(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034017
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
H01G4/30 311E
H01G4/30 201E
H01G4/30 517
H01G4/30 513
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209269
(22)【出願日】2021-12-23
(62)【分割の表示】P 2017001459の分割
【原出願日】2017-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2016-0041387
(32)【優先日】2016-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヒエ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジャエ イェオル
(72)【発明者】
【氏名】グ、ヒュン ヘー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ブン ス
(57)【要約】
【課題】本発明は、積層セラミック電子部品及びその製造方法に関するものである。
【解決手段】本発明は、誘電体層、及び上記誘電体層を間に挟んで一端面と他端面に交互に露出するように積層された内部電極を含むセラミック本体と、上記セラミック本体の外側に配置された外部電極と、を含み、上記外部電極は、上記セラミック本体の厚さ方向における少なくとも一面に配置されたシード層と、上記内部電極及びシード層と電気的に接続された第1電極層と、上記シード層及び上記第1電極層上に配置されためっき層と、を含み、上記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層の厚さをT1、上記内部電極のうち最外側の内部電極が位置する地点における上記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす積層セラミック電子部品に関するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミックシートを用意する段階と、
前記複数のセラミックシートのそれぞれの上に導電性ペーストを用いて内部電極パターンを形成する段階と、
前記内部電極パターンが形成されたセラミックシートを積層することで、内部に互いに対向するように配置される内部電極を含むセラミック本体を形成する段階と、
前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に、シード層を形成する段階と、
前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面にのみ、前記内部電極と接続され、且つ前記シード層と接続されるように、転写方式によって第1電極層を形成する段階と、
前記第1電極層及び前記シード層上にメッキ層を形成することで、外部電極を形成する段階と、
を備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記第1電極層を形成する段階は、前記セラミック本体を第1電極形成用シートまたはパッドに圧力を加えながら密着させる段階を有する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記第1電極層を形成する段階は、前記第1電極形成用シートまたはパッドが配置された定盤に熱を加える段階を更に有する、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記第1電極層を形成する段階は、前記定盤上の穿孔ゴムに前記セラミック本体を加圧する段階を更に有する、請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記第1電極層を形成する段階は、前記セラミック本体をPETフィルムが付着された第1電極形成用シートに圧力を加えながら密着させる段階を有する、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記シード層を形成する段階は、印刷、スパッタリング、または、蒸着によって行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記内部電極のうち最上部に積層された内部電極が位置する高さ位置における前記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記第1電極層と前記シード層は、前記セラミック本体の角部において接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項9】
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記セラミック本体の角部における前記第1電極層の厚さをT3としたときに、0.4≦T3/T1≦1.0を満たす、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項10】
前記シード層は、前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面にのみ配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面は、前記セラミック本体が基板に実装される際の実装面である、請求項10に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記メッキ層は、前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面及び厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面に延在して形成される、請求項10または11に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、電子製品の小型化の傾向に伴い、積層セラミック電子部品においても小型化及び大容量化が求められている。
【0003】
これにより、誘電体と内部電極を薄膜化及び多層化するための様々な方法が試みられており、近年、誘電体層の厚さを薄くし、且つ積層数を増加させた積層セラミック電子部品が製造されている。
【0004】
これに伴い、外部電極の厚さも薄くなることが求められているが、薄くなった外部電極を介してめっき液がチップの内部に浸透するという問題が発生し得るため、小型化に技術的な困難さがある。
【0005】
特に、外部電極の形状が不均一である場合、外部電極において厚さが薄い部位にめっき液が浸透する危険性がさらに高くなり、信頼性の確保に問題が生じる。
【0006】
一方、外部電極を形成するにあたり、既存のディッピング(dipping)方式などにより外部電極を形成する場合、本体の長さ方向において互いに対向する両端面であるヘッド面、及び上記ヘッド面と接する4面(以下、「バンド面」と定義する)の全体に外部電極が形成され、本体のばらつきの発生とペーストの流動性及び粘性によって均一な塗布が困難であるため、ペーストの塗布厚さに差が生じる。
【0007】
また、ペーストが薄く塗布された部分には、緻密度の低下によってめっき液が浸透するため、信頼性が低下する。一方、ペーストが厚く塗布された部分では、ガラスが表面に露出するというガラスビーディング(Glass Beading)またはブリスター(Blister)が生じて、めっき不良や形状不良の問題が発生するため、めっき層の厚さを増加させなければならない。
【0008】
したがって、外部電極の塗布厚さを薄く且つ均一にすれば、内部電極の形成面積を増加させることが可能となり、既存の同一サイズのキャパシターに比べて容量を極大化することができるため、これに関する研究が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第2011-0122008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、外部電極の厚さが薄く且つ均一な高容量の積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、誘電体層、及び上記誘電体層を間に挟んで厚さ方向に積層された内部電極であって、長さ方向において対向する一端面と他端面に交互に露出するように形成された内部電極を含むセラミック本体と、上記セラミック本体の外側に配置された外部電極と、を含み、上記外部電極は、上記セラミック本体の厚さ方向における少なくとも一面に配置されたシード層と、上記内部電極及びシード層と電気的に接続された第1電極層と、上記シード層及び上記第1電極層上に配置されためっき層と、を含み、上記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層の厚さをT1、上記内部電極のうち最外側の内部電極が位置する地点における上記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす積層セラミック電子部品を提供する。
【0012】
本発明の他の実施形態は、複数のセラミックシートを用意する段階と、上記それぞれのセラミックシート上に導電性ペーストを用いて内部電極パターンを形成する段階と、上記内部電極パターンが形成されたセラミックシートを積層することで、内部に互いに対向するように配置される内部電極を含むセラミック本体を形成する段階と、上記セラミック本体の厚さ方向における少なくとも一面にシード層を形成する段階と、上記セラミック本体の長さ方向における両端面に、上記内部電極と接続され、且つ上記シード層と接続されるように第1電極層を形成する段階と、上記第1電極層及びシード層上にめっき層を形成することで、外部電極を形成する段階と、を含み、上記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層の厚さをT1、上記内部電極のうち最外側の内部電極が位置する地点における上記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、外部電極の厚さが薄く且つ均一であるため、内部電極の形成面積を増加させることが可能であって、内部電極が重なり合う重複面積を極大化することで、高容量の積層セラミック電子部品を実現するとができる。
【0014】
また、外部電極の配置位置による厚さの偏差が減少して、優れた信頼性を有する超小型及び高容量の積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を示す斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の断面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の外部電極の形成工程図である。
【
図5b】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の外部電極の形成工程図である。
【
図5c】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の外部電極の形成工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)が誇張されることがある。
【0017】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0018】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていないない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0019】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に表示されたL、W、及びTはそれぞれ、長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向と同一の概念として用いることができる。
【0020】
積層セラミック電子部品
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を説明するにあたり、特に積層セラミックキャパシターを例として説明するが、これに制限されるものではない。
【0021】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図2は
図1に示すI-I'の断面図であり、
図3は
図2に示すA領域の拡大図である。
【0022】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、セラミック本体110と、内部電極121、122と、外部電極131、132と、を含む。
【0023】
セラミック本体110は、長さ方向Lの両端面、幅方向Wの両側面、及び厚さ方向Tの両側面を有する六面体からなることができる。このようなセラミック本体110は、複数の誘電体層111を厚さ方向Tに積層してから焼成することで形成される。かかるセラミック本体110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数がこの実施形態に図示されたものに限定されるものではない。
【0024】
また、セラミック本体110を成す複数の誘電体層111は焼結された状態であって、隣接する誘電体層111の間の境界は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いずには確認することが困難な程度に一体化された状態とすることができる。
【0025】
誘電体層111の厚さは、積層セラミック電子部品100の容量設計に応じて任意に変更することができる。誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明の目的に応じて、セラミック粉末に様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0026】
誘電体層111の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は特に制限されないが、本発明の目的を達成するために調節されることができ、例えば、400nm以下に調節されることができる。
【0027】
内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する一対の第1内部電極121と第2内部電極122が複数個で構成されることができ、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて積層される複数の誘電体層111を間に挟んで所定の厚さに形成されることができる。
【0028】
上記第1内部電極121と第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することで、誘電体層111の積層方向においてセラミック本体110の長さ方向Lにおいて互いに対向する一端面と他端面に交互に露出するように形成することができ、上記第1内部電極121と第2内部電極122の間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁されるようにすることができる。
【0029】
すなわち、第1及び第2内部電極121、122は、セラミック本体110の長さ方向の両端面に交互に露出している部分を介して、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて互いに対向する両端面に形成された第1外部電極131及び第2外部電極132とそれぞれ電気的に接続されるようにすることができる。
【0030】
したがって、第1外部電極131及び第2外部電極132に電圧が印加されると、互いに対向する第1内部電極121と第2内部電極122との間に電荷が蓄積される。この際、積層セラミックキャパシター100の静電容量は、第1内部電極121と第2内部電極122とが互いに重なり合う重複領域の面積に比例する。
【0031】
すなわち、第1内部電極121と第2内部電極122とが互いに重なり合う重複領域の面積が極大化する場合、同一サイズのキャパシターでも静電容量が極大化することができる。
【0032】
本発明の一実施形態によると、外部電極の厚さを薄く且つ均一となるように形成可能であるため、内部電極が重なり合う重複面積を極大化することができ、高容量の積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【0033】
このような第1及び第2内部電極121、122の幅は、用途に応じて決定することができ、例えば、セラミック本体110のサイズを考慮して0.2~1.0μmの範囲内となるように決定することができるが、本発明における第1及び第2内部電極121、122の幅は、このような寸法に限定されるものではない。
【0034】
また、第1及び第2内部電極121、122を形成するための導電性ペーストに含まれる導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)、または白金(Pt)などを単独で用いたり、またはこれらの合金を用いたりすることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
外部電極131、132は、上記セラミック本体110の外側に配置された第1外部電極131及び第2外部電極132を含む。
【0036】
上記外部電極131、132は、
図2に示したように、シード層135と、第1電極層131a、132aと、めっき層131b、131c、132b、132cと、を含む。
【0037】
上記第1外部電極131は、上記セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に配置されたシード層135と、上記第1内部電極121及び上記シード層135と電気的に接続された第1電極層131aと、上記シード層135及び第1電極層131a上に配置されためっき層131b、131cと、を含む。
【0038】
また、上記第2外部電極132は、上記セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方に配置されたシード層135と、上記第2内部電極122及び上記シード層135と電気的に接続された第1電極層132aと、上記シード層135及び第1電極層132a上に配置されためっき層132b、132cと、を含む。
【0039】
シード層135は、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の上に導電性金属をスパッタリングまたは蒸着することで所定の厚さに形成することができる。この際、厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面の両端部に分割されてそれぞれ形成されることができる。
【0040】
上記シード層135は、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の上に導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することで形成することもできる。
【0041】
シード層135を形成するための導電性金属は、第1及び第2内部電極121、122と同一の導電性金属であることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、または鉛(Pb)などを単独で用いたり、またはこれらの合金を用いたりすることができる。
【0042】
従来は、外部電極を形成する方法として、セラミック本体110を金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法が主に用いられてきた。
【0043】
ディッピング(dipping)方式で外部電極を形成する場合、ペーストの流動性及び粘性によって外部電極が均一に塗布されないため、外部電極の中央部と角部の塗布厚さに差が生じていた。
【0044】
このように外部電極の厚さが不均一に形成される場合、厚く塗布された中央部ではガラスビーディング(Glass Beading)またはブリスター(Blister)が発生して、めっき不良及び形状不良が起こり、薄く塗布された角部にはめっき液が浸透しやすいため、信頼性低下の問題が生じる。
【0045】
また、めっき液に弱い角部を補完しようとする場合、中央部の塗布厚さが増加するしかなく、静電容量の増加のためにセラミックキャパシターのサイズを増加させるには限界がある。
【0046】
そこで、本発明の一実施形態では、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の上にシード層135を形成することで、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて少なくとも一面上にはシード層135を配置し、その上部にめっき層131b、131c、132b、132cを配置することができる。
【0047】
また、セラミック本体110の外側のうち長さ方向Lにおける両端面には第1電極層131a、132aが配置されることができるが、これに制限されるものではない。
【0048】
これにより、上記セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面には第1電極層131a、132aが配置され、その上部にめっき層131b、131c、132b、132cが配置されることができる。
【0049】
本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132aは、上記セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面に配置され、上記シード層135の上部面の一部まで延在して配置されることもできる。
【0050】
上記第1電極層131a、132aは従来のディッピング方式により形成されず、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面に形成され、且つ上記ヘッド面と接する4面であるバンド面の全体には形成されないか、最小限に形成される。したがって、外部電極の厚さが薄く且つ均一に形成されることができる。
【0051】
これにより、内部電極の形成面積を増加させることが可能となり、内部電極が重なり合う重複面積を極大化させることで、高容量の積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【0052】
本発明の一実施形態によると、上記第1電極層131a、132aは、従来のディッピング方式でなく、シート(Sheet)転写またはパッド(Pad)転写方式により形成されることができ、これについての詳細な説明は後述する。
【0053】
特に、本発明の一実施形態では、第1電極層131a、132aがシード層135の上部面を覆わず、上記セラミック本体110の角部において接続されることができる。
【0054】
すなわち、第1電極層131a、132aが上記セラミック本体110の角部において上記シード層135と電気的に接続されるようにすることで、上記外部電極131、132の厚さをさらに減少させることができる。これにより、同一サイズの積層セラミックキャパシターで内部電極の形成面積をさらに増加させることができ、その結果、内部電極が重なり合う重複面積の増加により、さらに高容量のキャパシターを実現することができる。
【0055】
図2及び
図3を参照すると、第1電極層131a、132aが上記セラミック本体110の角部において上記シード層135と電気的に接続されていることが分かる。
【0056】
第1電極層131a、132aは、第1及び第2内部電極121、122と同一の導電性金属で形成することができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などを単独で用いたり、またはこれらの合金を用いたりして形成することができる。
【0057】
上記めっき層131b、131c、132b、132cは、シード層135及び第1電極層131a、132a上に配置されることができる。
【0058】
すなわち、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面では上記第1電極層131a、132a上に配置され、セラミック本体110の厚さ方向Tにおける少なくとも一面ではシード層135上に配置される。
【0059】
特に、本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132aは、従来のディッピング方式により形成されないため、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面に形成され、シード層135はセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に形成される。
【0060】
これにより、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面、及びセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一部を覆うように形成され、幅方向の両側面には形成されない構造を有する。
【0061】
上記めっき層131b、131c、132b、132cは、これに制限されるものではないが、ニッケルめっき層131b、132bと、その上部に配置されたスズめっき層131c、132cと、を含むことができる。
【0062】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層131aの厚さをT1、上記内部電極121、122のうち最外側の内部電極121が位置する地点における上記第1電極層131aの厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす。
【0063】
上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層131aの厚さT1とは、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部地点において上記セラミック本体110の長さ方向に仮想の線を引いたときに、当該仮想の線が第1電極層131aを横切る長さに対応する第1電極層131aの厚さを意味することができる。
【0064】
同様に、上記内部電極121、122のうち最外側の内部電極122が位置する地点における上記第1電極層132aの厚さT2とは、上記セラミック本体110の厚さ方向における最上部に配置された内部電極の位置において上記セラミック本体110の長さ方向Lに仮想の線を引いたときに、当該仮想の線が第1電極層132aを横切る長さに対応する第1電極層132aの厚さを意味することができる。
【0065】
上記T2/T1の比が0.8≦T2/T1≦1.2を満たすことで、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層131a、132aの厚さT1と、上記内部電極121、122のうち最外側の内部電極121、122が位置する高さ位置における上記第1電極層131a、132aの厚さT2との偏差を減少させて、信頼性の低下を防止することができる。
【0066】
上記T2/T1の比が0.8未満であるか、または1.2を超える場合には、第1電極層131a、132aの厚さの偏差が大きくなるため、厚さが薄い部分にめっき液が浸透して信頼性が低下するという問題があり得る。
【0067】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック本体110の角部における上記第1電極層131a、132aの厚さをT3としたときに、0.4≦T3/T1≦1.0を満たすことができる。
【0068】
上記セラミック本体110の角部における上記第1電極層131a、132aの厚さT3とは、上記セラミック本体110の角部領域に形成されている上記第1電極層131a、132aの厚さを意味することができる。
【0069】
上記T3/T1の比が0.4≦T3/T1≦1.0を満たすことで、上記セラミック本体110の厚さ方向の中央部領域における上記第1電極層131a、132aの厚さT1と、上記セラミック本体110の角部における上記第1電極層131a、132aの厚さT3との偏差を減少させて、信頼性の低下を防止することができる。
【0070】
上記T3/T1の比が0.4未満であるか、または1.0を超える場合には、第1電極層131a、132aの厚さの偏差が大きくなるため、厚さが薄い部分にめっき液が浸透して信頼性が低下するという問題があり得る。
【0071】
図4は本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の断面図である。
【0072】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシターにおいて、上記シード層135は上記セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の一方の面にのみ配置されることができる。
【0073】
上記セラミック本体110の厚さ方向における一面は、積層セラミックキャパシターが基板に実装される際に、基板に実装される面であることができる。
【0074】
上記めっき層131b、131c、132b、132cは、上記セラミック本体110の長さ方向において対向する一端面と他端面及び厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面に延在して配置されることができる。
【0075】
上記めっき層131b、131c、132b、132cは、上記セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の一方の面にのみ配置されたシード層135、及び上記セラミック本体110の長さ方向において対向する両端面の一方の面に配置された第1電極層131a、132a上に配置されることができる。
【0076】
すなわち、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面では上記第1電極層131a、132a上に配置され、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の一方の面ではシード層135上に配置される。
【0077】
特に、本発明の他の実施形態によると、第1電極層131a、132aは、従来のディッピング方式により形成されないため、セラミック本体110の長さ方向Lにおける両端面であるヘッド面に形成され、シード層135はセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の一方の面にのみ形成される。
【0078】
これにより、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面、及びセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の一方の面に形成され、幅方向の両側面には形成されない。
【0079】
本発明の他の実施形態によると、めっき層を含む外部電極の厚さをさらに減少させることができるため、本発明の一実施形態によるキャパシターよりも静電容量がさらに増加するという効果がある。
【0080】
積層セラミック電子部品の製造方法
図5a~
図5cは本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の外部電極の形成工程図である。
【0081】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法は、先ず、チタン酸バリウム(BaTiO3)などの粉末を含んでなるスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥することで複数のセラミックシートを製造し、これにより誘電体層を形成することができる。
【0082】
上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造した後、上記スラリーをドクターブレード法により数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することで製造することができる。
【0083】
次に、導電性金属粉末を含む導電性ペーストを用意することができる。上記導電性金属粉末は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)、または白金(Pt)などを単独で用いたり、または合金を用いたりすることができる。また、粒子の平均サイズは0.1~0.2μmであることができる。この導電性金属粉末を40~50重量%含む内部電極用導電性ペーストを用意することができる。
【0084】
上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などにより塗布することで、内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することで、セラミック本体を製作することができる。
【0085】
図5aを参照すると、上記セラミック本体110の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に、導電性ペーストを用いてシード層135を形成することができる。シード層135を形成するための上記導電性ペーストに含まれる導電性金属は、内部電極と同一であることができ、これに制限されないが、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、または鉛(Pb)などを単独で用いたり、またはこれらの合金を用いたりすることができる。
【0086】
上記導電性ペーストを用いて、印刷工法などによりセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面上の両端部にシード層135を互いに離れるように形成することができる。シード層135を形成する方法は、例えば、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などの方法により行うことができるが、これらに制限されるものではなく、スパッタリング方法や蒸着によって行ってもよい。
【0087】
図5bを参照すると、上記セラミック本体110の長さ方向において互いに対向する両端面に露出している内部電極121、122と接触して電気的に接続されるように、第1電極層131a、132aを形成することができる。第1電極層131a、132aは内部電極と同一の導電性金属で形成することができ、これらに制限されないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などを単独で用いたり、またはこれらの合金を用いたりして形成することができる。
【0088】
上記第1電極層131a、132aを上記セラミック本体110の長さ方向において対向する両端面に形成する方法としては、従来のディッピング方式でなく、シート(Sheet)転写またはパッド(Pad)転写方式によって形成することができる。
【0089】
具体的に、定盤上の圧着ゴム(Rubber)上に第1電極層形成用シート(Sheet)またはパッド(Pad)を位置させた後、セラミック本体を上記シートまたはパッドに圧力を加えながら密着させることで、第1電極層形成用シート(Sheet)またはパッド(Pad)にセラミック本体を付着させる。
【0090】
この際、定盤に熱を加えてシートの延性を増加させることで、シートをセラミック本体の長さ方向における両端面であるヘッド面からシード層が形成されたバンド面まで延在するように付着するとともに、本体とシートとの接着力を増加させる。
【0091】
次に、セラミック本体に付着されたシートの不要な部分を除去するために、定盤上の穿孔ゴム(Punching Rubber)に、シートが付着されたセラミック本体を加圧することで、ゴムの弾性によってシートの本体に付着されていない部分が除去されるようにする。
【0092】
一方、他の方法として、定盤上の圧着ゴム(Rubber)上に、PETフィルムが付着された第1電極層形成用シート(Sheet)を位置させた後、セラミック本体を上記シートに圧力を加えながら密着させることで、第1電極層形成用シート(Sheet)にセラミック本体を付着させる。
【0093】
この際、PETフィルムにより、シートがセラミック本体の角部分で切断されることになり、圧力を除去すると、セラミック本体のヘッド面にのみシートが付着される。
【0094】
この場合、セラミック本体に付着されていないシート部分はPETフィルムに残るため、別の不要なシート除去工程が省略できる。
【0095】
上記の方法による場合、第1電極層は、セラミック本体の長さ方向において互いに対向する両端面であるヘッド面にのみ形成され、セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に形成されたシード層と接続されるため、外部電極の厚さがさらに減少することができる。これにより、高容量の積層セラミックキャパシターを実現することができる。
【0096】
図5cを参照すると、外部電極131、132は、バンド面において、シード層135上にめっき層131b、131c、132b、132cがめっき法により形成されることができ、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面に形成された第1電極層131a、132a上にも形成される。
【0097】
すなわち、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて互いに対向する両端面であるヘッド面では上記第1電極層131a、132a上に形成され、セラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面ではシード層135上に形成される。
【0098】
特に、本発明の一実施形態によると、第1電極層131a、132aは、従来のディッピング方式により形成されないため、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面に形成され、シード層135はセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に形成される。
【0099】
これにより、上記めっき層131b、131c、132b、132cは、セラミック本体110の長さ方向Lにおいて対向する両端面であるヘッド面、及びセラミック本体110の厚さ方向Tにおいて対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に形成され、幅方向の両側面には形成されない構造を有する。
【0100】
上記めっき層131b、131c、132b、132cは、これらに制限されるものではないが、ニッケルめっき層131b、132bと、その上部に配置されたスズめっき層131c、132cと、を含むことができる。
【0101】
その他、上述の本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の特徴についての説明と同一の説明はここでは省略する。
【0102】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
以下の項目もまた開示される。
[項目1]
誘電体層、及び前記誘電体層を間に挟んで積層され、長さ方向において互いに対向する一端面と他端面に交互に露出するように形成された内部電極を含むセラミック本体と、
前記セラミック本体の外側に配置された外部電極と、を含み、
前記外部電極は、前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に配置されたシード層と、前記内部電極及びシード層と電気的に接続された第1電極層と、前記シード層及び前記第1電極層上に配置されたメッキ層と、を含み、
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記内部電極のうち最上部に積層された内部電極が位置する高さ位置における前記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、積層セラミック電子部品。
[項目2]
前記第1電極層と前記シード層は、前記セラミック本体の角部において接続される、項目1に記載の積層セラミック電子部品。
[項目3]
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記セラミック本体の角部における前記第1電極層の厚さをT3としたときに、0.4≦T3/T1≦1.0を満たす、項目1または項目2に記載の積層セラミック電子部品。
[項目4]
前記第1電極層は、前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面に配置される、項目1から項目3の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
[項目5]
前記第1電極層は、前記シード層の上部面の少なくとも一部を覆うように延在して配置される、項目1から項目4の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
[項目6]
前記シード層は、前記セラミック本体の厚さ方向にいて対向する上端面と下端面の一方の面にのみ配置される、項目1から項目5の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
[項目7]
前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面は、前記セラミック本体が基板に実装される際の実装面である、項目6に記載の積層セラミック電子部品。
[項目8]
前記メッキ層は、前記セラミック本体の長さ方向における両端面及び厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面に延在して配置される、項目6または項目7に記載の積層セラミック電子部品。
[項目9]
複数のセラミックシートを用意する段階と、
前記複数のセラミックシートのそれぞれの上に導電性ペーストを用いて内部電極パターンを形成する段階と、
前記内部電極パターンが形成されたセラミックシートを積層することで、内部に互いに対向するように配置される内部電極を含むセラミック本体を形成する段階と、
前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面にシード層を形成する段階と、
前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面に、前記内部電極と接続され、且つ前記シード層と接続されるように第1電極層を形成する段階と、
前記第1電極層及びシード層上にメッキ層を形成することで、外部電極を形成する段階と、を含み、
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記内部電極のうち最上部に積層された内部電極が位置する高さ位置における前記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目10]
前記第1電極層と前記シード層は、前記セラミック本体の角部において接続される、項目9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目11]
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記セラミック本体の角部における前記第1電極層の厚さをT3としたときに、0.4≦T3/T1≦1.0を満たす、項目9または項目10に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目12]
前記第1電極層は、前記シード層の上部面の少なくとも一部を覆うように延在して配置される、項目9から項目11の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目13]
前記シード層は、前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面にのみ配置される、項目9から項目12の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目14]
前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面は、前記セラミック本体が基板に実装される際の実装面である、項目13に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目15]
前記メッキ層は、前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面及び厚さ方向において対向する上端面と下端面の一方の面に延在して形成される、項目13または項目14に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目16]
前記第1電極層を形成する段階は、シート転写またはパッド転写方式によって行われる、項目13から項目15の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
[項目17]
誘電体層、及び前記誘電体層を間に挟んで交互に積層された内部電極を含むセラミック本体と、
前記内部電極と接続されるように前記セラミック本体の外側に配置された外部電極と、を含み、
前記外部電極は、前記セラミック本体の厚さ方向において対向する上端面と下端面の少なくとも一方の面に配置されたシード層と、前記内部電極と電気的に接続された第1電極層と、前記シード層及び前記第1電極層上に配置されためっき層と、を含み、
前記第1電極層は、前記セラミック本体の長さ方向において対向する両端面にのみ形成される、積層セラミック電子部品。
[項目18]
前記セラミック本体の厚さ方向の中央部領域における前記第1電極層の厚さをT1、前記内部電極のうち最上部に積層された内部電極が位置する高さ位置における前記第1電極層の厚さをT2としたときに、0.8≦T2/T1≦1.2を満たす、項目17に記載の積層セラミック電子部品。
[項目19]
前記セラミック本体の角部における前記第1電極層の厚さをT3としたときに、0.4≦T3/T1≦1.0を満たす、項目17または項目18に記載の積層セラミック電子部品。
[項目20]
前記外部電極は、前記セラミック本体の幅方向において対向する両側面には形成されない、項目17から項目19の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
[項目21]
前記シード層は、前記セラミック本体の厚さ方向における上端面に配置される第1シード層及び第2シード層と、前記セラミック本体の厚さ方向における下端面に配置される第3シード層及び第4シード層と、を含み、
前記第1シード層及び前記第2シード層は、前記セラミック本体の上面において長さ方向に沿って互いに相対する両側の端部にそれぞれ配置され、前記第3シード層及び前記第4シード層は、前記セラミック本体の下面において長さ方向に沿って互いに相対する両側の端部にそれぞれ配置される、項目17から項目20の何れか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【符号の説明】
【0103】
100 積層セラミックキャパシター
110 セラミック本体
111 誘電体層
121 第1内部電極
122 第2内部電極
131 第1外部電極
132 第2外部電極
131a、132a 第1電極層
131b、132b、131c、132c めっき層
135 シード層