(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033988
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】錠剤類ディスペンサー、システム及び/又は方法
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220222BHJP
A61J 7/04 20060101ALI20220222BHJP
A61J 7/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J3/00 310E
A61J7/04 Z
A61J7/02
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204913
(22)【出願日】2021-12-17
(62)【分割の表示】P 2018564955の分割
【原出願日】2017-06-06
(31)【優先権主張番号】15/175,513
(32)【優先日】2016-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518434360
【氏名又は名称】グラメディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】デューダ、ダブリュ.グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】フリードランド、リチャード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】モラル、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】グリンバーグ、ミルトン アール.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】毎日、正しい分量の正しい錠剤類を正しい時間に渡してくれ、錠剤の分与と分与された錠剤を装置使用者が摂取するよう促すことが自動で行われる錠剤類ディスペンサー装置を提供する。
【解決手段】錠剤類引き渡しの方法、装置、システムでは、決まった場所に錠剤類11を配置し、ピックアップ部を介して錠剤類に接触し、ピックアップ部の動きにより錠剤類を決まった場所に移動させる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤類ディスペンサー装置であって、
決まった錠剤類落下場所と、前記決まった錠剤類落下場所を限定する末端と、を備えるとともに錠剤類を誘導する傾斜面を備える落下路と、
前記決まった錠剤類落下場所にて錠剤類1つを、直接、前記落下路の前記末端で直接的に受領するような構造と配置を持つピックアップ部と、
により構成され、
前記ピックアップ部は、前記落下路の前記末端にある前記決まった錠剤類落下場所で錠剤類と接触するよう配置されたり、されなかったりを交互にするよう動く状態にあり、さらには、前記決まった錠剤類落下場所から前記錠剤類を移動させるべく配置され、
前記ピックアップ部は、偏心回転式で回転する部分を持つことにより回転可能となっている回転式ピックアップ部であり、前記回転式ピックアップ部は、回転する事により、前記決まった錠剤類落下場所で前記錠剤類と接触しなかったりしたりを交互に繰り返すことで、前記錠剤類を前記決まった錠剤類落下場所から移動させるよう配置され、
前記落下路の前記末端は、前記錠剤類を載せる内部表面を備え、
前記回転式ピックアップ部は、回転軸が前記回転式ピックアップ部の幾何学的中心からずれた偏心カムであり、
前記偏心カムが回転することによって、前記偏心カムの外周部の一部が前記内部表面よりも上に位置する状態と、前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも下に位置する状態とが交互に繰り返され、
前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも下に位置する状態から、前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも上に位置する状態に遷移する過程で、前記内部表面よりも上に位置する前記外周部の前記一部が前記錠剤類に摩擦係合し、前記偏心カムが更に回転することにより、前記偏心カムは、前記内部表面よりも上に位置する前記外周部の前記一部によって、前記錠剤類との継続的な摩擦係合により前記錠剤類を持ち上げるとともに移動させ、前記決まった錠剤類落下場所から前記錠剤類を落下させる、
錠剤類ディスペンサー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、さらに、以下の1つ又は両方を含む錠剤類ディスペンサー装置:
前記回転式ピックアップ部を配置するための軸であって、その軸は回転可能であり、その回転運動を前記回転式ピックアップ部に伝える;又は、
前記回転式ピックアップ部に配置された係合表面であって、前記係合表面は、前記決まった錠剤類落下場所で前記錠剤類に係合し、そこから前記錠剤類を移動させるよう配置されている。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、
前記落下路の前記末端に位置する開口可能ゲートが前記決まった錠剤類落下場所を区切り、
前記開口可能ゲートは、作動時、前記決まった錠剤類落下場所で前記錠剤類を保留する、
錠剤類ディスペンサー装置。
【請求項4】
請求項3に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、
前記開口可能ゲートは、
前記決まった錠剤類落下場所から移動して来る前記錠剤類の動きに応じるため開口する前記ピックアップ部と共に動作するように、或いは、
前記決まった錠剤類落下場所から移動して来る前記錠剤類の動きに応じるため開口する前記ピックアップ部とは独立して動作するように
構成されている、
錠剤類ディスペンサー装置。
【請求項5】
錠剤類ディスペンサー装置であって、
決まった錠剤類落下場所と、前記決まった錠剤類落下場所を限定する末端と、を備えるとともに錠剤類を誘導する傾斜面を備える落下路と、
前記決まった錠剤類落下場所にて錠剤類1つを、直接、前記落下路の前記末端で直接的に受領するような構造と配置を持つピックアップ部と
により構成され、
前記ピックアップ部は、前記落下路の前記末端にある前記決まった錠剤類落下場所で錠剤類と接触するよう配置されたり、されなかったりを交互にするよう動く状態にあり、さらには、前記決まった錠剤類落下場所から前記錠剤類を移動させるべく配置され、
前記落下路には前記決まった錠剤類落下場所に前記落下路よりも幅狭の細孔が設けられており、前記細孔は作動上、前記ピックアップ部に対して配置されているが、その配置は、前記ピックアップ部が前記細孔内で動くような配置であり、その配置において、前記ピックアップ部は前記錠剤類と接触するよう配置されたり、されなかったりを交互にするよう回転し、さらには、前記決まった錠剤類落下場所から前記錠剤類を移動させるべく配置され、
前記落下路の前記末端は、前記錠剤類を載せる内部表面を備え、
前記ピックアップ部は、回転軸が前記ピックアップ部の幾何学的中心からずれた偏心カムであり、
前記偏心カムが回転することによって、前記偏心カムの外周部の一部が前記内部表面よりも上に位置する状態と、前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも下に位置する状態とが交互に繰り返され、
前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも下に位置する状態から、前記偏心カムの前記外周部の前記一部が前記内部表面よりも上に位置する状態に遷移する過程で、前記内部表面よりも上に位置する前記外周部の前記一部が前記錠剤類に摩擦係合し、前記偏心カムが更に回転することにより、前記偏心カムは、前記内部表面よりも上に位置する前記外周部の前記一部によって、前記錠剤類との継続的な摩擦係合により前記錠剤類を持ち上げるとともに移動させ、前記決まった錠剤類落下場所から前記錠剤類を落下させる、
錠剤類ディスペンサー装置。
【請求項6】
請求項1に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、
前記落下路が前記錠剤類を錠剤類受領容器から前記決まった錠剤類落下場所へ移動させるよう構成されている、又は、
前記落下路が前記錠剤類を水平か下向きの方向のどれか一方、又は複数の方向へ移動させるよう構成されている、或いは、
前記落下路が、前記錠剤類を前記錠剤類受領容器から前記決まった錠剤類落下場所へ移動させるよう構成されているとともに、前記錠剤類を水平か下向きの方向のどれか一方、又は複数の方向へ移動させるよう構成されている、
錠剤類ディスペンサー装置。
【請求項7】
請求項1に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、さらに、以下に掲げる項目のうちの1つ又は複数を含む錠剤類取り扱い小組立部品を含む錠剤類ディスペンサー装置:
1個又は複数の前記錠剤類を受領し、要求されるまで保留するための受領容器;
1個又は複数の前記錠剤類を前記受領容器から前記落下路へ移動させるよう構成されたコンベア。
【請求項8】
請求項7に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、以下に掲げる項目のうちの1つ又は複数を満たす錠剤類ディスペンサー装置:
1個以上の前記錠剤類が前記受領容器から前記落下路へ届けられるように前記落下路と前記受領容器とのうち片方又は両方が構成されている;
前記コンベアが1個以上の前記錠剤類を前記受領容器から取り出せるよう構成されている;
前記コンベアが1個以上の前記錠剤類を前記落下路へ届けるよう構成されている。
【請求項9】
請求項1に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、さらに、以下に掲げる項目のうちの1つ又は複数を含むモーター小組立部品を含む前記錠剤類ディスペンサー装置:
前記ピックアップ部を係合して動かすための回転式ピックアップ部モーター;
コンベアを係合して動かすためのコンベアモーター。
【請求項10】
請求項9に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、以下に掲げる項目のうちの1つ又は複数を満たす錠剤類ディスペンサー装置:
前記回転式ピックアップ部モーターは前記回転式ピックアップ部と一体化したり離れたりする;
前記コンベアモーターは、前記コンベアと一体化したり離れたりする;
前記回転式ピックアップ部モーターには、前記回転式ピックアップ部と一体化したり離れたりする突出部分がある;
前記コンベアモーターには、前記コンベアと一体化したり離れたりする突出部分がある;
前記回転式ピックアップ部には、前記回転式ピックアップ部モーターと一体化したり離れたりするよう配置された1対のピンがある;
前記コンベアには、前記コンベアモーターと一体化したり離れたりするよう配置された1対のピンがある。
【請求項11】
請求項1に記載の錠剤類ディスペンサー装置において、前記錠剤類ディスペンサー装置はさらに、計量用小組立部品と引き渡し用小組立部品のうちの1つ又は複数を備え、
前記計量用小組立部品と前記引き渡し用小組立部品とのうちの片方又は両方が前記回転式ピックアップ部から1個以上の前記錠剤類を受領するように構成されている、
錠剤類ディスペンサー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動錠剤類ディスペンサーに関するものである。多くの実施例があるが、その中でも、本発明は、特に、必要時又は予め決められた時間に、予め決められた分量や種類の錠剤類(又はそのどちらか)を自動的に分配するためにプログラムできる方法、システム、及び/又は装置を含む/又はそれらに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医学の発達に伴い、健康の回復及び/又は維持のために処方薬やサプリメントを使用する機会は増加している。一人が一種類以上の薬を飲むことや、処方計画や服用時間の異なる錠剤類を摂ることは珍しくない。同じ種類の錠剤でも分量の異なるものもあり、毎日決まった時間に摂取するとしても、早く摂るもの、遅く摂るもの、食事と共に摂るものと分かれていることは通常のことである。しばしば多種に渡る錠剤類を正しく摂取することは、誰でも簡単にできることというものでもなく、特に、完全看護なしに生活する高齢者にとっては、困難なこととなる。薬の誤飲が健康に害を及ぼし、救急医療や入院が必要になったり、看護施設に入所することになったり、時には死に及ぶこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毎日、正しい分量の正しい錠剤類を正しい時間に渡してくれる装置、システム、方法(又はそのうちのどれか)の必要性は明らかである。さらに、錠剤の分与と分与された錠剤を装置使用者が摂取するよう促すことが自動で行われる、及び/又は、プログラムできることに関する選択可能性を備え持つことが必要であることも、言うまでもない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
錠剤類ディスペンサーの装置、システム、方法をここで図示及び/又は説明する。錠剤類の一定の場所への配置、ピックアップ部による錠剤類への接触、ピックアップ部による一定の場所からの錠剤類の移動を含む錠剤類受け渡しに関する方法、装置、システムが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】
図1Aは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの等角投影画法による前面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの等角投影画法による前面図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの等角投影画法による前面図である。
【
図2】
図2は、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の大部分を示す、等角投影画法による、一部を切り取った状態での断面図である。
【
図3】
図3は、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による構造図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による一部断面図と構造図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による一部断面図と構造図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による一部断面図と構造図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による一部断面図と構造図である。
【
図4E】
図4Eは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す等角投影画法による一部断面図と構造図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図5G】
図5Gは、本発明に関する錠剤類ディスペンサーの内部構造の一部を示す、一部を切り取った状態での断面立面図である。
【
図6】
図6は、本発明に関する電子制御コンビネーション又はシステムのブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明に関するコンビネーション、システム又は方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここで記述する主題は、正しい分量の正しい錠剤類を正しい時間に分与する目的で使用するために設定可能である。
【0007】
本発明に関する主題は、実施例の方法によっては、錠剤類服用者に勧告を促すために使用してもよい。この他の実施例の可能性として、本発明に関する主題物件は、処方や分量に変更があった場合、家族、介護者、医療関係者(場合によって、変更を行う専門家を含むことも、変更を行わない専門家を含むこともあり得る)へ、その旨を通知するための装置及び/又は方法を含むこともある。これは特に、一人以上の医者や医療従事者から投薬を受けている高齢者のために役立つ機能である。
【0008】
これと共に、代替錠剤類ディスペンサー10の大まかな構成を示す等角投影画法による前面図を添付の
図1A、
図1B、
図1Cに示す。これら添付の
図1A、
図1B、
図1Cに示される実施の形態にこだわることなく、本発明の範囲に適合する錠剤類ディスペンサーの形状は多種多数に及ぶものであり、その範囲は、本発明に関する請求にのみ基づく。
【0009】
さらに、
図1A、
図1B、
図1Cの代替的実施には、以下のことが含まれてもよい。例えば、
図1Aは、錠剤類ディスペンサー10を示し、そこには、ハウジング12とユーザーインターフェース14が含まれ、そのユーザーインターフェースは、タッチパネルその他により視覚的、聴覚的、或いはそのいずれかの方法により認知される情報をユーザーに通達し、またユーザーからの情報をも受けることが可能である。1個以上あるボタン群13は、ユーザーからの情報伝達のために使用することも可能であるが、この機能のためには、先に述べたタッチパネルその他を使用することも可能であり、さらには、装置10との間で、例えばUSB又はWi-Fiその他(いずれも図には含まれていない)を用い、ワイヤレス又はケーブル接続を介して、先に述べた機能を設けることも可能である。
【0010】
次に、ハウジング12には、それぞれの開口部15と開口部17が設けられている様子が図に示されているが、図にある開口部15にはスライド式のドアがついており、開口部17には別のドア(スライド式その他)又はその他のカバーが付くこともある。本発明の
図1A、
図1B、
図1Cで示すような実施において、ドア15は、後ろ(矢印15aの示す方向)に向かって動かし開けることができ、開いた時の状態は
図1Bに示す通りとなるが、その開き口は、1個以上の錠剤類11(見本としての錠剤投入11を点線で示す)を入れるために供される(
図1B矢印11aの大まかに示す方向に投入)。これら錠剤類11は1個以上の特定の入れ物44(
図1A、
図1B、
図1Cには示されていないが、
図2その他参照)の中に入るが、その様子は次に説明する通りである。
【0011】
最終的に、装置10を操作する度に(さらに後述)、1個以上の錠剤類が
図1Cによって、その中で示す通りにユーザーの手に渡る。錠剤類11(
図1Cでは1錠のみ描写)を載せた錠剤類用カップ18がディスペンサー10内部から並進運動によって外に出され(矢印18aによって描写)、ユーザーが取るのを待っている様子(矢印11b参照)を
図1Cに示す。ただし、カップ18は、
図1C内の一つの解釈として示されているように、オプションとして、ピボット旋回方式によって傾けることもできる(最終的ユーザー引き渡しポイントの一例の下にある点線矢印18b)。
【0012】
本発明に関する装置10を代替的に実施した場合に作動する数多くの内部コンポーネントの等角投影図を
図2に示す。
図2に描写されているのは、錠剤類ディスペンサー10の主要コンポーネントの一部であり、そこには、本機能実施例において小組立枠組み部品20内に配置、且つ機能的に接続され、機能的に回転運動可能な部品群30が含まれ、その部品群30の上には1個以上の錠剤移動用小組立部品40がある。
図2には40は示されていないが、それに該当する小組立部品40a、40b、40c、40dがそれぞれ示されており、40は次に説明する
図4及び
図5に示す(組立部品40に関する説明は、描写の存在、又は個別識別の可能性にかかわらず、使用可能性のある小組立部品40a、40b、40c、40d、その他のうちのいずれか、又は全てに対して当てはまることとする)。小組立部品40には、錠剤制御小組立部品50(詳細後述;
図4及び
図5参照;小組立部品50に関する説明は、描写の存在、又は個別識別の可能性にかかわらず、
図2に示される使用可能性のある小組立部品50a、50b、その他のうちのいずれか、又は全てに対して当てはまることとする)が付いている。
図2には、小組立部品50a、50bがそれぞれ示されており、代表としての50は示されていない。モーター部品60;ベルトによりカップを移動させる小組立部品70;計量用小組立80といった
図2に示される他の小組立部品については、後述する。
【0013】
少なからず
図2、
図3から見て取れるように、枠組み用小組立部品20にはベースプレート21を含んでも良く、そこには1個又はそれ以上の支柱22(
図2に描写されるようなもの)を取り付けても良く、この(これら)支柱は、
図3においては各支柱22a、22b、22cとして描写されている(特段の指定がない限り、支柱22に関する説明は小支柱部品22a、22b、22cの全て又はそのいずれかにも当てはまることとする)。枠組み天井部23が開口部25付きで
図2に示されているが(
図3にはない)、この開口部25は、
図1A、
図1B、
図1Cに示される錠剤類11のような、同じく
図1A、
図1B、
図1Cに示される(特に、
図1A及び
図1B参照)ハウジング開口部15をまず通ってからここを通る可能性のある1個以上の錠剤類を受け入れるよう配置されている。代替的に、開口部25を開け閉めするために、オプションとしてカバー27を含めることも可能であり、このカバー27は、
図1A、
図1B、
図1Cに見られるようなトップドア15に接合、或いは接続しても、他のモーターやバネ仕掛け、或いはそれらに関連する方法でドアの開け閉めを制御してもよい。ただし、開口部25は、錠剤類用組立部品40(後述)を介しての錠剤類受入れ用として供するために、ドア・開口部15の真下、又はすぐ近くに配置したり、或いはその他の方法で関連性を持たせたりすることが可能である。
【0014】
さらに余分の枠組み用小組立部品2個が
図2及び
図3に示されている。相対的固定位置にあるコネクション24(
図3の下方)及びコネクション26(
図2の上方)は、枠組み20の中、或いは枠組み20と相対的に、回転運動型小組立部品30の回転運動型接続シャフト32を設けるために、備え付けることが可能である。下方の回転運動型コネクション24は、ベース(ここでは、ベースプレート21)と相対的に固定することができ、上方のコネクション26は、トップフレームの一部23と相対的に固定することができる。回転運動型ベアリング又はその他回転運動型支持構造物は、コネクション24・26の場所において機能させることができ、それにより、シャフト32を適切、又は希望の回転位置に固定することができる(詳細は後述)。
【0015】
次に、
図2及び
図3に示される回転運動型小組立部品30に焦点を移す(
図3は
図2に示すものを反対側から見た様子であり、相対的に配置される他の小組立部品40、50、60、70、80は描かれていない)が、この小組立部品30は、小組立枠組み部品20の上又は中に配置することができ、その場所で回転運動し、且つ、相対的であることが可能である。一例を挙げると、枠組み部品20は、相対的に固定されており、回転運動型小組立部品30の回転部は、シャフト32(
図3において、シャフト32の軸は、点線矢印32aで大まかに描写されている)の軸を介しそれにより制限される軸方向に相対的に回転する。シャフト32は、固定接続ポイント24・26に相対して回転運動型接点配置部であるそれぞれのポイントの端部31及び端部33(枠組みポイント・コネクション26に相対する回転運動部上端33の接続部は描写されておらず、
図3中の固定構造物24に相対する回転運動部下端31を参照されたい)を介して回転する。
【0016】
オプションであるターンテーブル34とモーター36も、一部分は
図2に、さらに詳しい様子は
図3に示されている。ここに示す実施例では、ターンテーブル34は、もう一つの回転運動型コンポーネント又は小組立部品30の一部であってシャフト32に接続し、その場で回転可能又は回転することとなる。モーター36は、
図2及び
図3に示す通り、枠組み20に対し、ベースプレート21に載るような或いは近づくような形で固定することができるが、ここに示す例に置いては、シャフト32とターンテーブル34の両方又はそれらのいずれかの回転運動部が、同様に回転することになる。ここに示す例では、モーター36がターンテーブル34と係合しており、それに伴い、モーターがターンテーブルを回転させ、さらには、その回転がシャフト32を、軸32aを軸とする方向に回転させる。回転運動型コネクション・交信部は単数又は複数存在し、その種類は多数に及び、その中には、ベルト型(描写無し)、ギア型(描写無し)、モーター36とテーブル34又はシャフト32の表面又は端部との摩擦による係合が含まれる。
【0017】
ターンテーブルを備える場合は、それによりシャフトを回し(上記参照)、荷を運ぶ(小組立部品40に対する相対性についての代替的説明に関しては、以下参照)ため、或いは、そのどちらかのために利用すること、さらに、配置制御及び感知、或いはそのどちらかのためにも利用することが可能である。配置制御と感知に関しては、オプションであるセンサー列35を装備した様子が
図3に描かれているが、このセンサー列35は機能的にロータリーエンコーダーの1部又複数部と接続するために配置することが可能である。隆起部又は突出部37が見られるが、これらはロータリーエンコーダー用語では接点となっていない隆起・突出でも「接点」と呼ばれるため、以後、接点と呼ぶ。接点37は、
図3に示す全く共通点のない接点37a、37b、37c、37d、37e、37fを含み、それらを代表するものとして定義され、さらに(1個又は複数の接点37という表記は小部品接点37a、37b、37c、37d、37e、37fの1個、複数又は全てを含み、さらには1個又は複数の図に描かれていないものを含む可能性もある)、配置角度に関する情報を制御エレクトロニクス又は制御システム(後述)に提供するために設けられる。列35は、光学的、電子的(例:容量性)、磁気的、接点方式、又はその他方式のいずれかにより、それぞれの兆候を感知するために設けられ、本実施例においては、ターンテーブル、シャフト又は回転運動型小組立部品上の接点を感知する。エンコーダーのオプションは多様にあり(例:バイナリーその他)、グレイエンコーディングを使うことも可能である。
【0018】
動作について簡略して説明すると、ターンテーブル34が回転する時、異なる組み合わせの接点37は、接点がなくてもセンサー列35の付近に配置され、センサー列35は、接点37(繰り返すが、小部品接点37a、37b、37c、37d、37e、37fの1個又は複数を含む)の1個又は複数個の相対的存在又は不在を感知するために配置される。そこで得られる情報により、テーブル34及びシャフト、又はそのどちらかの相対的位置が決定し、それに従い錠剤類取り扱い容器40の位置も決定する。これにより、制御エレクトロニクス又は制御システムは、1個以上の錠剤類取り扱い容器40のうちのどれがどの特定の場所に配置されるのかを察知する。
図3においては、接点37a及び37bだけが列35によって感知される領域と相対するように描かれているが、その他の接点37c、37d、37e、37fは、そこに示されていない接点も含み、この図の示す特定の配置においては、感知されない。さらに、ここで
図2に戻るが、この実施例においては、錠剤類小組立部品のいずれかが希望の位置まで回転し得るようになっている。ただし、ここで示されているのは、25の下で錠剤類小組立部品40dが錠剤類受け入れ状態で配置されている様子であり、まず錠剤類はここに落とされる(
図1A参照)が、錠剤類小組立部品40bは、モーター組立部品60及び計量器小組立部品80の一部である計量器受け皿82(
図4、
図5及び後述の説明参照)に相対的に希望の錠剤類引き渡し位置に配置される。動作及び相対的配置に関する詳細を以下に述べるが、接点のある一定の配列により、組立部品40の回転後の配置が認識でき、それにより、次の動作、錠剤類受け取り、引き渡しの全て、或いはそのどれかが可能になる。ある異なる小組立部品40から1個又は複数の錠剤類を受け取る、或いは小組立部品40へ1個又は複数の錠剤類を届けることが要求される場合、モーター36の始動が可能で、それにより可動型小組立部品30全体を回転させるために使用でき、延いては、新たに要求される錠剤類を取り扱う小組立部品40を引き渡し又は受け取りのための位置へ移動させることができる。ただし、これらの代わりに使用できる、丈夫な代替的回転位置センサーは入手可能かも知れないし、及び/又は入れ替えてもよい。
【0019】
さらに
図2に示される以下のものについて、後に詳しく説明する:錠剤類引き渡し小組立部品50の複数部品、モーター小組立部品60の一部であるモーター群62及びモーター群64、さらに、カップ移動用として、小組立部品70、レール72、駆動ベルト74、モーター76、可動型ベース77、及びカップ78(これは、
図1A、
図1B、
図1Cに示すカップ18と同じ可能性があるが、
図2においては若干異なる非ピボット旋回方式を用いての実施となっているため、ここでは78とする)。さらに、受け取り・傾斜カップ付き計量用小組立部品80についても以下に説明する。
【0020】
さらに、
図2に関連するものとして紹介するのが、1個又は複数の錠剤類保管及び取り扱い用小組立部品40(
図2では、小組立部品40a、40b、40c、40dとして示される)である。これら小組立部品には、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4E等に示されるように、それぞれに対応する1個又はそれ以上の錠剤類保管容器、それぞれに対応する1個又はそれ以上の隆起付きコンベアベルト46、それぞれに対応する落下路又は斜面48、及びゲート且つ引き渡し用小組立部品50(詳細は全て後述)が含まれる可能性があり、これら全ては、枠組み42及びベース41、又はそのどちらかに固定又は相対した状態で動作する。1個又は複数の錠剤類保管及び取り扱い小組立部品40は、
図2及び
図3に示す本実施例において、ターンテーブルの上にある中央シャフト32に付着しているため、それに基づいた回転運動が可能である。
図2で紹介した通り、複数の小組立部品40は見えているが(40a、40b、40c、40d参照)、残りの同種部品は、可視部の後ろ側にあり、及び/又は枠組み部品23の下にあるため、見えていない。これら組立部品が複数使用されている又は中央シャフト32からその周囲に輻射状に拡張している場合、図にある通り、特段の配置形態にすることができる。
【0021】
1個又は複数の小組立部品40の回転運動型小組立部品30への接続に関して、ある代替的実施例において第1に記述すべきことは、
図3にあるシャフト32によって支えられる複数のほぼ平坦な表面の存在であろう。これら表面は、小組立部品40の後面42a(
図4A参照、説明後述)で接続し易いように組み立てられており、その組立方法は、取外しの可能性の如何にかかわらず、リベット、ボルト使用、又は溶接、その他の固定方法による(ここに記載する方法以外にも複数のオプションあり)。或いは、ベース41はシャフト32に取り付けられるように構成されることもでき、或いは、ターンテーブル34に似たようなターンテーブルに取り付けられるように構成されることもできる(ただし、
図3に示すように、テーブルの上側にエンコーダホイール(encoder wheel)の実装がある場合は可能性が低いが、底部に、又は完全に離れた部分に、或いは任意選択的にシャフトに離れて取り付けられたが一緒に動く別のテーブル上にエンコーダホイールの実装がある場合は、可能性がある)。回転運動型組立部品30と相対する小組立部品40に関する固定式又は取外し式オプションは多種多様である。
【0022】
ここで、錠剤類保管及び/又は取り扱い用小組立部品40に関する詳細を
図4A~
図4Eに関連した当初の詳細を含めて説明する。錠剤類保管容器44は、前述した通り、錠剤類の供給(枠組み20(
図2)の開口部25からそこを通り、ハウジング12(
図1A、
図1B、
図1C)の中の開口部15からそこを通り)を受けるため、上部には覆いがない。各保管容器44の内部の一部又はそれに通じる箇所には、モーター駆動型コンベアベルト46が含まれることがあり、そのベルトは、希望する及び/又はプログラムされたもしくは少数の錠剤類11を受け取ったり引き渡したりするために使用され、その錠剤類は対応する錠剤類用くぼみ又は落下路48の中に入る。この様子は、さらに詳しく
図4Bで示されているが、例えば、1個又はそれ以上の錠剤類11がコンベアベルト46によって、容器44内の図に示す場所44aにおいて、そこから拾われたとすると、その錠剤は、前進するコンベアベルト46によって運ばれ(矢印46a参照)、出口又は図に示す場所44bまで行き、落下路48(本明細書の中でしばしば斜面48と呼ばれる)へ落ちる。
図4Bでは、コンベアベルトが錠剤類11を容器44(矢印46a)から引き上げ、コンベアベルト46から落下路48へ落ちる場所(矢印46b参照)まで持って行く。ここで描かれているのは上昇するコンベアベルトであるが、比較的横向き又は下降するコンベアベルト(どちらも図には含まれない)を適切な配置により使うことができる。
【0023】
コンベアベルトを動かす小組立部品45は、図に示すような構成であってもよい(図に示していない代替品を使用してもよい)。このコンベアベルトを動かす小組立部品45は、
図4Bに示されているが、詳細は
図4Cに示される(
図4Cでは、落下路・斜面48の一部を切り取った状態で描かれている)。ウォーム歯車45aについては、シャフト又は軸45cを回転させる回転ギア45bを係合する様子が示されている。軸45cは、操作上、側壁42bと側壁42cによって支持されており、内部の歯付きドラム45d(側壁42cに一部隠れる様子が点線によって描かれ、ここでは点線リーダーにより示す)を回転させ、それによりそのドラムは、コンベアベルト46の内部隆起部を係合する。ウォーム歯車45aが矢印45eの示す方向に回転することにより、回転ギア45bが矢印46fの示す方向に回転する。これにより、ベルト46は、矢印46cの示す方向に動く。ウォーム歯車45aを回転させるためには、シャフト43はモーター62に係合した状態となる(
図4Aと
図4Dに示されているが、他の詳細を示す
図4B、
図4C、
図4Eには示されない)。シャフト43につながる係合部品47は、操作上、モーター62とのつながりを提供する。
【0024】
まず、
図4Bにもどるが、コンベアベルト46から落下路48への引き渡し、錠剤又は錠剤類11のコンベアベルト46の最高地点からの落下を助けるために、重力が使われてもよい。錠剤又は錠剤類11は、それから、矢印48aの示す方向に落下路48に沿って動いてもよい。ここでも錠剤又は錠剤類11が落下路又は斜面48を滑るのを助けるために重力が使われてもよいし、落下路は、水平方向への動きのため、又は状況や使用されるかもしれない動作補助のオプションによっては上向きの動きのために配置されてもよい。錠剤又は錠剤類11は、それから、次に説明する錠剤類引き渡し小組立部品50へ届けられる。
【0025】
図4Bと
図4Cには、錠剤又は錠剤類11を動かすために使われる振動性モーター49も示されている。
図4Bと
図4Cに示されるような実施例では、モーター49は、落下路46に付着又は機能的につながる回転性モーターでも良く、その場合、末端が著しく常軌を外れた形状に出っ張った端部49aを回転させることにより、落下路46を振動させ得る回転性変動を起こすかも知れない。そして、その振動は錠剤又は錠剤類11を落下路46の中へ、及びそれに沿って移動させることが可能となる。これに付随し、或いはこの代わりに、他の振動性装置又は移動補助方法・装置が使えるかも知れない。ある実施例においては、重力だけで十分かも知れない。ただし、ある実施例においては、
図4Aに示すように、錠剤類保管・移動用組立部品40を比較的柔軟性のある台座42aを介して中央シャフトに付着してもよい。柔軟性台座は、電動バイブレーター49が各錠剤保管・移動用組立部品40を振り動かすのを補助し、コンベアベルトによって動かされた後錠剤用くぼみ48aの最高地点付近に配置された錠剤類が錠剤用くぼみ48(錠剤落下場所は
図4Bと
図4Cには示されておらず、
図4A、
図4D、
図4Eを参照されたい、詳細は後述)の低い方の端48c付近にある落下場所まで移動(矢印48b参照)させる。さらに後で説明するように、錠剤用くぼみ48の中にある錠剤類は、錠剤落下場所で(繰り返すが、
図4A、
図4D、
図4Eを参照)、1本の線を構成するように、普通は、先頭がくぼみ又は落下路の末端に来るように並ぶ。この錠剤類11のくぼみ48の低い方の端48cにおける最終停止位置は、本明細書において、「知られた位置」と呼ばれることがある。
【0026】
従って、決まった場所48cは、錠剤ゲート又は引き渡し用小組立部品50、及び/又はその付近に設けられる。詳しく言うと、小組立部品50のドア51付近である。既に紹介したが、小組立部品50の詳細は
図4Dと
図4Eに描かれている。
図4Eでは、錠剤類引き渡し小組立部品50が拡大され、他の大部分の要素・小組立部品から分離されて描かれているが、
図4Dでは、他の動作部48、60、70、80(又はそこにある1個以上の部品)と共に、隣同士で動作する様子が等角投影画法で描かれている。小組立部品50は、
図4Dと
図4Eに示すように、ゲート又はシャッター51、及びピックアップ部52を含んでよく、このピックアップ部は、本実施例においては、引き渡しカムとも呼ばれる(以下、片方の引用は他方も含むこととする)。ここに示す実施例では、回転運動型ピックアップ部52が使用されているが、回転運動型でない実施例を用いてもよい。さらに、ここに示す実施例でのカム52は、偏心カムであり、中心を外れて入るが相対的に固定された軸上を回転するため、カムの小さい部分と大きい部分が決まった場所48cまで、そして/或いは場所48cに関連して交互に回転する。ピックアップ部又は引き渡しカム52は、実質的に、そして/或いは動作中、錠剤用くぼみの低い方の端48c又は落下路48の近く、そのほぼ下側に配置されている様子が描かれている。カム52は、落下路48と相対的に配置され、動作中、細孔48dの中で落下路48の一部であって対抗する側壁によって制限されるが可動性がある。カム52は細孔48dの中で回転し、その回転の様子は、カム52が落下路48の内部表面48eよりも下に配置される時と、落下路48の表面48eと同じ高さの時、そしてそれより上に配置される時がある。この表面48eは
図4Dでは一部しか見えないが、
図4Eではもっとよく見える。
【0027】
図4Dには、軸又はシャフト53、及び係合表面54も示されているが、どちらも機能的にピックアップ及び/又は引き渡し部又はカム52につながっている。
図4Eの中で、係合表面54が描かれているが、カム52は開口部53aのみを含み、そこから軸53が配置される。回転軸53bも
図4Eに示されており、矢印53cの示す回転方向はカム52に当てはめてもよい。従って、カム52は、機能的に軸又はシャフト53上に配置されてもよく、それによりその回転がカム52に伝わり、カム52が1個の錠剤11(
図4Eにおける点線で一例を表示、
図4Dには表示無し)を実際の大きさに関わらず係合する(実際の大きさとは、ヒト又はその他の動物の条件に合う適切な大きさを含む、及び/又は、意味する。ヒトや動物に引き渡しできないほど大きくなく、通常に使用できないほど小さくない)。その錠剤は、くぼみ又は落下路48の端に移動させられてもよく、重力によって計測及び/又は分与用小組立部品80・70に向かって落ちる。その様子は、特に、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5Gに関連して、後に詳しく説明する。ただし、図に示すのは、偏心又は中心を外れたカム52であり、ここでは相対的に固定された軸53cの周りを回転してもよく、カム52の小さい方の部位は決まった場所48cの付近にあり、さらに回転すると、カム52の大きい方の部位は細孔48d内の決まった場所48cに上がり、次第に表面48eの上にも上がる(僅かな上昇でも錠剤11を動かすに足る)。そして、錠剤を係合する。回転が続くことにより、錠剤は表面48eから移動し、錠剤11を表面48eから持ち上げる、又はただ単に錠剤11を表面48eに沿って動かすことにより、最終的に、次に説明するように落とされる。希望する効果を得るために、他の形状や種類のカム又は移動用部品を使用してもよい。
【0028】
さらに、
図4Dでは、本発明の一つの実施例における他の機能的小部品を
図2で示す実施例から取り、僅かに拡大している。例えば、計量受け取り用カップ82を用いても良く、このカップ82は小組立部品80の一部であり、小組立部品40と小組立部品50の引き渡し側の近くに、錠剤類が(
図4Dには描かれていない)希望する時に、希望する状態で落ち得るように十分下がって配置される。同様に、引き渡し用小組立部品70の引き渡しカップ78は、図にある通り、適当な時に、機能的に計量カップ82から錠剤を受け取るよう配置されてもよい。計量カップ82は、ピボット式に計量器ベース83と相対的に配置されている様子が描かれているが、1個のピン81が見えるが、もっと多くピボットピンが使われている。コンベアベルト74の一部も見えているが、更なる詳細とここも含めた小組立部品70の他の部分の可視度について、以下に説明する(
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5Gの説明参照)。
【0029】
カム52を回転させるために、小組立部品60のモーター64を使ってもよい。小組立部品60のモーター62も、ここで説明するように、組立部品45を介し、コンベアベルト46を係合して動かすために使ってもよい。モーター用小組立部品60には、図にある通り、固定枠組み部品69と可動型枠組み部品65が含まれ、ここにモーター62とモーター64、又はそのどちらかが配置されてもよい。モーター62とモーター64には、それぞれ回転運動型末端機構66と回転運動型末端機構67があっても良く、それらは係合部品47と係合部品56をそれぞれ係合するような構造とすることが好ましい。ここに示す実施例における係合は、突出するそれぞれのブレード67aとブレード66aがそれぞれの係合部品47と係合部品56を、係合部品47の突出ピン47aと突出ピン47bの間、及び部品56のピン56aとピン56bの間にそれぞれ係合している。すなわち、ブレード67aがそれに対応するピン47aとピン47bまで延長され、それらの間に機能的に配置され、それとは別に、モーター64のブレード66aがピン56aとピン56bまで延長され、それらの間に機能的に配置される。すると、一つ目の例では、モーター64によるその末端部品66とそれに付随するブレード66aの回転により、ブレード66aはピン56aとピン56bに係合してそれらを動かし、それにより、係合末端部56の回転運動を生じさせ、それが軸・シャフト53を回し、さらにそれがカム52を回転させる。これにより、矢印53c(
図4E)で示す回転効果が得られ、カムは錠剤類引き渡しのために希望の場所に、希望の場所を通して動く。同様に、2つ目の例では、モーター62によるその末端部品67とそれに付随するブレード67aの回転により、ブレード67aはピン47aとピン47bに係合してそれらを動かし、それにより、係合末端部47の回転運動(
図4Cにわかり易く表示)を生じさせ、それがシャフト・棒43を回し、又ギアシステム45(例:前述の
図4Cに関連して説明した通り、ウォーム歯車45aと回転ギア45bがコンベアベルト46を動かす)を回転させる。
【0030】
末端機構66と末端機構67の延長は、多様な方法により達成可能で、ここでは、枠組み部品65のレール68aとレール68bに対する(相対した)可動性(レール68bの大部分は見えず、その後部だけが見えているが、枠組み69の固定部分を通って延長可能)を示す。枠組み65は、矢印68c(レール68a沿い)で示す方向に、係合末端部47と係合末端部56に向かって相対的に前進方向に動く。係合を外したい場合には、枠組み65を逆方向にレール68と相対的に(小部品68a及び/又は小部品68bによって限定され、且つそれらを含む)動かし、枠組み69を
図4Dに示す位置に動かす。
【0031】
このように取外し可能なモーター小組立部品60の係合は、1式のモーター類が1個以上の(複数の)錠剤取り扱い(コンベアベルト)及びゲート引き渡し(カム)小組立部品40とゲート引き渡し(カム)小組立部品50を係合する(そして取り外す)ような構成を持たせるというオプション的な機能を備えてもよい。例えば、
図2では、そのような小組立部品40と小組立部品50が4個から8個示されている(はっきりと見えるのは4個(40a、40b、40c、40dとして表示)、ほとんど見えないものが2、3個(そこに含まれるのは2、3個)、そしてカバー23の下に完全に隠れて見えないがさらに1、2個追加可能)。これら小組立部品40と小組立部品50のうちのどれもが、単一のモーター小組立部品60の一部としてのモーター62とモータ64とそれぞれ係合し、取外しが可能である。従って、特定の時間に、錠剤類1式が特定の1組のコンベアベルト・カム小組立部品40と50からの引き渡しの対象になっても良く、その後、それに続く別の1組の小組立部品による動作があり、別の種類・タイプの錠剤類が配置され、モーター係合位置(小組立部品40bが関連ゲート・カム小組立部品と共にモーター小組立部品60に対面するモーター係合位置に配置されている様子については、
図2を参照)に移動させられ(シャフト34上で回転)、それぞれの錠剤類引き渡しが実行される。
【0032】
ここで、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5Gと関連して、錠剤類引き渡しオプションに関する説明を行う。まず、
図5Aに示すのは、錠剤類取り扱い小組立部品40、それに対応する錠剤類制御小組立部品50、計量小組立部品80、及び出口カップ小組立部品70である。ここでの主要部分には以下のものが含まれる:容器44、コンベアベルト46及び錠剤類取り扱い組立部品の一部である落下路48;ゲート・ドア51、カム52、シャフト53及び小組立部品50の一部である錠剤類取り扱い・係合表面54;レール72、ベルト74、可動型ベース77、組立部品70の一部であるカップ78、及び計量小組立部品80の一部である計量カップ82。
図4Cで示すような実施例における錠剤類の進行をシステム又は小組み合わせを通して追って行く。錠剤類11はコンベアベルト積載エリア44aで拾われ、コンベアベルト46にある方向46aに錠剤落下位置44bまで進み、方向46bに向かいながら斜面・落下路48にある錠剤受け取り位置48aで落ちる。その後錠剤は、斜面・落下路48に沿って方向48bに滑り、最終的には錠剤類の決まった場所48c(
図4Cには表示されないが、
図4Dと
図4Eを参照)に到着する。
図5Aの一番奥に見えるのが、最初の方向を示す矢印48fであり、これは、落下路・斜面48のカーブに沿って、落下路・斜面にあって最終的な動きを示す矢印48gに向かう。矢印48gは、錠剤11が錠剤の決まった場所48cへ向かう最後の通り道を示す。
【0033】
この時点で、錠剤制御小組立部品50がそれ以降の錠剤類11の取り扱いと引き渡しに関する制御を担当する。ただし、
図5Bに示すのは、錠剤取り扱い・制御用組立部品40と錠剤取り扱い・制御用組立部品50に相対する錠剤類11と等しい位置であるが、過程の詳しい説明のために拡大されており、ここから、まず、
図5Bと関連して説明を行い、それから
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5Gへと進む。
図5Bに示す通り、ドア51は、落下路の動きが閉まり小組立部品50による制御と引き渡しが始まる時に閉まる。また、小組立部品50の過程が始まる時、カム52(ここでは偏心又は中心を外れたカム52)は、相対的回転(シャフト53の周り)の最初の位置に配置され、その位置は先に述べた通り、細孔48dに相対し、そこではカム52が落下路48の表面48eの下に来て、カム52の小さい方の部位は決まった場所48cの直下にあり、カム自体は錠剤11を係合していない。次に
図5Cに移るが、カム52が矢印52aの示す方向に回転途中である。カム52の小さい方の部位は実質的に表面48eと錠剤類11より下にある。しかし、
図5Dに示すように、方向52aに回転を続けると、偏心又は中心を外れたカム52の大きい方の部位は、細孔48dの中に上がり込み、表面48eよりも少しだけでも高く上がり、錠剤類11を持ち上げることになるが、実際には持ち上げずにただ動かすだけかも知れない。錠剤係合表面54は、錠剤類11を掴み、カム52で錠剤類11を52aの方向に動かせるほどの十分な摩擦を生じるように構成されてもよい。以下参照(Oリングのようにゴムを含むものを表面54に使用してもよい)。
【0034】
図5Dの残りについて簡略に説明すると、ドア51が開いている、或いは開こうとしている様子が見え、矢印51aがゲート又はドア51のちょうつがいのあるような回転性の動きの方向を示している。ここにあるドア51は、カム52によって動く錠剤類11によって持ち上げられて開いてもよい。カム52を回転させるのと同じ機構を用いてドア51を開けても良く、従って、これらの動作はつながっていても良く、或いは代替的に、ドア51は、他のモーターを使用し(別途示されていない)他の動作により開いてもよい。どちらにしても、ドア51は、錠剤類11が持ち上げられ動かされると同時、又はそれに間に合うように作動するのがよいが、実施例によっては、ドア51の動作、すなわち、開口は錠剤類の動きと全く関係なくてもよい。ただ、ドア51は、錠剤類11がカム52を離れようとする時、ドアが開こうとする又は開いた状態であるように調整されていることになる。実施例によっては、別途制御可能なドア開口と、より興味深いことになるであろう(状況によるかもしれないが)ドア閉口を用いて、サイズの異なる錠剤類のために細かく制御してもよい。例えば、小さめの錠剤類11なら、1個の引き渡しが終わった後、次ぎに来る錠剤類が落下路48に続いて落ちないようにドアの閉口動作をより速くする必要があるかも知れないし、或いは、次に待っている錠剤がはみ出さないように、先頭の錠剤が完全に落ちてしまう前にドアを閉める必要があるかも知れない。大きめの錠剤ならより長い時間をかけて閉めたり、ゆっくり閉めたりするのがよい。
【0035】
図5Dでは、矢印52bは、カム52が矢印52aの方向に回転を続けるにつれ、錠剤類11がどこへ移動するかを示している。
図5Eでは、カム52がさらに回転を続け、その大きめの部位がほとんど細孔48dを通り過ぎてしまい、錠剤類11がカム52から離れ、表面54からも離れている。錠剤類11は方向52bに落ちる。ドア51bはドア51bの方向に動きながら閉まる様子が描かれている。
図5Fでは、相対的に同じ位置にあるカム52と錠剤類11とドア51が示されているが、さらに、計量小組立部品80の一部である計量カップ82も含まれており、そこに錠剤類11が配置されようとしている。その後計量器は特定の錠剤類11の重量として期待される正しい重さかどうかを確認する。その重量が期待される数値でない場合、少なすぎても多すぎても(錠剤類が引き渡されていない、期待する錠剤類より大きすぎる又は小さすぎる、或いは複数の錠剤類が誤って引き渡されたら)、プロセスは一時停止し、異なる新しい錠剤類を引き渡せるようリセットされる。正しい重量が確認されると、
図5Gで示す通り、計量カップ82は前向きに回転し(矢印82a参照)、錠剤類11(矢印82b参照)を出力引き渡しカップ78に引き渡す。
【0036】
なお、
図5Fで示す本実施例における出力カップ組立部品70には、直線型スライダー又はベースエレメント77に載せられた出力カップ78が含まれても良く、ここでは、それはモーター76(
図5Fには描かれていないが、
図2参照)の駆動する1個以上のレール72と相対的に移動可能なように配置されている。そして、スライダーエレメント77とカップ78は、コンベアベルト74によって動かされ(矢印78aの示す方向)るが、これはスライダーエレメント・ベース77が機能的にコンベアベルトに付着しているためである。この動きは、コンピュータで制御しても良く、これにより、錠剤類(複数も含む)11は希望及び/又は必要とする時、ユーザーに引き渡される(
図1C参照)。ユーザーが錠剤類を受け取ることができるよう、逆の動き(矢印78aの示す方向の逆)を使って、錠剤類カップ78を送り返して他の錠剤類1式又はそれ以上を受け取ることが可能である。
【0037】
図4Dで示すように、オプションであるセンサー小組立部品90に1個以上のセンサー91を含めてもよい。1個以上のセンサー91は、錠剤類11が決まった場所48cにあるかどうかを判定するために使われてもよい。センサーは光学式伝達・インタラプタ挿入式、その他でもよい。
【0038】
サイクルを完結するために手早く
図1Bと
図2に戻るが、錠剤類受け入れポート25(
図2)へのアクセスは、錠剤類ディスペンサー10の最上部に位置するドア又はシャッター15(
図1B)から行い、そこを開け、本明細書で説明する操作のために錠剤類11が入れられる。いくつかの実施例においては、このポートはコンピュータに制御されても良く、或いはコンピュータ制御のシャッターを備え付けてもよい。これに関しては、
図1A、
図1B、
図1Cのシャッター・ドア15、及び、
図2のシャッター27(オプションとしてシャッター15と連動しても良く、又はシャッター15の代わりに使ってもよい)を参照してほしい。これはユーザーが1個又はそれ以上の錠剤類を予め選択された保管容器44に投入することができるように構成されてもよい。予め選択するということにはいくつかの意味があり、ユーザーによる選択、コンピュータによる選択過程、或いは、例えば容器が1個である場合の製造段階での初期設定も考えられる。多くの実施例では、システム及び/又はシャッターに関しては、シャッター27(もし使われるとすれば、
図2)が条件付きで開口できるように構成させることができる。その条件付きというのは、例えば、ユーザーが処方箋又は市販の薬の名前・分量・製造者等を確認することを意味する。同様に、システムに関しては、
図1Cの例にあるように、本明細書に記載する過程を経て1個又はそれ以上の錠剤をカップ78又はカップ18経由で出力17に引き渡すようコンピュータで制御してもよい。
【0039】
図6は、電気制御システムを示すものであり、本発明に関して使用可能な1個又は複数の回路、或いは1個以上のモジュールの組み合わせを示す。ある特定の機能又は目的を果たすために回路を設計する方法は数多くあるが、ここで紹介する実施例では、1個又はそれ以上のマイクロプロセッサーとその他回路とその他コンピュータハードウェア、又はそのどれかを使用してもよい。
図6に示すような限度のない例では、CPUボード106が錠剤類ディスペンサーの主要コントローラーとして用いられてもよい。動作制御回路盤107は、制御回路として、且つCPUボード106とのインターフェースとして用いられてもよい。各モーターを加圧し、各センサーを読むために追加のドライバー回路又はモジュールを設けてもよい。モータードライバー回路とセンサー出力の機能と関連性を以下に説明する。
【0040】
図6にあるその他のモジュールに関して、電力・電池組立部品109を設けても良く、これは、標準コンセントに使用できるACケーブルとプラグと正しい直流電圧を供給するためのAC/DC変換器を含み、さらに、直流5ボルトの電池を設けてもよい。CPUボードやその他の回路に直接供給される直流電力を定期的に又は指定した時間にもしくは常時監視するために、低い直流電圧感知用回路110を設けてもよい。もし低い電圧が使われたら、又は使われた時、それは感知され、低電圧LED102を起動させる。実施例によっては、ユーザー及び/又は1人以上の第三者にインターネット等を介して自動メッセージを送るよう構成させてもよい。
【0041】
本明細書で紹介する錠剤類ディスペンサー10又は他の方法による他の装置の使用を開始するために、ユーザーは、まず、電源を入れても良く、例えば、米国標準電源(110V、AC)に装置を接続する。これにより、バックアップ用電池を、それが使われるなら必要に応じて、チャージしてもよい。ディスペンサーに必要な電圧が低下し、錠剤類ディスペンサー10を作動させるのに不十分となった場合に、低電圧感知回路110がユーザー、介護者、及び第三者、又はそのうちの誰かへの通告を出すよう、ユーザー又は指定された誰かが設定ファイルを使って構成してもよい。
【0042】
錠剤再充填用LED103を使用しても良く、これは、各錠剤類保管容器44にある錠剤類の数量を示すソフトウェアルーチンで設定してもよい。再充填が必要な特定の錠剤類(複数も含む)はタッチスクリーンディスプレイ104(又はタッチスクリーンディスプレイ14、
図1A参照)に表示されてもよい。このようなソフトウェアルーチンに関して、次に説明する。
【0043】
1式のユーザー警告LED101が使用されても良く、これは、プログラムされたタイマーを介して錠剤取り出しに関するユーザーリクエストコマンドと連動し起動させてもよい。ユーザーが、錠剤類取り出し時間より前にユーザーリクエストコマンドを発動しなかった場合、1個又はそれ以上のユーザー警告LED101を視覚的アラーム提示のために配置してもよい。視覚的アラーム表示中、及び/又は、その代替として、音声アラームが使用されても良く、例としては、スピーカー105を通してMP3(音声)ファイルを流しても良く、これにより同時に及び/又は代替的に音声アラームが設けられる。
【0044】
錠剤類取り出し時期に、機能的に主要コントローラー106とつながっているディスプレイ104(及びディスプレイ14又はそのどちらか、
図1A参照)は、実施例によっては、次の1個又は複数を表示するように構成させてもよい:錠剤が取り出されている様子の画像、取り出されている錠剤類の合計数、取り出されている錠剤類に関わる特段の指示。
【0045】
入力コンソール108が備わっていても良く、これは、キーボード(例として、
図1A、ボタン13参照)、カメラ、マイク又はタッチパネル(例として、
図1A、スクリーン14参照)を利用しても良く、これらはハウジング12に付着しても配置されても良く、或いはケーブル又はBluetoothで接続してもよい。このような入力コンソールは、ユーザー又はユーザーの指定する者が以下に示す動作によりデータを入力するために使用してもよい。
【0046】
動作コントローラー107が使われても良く、これにより、直流モーターその他の類似モーター駆動のため、及び、錠剤類ディスペンサー10に機能性を持たせる光学センサーを読み込むため、又はそのどちらかのため、モータードライバー回路の制御を行ってもよい。代替的に、時計を備えても良く、実施例によっては、これは、主要コントローラー106の一部として、或いはそれと連携し継続的に動作する時計となる。このような時計は、動作コントローラー107の1個又は複数のコマンドを発動するために使われても良く、それにより、制御回路が起動し、以下のようにモーターを起動させセンサーを読み込む。
【0047】
錠剤類11は、始めに、錠剤類ディスペンサー10の最高部(
図1A、
図1B、
図1Cに示す)にあるシャッター付き開口部15を通って錠剤類ディスペンサー10に入ってよい。投入される各処方薬11が認識されるように、最初に情報を提供しておいてもよい。錠剤類11投入直後の認識に続いて、インプットシャッター15は作動しても良く、この作動により、錠剤類11がまとめて投入できるようにシャッターが引き込む又は開口部がむき出しとなる。インプットシャッター15は、その後、錠剤類が完全に投入された後、閉まるように作動してもよい。実施例によっては、ユーザーがボタンを押すことにより投入完了を知らせても良く、さらに、又は、その代わりに、投入される錠剤類11の数をユーザーが入力してもよい。ただし、
図2のシャッター27は、シャッター15と連動しても、又その追加として設けられても良く、共に作動しても別々に作動してもよい。
【0048】
プログラムされた時刻表又は引き渡しの間隔を作成し、使用しても良く、或いは、その他の要求事項指示を使用してもよい。特定の錠剤11がプログラムされた時刻表又は適切な他のコマンドによりリクエストされた時、全ての錠剤類保管容器44に付着する可動型小組立部品30は、引き渡しの行われようとする特定の錠剤のための希望の落下位置まで回転してよい。この回転に関する位置決めのための情報に関しては、1個のセンサーに起こる変化のみが検知されるよう特別に配置された光学センサー類35を用いてもよい。これにより、曖昧でない、確固とした数の位置(1、2、4、8、16又はそれらの間、或いはそれら以上)が供給されるかも知れない。それぞれの位置は、単一のグレイコード(インクリメント、バイナリー、又はその他のコード化方法を追加で又は代替的に使用してもよい)により、各自識別されてもよい(以下に示す表1、グレイコード例参照、8ポジションのための3ビットロータリーコード化、他のパターンも可能、例:2、4又は16ポジション等)。
【0049】
【表1】
(3ビットバイナリーで記された角度測定装置用ロータリーエンコーダー。内円は表の接点1に該当する。黒いセクターは「オン」を示す。0°は右側にあり、角度は反時計回りに増大する。)
【0050】
可動型小組立部品30が錠剤類落下地点に到着した後、それに対応するコンベアベルトが使われていれば、それは作動し、1個又は複数の錠剤類を容器44から動かし、それぞれの落下路又は斜面48が使われていれば、そこを通して錠剤類は決まった場所48cにたどり着く。対応する電動バイブレーター49が使われていれば、それは作動しても良く、それにより、錠剤類くぼみ48に並び、1個の錠剤11が可動型カム52の真上の決まった場所に来る。カム52は定められた速度で回転するよう作動しても良く、その回転は、カム位置決めセンサー91が使われているなら、そのセンサーがステータスを変え、1個の錠剤が錠剤類くぼみ48の端から離れるのに十分なほど回転したと表示するまで続く。
【0051】
錠剤類保管・ゲート組立部品50のカム52が回転し、錠剤類11の位置が計量カップ82及び/又はそれに対応する出力取出し用カップ78(実施例によっては、カム52が直接出力取出し用カップ78に引き渡してもよい)の上に来ると、錠剤類はカム52によってくぼみ48の端に動かされ、重力により計量カップ82又は出力取出し用カップ78に落ちる。
【0052】
錠剤類くぼみ48に載っている錠剤類11の数に応じて、コンベアベルト小組立部品46は、錠剤類くぼみ48に1個又は複数の錠剤類11を再充填するために作動してもよい。モーター62は、コンベアベルト小組立部品46を希望の場所に回転させるために使用されてもよい。
【0053】
可動型小組立部品30は、その後希望又は必要に応じて、次の保管のための場所とゲート組立部品50に動いても良く、それにより、追加の錠剤類11が予めプログラムされた時刻表又はその他の適切な要求発動に従って出力カップ78へ落ちる。
【0054】
ある錠剤類取り出し期間における最後の錠剤類11が出力カップ48へ載せられた又は落とされた後、出力取出し用カップ78は、ユーザーへの錠剤類引き渡しのための位置に動いてもよい。出力取出し用カップモーター76は、作動しても良く、それにより、斜面組立部品77に載っている出力取出し用カップ78は、錠剤類ディスペンサー10の移動可能域の外側に移動する。実施例によっては、その動作は、外出(引き渡し)センサー(図に示されていない)が使われているなら、それに引っかかると止まり、又はその他の勧告表示が作動すると、止まる。錠剤類11は、その後手動で、取外し不可能なカップ18を傾けることにより、出力取出し用カップ78から取り出される。
【0055】
取り出し用センサー(図に示されていない)が使用されても良く、その使用により、出力取出し用カップ78が十分傾いたこと、或いはその他の兆候により、錠剤類11が取り出されたことを表示するためにステータスが変わってもよい。そのようなセンサーが初期の状態に戻り、錠剤類が取り除かれたことが表示される時、動き(リターン)センサー(図に示されていない)が使われているならそれが移動完了を表示する時、或いは、その他の信号が移動完了を表示する時、直線上スライダー組立部品77が元の場所に戻るよう構成してもよい。
【0056】
特定の機能又は目的を果たすようプログラムする方法は数多くある。ある実施例では、Android(商標)オペレーティングシステムを使ってもよいが、その他のOSプログラムも活用できる。ソフトウェアアーキテクチャの一例を
図7に示す。
【0057】
動作と例に挙げるソフトウェアのフローは以下の通りである。
【0058】
ユーザー又はユーザーに指定された者がシステムの初期設定を行っても良く、それは、メインメニューからSETUPのような初期設定コマンドを選択することにより行われる。ユーザーは、初期設定情報を入力するが、それには、1個又は複数の言語選択、ユーザー名、ユーザーのモバイル情報、電子メールアドレス(複数も含む)、その他第三者への通知のための連絡方法、リモートアカウント名、リモートアクセスパスワードが含まれてもよい。
【0059】
そしてユーザーは、次に挙げるようなパラメーターを設定してもよい:ユーザーへの錠剤類服用に関するアラートの長さ、各錠剤服用期間に対するアラートの持続時間(スヌーズコントロール)、介護者や医療従事者を含む1人以上の第三者に錠剤類が要求されていない或いは取出し用カップから取られていないことを通知するまでの待ち時間。
【0060】
ユーザーは、例えば、朝食前、朝食時、昼食時、夕食時、就寝時という風に各錠剤類服用の日ごとの時刻を入力しても良く、又は初期設定を利用してもよい。錠剤類服用時期は、追加で、或いは代替的に、設定してもよい。
【0061】
システムは、初期設定後、以下のうち1個又は複数の項目を含むことがある。
・表示言語
・ユーザー名
・ユーザー電子メールアドレス
・ユーザー携帯電話番号
・ユーザーGRAMedical装置パスコード
・ユーザーGRAMedical装置パスワード
・受取人(複数を含む)(例:介護人)電子メールアドレス
・受取人(複数を含む)携帯電話番号
・受取人通知待ち時間(分)
・初期アラート有効期間(秒)
・アラート待ち(スヌーズ)期間(分)
・時刻表情報:
朝食前(初期設定午前7:30)
朝食時(初期設定午前8:00)
昼食時(初期設定正午12:00)
夕食時(初期設定午後5:30)
就寝時(初期設定午後10:00)
この設定は、いつ変更してもよい。
【0062】
上記で述べたシステム設定の後、薬・サプリメントに関する情報を入力してもよい。
【0063】
ユーザーは、ディスプレイ上のRx等のアイコンを選択することにより、錠剤類投入のプログラムを起動させてもよい。それぞれの容器44は、通常特定の錠剤用に使用されるが、次の手順で充填される:薬名又はナショナル・ドラッグ・コード(NDC)を入力する。正しい投与量はポップアップメニューのオプションリストから識別しても良く、製造者はポップアップメニューの製造者リストから選択してもよい。薬又はサプリメントは、初期入力スクリーンから可能な入力方法の1つを使って入力されてもよい。本実施例には、米国食品医薬品局(FDA)と米国国立衛生研究所(NIH)又はその他の国立・国際機関からのデータベースを備えていても良く、それが初期起動のソフトウェアの一部であってもよい。データベースは、FDAやNIH及び/又はその他の国立・国際機関からの新しいデータが出る度に自動的に維持されてもよい。薬は、ナショナル・ドラッグ・コード(NDC)を介して入力しても良く、これにより、それぞれの薬の名前、製造者、効能が識別されるが、薬の名前を使って入力してもよい。
【0064】
NDCが始めの錠剤類11の識別に利用されない時は、薬の名前は全薬名のドロップダウンメニューから検索してもよい。そのメニューは、薬の名前を入力し始めると文字を入れるごとに薬名が現れるように構成されてもよい。そして、ユーザーは、ドロップダウンメニューから処方箋に合致する薬を選択してもよい。サプリメントの名称は手動で入力される。薬名の入力に続いて、次のスクリーンには、全ての処方箋又はFDA認可の市販薬のリストを含むドロップダウンメニューがあってもよい。サプリメントの投与量(効能)情報は手動でのみ入力されてもよい。投与量の選択に続き、次のスクリーンには、投与量の選択された錠剤類の全ての製造者のリストを含むドロップダウンメニューがあってもよい。サプリメントの製造者は、手動でのみ入力可能なように構成されてもよい。
【0065】
錠剤類11が入力され、その入力項目が識別条件を満たす時、錠剤類11又は市販薬のイメージ、写真又は説明が画像又はテキストとして(もしあれば)、ディスペンサーのディスプレイ104又はディスプレイ14に表示されてもよい。実施例によっては、錠剤類ディスペンサー10がインターネットに接続されていて、そのような情報は、インターネットから得てもよい。錠剤類11のイメージ、説明、その他による識別に続き、ユーザーは、錠剤類11が正しく識別されたことの確認表示をしても良く、その後、投入シャッター15及び/又は投入シャッター27は、当初の容器にある錠剤類11が錠剤類ディスペンサー10に投入されるように、自動で再配置(開口)されてもよい。錠剤類11は、予め指定された保管容器44へと誘導される。通常、1式のある特定の錠剤類ごとに、1個の保管容器44とそれに対応する保管・ゲート組立部品50がある(
図2の錠剤類取り扱い組立部品40a、40b、40c、40d参照)。
【0066】
ある一定の錠剤類を錠剤類ディスペンサー10に投入した後、又は導入の途中、或いは1式の錠剤類11を投入する度に、ユーザーは、処方箋又はサプリメントのために提供される使用方法に従って、服用方法(スケジュール)を入力してもよい。
【0067】
服用方法(スケジュール)入力の際、ディスプレイ14・104上で閲覧するために、1式のディスプレイページを設けてもよい。ユーザーは、いくつかのオプションから、服用時期のタイプを選択することができる。その例をいくつか以下に挙げるが、それらに限る訳ではない。
・継続(毎日又は周期的)
・期間限定(開始日と終了日)
・必要に応じて(頻度制限に関するオプション付き)
【0068】
服用方法を設定した後、ユーザーは、次のような追加情報を入力してもよい:処方した医者の名前、担当医連絡先、服用の理由、医薬品の摂取・取り扱いに関する特別な指示、又はそのいずれか。次のような情報も追加として入力してもよい。
・Rx処方番号
・薬屋
・薬屋連絡先
【0069】
非固体又は非経口医薬品の場合、本装置は服用勧告のためだけに利用されても良く、サプリメントや薬を保管したり、取り出したりするだけのために利用するのは良くない。ユーザーは、サプリメントの正しい取り扱い方法として、経口の固形物だということを表示してもよい。医薬品に関する全ての情報を入力した後、データはローカルなデータベースに保存されても良く、それから何日間かのスケジュールが作られる。ある実施例において、スケジュールは錠剤類ディスペンサー10のホームページとして表示されてもよい。ユーザーは、スケジュール表示の期間を選んでも良く、そのオプションは、当日(今日)、当日からそれ以降の数日間、又は当日以前の数日間としてもよい。
【0070】
この手順は、特定の錠剤のセットごとに、及び医療目的で新しい錠剤が追加されたときに、繰り返されてもよい。
【0071】
錠剤類投入と服用方法が入力された時、錠剤類ディスペンサー10は、使用可能となってもよい。
【0072】
錠剤類ディスペンサー10の使用を始めるために、ディスプレイ104・14の錠剤類取り出しアイコンに触れて、次の服用時期のための取出しカップ78への投入に必要な錠剤類回収サイクルを起動してもよい。1個以上の錠剤類11が取出せてもよい。これにより、錠剤類11は最初のアラートがプログラムされた少し前か、最初のアラートの後の限られた期間内に取り出し可能となる。各錠剤服用期間に対応するアラート期間中、複数のアラートが発令されてもよい。最初のアラートから予め設定された時間内に錠剤類取出しアイコンが起動しなかった場合に、ユーザーの携帯デバイスにアラートが送られるようにディスペンサーを構成してもよい。錠剤類取出しアイコンが、オプションとしての介護者通知のための時間的パラメーター内に起動しなかった場合に、状況調査のため、1人以上の介護者及び医療従事者、或いはそのどちらかに通知を送るようディスペンサーを構成してもよい。
【0073】
錠剤類カウンター用メモリーは、マイクロプロセッサー又はCPUボード106の一部であり、錠剤類の数を数えて記録し、取出された錠剤類の数を元にカウントを減らすために使用してもよい。ディスペンサーは、錠剤類の数が予め設定されたリミットを下回った時に、インターネット又はその他の方法、或いは装置やシステムを使って、ユーザー、特定の薬局及び第三者又はそれらのうちの誰かに通知を送るよう構築されてもよい。充填が必要なこと及び/又は後1回分しか取出せないことをユーザーに示すよう、装置のLED102を起動させてもよい。
【0074】
各錠剤類11が取出されるごとにその数を数えるようソフトウェアルーチンを利用してもよい。装置10は、各タイプの錠剤類の数量に関する情報を維持してよく、充填に関する情報をも提供できる。錠剤類ディスペンサー10は、必要量の錠剤類11を保管し、且つ、AC電源からでもバックアップバッテリーからでも電気が供給される限り、受取人に自動的に錠剤類11を渡し続けてよい。
【0075】
錠剤類やサプリメントがあるにもかかわらず、その日の錠剤類服用時期が始まったのにユーザーが錠剤類受け取りに関するリクエストを開始しない場合、実施例によっては、視覚的及び/又は音声アラートが装置から出されてもよい。構成によっては、同時に又は類似のタイミングでアラートを出すように、他の場所又は部屋にある装置が設けられるかも知れない。
【0076】
最初のアラートが出された後(待機時間)、ユーザーが、有効時間内に錠剤類取出しのリクエストを開始しなかった場合、通知がユーザーの個人的なリモート装置に送られても良く、それは、特定の時間内に繰り返し行われてもよい。ユーザーは、限られた時間だけ、全ての通知をオフにしてもよい。ユーザーが、許容上限時間を超えて錠剤類をリクエストしなかった場合、ユーザー及び1人以上の第三者又はそのうちの誰かがインターネット又はその他の通信方法を介して通知を受けてもよい。
【0077】
取出し用カップ78・18から錠剤類11を取出すことにより、取出し用カップが元の位置に戻る動作を始めるためのセンサー又はその他の表示器を備えても良く、実施例によっては、錠剤類取出しの時間と取出された錠剤類のリストを保存してもよい。取出された錠剤類のデータベースは、装置上に保存されても良く、実施例によっては、リモートなデータ保存装置にコピーされ、介護者や医療従事者によって安全にアクセスできるようにしてもよい。
【0078】
取出し用カップ78・18が錠剤類取出し位置に移動すると同時に、取出される1個以上の錠剤類11に関する特別指示をディスプレイが表示するように構成してもよい。
【0079】
ディスペンサーは、服用時間が来る度に、上記に述べたように動作を続けても良く、服用時間には、ユーザーが必要とする又は希望する1個以上の錠剤類11が、在庫がある限り、出される。
【0080】
上記の説明でわかるように、実施例によっては、ディスペンサーは電気機械システムにより正しい錠剤類(複数を含む)の投入を可能にするようプログラムされても良く、そのプログラムにより、正しい分量の正しい錠剤類が希望の時間に取出せ、実施例によっては、錠剤受取人へのアラート信号も備えられる。アラートに加えて、状況によっては、錠剤類受取人は、服用のために必要な又は希望する処方医師や医療関係者等による追加情報を受け取ってもよい。
【0081】
このシステムは、予定されている錠剤類がユーザーによって取出されていない時、或いはディスペンサーの動作に問題がある時、介護人又は医療従事者にアラートが送られるように設定してもよい。このような錠剤類ディスペンサーを利用する主なメリットは、ユーザーに時間通り薬を服用するよう勧告できることかも知れないし、一定の服用時間に関連する容器に手動で錠剤類を配置しなくてもよいことかも知れない。さらに、服用スケジュールと服用量はユーザー又はコンピュータ入力により、ローカルでもリモートからでも変更できる。
【0082】
システムの利点としては、以下の項目のうち1つ以上を含んでもよいが、必ずしも含むとは限らない。
1.FDAとNIH又はその他の米国・国際データベースを利用し、特定の錠剤類11のために錠剤類ディスペンサー10によって指定された錠剤類保管容器に充填された錠剤類11が同じタイプであることを確認する。
2.錠剤類服用者に取外し不可能な延長取出しカップから錠剤類を取出すよう視覚及び/又は聴覚アラームを出す。
3.処方医師の指示通りに取出された錠剤類を服用するよう特別な指示を表示する。
4.ユーザーの入力に従って、正しい数量の錠剤がタイプごとに1個単位で入手する。
5.全ての医薬品を安全で人の手の届かない場所に保管する。
6.取出された錠剤類が装置にまだ残っている時、介護人や医療従事者等の第三者へ通知を送る。
7.処方薬やサプリメントの充填が必要又は期待される時、介護人や医療従事者等の第三者へ通知を送る。
8.インターネット接続装置を使って、錠剤類服用方法(スケジュール)又は取出し数量へのリモート変更を可能にする。
9.バッテリーによる電源バックアップシステムを含め、安全な動作継続を確保する。
実施例によっては、このシステムには関係者以外がプログラムを変更すること又は医薬品を取り除くことを防ぐためのロック機構を備えてもよい。
【0083】
それゆえに、本明細書で説明する発明の一面としては、必要という訳ではないが、従来の錠剤取出し装置の不足と不利点をなくし、改良されたプログラミング可能な自動錠剤ディスペンサーの提供を含んでもよい。特に、簡単で信頼のおける、プログラミング可能で、次の1個以上の能力を備える自動錠剤ディスペンサーを提供することであり、その能力とは、装置投入時処方箋との合致を確認された各錠剤を、必要又は希望に応じて、予め定められた時間に出し、安全のためにロック機構を備え、及び/又は、ユーザーが錠剤類を取出す際、必要な追加指示を提供する。
【0084】
更なる目的と利点には、必要という訳ではないが、次の1個以上の項目を含んでもよい。
a)装置内に錠剤類を配置する前、実物を投入しながら錠剤類を確認する能力を持つ、プログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
b)プログラミング可能な時刻表に従って取出されるべき各錠剤類を選択するシステムを備えた、プログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
c)安全に錠剤類を保管する能力を備えたプログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
d)錠剤類が取出される間に、各錠剤類に対応した特別指示やメッセージの表示を提供すること
e)ユーザーに錠剤類服用時期についての視覚・聴覚アラームを出す能力を備えたプログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
f)錠剤類が取出されていない時、保管数量が低い時、又装置が不調な時、介護者や医療従事者等の第三者へのアラート送信を提供すること
g)予め設定された時間枠での取出し予定に照らし合わせ数量が低い時、薬局等の第三者へ通知を提供すること
h)使い易く、小型で、信頼のおける、バックアップバッテリーでの作動を含むプログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
i)医療のため及び/或いは清掃のために必要であれば簡単に取外し可能な保管方法を備えたプログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
j)安全なインターネットアクセスからリモートで錠剤類の数量やスケジュールを変更する方法を提供すること
k)必要に応じて、ユーザーが発動する錠剤類取出しのためのコマンドを提供すること
l)誤った錠剤類を取出し続けた服用者が薬剤過剰摂取になる可能性を低くする、プログラミング可能な自動錠剤類ディスペンサーを提供すること
m)服用者が薬剤過剰摂取になることを避けるような方法で錠剤類取出しができるように、ソフトウェアによる制御を提供すること
【0085】
本発明に関するディスペンサーのその他の利点は、必要という訳ではないが、次の項目を1個以上含んでもよい。
a)簡単に錠剤類が投入できるよう、且つ錠剤類取出しのために、回転してもよい錠剤類保管容器
b)ユーザーにとって取出しが容易であり、取外し不可能な自動制御の取出し用カップ
c)服用者過剰摂取の原因となるディスペンサーの出す錠剤類累積を防げるかも知れない錠剤類取出し用ソフトウェア
d)充填が必要になるにつれ介護者や薬局にメッセージを提供できる錠剤類充填追跡ソフトウェア
e)インターネットを介した取出し指示に関するリモート設定
f)保管容器充填のための充填指示に関するリモート設定
【0086】
本発明のバリエーションや派生的応用の可能性は多大かも知れない。例えば、保管・ゲート用組立部品の追加段階を設けることは可能であり、それにより錠剤類ディスペンサーで取り扱うことができる変わったタイプの錠剤の数が増やせる。
【0087】
もう一つのバリエーションとして、処方薬・市販薬に関する情報を読み取るバーコードリーダーを含めることにより、錠剤類方法の手動入力の必要性を排除してもよい。もう一つのバリエーションとして、ボイス認知システム又はインターネットを介した通信システム或いは各錠剤用のデータ通信ラインを利用してもよい。
【0088】
ここでは説明されていないが、上記以外の、基幹コンセプトの分岐的応用やバリエーションは、当業者にとっては明瞭である。これら全ての分岐的応用やバリエーションが附属の請求項及びその法的類似物の範囲に含まれることは意図されており、本発明の範囲は、本明細書に含まれる例、又は請求項に限らない。
【0089】
箇条
予め選択され確認された錠剤類を自動制御で出し、それら錠剤類を服用するよう、予め設定された時間にユーザーに勧告するための方法が本明細書に含まれていても良く、その方法は次の機能から成り立つ。
a)FDA/NIHデータベースを使った錠剤類独自性の確認
b)未確認錠剤類の投入回避
c)錠剤類服用時期設定のためのプログラミング可能な時刻表の提供
d)上記時刻表が予め設定された時刻に信号を発信するようプログラムすること
e)医師の名前、服用の理由、医師連絡先、介護人連絡先のうちの1つ以上を含めた錠剤類データ入力方法の提供
f)錠剤類保管区分に一連の可動式保管・ゲート組立部品を提供し、各区分は単一の錠剤摘出のための位置への移動が可能
g)単一の錠剤を予め選択された保管・ゲート組立部品から取ることのできる機械的カム組立部品
h)錠剤用くぼみの末端から取出し用カップへ重力により単一の錠剤を出すこと
i)ユーザー又はプログラム可能な時刻表からの信号に応答し、自動移動する上記の保管・ゲート組立部品を上記の取出し用カップ組立部品のある所まで動かすアクチュエーターを提供すること
j)取出し用カップに入っている錠剤類を服用するようユーザーに勧告するための視覚・聴覚アラームを提供すること
k)ユーザーの錠剤類服用状況について、介護者又は医療従事者等離れた場所にいる人にメッセージを提供すること
l)錠剤類在庫状況について、介護者又は医療従事者等離れた場所にいる人にメッセージを提供すること
m)AC電力供給が滞った時にも継続した動作を提供すること
n)錠剤類数量やスケジュールに関して、ローカルで及び/又はリモートでコンピュータを使いパラメーターを変更できるようにすること
o)安全な錠剤類保管方法を提供すること
【0090】
代替的に、インターネットを介して操作できる装置を含んでも良く、その装置には、適切な錠剤類(固形経口医薬品)を投入でき、正しい分量・正しいタイプ(複数種を含む)の錠剤を各日、正しい時間(複数回数を含む)に自動で出すようプログラムされたものである。その装置には次のシステムが含まれる。
・保管の前に錠剤類を識別するシステム
名前又はNDCにより錠剤類識別可能
・錠剤類を保管するシステム
識別された錠剤類は装置の中に配置され後で取出せるよう保管される
・錠剤類を出せるよう個別に取り扱うシステム(複数実施)
装置には必要な数量の錠剤類を出す性能あり
・錠剤類服用スケジュール(服用法)をプログラムするシステム
各日、錠剤類取出し時間は終日設定可能
・リモートでプログラムするためのシステム
パスワードで保護されたシステムにより、インターネット上のウエブサイト及び/又はスマートデバイスから、スケジュール(服用方法)が変更できる
パスワードで保護されたシステムにより、ユーザーによる正しい充填のためのシステムがリモートで設定できる
・ユーザーに勧告するためのシステム
視覚・聴覚アラームが錠剤類取出しについてユーザーに勧告する
・第三者に通知するためのシステム
錠剤類が取られていない、装置が不調である、又は充填が必要である時、介護者や医療スタッフ等の第三者がショートメッセージやその他の電子メッセージにより通知を受けることができる
・電子制御のためのシステム
制御用エレクトロニクスが錠剤類の正しい配置と取り扱いを確実にする
・電気供給バックアップのためのシステム
AC電気の供給が止まっても装置は機能し続ける
・オペレーティングシステム付きソフトウェアコントローラー
【0091】
本装置の主要コンポーネントには、必ずしも必要という訳ではないが、次のものが含まれてもよい:保管・取り扱い組立部品40付きの回転型組立部品30、機械運動型カムとドア又はゲート小組立部品50、くぼみ振動加震メカニズム49、保管容器・ベルトコンベアメカニズム44及び保管容器・ベルトコンベアメカニズム46、制御エレクトロニクス100~110、出力取出し用カップ組立部品70、計量用組立部品80、バックアップ電気貯蔵組立部品107、LED使用視覚アラート回路108、WiFi使用インターネット接続システム109、3G(及び/又はLTE)接続システム110、又は以上のうちいずれか。
【0092】
主要プロセスに関連するソフトウェアコンポーネントは、必ずしも必要という訳ではなく、それらに限る訳でもないが、次のものを含んでもよい:錠剤類識別、処方箋情報保存、プログラミング可能なスケジュール作成113、ユーザー定義による音声アラート114、クラウドデータベースストレージ対応性能115、リモートスマートデバイスアプリケーション116及びウエブサイトからのデバイス・データベース制御117、又は以上のうちいずれか。
【0093】
上記に挙げるコンポーネントは、装置、システム、方法の如何に関わらず、本発明の範囲内における可能性の種類を例示するためのものである。上記の例は具体的表現、及び/又は実施例に過ぎず、発明及び本発明の請求する範囲を如何ようにも制限するものであってはならない。本発明の具体的表現及び/又は実施例及び本発明で請求する事項は上記で説明する装置、システム、及び/又は方法に関連するものであるが、発明の基幹趣旨及び/又は請求事項から外れることのない変更例、変形例、類似例は、当業者には明瞭である。従って、上記説明は、本発明や添付の請求項で定義される本発明請求項の範囲を制限するものとして捉えられるべきではない。