のモデルを生成する工程908に含めても良い1又は複数の工程を説明する。図9Bに示される工程は個別に、あるいは1又は複数の他の工程と一括して含めることができる。拡張セグメント802のモデルを生成する時に図9Bに示される1又は複数の工程が実行されても良く、個々の工程は少なくとも部分的に基準モデル界面854が工程906(図9A)において部分的な一致又は近い一致をもたらすかどうか、及び/又は基準モデル界面854又は少なくとも基準モデルの3次元部分が工程910(図9A)で選択されたかどうか、に依存しても良い。
【0127】
図9Bに示されるように、工程908における拡張セグメント802のモデルの生成は抽出工程916を含んでも良く、例えば拡張セグメント206が少なくとも部分的に基準モデル界面854及び/又は基準モデル界面854に対応する基準モデルの3次元部分に基づいて生成されても良い。あるいは、抽出工程916は省略され、例えば基準モデルはそれ自体がワークピース界面120上に付加印刷されるように設定されても良い。拡張セグメント802のモデルを生成する工程908は、更に又は代替として変形工程918を含んでもよく、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現に合致させるようにしても良い。あるいは、変形工程918は、例えば基準モデル界面854が既にワークピース界面120のデジタル表現と合致する場合、省略されても良い。拡張セグメント802のモデルを生成する工程908は、更に又は代替として拡張工程920を含んでも良く、例えば拡張セグメント802の3次元モデルを規定するため、基準モデル界面854又は変形モデル界面804が拡張されても良い。あるいは、基準モデルの3次元部分から拡張セグメント802のモデルを生成する場合には、拡張工程920を省略しても良い。
【0128】
いくつかの実施形態では所望により、工程916において拡張セグメント802のモデルを生成することが、少なくとも部分的に工程904、906での比較に基づき、基準モデルから基準モデル界面854及び/又は基準モデル界面854に対応する基準モデルの3次元部分を抽出することを含んでも良い。抽出工程は、比較工程904の後、マッチング工程906の後、あるいは選択工程910の後に実行しても良い。
【0129】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント802のモデルを生成することは、所望により工程918において少なくとも部分的に工程904、906での比較に基づき、基準モデル界面854を変形することを含んでも良く、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現に合致する変形モデル界面804を規定しても良い。変形工程は、位置合わせ、変更、修正、捩じれ、歪み、変形、矯正、調整、手直し、直線化、傾斜、回転、曲げ、捻り、編集、更にはこれらの組み合わせを含む1又は複数の変形操作を含んでも良い。個々の変形操作は少なくとも部分的に比較に基づいて選択されても良く、例えば変形操作が基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現に合致させるようにしても良い。
【0130】
変形工程918は比較工程904及び/又はマッチング工程906の後に実行されても良い。更に又は代替として、変形工程918は抽出工程916の後に実行されても良い。例示的方法900は基準モデルから基準モデル界面854を抽出し、次に工程918に進んで少なくとも部分的に工程904、906での比較に基づき、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現に合致する変形モデル界面804を規定するために、基準モデル界面854を変形することを規定しても良い。
【0131】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント802のモデルを生成することは所望により、例えば拡張セグメント206が複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120上に付加印刷されるべく設定されるように、工程920において変形モデル界面804を拡張することを含んでも良い。工程920は、工程918において基準モデル界面854を変形した後に実行されても良い。あるいは、いくつかの実施形態では、拡張工程920を変形工程918と組み合わせても良い。
【0132】
更に又は代替として、工程918は工程910(図9A)の後とし、工程910で選択された基準モデル界面854を拡張するようにしても良い。例えば、基準モデル界面854がワークピース界面120のデジタル表現とかなり一致すると、例えば工程906で決定された場合、変形工程918は、工程908における拡張セグメント802のモデルを生成する工程から省略されても良い。基準モデル界面854が工程918で変形されるか、あるいは変形工程918を省略して工程910で選択されるかに関わらず、拡張工程912から生じる拡張セグメント206は、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120上に付加印刷されるように設定されても良い。
【0133】
例示的実施形態では、工程908において拡張セグメント802のモデルを生成することは、工程916において少なくとも部分的に基準モデル界面854のワークピース界面120のデジタル表現との比較に基づいて抽出すること、工程918において少なくとも部分的にこの比較に基づいて基準モデル界面854を変形し、ワークピース界面120のデジタル表現に合致する変形基準モデル界面804を規定すること、工程920において変形基準モデル界面804を拡張し、ワークピース界面120上に付加印刷されるように設定された拡張セグメント206を規定すること、を含んでも良い。
【0134】
図9Bを参照すると、他の実施形態では、拡張セグメント206のモデルを生成する工程908は、工程916において基準モデルからこの基準モデルの3次元部分を抽出することを含み得る。3次元部分は基準モデル界面854に対応しても良い。例えば、3次元部分は基準モデルの基準モデル界面854より上の部分を含んでも良く、また基準モデル界面854を含んでも良い。基準モデルの3次元部分より下の部分は基準モデルから削除され及び/又は抽出されないままであっても良い。3次元部分は工程908で生成される拡張セグメント206の高さに対応する高さを有しても良い。
【0135】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント802のモデルを生成することは、所望により工程922において、少なくとも部分的に工程904、906での比較に基づき、基準モデル界面854に対応する基準モデルの3次元部分を変形することを含んでも良く、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120のデジタル表現に合致する拡張セグメント802のモデルを設けても良い。このようにして規定される拡張セグメント802のモデルは、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面120上に付加印刷されるように設定されても良い。工程922で変形された基準モデルの3次元部分は、工程916で抽出された3次元部分、又は少なくとも工程910(図9A)で選択された基準モデルの3次元部分を含んでも良い。いくつかの実施形態では、少なくとも工程910で選択された基準モデルの3次元部分は、例えば基準モデルが基準拡張セグメント206のモデルである場合、基準モデルの全体を含んでも良い。
【0136】
3次元部分を変形する工程922は、3次元部分の基準モデル界面854を変形することを含んでも良く、また位置合わせ、変更、修正、捩じれ、歪み、変形、矯正、調整、手直し、直線化、傾斜、回転、曲げ、捻り、編集、更にはこれらの組み合わせを含む、1又は複数の変形操作を含んでも良い。工程922での個々の変形操作は少なくとも部分的に比較に基づいて選択されても良く、例えば変形操作が基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現に合致させるようにしても良い。更に又は代替として、3次元部分を変形する工程922は、複数のワークピース116の各一つのワークピース界面のデジタル表現に合致する拡張セグメント206を規定するために基準モデル界面854を拡張することを含んでも良い。
【0137】
次に図10Aから10Dを参照し、拡張セグメントCADモデル800を生成する例示的方法900の工程910で実行し得る、例示的変形操作1000を説明する。基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現に合致させるために、任意の1又は複数の変形操作1000が実行できる。そのような変形操作1000は、基準モデル界面854を変形させる場合に、例えば拡張セグメント206を付加印刷する例示的方法400及び/又は拡張セグメントCADモデル800を決定及び/又は生成する例示的方法900の変形工程910の一部として実行しても良い。
【0138】
基準モデル界面854は、例えば供用中のワークピース116の形状の変化や、ワークピース界面120と基準モデル界面854が選択されたライブラリCADモデルとの間の相違により、ワークピース界面120のデジタル表現と相違し得る。更に又は代替として、たとえ基準モデルがコンポーネント204に対応していても、基準モデル界面854をワークピース界面120の高さと異なる高さに選択しても良い。そのような高さの相違は、基準モデル界面854とワークピース界面120との間の対応する相違から生じ得る。変形操作1000は、そのような相違の根本的原因にかかわらず、基準モデル界面854とワークピース界面120との間の相違を補償するように実行できる。
【0139】
図10Aは、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と合致させるため、基準モデル界面854の少なくとも一部をシフトすることを含む例示的変形操作1000を示す。図10Aに示すように、基準モデル界面854は右方向にシフトされる。しかしながら変形操作1000は、基準モデル界面854を360度任意の方向にシフトできることを理解されたい。
【0140】
図10Bは、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と合致させるため、基準モデル界面854の少なくとも一部を回転させることを含む変形操作1000を示す。図10Bに示すように、基準モデル界面854は時計回りに回転される。しかしながら変形操作1000は、基準モデル界面854を任意の方向に回転できることを理解されたい。
【0141】
図10Cは、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と合致させるため、基準モデル界面854の少なくとも一部を曲げることを含む変形操作1000を示す。図10Cに例として示すように、基準モデル界面854は通常、中央領域ではワークピース界面120と揃っているが、外側領域は曲げ変形操作にかけられる。しかしながら、変形操作1000は、基準モデル界面854の一部を任意の方向に曲げることを含み得ることを理解されたい。
【0142】
図10Dは、基準モデル界面854をワークピース界面120のデジタル表現と合致させるため、基準モデル界面854の少なくとも一部を拡大縮小することを含む変形操作1000を示す。図10Dに例として示すように、基準モデル界面854はワークピース界面120と合致するように縮小される。しかしながら、変形操作1000は、更に又は代替として基準モデル界面854を拡大することを含み得ることを理解されたい。
【0143】
任意の1又は複数の変形操作は、個別に又は組み合わせ、基準モデル界面854の全体又は一部について実行しても良い。いくつかの実施形態では、基準モデル界面854を例えば例示的方法900の工程910で実行することは、基準モデル界面854の少なくとも一部をワークピース界面120のデジタル表現と位置合わせすることを含み得る。そのような位置合わせは、基準モデル界面854の1又は複数の座標をワークピース界面120のデジタル表現の1又は複数の座標に合わせることを含み得る。例として、そのような位置合わせは、少なくとも部分的に、図10Aから10Dを参照して説明した、シフト、回転、曲げ及び/又は拡大縮小の変形操作を使用して実行しても良い。更に又は代替として、基準モデル界面854を変形することは、基準モデル界面854の少なくとも第1の部分を例えば図10A及び10Bを参照して説明したようなシフト及び/又は回転の変形操作を使用してワークピース界面120のデジタル表現に位置合わせするために選択される第1の変形操作と、基準モデル界面854の少なくとも第2の部分を例えば図10C及び10Dを参照して説明したような曲げ及び/又は拡大縮小の変形操作を使用してワークピース界面120のデジタル表現に位置合わせするために選択される第2の変形操作とを含んでも良い。
【0144】
第1の変形操作は基準モデル界面854の第1の1又は複数の座標をワークピース界面120のデジタル表現の第1の1又は複数の座標に合わせるために選択されても良く、第2の変形操作は基準モデル界面854の第2の1又は複数の座標をワークピース界面120のデジタル表現の第2の1又は複数の座標に合わせるために選択されても良い。
【0145】
基準モデル界面854の第1の1又は複数の座標は、基準モデル界面854の中心点の座標及び/又は基準モデル界面854の基準モデル界面外周856に沿った1又は複数の座標、例えば、基準モデル界面外周856に沿った最大又は最小X座標あるいは基準モデル界面外周856に沿った最大又は最小Y座標を含んでも良い。ワークピース界面120の第1の1又は複数の座標は、ワークピース界面120の中心点の座標及び/又は基準ワークピース界面120のワークピース界面外周504に沿った1又は複数の座標、例えば、ワークピース界面外周504に沿った最大又は最小X座標あるいはワークピース界面外周504に沿った最大又は最小Y座標を含んでも良い。第1の変形操作は、基準モデル界面854の中心点をワークピース界面120の中心点に合わせ、及び/又は基準モデル界面外周856に沿った最大又は最小X座標あるいは最大又は最小Y座標を、ワークピース界面外周504に沿った対応の最大又は最小X又はY座標に合わせるように設定されても良い。
【0146】
基準モデル界面854の第2の1又は複数の座標は、基準モデル界面854の基準モデル界面外周856に沿った1又は複数の座標を含み、ワークピース界面120の第2の1又は複数の座標は、ワークピース界面外周504に沿った1又は複数の座標を含んでも良い。基準モデル界面854の第2の1又は複数の座標及び/又はワークピース界面120の第2の1又は複数の座標は、ワークピース界面120の比較に基づいて選択されても良い。そのような比較は、例えば第1の変形操作の後に実行されても良い。
【0147】
第2の変形操作のための座標は、基準モデル界面外周856に沿ったある点の、ワークピース界面外周504に沿った対応の点の座標と比較したときの座標間の相違に基づいて選択されても良い。例えば、座標が閾値だけ異なる場合にそのような点の座標を選択しても良い。閾値は、少なくとも部分的に1又は複数の変形操作に基づいてワークピース界面120に合致させた拡張セグメント206を付加印刷する場合に、少なくとも部分的にニアネットシェイプコンポーネント204を提供するのに十分な合致の程度に基づいて選択されても良い。このようにして、第1の変形操作に従い、基準モデル界面854がワークピース界面120と位置合わせされると、そのような閾値との比較による決定に従い1又は複数の第2の変形操作を実行できる。
【0148】
1又は複数の第2の変形操作は、ニアネットシェイプコンポーネント204を得るため、基準モデル界面854をワークピース界面120に十分に合致させるのに必要な程度に行っても良い。いくつかの実施形態では、基準モデル界面外周856に沿った1又は複数の点の座標間には、ワークピース界面外周504に沿った対応の点の座標と比較し、相違が存在するが、それでも十分に基準モデル界面854をワークピース界面120に合致させ、ニアネットシェイプコンポーネント204を提供する。例えば、そのような相違の量は、少なくとも張出し506の張出距離より小である。
【0149】
いくつかの実施形態では、変形操作はワークピース界面120とモデル界面804との間に張出し506を設けるものであって良く、例えばモデル界面804は張出距離だけワークピース界面120に張出す。例えば、変形操作はオフセット量604を決定し、基準モデル界面854の少なくとも一部をオフセット量604だけ変形させることを含んでも良い。オフセット量604は拡張セグメント206の少なくとも一部についての張出距離に対応しても良い。
【0150】
次に、図11Aと11B、及び図12Aから12Dを参照してモデル界面804を拡張する例示的方法を説明する。図11AはライブラリCADモデル852などからの基準モデルを示す。図11Bは、例えば拡張セグメントCADモデル800における拡張セグメント802のモデルを示し、これは、例えば基準モデル界面854を拡張することを含む工程において少なくとも部分的に基準モデル界面854に基づき生成される。図12は、それぞれのワークピース116のワークピース界面120上に付加印刷されるように設定された拡張セグメント802のモデルを規定するため、モデル界面804を拡張する例示的方法を表すフローチャートを示している。
【0151】
モデル界面804を拡張する例示的方法は、基準あるいは変形モデル界面804及び/又は基準モデルの3次元部分から始まるように実施されても良い。図9A及び9Bを参照して説明したように、拡張セグメントCADモデル800を生成する例示的方法900は工程920において基準モデル界面854又は変形モデル界面804を拡張することを含んでも良い。更に、3次元部分を変形する工程922は基準モデル界面854を拡張することを含んでも良い。そのような基準モデル界面854は基準モデルから抽出されても良く、あるいは基準モデル界面854を拡張する場合には基準モデルの一部のままであっても良い。拡張する場合に、基準モデル界面854及び/又は基準モデルの3次元部分が基準モデルの一部のままであるとき、結果としての拡張セグメント206は、例えば工程916について説明したように基準モデル界面854に対応する基準モデルの3次元部分を抽出することにより、基準モデルから抽出可能である。
【0152】
図11Bに示すように、拡張セグメント802のモデルは、モデル界面804から上端面808まで延びる高さhを有する。拡張セグメント802の高さhは基準モデル852から決定しても良い。例えば、拡張セグメント206の高さhは基準モデル界面854から基準モデル852の基準上端面858までのz方向距離に対応しても良い。あるいは、拡張セグメント206の高さhは基準モデル852とは無関係に指定されても良い。拡張セグメント802の例示的モデルは、モデル界面804から基準モデル852の基準上端面858まで拡張されても良い。
【0153】
いくつかの実施形態では、拡張セグメント802のモデルは、モデル界面804からこのモデルの上端面808まで延びる領域を有しても良い。更に又は代替として、図11Bに示すように、拡張セグメント802のモデルはモデル界面804からこのモデルの上端面808までの間に拡張セグメントスライス1100を含んでも良い。拡張セグメントスライス1100は基準モデル852における基準モデルスライス1102に対応しても良い。基準モデルスライス1102及び/又は拡張セグメントスライス1100は、任意のz方向間隔を有しても良い。基準モデルスライス1102は、基準モデル界面854及び/又は1又は複数の基準拡張面1104を含んでも良い。基準モデルスライス1102は基準モデルのz方向解像度に対応しても良く、拡張セグメントスライス1100は拡張セグメント802のモデルのz方向解像度に対応しても良い。いくつかの実施形態では、拡張セグメント802のモデルのz方向解像度は基準モデル852のz方向解像度と異なっても良い。例えば、拡張セグメント802のモデルのz方向解像度は基準モデル852のz方向解像度に対し、増加又は減少させても良い。
【0154】
図12Aに示すように、モデル界面804を拡張する例示的方法1200は、工程1202において少なくとも部分的に、少なくともワークピースの一部を含む視野114のデジタル表現に基づきワークピース116の高さを決定すること、工程1204においてワークピース116のワークピース界面120上に付加印刷されるべき拡張セグメント206の高さを決定すること、及び工程1206において拡張セグメント206の高さに対応する分だけz方向にモデル界面804を拡張すること、を含んでも良い。モデル界面804を基準モデルにおいてz方向に拡張し、次に、その結果生じる拡張セグメント802のモデルをそこから抽出しても良い。あるいは、モデル界面804を基準モデルから抽出し、次に、拡張セグメント206の高さに対応する分だけ、生成中の拡張セグメント802のモデル内でモデル界面804をz方向に拡張しても良い。
【0155】
工程1206においてモデル界面804を拡張する例示的方法を図12Bから12Dに示す。図12Bに示すように、モデル界面804をz方向に拡張することは、工程1208において付加製造機械104のビルド面122に対応する高さにモデル界面804を位置決めすること、工程1210においてモデル界面の複製をモデル界面804の上方に拡張セグメント206の高さに対応するz方向距離を置いて位置決めすること、及び工程1212においてモデル界面804からモデル界面804の複製までz方向に延びる拡張セグメント802のモデルを規定すること、を含んでも良い。
【0156】
図12Cに示すように、モデル界面804をz方向に拡張することは、工程1214において付加製造機械104のビルド面122に対応する高さにモデル界面804を位置決めすること、工程1216において基準モデルの上端面に対応する基準モデルの基準拡張面1104を決定し、基準モデルの基準拡張面1104をモデル界面804の上方に拡張セグメント206の高さに対応するz方向距離を置いて位置決めすること、及び工程1218においてモデル界面804から基準拡張面1104までz方向に延びる拡張セグメント802のモデルを規定すること、を含んでも良い。
【0157】
図12Dに示すように、モデル界面804をz方向に拡張することは、工程1220においてビルド面122に対応する高さにモデル界面804を位置決めすること、工程1222において拡張セグメント802のモデルの拡張面1104のスライス高さを決定すること、工程1224において基準拡張面1104が拡張セグメント802のモデルのスライス高さに対応する高さに位置するように基準モデルにおける基準拡張面1104を決定すること、及び工程1226において基準拡張面1104をモデル界面804の上方にスライス高さに対応するz方向距離を置いて位置決めすること、を含んでも良い。
【0158】
いくつかの実施形態では、モデル界面804をz方向に拡張することは、工程1228において基準拡張面1104を変形し、変形拡張面1104を規定することを含んでも良い。基準拡張面1104の変形は、少なくとも部分的に基準拡張面1104のモデル界面804との比較に基づいても良い。更に又は代替として、基準拡張面1104の変形は、少なくとも部分的に、拡張セグメント206の高さに対するモデル界面804上方の基準拡張面1104の位置に基づいても良い。工程1228の変形は、図10Aから10Dに示したものを含む1又は複数の変形操作、又は他の任意の変形操作、例えば、位置合わせ、変更、修正、捩じれ、歪み、変形、矯正、調整、手直し、直線化、傾斜、回転、曲げ、捻り、編集、更にはこれらの組み合わせを含んでも良い。
【0159】
工程1228における個々の変形操作は、少なくとも部分的に基準拡張面1104及び/又は基準拡張面1104の位置の比較に基づいて選択されても良い。いくつかの実施形態では、変形操作は平滑化係数を含んでも良く、これはモデル界面804から変形拡張面1104への段階的移行を提供するように設定されても良い。例えば、拡張面1104はモデル界面外周806と相違する外周を有し、平滑化係数はそれらの間の段階的移行を提供するように設定されても良い。平滑化係数は、拡張面1104のz方向位置に応じて割り当てられる分だけ変形を弱めても良い。
【0160】
拡張セグメント206の高さに対応するz方向位置にある拡張面1104は変形されなくても良く、例えば、拡張セグメント802のモデルはワークピース界面120に合致するモデル界面804から基準モデル852の上端面858に合致する拡張面1104へとz方向に沿って徐々に変化しても良い。更に又は代替として、モデル界面804と拡張セグメント808の上端面との間のz方向位置にある拡張面1104は、部分的にモデル界面804の外周と基準モデル852の上端面の外周との間にある外周に合致する変形拡張面1104を規定するために変形に適用される平滑化係数で変形されても良い。また、いくつかの実施形態では、拡張セグメント206の高さに対応するz方向位置にある拡張面1104は、例えば基準モデルの上端面とは相違する拡張セグメント206の上端面808を規定するために変形されても良い。
【0161】
更に図12Dを参照すると、モデル界面804をz方向に拡張する工程は任意の数のスライスについて実行可能である。図12Dに示すように、例示的方法1200は、工程1230において、拡張セグメント802のモデルが別のスライスを含むかどうか決定することを含んでも良い。スライスの数は、例えば拡張セグメント802のモデルの意図する高さ及びz方向のスライス間隔に基づき、予め決定しても良い。z方向のスライス間隔は、拡張セグメント802のモデルの要求されるz方向解像度に依存しても良い。別のスライスが存在する場合、例示的方法1200は工程1222から1230を繰り返すことを含んでも良い。工程1230が別のスライスは存在しないことを示す場合、例示的方法1200は工程1232に進み、モデル界面804から各基準又は変形拡張面1104を通り、拡張セグメント206の高さまでz方向に延びる拡張セグメント802のモデルを規定するにしても良い。拡張セグメント802のモデルは、各拡張面が決定され、配置され、及び/又は工程1224、1226及び1228において変形されると同時に又はその後に、工程1232で規定されても良い。
【0162】
再び図9Aを参照すると、工程914において、複数の拡張セグメント802のモデルは、図8Aに示すような拡張セグメントCADモデル800に出力されても良い。拡張セグメント802の各モデルは、拡張セグメントCADモデル800における界面にz方向に位置合わせされたモデル界面804を含んでも良い。拡張セグメントCADモデル800における界面は、付加製造印刷機械104のビルド面122に対応しても良い。このようにして、各拡張セグメント206がビルド面122とz方向に適切に揃うように、複数の拡張セグメント206をそれぞれのワークピース116のワークピース界面120上に同じビルドの部分として付加印刷できる。再び図4を参照すると、拡張セグメント206を付加印刷する例示的方法400は、工程408において、少なくとも部分的に視覚システムにより取り込まれた視野114のデジタル表現に基づき、印刷コマンドを生成することを含む。図7Bは、1又は複数の拡張セグメント206の複数のスライスの印刷コマンドを生成する例示的方法750を示している。図13を参照すると、複数の拡張セグメント206のスライスの例示的印刷コマンド1300が図表に示されている。図13に示すように、拡張セグメント206のスライスを付加印刷する例示的印刷コマンド1300は、それぞれこのスライスに対応する複数のツールパス1302を含んでも良い。例示的実施形態では、印刷コマンド1300は複数の拡張セグメント206のモデル界面804に対応するツールパスを含むスライスのものであっても良い。追加の印刷コマンド1300は、図7Bを参照して説明したような各スライスのために生成されても良い。スライスの数は、拡張セグメントCADモデル800内の拡張セグメント206の寸法(例えば高さ、厚さ)や粉体126あるいは拡張セグメント206を付加印刷するのに使用可能な他の材料の層の要求される厚みに依存しても良い。
【0163】
例示的実施形態では、拡張セグメントCADモデル800は複数の拡張セグメント802のモデルを含んでも良く、第1の拡張セグメント802の少なくとも第1のモデルが第2の拡張セグメント802の少なくとも第2のモデルと相違しても良い。第1の拡張セグメント802の第1のモデルは第1のワークピース116の第1のワークピース界面120と合致し、そして実質的に合同であり、第2の拡張セグメント802の第2のモデルは第2のワークピース116の第2のワークピース界面120と合致し、そして実質的に合同であっても良い。印刷コマンド1300は、第1の拡張セグメント206の第1のスライスに対応する第1のツールパスと、第2の拡張セグメント206の第2のスライスに対応する第2のツールパスとを含んでも良く、第1のツールパスは第2のツールパスと相違しても良い。例えば、第1のツールパスが第1の拡張セグメント外周を規定し、第2のツールパスが第2の拡張セグメント外周を規定し、第1の拡張セグメント外周は、例えば曲率、表面積及び/又は形状において第2の拡張セグメント外周と相違しても良い。
【0164】
図14から19を参照すると、いくつかの実施形態では、例示的付加製造システム100は、付加製造システム100の1又は複数の態様の間で時折発生することがある、不一致、かたより、ずれ、較正エラーなどを防ぐあるいは緩和するために較正調整を実行するように構成されても良い。例えば、較正調整は、視覚システム102と付加製造機械104との間、視覚システム102と少なくとも部分的に視覚システム102を使用して得られた1又は複数のデジタル画像に基づいて生成された1又は複数のCADモデルとの間、又は1又は複数のCADモデルと付加製造機械104との間、もしくはそれらの組み合わせにおける不一致、かたより、ずれ、較正エラーなどを防ぐあるいは緩和するように設定されても良い。
【0165】
較正CADモデルは、付加製造システム100の較正に、例えば較正調整を実行することにより利用できる。図14に例示的較正CADモデル1400を示す。較正CADモデル1400は1つ又は複数のモデル較正マーク1402を含む。1つ又は複数のモデル較正マーク1402は、それぞれ登録点の形式を取っても良く、あるいは登録点のモデルを含んでも良い。例えば、モデル較正マーク1402は、ドット、又は他の登録点202のモデルを定義するマークであっても良い。1又は複数のモデル較正マーク1402は、それぞれ複数の登録点202(図2A及び2B)の各一つに対応するCADモデル座標に配置される。登録点202は、複数のワークピース116の各一つが、それぞれのワークピース界面120上に付加印刷されるときに置かれる位置に対応しても良い。
【0166】
ワークピースドック210はそれぞれ複数のワークピース116をビルドプレート118に固定するように構成されても良く、登録点202は、ワークピース116がビルドプレート118に固定され、視覚システム102及び/又は付加製造機械104に取付けられた時にどこに位置するかの表示を提供しても良い。較正CADモデル1400は、モデル較正マーク1402を登録点202に対応する位置に、例えばワークピース116がビルドプレート118に固定されたときに配置されることが想定される位置に付加印刷するために、付加製造機械104に利用されても良い。例えば、モデル較正マーク1402により表現される登録点202はビルドプレート118の1又は複数のワークピースドックの位置に対応しても良い。
【0167】
例示的実施形態では、複数のモデル較正マーク1402の各一つは、複数の登録点202の各一つに対応するCADモデル座標を有しても良い。モデル較正マーク1402は幾何学形状又はパターンを含んでも良く、この幾何学形状又はパターンの少なくとも一部は、それぞれの登録点202に対応するCADモデル座標を有しても良い。更に別の例示的実施形態では、モデル較正マーク1402は、モデル界面外周806などの拡張セグメント802のモデルの外周に対応する輪郭を含んでも良く、この輪郭は、拡張セグメント802のモデルに基づき拡張セグメント206が付加印刷されるワークピース116の位置に対応するCADモデル座標を有しても良い。
【0168】
図15は、複数の印刷較正マーク1502を含む例示的較正面1500を示しており、このマークは付加製造機械104を使用して較正面1500の上に印刷されたものである。印刷較正マーク1502は、少なくとも部分的に、例えば図14に示した較正CADモデル1400などの較正CADモデル1400に基づき、較正面1500の上に印刷されたものであっても良い。較正面1500はビルドプレート118及び/又はビルドプレート118に貼り付けられた較正シートを含んでも良い。例示的較正シートは、転写紙、カーボン紙あるいは付加製造機械104が印刷較正マーク1502を印刷するのに適した他の材料を含み得る。例示的実施形態では、印刷較正マーク1502は、粉体126や他の付加材料を利用することなくレーザなどの付加製造ツールを使用して印刷することができる。例えば、付加製造機械104は、レーザなどのエネルギ源142を含んでも良く、エネルギ源142を使用して較正面1500をマーキングすることにより、複数の拡張セグメント206を付加印刷するように構成される。
【0169】
図16は、視覚システム102を使用して得られた複数のデジタル表現較正マーク1602含む視野114の例示的デジタル表現1600を示している。視野114内のデジタル表現較正マーク1602のデジタル表現1600は、エッジ検出アルゴリズムを使用して特定することができる。例示的エッジ検出アルゴリズムは、視野114のデジタル表現1600内の輝度やコントラストの変化などの不連続を有する画素を特定することにより デジタル表現較正マーク1602を特定しても良い。図16に示すように、視野114のデジタル表現1600は較正CADモデル1400と比較されても良い。例えば、複数のデジタル表現較正マーク1602の各一つは、対応の複数のモデル較正マーク1402の各一つと比較されても良い。
【0170】
図17は、複数のデジタル表現較正マーク1602の各一つの、対応の複数のモデル較正マーク1402の各一つとの例示的比較を図示する例示的比較テーブル1700を示している。図17に示されるように、このような比較はモデル較正マーク1402の基準座標1702を決定することと、デジタル表現較正マーク1602の測定座標1704を決定することを含んでも良い。このような比較は更に、例えばそれぞれのデジタル表現較正マーク1602と対応のモデル較正マーク1402との間の差などのシステムオフセット1706を決定することを含んでも良い。比較データは、例えば対応の各登録点202についてなど、各モデル較正マーク1402について得られても良い。
【0171】
システムオフセット1706は不一致、偏り、位置合わせ不良、較正エラーなどを表示しても良い。較正調整は比較に応答して実行されても良い。較正調整は、視覚システム102、付加製造機械104又は制御システム106を含む、付加製造システム100の任意の態様に適用されても良い。更に又は代替として、較正調整はライブラリCADモデル及び/又は拡張セグメントCADモデル800を含む、1又は複数のCADモデルに適用されても良い。例えば、CADモデルに適用される較正調整はCADモデルの座標を視覚システム座標及び/又は付加製造機械座標などの付加製造システム100の座標と位置合わせするように設定されても良い。較正調整は各モデル較正マーク1402を対応の登録点202と位置合わせするために任意の1又は複数のモデル較正マーク1402に適用されても良い。例えば、較正調整はシステムオフセット1706がオフセット閾値を超えた場合にモデル較正マーク1402に適用されても良い。
【0172】
較正調整の例示的結果が図18Aから18Cに概略的に図示されている。図18Aは、例えば視覚システム102に適用される較正調整における、較正1802前及び較正1804後の視覚システム102から得られるワークピース界面120の例示的デジタル表現1800を示している。図18Bは、例えば付加製造機械104に適用される較正調整における、較正1812前及び較正1814後の付加製造機械104を使用して付加印刷される拡張セグメント1810の例示的位置を示している。図18Cは、例えば拡張セグメントCADモデルに適用される較正調整における、較正1822前及び較正1824後の拡張セグメントCADモデルにおける拡張セグメント1820のモデルの例示的位置を示している。
【0173】
次に図19を参照し、付加製造システム100を較正する例示的方法を説明する。例示的方法1900は、工程1902において、1又は複数の較正マーク1602のデジタル表現を較正CADモデル1400と比較することを含んでも良い。較正CADモデル1400は1又は複数のモデル較正マーク1402を含んでも良い。1又は複数のデジタル表現較正マーク1602のデジタル表現は視覚システム102を使用して得られても良く、1又は複数の印刷較正マーク1502は付加製造機械104を使用し、較正CADモデル1400に従って較正面1500上に印刷されても良い。いくつかの実施形態では、例示的方法1900は、視覚システム102を使用し、1又は複数のデジタル表現較正マーク1602のデジタル表現を得ることを含んでも良い。
【0174】
1又は複数の較正調整は工程1902に応答して適用されても良い。例えば、いくつかの実施形態では、例示的方法1900は、工程1904において、少なくとも部分的に比較に基づき、較正調整を1又は複数のCADモデルに適用することを含んでも良い。較正調整は、1又は複数のCADモデルを付加製造システム100の、例えば視覚システム座標及び/又は付加製造機械座標などの1又は複数の座標と位置合わせしても良い。例えば、較正調整は1又は複数のモデル較正マーク1402の座標を付加製造機械104の座標と位置合わせしても良い。更に又は代替として、例示的方法1900は、工程1906において、少なくとも部分的に比較に基づき、較正調整を付加製造システム100に適用することを含んでも良い。付加製造システム100に適用される較正調整は、視覚システム102の1又は複数の座標を付加製造機械104の1又は複数の座標と位置合わせするように設定されても良い。
【0175】
例示的実施形態では、付加製造システム100を較正する方法1900は、付加製造機械104を使用し、較正CADモデル1400に従って較正面1500上に1又は複数のモデル較正マーク1402を印刷することを含んでも良い。モデル較正マーク1402は、較正CADモデル1400に従い、較正面1500上の複数の登録点202に印刷されても良い。登録点202は、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の各一つの上に付加印刷するときに、複数のワークピース116の各一つが配置される位置にそれぞれ対応するCADモデル座標を有しても良い。
【0176】
デジタル表現較正マーク1602のデジタル表現は、少なくとも部分的にモデル較正マーク1402及びデジタル表現較正マーク1602の座標及び/又は寸法に基づき、較正CADモデル1400におけるモデル較正マーク1402と比較されても良い。例えば、1又は複数のデジタル表現較正マーク1602のデジタル表現を較正CADモデル1400におけるモデル較正マーク1402と比較することは、デジタル表現における1又は複数のデジタル表現較正マーク1602の1又は複数の座標を較正CADモデル1400におけるモデル較正マーク1402の1又は複数の座標と比較することと、それらの間の1又は複数の差を決定することを含んでも良い。1又は複数の座標は、それぞれ複数の拡張セグメント206の各一つが付加製造機械104を使用して付加印刷される複数のワークピース116の各一つに対応する、複数の登録点202の各一つの座標を含んでも良い。更に又は代替として、1又は複数のデジタル表現較正マーク1602のデジタル表現を較正CADモデル1400におけるモデル較正マーク1402と比較することは、デジタル表現における1又は複数のデジタル表現較正マーク1602の1又は複数の寸法を較正CADモデル1400における対応の1又は複数のモデル較正マーク1402と比較することと、それらの間の1又は複数の差を決定することを含んでも良い。
【0177】
更に図19を参照すると、1又は複数のCADモデルに較正調整を適用する工程1904は、少なくとも部分的に工程1902での比較に基づき、この1又は複数のCADモデルの少なくとも一部を変形することを含んでも良い。この変形は、1又は複数のCADモデルの少なくとも一部を回転する、曲げる、捻る、シフトする、拡大縮小する、平滑化する、位置合わせする、オフセットする、及び/又はモーフィングすることを含んでも良い。
【0178】
例示的実施形態では、1又は複数のCADモデルは、それぞれCADモデル座標に配置された複数の拡張セグメント802のモデルを有する拡張セグメントCADモデル800を含んでも良い。CADモデル座標は、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の各一つの上に付加印刷するときに、複数のワークピース116の各一つが配置される位置に対応する複数の登録点202の各一つに対応する。いくつかの実施形態では、工程1904において1又は複数のCADモデルに較正調整を適用することは、拡張セグメントCADモデル800の拡張セグメント802の複数のモデルの各一つを付加製造システム100の複数の登録点202の各一つと位置合わせするために、少なくとも部分的に比較に基づき拡張セグメントCADモデル800の少なくとも一部を変形することを含んでも良い。
【0179】
更に別の例示的実施形態では、工程1904において1又は複数のCADモデルに較正調整を適用することは、拡張セグメントCADモデル800を生成することを含んでも良い。生成された拡張セグメントCADモデル800は、複数のワークピース116の各一つの上に付加印刷されるように設定された複数の拡張セグメント802のモデルを含んでも良く、そして拡張セグメント802の複数のモデルは、少なくとも部分的に較正調整に基づき決定されるCADモデル座標にそれぞれ配置されても良い。拡張セグメント802の複数のモデルは、付加製造システム100の複数の登録点202の各一つと位置合わせされても良い。複数の登録点202は、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の各一つの上に付加印刷するときに、複数のワークピース116の各一つが配置される位置に対応しても良い。
【0180】
次に図20を参照して付加製造システム100の更なる特徴を説明する。図20に示すように、例示的付加製造システム100は制御システム106を含んでも良い。例示的制御システム106は視覚システム102及び/又は付加製造機械104と通信可能に接続されたコントローラ2000を含む。コントローラ2000もユーザインターフェース108及び/又は管理システム110と通信可能に接続されている。
【0181】
コントローラ2000は、視覚システム102及び/又は付加製造機械104の近く又は遠くに配置可能な1又は複数の計算装置2002を含んでも良い。1又は複数の計算装置2002は、1又は複数のプロセッサ2004及び1又は複数の記憶装置2006を含んでも良い。1又は複数のプロセッサ2004は任意の適切な演算装置、例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理回路及び/又は他の適切な演算装置を含んでも良い。1又は複数の記憶装置2006は、非一時的コンピュータ‐可読媒体、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュドライブ及び/又は他の記憶装置を含む(但しこれらに限定されるものではない)、1又は複数のコンピュータ‐可読媒体を含んでも良い。
【0182】
1又は複数の記憶装置2006は、1又は複数のプロセッサ2004により実行可能な機械実行可能命令2008を含む、1又は複数のプロセッサ2004によりアクセス可能な情報を格納することができる。命令2008は。1又は複数のプロセッサ2004により実行されると1又は複数のプロセッサ2004に動作を実行させる、任意の命令セットを含んでも良い。いくつかの実施形態においては、命令2008は、1又は複数のプロセッサ2004にコントローラ2000及び/又は1又は複数の計算装置2002を設定するための動作を実行させるように設定されても良い。そのような動作は、視覚システム102及び/又は付加製造機械104を制御すること、例えば視覚システム102に1又は複数のワークピース116のワークピース界面120を含む視野114のデジタル表現を取り込ませること、少なくとも部分的に1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現に基づき、1又は複数の印刷コマンド1300を生成すること、及び付加製造機械104に、複数の拡張セグメント206の各一つを複数のワークピース116の対応する各一つの上に付加印刷させること、を含んでも良い。例えば、そのような命令2008は1又は複数の印刷コマンド1300を含んでも良く、これは付加製造機械104により実行されると、複数の拡張セグメント206の層を印刷するために付加製造ツールを複数のツールパス座標を含むツールパスに指向させ、ツールパスの特定の部分で付加印刷させる。複数の拡張セグメント206の層は拡張セグメントCADモデル800のスライスに対応しても良い。そのような動作は、更に又は代替として、付加製造システム100を較正することを含んでも良い。
【0183】
そのような動作は、更に又は代替として、視覚システム102、付加製造機械104、ユーザインターフェース108及び/又は管理システム110から入力を受け取ることを含んでも良い。そのような動作は、更に又は代替として、少なくとも部分的にこの入力に基づき、視覚システム102及び/又は付加製造機械104を制御することを含んでも良い。そのような動作は制御モデル2010により供給される制御コマンドに従って実行されても良い。例として、例示的制御モデル2010は、1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現から複数のワークピース116のそれぞれのワークピース界面120を決定するように設定された1又は複数の制御モデル2010と、少なくとも部分的に1又は複数の視野114の1又は複数のデジタル表現に基づき拡張セグメントCADモデル800を決定及び/又は生成するように設定された1又は複数の制御モデル2010と、及び/又は拡張セグメントCADモデル800を複数のスライスにスライスし、及び/又は複数のスライスのそれぞれのツールパス及び付加印刷領域を決定又は生成するように設定された1又は複数の制御モデル2010と、を含んでも良い。機械実行可能命令2008は、任意の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアであっても良く、ハードウェアとして実装されても良い。更に及び/又は代替として、命令2008は、論理的及び/又は仮想的に独立したスレッドとしてプロセッサ2004上で実行できる。
【0184】
記憶装置2006は、1又は複数のプロセッサ2004によりアクセス可能なデータ2012を格納できる。データ2012は、カレントあるいはリアルタイムデータ、過去データ、またはそれらの組み合わせを含んでも良い。データ2012はデータライブラリ2014に格納されても良い。例として、データ2012は、付加製造システム100に関連する又は生成されたデータを含んでも良く、これはコントローラ2000、視覚システム102、付加製造機械104、ユーザインターフェース108、管理システム110及び/又は計算装置2002に関連する又は生成されたデータ2012を含む。データ2012はまた、付加製造システム100に関連する、例えば、視覚システム102、付加製造機械104、ユーザインターフェース108及び/又は管理システム110に関連する、他のデータセット、パラメータ、出力、情報を含んでも良い。
【0185】
1又は複数の計算装置2002はまた、無線あるいは有線の通信ライン2020を介する通信ネットワーク2018との通信に使用できる通信インタフェース2016を含んでも良い。通信インタフェース2016は、1又は複数のネットワークとのインタフェースのための任意の適切なコンポーネント、例えば送信機、受信機、ポート、コントローラ、アンテナ及び/又は他の適切なコンポーネントを含んでも良い。通信インタフェース2016は、計算装置2002が視覚システム102、付加製造機械104と通信することを可能にする。通信ネットワーク2018は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、SATCOMネットワーク、VHFネットワーク、HFネットワーク、WiFiネットワーク、ゲートリンクネットワーク、及び/又はコントローラ2000への及び/又はコントローラ2000からのメッセージを通信ライン2020を介して送信するのに適切な任意の他の通信ネットワークを含んでも良い。通信ネットワーク2018の通信ライン2020はデータバス、有線及び/又は無線の通信リンクを含んでも良い。
【0186】
通信インタフェース2016は、更に又は代替として、計算装置2002がユーザインターフェース108及び/又は管理システム110と通信することを可能にしても良い。管理システム110はサーバ2022及び/又はデータウェアハウス2024を含んでも良い。例として、データ2012の少なくとも一部はデータウェアハウス2024に格納されても良く、サーバ2022は、データ2012をデータウェアハウス2024から計算装置2002に送信し及び/又は計算装置2002からデータ2012を受信し、受信したデータ2012を更なる目的のためデータウェアハウス2024に格納するように設定されても良い。サーバ2022及び/又はデータウェアハウス2024は制御システム106の一部として実装されても良い。
【0187】
本発明の更なる態様は以下の節の内容によって規定される。
【0188】
ワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面をライブラリCADモデルにおいて決定すること、前記ライブラリCADモデルの前記基準モデル界面をワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較し、前記デジタル表現は前記ワークピース界面を含む視野を有する視覚システムによって得られるものであること、及び少なくとも部分的に前記基準モデル界面に基づき拡張セグメントのモデルを生成し、前記拡張セグメントの前記モデルは前記ワークピースの前記ワークピース界面上に付加印刷されるように設定されていること、を含むワークピース界面と合致する拡張セグメントを含むCADモデルを生成する方法。
【0189】
拡張セグメントのモデルを生成することは、前記基準モデルから前記基準モデル界面を抽出することを含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0190】
拡張セグメントのモデルを生成することは、少なくとも部分的に前記比較に基づき前記基準モデル界面を変形すること、前記ワークピース界面の前記デジタル表現に合致する変形モデル界面を規定すること、及び前記変形モデル界面を拡張し、前記ワークピース界面の上に付加印刷されるように設定された拡張セグメントのモデルを規定すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0191】
前記基準モデル界面を変形することは、前記基準モデル界面の少なくとも一部を回転する、曲げる、捻る、シフトする、拡大縮小する、平滑化する、位置合わせする、オフセットする及び/又はモーフィングすることを含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0192】
前記基準モデル界面を変形することは、前記基準モデル界面の少なくとも第1の部分をワークピース界面の前記デジタル表現と位置合わせするために選択された第1の変形操作を実行し、前記第1の変形操作がシフト及び/又は回転の変形操作を含むこと、及び、前記基準モデル界面の少なくとも第2の部分を前記ワークピース界面の前記デジタル表現と位置合わせするために選択された第2の変形操作を実行し、前記第2の変形操作が曲げ及び/又は拡大縮小の変形操作を含むこと、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0193】
前記変形モデル界面を拡張することは、少なくとも部分的に前記視野の前記デジタル表現に基づき前記ワークピースの高さを決定すること、前記ワークピースの前記ワークピース界面上に付加印刷すべき前記拡張セグメントの高さを決定すること、前記モデル界面を前記拡張セグメントの高さに対応する分だけz方向に拡張すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0194】
前記モデル界面を前記拡張セグメントの高さに対応する分だけz方向に拡張することは、前記モデル界面を、付加製造機械のビルド面に対応する高さに位置決めすること、前記モデル界面の複製を、前記モデル界面の上方に前記拡張セグメントの高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、及び前記モデル界面から前記モデル界面の前記複製までz方向に延びる前記拡張セグメントの前記モデルを規定すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0195】
前記モデル界面を前記拡張セグメントの高さに対応する分だけz方向に拡張することは、前記モデル界面を、付加製造機械のビルド面に対応する高さに位置決めすること、前記基準モデルの上端面に対応する前記基準モデルの基準拡張面を決定し、前記基準モデルの前記基準拡張面を、前記モデル界面の上方に前記拡張セグメントの高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、及び前記モデル界面から前記基準拡張面までz方向に延びる前記拡張セグメントの前記モデルを規定すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0196】
前記モデル界面を前記拡張セグメントの高さに対応する分だけz方向に拡張することは、前記モデル界面を、付加製造機械のビルド面に対応する高さに位置決めすること、前記拡張セグメントの前記モデルの拡張面のスライス高さを決定すること、前記基準モデルにおける基準拡張面を決定し、前記基準拡張面は前記拡張セグメントの前記モデルの前記スライス高さに対応する高さにあること、前記基準拡張面を、前記モデル界面の上方に前記スライス高さに対応するz方向の距離を置いて位置決めすること、前記基準拡張面を変形し、変形拡張面を設け、前記基準拡張面を変形することが少なくとも部分的に前記基準拡張面を前記モデル界面及び/又は前記拡張面の高さに対する前記モデル界面上の前記基準拡張面の位置に基づくこと、及び前記モデル界面から前記基準拡張面までz方向に延びる前記拡張セグメントの前記モデルを規定すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0197】
前記拡張セグメントの前記モデルを拡張セグメントCADモデルに出力することを含む、前出のいずれかの節に記載の方法。
【0198】
前記視覚システムを使用して前記ワークピース界面の前記デジタル表現を得ることを含む、前出のいずれかの節に記載の方法。
【0199】
前記ワークピースはターボ機械用のコンプレッサブレード又はタービンブレードを含み、前記拡張セグメントはブレード端を含む、前出のいずれかの節に記載の方法。
【0200】
対応の複数のワークピース上に付加印刷されるように設定された複数の拡張セグメントを含むCADモデルを生成することを含む方法であって、前記複数のワークピースの各一つについて、前記複数のワークピースの各一つに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面を前記ライブラリCADモデルにおいて決定すること、前記ライブラリCADモデルの前記基準モデル界面を前記複数のワークピースの各一つのワークピース界面のデジタル表現と比較し、前記デジタル表現は前記視覚システムを使用して得られ、前記視覚システムは前記複数のワークピースの各一つの前記ワークピース界面を含む視野を有すること、及び、少なくとも部分的に前記複数のワークピースの各一つに対応する前記基準モデル界面に基づき、前記複数のワークピースの各一つに対応する拡張セグメントのモデルを生成し、前記拡張セグメントの前記モデルは前記複数のワークピースの各一つの前記ワークピース界面上に付加印刷されるように設定されること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0201】
拡張セグメントのモデルを生成することは、前記基準モデルから前記複数のワークピースの各一つに対応する前記基準モデル界面を抽出することを含む、前出のいずれかの節に記載の方法。
【0202】
拡張セグメントのモデルを生成することは、少なくとも部分的に前記比較に基づき、前記複数のワークピースの各一つに対応する前記基準モデル界面を変形すること、前記複数のワークピースの各一つの前記ワークピース界面の前記デジタル表現に合致する変形モデル界面を規定すること、及び前記変形モデル界面を拡張し、前記複数のワークピースの各一つの前記ワークピース界面上に付加印刷されるように設定された拡張セグメントのモデルを規定すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0203】
前記複数のワークピースの各一つの前記対応するワークピース界面上に付加印刷されるようにそれぞれ設定された複数の拡張セグメントのモデルを、拡張セグメントCADモデルに出力することを含む、前出のいずれかの節に記載の方法。
【0204】
ライブラリCADモデルの基準モデル界面を第1のワークピースの第1のワークピース界面の第1のデジタル表現と比較し、前記第1のデジタル表現が前記視覚システムを使用して得られ、前記視覚システムが前記第1のワークピース界面を含む視野を有すること、少なくとも部分的に前記比較に基づいて前記基準モデル界面を変形し、前記第1のデジタル表現に合致する第1の変形モデル界面を規定すること、前記第1の変形モデル界面を拡張し、前記第1のワークピースの前記第1のワークピース界面上に付加印刷されるように設定された第1の拡張セグメントの第1のモデルを規定すること、前記ライブラリCADモデルの前記基準モデル界面を第2のワークピースの第2のワークピース界面の第2のデジタル表現と比較し、前記第2のデジタル表現が前記視覚システムを使用して得られたものであり、前記視覚システムが前記第2のワークピース界面を含む視野を有すること、少なくとも部分的に前記比較に基づき前記基準モデル界面を変形し、前記第2のデジタル表現に合致する第2の変形モデル界面を規定すること、前記第2の変形モデル界面を拡張し、前記第2のワークピースの前記第2のワークピース界面上に付加印刷されるように設定された第2の拡張セグメントの第2のモデルを規定すること、及び前記第1の拡張セグメントの前記第1のモデル及び前記第2の拡張セグメントの前記第2のモデルを拡張セグメントCADモデルに出力すること、を含む前出のいずれかの節に記載の方法。
【0205】
視覚システムと付加製造機械とに動作可能に結合されたコントローラを備える付加製造システムであって、前記コントローラは1又は複数のコンピュータ可読媒体と1又は複数のプロセッサとを含み、前記1又は複数のコンピュータ可読媒体はコンピュータ実行可能命令を含み、前記コンピュータ実行可能命令は前記1又は複数のプロセッサにより実行されると前記付加製造システムに、ワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面をライブラリCADモデルにおいて決定させ、前記ライブラリCADモデルの前記基準モデル界面を、前記ワークピース界面を含む視野を有する視覚システムを使用して得られた前記ワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較させ、少なくとも部分的に前記基準モデル界面に基づき、前記ワークピースの前記ワークピース界面上に付加印刷されるように設定された拡張セグメントのモデルを生成させる、付加製造システム。
【0206】
前記ワークピース界面の前記デジタル表現取り込むように構成された視覚システム及び/又は前記ワークピースの上に前記拡張セグメントを付加印刷するように構成された付加製造機械を含む、前出のいずれかの節に記載のシステム。
【0207】
付加製造システムの1又は複数のプロセッサにより実行されると前記付加製造システムに、ワークピースに対応する基準モデルを横断する基準モデル界面をライブラリCADモデルにおいて決定させ、前記ライブラリCADモデルの前記基準モデル界面を、前記ワークピース界面を含む視野を有する視覚システムを使用して得られた前記ワークピースのワークピース界面のデジタル表現と比較させ、少なくとも部分的に前記基準モデル界面に基づき、前記ワークピースの前記ワークピース界面上に付加印刷されるように設定された拡張セグメントのモデルを生成させる、コンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【0208】
本明細書は、ここに開示された発明を説明するために、また当業者が任意の装置あるいはシステムを製作し使用すること及び包含されるすべての方法を実施することも含み、本発明を実施できるようにするために、最良の態様を含む例示的実施形態を用いる。ここに開示された発明の特許可能範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の例を含み得る。そのような例は、もしそれらが特許請求の範囲の字義通りの言語と異なるものでなければ、又はそれらが特許請求の範囲の字義通りの言語と実質的な相違を有しない均等構成要素を含むものであれば、特許請求の範囲内にあると意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20