IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テスラ モーターズ,インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022033995
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】電動ポンプシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20220222BHJP
   F04B 53/00 20060101ALI20220222BHJP
   F04B 53/08 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
F04C15/00 L
F04B53/00 J
F04B53/08 E
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021205721
(22)【出願日】2021-12-20
(62)【分割の表示】P 2019572453の分割
【原出願日】2018-06-21
(31)【優先権主張番号】62/527,699
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/944,841
(32)【優先日】2018-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレーブス,スコット マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ベレマーレ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ズー,ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】デラル,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァ ロドリゲス,ディエゴ アルベルト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電動ポンプシステムにおける熱の伝達および流体温度の評価を管理する方法および構造を提供する。
【解決手段】機械式ポンプ202内に画定された流体通路を介してポンプ入口からモータ204の中空シャフトへと、中空シャフトを介してモータのハウジングによって画定された内部モータ空洞へと、およびポンプ出口208につながるモータハウジングおよび機械式ポンプ内に画定された他の流体通路を介して流体を圧送する。中空シャフトを出る流体の温度は、電動ポンプシステムの電子制御ユニット(ECU)によって評価および使用され、それを制御することができる。電動ポンプシステムは、例えば、電気自動車のトランスミッション、ギアボックス、ディファレンシャルまたはトランスファケース用の冷却および潤滑システムの一部とすることができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および第2の側を有するモータであって、前記モータが、
ステータ、
シャフトを含むロータ、および、
前記ステータおよび前記ロータの周りのハウジングであって、内部モータ空洞および該内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口を画定するハウジングを含む、モータと、
前記モータの第1の側に接続された電子制御ユニットと、
前記モータの第2の側に接続され、且つ、第1のポンプ入口からポンプ出口への第1の流体通路を画定する機械式ポンプと、を備え、
前記モータハウジングおよび機械式ポンプが、さらに、第2のポンプ入口を介して前記内部モータ空洞から前記ポンプ出口への第2の流体通路を画定する、装置。
【請求項2】
前記電子制御ユニットは、サーミスタをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シャフトが、シャフト入口およびシャフト出口を画定する中空シャフトであり、前記機械式ポンプが、第3のポンプ入口から前記シャフト入口への第3の流体通路を画定し、前記シャフト出口が、前記内部モータ空洞と流体連通している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の流体通路および前記第2の流体通路の少なくとも一部が共通している、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記機械式ポンプがジェロータである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、前記機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電子制御ユニットが冷却リブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
機械式ポンプと内部モータ空洞を画定するモータハウジングとを有する電動ポンプシステムにおいて流体を圧送する方法において、
第1の流体通路を介して前記機械式ポンプの第1のポンプ入口から前記機械式ポンプのポンプ出口へと前記流体を圧送する工程と、
前記モータハウジング内に画定され且つ前記内部モータ空洞と流体連通しているバイパス入口を介して前記流体を圧送する工程と、
前記モータハウジング内および前記機械式ポンプ内に画定された第2の流体通路を介して前記内部モータ空洞から前記機械式ポンプの第2のポンプ入口を介して前記ポンプ出口へと前記流体を圧送する工程とを含む、方法。
【請求項9】
サーミスタを使用して前記流体の温度を測定する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記機械式ポンプの第3のポンプ入口から第3の流体通路を介して、シャフト入口およびシャフト出口を画定する中空シャフトへと前記流体を圧送する工程をさらに含み、前記シャフト出口が前記内部モータ空洞と流体連通している、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記モータハウジングと電子制御ユニットとの間に形成されたギャップを介して前記内部モータ空洞内に前記流体を圧送する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記機械式ポンプがジェロータを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
マイクロコントローラを含む電子制御ユニットによって前記機械式ポンプを制御する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
装置を備えるシステムであって、前記装置は、
第1の側および第2の側を有するモータであって、前記モータが、
ステータ、
シャフトを含むロータ、および、
前記ステータおよび前記ロータの周りのハウジングであって、内部モータ空洞および該内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口を画定するハウジングを含む、モータと、
前記モータの第1の側に接続された電子制御ユニットと、
前記モータの第2の側に接続され且つ第1のポンプ入口からポンプ出口への第1の流体通路を画定する機械式ポンプであって、
前記モータハウジングおよび機械式ポンプが、さらに、第2のポンプ入口を介して前記内部モータ空洞から前記ポンプ出口への第2の流体通路を画定する、機械式ポンプと、
前記ポンプ出口と流体連通している熱交換器と、
前記第1のポンプ入口と流体連通しているオイルリザーバと、
を含む、システム。
【請求項15】
前記電子制御ユニットが、サーミスタをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記シャフトが、シャフト入口およびシャフト出口を画定する中空シャフトであり、前記機械式ポンプが、第3のポンプ入口から前記シャフト入口への第3の流体通路を画定し、前記シャフト出口が、前記内部モータ空洞と流体連通している、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の流体通路および前記第2の流体通路の少なくとも一部が共通している、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記機械式ポンプがジェロータである、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記電子制御ユニットが、前記機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記電子制御ユニットが冷却リブを含む、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本PCT出願は、2018年4月4日に出願された「ELECTRIC PUMP SYSTEM AND METHOD」と題される米国実用特許出願第15/944,841号および2017年6月30日に出願された「ELECTRIC PUMP SYSTEM AND METHOD」と題される米国仮特許出願第62/527,699号に対する優先権を主張する。2018年4月4日に出願された「ELECTRIC PUMP
SYSTEM AND METHOD」と題される米国実用特許出願第15/944,841号は、2017年6月30日に出願された「ELECTRIC PUMP SYSTEM AND METHOD」と題される米国仮特許出願第62/527,699号に対する米国特許法第119条(e)にしたがう優先権を主張し、それらの双方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、あらゆる目的のために本PCT出願の一部をなす。
【0002】
本PCT出願は、2017年6月29日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR MONITORING STRESS CYCLES」と題される米国実用特許出願第15/637,313号に関し、その全体が参照により組み込まれる。
【0003】
本発明は、電動ポンプシステムに関し、より具体的には、車両の駆動システムにおいて使用されるような電動ポンプシステムにおける熱の伝達および流体温度の評価に関する。
【背景技術】
【0004】
例えば、電気自動車の駆動システムにおける電動ポンプシステムは、トラクションモータを冷却および潤滑するために、特にトラクションモータの軸受、ロータおよびステータにオイルを供給するために使用されることができる。そのような電動ポンプシステムは、典型的には、機械式ポンプ、電気モータおよび電動ポンプシステムを制御するための電子機器を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような電動ポンプシステムの設計に関連する課題は、望ましい流量特性を有するポンプシステムの設計を含む。従来のオイルポンプは、オイルの状態を監視せず、したがって、オイル、ポンプ、およびモータの状態を個別に確認できないため、定期的にオイルが交換される必要がある。さらなる副産物は、任意の温度センサが従来のポンプシステムの外側またはポンプを流れるオイルを表す領域のいずれかに配置されることから、部分的に、従来のオイルポンプが温度を正確に判定するように設計されていない(そして正確に判定することができない)ということである。さらに、従来のオイルポンプは、多くの場合、異なる部品の取り付け機構のために大きくて扱いにくく、ポンプ用により大きな物理的空間を必要とする。したがって、電気モータと連動して動作するように設計された、改良されたオイルポンプ、特に電動ポンプシステムの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、冷却および潤滑システムを動作させることの困難性を解消する、特に電動ポンプシステムにおける熱の伝達および流体温度の評価を管理するのに役立つ方法および構造を提供する。
【0007】
本開示の一態様によれば、電子制御ユニットと、機械式ポンプと、第1の側および第2
の側を有するモータとを含む装置において、モータが、ステータと、中空シャフトを含むロータと、ステータおよびロータの周りのハウジングとを含み、電子制御ユニットが、モータの第1の側に接続され、機械式ポンプが、モータの第2の側に接続され、中空シャフトが、シャフト入口およびシャフト出口を画定し、機械式ポンプが、第1のポンプ入口からシャフト入口への第1の流体通路を画定し、ハウジングが、内部モータ空洞を画定し、シャフト出口が、内部モータ空洞と流体連通し、機械式ポンプが、第2のポンプ入口からポンプ出口への第2の流体通路を画定し、モータハウジングおよび機械式ポンプが、第3のポンプ入口を介して内部モータ空洞からポンプ出口への第3の流体通路を画定する、装置が提供される。
【0008】
本開示の上述した態様またはその任意の他の態様にかかる装置のいくつかの実施形態では、複数の任意の動作および特徴が採用されることができる。1つの任意の特徴は、電子制御ユニットがシャフト出口から出る流体の温度を測定するサーミスタをさらに含むということである。他の任意の特徴は、ハウジングが内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口を画定するということである。他の任意の特徴は、第2の流体通路および第3の流体通路の少なくとも一部が共通しているということである。他の任意の特徴は、機械式ポンプがジェロータであるということである。他の任意の特徴は、電子制御ユニットが機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含むということである。他の任意の特徴は、電子制御ユニットが冷却リブを含むということである。
【0009】
本開示の一態様によれば、電動ポンプシステムにおいて流体を圧送する方法において、第1のポンプ入口からシャフト入口へと第1の流体通路を介して、シャフト入口からシャフト出口へとモータの中空シャフトを介して、シャフト出口と流体連通している電動ポンプシステムの内部モータ空洞内に、機械式ポンプの第2のポンプ入口から機械式ポンプのポンプ出口へと第2の流体通路を介して、第3のポンプ入口を介して内部モータ空洞からポンプ出口へと電動ポンプシステムのモータハウジングおよび機械式ポンプに画定された第3の流体通路を介して、流体を圧送することを含む方法が提供される。
【0010】
本開示の上述した態様またはその任意の他の態様にかかる方法のいくつかの実施形態では、複数の任意の動作および特徴が採用されることができる。1つの任意の特徴は、中空シャフトを出る流体の温度を測定することである。他の任意の特徴は、モータのモータハウジングに画定されたバイパス入口を介して内部モータ空洞に流体を供給することである。他の任意の特徴は、バイパス入口から内部モータ空洞への流体の圧送を含むことである。他の任意の特徴は、機械式ポンプがジェロータを含むということである。他の任意の特徴は、マイクロコントローラを含む電子制御ユニットによって機械式ポンプを制御することである。
【0011】
本開示の一態様によれば、機械式ポンプと、電子制御ユニットと、第1の側および第2の側を有するモータとを含む装置を含むシステムにおいて、モータが、ステータと、中空シャフトを含むロータと、ステータおよびロータの周りのハウジングとを含み、電子制御ユニットが、モータの第1の側に接続され、機械式ポンプが、モータの第2の側に接続され、中空シャフトが、シャフト入口およびシャフト出口を画定し、機械式ポンプが、第1のポンプ入口からシャフト入口への第1の流体通路を画定し、ハウジングが、内部モータ空洞を画定し、シャフト出口が、内部モータ空洞と流体連通し、機械式ポンプが、第2のポンプ入口からポンプ出口への第2の流体通路を画定し、モータハウジングおよび機械式ポンプが、第3のポンプ入口を介して内部モータ空洞からポンプ出口への第3の流体通路を画定し、熱交換器が、ポンプ出口と流体連通し、オイルリザーバが、第1のポンプ入口および第2のポンプ入口と流体連通している、システムが提供される。
【0012】
本開示の上述した態様またはその任意の他の態様にかかる方法のいくつかの実施形態で
は、複数の任意の動作および特徴が採用されることができる。1つの任意の特徴は、電子制御ユニットがシャフト出口から出る流体の温度を測定するサーミスタをさらに含むということである。他の任意の特徴は、ハウジングが内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口を画定するということである。他の任意の特徴は、第2の流体通路および第3の流体通路の少なくとも一部が共通しているということである。他の任意の特徴は、機械式ポンプがジェロータであるということである。他の任意の特徴は、電子制御ユニットが機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含むということである。他の任意の特徴は、電子制御ユニットが冷却リブを含むということである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電気自動車における冷却および潤滑システムの基本コンポーネントを示している。
【0014】
図2A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの正面斜視図を示している。
図2B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの背面斜視図を示している。
【0015】
図3A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの背面図を示している。
図3B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの図3Aの切断線A-Aに沿った側断面図を示している。
【0016】
図4A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示し、特に電動ポンプシステムのコンポーネントの取り付けを示している。
図4B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの斜視図を示し、特に電動ポンプシステムのコンポーネントの取り付けを示している。
【0017】
図5】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの部分側断面図を示し、特に電動ポンプシステムのシールを示している。
【0018】
図6A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用されるジェロータの正面図を示している。
図6B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用されるジェロータの側面図を示している。
【0019】
図7A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用される電気モータの端面図を示している。
図7B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用される電気モータの図7Aの切断線B-Bに沿った側断面図を示している。
【0020】
図8】電動ポンプシステムの部分側面断面図を示し、特に開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用されるシャフトを示している。
【0021】
図9A】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用される電子制御ユニット(ECU)の背面図を示している。
図9B】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用される電子制御ユニット(ECU)の側面図を示している。
図9C】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用される電子制御ユニット(ECU)の図9Aの切断線C-Cに沿った側断面図を示している。
【0022】
図10A】開示された実施形態にかかるECU電子機器のECU側端面図を示している。
図10B】開示された実施形態にかかるECU電子機器の側面図を示している。
図10C】開示された実施形態にかかるECU電子機器のモータ側端面図を示している。
【0023】
図11】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示している。
【0024】
図12】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示し、特に第1の流体流路を示している。
【0025】
図13】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示し、特に第2の流体流路を示している。
【0026】
図14】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示し、特に第3の流体流路を示している。
【0027】
図15図11図14の電動ポンプシステムの端部断面図を示している。
【0028】
図16】開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、電気自動車の電気駆動ユニットの様々なコンポーネントを介して、例えばオイルなどの流体を循環させるために使用される開示された実施形態にかかる冷却および潤滑システム100の概略図を示している。他の図の以降の説明は、図1のコンポーネントに戻って関連する場合があり、共通の付番を使用して、それらの図において識別されるコンポーネントを指すことがある。さらに、本明細書に記載された実施形態は、オイルベースシステムの文脈にあるが、他の流体が使用されてもよい。例えば、特定の用途またはポンプサイズに対して、適切な潤滑、熱伝達、および流動特性を提供する任意の流体を使用してもよい。
【0030】
サンプまたはドライ・サンプ・システム(駆動ユニットの外部のオイルリザーバ)を含むことができるオイルリザーバ102から始まり、オイルは、メッシュフィルタ104を介して電動ポンプシステム106に流れる。電動ポンプシステム106から圧送されたオイルは、オイルフィルタ108および熱交換器110を通過し、モータ112につながる第1の分岐とギアボックス114につながる他の分岐との間で分割される。双方の分岐からのオイルは、オイルリザーバ102に流れ戻る。
【0031】
本明細書では、冷却および潤滑システム100による様々な動作上の問題が様々な実施形態と併せて説明される。1つの動作上の問題は、電動ポンプシステム106内の熱交換に関連する。他の動作上の問題は、冷却および潤滑システム100内のオイルの温度の評価および制御に関する。オイル温度は、熱交換器110における熱伝達、すなわち、車両冷却液とオイルとの間の熱交換によって制御されることができる。ファームウェアまたはソフトウェアは、通常、図1には示されていないエンジン制御ユニット(ECU)および電動ポンプシステム106を制御する。
【0032】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の正面斜視図および背面斜視図を示している。特に、図2Aは、機械式ポンプ202
、電気モータ204および電子制御ユニット(ECU)206を示している。鋳込みポンプ出口208、一体化設計を有するECUハウジング210、および電動ポンプシステム106の機械式ポンプ202を電気モータ204(特にモータハウジング)に接続するためのポンプボルト212も示されている。これらの要素は、以下においてより詳細に説明される。図2Bはまた、機械式ポンプ202、電気モータ204およびECU206を示している。冷却リブ214を有するECU206が示されており、図2Bではそのうちの1つのみがそのようにラベル付けされている。また、以下においてより詳細に説明されるバイパス入口216も示されている。
【0033】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の背面図および図3Aの切断線A-Aに沿った側断面図を示している。図3Aの背面図は、冷却リブ214を有するECU206を示している。図3Bの側断面図は、機械式ポンプ202、電気モータ204、およびECU206を示している。
【0034】
図4Aおよび図4Bは、それぞれ、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図および斜視図を示し、特に電動ポンプシステムのコンポーネントの取り付けを示している。図4Aに示すように、ECU206は、クリップ406を使用してモータハウジング404に取り付けられている。図4Aにはそのようなクリップが1つのみ示されているが、図4Bに示すように複数のクリップが使用されることもできる。モータハウジング404は、モータハウジング404の位置合わせ機構408ならびにポンプボルト212を使用してポンプハウジング402にさらに取り付けられる。1つのポンプボルト212のみが示されているが、電動ポンプシステムは、複数のそのようなポンプボルトを含んでもよい。そこに示されるように、ポンプボルト212は、そのヘッドが内部モータ空洞内にあるようにモータハウジング404内に配置される。そのような配置は、オイル・ポンプ・パッケージのサイズを縮小し、これにより、より高い性能(すなわち、例えば、より良い効率およびより大きな流れ)を有する最適化された電動ポンプシステムをもたらすことができる。モータハウジング404およびポンプハウジング402は、鋳造金属であってもよい。上記のように、図4Bは、ECU206をモータハウジング404に接続する複数のクリップ406を示している。具体的には、電動ポンプシステム106の外部から視覚的に確認できるように、モータハウジング404の周りに配置されたクリップ406が示されている。ECU206をモータハウジング404に接続する十分なクリップがある場合、ボルトは不要である。
【0035】
図5は、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示し、特に電動ポンプシステムのシールを示している。図5に示すように、電動ポンプシステム106は、放射状のOリング502、504、506および508を使用してシールされている。Oリング502は、ECU206をシールするための内部Oリングである。Oリング504は、周囲に対するシールを提供する。Oリング506および508は、電動ポンプシステムの加圧出口の両側にあり、この出口は、以下においてより詳細に説明される。
【0036】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ、機械式ポンプ202の一部とすることができるジェロータ600の正面図および側面図を示している。図6Aに示すように、ジェロータ600は、そのうちの1つが参照符号602によって示される6つの歯と、そのうちの1つが参照符号604によって示される7つの空洞とを有する。開示された実施形態(図6Bに示す)によれば、ジェロータ600の外径606は、幅608よりも大きいが、特定のジェロータが一例として提供され、機械式ポンプ202は、そのように限定されるものではなく、異なる歯数、変位などを有する任意の機械式容積型ポンプ構成またはジェロータを含むことができる。
【0037】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムに
おいて使用される電気モータ204の端面図および図7Bの切断線B-Bに沿った側断面図を示している。図7Aおよび図7Bに示すように、電気モータ204は、そのうちの1つが参照符号702によってラベル付けされたステータ巻線と、ロータ704とを含む。ロータ704は、オイルがシャフトを介して流れることを可能にする中空シャフト706を含む。他の実施形態では、ロータ704は、中実シャフトを含み、オイルは、他の経路を介してモータ空洞に流れてもよい。
【0038】
図8は、電動ポンプシステムの部分側面断面図を示し、特に開示された実施形態にかかるそこで使用されるシャフトを示している。そこに示されているように、中空シャフト706は、電気モータ204のロータ704を介して機械式ポンプ202内に延びている。一実施形態によれば、ロータ704は、中空シャフト706に圧入される。中空シャフト706は、2つの滑り軸受808および810によって支持され、これは、この例では、それらの間のギャップが選択された潤滑剤および動作点についての締まって最適化された状態に制御されるように非常に高い表面品質および低い公差を有する2つの左右交互の隣接する表面を含む。
【0039】
図9A図9Bおよび図9Cは、それぞれ、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムにおいて使用されるECU206の背面図、側面図および図9Aの切断線C-Cに沿った側断面図を示している。冷却リブ214は、ECUカバー902(またはその一部)に取り付けられている。冷却リブ214は、電子機器からECUカバー902を介して周囲へと熱を放散する熱界面を提供する。また、そのうちの1つが904でラベル付けされたコンデンサと、906でラベル付けされた1つ以上のトランジスタ(MOSFETなど)と、マイクロチップ908とが示されている。ECUは、温度、ポンプ速度、ポンプ電流組成、オイル圧、および他の情報などの情報を取得することができる。そして、ECUによって取得された情報は、オイルポンプおよび全体的な駆動ユニットの健全状態を監視する独自のアルゴリズムに供給されることができる。アルゴリズムは、オイルが交換される必要があるときまたは駆動系が修理される必要があるときなど、サービスの指標を提供することができる。
【0040】
図10A図10B、および図10Cは、それぞれ、開示された実施形態にかかるECU電子機器のECU側端面図、側面図、およびモータ側端面図を示している。図10Aに示すように、ECU側から、ECU電子機器1000は、プリント回路基板(PCB)1002およびそのうちの1つが1004でラベル付けされた電気部品を含む。電気部品は、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを実行するためのプロセッサまたはマイクロコントローラ、通信トランシーバ、電流検出コンポーネント、モータ制御部、ゲートドライバおよびそのうちの1つが1008でラベル付けされたコンデンサを含むことができる。他の電子部品は、PCB1002および電気部品の温度を測定するためのサーミスタ1010を含むことができ、この温度は、「プリント回路基板アセンブリ」(PCBA)温度として知られている。図10Bの側面図は、PCB1002を支持する取り付け脚1006を示している。図10Cに示すように、モータ側から、ECU電子機器1000は、ポンプシステム、モータ制御集積回路1014およびオイル温度サーミスタ1016を制御するためのプロセッサまたはマイクロコントローラ1012を含むことができる。ECU電子機器1000は、ソフトウェア更新をロードする目的のためにブートローダソフトウェアをさらに含むことができる。
【0041】
図11は、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの側断面図を示している。そこに示されているように、電気モータ204は、(第1の側とも呼ばれることができる)ECU側1102および(第2の側とも呼ばれることができる)ポンプ側1104を有する。ECU側1102に接続されているのはECU206であり、ポンプ側1104に接続されているのは機械式ポンプ202である。また、ロータ704およびステータ11
06の周りに配置されたモータハウジング404も示されており、それにより、モータハウジング404内でロータ704およびステータ1106を通過して流体が流れることができる内部モータ空洞1108を画定する。ロータ704は、中空シャフト706を含み、ステータ1106は、端部巻線702を含む。中空シャフト706は、シャフト入口1110およびシャフト出口1112を画定する。
【0042】
また、図11に示すように、機械式ポンプ202は、補助ポンプ入口1116からシャフト入口1110まで、それを通る流体通路1114を画定する。中空シャフト706を介して、シャフト入口1110に入る流体は、内部モータ空洞1108と流体連通しているシャフト出口1112に進む。次に、内部モータ空洞1108は、ポンプ入口1124と流体連通している。ともに、機械式ポンプ202およびモータハウジング404は、ポンプ入口1124を介して内部モータ空洞1108からポンプ出口208への流体通路1126を画定する。
【0043】
また、図11に示すように、オイル温度サーミスタ1016は、シャフト出口1112に存在する流体の温度が、電動ポンプシステム106によって実質的に加熱される前に、直接的にまたは追跡可能な関係(すなわち、サーミスタにおいて測定された温度が=xの場合、出口における流体の温度は、y=関数f(x)である)によって判定されることができるように、シャフト出口1112に隣接して配置されている。図10Cに示されるオイル温度サーミスタ1016の特定の配置にもかかわらず、オイル温度サーミスタ1016は、ECU206上のどこにでも配置されることができる。図10Cの特定の例では、オイル温度サーミスタ1016は、取り付け脚1006の近くに配置され、この取り付け脚1006は、熱をECU206に伝達するために使用されることができる。したがって、オイル温度サーミスタ1016は、取り付け脚1006および取り付け脚1006の近くのECUトレース(図示せず)の高導電率および熱伝導率の材料の温度を読み取るために使用されることができる。
【0044】
また、図11には、内部モータ空洞1108と流体連通するバイパス入口216も示されている。バイパス入口216は、オイルがシャフト入口1110を介して流れるのを妨げるポンプ内の詰まりの場合に、オイルが内部モータ空洞1108に流れることを可能にする。すなわち、詰まりが生じた場合、オイルは、依然としてバイパス入口216を介してポンプ出口208に流れることができ、それによって電気モータおよび他のコンポーネントに対する潤滑を提供することができる。図11には特に示されていないが、必要に応じて、オイルが内部モータ空洞1108に流れることを可能にするためにECU206とモータハウジング404との間に小さな円周方向ギャップがまた存在してもよい。開示された実施形態によれば、中空シャフト706は、中実シャフトに置き換えることができ、その場合、バイパス入口216および円周方向ギャップのいずれかまたは双方は、内部モータ空洞1108にオイルを供給するために使用されることができる。あるいは、電動ポンプシステム106は、バイパス入口216および/または円周方向ギャップを使用する必要はなく、代わりに、中空シャフト706に依存して、内部モータ空洞1108にオイルを送達する。
【0045】
また、図11には、機械式ポンプ202によって画定され且つ主ポンプ入口1120からジェロータ(gerotor)600を介してポンプ出口208まで延びる流体通路1115も示されている。したがって、流体通路1115および1126の一部は、共通であってもよい(すなわち、ジェロータ600を介してポンプ出口208まで)。
【0046】
流体通路1115はまた、第1の流体通路とも呼ばれることができる。主ポンプ入口1120はまた、第1のポンプ入口とも呼ばれることができる。流体通路1126はまた、第2の流体通路とも呼ばれることができる。ポンプ入口1124はまた、第2のポンプ入
口とも呼ばれることができる。流体通路1114はまた、第3の流体通路とも呼ばれることができる。補助ポンプ入口1116はまた、第3のポンプ入口とも呼ばれることができる。
【0047】
図12図14は、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の側断面図を示している。図12は、第1の流体通路を利用する第1のオイル流路を詳述する開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の側断面図を示している。特に、図12は、主ポンプ入口1120を介して電動ポンプシステム106に入り、ジェロータ600を介して流れ、ポンプ出口208から出るオイルを含む第1のオイル流路を示している。
【0048】
図13は、第2の流体通路1126および第3の流体通路1114を利用する任意の第2のオイル流路を詳述する開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の側断面図を示している。特に、図13は、オイルが補助ポンプ入口1116を介して電動ポンプシステム106に入り、シャフト入口1110に流れ、シャフト出口1112から内部モータ空洞1108に入り、ステータ1106およびロータ704を通過し、最終的にモータハウジング404を介してポンプ入口1124に入り、ジェロータ600を介してポンプ出口208を出る第2のオイル流路を示している。
【0049】
図14は、第2の流体通路1126を利用する任意の第3のオイル流路を詳述する開示された実施形態にかかる電動ポンプシステム106の側断面図を示している。特に、図14は、オイルがバイパス入口216を介して電動ポンプシステム106に入り、ステータ1106およびロータ704を流れ、モータハウジング404を介してポンプ入口1124に入り、ジェロータ600を介してポンプ出口208を出る第3のオイル流路を示している。図11に関して上述したように、オイルはまた、必要に応じて、ECU206とモータハウジング404との間の円周方向ギャップを介して受け入れられ、バイパス入口216を介してモータハウジング404に流入するオイルと同様の経路をたどることができる。
【0050】
図15は、電動ポンプシステム106、補助ポンプ入口1116、主ポンプ入口1120およびポンプ出口208を示す図11図14の電動ポンプシステムの断面端面図を示している。
【0051】
図16は、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムの動作を示すフロー図である。図11図14を参照すると、図16は、開示された実施形態にかかる電動ポンプシステムを介して流体を圧送する方法を提示している。本方法によれば、オイルは、3つの異なる経路に沿って圧送される。第1の経路を介して、オイルは、機械式ポンプの主入口において受け入れられ、第1のジェロータ入口を介して流れ、ポンプ出口から出る(ステップ1602)。必要に応じて、オイルは、機械式ポンプの補助入口において受け入れられ、第2の経路を介して、シャフト入口からシャフト出口まで中空シャフトを通り、内部モータ空洞に入り、モータハウジングを介して第2のジェロータ入口に入り、ポンプ出口から出る(ステップ1604)。必要に応じて、オイルは、バイパス入口において、および/またはECUとモータハウジングとの間の円周方向ギャップを介して受け入れられ、必要に応じて第3の経路を介して内部モータ空洞に流れ、モータハウジングを介して第2のジェロータ入口に入り、ポンプ出口から出る(ステップ1606)。
【0052】
開示された実施形態のシステムおよび方法の利点は、流体が中空シャフト706を出るとき、電動ポンプシステム106の動作からの流体によって吸収される熱がほとんどないということである。したがって、この時点で測定することにより、ECU206は、電動ポンプシステム106によって実質的に加熱される前に流体を正確に読み取ることができるが、情報をECU206に中継するための通信チャネルを必要とすることによって費用
、複雑さおよび追加の故障点を追加するポンプ入口またはその近くに配置されたセンサを使用する必要はない。電動ポンプシステム106によって実質的に加熱される前の流体の温度に関する情報は、流体からどれだけの熱が排除される必要があるか、および関連する車両の動作にどのような変更を加えるか(例えば、トルクを低減する)を判定するために使用されることができる。
【0053】
当業者によって理解されるように、低速回転ギアは、その表面に付着するために特定の粘度のオイルを必要とする。例えば上記のギア段階前の低速ギア段階においてはるかに高い回転速度を有する同じサイズのギアは、遠心力がはるかに高いため、ギア表面に付着するために異なる温度のオイルを必要とすることがある。温度が同じである場合、2つの別個のオイル温度がギアボックスにおいて使用できないため、高速回転ギア用にはるかに多くのオイルと多くのオリフィスを使用することができる。
【0054】
本明細書に記載の実施形態によれば、流体温度は、関連する電気駆動ユニットの効率を向上させるように、車両の冷却および潤滑システムを制御して最適化しようとするために使用されることができる。具体的には、流体温度は、特定の潤滑特性を実現するために制御されることができる。例えば、オイルの温度が高いほど、抗力および油圧動力を減らして流体を圧送するために粘性が低くなり、これは、効率を向上させることができる。しかしながら、オイルが高温になりすぎると、十分な冷却を提供しなくなる。
【0055】
オイルポンプの流体温度読み取り特徴は、電気駆動ユニットシステム内の流体の全般的な健全状態および性能を監視することができる。例えば、オイルが高温になりすぎると、高温になりすぎるオイルが駆動ユニットの一部のコンポーネントを損傷させるかまたは/および寿命を短くする可能性があるために、オイルポンプは、何かが間違っていることをカーコンピュータに警告することができる。
【0056】
他の言い方をすれば、流体の温度は、駆動ユニットの健全状態および性能を監視するために使用されることができる。ECUは、温度以外に、ポンプ速度、ポンプ電流組成、油圧、または他の情報などのその他の情報を取得することができる。そして、ECUによって取得された情報は、オイルポンプおよび全体的な駆動ユニットの健全状態を監視する独自のアルゴリズムに供給されることができる。アルゴリズムは、オイルが交換される必要があるときまたは駆動系が修理される必要があるときなど、サービスの指標を提供することができる。
【0057】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示が説明された。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示された様々な実施形態は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の様々な方法で変更または実施されることができる。したがって、この説明は、例示と見なされるべきであり、開示されたシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の様々な実施形態を構成および使用する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され且つ説明された開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセスまたはステップは、本明細書において代表的に例示および説明されたものの代わりになることができる。さらに、本開示の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用されることができ、全ては、本開示のこの説明の恩恵を受けた後に当業者にとって明らかとなるであろう。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはその任意の文脈上の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、要素のリストを備えるプロセ
ス、製品、物品、もしくは装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的にリスト化されていないかまたはそのようなプロセス、製品、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含むことができる。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または(or)」は、包括的なORを指し、排他的なORを指さない。例えば、条件「AまたはB」は、以下のうちのいずれか1つによって満たされる:Aが真(または存在する)およびBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)およびBが真(または存在する)、およびAとBの双方が真(または存在する)。
【0059】
ステップ、動作、または計算は、特定の順序で提示されてもよいが、この順序は、異なる実施形態において変更されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書において複数のステップが連続するものとして示される範囲で、代替の実施形態におけるそのようなステップのいくつかの組み合わせは、同時に実行されてもよい。本明細書に記載されている一連の動作は、他のプロセスによって中断、一時停止、取り消し、または制御されることができる。
【0060】
図面/図に描かれた要素のうちの1つ以上はまた、特定の用途にしたがって有用であるように、より分離または統合された方法で実装されることができ、または特定の場合に動作不能として削除もしくはレンダリングされることもできることも理解されよう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および第2の側を有するモータを備える装置であって、前記モータが、
ステータと、
中空シャフトを含むロータと
前記ステータおよび前記ロータの周りのハウジングであって、内部モータ空洞を画定するハウジングと、
前記モータの第2の側に接続され、第1のポンプ入口、第2のポンプ入口およびポンプ出口を備える機械式ポンプであって、
前記第1のポンプ入口が、第1の流体通路を介して前記ポンプ出口に流体的に接続され、
前記第2のポンプ入口が、第2の流体通路を介して前記ポンプ出口に流体的に接続され、
前記第2の流体通路が、前記中空シャフトを通って延びるとともに、前記第2のポンプ入口から前記ポンプ出口へと前記内部モータ空洞を通って延びる、機械式ポンプと、
前記ハウジングに設けられ、前記内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口であって、第3の流体通路が、前記バイパス入口から前記ポンプ出口へと前記内部モータ空洞を通って延びる、バイパス入口と、
前記モータの前記第1の側に接続された電子制御ユニットであって、前記電子制御ユニットは、流体が前記中空シャフトに入った後に前記第2の流体通路内の流体の温度を測定するように構成された温度センサを備える、電子制御ユニットと、を含む、装置。
【請求項2】
前記温度センサは、サーミスタをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記中空シャフトが、シャフト入口およびシャフト出口を備え、前記第2の流体通路の流体が前記シャフト入口から前記シャフト出口へと流れ、前記ポンプ出口が前記シャフト出口と比べて前記シャフト入口に近接している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の流体通路および前記第2の流体通路の少なくとも一部が共通している、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記機械式ポンプがジェロータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子制御ユニットは、前記機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電子制御ユニットが冷却リブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
機械式ポンプ有する電動ポンプシステムにおいて流体を圧送する方法であって、
ポンプ入口からポンプ出口へと第1の流体通路を通して流体を圧送する工程であって、前記第1の流体通路は、ロータの中空シャフトを通って延びるとともに、前記ロータの周りのハウジングによって画定された内部モータ空洞を通って延びており、流体がシャフト入口からシャフト出口へと前記中空シャフトを通って流れ、前記ポンプ出口が前記シャフト出口と比べて前記シャフト入口に近接している、第1の流体通路を通して流体を圧送する工程と
前記ハウジングに設けられ、前記内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口から、前記ポンプ出口へと第2の流体通路を通して流体を圧送する工程であって、前記第2の流体通路が、前記バイパス入口から前記ポンプ出口へと前記内部モータ空洞を通って延びる、第2の流体通路を通して流体を圧送する工程と、
流体の温度を検出する工程であって、流体の検出温度は、流体が前記中空シャフトに入った後の流体の温度に対応する、流体の温度を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項9】
装置を備えるシステムであって、前記装置は、
第1の側および第2の側を有するモータであって、前記モータが、
ステータ、および
シャフトを含むロータ含む、モータと、
前記モータの第1の側に接続された電子制御ユニットと、
前記モータの第2の側に接続され機械式ポンプであって、
前記機械式ポンプは、第1のポンプ入口、第2のポンプ入口およびポンプ出口を備え、前記第1のポンプ入口、前記第2のポンプ入口および前記ポンプ出口の各々は、前記モータの前記第2の側に配置され、前記第1のポンプ入口は、第1の流体通路を介して前記ポンプ出口に流体的に接続され、前記第2のポンプ入口は、第2の流体通路を介して前記ポンプ出口に流体的に接続され、前記第2の流体通路は、前記第2のポンプ入口から前記ポンプ出口へと前記シャフトを通って延びる、機械式ポンプと、
前記モータに設けられ、内部モータ空洞と流体連通するバイパス入口であって、第3の流体通路が、前記バイパス入口から前記ポンプ出口へと前記内部モータ空洞を通って延びる、バイパス入口と、
前記ポンプ出口と流体連通している熱交換器と、
前記第1のポンプ入口と流体連通しているオイルリザーバと、
を含む、システム。
【請求項10】
前記シャフトが中空シャフトであり、前記電子制御ユニットが、前記第2の流体通路内の流体の温度を測定するように構成されたサーミスタをさらに備え、前記サーミスタは、前記中空シャフトのシャフト出口に隣接配置されている、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の流体通路および前記第2の流体通路の少なくとも一部が共通している、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記機械式ポンプがジェロータを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記電子制御ユニットが、前記機械式ポンプを制御するマイクロコントローラを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記電子制御ユニットが冷却リブを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のポンプ入口、前記第2のポンプ入口および前記ポンプ出口の各々は、前記モータの前記第2の側に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
流体の前記検出温度は、流体が前記中空シャフトを出た後の流体の温度に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
流体の前記検出温度は、流体が前記内部モータ空洞に入る前の流体の温度に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記シャフトは中空シャフトであり、流体がシャフト入口からシャフト出口へと前記中空シャフトを通って流れ、前記ポンプ出口が前記シャフト出口よりも前記シャフト入口に近い、請求項9に記載のシステム。
【外国語明細書】