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  • 特開-非免疫原性単一ドメイン抗体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034038
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】非免疫原性単一ドメイン抗体
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/00 20060101AFI20220222BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20220222BHJP
【FI】
C07K16/00 ZNA
C12N15/13
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211253
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2017538374の分割
【原出願日】2016-01-21
(31)【優先権主張番号】62/106,035
(32)【優先日】2015-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519050439
【氏名又は名称】インヒブルクス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン ピー.エッケルマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン シー.ティマー
(72)【発明者】
【氏名】クイン デブロー
(57)【要約】
【課題】非免疫原性単一ドメイン抗体の生成。
【解決手段】本発明は、既存の抗体による認識を防ぐヒト又はヒト化単一ドメイン抗体フラグメント(sdAb)内の修飾、それらの修飾を含む単離されたポリペプチド、並びにその方法及び使用を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ドメイン抗体(sdAb)であって、単一ドメイン抗体(sdAb)を特異的に認識する抗体による単一ドメイン抗体(sdAb)の認識を防ぐ少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異が、カバット(Kabat)によるLeu11位の突然変異であり、前記Leu11位の突然変異が、Leu11Lys(L11K)、Leu11Arg(L11R)、Leu11Asp(L11D)、又はLeu11Glu(L11E)であり、ここで、カルボキシ末端が、TVE、TVK、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、TVRPGG(配列番号51)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項2】
前記Leu11位の突然変異が、Leu11Lys(L11K)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項3】
前記Leu11位の突然変異が、Leu11Glu(L11E)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項4】
前記Leu11位の突然変異が、Leu11Lys(L11K)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項5】
前記Leu11位の突然変異が、Leu11Glu(L11E)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項6】
単一ドメイン抗体(sdAb)を特異的に認識する抗体による単一ドメイン抗体(sdAb)の認識を防ぐ少なくとも1つの突然変異をさらに含み、ここで、少なくとも1つの突然変異が、カバット(Kabat)によるAla88位の突然変異であり、前記Ala88位の突然変異が、Ala88Glu(A88E)、Ala88Asp(A88D)、Ala88Arg(A88R)、又はAla88Lys(A88K)である、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項7】
単一ドメイン抗体(sdAb)であって、単一ドメイン抗体(sdAb)を特異的に認識する抗体による単一ドメイン抗体(sdAb)の認識を防ぐ少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異が、カバット(Kabat)によるAla88位の突然変異であり、前記Ala88位の突然変異が、Ala88Glu(A88E)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項8】
単一ドメイン抗体(sdAb)であって、単一ドメイン抗体(sdAb)を特異的に認識する抗体による単一ドメイン抗体(sdAb)の認識を防ぐ少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異が、カバット(Kabat)によるAla88位の突然変異であり、前記Ala88位の突然変異が、Ala88Lys(A88K)であり、かつ、前記カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単一ドメイン抗体(sdAb)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2015年1月21日に出願された米国仮出願番号62/106,035の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、既存の抗体による認識を防ぐヒト又はヒト化単一ドメイン抗体フラグメント(sdAb)内の修飾、その修飾を含む単離されたポリペプチド、並びに、その方法及び使用に関する。
【0003】
配列表の組み込み
2016年1月20比に作成され、サイズが10.0KBである「INHI018001WO_ST25」という名称のテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
生物療法剤の臨床的な免疫原性は、有効性を制限し、有害事象に寄与し得る。細胞性及び体液性免疫原性のいずれも臨床現場で問題となり得る。非ヒト供給源に由来する抗体において最も多く観察される、免疫原性又はその脅威は、潜在的な免疫原性を軽減するための広範なタンパク質工学及びプラットフォームの革新をもたらした。これらには、ヒト化、ヒューマニアリング(humaneering)、ベニヤリング(veneering)、及び完全ヒト抗体プラットフォームの開発が含まれる。しかしながら、完全ヒト抗体及び抗体フラグメントであっても、免疫原性であるリスクを有する。免疫原性はしばしば、抗体のCDR領域に向けられる。逆に、単一ドメイン抗体の場合などに、フレームワーク領域に向けられる免疫原性も観察されている。かなりの割合の人々が、単一ドメイン抗体内のクリプティックエピトープ(cryptic epitopes)に対する既存の抗体を有することが注目されている。それゆえ、非免疫原性単一ドメイン抗体の生成が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明の修飾された単一ドメイン抗体(sdAb)フラグメントは、VHH、VNAR、操作されたVH又はVKドメインを含むが、これらに限定されない、多数の供給源に由来し得る。VHHは、ラクダ科重鎖のみの抗体及びそのライブラリーから作製することができる。VNARは、軟骨魚重鎖のみの抗体及びそのライブラリーから作製することができる。従来のヘテロ二量体VH及びVKドメインから単量体sdAbを生成するために、インターフェース工学及び特定の生殖系列ファミリーの選択を含む、様々な方法が実施されている。好ましい実施形態では、本発明の修飾されたsdAbはヒト又はヒト化である。
【0006】
既存の抗ヒト単一ドメイン抗体(sdAb)抗体(ASDA)は、sdAbが遊離カルボキシ末端を有するように配置される形式で最も一般的に観察される。本発明は、ASDA認識を無効にする、ヒト又はヒト化sdAb領域内の突然変異を提供する。本発明のいくつかの実施形態では、sdAbはフレームワーク1領域(FW1)内で変更又は修飾される。別の実施形態では、sdAbはフレームワーク2領域(FW2)内で変更又は修飾される。別の実施形態では、sdAbはフレームワーク3領域(FW3)内で変更又は修飾される。別の実施形態では、sdAbはフレームワーク4領域(FW4)内で変更又は修飾される。これらの修飾には、突然変異、短縮(truncation)、伸長、又はそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、sdAbは単一領域内で修飾される。別の実施形態では、sdAbは2つ以上の領域で修飾される。例えば、sdAbは、フレームワーク1及びフレームワーク4内で修飾され得る。本発明のsdAb修飾は、タンパク質の結合親和性、特異性、発現可能性又は安定性を実質的に減少させることなく、ASDA認識を無効にする。本明細書で使用される全てのナンバリングはカバットナンバリング(Kabat Numbering)を指す。
【0007】
sdAbのフレームワーク4での例示的な修飾を、ヒトVHカルボキシ末端残基(Leu/Thr108、Val109、Thr110、Val111、Ser112、Ser113; LVTVSS)に整列して以下に示す:
108 LVTVSS 113(天然ヒトVH配列、配列番号58)
108 LVEIK 112(配列番号1)
108 LVTVE 112(配列番号2)
108 LVTVSE 113(配列番号3)
108 LVTVEG 113(配列番号4)
108 LVTVSEG 114(配列番号5)
108 LVTVK 112(配列番号6)
108 LVTVS 112(配列番号7)
108 LVTVSK 113(配列番号8)
108 LVTVKG 113(配列番号9)
108 LVTVSKG 114(配列番号10)
108 LVTVSKPG 115(配列番号30)
108 LVTVSKPGG 116(配列番号31)
108 LVTVKP 113(配列番号32)
108 LVTVKPG 114(配列番号33)
108 LVTVKPGG 115(配列番号34)
108 LVTVRP 113(配列番号35)
108 LVTVRPG 114(配列番号36)
108 LVTVRPGG 115(配列番号37)
108 LVTVEP 113(配列番号38)
108 LVTVEPG 114(配列番号39)
108 LVTVEPGG 115(配列番号40)
108 LVTVDP 113(配列番号41)
108 LVTVDPG 114(配列番号42)
108 LVTVDPGG 115(配列番号43)
108 EVTVSS 113(配列番号11)
108 KVTVSS 113(配列番号12)
108 LVEVSS 113(配列番号13)
108 LVKVSS 113(配列番号14)
108 EVEVSS 113(配列番号15)
108 EVKVSS 113(配列番号16)
108 KVKVSS 113(配列番号17)
108 KVEVSS 113(配列番号18)
【0008】
sdAbへの例示的なカルボキシ末端伸長をヒトVHカルボキシ末端残基(Leu/Thr108、Val109、Thr110、Val111、Ser112、Ser113; LVTVSS)に整列して以下に示す:
108 LVTVSS 113(天然ヒトVH配列、配列番号58)
108 LVTVSSA 114(配列番号19)
108 LVTVSSG 114(配列番号20)
108 LVTVSSGG 115(配列番号21)
108 LVTVSSGGG 116(配列番号22)
108 LVTVSSGGGG 117(配列番号23)
【0009】
いくつかの実施形態では、sdAbはフレームワーク1内のLeu11位で修飾される。例えば、Leu11位での修飾はLeu11Lys(L11K)、Leu11Arg(L11R)、Leu11Glu(L11E)又はLeu11Asp(L11D)である。いくつかの実施形態では、sdAbはLeu11位及びそのカルボキシ末端領域内で修飾される。例えばL11K、L11R、L11E又はL11D及び、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、TVRPGG(配列番号51)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、TVDPGG(配列番号57)の末端配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、sdAbは、正に荷電した残基で11位で修飾され(例えばL11K又はL11R)、かつ、112位又は113位での負に荷電した残基を含むカルボキシ末端修飾と対になる。例えば、L11K又はL11Rは、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、又はTVDPGG(配列番号57)のカルボキシ末端修飾と対になる。
【0011】
いくつかの実施形態では、sdAbは、負に荷電した残基で11位で修飾され(例えばL11E又はL11D)、かつ、112位又は113位での正に荷電した残基を含むカルボキシ末端修飾と対になる。例えば、L11E又はL11Dは、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、又はTVRPGG(配列番号51)のカルボキシ末端修飾と対になる。
【0012】
いくつかの実施形態では、sdAbは、正に荷電した残基11位で修飾され(例えばL11K又はL11R)、かつ、112位又は113位での正に荷電した残基を含むカルボキシ末端修飾と対になる。例えば、L11K又はL11Rは、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、又はTVRPGG(配列番号51)のカルボキシ末端修飾と対になる。
【0013】
いくつかの実施形態では、sdAbは、負に荷電した残基で11位で修飾され(例えばL11E又はL11D)、かつ、112位又は113位での負に荷電した残基を含むカルボキシ末端修飾と対になる。例えば、L11E又はL11Dは、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、又はTVDPGG(配列番号57)のカルボキシ末端修飾と対になる。
【0014】
恐らく、sdAbの11位及び112位又は11位及び113位に導入される対立する荷電残基が存在する実施形態では、新たに付加された負電荷対及び正電荷対によって新たな静電相互作用が可能である。恐らく、11位及び112位又は11位及び113位に導入された残基が同じ電荷である実施形態では、それらのアミノ酸のこれらの側の配向は互いに離れた位置となるが、依然として、修飾されたsdAbの既存のASDA認識である認識部位を閉塞することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、sdAbは、フレームワーク3内のAla88位で修飾される。例えば、当該Ala88位での修飾は、Ala88Glu(A88E)、Ala88Asp(A88D)、Ala88Lys(A88K)又はAla88Arg(A88R)である。いくつかの実施形態では、sdAbは、Ala88位で及びそのカルボキシ末端領域内で修飾される。例えばA88E、A88D、A88K又はA88R、及びTVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、TVRPGG(配列番号51)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、又はTVDPGG(配列番号57)の末端配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、sdAbは、Leu11位及びAla88位で修飾される。例えば、L11E/A88E、L11E/A88D、L11E/A88K、L11E/A88R、L11D/A88E、L11D/A88D、L11D/A88K、L11D/A88R、L11K/A88E、L11K/A88D、L11K/A88K、L11K/A88R、L11R/A88E、L11R/A88D、L11R/A88K又はL11R/A88R。いくつかの実施形態では、sdAbは、Leu11位及びAla88位で修飾され、かつ、修飾されたカルボキシ末端領域と対になる。例えば、L11E/A88E、L11E/A88D、L11E/A88K、L11E/A88R、L11D/A88E、L11D/A88D、L11D/A88K、L11D/A88R、L11K/A88E、L11K/A88D、L11K/A88K、L11K/A88R、L11R/A88E、L11R/A88D、L11R/A88K又はL11R/A88R、及びTVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、TVRPGG(配列番号51)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、又はTVDPGG(配列番号57)の末端配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、ASDA認識を防ぐために修飾された例示的な位置を強調しているVHドメインの構造モデルの概略図である。
図2図2は、ASDA認識における免疫原性sdAbの様々な例示的な修飾の影響を実証するASDAアッセイのグラフである。エンブレル(TNFR2-Fc)を非ASDA認識対照として含めた。C-末端伸長を、天然末端残基と伸長の開始との間に「.」で示している。C-末端短縮を除外された残基の部位に「_」で示している。
図3A図3A及び3Bは、ASDA認識における免疫原性sdAbの様々な修飾の影響を実証するASDAアッセイの一連のグラフである。エンブレル(TNFR2-Fc)を、非ASDA認識対照として含めた。
図3B図3A及び3Bは、ASDA認識における免疫原性sdAbの様々な修飾の影響を実証するASDAアッセイの一連のグラフである。エンブレル(TNFR2-Fc)を、非ASDA認識対照として含めた。
図4図4は、ASDA認識における免疫原性sdAbの様々な修飾の影響を実証するASDAアッセイのグラフである。エンブレル(TNFR2-Fc)を、非ASDA認識対照として含めた。ここでは、フレームワーク1修飾をフレームワーク4修飾と組み合わせた。
図5A図5A及び5Bは、L11で修飾されておらず、かつ天然のカルボキシ末端配列TVSSを有するヒト化VHHと比較した、カルボキシ末端TVKPGGと対になったL11Eを有するヒト化VHHの二重修飾の、影響を実証する間接的なASDAアッセイの一連のグラフである。
図5B図5A及び5Bは、L11で修飾されておらず、かつ天然のカルボキシ末端配列TVSSを有するヒト化VHHと比較した、カルボキシ末端TVKPGGと対になったL11Eを有するヒト化VHHの二重修飾の、影響を実証する間接的なASDAアッセイの一連のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
単一ドメイン抗体(sdAb)は、特異的抗原に選択的に結合することができる、単一単量体可変抗体ドメインからなる抗体フラグメントである。例えば、Hamers-Casterman, C.,ら、「Naturally occurring antibodies devoid of light chains」、Nature vol. 363: 446-448 (1993); Nguyen, V. K.,ら、「Camel heavy-chain antibodies: diverse germline V(H)H and specific mechanisms enlarge the antigen-binding repertoire」、EMBO, vol. 19: 921-30 (2000); Achour, I.,ら、「Tetrameric and homodimeric camelid IgGs originate from the same IgH locus」、J. Immunol., vol. 181: 2001-2009 (2008); Harmsen,ら、「Llama heavy-chain V regions consist of at least four distinct subfamilies revealing novel sequence features」、Mol. Immunol., vol. 37: 579-590 (2000); Arbabi Ghahroudi, M.,ら、「Selection and identification of single domain antibody fragments from camel heavy-chain antibodies」、FEBS Lett. vol. 414: 521-526 (1997);及びVinckeら、「General Strategy to Humanize a Camelid Single-domain Antibody and Identification of a Universal Humanized Nanobody Scaffold」、J. Biol. Chem., vol. 284(5): 3273-84 (2009)(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0019】
わずか12~15kDaの分子量で、単一ドメイン抗体は、2本の重タンパク質鎖及び2本の軽鎖からなる一般的な抗体(150~160kDa)よりも非常に小さく、Fabフラグメント(~50kDa、1本の軽鎖及び半分の重鎖)及び一本鎖可変フラグメント(~25kDa、2本の可変ドメイン、軽鎖から1本及び重鎖から1本)よりもさらに小さい。
【0020】
単一ドメイン抗体は、その相補性決定領域が単一ドメインポリペプチドの一部である抗体である。例としては、これらに限定されるものではないが、重鎖抗体、軽鎖を天然に欠く抗体、従来の4鎖抗体に由来する単一ドメイン抗体、操作された抗体、及び抗体に由来するもの以外の単一ドメイン足場が挙げられる。単一ドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤギ、ウサギ、及び/又はウシを含むが、これらに限定されない、任意の種由来であってもよい。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、本明細書で使用される場合、軽鎖を欠く重鎖抗体として知られている、天然に存在する単一ドメイン抗体である。明確にするために、軽鎖を天然に欠く重鎖抗体に由来するこの可変ドメインは、本明細書でVHHとして知られており、4本鎖免疫グロブリンの従来のVHと区別する。そのようなVHH分子は、ラクダ科の種、例えばラクダ、ラマ、ヒトコブラクダ(dromedary)、アルパカ及びグアナコにおいて産生された抗体に由来し得る。ラクダ科以外の他の種は軽鎖を天然に欠く重鎖抗体を産生する可能性があり;そのようなVHHは本発明の範囲内である。
【0021】
単一ドメイン抗体は、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ、アルパカ又はサメを所望の抗原で免疫化し、続いて重鎖抗体をコードするmRNAを単離することによって得られる。逆転写及びポリメラーゼ連鎖反応によって、数百万個のクローンを含む単一ドメイン抗体の遺伝子ライブラリーが作製される。ファージディスプレイ及びリボソームディスプレイのようなスクリーニング技術は、抗原に結合するクローンの同定に役立つ(例えば、Arbabi Ghahroudi,M.;Desmyter、A.ら(1997)「Selection and identification of single domain antibody fragments from camel heavy-chain antibodies」FEBS Letters 414(3): 521-526参照)。
【0022】
異なる方法は、予め免疫化されていない動物からの遺伝子ライブラリーを使用する。そのようなナイーブ(naive)ライブラリーは通常、所望の抗原に対する低い親和性を有する抗体のみを含み、追加のステップとしてランダム突然変異誘発による親和性成熟を適用することを必要とする(Saerens,D.ら(2008)「Single-domain antibodies as building blocks for novel therapeutics」Current Opinion in Pharmacology 8(5): 600-608)。
【0023】
最も強力なクローンが同定されたら、そのDNA配列を最適化し、例えばその酵素に対する安定性を改善する。別の目標は、抗体に対する人体の免疫学的反応を防ぐためのヒト化である。ヒト化はラクダ科VHHとヒトVHフラグメントとの間の相同性による問題ではない(例えば、Saerensら、(2008)「Single-domain antibodies as building blocks for novel therapeutics」Current Opinion in Pharmacology 8(5): 600-608参照)。最終ステップは、大腸菌(E.coli)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)又は他の好適な微生物での、最適化した単一ドメイン抗体の翻訳である。
【0024】
単一ドメイン抗体フラグメントは従来の抗体にも由来する。いくつかの実施形態では、単一ドメイン抗体は、4本鎖を有する一般的なマウス又はヒトIgGから作製され得る(Holt,L.J.ら(2003)「Domain antibodies: proteins for therapy」Trends in Biotechnology 21(11): 484-490)。プロセスは同様であり、免疫化した又はナイーブなドナーからの遺伝子ライブラリー、及び最も特異的な抗原の同定のためのディスプレイ技術を含む。このアプローチの問題は、一般的なIgGの結合領域が2つのドメインからなり(VH及びVL)、その親油性のために二量体化又は凝集する傾向があることである。単量体化は通常、親水性アミノ酸で親油性アミノ酸を置換することによって達成されるが、しばしば、抗原への親和性の喪失をもたらす(例えば、Borrebaeck,C.A.K.;Ohlin,M.(2002)「Antibody evolution beyond Nature」Nature Biotechnology 20(12): 1189-90参照)。親和性を保持することができれば、単一ドメイン抗体を同様に大腸菌、S.セレビシエ又は他の微生物で産生することができる。
【0025】
本明細書に記載されたヒト又はヒト化単一ドメイン抗体フラグメント内の修飾は、産生方法に関わらず、任意の単一ドメイン抗体フラグメントで有用である。
【0026】
本発明は、単一ドメイン抗体を特異的に認識する抗体によるsdAbの認識を防ぐ少なくとも1つの突然変異を含む、単一ドメイン抗体(sdAb)又はその抗原結合フラグメントを提供する。いくつかの実施形態では、前記突然変異は、フレームワーク領域における少なくとも1つの突然変異である。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記突然変異は少なくとも1つのフレームワーク4突然変異である。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク4突然変異は、配列番号1~18又は30~43からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記突然変異はカルボキシ末端アミノ酸伸長である。いくつかの実施形態では、前記カルボキシ末端アミノ酸伸長は、配列番号19~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記突然変異は少なくとも1つのフレームワーク1突然変異である。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク1突然変異は、Leu11位の突然変異を含む。いくつかの実施形態では、前記Leu11位の突然変異は、Leu11Lys(L11K)、Leu11Arg(L11R)、Leu11Asp(L11D)、又はLeu11Glu(L11E)である。いくつかの実施形態では、前記単一ドメイン抗体はカルボキシ末端における突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記カルボキシ末端における突然変異が、配列番号24~29又は30~43からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク1領域がLeu11Lys(L11K)を含み、かつ、前記カルボキシ末端における突然変異が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク1領域がLeu11Glu(L11E)を含み、かつ、前記カルボキシ末端における突然変異が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記突然変異は少なくとも1つのフレームワーク3突然変異である。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク3突然変異はAla88位の突然変異を含む。いくつかの実施形態では、前記Ala88位の突然変異は、Ala88Glu(A88E)、Ala88Asp(A88D)、Ala88Arg(A88R)、又はAla88Lys(A88K)である。いくつかの実施形態では、前記単一ドメイン抗体は、カルボキシ末端における突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記カルボキシ末端における突然変異が、配列番号24~29及び44~57からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク3領域がAla88Glu(A88E)を含み、かつ、前記カルボキシ末端における突然変異が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、前記フレームワーク3領域がAla88Lys(A88K)を含み、かつ、前記カルボキシ末端における突然変異が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0031】
本明細書で言及した全ての特許及び刊行物は、それぞれの独立した特許及び刊行物が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
定義
他に定義されない限り、本発明に関連して使用される科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈で特に要求されない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。一般に、本明細書に記載された、細胞及び組織培養、分子生物学、並びにタンパク質及びオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド化学並びにハイブリダイゼーションの技術、並びにそれらに関連して使用される命名法は、当該技術分野においてよく知られており、かつ一般的に使用されるものである。標準的な技術が、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、及び組織培養及び形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)に使用される。酵素反応及び精製技術は製造業者の仕様に従って、又は当該技術分野で一般的に行われるように、又は本明細書に記載されたように実施される。前述の技術及び手法は一般的に、当該技術分野でよく知られた従来の方法に従って、並びに、本明細書を通して引用され議論されている様々な一般的及びより具体的な参考文献に記載されているように実施される。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2d ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989))参照。本明細書に記載された分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び薬化学に関連して使用される命名法、並びにその実験手法及び技術は、当該技術分野においてよく知られており、一般的に使用されるものである。標準的な技術が、化学合成、化学分析、薬学的調製、製剤、及び送達、及び患者の処置に使用される。
【0033】
本開示に関連して使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0034】
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」又は「と免疫応答する」又は「に対して向けられる」とは、抗体が所望の抗原の1つ又は複数の抗原決定基と反応し、かつ、他のポリペプチドと反応しないか、又は非常に低い親和性(Kd>10-6)で結合することを意味する。抗体としては、これらに限定されるものではないが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、dAb(ドメイン抗体)、一本鎖、Fab、Fab’及びF(ab’)2フラグメント、Fv、scFvs、Fab発現ライブラリー、及び単一ドメイン抗体(sdAb)フラグメント、例えばVHH、VNAR、操作されたVH又はVKが挙げられる。
【0035】
用語「抗原結合部位」又は「結合部分」は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の部分をいう。抗原結合部位は、重鎖(「H」)及び軽鎖(「L」)のN-末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。「超可変領域」と呼ばれる、重鎖及び軽鎖のV領域内の3つの高度に異なるストレッチは、「フレームワーク領域」又は「FR」として知られる、より保存された隣接ストレッチの間に挿入される。したがって、用語「FR」は、免疫グロブリンの超可変領域の間に天然に存在し、それと隣接している、アミノ酸配列をいう。抗体分子において、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域は、抗原結合表面を形成するために三次元空間において互いに関連して配置される。抗原結合表面は結合抗原の三次元表面に相補的であり、重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は「相補性決定領域」又は「CDR」と呼ばれる。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、KabatのSequences of Proteins of Immunological Interestの定義に従う(National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1987及び1991))、又は Chothia & Lesk J.Mol.Biol.196:901~917(1987)、Chothiaら、Nature 342:878~883(1989)。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「エピトープ」は、免疫グロブリン又はそのフラグメント、あるいはT細胞受容体に/によって特異的に結合することができる、任意のタンパク質決定基を含む。用語「エピトープ」は、免疫グロブリン又はT細胞受容体に/によって特異的に結合することができる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は通常、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基(surface groupings)からなり、通常、特異的な三次元構造特性、並びに特異的な電荷特性を有する。抗体は、解離定数が≦1μM;例えば、≦100nM、好ましくは≦10nM、そしてより好ましくは≦1nMである場合に、抗原に特異的に結合すると言われている。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「免疫学的結合」、及び「免疫学的結合特性」は、免疫グロブリン分子と免疫グロブリンが特異的な抗原との間で生じるタイプの非共有的相互作用をいう。免疫学的結合相互作用の強度又は親和性は相互作用の解離定数(Kd)によって表すことができ、ここで、より小さいKdはより大きな親和性を表す。選択されたポリペプチドの免疫学的結合特性は、当該技術分野でよく知られている方法を用いて定量することができる。そのような方法の1つは、抗原-結合部位/抗原複合体形成及び解離の速度を測定することを必要とし、ここで、それらの速度は、複合体パートナーの濃度、相互作用の親和性、及び両方向の速度に等しく影響を及ぼす幾何学的パラメータに依存する。したがって、「オンレート(on rate)定数」(kon)及び「オフレート(off rate)定数」(koff)のいずれも、濃度及び会合と解離との実際の速度の計算によって決定することができる(Nature 361:186~87(1993)参照)。koff/konの比は、親和性に関連しない全てのパラメータの相殺を可能にし、解離定数Kdに等しい(一般的に、Daviesら(1990)Annual Rev Biochem 59:439~473参照)。本発明の抗体は、アッセイ、例えば放射性リガンド結合アッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、フローサイトメトリー結合アッセイ、又は当業者に知られている同様のアッセイによって測定された、平衡結合定数(Kd)が≦1μM、好ましくは≦100nM、より好ましくは≦10nM、そして最も好ましくは≦100pMから約1pMである場合に、抗原に特異的に結合すると言われている。
【0038】
ポリペプチドに適用される場合、用語「実質的同一性」とは、2つのペプチド配列が、デフォルトのギャップ重量を使用して例えばプログラムGAP又はBESTFITによって最適に整列される場合、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも95パーセントの配列同一性、そして最も好ましくは少なくとも99パーセントの配列同一性を共有することを意味する。
【0039】
好ましくは、同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。
【0040】
保存的アミノ酸置換とは、類似の側鎖を有する残基の互換性をいう。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリン及びスレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンであり;及び硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システイン及びメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換基は:バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニンバリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。
【0041】
本明細書で論じる場合、抗体又は免疫グロブリン分子のアミノ酸配列におけるわずかな変化は、当該アミノ酸配列における変化が少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、そして最も好ましくは99%を維持する場合に、本発明に包含されると考えられる。特に、保存的アミノ酸置換が企図される。保存的置換は、その側鎖に関連するアミノ酸のファミリー内で起こる置換である。遺伝的にコードされたアミノ酸は、一般的に次のファミリーに分けられる:(1)酸性アミノ酸はアスパラギン酸、グルタミン酸であり;(2)塩基性アミノ酸はリジン、アルギニン、ヒスチジンであり;(3)非極性アミノ酸はアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンであり、並びに(4)非荷電極性アミノ酸はグリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシンである。親水性アミノ酸には、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、セリン、及びスレオニンが含まれる。疎水性アミノ酸には、アラニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン及びバリンが含まれる。アミノ酸の他のファミリーには、(i)脂肪族-ヒドロキシファミリーである、セリン及びスレオニン;(ii)アミド含有ファミリーである、アスパラギン及びグルタミン;(iii)脂肪族ファミリーである、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン;並びに(iv)芳香族ファミリーである、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシン、が含まれる。例えば、イソロイシン又はバリンによるロイシンの、グルタミン酸によるアスパラギン酸の、セリンによるスレオニンの単独置換(isolated replacement)、又は構造的に関連するアミノ酸によるアミノ酸の同様の置換は、特にその置換がフレームワーク部位内のアミノ酸に関与しない場合、得られる分子の結合又は特性に大きな影響を与えることになると予想するのが合理的である。アミノ酸変化が機能的ペプチドを生じるかどうかは、ポリペプチド誘導体の特異的な活性をアッセイすることによって容易に決定することができる。アッセイを本明細書に詳細に記載する。抗体又は免疫グロブリン分子のフラグメント又はアナログは当業者によって容易に調製され得る。フラグメント又はアナログの好ましいアミノ末端及びカルボキシ末端は機能的ドメインの境界付近で生じる。構造的及び機能的ドメインは、公的な又は独自の配列データベースとヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列データとの比較によって同定することができる。好ましくは、コンピューター化された比較方法が、既知の構造及び/又は機能の他のタンパク質に生じる、配列モチーフ又は予測されるタンパク質コンフォメーションドメインを同定するために使用される。既知の三次元構造に折り畳まれるタンパク質配列を同定するための方法が知られている。Bowieら、Science 253:164(1991)。したがって、前述の例は、当業者が、本発明に従って構造的及び機能的ドメインを定義するために使用され得る配列モチーフ及び構造的コンフォメーションを認識することができることを示している。
【0042】
好ましいアミノ酸置換は、以下:(1)タンパク質分解に対する感受性を低減し、(2)酸化に対する感受性を低減し、(3)タンパク質複合体形成のための結合親和性を変化させ、4)結合親和性を変化させ、そして(4)そのようなアナログの他の物理化学的又は機能的特性を与え又は修飾するものである。アナログは、天然に存在するペプチド配列以外の配列の様々な突然変異タンパク質を含み得る。例えば、単一又は複数のアミノ酸置換(好ましくは保存的アミノ酸置換)は、天然に存在する配列において(好ましくは分子間接触を形成するドメイン(複数)の外側のポリペプチドの部分において)成され得る。保存的アミノ酸置換は親配列の構造的特徴を実質的に変化させてはならない(例えば、置換アミノ酸は、親配列に生じるヘリックスを破壊する傾向があってはならず、あるいは、親配列を特徴づける他のタイプの二次構造を破壊してはならない)。当該技術分野において認められているポリペプチドの二次的及び三次的構造の例は、Proteins, Structures and Molecular Principles (Creighton, Ed., W. H. Freeman and Company, New York (1984)); Introduction to Protein Structure (C. Branden and J. Tooze, eds., Garland Publishing, New York, N.Y. (1991));及びhorntonら、Nature 354:105 (1991)に記載されている。
【0043】
用語「ポリペプチドフラグメント」は、本明細書で使用される場合、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端欠失を有するが、残りのアミノ酸配列が、例えば全長cDNA配列から推定される、天然に存在する配列の対応する位置と同一である、ポリペプチドをいう。フラグメントは典型的には、少なくとも5、6、8又は10アミノ酸長、好ましくは少なくとも14アミノ酸長、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長、通常少なくとも50アミノ酸長、さらにより好ましくは少なくとも70アミノ酸長である。
【0044】
本開示において、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する」、「有する」などは、米国特許法において帰属される意味を有することができ、そして、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」などを意味することができる;用語「本質的に~からなる」又は「~から本質的になる」は同様に米国特許法に帰する意味を有し、これらの用語はオープンエンドであり、記載されているものの基本的又は新規な特徴が、記載されているもの以上の存在によって変更されるものではなく、従来技術の実施形態を排除するものである限り、記載されているもの以上の存在を可能にする。
【0045】
「フラグメント」とは、ポリペプチド又は核酸分子の一部分を意味する。この一部分は、好ましくは、参照核酸分子又はポリペプチドの全長の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%を含む。フラグメントは、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000ヌクレオチド又はアミノ酸を含み得る。
【0046】
本明細書で与えられる範囲は、範囲内の全ての値について簡略化されると理解される。例えば、1~50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の任意の数字、数字の組み合わせ、あるいはそれらからなる群からの部分範囲を含むものと理解される。
【0047】
具体的に記載されているか、文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「a」、「an」、及び「the」は、単数又は複数であると理解される。具体的に記載されているか、文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「又は」は包括的であると理解される。
【0048】
具体的に記載されているか、文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、用語「約」は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば平均の2標準偏差内、として理解される。約とは、記載された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%内として理解され得る。文脈から特に明らかでない限り、本明細書に与えられた全ての数値は、用語「約」によって修飾される。
【実施例0049】
直接的な抗単一ドメイン抗体(ASDA)検出アッセイは、ヒトドナー由来の血清中の既存のASDAを決定するのに有用である。一般に、ヒト血清中の既存の抗体は、sdAbをプレート上に固定化し、BSAでブロックする、ELISAによって同定することができる。次いで、ヒト血清(未希釈(neat)又はPBS+0.01%Tween-20で希釈される)をプレート結合sdAbとインキュベートする。結合していない血清IgGを洗い流し、sdAbに対する任意の残りの抗体を、抗ヒトIgカッパ及び抗ヒトIgラムダ両方のHRP-コンジュゲート抗体を用いて検出する。
【0050】
間接的なASDAアッセイは、sdAb特異的血清抗体反応性を測定するために、所与のsdAbの複数の変異体の分析に有用である。間接的なASDAはsdAbの固定化を含み、BSAでブロックされる。次いで、ヒト血清(未希釈又はPBS+0.01%Tween-20で希釈される)を可溶性sdAb(同じsdAbか、又は本発明の修飾[突然変異、短縮又は伸長]を有する親sdAbの変異体のいずれか)とプレインキュベートし、次いでプレート結合sdAbに加える。固定化sdAbのASDA認識をブロックする可溶性sdAb変異体の能力は、可溶性sdAbがASDAによって認識されることを示し、したがって既存のASDA応答の間接的な測定である。逆に、可溶性sdAbが固定化sdAbのASDA認識を防ぐことができないことは、可溶性sdAb変異体が非免疫原性であるか、さもなければ既存のASDAによって認識されないことを示す。一般に、8~16アッセイを、事前にASDAを含有すると決定された別個のドナー由来の血清と並行して実施する。
【0051】
本明細書で与えられた研究では、免疫原性sdAbの様々な例示的な修飾をASDAアッセイを用いて評価した。時には、エンブレル(TNFR2-Fc)及びBSAを、非ASDA認識対照として含めた。いくつかの実験では、精製した血清IgGを二次抗体のための陽性対照としてコーティングした。C-末端伸長を、天然末端残基と伸長の開始との間に「.」で示している。C-末端短縮を、除外された残基の部位に「_」で示している。結果を図2~4に示す。
【0052】
間接的なASDAアッセイは、L11で修飾されておらず、かつ天然のカルボキシ末端配列TVSSを有するヒト化VHHと比較した、カルボキシ末端TVKPGGと対になったL11Eを有するヒト化VHH二重修飾の影響を実証した(図5A~5B)。
【0053】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明とともに説明してきたが、前述の説明は例示を意図するものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、及び改変は以下の範囲内にある。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
【配列表】
2022034038000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ドメイン抗体(sdAb)であって、カバット(Kabat)によるAla88位の突然変異を含み、ここで、前記Ala88位の突然変異が、Ala88Glu(A88E)、Ala88Asp(A88D)、Ala88Arg(A88R)、又はAla88Lys(A88K)である単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項2】
ルボキシ末端が、TVE、TVK、LVTVS(配列番号7)、LVTVSS(配列番号58)、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、TVRPGG(配列番号51)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項3】
ルボキシ末端が、配列番号2~10及び30~43から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項4】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Lys(A88K)であり、かつ、ルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項5】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Glu(A88E)であり、かつ、カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項6】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Arg(A88R)であり、かつ、カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項7】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Arg(A88R)であり、かつ、カルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項8】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Asp(A88D)であり、かつ、カルボキシ末端が、TVE、TVSE(配列番号24)、TVEG(配列番号25)、TVSEG(配列番号26)、TVEP(配列番号52)、TVEPG(配列番号53)、TVEPGG(配列番号54)、TVDP(配列番号55)、TVDPG(配列番号56)、及びTVDPGG(配列番号57)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。
【請求項9】
前記Ala88位の突然変異が、Ala88Asp(A88D)であり、かつ、カルボキシ末端が、TVK、TVSK(配列番号27)、TVKG(配列番号28)、TVSKG(配列番号29)、TVSKPG(配列番号44)、TVSKPGG(配列番号45)、TVKP(配列番号46)、TVKPG(配列番号47)、TVKPGG(配列番号48)、TVRP(配列番号49)、TVRPG(配列番号50)、及びTVRPGG(配列番号51)から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単一ドメイン抗体(sdAb)。