(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034003
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】回転式アテローム切除術用システムのための研磨要素
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207232
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2020050610の分割
【原出願日】2014-12-30
(71)【出願人】
【識別番号】500295612
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】チャンダスズコ,アンジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転式アテローム切除術処置において改良された研磨効率を提供することができる新規の玉縁形状に関する。
【解決手段】研磨要素200は、狭窄病変を、研磨要素200の最大直径より実質的に大きい直径に開くことができる。また、研磨要素200は、狭窄病変を、研磨要素200がその中を通って運ばれるシースの最大直径より実質的に大きい直径に開くことができる。また、研磨要素200は、高速で回転されるときに拡張するように構成される。研磨要素200は、斜向かいの端部に位置決めされた局所的質量中心を有する。したがって、研磨要素200は、改良された研磨範囲を有し、治療時間を短縮し、再狭窄を防止することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アテローム切除術用デバイスであって、
管腔内への挿入するための大きさおよび形状を有し、可撓性を有する細長い回転可能な駆動軸と、
径方向に拡張可能な構造を、遠位端部と近位端部との間の位置に有する細長い管であって、前記径方向に拡張可能な構造は、前記管の側部を貫通するスロットを備える細長い管と
を備え、
前記端部の各々は、前記駆動軸に結合され、
前記アテローム切除術用デバイスは、さらに、前記管上に配置される二部分玉縁を含む研磨要素を備え、
前記二部分玉縁は、前記径方向に拡張可能な構造の周りに分散配置される
アテローム切除術用デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
前記研磨要素は、前記駆動軸を回転させることによって、前記二部分玉縁の2つの半体を互いから引き離し、前記スロットの幅を増大させるように配置される
アテローム切除術用デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
前記研磨要素は、タングステンを含む
アテローム切除術用デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
前記管は、ニチノールを含む
アテローム切除術用デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
前記研磨要素は、前記管が含有する材料とは異なる材料を含有する
アテローム切除術用デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
前記研磨要素は、中実である
アテローム切除術用デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のアテローム切除術用デバイスであって、
棒が、前記スロットの近位端部から該スロットの遠位端部まで延びる
アテローム切除術用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、アテローム切除術用のシステム、デバイスおよび方法を対象とする。より詳細には、本開示は、アテローム切除術処置において使用される研磨要素の新規の形状を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]アテローム性動脈硬化症は、冠動脈性心疾患の主な原因である。アテローム性動脈硬化症は、脂質、コレステロールおよび/または他の物質が血管の壁内に蓄積して、プラークと呼ばれる硬質構造、および/または、アテローム性動脈硬化病変を形成するときに起こる。経時的に、これらのプラークおよび/または病変は、血管が詰まりおよび/または完全に閉塞されるようなサイズに増大し得る。
【0003】
[0003]回転式アテローム切除術は、例えば、石灰化した動脈病変を研磨するために使用される技法である。また、回転式アテローム切除術用デバイスおよび回転式アテローム切除術処置は、回転式血管形成術用デバイスおよび/または回転式血管形成処置と称され得る。回転式アテローム切除術用デバイスの1つのタイプは、軌道式アテローム切除術用デバイスとして知られており、例えば、米国特許出願公開第2014/0081298号明細書及び米国特許出願公開第2014/0316449号明細書等に記載されている。
【0004】
[0004]回転式アテローム切除術用デバイスは、回転可能な可撓性駆動軸の近位部分に取り付けられた研磨要素を備えることができる。回転可能な可撓性駆動軸は、ガイドワイヤ上でおよび/またはシース内を通って所望の場所に運ばれ得る。研磨要素は、バリ、クラウンおよび/または玉縁と称され得る。駆動軸は、高速(例えば20,000~160,000rpmの間)で回転され得る。研磨要素は、回転するにつれて、閉塞組織および/またはプラークと接触するように狭窄病変またはプラーク上で前進され得る。このようにして、研磨要素は、病変表面を擦り、病変を非常に小さい粒子になるように研磨する。これらの小さい粒子は、血流によってこの部位から除去され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示のデバイス、システムおよび方法は、いくつかの特徴を有し、そのいずれの1つも、その所望の特性に単独で関与するものではない。次に、特許請求の範囲によって表される後述の本発明の範囲を限定することなく、そのより優れた特徴が、簡潔に論じられる。この議論を考慮した後、特に「発明を実施するための形態」の項を読んだ後、本開示の特徴が、他の回転式アテローム切除術用システムを上回るいくつかの利点をいかにしてもたらすかが理解されるであろう。
【0006】
[0006]本開示は、アテローム切除術処置において改良された研磨効率をもたらすことができる新規の玉縁形状を対象とする。1つの実施形態は、内部を通って延びる管腔を有する動脈内の狭窄を開くための高速回転式アテローム切除術用デバイスである。このデバイスは、可撓性の細長い回転可能な駆動軸を備えることができる。デバイスは、管腔の直径より小さい最大直径を有するガイドワイヤを備えることもできる。そのような実施形態では、駆動軸は、ガイドワイヤ上で前進可能となることができる。研磨要素が、駆動軸上に配置され得る。研磨要素は、駆動軸の質量中心から第1の径方向にずらされた第1の質量中心を有することができる。研磨要素は、駆動軸の質量中心から第2の径方向にずらされた第2の質量中心を有することができる。第2の質量中心は、第1の質量中心の近位に位置決めされ得る。第2の径方向は、主として、第1の径方向の反対であってもよい。いくつかの態様では、研磨要素は、偏心形状である。
【0007】
[0007]研磨要素は、近位端部および遠位端部を有することができる。研磨要素は、近位端部と遠位端部との間に位置する総質量中心を有することができる。いくつかの実施形態では、総質量中心は、近位端部と遠位端部との間の中間点に位置することができる。遠位端部は、駆動軸の質量中心から第1の径方向にずらされた質量中心を有することができる。近位端部は、駆動軸の質量中心から第2の径方向にずらされた質量中心を有することができる。第2の径方向は、第1の径方向と反対の方向であってもよい。いくつかの態様では、研磨要素は、研磨要素の近位端部と遠位端部との間に配置された腰部を備える。いくつかの態様では、外部を向く表面の少なくとも一部分は、粗くされている、すなわち、駆動軸の外部表面と比較して粗い。いくつかの態様では、質量中心は、研磨要素の他の部分より重い材料を含む。換言すれば、研磨要素の質量中心は、研磨要素の残りの部分の材料の密度より高い密度を有する材料を含むことができる。いくつかの態様では、研磨要素は、研磨要素が駆動軸に対して径方向に移動することが可能になるように駆動軸上に配置される。1つの実施形態に関して、研磨要素が遠位部分、中央部分および近位部分を備えることは考えられないことはない。そのような実施形態では、これらの部分の各々は、径方向にずらされた質量中心を有することができ、径方向は、遠位部分および近位部分に関しては、多かれ少なかれ同じ方向であってもよい。中央部分に対しては、このずれは、遠位部分および近位部分に関してずらされる方向のほぼ反対である方向であってもよい。組み合わせて得られた遠位部分および近位部分の質量中心は、駆動軸の長手方向から見て、中央部分の質量中心から近位側または遠位側であることができる。しかし、組み合わせて得られた遠位部分および近位部分の質量中心が、駆動軸に沿った長手方向位置に関して、中央部分の質量中心と一致することも考えられないことはない。質量中心は、駆動軸に対して均衡がとられていてもよく、または、わずかに不均衡であってもよい。
【0008】
[0008]別の実施形態は、内部を通って延びる管腔を有する動脈内の狭窄を開くための高速回転式アテローム切除術用デバイスである。デバイスは、管腔内への挿入に合わせてサイズ設定され成形された、可撓性の細長い回転可能な駆動軸を備えることができる。デバイスは、本体を備えることもできる。本体は、その遠位端部と近位端部との間の場所に径方向に拡張可能な構造を有することができる。少なくとも2つの研磨要素が、本体の外側表面上に配置されてもよく、径方向に拡張可能な構造の周りに分散配置されてもよく、それにより、駆動軸を回転させるとき、少なくとも2つの研磨要素は、互いから引き離され、それらの間の径方向に拡張可能な構造の寸法を径方向に増大させる。本体は、その遠位端部と近位端部との間の場所において本体の側部を貫通して延びるスロットを有することができる。近位端部および遠位端部は、可撓性の細長い回転可能な駆動軸に結合され得る。本体および駆動軸は、ガイドワイヤ上で前進可能となることができる。本体は、細長い管を備えることができる。研磨要素は、スロットの両側に配置され得る。駆動軸が回転されるとき、少なくとも2つの研磨要素は、互いから引き離され、それらの間のスロットの幅を増大させることができる。いくつかの態様では、研磨要素および本体は、異なる材料から形成され、すなわち、研磨要素は、本体が形成される材料とは異なる材料から形成され得る。いくつかの態様では、少なくとも2つの研磨要素は、本体に沿って異なる長手方向場所に配置される。いくつかの実施形態では、棒が、スロットの近位端部からスロットの遠位端部まで延びる。研磨要素は、駆動軸の外部表面と比較して粗い外部表面を備えることができる。実施形態が、3つの研磨要素またはそれ以上を備えることも考えられないことはない。これらは、径方向に拡張可能な構造の周りに均等に分散配置され得る。質量中心は、駆動軸に対して均衡がとられてもよく、または、互いにわずかだけ不均衡であってもよい。
【0009】
[0009]別の実施形態は、血管内の病変を切除する方法を含む。この方法は、ガイドワイヤを、血管内を通って前進させる工程を備えることができる。シースが、ガイドワイヤ上で前進され得る。シースは、近位端部と、遠位端部と、内部を通って延びる管腔とを有す
ることができる。シースは、イントロデューサシースを備えることができる。諸態様では、シースは、内部を通って延びる管腔を有するカテーテルを備える。方法は、可撓性の駆動軸をガイドワイヤ上でシース内を通って前進させる工程を備えることもできる。駆動軸は、近位端部と、遠位端部と、遠位端部に取り付けられた研磨要素と、を有することができる。研磨要素は、第1の直径を有することができる。方法は、研磨要素を前進させてシースの遠位端部から出す工程と、駆動軸を回転させることによって研磨要素の第1の直径を増大させる工程と、を備えることもできる。方法は、病変を切除する工程を備えることもできる。いくつかの態様では、研磨要素は、研磨要素がシース内を通って前進されるとき、第1の直径より小さい第2の直径に抑制される。この直径は有効直径であってもよい。
【0010】
[0010]本明細書において開示される本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、本発明を例示するよう意図され、これに限定するようには意図されない特定の実施形態の図を参照して以下で説明される。追加的に、図にわたって、同じ参照番号は、例示される実施形態の同じ構成要素を示すために使用されている。以下は、図の各々の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]
図1は本明細書に開示される研磨要素と共に使用され得るアテローム切除術用システムの概略斜視図であり、アテローム切除術用システムは、駆動軸に結合された駆動システムを備えることができ、研磨要素は、駆動軸の遠位部分に結合され得る。
【
図1A】[0012]
図1Aは
図1に示される駆動軸の遠位部分に結合された研磨要素の拡大斜視図である。
【
図2】[0013]駆動軸が取り外された、
図1および
図1Aの研磨要素の拡大斜視図である。
【
図3】[0014]
図2の研磨要素の側面図である。
【
図4】[0015]
図2の研磨要素の上面図である。
【
図5】[0016]線5-5に沿った
図4の研磨要素の断面図である。
【
図6】[0017]
図3の研磨要素の前面図である。
【
図7】[0018]
図3の研磨要素の後面図である。
【
図8A】[0019]駆動軸に結合され、シースの内壁に対して付勢された
図2の研磨要素の概略断面図である。
【
図8B】[0020]
図8Aの線8B-8Bの周りで切り取られた断面図である。
【
図8C】[0021]研磨要素がシースから取り出され、付勢されない位置に戻されていることを除き、
図8Aと同じ図である。
【
図8D】[0022]
図8C内の線8D-8Dの周りで切り取られた断面図である。
【
図8E】[0023]研磨要素が駆動軸に代替的な態様で結合されることを除き、
図8Aと同じ図であり、図示されているように、研磨要素は、シースの内壁に対して付勢されている。
【
図8F】[0024]
図8Eの線8F-8Fの周りで切り取られた断面図である。
【
図8G】[0025]研磨要素がシースから取り出され、付勢されない位置に戻されていることを除き、
図8Eと同じ図である。
【
図8H】[0026]
図8Gの線8H-8Hの周りで切り取られた断面図である。
【
図8I】[0027]研磨要素が高速で回転されるときの
図8Gと同じ図であり、図示されているように、研磨要素の少なくとも一部分は駆動軸に対して移動することができる。
【
図8J】[0028]
図8Iの線8J-8Jの周りで切り取られた断面図である。
【
図9】[0029]本明細書に開示される研磨要素の例示的な動作を示す、血管の概略断面図である。
【
図10A】[0030]別の実施形態による研磨要素の概略側面図であり、この研磨要素は、
図2の研磨要素に類似するが、これを通って延びる斜めの内部管腔を有していない。
【
図10B】[0031]研磨要素がシースの内壁に対して付勢されるものとして示されることを除き、
図10Aと同じ図である。
【
図11】[0032] 別の実施形態による研磨要素の斜視図であり、図示されるように、研磨要素は、スロット付き管と、管の外側表面上かつスロットの両側に配置された2つの研磨突起部と、を備える。
【
図13】[0034]
図12のスロット付き管の斜視図である。
【
図14】[0035]
図12のスロット付き管の側面図である。
【
図15】[0036]
図12のスロット付き管の上面図である。
【
図16】[0037]
図14のスロット付き管の前面図である。
【
図17】[0038]
図12の研磨突起部のうちの1つの斜視図である。
【
図25】[0046]
図22と同じであり、非抑制状態の研磨要素を示している。
【
図26】[0047]シース内に位置決めされ、抑制状態にある
図11の研磨要素の側面図である。
【
図27】[0048]研磨要素が高速で回転されるときの
図11の研磨要素の側面図であり、図示されているように、研磨突起部は、研磨要素が高速で回転されるときにスロットを開く。
【
図28】[0049]線28-28の周りで切り取られた
図26の断面図である。
【
図29】[0050]線29-29の周りで切り取られた
図25の断面図である。
【
図30】[0051]線30-30の周りで切り取られた
図27の断面図である。
【
図31】[0052] 別の実施形態による研磨要素の斜視図であり、この実施形態は、2つの研磨突起部がスロットと少なくとも部分的に重なることを除き、
図11の実施形態に類似する。
【
図34】[0055]線34-34の周りで切り取られた
図32の研磨要素の断面図である。
【
図35A】[0056]シース内に位置決めされた
図31の研磨要素の側面図である。
【
図35B】[0057]線35B-35Bの周りで切り取られた
図35Aの断面図である。
【
図36A】[0058]研磨要素が高速で回転されるときの
図31の研磨要素の側面図である。
【
図37】[0059] 別の実施形態による研磨要素の斜視図であり、この実施形態は、棒がスロット付き管内のスロット上に位置決めされることを除き、
図11の実施形態に類似する、この実施形態は、二重スロット付き実施形態と称され得る。図示されないが、
図31のデバイスの二重スロット付きバージョンも考えられる。
【
図39】[0061]
図38の二重スロット付き管の斜視図である。
【
図40】[0062]
図38の二重スロット付き管の側面図である。
【
図41】[0063]
図38の二重スロット付き管の上面図である。
【
図42】[0064]
図40の二重スロット付き管の前面図である。
【
図43】[0065]
図37の研磨要素の側面図であり、非抑制状態の研磨要素を示す。
【
図44】[0066]抑制状態でシース内に位置決めされた
図37の研磨要素の側面図である。
【
図45】[0067]研磨要素が高速で回転されるときの
図37の研磨要素の側面図である。
【
図46】[0068]線46-46の周りで切り取られた
図44の断面図である。
【
図47】[0069]線47-47の周りで切り取られた
図43の断面図である。
【
図48】[0070]線48-48に周りで切り取られた
図45の断面図である。
【
図49】[0071]別の実施形態による研磨要素の斜視図であり、
図49の実施形態は、
図11の実施形態に類似するが、
図11とは異なる形状の研磨突起部を備える。
【
図52】[0074]線52-52の周りで切り取られた
図50の研磨要素の断面図である。
【
図53】[0075]異なる実施形態による研磨要素の斜視図であり、
図53の実施形態は、研磨突起部が長手方向軸線に沿って互いからずらされていることを除き、
図49の実施形態に類似する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0079]以下の説明および例は、アテローム切除術処置において使用する文脈で開示される本発明の回転式アテローム切除術用デバイスの好ましい実施形態を示す。より詳細には、これらの実施形態は、例えば、血管内の石灰化した病変を切除するために使用される回転式アテローム切除術用デバイスおよび関連する技法に関する。
【0013】
[0080]好ましい実施形態を説明し示す以下の説明および添付図面は、いくつかの可能な構成を実証するために作成される。これらの構成は、アテローム切除術用デバイスおよび/またはシステムが、開示されるさまざまな態様および特徴を備えるように取り入れることができるものである。当業者は、開示される態様および特徴が、本明細書において開示される本発明の態様および特徴のうちの1つまたは複数を含み得る、いかなる特定のアテローム切除術用システムまたはデバイスにも限定されないことを理解するであろう。さらに、開示される実施形態は、多様な医療処置において、多様な市販デバイスと共に使用され得る。
【0014】
[0081]本明細書において説明される主題の特定の実施は、以下の潜在的利点の1つまたは複数を実現するために実施され得る。本明細書において説明されるアテローム切除術用デバイスは、特に、血管内の石灰化した病変をより効率的に切除するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは研磨要素を備え、この研磨要素は、その少なくとも一部分が駆動軸の中心軸線から離れるように移動するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは遠位研磨要素を備え、この遠位研磨要素は、これが高速で回転されるときに拡張するように構成される。このようにして、本明細書において開示される研磨要素は、駆動軸から外にさらに拡張して病変に押し付けることができる。換言すれば、本明細書において開示される研磨要素は、他の研磨要素より大きい研磨領域および/または掻き取り領域を有する。
【0015】
[0082]いくつかの実施形態では、研磨要素は、効果的にはより大きい研磨要素を、対象の場所に運ばれるときに標準的な管腔内に嵌合させることを可能にすることができる。例えば、研磨要素は、管腔内に置かれたときに径方向に抑制され、次いでこれが管腔を退出するときに径方向に拡張するように構成され得る。研磨要素は、さらに、回転されるとき
に径方向にさらに拡張するように構成され得る。このようにして、本明細書において開示される研磨要素は、狭窄病変を、研磨要素および/または研磨要素がその中を通って運ばれるシースの最大直径より実質的に大きい直径に開くことができる。こうして、本明細書において開示される研磨要素は、改良された研磨範囲、増大した掻き取り領域を有することができ、治療時間を短縮することができ、および/または、再狭窄をより効果的に防止することができる。
【0016】
[0083]次に、さまざまな態様が、例示の目的で選択された特有の形態または実施形態を参照して説明される。本明細書において開示されるアテローム切除術用システムの趣旨および範囲は、いかなる選択された形態にも限定されないことが理解されよう。さらに、本明細書に提供される図は、特定の比率またはスケールで描かれておらず、多くの変更が、例示される実施形態に加えられ得ることに留意されたい。アテローム切除術用システムの説明される実施形態に共通する特徴の一部に対する簡単な紹介が、次に説明される。
【0017】
[0084]アテローム切除術用システムのこれらの構成要素の説明を助けるために、次の座標用語が使用される。「長手方向軸線」は、本明細書において開示される研磨要素の細長い側部に対して略平行である。例えば
図2を参照されたい。「径方向軸線」は、長手方向軸線に対して垂直であり、径方向に延びる。
【0018】
[0085]加えて、本明細書において使用される場合、「長手方向」は、長手方向軸線に対して実質的に平行な方向をいい、「径方向」は、径方向軸線に対して実質的に平行な方向をいう。用語「軸線方向」は、本明細書において使用されてもよく、本明細書において使用される用語「長手方向」の同意語である。
【0019】
[0086]また、本発明のアテローム切除術用システムを説明するために使用される用語「近位」および「遠位」は、例示的な用途(特定の図示例)の説明と整合させて使用される。したがって、近位および遠位は、アテローム切除術用システムのハンドルを参照して使用される。
【0020】
[0087]本発明のアテローム切除術用システムを説明するために使用される用語「上側」、「下側」、「上部」、「底部」、「下面」、「上面」などは、図示される実施形態の向きを参照して使用される。例えば、用語「上面」は、研磨要素の中心を通る長手方向および/または径方向軸線の上方に位置する研磨要素の部分を説明するために使用され得る。用語「下面」は、研磨要素の中心を通る長手方向および/または径方向軸線の下方に位置する研磨要素の部分を説明するために使用され得る。
【0021】
[0088]
図1は、1つの実施形態による回転式アテローム切除術用システム1を示す。システム1は、可撓性駆動軸5を高速(例えば20,000~160,000rpm)で回転させるように構成された駆動システム3を備える。駆動システム3は、電気モータを備えることができる。駆動システム3は、Boston Scientific Rotablator, Cardiovascular
Systems Inc.(「CSI」) Stealth, CSI Diamondback360、および/または、他の類
似のデバイスに実質的に類似する部分を備えることができ、またはそのように設計され得る。駆動軸5は、ガイドワイヤ(図示されず)上またはシースを通って前進可能となることができる。駆動軸5は、駆動システム3に結合された近位端部と、患者に挿入される遠位端部と、を備えることができる。駆動軸5は、例えば動脈の管腔内を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、回転式アテローム切除術用システム1は、シースを備える。いくつかの実施形態では、内部を通って延びる管腔を有するカテーテルが、駆動軸の近位端部に結合される。そのような実施形態では、駆動軸5は、カテーテルの管腔内を通って延びることができる。
【0022】
[0089]
図1Aに示されるように、研磨要素200が、駆動軸5の遠位部分に結合され得る。いくつかの実施形態では、この研磨要素200は、駆動軸5の遠位端部に対して近位側の場所に結合される。例えば、研磨要素200は、駆動軸5の遠位端部に対して約20mm近位側にある場所において駆動軸5に結合され得る。いくつかの実施形態では、研磨要素200は、駆動軸5の遠位端部に対して約10mm近位側に位置する。駆動軸5は、巻き針金を備えることができる。他の実施形態では、駆動軸5は、管を備える。
【0023】
[0090]研磨要素200は、近位端部213および遠位端部211を備えることができる。研磨要素は、約1から25mmの間の長さであってもよい。他の実施形態では、研磨要素は、約1から15mmの長さである。いくつかの実施形態では、研磨要素は、約6mmの長さである。本明細書において開示される研磨要素は、任意の適切な材料またはその組合せで作製され得る。例えば、研磨要素またはその一部分は、外科用ステンレス鋼、チタン、タングステン、ニチノールなどで作製され得る。いくつかの実施形態では、研磨要素は、中空とは対照的に中実である。いくつかの実施形態では、研磨要素は、近位端部と遠位端部との間に配置された隆起した腰部を備える。いくつかの実施形態では、研磨要素は、偏心形状を有する。
【0024】
[0091]
図2に移ると、
図1および
図1Aの実施形態による研磨要素200の拡大図が示される。図示されるように、研磨要素200は、傾斜端部205と、内部を通って延びる管腔203と、を有する略円筒状の玉縁201を備える。研磨要素200は、電気モータによって高速で回転される可撓性駆動軸5に取り付けられ得る。一般に、研磨要素200は、駆動軸5に結合され、それにより、研磨要素200および駆動軸5は、駆動軸5の中心を通る長手方向軸線を中心として一体的に回転する。すなわち、研磨要素200は駆動軸5に結合されてもよく、それにより、研磨要素200は、駆動軸5に対して移動することが抑制される。他の実施形態では、研磨要素200は、駆動軸5に対して長手方向に移動することが抑制されるが、交差および/または横の長手方向に移動することは抑制されないように構成される。いくつかの実施形態では、研磨要素200は、研磨要素200内に位置する駆動軸5の少なくとも一部分と協働して移動する。
【0025】
[0092]いくつかの実施形態では、研磨要素200内に位置決めされた駆動軸5の少なくとも一部分が、管腔203の内部表面の少なくとも一部分に溶接される。特定の実施形態では、研磨要素200は、管腔203の全体内部表面に溶接される。他の実施形態では、研磨要素200は圧着され、それにより、管腔203の少なくとも一部分は、管腔203内に位置決めされた駆動軸5の少なくとも一部分と係合する。いくつかの実施形態では、管腔の近位部分は、駆動軸の近位部分に溶接され、管腔の遠位部分は、駆動軸の遠位部分に溶接される。例えば、いくつかの実施形態では、レーザが使用されて、研磨要素200の少なくとも一部分を駆動軸5の少なくとも一部分に対して溶融する。
【0026】
[0093]研磨要素200は、粗くされた外部表面207を備えることができる。粗くされた外部表面207は、研磨要素200の研磨能力を向上させることができる。いくつかの実施形態では、粗くされた外部表面207は、研磨要素200の外部表面の1つまたは複数上に堆積されたダイアモンド粒子を含む。これらの粒子の直径は、約20μmであってもよい。研磨要素200は、粗くされた全体外部表面を有するものとして示されるが、いくつかの実施形態では、外部表面は、全体外部表面よりも小さい範囲で粗くされる。粗くされた外部表面207は、サンドペーパと同様のものになることができ、研磨要素200が病変を切除する能力を向上させることができる。
【0027】
[0094]研磨要素200の例の形状が、
図3~7にさらに示される。
図5に最も良く示されるように、研磨要素200内を通って延びる管腔203は、略円筒状の玉縁201内を斜めに延びる。換言すれば、
図5に示されるように、管腔203は、円筒状玉縁201の
遠位端部211の左底コーナから円筒状玉縁201の近位端部213の右上コーナまで延びる。このようにして、例えば
図1Aに示されるように、研磨要素200が、管腔203内に位置決めされた可撓性駆動軸5に取り付けられたとき、研磨要素200の傾斜端部205は、研磨要素200の他の外部表面よりもさらに可撓性駆動軸5から離れて径方向に延びる。このようにして、遠位211および近位213の端部は、局所的質量中心を有することができ、この局所的質量中心は、互いから斜向かいに、駆動軸5の長手方向軸線の中心から距離を離して存在する。例えば、
図1Aに示されるように、研磨要素200の遠位端部211の局所的質量中心は、駆動軸5の上面上に位置し、研磨要素200の近位端部213の局所的質量中心は、駆動軸5の下面上に位置する。
【0028】
[0095]いくつかの実施形態では、傾斜端部205は、血管系を通る研磨要素200の追跡性を改良するように成形される。例えば、1つまたは複数の角度付き表面は、研磨要素200を曲がりくねった経路および/または狭い通路を通して挿入する能力を向上させることができる。傾斜端部205は、研磨要素200が血管内の石灰化した物質を通過することを容易にすることを助けることもできる。
【0029】
[0096]略円筒状の玉縁201が示されるが、他の形状も考えられる。例えば、いくつかの実施形態では、研磨要素200は、略円筒状の玉縁201の残りの部分よりも直径が大きいまたは小さい腰部を備えることができる。
【0030】
[0097]
図5に示されるように、管腔203の角度は、研磨要素200の遠位端部および近位端部の近くに位置する2つのずらされた局所的質量中心を作り出すことができる。すなわち、斜め管腔203により、研磨要素200の中心を通って延びる長手方向軸線の下方に存在する質量は、遠位端部211よりも近位端部213の方が多くなる。同様に、斜め管腔203により、研磨要素200の中心を通って延びる長手方向軸線の上方に存在する質量は、近位端部213よりも遠位端部211の方が多くなる。
【0031】
[0098]他の実施形態では、遠位端部および/または近位端部は、研磨要素200の残りの部分の材料より重い材料から作製され得る。例えば、いくつかの実施形態では、傾斜端部205および/または傾斜端部205の下に配置された容積の少なくとも一部分は、研磨要素200の残りの部分の材料より重い材料で作製される。例えば、いくつかの実施形態では、略円筒状の玉縁201の遠位端部211および近位端部213の少なくとも一部分は、タングステンから作製され、一方で、略円筒状の玉縁201の残りの部分は、鋼から作製される。このようにして、遠位端部211および近位端部213のより重い材料は、さらに、2つの質量を分散させることができ、これらの質量は、研磨要素200の両端および両側に偏心して位置する。いくつかの実施形態では、研磨要素200の少なくとも一部分は、中空である。例えば、いくつかの実施形態では、遠位端部の少なくとも一部分および近位端部の少なくとも一部分は、少なくとも1つの中空部分を備える。
【0032】
[0099]作動中、研磨要素200内の質量の分散は、血管の管腔内を通って延びる長手方向軸線に対する研磨要素200の研磨角度を変更することができる。例えば、低速では、略円筒状の玉縁201の側部が、血管管腔の壁上に堆積された材料と接触し、これを切除することができる。高速では、ずらされた局所的質量中心により、研磨要素200が、血管を通って延びる長手方向軸線に対してぐらつき得る。このようにして、研磨要素200の傾斜端部205も、血管管腔の壁上に堆積された材料に接触し、切除することができる。いくつかの実施形態では、研磨要素200のこの可変の研磨角度は、アテローム切除術用デバイスの効果を向上させることができる。
【0033】
[0100]いくつかの実施形態では、研磨要素200内の質量分散は、血管管腔の壁上に堆積された材料との、研磨要素200が有する静止摩擦を増大させることができる。例えば
、研磨要素200内の質量分散は、研磨要素が、回転されるときにこれが接触する材料から離れる方向に弾む度合いを低減することができる。したがって、いくつかの実施形態では、研磨要素200の質量の分散は、アテローム切除術用デバイスの効果を向上させることができる。研磨要素200の相対的サイズおよび形状も、静止摩擦を増大させるために変更され得る。例えば、いくつかの実施形態では、研磨要素200は、1つまたは複数の突起部および/または凹凸を備え、これによって、切除される材料との研磨要素の静止摩擦を増大させる。
【0034】
[0101]
図2、
図4および
図5に最も良く示されるように、研磨要素200は、管腔203の近位端部と連通する近位切欠部223と、管腔203の遠位端部と連通する遠位切欠部221と、を備えることもできる。したがって、管腔203は、上方および遠位を向く方向に開口し、また、下方および近位を向く方向に開口する。近位切欠部223および遠位切欠部221は、溶接領域をもたらすことができる。すなわち、溶接部は、近位切欠部223および/または遠位切欠部221内に少なくとも部分的に配置されて、研磨要素200を駆動軸5に固定することができる。いくつかの実施形態では、近位切欠部223および遠位切欠部221は、研磨要素200を運ぶ間、低プロファイルを維持しながら、2つのずらされた局所的質量中心間の距離を最大限にするのを助けることができる。いくつかの実施形態では、切欠部は、2つのずらされた局所的質量中心を作り出すために、近位端部および遠位端部の一部分から質量を取り除くことができる。
【0035】
[0102]特定の実施形態では、研磨要素200は、駆動軸5の長手方向軸線に対して角度を付けて軸線方向に移動することができる。換言すれば、駆動軸5の少なくとも一部分は、遠位切欠部221および/または近位切欠部223の少なくとも一部分を通過することができる。したがって、研磨要素200は、駆動軸5に対して長手方向に移動することが抑制されるように駆動軸5に結合されるが、駆動軸5に対して交差および/または横の長手方向に移動することは抑制されない。したがって、駆動軸5および研磨要素200が長手方向軸線を中心に回転されるとき、研磨要素200の近位端部および/または遠位端部は、駆動軸5の中心軸線からさらに離れることができる。他の実施形態では、研磨要素200は、駆動軸5に対して移動することが抑制されるように駆動軸5に取り付けられる。特定の実施形態では、研磨要素200は、駆動軸5に結合させることができ、それにより、研磨要素200の遠位端部は、駆動軸に対して径方向に移動することができる。
【0036】
[0103]
図8A~8Dは、可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素200の例となる位置を示す。
図8A~8Dに示されるように、溶接部800は、研磨要素200を駆動軸5に固定することができる。溶接部は、研磨要素200の近位端部および遠位端部に、またはその近くに置かれ得る。
図8Bおよび
図8Dに示されるように、溶接部800は、管腔203および駆動軸5の円周周りに配置され得る。
【0037】
[0104]
図8A~8Bでは、可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素200は、シース801内の抑制位置で示されている。研磨要素200は、
図8C~8Dに示されるように、前進されてシースの外に出たとき、非抑制位置に移動することができる。すなわち、研磨要素200の有効直径は、研磨要素200がシース801を出たときに増大する(例えば、
図8Dの長さd
2は、
図8Bのd
1より大きい)。いくつかの実施形態では、研磨要素200は、抑制されたプロファイルよりも10~60%大きい、または、35~45%大きい、または、少なくとも40%大きい、抑制されないまたは展開されたプロファイルを有する。駆動軸5の一部分に重複する研磨要素200の部分は、一緒に固定されてもよく、それにより、研磨要素200および研磨要素200内の駆動軸5の一部分は協働して移動する。
【0038】
[0105]
図8E~8Jは、別の実施形態による可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素
200の例となる位置を示す。
図8E~8Jは、溶接部800によって可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素200を示す。取付手段が溶接部として説明されているが、他の取付手段が使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、研磨要素200を可撓性駆動軸5に取り付けるために接着剤が使用される。図示されるように、溶接部800は、研磨要素200のほぼ中心に位置し、駆動軸5の外部表面を管腔203の内部表面に結合させる。しかし、溶接部800は、図示される領域よりも多くまたは少なく覆うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、溶接部800は、管腔203の全長を駆動軸5に結合させる。他の実施形態では、溶接部800は、管腔203の直径の表面すべてとは接触しない。上記で論じられたように、溶接部800は、研磨要素200が駆動軸5に対して長手方向に移動することを防止する。溶接部800のタイプ、サイズおよび/または場所に応じて、研磨要素200は、回転中に、駆動軸5に対して径方向に移動してもよいし、または、移動しなくてもよい。
【0039】
[0106]特定の実施形態では、溶接部800は、研磨要素200が溶接部800の周りで枢動することを可能にする。すなわち、研磨要素200の一部分は、径方向に移動および/または回転することができる。他の実施形態では、溶接部800は、上記で説明されたように研磨要素の近位端部および遠位端部に配置される。いくつかの実施形態では、駆動軸5の一部分と重複する研磨要素200の一部分は、一緒に固定され、それにより、研磨要素200および研磨要素200内の駆動軸5の一部分は、協働して移動する。
【0040】
[0107]
図8E~8Fでは、可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素200は、シース801内で抑制位置に示される。研磨要素200は、
図8G~8Hに示されるように前進されてシースの外に出たとき、非抑制位置に移動することができる。すなわち、研磨要素200の有効直径は、研磨要素200がシース801を出たときに増大する(例えば、
図8Jのd
3は、
図8Hのd
2より長さが大きい)。いくつかの実施形態では、研磨要素200は、抑制されたプロファイルより10~60%大きい、または、35~45%大きい、または、少なくとも40%大きい、抑制されないまたは展開されたプロファイルを有する。特定の実施形態では、研磨要素200および可撓性駆動軸5が、
図8I~8Jに示されるように回転されるとき、遠心力が、研磨要素200の傾斜端部205を可撓性駆動軸5の中心軸線からさらに離す。したがって、研磨要素200の研磨範囲は、さらに増大されることができ、研磨要素200は、回転されるとき、さらにより大きい有効直径を有することができる(例えば、
図8Jのd
3は、
図8Hのd
2より長さが大きい)。したがって、きつく閉じた血管内で、研磨要素200の遠位端部および近位端部の局所的質量中心に作用する遠心力により、研磨要素200は、より大きい有効直径を有することができ、したがってデバイスの効果が向上し、および/または、治療時間が短縮される。
【0041】
[0108]
図9は、本明細書において開示される研磨要素の例となる動作を概略的に示す。血管900が、回転する研磨要素200,300,1000によって開かれるとき、研磨要素(単数または複数)の形状により、第2の動作も引き起こされ、および/または、促進され得る。小さい軌道920は、駆動軸5および研磨要素が回転されるにつれて、研磨要素の最も外側の径方向を向く表面がたどり得る経路を表す。小さい軌道920は、研磨要素200がこの中心を通る長手方向軸線に対してぐらつくときの研磨要素200の経路を表すことができる。換言すれば、小さい軌道920の有効直径は、研磨要素の中心を通る長手方向軸線に対する研磨要素の相対移動によって、および/または、研磨要素の物理的変形によって増大され得る。いくつかの実施形態では、小さい軌道920は、研磨要素が回転されるにつれて有効直径が増大し得る。特定の実施形態では、例えば、研磨要素の有効直径は、第1の回転速度における第1の直径と、第2の回転速度における第2の有効直径とを有することができる。第2の有効直径は、第2の回転速度が第1の回転速度より大きい場合、第1の有効直径よりサイズが大きくなることができる。いくつかの実施形態では、例えば、研磨要素200が、相対的な径方向移動を可能にするように駆動軸5に取
り付けられる場合、この相対的な径方向移動は、小さい軌道のサイズをさらに増大させることができる。こうして、駆動軸5および研磨要素の動作は、研磨要素の掻き取り領域および/または研磨範囲を小さい軌道920を超えて延長することができる。
【0042】
[0109]特定の実施形態では、例えば、研磨要素が、互いから反対側に、また、駆動軸5の中心軸線から離れる方向に分散された局所的質量中心を有する端部を有する場合、研磨要素の回転により、駆動軸5および研磨要素は、(特に、十分な空間が、高速の回転速度で、例えば30,000rpm以上で病変内に生み出された後)遠心力によって大きい軌道910を生み出すことができる。したがって、本明細書において開示される研磨要素は、研磨要素の掻き取り領域および/または研磨範囲が、小さい軌道920を超えて延長されるように構成され得る。
【0043】
[0110]
図10A~10Bは、上記で説明されたような類似の実施形態による研磨要素300を示す。図示するように、研磨要素300は、2つの局所的質量中心を有する。この2つの局所的質量中心は、離間されており(301および303のところに近似場所を有する)、可撓性駆動軸5の中心からずらされた対角コーナに位置する。研磨要素300は、研磨要素30の近位端部313から遠位端部311まで延びる実質的に真っ直ぐな管腔を備えることができる。研磨要素300は、実質的に円筒状の形状であってもよい。研磨要素300は、
図10Aに示されるように駆動軸5に取り付けられてよく、それにより、遠位質量中心301は駆動軸5の長手方向中心の上方に位置し、近位質量中心303は駆動軸5の長手方向中心の下方に位置する。したがって、研磨要素300が回転されるとき、研磨要素の研磨範囲は、上記で説明したように小さい軌道を超えて増大される。さらに、
図10Bに示されるように、研磨要素300は、研磨要素300がそこから展開されるシース801より大きい有効直径を有する。研磨要素300は、曲線状の縁部を備え、これによって曲がりくねった経路を通るおよび/または管腔を通るデバイスの摺動性を改良することができる。
【0044】
[0111]
図11~30は、別の実施形態による研磨要素400を示す。例えば
図11に示されるように、研磨要素400は、研磨要素400から延びる少なくとも2つの突起部を有するスロット付き管409を備える。図示されるように、突起部は、研磨要素400に取り付けられた二部分玉縁405を備える。研磨要素400は、遠位端部411および近位端部413を有することができる。玉縁405の少なくとも一部分は、粗くされた外部表面407を備える。上記で説明された実施形態と同様に、研磨要素400は、可撓性駆動軸5の近位部分に結合され得る。さらに詳細に説明されるように、スロット付き管409は圧縮するように構成されてもよく、それにより、研磨要素400は、低プロファイル移送のためにシースを通過して、高速回転中に拡張して研磨範囲を増大させることができる。
【0045】
[0112]
図12は、研磨要素400の分解図を示す。図示されるように、二部分玉縁405は、粗くされた最も外側の表面407を有する2つの成形半体を備える。図示されるように、二部分玉縁405は、スロット付き管409に面する玉縁405の表面が、スロット付き管409の湾曲した外部表面と接触するように成形される。二部分玉縁405は、玉縁がスロット416のいかなる部分上にも延びず、および/または、覆わないような形状を有している。玉縁405は、任意の適切な手段によってスロット付き管409に結合され得る。例えば、玉縁405は、スロット付き管409に溶接され、糊付けされ、および/または、融合され得る。玉縁405は、管409と同じまたは異なる材料によって作製され得る。いくつかの実施形態では、スロット付き管409および玉縁405は、一体品として作製される。
【0046】
[0113]
図13~16に示されるように、スロット付き管409は、長手方向に貫通する
管腔433を有する実質的に円筒状の管を備えることができる。スロット416は、略矩形形状であってもよく、管409を貫通して径方向に延び、管腔433と連通することができる。管409は、加えられた力の下で収縮および/または拡張するのに十分な可撓性を有する1つまたは複数の材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、管409は、外力が加えられたときにサイズを収縮し、外力が除去されたときに実質的にその元の形態および形状に戻るように構成され得る。いくつかの実施形態では、管409は、外力が加えられたときに伸張することができ、外力が除去されたときに実質的にその元の形態および形状に戻るように構成され得る。
【0047】
[0114]
図17~21は、玉縁405をさらに示す。図示されるように、玉縁405は、スロット付き管409のスロットが形成されていない部分と接触する形状を有する湾曲した下側表面440を備える。玉縁405は、2つの傾斜した移行部分445と、粗くされた表面407を有する中央の略円筒状の部分と、を備える。いくつかの実施形態では、玉縁405は、スロット付き管409のスロット416からさらに離れた領域内でより厚くなる形状を有している。いくつかの実施形態では、玉縁405は、管409と比較して、硬度および/または密度が相対的に高い材料から形成される。
【0048】
[0115]
図22に示されるように、ニ部分玉縁405が、スロット付き管409に結合されたとき、玉縁405の各々の半分の質量は、可撓性駆動軸5の長手方向中心から離間される。したがって、研磨要素400は、可撓性駆動軸5の長手方向中心からいずれもずらされた2つの局所的質量中心を備える。研磨要素400の局所的質量中心は、
図1~10Bに示される実施形態とは異なり、径方向に離間されるが、局所的質量中心は、長手方向には互いから離間されない。しかし、いくつかの実施形態では、研磨要素400は、この局所的質量中心が、径方向および長手方向の両方にずらされるように構成され得る。例えば、2つの玉縁要素409は、スロット付き管409に対称的に取り付けられなくてもよい。換言すれば、第1の玉縁要素は、その最も近位の端部が、スロット416の最も近位の端部上に位置決めされるようにスロット付き管409に結合されてもよく、一方で、第2の玉縁要素は、その最も遠位の端部が、スロット416の最も遠位の端部上に位置決めされるように結合されてもよい。
【0049】
[0116]
図22にも示されるように、駆動軸5は、研磨要素400の全長を通過する必要はない。したがって、研磨要素400の近位端部は、第1の駆動軸5の遠位端部に固定されてもよく、研磨要素400の遠位端部は、第2の駆動軸5の部分の近位端部に固定されてもよい。駆動軸が研磨要素400の中心から取り除かれた状態では、研磨要素は圧縮されることができ、2つの玉縁要素409は互いに向かって移動することができ、それにより、研磨要素は低プロファイルをとることができる。他の実施形態では、駆動軸5は、研磨要素の全長を通過する。
【0050】
[0117]
図22~24は、研磨要素400が、概して、中央研磨領域450と、近位および遠位の取付領域455と、を備えることができることを示す。中央研磨領域450は、管隙間領域460によって近位および遠位の取付領域455に結合され得る。近位および遠位の取付領域455は、スロット付き管409の管腔433内を通って延びる可撓性駆動軸5に固定されたスロット付き管409の部分である。近位および遠位の取付領域455は、溶接部および/または圧着部または任意の他の適切な固定手段を備えることができる。したがって、近位および遠位の取付領域455は、可撓性駆動軸5から離れることが抑制される。駆動軸5が研磨要素の全長を通過する実施形態では、駆動軸は、取付領域455に固定され得るが、管隙間領域460および中央研磨領域450には固定されない。したがって、管隙間領域460および中央研磨領域450は、抑制されず、可撓性駆動軸5に向かっておよび/または離れるように移動することができる。
【0051】
[0118]
図25~30は、可撓性駆動軸5に取り付けられた研磨要素400の例となる位置を示す。研磨要素400は、
図25および
図29において静止構成で示される。この非抑制静止状態のデバイスの径方向厚みは、dlとしてラベル付けされている。研磨要素400は、
図26および
図28において抑制形態で示される。
図26および
図28では、研磨要素400は、シース801内に位置決めされる。この抑制形態では、デバイスの径方向厚みは、シース801の厚みであり、d2としてラベル付けされている。図示されるように、抑制形態における径方向厚みd2は、非抑制形態における径方向厚みd1より小さい。
図26および
図28に示されるように、抑制位置では、スロット付き管は、スロットが、
図25および
図29の非抑制形態における幅より小さい幅を有するように圧縮される。換言すれば、スロット付き管409は、研磨要素400が径方向に圧縮されることを可能にする。このようにして、研磨要素400は、これがその中で運ばれるシース801より大きい有効直径を有することができる。
【0052】
[0119]いくつかの実施形態では、研磨要素400は、シース801から取り出された後、比較的短時間でその非抑制形態に自然に戻る。換言すれば、研磨要素400の材料は、スロット付き管409が、シースによって加えられた受働的抑制が除去されるとすぐに、その非抑制形態に跳ね返って戻るように選択される。他の実施形態では、研磨要素400は、比較的低速(例えば5000rpm以下)で回転された後、その非抑制形態に戻る。
【0053】
[0120]
図27および
図30では、研磨要素400は、拡張された構成で示される。例えば、研磨要素400が高速で回転されるとき、遠心力により、研磨要素400は、スロット付き管409が拡張するにつれて拡張される。すなわち、二部分玉縁405が、スロット付き管409および駆動軸5の中心軸線から離れて分散された局所的質量中心を有するので、また、回転が玉縁部分405を遠心力によって管軸線から引き離すので、スロット付き管409は拡張する。したがって、研磨要素400が高速(例えば約90,000rpm以上)で回転されるとき、研磨要素400は、d1およびd2より大きい直径d3まで拡張することができる。したがって、研磨要素400の研磨範囲は、その非抑制直径d2を超えて延びる。d3は、d2よりかなり大きく示されているが、研磨要素400の直径は、デバイスが回転されるとき、実際にそのような程度まで増大しなくてよいことが理解される。d1~d3の相対的サイズは、単にデバイスの機能性の容易な理解を助けるためのものであり、使用時における拡張の実際の割合を示すものではない。
【0054】
[0121]いくつかの実施形態では、研磨要素400は、これが回転を停止した後、比較的短時間でその非抑制形態に自然に戻る。換言すれば、研磨要素400の材料は、駆動軸5が静止するとすぐにスロット付き管409が非抑制形態に戻るように選択される。他の実施形態では、研磨要素400は、駆動軸5が静止するとすぐにほぼ非抑制形態に戻り、シース801内に引き入れられると抑制形態に移行する。
【0055】
[0122]研磨要素400は、スロット付き管409に結合された二部品玉縁405として示され説明されてきたが、単一構造も考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、スロット付き管409は、その近位端部および遠位端部にある壁より厚い壁を、スロット付き管409の中心領域に有することができる。スロット付き管の少なくとも一部分は、研磨外側表面を備えることができる。換言すれば、スロット416の両側の壁の厚みは、スロット付き管409の2つの端部から増大し、スロット付き管409の中心において厚みの頂点に到達することができる。壁厚の変化は、スロット付き管409および駆動軸5の中心軸線から離れて分散された2つの局所的質量中心を作り出すことができる。壁厚の変化は、研磨要素の中心から径方向外側に延びる1つまたは複数の突起部を形成することができる。したがって、デバイスが高速で回転されるとき、遠心力により、2つの局所的質量中心がスロットを引いて開き、研磨要素400を径方向に拡張させる。同様に、異なる質量の材料が使用されて、スロット付き管が高速で回転されるときに拡張するスロット付き管を作り出すこともできる。
【0056】
[0123]
図31~36は、別の実施形態による研磨要素500を示す。研磨要素500は、二部分玉縁505が、研磨要素500が抑制されず、静止しているときに、スロット付き管409のスロット416上を少なくとも部分的に延びるように構成されることを除き、研磨要素400と同様である。
【0057】
[0124]例えば、
図31~34に示されるように、二部分玉縁505は、スロット付き管409のスロット416のスロット上を実質的に延び、それにより、小さい空隙515でのみ二部分玉縁505を分離する。例えば、
図35A~35Bに示されるように、
図26に示される実施形態と同様にシース801によって抑制されるとき、二部分玉縁505は、互いに押し付けられる。上記で説明される、
図27および
図30に示す実施形態と同様に、研磨要素500が、
図36A~36Bに示されるように高速で回転されるとき、玉縁505は、遠心力により互いから強制的に離される。したがって、動作中の研磨要素500の直径d3は、デバイスがその非抑制形態にあるときの直径d1より大きい。
【0058】
[0125]
図37~47は、別の実施形態による研磨要素600を示す。例えば、
図37~40に示されるように、研磨要素600は、スロット付き管509が、スロットの長手方向長さにわたってスロット付き管509の両側を延びる支持棒520を備え、これによって2つの開口部516および517を作り出すことを除き、上記で説明された研磨要素400と同様である。支持棒520は、研磨要素600を硬化するのに役立ち得る。
図42に示されるように、スロット付き管509は、長手方向に貫通する管腔433を有する実質的に円筒状の管を備える。
【0059】
[0126]
図43~48は、使用時の研磨要素600のさまざまな形態を示す。
図26および
図35Aと同様に、研磨要素600は、外力が、例えばニ部分玉縁405に加えられたとき、より小さい最大直径に抑制され得る。
図44に示されるように、スロット付き管509は、シース801内で圧縮されてもよく、それにより、スロット付き管509の径方向幅が低減される。上記で説明されたように、研磨要素600は、
図43に示されるようにシース801から取り出されたとき、非抑制形態に戻ることができる。
図27、
図30および
図36Aに示され、上記で説明された実施形態と同様に、研磨要素600は、高速で回転されるときに直径が拡張することができ、回転が停止されたときに非抑制形態に戻ることができる。
【0060】
[0127]
図49~52は、二部分玉縁705が異なる形状を有することを除き(例えば
図11に示されるような)研磨要素400と同様の、別の実施形態による研磨要素700を示す。二部分玉縁705は、スロット付き管409のスロット416上を延びないものとして示されるが、いくつかの実施形態では、二部分玉縁705は、スロット上を少なくとも部分的にまたは完全に延びる。
【0061】
[0128]
図53~56は、玉縁705が互いから長手方向にずらされることを除き、研磨要素700と同様の、別の実施形態による研磨要素1000を示す。したがって、上記で説明されたように、研磨要素1000の研磨範囲は、研磨要素1000が駆動軸5によって回転されるとき、小さい軌道を越えて延びる。
【0062】
[0129]本明細書において開示されるアテローム切除術用システムは、例えば、次の態様で使用され得る。ガイドワイヤが患者に挿入され、対象領域上で前進することができる。研磨要素がその近位部分に取り付けられた回転可能な駆動軸が、ガイドワイヤ上で前進され得る。回転可能な駆動軸および研磨要素は、シース内を通って前進され得る。いくつかの実施形態では、研磨要素は、前進してシースから出たとき、径方向に拡張する。いくつ
かの実施形態では、研磨要素は、第1の速度で回転されるとき、第1の直径に拡張し、第1の速度より大きい第2の速度で回転されるとき、第1の直径より大きい第2の直径に拡張する。研磨要素は、動脈病変上で前進され得る。研磨要素は、動脈病変を切除するように回転され得る。流体がシース内を通って運ばれてもよく、または、運ばれなくてもよい。動脈病変は、切除されてもよく、研磨要素、駆動軸、シースおよびガイドワイヤが、患者から取り出され得る。いくつかの実施形態では、吸引され、材料が駆動軸を通って引き出される。
【0063】
[0130]当業者は、本明細書において示される、開示された態様および特徴が、アテローム切除術用システムの任意の特定の実施形態に限定されず、本明細書において説明される特徴の1つまたは複数を備えるアテローム切除術用システムが、多様な医療処置で使用するために設計され得ることを認識するであろう。さらに、当業者は、異なる実施形態からのさまざまな特徴の交換可能性を認識するであろう。例えば、さまざまな実施形態において開示される研磨要素の特徴は、実施形態間で差し替えられ得る。本明細書において説明される変形形態に加えて、各々の特徴の他の知られている等価物が、当業者によって混合され、合わせられて、本発明の原理にしたがって研磨要素およびアテローム切除術の技法を構築することができる。
【0064】
[0131]当然ながら、すべての目的または利点が、本発明の任意の特定の実施形態によって必ずしも達成される必要はないことを理解されたい。したがって、例えば、本発明が、1つの利点または利点のグループを本明細書において教示されるように達成または最適化し、他の目的または利点を、必ずしも本明細書において教示または提案され得るように達成する必要はないような態様で、具現化されまたは実施され得ることを、当業者は認識するであろう。
【0065】
[0132]さらに、この発明は、特定の実施形態および例の文脈で開示されてきたが、本発明は、詳細に開示された実施形態を超えて、他の代替の実施形態および/または本発明の用途およびその明確な改変形態および等価物まで及ぶことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書において開示される本発明の範囲は、上記で説明された特定の開示された実施形態によって限定されてはならないことが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1…回転式アテローム切除術用システム
3…駆動システム
5…駆動軸
30,200,300,400,500,600,700,1000…研磨要素
201,405,505,705…玉縁
203,433…管腔
205…傾斜端部
207,407…外部表面
211,311,411…遠位端部
213,313,413…近位端部
221…遠位切欠部
223…近位切欠部
301…遠位質量中心
303…近位質量中心
409,509…スロット付き管
416…スロット
440…下側表面
445…移行部分
450…中央研磨領域
455…取付領域
460…管隙間領域
515…空隙
516…開口部
520…支持棒
800…溶接部
801…シース
900…血管
910,920…軌道
【手続補正書】
【提出日】2021-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式アテローム切除術用システムであって、
駆動システムと、
前記駆動システムに結合される近位端部と、遠位部分と、を有する駆動軸と、
前記駆動軸の前記遠位部分を受け入れるように構成される管腔を有し、前記管腔で前記駆動軸に結合されている研磨要素と、を備え、
前記研磨要素は、径方向にずらされた第1の質量中心を有する第1の端部を有し、前記第1の質量中心は、第1の径方向にずれており、
前記研磨要素は、前記第1の質量中心の近位で前記第1の質量中心の反対側にある、径方向にずらされた第2の質量中心を有する第2の端部を有し、
前記第2の質量中心は、前記第1の質量中心の近位に配置され、第2の径方向にずれており、
前記第2の径方向は、主として、前記第1の径方向の反対である
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記研磨要素は、前記第1の端部と前記第2の端部の間に配置された腰部を備える
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記研磨要素は、偏心形状を有する
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記駆動軸は、ガイドワイヤ上で前進させられ、前記ガイドワイヤの周りで回転させられるように構成されている
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、前記研磨要素は、前記駆動軸の外部表面と比較して粗い外部表面を含む
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記研磨要素が遠位端部と近位端部を有し、前記遠位端部と前記近位端部との間の位置で実質的に円筒状の構造として構成されている
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記研磨要素はタングステンを含む
回転式アテローム切除術用システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の回転式アテローム切除術用システムであって、
前記研磨要素の前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記研磨要素の残りの部分より重い材料で形成されている
回転式アテローム切除術用システム。