(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034069
(43)【公開日】2022-03-02
(54)【発明の名称】CFTRが媒介する疾患の処置のための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/47 20060101AFI20220222BHJP
A61K 31/443 20060101ALI20220222BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220222BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20220222BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220222BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20220222BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220222BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220222BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220222BHJP
C07D 405/12 20060101ALN20220222BHJP
C07D 215/56 20060101ALN20220222BHJP
【FI】
A61K31/47
A61K31/443
A61P43/00 121
A61K9/16
A61K47/38
A61K47/20
A61K47/32
A61K47/12
A61K9/20
A61P43/00 105
C07D405/12
C07D215/56
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214209
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2019087813の分割
【原出願日】2013-11-01
(31)【優先権主張番号】61/721,622
(32)【優先日】2012-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/770,668
(32)【優先日】2013-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/728,328
(32)【優先日】2012-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/840,668
(32)【優先日】2013-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/824,005
(32)【優先日】2013-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598032106
【氏名又は名称】バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マリヌス ジェイコブス バーウィジス
(72)【発明者】
【氏名】ラディカ カルカレ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ダグラス ムーア
(57)【要約】
【課題】CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法、製造方法、投与方法、ならびにそのキットを提供すること
【解決手段】
形態Iの3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸(化合物1)と、実質的にアモルファスのN-(5-ヒドロキシ-2,4-ジtert-ブチル-フェニル)-4-オキソ-1H-キノリン-3-カルボキサミド(化合物2)を含む固体分散物とを含む医薬組成物、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法、製造方法、投与方法、ならびにそのキットを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CFTRが媒介する疾患。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2012年11月2日に出願された米国仮特許出願第61/721,622号、2012年11月20日に出願された同第61/728,328号、2013年2月28日に出願された同第61/770,668号、2013年5月16日に出願された同第61/824,005号、および2013年6月28日に出願された同第61/840,668号の優先権を主張し、これらすべての米国仮特許出願の全内容が、そのまま本明細書に参考として援用される。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸(化合物1)形態Iと、実質的にアモルファスのN-(5-ヒドロキシ-2,4-ジtert-ブチル-フェニル)-4-オキソ-1H-キノリン-3-カルボキサミド(化合物2)を含む固体分散物とを含む医薬組成物、処置方法、製造方法、投与方法、およびそのキットに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
嚢胞性線維症(CF)は、米国において概ね30,000人の小児および成人、ならびに欧州において概ね30,000人の小児および成人に影響を及ぼしている劣性遺伝性疾患である。CFの処置における進展に関わらず、治癒は存在しない。
【0004】
CFを有する患者において、呼吸性上皮において内因性に発現しているCFTRの変異は、頂端アニオン分泌の低減を引き起こし、イオン輸送および流体輸送の不均衡をもたらす。アニオン輸送におけるこのように生じた減少は、肺における粘液蓄積の増進およびそれに付随する微生物感染の一因となり、これは最終的にCF患者に死をもたらす。呼吸器疾患に加えて、CF患者は典型的には、胃腸の問題および膵機能不全を患っており、膵機能不全が、処置されないままだと、死に至る。さらに、嚢胞性線維症を有する男性の大部分は生殖力がなく、嚢胞性線維症を有する女性では生殖能力が減少する。CFが関連する遺伝子の2つのコピーの深刻な影響とは対照的に、CFが関連する遺伝子の単一のコピーを有する個人は、コレラおよび下痢からもたらされる脱水に対する高い耐性を示し、これは恐らく、集団内でのCF遺伝子の相対的に高い発生頻度を説明している。
【0005】
CF染色体のCFTR遺伝子の配列分析によって、種々の疾患をもたらす変異が明らかにされてきた(Cutting, G. R.ら(1990年)、Nature、346巻:366~369頁;Dean, M.ら(1990年)、Cell、61巻:863号:870頁;およびKerem, B-S.ら(1989年)、Science、245巻:1073~1080頁;Kerem, B-Sら(1990年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87巻:8447~8451頁)。現在まで、CF遺伝子における、1000超の疾患をもたらす変異が同定されてきた(http://www.genet.sickkids.on.ca/cftr/app)。最も優勢な変異は、CFTRアミノ酸配列の508位におけるフェニルアラニンの欠失であり、△F508-CFTRと一般に称される。この変異は嚢胞性線維症の症例の概ね70%において起こり、重度の疾患と関連している。
【0006】
△F508-CFTRにおける残基508の欠失は、新生タンパク質が正確に折り畳ま
れることを妨げる。これによって、変異タンパク質がERを出て、形質膜に移動することができなくなる。その結果、膜において存在するチャネルの数は、野性型CFTRを発現している細胞において観察されるよりもずっと少ない。トラフィッキングの異常に加えて、変異によって、チャネルゲート開閉の欠陥がもたらされる。膜におけるチャネルの数の低減およびゲート開閉の欠陥は一緒になって、上皮を横切るアニオン輸送の低減をもたらし、イオン輸送および流体輸送の欠陥を引き起こす。(Quinton, P. M.(1990年)、FASEB J.、4巻:2709~2727頁)。しかし、研究によって、膜における△F508-CFTRの数の低減は、野性型CFTRより少ないにしても、機能的であることが示されてきた。(Dalemansら(1991年)、Nature Lond.、354巻:526~528頁;Denningら、前述;PasykおよびFoskett(1995年)、J. Cell. Biochem.、270巻:12347~50頁)。△F508-CFTRに加えて、トラフィッキング、合成、および/またはチャネルゲート開閉の欠陥を引き起こす、CFTRにおける他の疾患をもたらす変異は、アップレギュレートまたはダウンレギュレートされ、アニオン分泌を変化させ、疾患の進行および/または重症度を変化させ得る。
【0007】
塩形態での化合物1は、CFTR活性の誘発物質として、したがって、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症についての有用な処置として、国際PCT公開第WO2007056341号および米国特許第7,741,321号に開示されている。実質的に結晶性および塩非含有の形態である化合物1形態Iは、国際PCT公開第WO2009073757号および米国特許第8,507,534号に開示されている。化合物2は、CFTR活性の誘発物質として、したがって、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症についての有用な処置として、国際PCT公開第WO2006002421号および米国特許第7,495,103号に開示されている。実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物は、国際PCT公開第WO2010019239号および米国特許出願公開第US20100074949号に開示されている。全ての上記特許出願および特許は、参考としてその全体が本明細書に援用される。
【0008】
CFTRポテンシエーターである化合物、例えば、化合物2、およびCFTRコレクターである化合物、例えば、化合物1は、CFTRに関連する疾患、例えば、嚢胞性線維症の処置において有用性を有することが独立に示されてきた。
【0009】
したがって、CFTRコレクターおよびポテンシエーター化合物が関与する、CFTRが媒介する疾患の新規処置が必要とされている。
【0010】
特に、CFTRポテンシエーターおよびコレクター化合物を含む、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症を処置する併用療法が必要とされている。
【0011】
より特定すると、CFTRコレクター化合物、例えば、化合物1形態Iと組み合わせたCFTRポテンシエーター化合物、例えば、実質的にアモルファスの化合物2を含む、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症を処置する併用療法が必要とされている。
化合物2との組合せの一部としての化合物1は、嚢胞性線維症の処置のために米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬指定を交付されたが、これは本出願の出願の時点でたった2つのこのような交付のうちの1つである(他の交付は化合物2に対してである)。これは、対症処置を超えた嚢胞性線維症の原因の有効な処置についてのかなりの未だ対処されていない必要性を示す。さらに、FDAによって承認された薬物についての共通の課題は、それを必要としている患者についての薬物使用可能性が時折欠乏することである。したがって、現在開示されている化合物1および化合物2の製剤、ならびにこれらを連続および制御された様式で調製する方法について、かなりの未だ対処されていない必要性が存在する。
さらに、処置スケジュールおよび投薬量についての患者コンプライアンスは、薬物投与の容易さに大いに依存する。固定された投薬量のCFTRコレクターおよびCFTRポテンシエーターを含む医薬組成物(前記コレクターおよびポテンシエーターの固体形態は安定である)は、CFTRが媒介する疾患、例えば、嚢胞性線維症の処置についてかなり画期的なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2007/056341号
【特許文献2】米国特許第7,741,321号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/073757号
【特許文献4】米国特許第8,507,534号明細書
【特許文献5】国際公開第2006/002421号
【特許文献6】米国特許第7,495,103号明細書
【特許文献7】国際公開第2010/019239号
【特許文献8】米国特許出願公開第2010/0074949号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Cutting, G. R.ら(1990年)、Nature、346巻:366~369頁
【非特許文献2】Dean, M.ら(1990年)、Cell、61巻:863号:870頁
【非特許文献3】Kerem, B-S.ら(1989年)、Science、245巻:1073~1080頁
【非特許文献4】Kerem, B-Sら(1990年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87巻:8447~8451頁
【非特許文献5】Quinton, P. M.(1990年)、FASEB J.、4巻:2709~2727頁
【非特許文献6】Dalemansら(1991年)、Nature Lond.、354巻:526~528頁
【非特許文献7】PasykおよびFoskett(1995年)、J. Cell. Biochem.、270巻:12347~50頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
要旨
本発明は、下記の構造を有する3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸である化合物1形態I、
【化1】
および下記の構造を有する実質的にアモルファスのN-(5-ヒドロキシ-2,4-ジtert-ブチル-フェニル)-4-オキソ-1H-キノリン-3-カルボキサミドである
化合物2の固体分散物
【化2】
を含む医薬組成物、処置方法、製造方法、投与方法、ならびにそのキットを特徴とする。
【0015】
一態様において、本発明は、PC-Iと称される、
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
を含む医薬組成物を特徴とする。
【0016】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、30~55重量パーセントの化合物1形態Iと、10~45重量パーセントの、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む。
【0017】
一実施形態において、充填剤は、セルロース、変性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウム、スクロース、ラクトース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロースであり、10~20重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0018】
一実施形態において、崩壊剤は、寒天、アルギン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース(carboxmethylcellulose)、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、粘土、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、メイズデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムであり、1~3重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0019】
一実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸(fumerate)ナトリウム、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムであり、0.5~2重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0020】
一実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、第二リン酸カルシウム、スクロース、トウモロコシデンプン、変性セルロース、または任意のこれらの組合せから選択
される。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドンであり、0~5重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0021】
一実施形態において、本発明は、PC-IIと称される、下記の配合
【表A-2】
を有する医薬組成物を特徴とする。
【0022】
別の態様において、本発明は、PC-IIIと称される、
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;
f.結合剤;および
g.滑沢剤
を含む、医薬組成物を特徴とする。
【0023】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約100~250mgの化合物1形態Iと、約100~150mgの実質的にアモルファスの化合物2とを含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、約200mgの化合物1形態Iと、約125mgの実質的にアモルファスの化合物2とを含む。別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、約150mgの化合物1形態Iと、約125mgの実質的にアモルファスの化合物2とを含む。
【0024】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、25~50重量パーセントの化合物1形態Iと、15~35重量パーセントの、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む。
【0025】
一実施形態において、充填剤は、セルロース、変性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウム、スクロース、ラクトース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロースであり、20~30重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0026】
一実施形態において、崩壊剤は、寒天、アルギン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、粘土、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、デンプングリコール酸ナトリウム、メイズデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムであり、3~10重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0027】
一実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムであり、0.5~2重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0028】
一実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、第二リン酸カルシウム、スクロース、トウモロコシデンプン、変性セルロース、または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドンであり、0~5重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0029】
一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ロイシン、ベヘン酸グリセリル、硬化植物性油または任意のこれらの組合せから選択される。別の実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、0.5~2重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0030】
一実施形態において、本発明は、PC-IVと称される、下記の配合
【表A-4】
を有する医薬組成物を特徴とする。
【0031】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、着色剤および任意選択でワックスをさらに含む。別の実施形態において、着色剤は、2~4重量パーセントの範囲の量で存在する。別の実施形態において、ワックスは、0~0.020重量パーセントの範囲の量で存在するカルナウバワックスである。
【0032】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、固体経口医薬組成物である。別の実施形態において、固体経口医薬組成物は、顆粒状医薬組成物または錠剤である。
【0033】
一実施形態において、本発明の顆粒状医薬組成物は、PC-Vと称される、下記の配合
【表A-5】
を有する。
【0034】
一実施形態において、本発明の顆粒状医薬組成物は、PC-VIと称される、下記の配合
【表A-6】
を有する。
【0035】
一実施形態において、本発明の顆粒状医薬組成物は、PC-VIIと称される、下記の配合
【表A-7】
を有する。
【0036】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-VIIIと称される、下記の配合
【表A-8】
を有する。
【0037】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-IXと称される、下記の配合
【表A-9】
を有する。
【0038】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-Xと称される、下記の配合
【表A-10】
を有する。
【0039】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XIと称される、下記の配合
【表A-11】
を有する。
【0040】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XIIと称される、下記の配合
【表A-12】
を有する。
【0041】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XIIIと称される、下記の配合
【表A-13】
を有する。
【0042】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XIVと称される、下記の配合
【表A-14】
を有する。
【0043】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XVと称される、下記の配合
【表A-15】
を有する。
【0044】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XVIと称される、下記の配合
【表A-16】
を有する。
【0045】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XVIIと称される、下記の配合
【表A-17】
を有する。
【0046】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XVIIIと称される、下記の配合
【表A-18】
を有する。
【0047】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XIXと称される、下記の配合
【表A-19】
を有する。
【0048】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXと称される、下記の配合
【表A-20】
を有する。
【0049】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXIと称される、下記の配合
【表A-21】
を有する。
【0050】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXIIと称される、下記の配合
【表A-22】
を有する。
【0051】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXIIIと称される、下記の配合
【表A-23】
を有する。
【0052】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXIVと称される、下記の配合
【表A-24】
を有する。
【0053】
一実施形態において、本発明の錠剤は、PC-XXVと称される、下記の配合
【表A-25】
を有する。
【0054】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物、顆粒状医薬組成物、または錠剤を患者に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を特徴とする。
【0055】
実施形態において、本発明は、患者に有効量の配合PC-I~PC-XXVのいずれかの1つの医薬組成物、顆粒状医薬組成物、または錠剤を投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を特徴とする。
【0056】
一実施形態において、患者は、△F508CFTR変異を有する。別の実施形態において、患者は、△F508においてホモ接合型である。別の実施形態において、患者は、△F508においてヘテロ接合型である。別の実施形態において、1日当たり2つの錠剤を患者に投与する。
【0057】
一態様において、本発明は、下記の構成要素を湿式造粒することを含む、顆粒状医薬組成物を調製する方法を特徴とする。
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
【0058】
一態様において、本発明は、
i)下記の構成要素:
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
を含む複数の顆粒状医薬組成物;
ii)崩壊剤;
iii)充填剤;ならびに
iv)滑沢剤
を圧縮することを含む、錠剤を調製する方法を特徴とする。
【0059】
一態様において、本発明は、本発明の医薬組成物、顆粒状医薬組成物、または錠剤、および別個の治療剤またはその医薬組成物を含むキットを特徴とする。
【0060】
一実施形態において、本発明の医薬組成物、顆粒状医薬組成物、または錠剤、および別個の治療剤またはその医薬組成物は、別々の容器中にある。別の実施形態において、別々の容器は、ボトルである。別の実施形態において、別々の容器は、バイアルである。別の実施形態において、別々の容器は、ブリスターパックである。
【0061】
別の態様において、本発明は、化合物1、化合物2、および添加剤をスクリーニングし、秤量するステップと;界面活性剤および結合剤を含む造粒流体を適切な速度で、適切な長さの時間で加える一方で、ブレンダー中で化合物1、化合物2、および添加剤を混合し、ブレンドを連続造粒機中に供給し、混合物を顆粒に刻むステップと;顆粒を乾燥させるステップと;顆粒と顆粒外添加剤とを適切な長さの時間でブレンドするステップと;ブレンドを錠剤に圧縮するステップと;錠剤をコーティングするステップと;任意選択で、錠剤の一方または両方の面上にモノグラムをプリントするステップとを含む、二軸スクリュー湿式造粒プロセスによる本明細書に記載されている医薬組成物を作製するための連続または半連続プロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、化合物1形態Iの単結晶構造から計算したX線回折パターンである。
【0063】
【
図2】
図2は、化合物1形態Iの実際のX線粉末回折パターンである。
【0064】
【
図3】
図3は、高剪断造粒(HSG)プロセスおよび二軸スクリュー湿式造粒(TSWG)プロセスによって作製された錠剤についての、化合物1のpH勾配溶解プロファイルを示すグラフである(LODは、粉末/顆粒中の水の量を定義する尺度である乾燥減量の略語である)。
【0065】
【
図4】
図4は、経時的にほんのわずかな量の結晶化度を示すことによって、60%の相対湿度にて事前に平衡化した後で、50℃にて錠剤配合PC-XVIIにおける実質的にアモルファスの形態の化合物2の安定性を示すグラフである。
【0066】
【
図5】
図5は、経時的にほんのわずかな量の結晶化度を示すことによって、60%の相対湿度にて事前に平衡化した後で、60℃にて錠剤配合PC-XVIIにおける実質的にアモルファスの形態の化合物2の安定性を示すグラフである。
【0067】
【
図6】
図6は、経時的にほんのわずかな量の結晶化度を示すことによって、60%の相対湿度にて事前に平衡化した後で、60℃にて錠剤配合PC-XXにおける実質的にアモルファスの形態の化合物2の安定性を示すグラフである。
【0068】
【
図7】
図7は、経時的にほんのわずかな量の結晶化度を示すことによって、60%の相対湿度にて事前に平衡化した後で、50℃にて錠剤配合PC-XXにおける実質的にアモルファスの形態の化合物2の安定性を示すグラフである。
【0069】
【
図8】
図8は、化合物1の
1HNMRスペクトルである。
【0070】
【
図9】
図9は、化合物1HCl塩の
1HNMRスペクトルである。
【0071】
【
図10】
図10は、化合物1形態Iの示差走査熱量測定法(DSC)のトレースである。
【0072】
【
図11】
図11は、単結晶X線分析に基づいた、化合物1形態Iの立体配座的描写である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
詳細な説明
定義
本明細書において使用する場合、「CFTR」とは、嚢胞性線維症膜コンダクタンス調節因子の略語である。
【0074】
本明細書において使用する場合、「△F508変異」または「F508-del変異」は、CFTRタンパク質内の特異的変異である。変異は、508位におけるアミノ酸であるフェニルアラニンについてのコドンを含む3つのヌクレオチドの欠失であり、このフェニルアラニン残基を欠いているCFTRタンパク質をもたらす。
【0075】
本明細書において使用する場合、特定の変異、例えば、△F508について「ホモ接合型」である患者は、各対立遺伝子上に同じ変異を有する。
【0076】
本明細書において使用する場合、特定の変異、例えば、△F508について「ヘテロ接合型」である患者は、1つの対立遺伝子上にこの変異、および他の対立遺伝子上に異なる変異を有する。
【0077】
本明細書において使用する場合、「CFTRコレクター」という用語は、細胞表面への機能的CFTRタンパク質の量を増加させ、イオン輸送の増進をもたらす化合物を指す。
【0078】
本明細書において使用する場合、「CFTRポテンシエーター」という用語は、細胞表面に位置するCFTRタンパク質のチャネル活性を増加させ、イオン輸送の増進をもたらす化合物を指す。
【0079】
本明細書において使用する場合、「活性医薬成分」または「API」という用語は、生物学的活性化合物を指す。
【0080】
「固体形態」(単数もしくは複数)という用語および関連する用語は、本明細書において使用されるとき、特定の固体形態、例えば、結晶、アモルファス状態などの、化合物1または化合物2を指す。
【0081】
本明細書において使用する場合、「実質的にアモルファス」という用語は、その分子の位置においてほとんど長距離秩序を有していないかまたは長距離秩序を全く有していない
固体材料を指す。例えば、実質的にアモルファスな材料は、約15%未満の結晶化度(例えば、約10%未満の結晶化度または約5%未満の結晶化度)を有する。「実質的にアモルファス」という用語は、記述語「アモルファス」を含み、これは、結晶化度を有していない(0%)材料を指すことにまた留意されたい。
【0082】
本明細書において使用する場合、「実質的に結晶性」という用語(実質的に結晶性の化合物1形態Iという語句におけるように)は、その分子の位置において主に長距離秩序を有する固体材料を指す。例えば、実質的に結晶性の材料は、約85%超の結晶化度(例えば、約90%超の結晶化度または約95%超の結晶化度)を有する。「実質的に結晶性」という用語は、記述語「結晶性」を含み、これは100%の結晶化度を有する材料を指すことをまた留意されたい。
【0083】
「結晶性」という用語および本明細書において使用される関連する用語は、物質、構成要素、生成物、または形態を記載するために使用されるとき、その物質、構成要素または生成物が、X線回折によって決定されるとおりに実質的に結晶性であることを意味する。(例えば、Remington: The Science and Practice
of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、Md.(2003年);The United States Pharmacopeia、第23版、1843~1844頁(1995年)を参照されたい)。
【0084】
本明細書において使用する場合、「添加剤」は、医薬組成物中の機能性成分および非機能性成分を含む。
【0085】
本明細書において使用する場合、「崩壊剤」は、医薬組成物を水和させ、錠剤の分散を助ける添加剤である。本明細書において使用する場合、「賦形剤」または「充填剤」は、医薬組成物に嵩高さを加える添加剤である。
【0086】
本明細書において使用する場合、「界面活性剤」は、医薬組成物に増進された溶解性および/または湿潤性を与える添加剤である。
【0087】
本明細書において使用する場合、「結合剤」は、医薬組成物に増進された粘着または引張強度(例えば、硬度)を与える添加剤である。
【0088】
本明細書において使用する場合、「流動促進剤」は、医薬組成物に増進された流動特性を与える添加剤である。
【0089】
本明細書において使用する場合、「着色剤」は、医薬組成物、例えば、錠剤に所望の色を与える添加剤である。着色剤の例には、市販の顔料、例えば、FD&C青色#1アルミニウムレーキ、FD&C青色#2、他のFD&C青色、二酸化チタン、酸化鉄、および/またはこれらの組合せが含まれる。一実施形態において、本発明によって提供される錠剤は、ピンク色である。
【0090】
本明細書において使用する場合、「滑沢剤」は、錠剤にプレスされる医薬組成物に加えられる添加剤である。滑沢剤は、錠剤への顆粒の圧密化、およびダイプレス機からの医薬組成物の錠剤の排出を助ける。
【0091】
本明細書において使用する場合、「立方センチメートル」および「cc」は、互換的に使用され、容量の単位を表す。1cc=1mLであることに留意されたい。
【0092】
本明細書において使用する場合、「キロポント」および「kP」は互換的に使用され、力の尺度を指し、kP=概ね9.8ニュートンである。
【0093】
本明細書において使用する場合、「破砕性」とは、圧力の外力に関わらず未変化であり続け、その形態を保持する錠剤の特性を指す。破砕性は、等式1で提示される数式を使用して定量化することができ、
【数1】
式中、W
0は、錠剤の最初の重量であり、W
fは、破砕性測定器(friabilator)を通過した後の錠剤の最終重量である。破砕性は、実験用錠剤を100回転または400回転だけ転がす標準的USP試験装置を使用して測定される。本発明のいくつかの錠剤は、5.0%未満の破砕性を有する。別の実施形態において、破砕性は、2.0%未満である。別の実施形態において、標的破砕性は、400回転の後に1.0%未満である。
【0094】
本明細書において使用する場合、「平均粒子直径」は、レーザー光散乱、画像分析、または篩分析などの技術を使用して測定された場合の平均粒子直径である。一実施形態において、本発明によって提供される医薬組成物を調製するために使用される顆粒は、1.0mm未満の平均粒子直径を有する。
【0095】
本明細書において使用する場合、「かさ密度」は、材料の粒子の質量を粒子が占める総容量で除したものである。総容量は、粒子容量、粒子間の空隙容量および内部の細孔容量を含む。かさ密度は、材料の固有の特性ではない。かさ密度はどのように材料が加工されるかによって変化することができる。一実施形態において、本発明によって提供される医薬組成物を調製するために使用される顆粒は、約0.5~0.7g/ccのかさ密度を有する。
【0096】
本発明の化合物の「有効量」または「治療有効量」は、要因、例えば、被験体の病態、年齢、および体重、ならびに被験体において所望の応答を引き出す本発明の化合物の能力によって変化し得る。投薬量レジメンを調整して、最適な治療応答を提供し得る。有効量はまた、治療的に有益な効果が、本発明の化合物の毒性または有害な効果(例えば、副作用)よりまさる量である。
【0097】
本明細書において使用する場合、および他に特定しない限り、化合物の「治療有効量」および「有効量」という用語は、疾患または障害の処置または管理における治療上の利点を提供するか、あるいは疾患または障害と関連する1つまたは複数の症状を遅延させるまたは最小化するのに十分な量を意味する。化合物の「治療有効量」および「有効量」は、単独で、または疾患もしくは障害の処置もしくは管理における治療上の利点を提供する1種もしくは複数種の他の剤(複数可)と組み合わせた、治療剤の量を意味する。「治療有効量」および「有効量」という用語は、全体的な治療を改善するか、疾患または障害の症状もしくは原因を低減もしくは回避するか、または別の治療剤の治療有効性を増進する量を包含することができる。
【0098】
「実質的に純粋な化合物1形態I」という語句において使用される場合の「実質的に純粋な」は、約90%超の純度を意味する。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約95%超の純度を指す。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約98%超の純度を指す。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約99%超の純度を指す。
【0099】
化合物1形態I、または実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物に関して、「約」および「概ね」という用語は、組成物または剤形の成分の用量、量、または重量パーセントに関連して使用されるとき、当業者が、特定の用量、量、または重量パーセントから得られるものと同等の薬理学的効果を提供すると認識する、用量、量、または重量パーセントを意味する。特に、「約」または「概ね」という用語は、部分的にどのように値が測定または決定されるかによって決まる、当業者が決定するような特定の値についての許容される誤差を意味する。ある特定の実施形態において、「約」または「概ね」という用語は、1、2、3、または4標準偏差以内を意味する。ある特定の実施形態において、「約」または「概ね」という用語は、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%以内を意味する。
【0100】
医薬組成物
本発明は、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む医薬組成物を提供する。この態様のいくつかの実施形態において、医薬組成物中に存在する化合物1形態Iの量は、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、300mg、または400mgである。この態様のいくつかの実施形態において、医薬組成物中に存在する化合物1形態Iの重量パーセントは、10~75パーセントである。これらおよび他の実施形態において、化合物1形態Iは、実質的に純粋な化合物1形態Iとして存在する。この態様のいくつかの実施形態において、医薬組成物中に存在する実質的にアモルファスの化合物2の量は、100mg、125mg、150mg、200mg、または250mgである。この態様のいくつかの実施形態において、医薬組成物中に存在する実質的にアモルファスの化合物2の重量パーセントは、10~75パーセントである。これらおよび他の実施形態において、実質的にアモルファスの化合物2は、実質的に純粋なアモルファスの化合物2として存在する。「実質的に純粋な」とは、90パーセント超純粋;好ましくは95パーセント超純粋;より好ましくは99.5パーセント超純粋を意味する。
【0101】
このように、一態様において、本発明は、
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
を含む医薬組成物を提供する。
【0102】
この態様の一実施形態において、医薬組成物は、25mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、50mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、100mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、125mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、150mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、200mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、250mgの化合物1形態Iを含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、400mgの化合物1形態Iを含む。
【0103】
この態様の一実施形態において、医薬組成物は、25mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、50mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、100mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬
組成物は、125mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、150mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、200mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。この態様の別の実施形態において、医薬組成物は、250mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、化合物1形態Iを含み、化合物1形態Iは、重量で、組成物の少なくとも15重量%(例えば、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%)の量で存在する。
【0105】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、実質的にアモルファスの化合物2を含み、実質的にアモルファスの化合物2は、重量で、組成物の少なくとも15重量%(例えば、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%)の量で存在する。
【0106】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、充填剤、崩壊剤、界面活性剤、および結合剤を含む。この実施形態において、組成物は、重量で、組成物の約25重量%~約55重量%(例えば、約30~50重量%)の化合物1形態I、およびより典型的には、重量で、組成物の40重量%~約45重量%の化合物1形態Iを含む。この実施形態において、組成物は、重量で、組成物の約15重量%~約40重量%(例えば、約20~35重量%)の実質的にアモルファスの化合物2、およびより典型的には、重量で、組成物の25重量%~約30重量%の実質的にアモルファスの化合物2を含む。
【0107】
組成物中の化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2の濃度は、いくつかの要因、例えば、所望の量の化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2を提供するのに必要とされる医薬組成物の量、および医薬組成物の所望の溶解プロファイルによって決まる。
【0108】
別の実施形態において、医薬組成物は、化合物1形態Iを含み、該医薬組成物中のその固体形態での化合物1形態Iは、光散乱によって測定して、0.1ミクロン~10ミクロンの平均粒子直径を有する(例えば、Malvern Instruments、英国から入手可能なMalvern Mastersizerを使用して)。別の実施形態において、化合物1形態Iの粒径は、1ミクロン~5ミクロンである。別の実施形態において、化合物1形態Iは、2.0ミクロンの粒径D50を有する。
【0109】
示されるように、化合物1形態I、および実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物に加えて、本発明のいくつかの実施形態において、経口製剤である医薬組成物はまた、1種もしくは複数種の添加剤、例えば、充填剤、崩壊剤、界面活性剤、賦形剤、結合剤、流動促進剤、滑沢剤、着色剤、または香料および任意のこれらの組合せを含む。
【0110】
本発明に適した充填剤は、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、硬度も、化学的安定性も、物理的安定性も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な充填剤には、セルロース、変性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、酢酸セルロース、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン)、糖(例えば、ソルビトール、ラクトース、スクロースなど)、または任意のこれらの組合せが含まれる。
【0111】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の少なくとも5重量%(例えば、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、または少なくとも約40重量%)の量で少なくとも1種の充填剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%~約60重量%(例えば、約20重量%~約55重量%、約25重量%~約50重量%、または約27重量%~約45重量%)の充填剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の少なくとも約20重量%(例えば、少なくとも30重量%または少なくとも40重量%)の微結晶性セルロース、例えば、MCC Avicel PH102を含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%~約60重量%(例えば、約20重量%~約55重量%または約25重量%~約45重量%)の微小セルロース(microcellulose)を含む。
【0112】
本発明に適した崩壊剤は、医薬組成物の分散を増進し、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の化学的安定性も、物理的安定性も、硬度も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な崩壊剤には、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、またはこれらの組合せが含まれる。
【0113】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%もしくはそれ未満(例えば、約7重量%もしくはそれ未満、約6重量%もしくはそれ未満、または約5重量%もしくはそれ未満)の量で崩壊剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約1重量%~約10重量%(例えば、約1.5重量%~約7.5重量%または約2.5重量%~約6重量%)の崩壊剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%もしくはそれ未満(例えば、7重量%もしくはそれ未満、6重量%もしくはそれ未満、または5重量%もしくはそれ未満)のクロスカルメロースナトリウムを含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約1重量%~約10重量%(例えば、約1.5重量%~約7.5重量%または約2.5重量%~約6重量%)のクロスカルメロースナトリウムを含む。いくつかの例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約0.1%~約10重量%(例えば、約0.5重量%~約7.5重量%または約1.5重量%~約6重量%)の崩壊剤を含む。また他の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約0.5%~約10重量%(例えば、約1.5重量%~約7.5重量%または約2.5重量%~約6重量%)の崩壊剤を含む。
【0114】
本発明に適した界面活性剤は、医薬組成物の湿潤性を増進し、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の化学的安定性も、物理的安定性も、硬度も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ステアリルフマル酸ナトリウム(SSF)、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(商標))、任意のこれらの組合せなどが含まれる。
【0115】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%もしくはそれ未満(例えば、約5重量%もしくはそれ未満、約2重量%もしくはそれ未満、約1重量%もしくはそれ未満、約0.8重量%もしくはそれ未満、または約0.6重量%もしくはそれ未満)の量で界面活性剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%~約0.1重量%(例えば、約5重量%~約0.2重量%または約2重量%~約0.3重量%)の界面活性剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の10重量%もしくはそれ未満(例えば、約5重量%もしくはそれ未満、約2重量%もしくはそれ未満、約1重量%もしくはそれ未満、約0.8重量%もしくはそれ未満、または約0.6重量%もしくはそれ未満)のラウリル硫酸ナトリウムを含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約10重量%~約0.1重量%(例えば、約5重量%~約0.2重量%または約2重量%~約0.3重量%)のラウリル硫酸ナトリウムを含
む。
【0116】
本発明に適した結合剤は、医薬組成物の錠剤強度を増進し、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の化学的安定性も、物理的安定性も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な結合剤には、ポリビニルピロリドン、第二リン酸カルシウム、スクロース、トウモロコシ(メイズ)デンプン、変性セルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース)、または任意のこれらの組合せが含まれる。
【0117】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の少なくとも約0.1重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、または少なくとも約5重量%)の量で結合剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約0.1重量%~約10重量%(例えば、約1重量%~約10重量%または約2重量%~約7重量%)の結合剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の少なくとも約0.1重量%(例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約4重量%)のポリビニルピロリドンを含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約0.1重量%~約10重量%(例えば、約1重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%)の範囲の量のポリビニルピロリドンで流動促進剤を含む。
【0118】
本発明に適した賦形剤は、製剤に必要とされる容積を加えて、所望のサイズの錠剤を調製してもよく、一般に医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、硬度も、化学的安定性も、物理的安定性も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な賦形剤には、糖、例えば、精製粉末糖、圧縮糖(compressible sugar)、デキストレート(dextrates)、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および変性セルロース、例えば、粉末セルロース、タルク、リン酸カルシウム、デンプン、または任意のこれらの組合せが含まれる。
【0119】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の40重量%もしくはそれ未満(例えば、35重量%もしくはそれ未満、30重量%もしくはそれ未満、または25重量%もしくはそれ未満、または20重量%もしくはそれ未満、または15重量%もしくはそれ未満、または10重量%もしくはそれ未満)の量で賦形剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約40重量%~約1重量%(例えば、約35重量%~約5重量%または約30重量%~約7重量%、約25重量%~約10重量%、約20重量%~約15重量%)の賦形剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の40重量%もしくはそれ未満(例えば、35重量%もしくはそれ未満、25重量%もしくはそれ未満、または15重量%もしくはそれ未満)のマンニトールを含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約35重量%~約1重量%(例えば、約30重量%~約5重量%または約25重量%~約10重量%)のマンニトールを含む。
【0120】
本発明に適した流動促進剤は、医薬組成物の流動特性を増進し、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、硬度も、化学的安定性も、物理的安定性も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、またはこれらの組合せが含まれる。
【0121】
このように、一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の2重量%もしくはそれ未満(例えば、1.75重量%、1.25重量%もしくはそれ未満、または1.00重量%もしくはそれ未満)の量で流動促進剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約2重量%~約0.05重量%(例えば、約1.5重量%~約0.07重量%または約1.0重量%~約0.09重量%)の流動促進剤を含む。別の例において、医薬組成
物は、重量で、組成物の2重量%もしくはそれ未満(例えば、1.75重量%、1.25重量%もしくはそれ未満、または1.00重量%もしくはそれ未満)のコロイド状二酸化ケイ素を含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約2重量%~約0.05重量%(例えば、約1.5重量%~約0.07重量%または約1.0重量%~約0.09重量%)のコロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、表面(例えば、ミキシングボウル、圧縮ダイおよび/またはパンチの表面)への粒状体-ビーズ混和物の接着を防止することができる滑沢剤を含むことができる経口固体医薬品剤形を含むことができる。滑沢剤はまた、粒状体内の粒子間摩擦を低減させることができ、圧縮、およびダイプレス機からの圧縮した医薬組成物の排出を改善することができる。滑沢剤はまた、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、硬度も、生物学的活性も実質的に低減させない。例示的な滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ロイシン、ベヘン酸グリセリル、硬化植物性油または任意のこれらの組合せが含まれる。一実施形態において、医薬組成物は、重量で、組成物の5重量%もしくはそれ未満(例えば、4.75重量%、4.0重量%もしくはそれ未満、または3.00重量%もしくはそれ未満、または2.0重量%もしくはそれ未満)の量で滑沢剤を含む。例えば、医薬組成物は、重量で、組成物の約5重量%~約0.10重量%(例えば、約4.5重量%~約0.5重量%または約3重量%~約1重量%)の滑沢剤を含む。別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の5重量%もしくはそれ未満(例えば、4.0重量%もしくはそれ未満、3.0重量%もしくはそれ未満、または2.0重量%もしくはそれ未満、または1.0重量%もしくはそれ未満)のステアリン酸マグネシウムを含む。また別の例において、医薬組成物は、重量で、組成物の約5重量%~約0.10重量%(例えば、約4.5重量%~約0.15重量%または約3.0重量%~約0.50重量%)のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0123】
本発明の医薬組成物は任意選択で、組成物の視覚訴求、味、および/または匂いを増進させる、1種もしくは複数種の着色剤、香味剤、および/または香料を含むことができる。適切な着色剤、香味剤、または香料は、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、化学的安定性も、物理的安定性も、硬度も、生物学的活性も実質的に低減させない。一実施形態において、医薬組成物は、着色剤、香味剤、および/または香料を含む。一実施形態において、本発明によって提供される医薬組成物は、紫色である。
【0124】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は錠剤を含むか、または錠剤へと作製され得、錠剤は、着色剤でコーティングされ得、適切なインクを使用して、ロゴ、他の画像および/もしくは文章を任意選択でラベル付けされ得る。また他の実施形態において、医薬組成物は錠剤を含むか、または錠剤へと作製され得、錠剤は、着色剤でコーティングされ得、ワックスがけされ得、適切なインクを使用してロゴ、他の画像および/もしくは文章で任意選択でラベル付けされ得る。適切な着色剤およびインクは、医薬組成物の成分と適合性であり、すなわち、これらは、医薬組成物の溶解度も、化学的安定性も、物理的安定性も、硬度も、生物学的活性も実質的に低減させない。適切な着色剤およびインクは、任意の色であってよく、水をベースとするものまたは溶媒をベースとするものである。一実施形態において、医薬組成物から作製した錠剤を、着色剤でコーティングし、次いで、適切なインクを使用してロゴ、他の画像および/または文章でラベル付けする。例えば、本明細書に記載されるような医薬組成物を含む錠剤は、約3重量%(例えば、約6重量%未満または約4重量%未満)のフィルムコーティングでコーティングされてよく、このフィルムコーティングは着色剤を含む。有色の錠剤は、適切なインクを使用して、錠剤中の活性成分の強度を示すロゴおよび文章でラベル付けされ得る。別の例において、本明細書に記
載されるような医薬組成物を含む錠剤は、約3重量%(例えば、約6重量%未満または約4重量%未満)のフィルムコーティングでコーティングされてよく、このフィルムコーティングは着色剤を含む。
【0125】
別の実施形態において、医薬組成物から作製した錠剤は、着色剤でコーティングされ、ワックスがけされ、次いで、適切なインクを使用してロゴ、他の画像および/または文章でラベル付けされる。例えば、本明細書に記載されるような医薬組成物を含む錠剤は、約3重量%(例えば、約6重量%未満または約4重量%未満)のフィルムコーティングでコーティングされてよく、このフィルムコーティングは着色剤を含む。有色の錠剤は、出発錠剤コア重量の約0.01%w/wの量で量り分けしたカルナウバワックス粉末でワックスがけされ得る。ワックスがけされた錠剤は、適切なインクを使用して錠剤中の活性成分の強度を示すロゴおよび文章でラベル付けされ得る。別の例において、本明細書に記載されるような医薬組成物を含む錠剤は、約3重量%(例えば、約6重量%未満または約4重量%未満)のフィルムコーティングでコーティングされてよく、このフィルムコーティングは着色剤を含む。有色の錠剤は、出発錠剤コア重量の約0.01%w/wの量で量り分けしたカルナウバワックス粉末でワックスがけされ得る。ワックスがけされた錠剤は、医薬グレードのインク、例えば、黒色インク(例えば、ペンシルバニア州West PointのColorcon,Inc.から市販されているOpacode(登録商標)S-1-17823、溶媒をベースとするインク)を使用して、錠剤中の活性成分の強度を示すロゴおよび文章でラベル付けされ得る。
【0126】
1つの例示的な医薬組成物は、重量で、組成物の約15重量%~約70重量%(例えば、約15重量%~約60重量%、約15重量%~約50重量%、または約20重量%~約70重量%、または約30重量%~約70重量%)の化合物1形態I;および重量で、組成物の約15重量%~約40重量%(例えば、約20~35重量%)の実質的にアモルファスの化合物2、より典型的には、重量で、組成物の25重量%~約30重量%の実質的にアモルファスの化合物2を含む。上記組成物はまた、1種または複数種の薬学的に許容される添加剤、例えば、約20重量%~約50重量%の充填剤;約1重量%~約5重量%の崩壊剤;約2重量%~約0.3重量%の界面活性剤;および約0.1重量%~約5重量%の結合剤を含むことができる。
【0127】
別の例示的な医薬組成物は、重量で、組成物の約15重量%~約70重量%(例えば、約15重量%~約60重量%、約15重量%~約50重量%、または約15重量%~約40重量%または約20重量%~約70重量%、または約30重量%~約70重量%、または約40重量%~約70重量%、または約50重量%~約70重量%)の化合物1形態I、重量で、組成物の約15重量%~約40重量%(例えば、約20~35重量%)の実質的にアモルファスの化合物2、より典型的には、重量で、組成物の25重量%~約30重量%の実質的にアモルファスの化合物2、ならびに1種または複数種の添加剤、例えば、約20重量%~約50重量%の充填剤;約1重量%~約5重量%の崩壊剤;約2重量%~約0.3重量%の界面活性剤;約0.1重量%~約5重量%の結合剤;および約2重量%~約0.1重量%の滑沢剤を含む。
【0128】
別の例示的な医薬組成物は、重量で、組成物の約15重量%~約70重量%(例えば、約15重量%~約60重量%、約15重量%~約50重量%、または約15重量%~約40重量%または約20重量%~約70重量%、または約30重量%~約70重量%、または約40重量%~約70重量%、または約50重量%~約70重量%)の化合物1形態I、重量で、組成物の約15重量%~約40重量%(例えば、約20~35重量%)の実質的にアモルファスの化合物2、より典型的には、重量で、組成物の25重量%~約30重量%の実質的にアモルファスの化合物2、ならびに1種または複数種の添加剤、例えば、約20重量%~約50重量%の充填剤;約1重量%~約5重量%の崩壊剤;約2重量%~
約0.3重量%の界面活性剤;約0.1重量%~約5重量%の結合剤;約2重量%~約0.1重量%の滑沢剤;約2重量%~約4重量%の着色剤;および約0.005重量%~約0.015重量%のワックスを含む。
【0129】
一実施形態において、本発明は、
a.重量で、組成物の約43重量%の化合物1形態I;
b.重量で、組成物の約34重量%の固体分散物であって、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.重量で、組成物の約17重量%の微結晶性セルロース;
d.重量で、組成物の約2重量%のクロスカルメロースナトリウム;
e.重量で、組成物の約1重量%のラウリル硫酸ナトリウム;および
f.重量で、組成物の約3重量%のポリビニルピロリドン
を含む顆粒状医薬組成物である。
【0130】
一実施形態において、本発明は、
a.重量で、組成物の約35重量%の化合物1形態I;
b.重量で、組成物の約28重量%の固体分散物であって、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.重量で、組成物の約26重量%の微結晶性セルロース;
d.重量で、組成物の約6重量%のクロスカルメロースナトリウム;
e.重量で、組成物の約3重量%のポリビニルピロリドン;
f.重量で、組成物の約1重量%のラウリル硫酸ナトリウム;および
g.重量で、組成物の約1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む錠剤である。
【0131】
一実施形態において、本発明は、
a.重量で、組成物の約34重量%の化合物1形態I;
b.重量で、組成物の約27重量%の固体分散物であって、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.重量で、組成物の約26重量%の微結晶性セルロース;
d.重量で、組成物の約6重量%のクロスカルメロースナトリウム;
e.重量で、組成物の約2重量%のポリビニルピロリドン
f.重量で、組成物の約1重量%のラウリル硫酸ナトリウム;
g.重量で、組成物の約1重量%のステアリン酸マグネシウム;
h.重量で、組成物の約3重量%の着色剤;および
i.重量で、組成物の約0.010重量%のワックス
を含む錠剤である。
【0132】
本発明の別の錠剤は、
a.約150~250mgの化合物1形態I;
b.約100~150mgの実質的にアモルファスの化合物2;
c.約125~175mgの微結晶性セルロース;
d.約20~40mgのクロスカルメロースナトリウム;
e.約10~20mgのポリビニルピロリドン;
f.約2~6mgのラウリル硫酸ナトリウム;および
g.約3~7mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0133】
本発明の別の錠剤は、
a.約200mgの化合物1形態I;
b.約125mgの実質的にアモルファスの化合物2;
c.約150mgの微結晶性セルロース;
d.約34mgのクロスカルメロースナトリウム;
e.約15mgのポリビニルピロリドン;
f.約4mgのラウリル硫酸ナトリウム;および
g.約6mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0134】
本発明の別の錠剤は、
a.約200mgの化合物1形態I;
b.約125mgの実質的にアモルファスの化合物2;
c.約150mgの微結晶性セルロース;
d.約34mgのクロスカルメロースナトリウム;
e.約15mgのポリビニルピロリドン;
f.約4mgのラウリル硫酸ナトリウム;
g.約6mgのステアリン酸マグネシウム;
h.約17mgの着色剤;および
i.約0.06mgのワックスを含む。
【0135】
一実施形態において、本発明は、
a.重量で、組成物の約38重量%の化合物1形態I;
b.重量で、組成物の約40重量%の固体分散物であって、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.重量で、組成物の約16重量%の微結晶性セルロース;
d.重量で、組成物の約2重量%のクロスカルメロースナトリウム;
e.重量で、組成物の約1重量%のラウリル硫酸ナトリウム;および
f.重量で、組成物の約3重量%のポリビニルピロリドン
を含む顆粒状医薬組成物である。
【0136】
一実施形態において、本発明は、
a.重量で、組成物の約31重量%の化合物1形態I;
b.重量で、組成物の約32重量%の固体分散物であって、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.重量で、組成物の約26重量%の微結晶性セルロース;
d.重量で、組成物の約6重量%のクロスカルメロースナトリウム;
e.重量で、組成物の約3重量%のポリビニルピロリドン
f.重量で、組成物の約1重量%のラウリル硫酸ナトリウム;
g.重量で、組成物の約1重量%のステアリン酸マグネシウム;および
h.重量で、組成物の約3重量%の着色剤
を含む錠剤である。
【0137】
本発明の別の錠剤は、
a.約100~200mgの化合物1形態I;
b.約100~150mgの実質的にアモルファスの化合物2;
c.約100~150mgの微結晶性セルロース;
d.約20~40mgのクロスカルメロースナトリウム;
e.約10~20mgのポリビニルピロリドン;
f.約2~6mgのラウリル硫酸ナトリウム;および
g.約3~7mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0138】
本発明の別の錠剤は、
a.約150mgの化合物1形態I;
b.約125mgの実質的にアモルファスの化合物2;
c.約129mgの微結晶性セルロース;
d.約29mgのクロスカルメロースナトリウム;
e.約13mgのポリビニルピロリドン;
f.約4mgのラウリル硫酸ナトリウム;
g.約5mgのステアリン酸マグネシウム;および
h.約15mgの着色剤を含む。
【0139】
本発明の医薬組成物は、錠剤形態、カプセル剤形態、パウチ形態、ロゼンジ剤形態、または経口投与に適した他の固体形態に加工することができる。このように、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、錠剤形態である。
【0140】
本発明の別の態様は、化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤(例えば、充填剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、着色剤、滑沢剤、または任意のこれらの組合せ)を含む錠剤からなる医薬製剤を提供し、これらのそれぞれは上に、および下記の実施例において記載され、錠剤は、約30分で少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約99%)が溶解する。
【0141】
一例において、医薬組成物は、25mg~400mgの範囲の量、例えば、25mg、または50mg、または75mg、または100mg、または150mg、200mg、250mg、300mg、または400mgの化合物1形態I、25mg~250mgの範囲の量、例えば、25mg、または50mg、または75mg、または100mg、または150mg、200mg、250mgの実質的にアモルファスの化合物2、および1種または複数種の添加剤(例えば、充填剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、着色剤、滑沢剤、または任意のこれらの組合せ)を含む錠剤からなり、これらのそれぞれは上記に、および下記の実施例において記載され、錠剤は、約30分で約50%~約100%(例えば、約55%~約95%または約60%~約90%)が溶解する。
【0142】
溶解は、50mMのリン酸二水素カリウム(potassium phosphate
monoasic)でpH6.8にて緩衝する900mLの脱イオン水に溶解させた0.1%CTABの溶解媒体を用いる、標準的USPタイプII装置で測定することができ、約50~75rpmで約37℃の温度にて撹拌する。単一の実験用錠剤を、装置のそれぞれの試験槽において試験する。溶解はまた、900mLの50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)に溶解させた0.7%ラウリル硫酸ナトリウムの溶解媒体を用いる、標準的USPタイプII装置で測定することができ、約65rpmで約37℃の温度にて撹拌する。単一の実験用錠剤を、装置のそれぞれの試験槽において試験する。溶解はまた、900mLの50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)に溶解させた0.5%ラウリル硫酸ナトリウムの溶解媒体を用いる、標準的USPタイプII装置で測定することができ、約65rpmで約37℃の温度にて撹拌する。単一の実験用錠剤を、装置のそれぞれの試験槽において試験する。
【0143】
化合物1形態I、および実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物を作製する方法
化合物1
化合物1を化合物1形態Iのための出発点として使用し、スキーム1~4によって、酸塩化物部分とアミン部分とをカップリングすることによって調製することができる。
スキーム1.酸塩化物部分の合成
【化3】
【0144】
スキーム1は、1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニルクロリドの調製を示し、これはスキーム3において使用され、化合物1のアミド結合が作製される。
【0145】
出発材料である2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸は、Saltigo(Lanxess Corporationの関連会社)から市販されている。第一級アルコールへの2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルボン酸中のカルボン酸(carboxylc acid)部分の還元、それに続く、塩化チオニル(SOCl
2)を使用した対応するクロリドへの変換によって、5-(クロロメチル)-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソールが得られ、これを引き続いて、シアン化ナトリウムを使用して2-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)アセトニトリルに変換する。塩基および1-ブロモ-2-クロロエタンによる2-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)アセトニトリルの処理によって、1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニトリルが得られる。1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニトリルにおけるニトリル部分を、塩基を使用してカルボン酸に変換し、1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸を得て、これを塩化チオニルを使用して所望の酸塩化物に変換する。
スキーム2.酸塩化物部分の代替合成
【化4】
【0146】
スキーム2は、必要な酸塩化物の代替合成を示す。5-ブロモメチル-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソールを、パラジウム触媒の存在下でシアノ酢酸エチルとカップリングし、対応するアルファシアノエチルエステルを形成させる。カルボン酸へのエステル部分のけん化によって、シアノエチル化合物が得られる。塩基の存在下での1-ブロモ-2-クロロエタンによるシアノエチル化合物のアルキル化によって、シアノシクロプロピル化合物が得られる。塩基によるシアノシクロプロピル化合物の処理によって、カルボン酸塩が得られ、これを酸での処理によってカルボン酸に変換する。次いで、酸塩化物へのカルボン酸の変換は、塩素化剤、例えば、塩化チオニルなどを使用して達成される。
スキーム3.アミン部分の合成
【化5】
【0147】
スキーム3は、必要なtert-ブチル3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートの調製を示す。これを、スキーム3において1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニルクロリドとカップリングし、化合物1が得られる。3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸と2-ブロモ-3-メチルピリジンとのパラジウム触媒カップリングによって、tert-ブチル3-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートが得られ、これは引き続いて所望の化合物に変換される。
スキーム4.3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸の酸塩の形成
【化6】
【0148】
スキーム4は、トリエチルアミンおよび4-ジメチルアミノピリジンを使用した、1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニルクロリドとtert-ブチル3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートとのカップリングを示し、化合物1のtert-ブチルエステルを最初に提供する。
【0149】
化合物1形態I
化合物1形態Iは、化合物1の塩形態、例えば、HCl塩を適当な溶媒に、有効な長さの時間だけ分散または溶解させることによって調製される。酸、例えば、HClでのtert-ブチルエステルの処理によって、化合物1のHCl塩が得られ、これは典型的には結晶性固体である。化合物1形態Iはまた、適当な酸、例えば、ギ酸での処理によって、t-ブチルエステル前駆体から直接調製し得る。
【0150】
3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸のHCl塩を使用して、適当な溶媒に3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸のHCl塩を有効な長さの時間だけ分散または溶解させることによって、形態Iを作製することができる。3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸の他の塩、例えば、他の鉱酸または有機酸に由来する塩などを使用し得る。他の塩は、t-ブチルエステル部分の、酸が媒介する加水分解から結果として生ずる。他の酸に由来する塩は、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、安息香酸およびマロン酸を含み得る。3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸のこれらの塩形態は、可溶性であっても、可溶性でなくてもよく、使用する溶媒しだいであるが、溶解度の不足は、化合物1形態Iの形成を妨げない。例えば、一実施形態において、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸のHCl塩形態は、水にほんの僅かにしか可溶ではないが、適当な溶媒は、水であっても、アルコール/水の混合物(例えば、50%メタノール/水の混合物)であってもよい。一実施形態において、適当な溶媒は、水である。
【0151】
3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸の塩から化合物1形態Iを形成するための時間の有効な長さは、2時間から24時間もしくはそれより長い時間までの間の任意の時間であってよい。必要とされる時間の長さは、温度に反比例することが認識される。すなわち、温度が高いほど、化合物1形態Iを形成する酸の解離に影響を与えるのに必要とされる時間は短い。溶媒が水であるとき、分散物を室温にて概ね24時間撹拌することによって、化合物1形態Iが概ね98%収率でもたらされる。3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸の塩の溶液がプロセスの目的にとって望ましい場合、高温を使用し得る。溶液を有効な長さの時間だけ高温にて撹拌した後、冷却による再結晶によって、実質的に純粋な化合物1形態Iが得られる。一実施形態において、実質的に純粋なとは、約90%超の純度を指す。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約95%超の純度を指す。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約98%超の純度を指す。別の実施形態において、実質的に純粋なとは、約99%超の純度を指す。選択される温度は、使用される溶媒に部分的に依存し、当業者の決定能力の十分な範囲内である。一実施形態において、温度は、室温から約80℃の間である。別の実施形態において、温度は、室温から約40℃の間である。別の実施形態において、温度は、約40℃~約60℃の間である。別の実施形態において、温度は、約60℃~約80℃の間である。
【0152】
化合物1形態Iはまた、化合物1の塩への前駆体である3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエート(スキーム3を参照されたい)から直接形成され得る。このように、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベ
ンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエートは、適当な反応条件下で適当な酸、例えば、ギ酸などとの反応を受けて、化合物1形態Iをもたらしてもよい。
【0153】
化合物1形態Iは、有機溶媒からの再結晶によってさらに精製され得る。有機溶媒の例には、これらに限定されないが、トルエン、クメン、アニソール(anisol)、1-ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルt-ブチルエーテル、メチルイソブチルケトンおよび1-プロパノール-水の混合物が含まれる。温度は、上記の通りであってよい。例えば、化合物1形態Iを、これが完全に溶解するまで、1-ブタノールに75℃で溶解させる。10℃まで0.2℃/分の速度で溶液を冷却することによって、化合物1形態Iの結晶が生じ、これは濾過によって単離され得る。
【0154】
一実施形態において、化合物1形態Iは、Cu Kアルファ放射線を使用して得たX線粉末回折において、15.2~15.6度、16.1~16.5度、および14.3~14.7度における1つまたは複数のピークによって特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、15.4度、16.3度、および14.5度における1つまたは複数のピークによって特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、14.6~15.0度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、14.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、17.6~18.0度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、17.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、16.4~16.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、16.4~16.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、16.6度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、7.6~8.0度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、7.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、25.8~26.2度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、26.0度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、21.4~21.8度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、21.6度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、23.1~23.5度におけるピークによってさらに特性決定される。別の実施形態において、化合物1形態Iは、23.3度におけるピークによってさらに特性決定される。いくつかの実施形態において、化合物1形態Iは、
図1の回折パターンと実質的に同様である回折パターンによって特性決定される。いくつかの実施形態において、化合物1形態Iは、
図2の回折パターンと実質的に同様である回折パターンによって特性決定される。
【0155】
いくつかの実施形態において、D90の粒径分布は、化合物1形態Iについて約82μmもしくはそれ未満である。いくつかの実施形態において、D50の粒径分布は、化合物1形態Iについて約30μmもしくはそれ未満である。
【0156】
化合物2
化合物2は、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物についての出発点であり、4-オキソ-ジヒドロキノリンカルボン酸部分とアミン部分とをスキーム5~7に従ってカップリングすることによって調製することができる。
スキーム5:4-オキソ-ジヒドロキノリンカルボン酸部分の合成
【化7】
スキーム6:アミン部分の合成
【化8】
スキーム7:4-オキソ-ジヒドロキノリンカルボン酸部分とアミン部分とのカップリング
【化9】
【0157】
実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物
化合物2のアモルファス形態は、化合物2から出発して、噴霧乾燥法によって調製し得る。噴霧乾燥は、液体供給物を乾燥した微粒子形態に変換するプロセスである。任意選択で、第2の乾燥プロセス、例えば、流動化床乾燥または真空乾燥を使用して、残留溶媒を薬学的に許容されるレベルまで低減し得る。典型的には、噴霧乾燥は、高度に分散した液体懸濁液または溶液と十分な容量の熱空気とを接触させて、蒸発ならびに液滴の乾燥を引き起こすことが関与する。噴霧乾燥される調製物は、選択した噴霧乾燥装置を使用して微粒化され得る、任意の溶液、粗い懸濁液、スラリー、コロイド状分散物、またはペーストであり得る。標準的な手順において、調製物を温かい濾過空気流中に噴霧し、これによって溶媒を蒸発させ、乾燥した生成物をコレクター(例えば、サイクロン)に運ぶ。次いで、使い尽くされた空気の可溶成分を溶媒で完全に取り除くか、または代わりに、使い尽くされた空気を冷却器に送り、溶媒を捕獲し、潜在的には再循環させる。市販のタイプの装置を使用して、噴霧乾燥を行い得る。例えば、市販の噴霧乾燥機は、Buchi Ltd.およびNiroによって製造されている(例えば、Niroによって製造された噴霧乾燥機のPSDライン)(US2004/0105820;US2003/0144257を参照されたい)。
【0158】
噴霧乾燥は典型的には、約3重量%~約30重量%(すなわち、薬物および添加剤)、例えば、約4重量%~約20重量%、好ましくは、少なくとも約10重量%の固体量の材料を用いる。一般に、固体量の上限は、このように得られた溶液の粘度(例えば、ポンプで汲み上げられる能力)、および溶液中の構成要素の溶解度に影響される。一般に、溶液の粘度は、このように得られた粉末生成物中の粒子のサイズを決定することができる。
【0159】
噴霧乾燥のための技術および方法は、Perry’s Chemical Engineering Handbook、第6版、R. H. Perry、D. W. GreenおよびJ. O. Maloney、編)、McGraw-Hill book co.(1984年);およびMarshall、「Atomization and Spray-Drying」50巻、Chem. Eng. Prog. Monogr. Series、2頁(1954年)において見出すことができる。一般に、噴霧乾燥は、約60℃~約200℃、例えば、約95℃~約185℃、約110℃~約182℃、約96℃~約180℃、例えば、約145℃の入口温度を用いて行われる。噴霧乾燥は一般に、約30℃~約90℃、例えば、約40℃~約80℃、約45℃~約80℃、例えば、約75℃の出口温度を用いて行われる。微粒化流量は一般に、約4kg/時間~約12kg/時間、例えば、約4.3kg/時間~約10.5kg/時間、例えば、約6kg/時間または約10.5kg/時間である。供給流量は一般に、約3kg/時間~約10kg/時間、例えば、約3.5kg/時間~約9.0kg/時間、例えば、約8kg/時間または約7.1kg/時間である。微粒化比は一般に、約0.3~1.7、例えば、約0.5~1.5、例えば、約0.8または約1.5である。
【0160】
溶媒の除去は、それに続く乾燥ステップ、例えば、トレイ乾燥、流動床乾燥(例えば、およそ室温から約100℃まで)、真空乾燥、マイクロ波乾燥、回転式ドラム乾燥またはバイコニカル真空乾燥(例えば、およそ室温から約200℃まで)を必要とし得る。
【0161】
一実施形態において、噴霧乾燥した分散物を、流動床乾燥させる。
【0162】
1つのプロセスにおいて、溶媒は、揮発性溶媒、例えば、約100℃より低い沸点を有する溶媒を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、溶媒の混合物、例えば、揮発性溶媒の混合物、または揮発性溶媒および不揮発性溶媒の混合物を含む。溶媒の混合物が使用される場合、混合物は、1種または複数種の不揮発性溶媒を含むことができ、例えば、
不揮発性溶媒は、混合物中に約15%未満、例えば、約12%未満、約10%未満、約8%未満、約5%未満、約3%未満、または約2%未満で存在する。
【0163】
好ましい溶媒は、化合物2が、少なくとも約10mg/ml(例えば、少なくとも約15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、35mg/ml、40mg/ml、45mg/ml、50mg/ml、またはそれより大きい値)の溶解度を有する溶媒である。より好ましい溶媒は、化合物2が、少なくとも約20mg/mlの溶解度を有するものを含む。
【0164】
試験することができる例示的な溶媒には、アセトン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、酢酸エチル、エチルエーテル、氷酢酸(HAc)、メチルエチルケトン(MEK)、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、ペンタン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸イソプロピル、およびトルエンが含まれる。例示的な共溶媒には、アセトン/DMSO、アセトン/DMF、アセトン/水、MEK/水、THF/水、ジオキサン/水が含まれる。2溶媒系において、溶媒は、約0.1%~約99.9%で存在し得る。いくつかの好ましい実施形態において、水は、アセトンとの共溶媒であり、水は、約0.1%~約15%、例えば、約9%~約11%、例えば、約10%で存在する。いくつかの好ましい実施形態において、水は、MEKとの共溶媒であり、水は、約0.1%~約15%、例えば、約9%~約11%、例えば、約10%で存在する。いくつかの実施形態において、溶媒溶液は、3種の溶媒を含む。例えば、アセトンおよび水を、第3の溶媒、例えば、DMA、DMF、DMI、DMSO、またはHAcと混合することができる。実質的にアモルファスの化合物2が固体分散物の構成要素である場合において、好ましい溶媒は、化合物2およびポリマーの両方を溶解する。適切な溶媒は、上に記載したもの、例えば、MEK、アセトン、水、メタノール、およびこれらの混合物を含む。
【0165】
粒径および温度乾燥範囲を修正して、最適な噴霧乾燥分散物を調製し得る。当業者が認識するように、小さな粒径は改善された溶媒の除去をもたらす。しかし、より小さな粒子は、ある状況下にて、下流の加工、例えば、錠剤化に最適な噴霧乾燥分散物を提供しないふわふわした粒子をもたらし得ることを出願人等は見出した。より高い温度では、実質的にアモルファスの化合物2の結晶化または化学分解が起こり得る。より低い温度では、十分な量の溶媒を、除去することができない。本明細書における方法は、最適な粒径および最適な乾燥温度を提供する。
【0166】
一般に、粒径は、D10(μm)が、約5未満、例えば、約4.5未満、約4.0未満、または約3.5未満であり、D50(μm)が一般に、約17未満、例えば、約16未満、約15未満、約14未満、約13未満であり、D90(μm)が一般に、約175未満、例えば、約170未満、約170未満、約150未満、約125未満、約100未満、約90未満、約80未満、約70未満、約60未満、または約50未満であるような粒径である。一般に、噴霧乾燥した粒子のかさ密度は、約0.08g/cc~約0.20g/cc、例えば、約0.10~約0.15g/cc、例えば、約0.11g/ccまたは約0.14g/ccである。噴霧乾燥した粒子のタップ密度は一般に、10タップについては、約0.08g/cc~約0.20g/ccの範囲であり、例えば、約0.10~約0.15g/cc、例えば、約0.11g/ccまたは約0.14g/ccであり;500タップについては、0.10g/cc~約0.25g/ccの範囲であり、例えば、約0.11~約0.21g/cc、例えば、約0.15g/cc、約0.19g/cc、または約0.21g/ccであり;1250タップについては、0.15g/cc~約0.
27g/ccの範囲であり、例えば、約0.18~約0.24g/cc、例えば、約0.18g/cc、約0.19g/cc、約0.20g/cc、または約0.24g/ccであり;および2500タップについては、0.15g/cc~約0.27g/ccの範囲であり、例えば、約0.18~約0.24g/cc、例えば、約0.18g/cc、約0.21g/cc、約0.23g/cc、または約0.24g/ccである。
【0167】
ポリマー
【0168】
アモルファス化合物2およびポリマー(または固体状態の担体)を含む噴霧乾燥した分散物はまた、本明細書において含まれる。例えば、化合物2は、固体アモルファス分散物の構成要素としてアモルファス化合物として存在する。固体アモルファス分散物は一般に、実質的にアモルファスの化合物2およびポリマーを含む。例示的なポリマーには、セルロースポリマー、例えば、HPMCまたはHPMCASおよびピロリドン含有ポリマー、例えば、PVP/VAが含まれる。いくつかの実施形態において、固体アモルファス分散物は、1種または複数種のさらなる添加剤、例えば、界面活性剤を含む。
【0169】
一実施形態において、ポリマーは、水性媒体に溶解することができる。ポリマーの溶解度は、pH非依存性であってもpH依存性であってもよい。後者は、1種または複数種の腸溶性ポリマーを含む。「腸溶性ポリマー」という用語は、胃のより酸性の環境に対して腸のより酸性でない環境において優先的に可溶性であるポリマー、例えば、酸性の水性媒体中で不溶性であるが、pHが5~6超であるとき可溶性であるポリマーを指す。適当なポリマーは、化学的および生物学的に不活性であるべきである。噴霧乾燥分散物の物理的安定性を改善するために、ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、できるだけ高くあるべきである。例えば、好ましいポリマーは、薬物(すなわち、化合物2)のガラス転移温度と少なくとも等しいかまたはそれより高いガラス転移温度を有する。他の好ましいポリマーは、薬物(すなわち、化合物2)の約10~約15℃の範囲内であるガラス転移温度を有する。ポリマーの適切なガラス転移温度の例には、少なくとも約90℃、少なくとも約95℃、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約125℃、少なくとも約130℃、少なくとも約135℃、少なくとも約140℃、少なくとも約145℃、少なくとも約150℃、少なくとも約155℃、少なくとも約160℃、少なくとも約165℃、少なくとも約170℃、または少なくとも約175℃(乾燥条件下で測定した場合)が含まれる。理論に束縛されるものではないが、根底にある機序は、より高いTgを有するポリマーほど、一般に室温にてより低い分子運動性を有することであると考えられており、これはアモルファスの噴霧乾燥分散物の物理的安定性を安定化することにおける重大な要因であり得る。
【0170】
さらに、ポリマーの吸湿性は、低く、例えば、約10%未満であるべきである。本出願において比較目的で、ポリマーまたは組成物の吸湿性は、約60%の相対湿度において特性決定される。いくつかの好ましい実施形態において、ポリマーは、約10%未満の吸水率、例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、または約2%未満の吸水率を有する。吸湿性はまた、噴霧乾燥分散物の物理的安定性に影響を与えることができる。一般に、ポリマー中に吸着される水分は、ポリマーならびにこのように得られた噴霧乾燥分散物のTgを非常に低減させることができ、これは上記のような噴霧乾燥分散物の物理的安定性をさらに低減させる。
【0171】
一実施形態において、ポリマーは、1種または複数種の水溶性ポリマー(複数可)または部分的水溶性ポリマー(複数可)である。水溶性または部分的水溶性ポリマーには、これらに限定されないが、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC))またはエチルセルロース;
ポリビニルピロリドン(PVP);ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルアルコール(PVA);アクリレート、例えば、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)E);シクロデキストリン(例えば、β-シクロデキストリン(cyclodextin))、ならびに例えば、PVP-VA(ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone)-酢酸ビニル)を含めたそのコポリマーおよび誘導体が含まれる。
【0172】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、例えば、HPMCAS、HPMC E50、HPMCE15、またはHPMC60SH50)である。
【0173】
本明細書で考察するように、ポリマーは、pH依存性の腸溶性ポリマーであってよい。このようなpH依存性の腸溶性ポリマーには、これらに限定されないが、セルロース誘導体(例えば、酢酸フタル酸セルロース(CAP))、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(例えば、ナトリウム塩、例えば、(CMC-Na));酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース(HPCAP)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAP)、および酢酸フタル酸メチルセルロース(MCAP)、またはポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)S)が含まれる。いくつかの実施形態において、ポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)である。いくつかの実施形態において、ポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースHGグレード(HPMCAS-HG)である。
【0174】
さらに別の実施形態において、ポリマーは、ポリビニルピロリドンコポリマー、例えば、ビニルピロリドン(avinylpyrrolidone)/酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)である。
【0175】
化合物2がポリマーと共に、例えば、HPMC、HPMCAS、またはPVP/VAポリマーと共に噴霧乾燥分散物を形成する実施形態において、噴霧乾燥分散物の総重量に対するポリマーの量は、約0.1重量%~99重量%の範囲である。他に特定しない限り、分散物内の薬物、ポリマーおよび記載したような他の添加剤の百分率は重量百分率で示す。ポリマーの量は典型的には、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、例えば、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、または約50%(例えば、49.5%)である。量は典型的には、約99%もしくはそれ未満、好ましくは約80%もしくはそれ未満、例えば、約75%もしくはそれ未満、約70%もしくはそれ未満、約65%もしくはそれ未満、約60%もしくはそれ未満、または約55%もしくはそれ未満である。一実施形態において、ポリマーは、分散物の総重量に対して約50%まで(よりさらに具体的には、約40%~50%の間、例えば、約49%、約49.5%、または約50%)の量である。HPMCおよびHPMCASは、信越化学工業から種々のグレードで入手可能であり、例えば、HPMCASは、AS-LF、AS-MF、AS-HF、AS-LG、AS-MG、AS-HGを含めたいくつかの種類で入手可能である。これらのグレードのそれぞれは、アセテートおよびスクシネートの置換率(パーセント)と共に変化する。
【0176】
いくつかの実施形態において、実質的にアモルファスの化合物2およびポリマーは、おおよそ等しい量で存在し、例えば、ポリマーおよび薬物のそれぞれは、分散物の重量百分率の約半分を構成する。例えば、ポリマーは、約49.5%で存在し、薬物は、約50%で存在する。
【0177】
いくつかの実施形態において、合わせた実質的にアモルファスの化合物2およびポリマーは、噴霧乾燥前に、非噴霧乾燥分散物の1%~20%w/wの総固体含有量を表す。いくつかの実施形態において、合わせた実質的にアモルファスの化合物2およびポリマーは、噴霧乾燥前に、非噴霧乾燥分散物の5%~15%w/wの総固体含有量を表す。いくつかの実施形態において、合わせた実質的にアモルファスの化合物2およびポリマーは、噴霧乾燥前に、非噴霧乾燥分散物の約11%w/wの総固体含有量を表す。
【0178】
いくつかの実施形態において、分散物は、他の少ない方の成分、例えば、界面活性剤(例えば、SLS)をさらに含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、分散物の約10%未満、例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%、または約0.5%で存在する。
【0179】
ポリマーを含む実施形態において、ポリマーは、噴霧乾燥分散物を安定化するのに有効な量で存在するべきである。安定化させることは、実質的にアモルファスの化合物2の結晶化を阻害または防止することを含む。このように安定化させることは、アモルファスから結晶形態への化合物2の変換を阻害する。例えば、ポリマーは、化合物2の少なくとも一部(例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、またはそれより大きい値)が、アモルファスから結晶形態に変換することを防止する。安定化は、例えば、噴霧乾燥分散物のガラス転移温度を測定することによって、アモルファス材料の弛緩の速度を測定することによって、または化合物2の溶解度もしくはバイオアベイラビリティーを測定することによって測定することができる。
【0180】
例えば、噴霧乾燥分散物、例えば、アモルファスの噴霧乾燥分散物を形成するために、化合物2と組み合わせての使用に適切なポリマーは、下記の特性の1つまたは複数を有するべきである。
【0181】
ポリマーのガラス転移温度は、実質的にアモルファスの化合物2のガラス転移温度より約10~15℃以上低い温度を有するべきである。好ましくは、ポリマーのガラス転移温度は、実質的にアモルファスの化合物2のガラス転移温度より高く、一般に、薬物生成物の所望の貯蔵温度より少なくとも50℃高い。例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃、少なくとも約130℃、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約160℃、少なくとも約160℃、またはそれより大きい値。
【0182】
ポリマーは、相対的に非吸湿性であるべきである。例えば、ポリマーは、標準条件下で貯蔵したとき、約10%未満の水、例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、または約5%未満、約4%未満、または約3%未満の水を吸収するべきである。好ましくは、ポリマーは、標準条件下で貯蔵したとき、吸収した水を実質的に含有しない。
【0183】
ポリマーは、化合物2の溶解度と比較して、噴霧乾燥プロセスに適した溶媒中で同様またはより良好な溶解度を有するべきである。好ましい実施形態において、ポリマーは、化合物2と同じ溶媒または溶媒系の1つまたは複数に溶解する。ポリマーは、少なくとも1種のヒドロキシ非含有溶媒、例えば、塩化メチレン、アセトン、またはこれらの組合せ中で可溶性であることが好ましい。
【0184】
ポリマーは、例えば、噴霧乾燥分散物中でまたは液体懸濁液中で、実質的にアモルファスの化合物2と合わせたとき、ポリマーの非存在下での化合物2の溶解度に対して、または参照ポリマーと合わせたときの化合物2の溶解度に対して、水性および生理学的相対的
媒体中で化合物2の溶解度を増加させるべきである。例えば、ポリマーは、固体アモルファス分散物からまたは液体懸濁液から、結晶化合物2に変わるアモルファス化合物2の量を低減させることによって、アモルファス化合物2の溶解度を増加させることができる。
【0185】
ポリマーは、アモルファス物質の弛緩速度を減少させるべきである。
【0186】
ポリマーは、実質的にアモルファスの化合物2の物理的および/または化学的安定性を増加させるべきである。
【0187】
ポリマーは、実質的にアモルファスの化合物2の製造性を改善させるべきである。
【0188】
ポリマーは、実質的にアモルファスの化合物2の取扱い、投与または貯蔵性の1つまたは複数を改善させるべきである。
【0189】
ポリマーは、他の医薬構成要素、例えば、添加剤と不利に相互作用すべきではない。
【0190】
候補ポリマー(または他の構成要素)の適合性は、アモルファス組成物を形成するための本明細書に記載されている噴霧乾燥法(または他の方法)を使用して試験することができる。候補組成物は、安定性、結晶の形成への抵抗、または他の特性に関して比較することができ、参照調製物、例えば、ニートのアモルファス化合物2または結晶化合物2の調製物と比較することができる。例えば、候補組成物を試験して、候補組成物が、制御条件下で所与の時間における変換率を、もしくは溶媒が媒介する結晶化の開始時間を少なくとも50%、75%、100%、もしくは110%だけ阻害するかを決定することができ、ならびに参照調製物、または候補組成物を試験して、候補組成物が、結晶化合物2と比較して改善されたバイオアベイラビリティーもしくは溶解度を有するかを決定することができる。
【0191】
界面活性剤
【0192】
噴霧乾燥分散物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤または界面活性剤混合物は一般に、噴霧乾燥分散物と水性媒体の間の界面張力を減少させる。適当な界面活性剤または界面活性剤混合物はまた、噴霧乾燥分散物からの化合物2の水溶解度およびバイオアベイラビリティーを増進し得る。本発明に関連して使用するための界面活性剤には、これらに限定されないが、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Spans(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tweens(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)ジオクチルソジウムスルホサクシネート(ドキュセート)、デオキシコール酸(dioxycholic acid)ナトリウム塩(DOSS)、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HTAB)、N-ラウロイルサルコシンナトリウム(Sodium N-lauroylsarcosine)、オレイン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、Gelucire44/14、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ビタミンEd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)、レシチン、MW677-692、グルタミン酸(Glutanic acid)一ナトリウム一水和物、Labrasol、PEG8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、Transcutol、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、Solutol HS-15、ポリエチレングリコール/ヒドロキシステアレート、タウロコール酸、Pluronic F68、Pluronic F108、およびPluronic F127(もしくは任意の他のポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(Pluronics(登録商標))または飽和ポリグリコール化グリセリド(Geluc
irs(登録商標)))が含まれる。本発明に関連して使用し得るこのような界面活性剤の具体例には、これらに限定されないが、Span65、Span25、Tween20、Capryol90、Pluronic F108、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンE TPGS、pluronicsおよびコポリマーが含まれる。SLSが一般に好ましい。
【0193】
噴霧乾燥分散物の総重量に対する界面活性剤(例えば、SLS)の量は、0.1~15%の間であり得る。これは、好ましくは、約0.5%~約10%、より好ましくは、約0.5~約5%、例えば、約0.5~4%、約0.5~3%、約0.5~2%、約0.5~1%、または約0.5%である。
【0194】
ある特定の実施形態において、噴霧乾燥分散物の総重量に対する界面活性剤の量は、少なくとも約0.1%、好ましくは約0.5%である。これらの実施形態において、界面活性剤は、約15%以下、好ましくは、約12%以下、約11%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下または約1%以下の量で存在する。界面活性剤が約0.5重量%の量である一実施形態が好ましい。
【0195】
候補界面活性剤(または他の構成要素)は、ポリマーを試験するために記載されているものと同様の様式で、本発明における使用に対する適合性について試験することができる。
【0196】
医薬組成物を作製する方法
本発明の医薬組成物は、湿式造粒、混和物または組成物、例えば、粉末または顆粒を加圧下で圧密化または圧縮し、安定な三次元形状(例えば、錠剤)を形成させることによって生成することができる。本明細書において使用する場合、「錠剤」は、コーティングされていようと、コーティングされてなかろうと、全ての形状およびサイズの圧縮した医薬投薬量単位形態を含む。
【0197】
「錠剤」という用語は、本明細書において使用する場合、処置を受ける患者に適した剤の物理的個別単位を指す。一般に、圧密化された混合物は、圧密化の前の混合物の密度より高い密度を有する。本発明の投薬量錠剤は、凹状および/または凸状の面、丸いまたは角のあるコーナー、および曲線的形状から直線的形状までを含めて、殆ど任意の形状を有することができる。いくつかの実施形態において、本発明の圧縮錠剤は、平らな面を有する丸い錠剤を含む。本発明の錠剤は、圧縮した固体医薬剤形を形成する、当業者に公知の任意の圧密化および圧縮方法によって調製することができる。特定の実施形態において、本明細書において提供する製剤は、例えば、関連するテキストにおいて記載されているように、医薬製剤の分野の当業者に公知の通常の方法を使用して調製し得る。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、Md.(2003年);Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms And Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & Wilkins(1999年);The Handbook of Pharmaceutical Excipients、第4版、Roweら、編、American Pharmaceuticals Association(2003年);Gibson、Pharmaceutical Preformulation And Formulation、CRC Press(2001年)を参照されたい。これらの参照文献は全内容が参考として本明細書に援用される。
【0198】
造粒および圧縮
いくつかの実施形態において、本明細書におけるフォーミュラセットによって成分を秤量する。次に、顆粒内成分の全てを、ふるい分けおよび十分に混合する。成分は、適切な滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムで潤滑にすることができる。次のステップは、粉末混和物および同じ大きさの成分の圧密化/強打を含むことができる。次に、圧密化または強打されたブレンドを、顆粒にミル加工し、ふるい分けし、所望のサイズを得る。次に、顆粒は、例えば、ステアリン酸マグネシウムでさらに潤滑にすることができる。次に、本発明の顆粒状組成物は、本発明によって適切なパンチ上で様々な医薬製剤に圧縮することができる。任意選択で、錠剤は、フィルム、着色剤または他のコーティングでコーティングすることができる。
【0199】
本発明の別の態様は、化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および充填剤、賦形剤、結合剤、界面活性剤、滑沢剤、崩壊剤から選択される1種または複数種の添加剤を含む組成物の混和物を提供することと、組成物を約30分で少なくとも約50%が溶解する錠剤に圧縮することとを含む、医薬組成物を生成する方法を提供する。
【0200】
別の実施形態において、湿式造粒プロセスを行って、粉末状および液体成分の混和物から本発明の医薬製剤を生じさせる。例えば、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物と、充填剤、結合剤、界面活性剤、または崩壊剤から選択される1種または複数種の添加剤とを含む組成物の混和物を含む医薬組成物を、本明細書におけるフォーミュラセットに従って秤量する。次に、顆粒内成分の全てをふるい分けし、そして、水、または界面活性剤を伴う水、または結合剤を伴う水、または界面活性剤および結合剤を伴う水を使用して、高剪断または低剪断造粒機で混合し、粉末ブレンドを顆粒化する。界面活性剤および/または結合剤を伴うかまたは伴わない、水以外の液をまた使用して、粉末ブレンドを顆粒化することができる。次に、湿った顆粒は、適切なミルを使用して、任意選択でミル加工することができる。次に、成分を任意の適切な様式で乾燥させることによって、水を任意選択で混和物から除去し得る。次に、乾燥した顆粒を、必要とされるサイズに任意選択でミル加工することができる。次に、ブレンドすることによって顆粒外添加剤を加えることができる(例えば、充填剤、賦形剤、および崩壊剤)。次に、同じサイズの顆粒は、ステアリン酸マグネシウムおよび崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウムでさらに潤滑にすることができる。次に、本発明の顆粒状組成物は、十分な時間ふるい分けして、正確なサイズを得ることができ、次いで、本発明によって適切なパンチ上で様々な医薬製剤に圧縮することができる。任意選択で、錠剤は、フィルム、着色剤または他のコーティングでコーティングすることができる。驚いたことに、湿式造粒は、化合物1形態Iまたは実質的にアモルファスの化合物2の固体状態形態の実質的な喪失を伴わずに行うことができる。
【0201】
特に好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物は、連続二軸スクリュー湿式造粒(TSWG)プロセスによって調製される。連続製造は、オンラインモニタリングおよびコントロールによって高品質および高度に一貫した生成物を産出する。連続製造はまた、「データに富んだ」設計空間による設計開発、ならびに下流のプロセスおよび最終生成物の質に対する、上流の変数のより分かりやすい影響によって質を向上させる。さらに、本発明の医薬組成物は、商業スケールの機器において早く完成させることができ、これはスケールアップの危険性、および開発の後期における配合の変化を回避する。最終的に、連続製造は、商業製造上の利点、例えば、プロセス制御の改善、生成物取扱いの低減、およびリアルタイムの放出効率性を有する。全体的な結果は、より少ないプロセスチェックを有する、よりロバストでかつ制御可能でかつスケーラブル(scalable)なプロセスであり、生成物の質の向上、したがって患者のより大きな安全性をもたらす。これらの利点は、化学、製造及び品質管理(CMC)が、高度に有効な治療の急速な臨床開発につ
いていくことができないというJanet Woodcock(医薬品評価研究センター(CDER)のディレクター)の懸念に対処する(「現在起こっていることは、律速段階が製造することになりつつあることが多いことである」、米食品医薬品局の画期的治療薬指定について議論するための、2013年7月24日のFriends of Cancer主催の米国連邦議会ブリーフィングである「Answering a Compelling Need: Expediting Life-Saving Treatments to Patients」)。
【0202】
例えば、一般の造粒技術である高剪断造粒(HSG)は、過造粒および乏しいプロセス制御の危険性について周知である。このプロセスのスケールアップは非常に挑戦的であり、かなりの危険性を伴う。HSGプロセスから連続TSWGプロセスへの変化は、同じ機器を使用してのスケールアップが、より長い時間操作することによって異なるバッチサイズを生じさせることを可能にする。これは、他の造粒プロセスが一般に遭遇するスケールアップの危険性を排除する。さらに、TSWGプロセスは、よりロバストであり、過造粒に対してより感受性でないことが見出された。化合物1の錠剤について
図3において見られるように、HSGプロセスは、水分含有率の増加と共に有意の溶解鈍化を示した一方で、TSWGプロセスは、同様の範囲の水の添加について変化を示さなかった。驚いたことに、二軸スクリュー湿式造粒プロセスを使用して、化合物1を45~55重量パーセントの間で含む錠剤配合物、および化合物1を60~70重量パーセントの間で含む錠剤配合物で性能の変化は見出されなかった。HSGプロセスでは、これは当てはまらなかった。さらに、この連続でありかつ生成物の質が増加するプロセスは、それを必要としている患者についての薬物使用可能性の欠乏に関してFDAによる通例の不満に対処する。
【0203】
一実施形態において、連続プロセスは、個々の添加剤、化合物1、および化合物2を連続インラインブレンダー中にロスインウエイト供給によって供給することによって出発する。このブレンダーから材料を連続的に運び、二軸スクリュー湿式造粒、乾燥、ミル加工、顆粒外添加剤の添加、ブレンド、圧縮およびフィルムコーティングによって加工する。
【0204】
例えば、一実施形態において、化合物1および化合物2を含む錠剤は、下記のフローチャートによって連続的に調製され得る。
【化10】
【0205】
この例示的な混和物の成分のそれぞれを、上におよび下記の実施例において記載する。さらに、混和物は、任意選択の添加物、例えば、上におよび下記の実施例において記載されているような、1種もしくは複数種の着色剤、1種もしくは複数種の香味剤、および/または1種もしくは複数種の香料を含むことができる。いくつかの実施形態において、混和物中のこれらの成分のそれぞれ(および任意の任意選択の添加物)の相対濃度(例えば、重量%)をまた、上におよび下記の実施例において提示する。混和物を構成する成分は、逐次的にまたは添加の任意の組合せで提供することができ、成分または成分の組合せは、任意の順序で提供することができる。一実施形態において、滑沢剤は、混和物に加える最後の構成要素である。
【0206】
別の実施形態において、混和物は、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物と、添加剤(結合剤、界面活性剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、および充填剤)の任意の1種または複数種との組成物を含み、これらの成分のそれぞれは、粉末形態で提供される(例えば、光散乱によって測定して、250μmもしくはそれ未満(例えば、150μmもしくはそれ未満、100μmもしくはそれ未満、50μmもしくはそれ未
満、45μmもしくはそれ未満、40μmもしくはそれ未満、または35μmもしくはそれ未満)の平均または平均的直径を有する粒子として提供される)。
【0207】
別の実施形態において、混和物を錠剤へと圧縮することは、枠(例えば、型)を混和物で充填し、圧力を混和物にかけることによって達成される。ダイプレス機または他の同様の装置を使用して、これを達成することができる。いくつかの実施形態において、化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤の混和物は、最初に顆粒形態に加工することができる。次いで、顆粒は、サイズ分けされ、そして、錠剤へと圧縮されてもよく、製薬技術における公知の方法によってカプセル化のために製剤化されてもよい。フォーム中の混和物への加圧は、それぞれの圧縮の間に同じ圧力を使用して、または圧縮の間に異なる圧力を使用して繰り返すことができることがまた留意される。別の例において、粉末状成分または顆粒の混和物は、十分な圧力をかけ、約30分で約50%もしくはそれを超えて(例えば、約30分で約55%もしくはそれを超えて、または約30分で約60%もしくはそれを超えて)溶解する錠剤を形成させるダイプレス機を使用して圧縮することができる。例えば、ダイプレス機を使用して混和物を圧縮し、少なくとも約5kP(少なくとも約5.5kP、少なくとも約6kP、少なくとも約7kP、少なくとも約10kP、または少なくとも15kP)の錠剤硬度を生じさせる。場合によって、混和物を圧縮して、約5~20kPの間の錠剤硬度を生じさせる。
【0208】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるような医薬組成物を含む錠剤は、着色剤を含む、重量で、錠剤の約3.0重量%のフィルムコーティングでコーティングすることができる。場合によっては、錠剤をコーティングするために使用される着色剤の懸濁液または溶液は、重量で、着色剤の懸濁液または溶液の約20%w/wの固体を含む。またさらなる例において、コーティング錠剤は、ロゴ、他の画像もしくは文章でラベル付けすることができる。
【0209】
別の実施形態において、医薬組成物を生成する方法は、固体形態の混和物、例えば、粉末状および/または液体成分の混和物、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物と、結合剤、賦形剤、界面活性剤、滑沢剤、崩壊剤、および充填剤から選択される1種または複数種の添加剤とを含む混和物を提供することと;混和物が実質的に均質になるまで混和物を混合すること、ならびに混和物を顆粒形態に圧縮または圧密化することとを含む。次いで、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む顆粒状組成物は、上にまたは下記の実施例において記載するように、錠剤へと圧縮されてもよく、カプセル剤へと製剤化されてもよい。代わりに、医薬組成物を生成する方法は、化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、ならびに1種または複数種の添加剤、例えば、結合剤、賦形剤、界面活性剤、滑沢剤、崩壊剤、および充填剤の混和物を提供することと;混和物が実質的に均質になるまで混和物を混合すること、ならびに下記の実施例に記載の高剪断の湿った顆粒の圧密化プロセスを使用して混和物を顆粒形態に圧縮/圧密化することとを含む。医薬製剤、例えば、本明細書に記載されるような錠剤を、本明細書に記載されている選択した添加剤に加えて、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを組み込むことによって調製された顆粒を使用して作製することができる。
【0210】
いくつかの実施形態において、混和物を、手練り、ミキサー、ブレンダー、任意のこれらの組合せなどを使用して、撹拌、ブレンド、振盪などによって混合する。成分または成分の組合せを逐次的に加えるとき、混合は、継続的添加の間に、成分の添加の間ずっと連続的に、成分もしくは成分の組合せの全ての添加の後に、または任意のこれらの組合せで行われ得る。混和物が実質的に均質な組成を有するまで、混和物を混合する。
【0211】
別の実施形態において、本発明は、0.1ミクロン~50ミクロンの間の有意な粒径画
分を有する粒子を生成するのに適した空気圧を使用して、適切な通常のミル加工装置において、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む医薬組成物をジェットミル加工することを含む。別の実施形態において、粒径は、0.1ミクロン~20ミクロンの間である。別の実施形態において、粒子サイズは、0.1ミクロン~10ミクロンの間である。別の実施形態において、粒径は、1.0ミクロン~5ミクロンの間である。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、2.0ミクロンの粒径D50を有する。
【0212】
本発明の製剤は、嚢胞性線維症の有効な処置のための固定された投薬量の2種のAPIを提供し、これはFDAからわずかに2つだけの画期的治療薬指定のうちの1つを受けた組合せであり、化合物2のアモルファス固体形態の少量の喪失によって測定すると驚くべき安定性を伴ってそれを行う組合せである。
図4は、60%の相対湿度での事前平衡化の後で、時間と共に50℃にてPC-XVIIでの化合物2の結晶化度の少ない量を示す。1000時間に近い時間の後でさえ、これらの条件下で、化合物2の5重量%未満が結晶化した。
図5は、PC-XVIIについて、60%の相対湿度での事前平衡化の後で60℃のより高い温度においてでさえ、これらの条件下で1000時間に近い時間において、化合物2の10重量%未満が結晶化したことを示す。
図6および
図7は、PC-XIXについての同様の結果を示す。したがって、本製剤は、驚くほどに安定な医薬組成物中の固定された投薬量の2つの画期的なAPIの利便性を提供する。このような製剤は、患者コンプライアンスを増加させ、これは疾患の有効な処置と直接関連する。
【0213】
上記のように調製した剤形を、United States Pharmacopoeia29巻、United States Pharmacopeial Convention, Inc.、Rockville、Md.、2005年(「USP」)における試験711「溶解」に従ってインビトロの溶解評価に供し、活性物質が剤形から放出される速度を決定することができる。活性物質の含有量および不純物レベルは、技術、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって好都合に測定される。
【0214】
いくつかの実施形態において、本発明は、包装材料、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および/もしくはポリプロピレン、ならびに/またはガラス、グラシンホイルの容器および閉じるもの、ならびに、アルミニウムもしくは高密度ポリ塩化ビニル(PVC)から構成されるアルミニウムパウチ、および、ブリスターまたはストリップなど(これらは、任意選択で乾燥剤、ポリエチレン(PE)、ポリ二塩化ビニリデン(PVDC)、PVC/PE/PVDCなどを含む)の使用を含む。これらのパッケージ材料を使用して、製薬技術において通常用いられる化学的または物理的滅菌技術を使用してパッケージおよびその内容物の適当な無菌化の後で、様々な医薬組成物および製剤を無菌の様式で貯蔵することができる。
【0215】
医薬組成物を投与する方法
一態様において、本発明の医薬組成物は、1日1回または約24時間毎に患者に投与することができる。代わりに、本発明の医薬組成物は、1日2回患者に投与することができる。代わりに、本発明の医薬組成物は、約12時間毎に投与することができる。これらの医薬組成物は、約25mg、50mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、300mg、または400mgの化合物1形態I;および約25mg、50mg、100mg、125mg、150mg、200mg、または250mgの実質的にアモルファスの化合物2を含有する経口製剤として投与される。この態様において、化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2に加えて、医薬組成物は、充填剤;崩壊剤;界面活性剤;結合剤;および滑沢剤(医薬組成物が顆粒剤であるか錠剤であるかに依存して)を含む。例えば、400mgの化合物1形態Iの用量は、200mgの化合物1形態Iをそれぞれが含有する2つの本発明の錠剤を含み得る。250mgの実質的
にアモルファスの化合物2の用量は、125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの本発明の錠剤を含み得る。
【0216】
本発明の化合物ならびに薬学的に許容される組成物および製剤は、併用療法において用いることができることをまた理解されたい。すなわち、化合物1形態I、および実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物、ならびにその薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の他の所望の療法または医療手順と同時にか、その前にか、またはそれに続いて投与することができる。
【0217】
一実施形態において、さらなる治療剤は、粘液溶解剤、気管支拡張剤(bronchodialator)、抗生物質、抗感染症剤、抗炎症剤、化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2以外のCFTR活性を誘発する化合物、または栄養剤から選択される。
【0218】
一実施形態において、さらなる剤は、(R)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-6-フルオロ-2-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-インドール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミドである。別の実施形態において、さらなる剤は、4-(3-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)イソキノリン-1-イル)安息香酸である。別の実施形態において、さらなる剤は、表1から選択される。
【表1-1】
【表1-2】
【0219】
別の実施形態において、さらなる剤は、上記の剤の任意の組合せである。例えば、組合せは、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物とを含む本発明の医薬組成物または錠剤を含んでもよく、さらなる治療剤は、(R)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-6-フルオロ-2-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-2-イル)-1H-インドール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミドである。別の例において、組合せは、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物とを含む本発明の医薬組成物または錠剤を含んでもよく、さらなる治療剤は、4-(3-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)イソキノリン-1-イル)安息香酸である。別の例において、組合せは、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物とを含む本発明の医薬組成物または錠剤を含んでもよく、さらなる治療剤は、表1からの化合物のいずれかの1つ、すなわち、表1の化合物1~14、または任意のこれらの組合せである。
【0220】
別の実施形態において、さらなる剤は、表1から選択される。
【表1-3】
【表1-4】
【0221】
別の実施形態において、さらなる剤は、表2から選択される。
【表2-1】
【0222】
一実施形態において、さらなる治療剤は、抗生物質である。本明細書において有用な例示的抗生物質には、トブラマイシンの吸入用粉末(TIP)を含めたトブラマイシン、アジスロマイシン、cayston、アズトレオナムのエアロゾル化形態を含めたアズトレオナム、アミカシンのリポソーム製剤を含めたアミカシン、吸入による投与に適したシプロフロキサシンの製剤を含めたシプロフロキサシン、レボフロキサシンのエアロゾル化製
剤を含めたレボフロキサシン(levoflaxacin)、ならびに2種の抗生物質の組合せ、例えば、ホスホマイシンおよびトブラマイシンが含まれる。
【0223】
別の実施形態において、さらなる剤は、粘液溶解剤である。本明細書において有用な例示的粘液溶解剤には、Pulmozyme(登録商標)が含まれる。
【0224】
別の実施形態において、さらなる剤は、気管支拡張剤である。例示的な気管支拡張剤(bronchodialtors)には、アルブテロール、硫酸メタプロテレノール(metaprotenerol)、酢酸ピルブテロール、サルメテロール、または硫酸テルブタリン(tetrabuline sulfate)が含まれる。
【0225】
別の実施形態において、さらなる剤は、肺気道表面液体の回復において有効である。このような剤は、細胞に入るおよび細胞を出る塩の動きを改善し、肺気道中の粘液がより水和され、したがって、より容易に取り除かれることを可能とする。例示的なこのような剤には、高張食塩水、デヌホソル四ナトリウム([[(3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1-イル)-3-ヒドロキシオキソラン-2-イル]メトキシ-ヒドロキシホスホリル][[[(2R,3S,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソピリミジン-1-イル)-3、4-ジヒドロキシオキソラン-2-イル]メトキシ-ヒドロキシホスホリル]オキシ-ヒドロキシホスホリル]ハイドロジェンホスファート)、またはbronchitol(マンニトールの吸入用製剤)が含まれる。
【0226】
別の実施形態において、さらなる剤は、抗炎症剤、すなわち、肺における炎症を低減させることができる剤である。本明細書において有用な例示的なこのような剤には、イブプロフェン、ドコサヘキサン酸(DHA)、シルデナフィル、吸入用グルタチオン、ピオグリタゾン、ヒドロキシクロロキン、またはシンバスタチン(simavastatin)が含まれる。
【0227】
別の実施形態において、さらなる剤は、化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、すなわち、CFTR活性を誘発または増強する効果を有する剤以外の、CFTR活性を増強または誘発する化合物である。例示的なこのような剤には、アタルレン(「PTC124(登録商標)」;3-[5-(2-フルオロフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]安息香酸)、シナプルチド、ランコブチド、デペレスタット(ヒト組換え好中球エラスターゼ阻害剤)、およびコビプロストン(7-{(2R、4aR、5R、7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸)が含まれる。
【0228】
別の実施形態において、さらなる剤は、栄養剤である。例示的な栄養剤には、Pancrease(登録商標)、Pancreacarb(登録商標)、Ultrase(登録商標)、またはCreon(登録商標)を含めたパンクレリパーゼ(膵酵素(pancreating enzyme)補充)、Liprotomase(登録商標)(以前は、Trizytek(登録商標))、Aquadeks(登録商標)、またはグルタチオン吸入が含まれる。一実施形態において、さらなる栄養剤は、パンクレリパーゼである。
【0229】
別の実施形態において、さらなる剤は、ゲンタマイシン、クルクミン、シクロホスファミド、4-フェニルブチレート、ミグルスタット、フェロジピン、ニモジピン、Philoxin B、ゲニステイン(geniestein)、アピゲニン、cAMP/cGMP増強物質または誘発物質、例えば、ロリプラム、シルデナフィル、ミルリノン、タダラフィル、アムリノン、イソプロテレノール、アルブテロール、およびサルメテロール(almeterol)、デオキシスペルグアリン、HSP90阻害剤、HSP70阻害剤、
プロテオソーム阻害剤、例えば、エポキソマイシン、ラクタシスチンなどから選択される化合物である。
【0230】
別の実施形態において、さらなる剤は、3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3]ビピリジニル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-シクロプロピル-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;(S)-3-アミノ-6-エトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドから選択される化合物または薬学的に許容されるその塩である。別の実施形態において、さらなる剤は、参考としてその全体が本明細書に援用される、米国特許第8,247,436号および国際PCT公開第WO2011113894号に開示されている化合物である。
【0231】
別の実施形態において、さらなる剤は、参考としてその全体が本明細書に援用される、PCT公開第WO2012035158号、第WO2009074575号、第WO2011028740号、第WO2009150137号、第WO2011079087号、または第WO2008135557号に開示されている上皮ナトリウムチャネル(ENac)モジュレーターであり得る。
【0232】
他の実施形態において、さらなる剤は、参考としてその全体が本明細書に援用される、WO2004028480、WO2004110352、WO2005094374、WO2005120497、またはWO2006101740に開示されている化合物である。別の実施形態において、さらなる剤は、CFTR誘発もしくは増強活性を示すベンゾ[c]キノリジニウム誘導体、またはCFTR誘発もしくは増強活性を示すベンゾピラン誘導体である。別の実施形態において、さらなる剤は、参考としてその全体が本明細書に援用される、米国特許第7,202,262号、米国特許第6,992,096号、US20060148864、US20060148863、US20060035943、US20050164973、WO2006110483、WO2006044456、WO2006044682、WO2006044505、WO2006044503、WO2006044502、またはWO2004091502に開示されている化合物である。別の実施形態において、さらなる剤は、参考としてその全体が本明細書に援用される、WO2004080972、WO2004111014、WO2005035514、WO2005049018、WO2006099256、WO2006127588、またはWO2007044560に開示されている化合物である。
【0233】
一実施形態において、400mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2は、それを必要としている被験体に投与され得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、400mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、200mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む2つの錠剤を、患者に1日当たり投与し得る。さらなる実施形態において、2つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、1つの錠剤を、12時間毎に投与する。
【0234】
一実施形態において、400mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2を、それを必要としている被験体に投与し得る。これらの実施形態において、投薬量は、200mgの化合物1形態I、および250mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの錠剤の投与によって達成され得る。一実施形態において、錠剤は、12時間毎に1回投与される。別の実施形態において、投薬量はまた、100mgの化合物1形態Iおよび125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの錠剤を12時間毎に投与することによって達成され得る。別の実施形態において、投薬量はまた、化合物1形態Iおよび実質的にアモルファスの化合物2を別個の錠剤で投与することによって達成され得る。例えば、投薬量は、200mgの化合物1形態Iを含有する2つの錠剤、ならびに125mgの実質的にアモルファスの化合物2を含有する4つの錠剤、または150mgの実質的にアモルファスの化合物2を含有する2つの錠剤および100mgの実質的にアモルファスの化合物2を含有する2つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態Iを含む2つの錠剤、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む4つの錠剤を、1日当たり患者に投与し得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態Iを含む2つの錠剤を、1日当たり患者に投与してもよく、150mgおよび100mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む2つの錠剤を、1日当たり2回患者に投与し得る。さらなる実施形態に
おいて、2つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、200mgの化合物1を含む1つの錠剤を、12時間毎に投与し、150mgおよび100mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む2つの錠剤を、12時間毎に投与する。
【0235】
一実施形態において、300mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2は、それを必要としている被験体に投与され得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、300mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、150mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、150mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む2つの錠剤を、患者に1日当たり投与し得る。さらなる実施形態において、2つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、1つの錠剤を、12時間毎に投与する。
【0236】
一実施形態において、600mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2は、それを必要としている被験体に投与され得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、600mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、12時間毎に、150mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する2つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、150mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む4つの錠剤を、患者に1日当たり投与し得る。さらなる実施形態において、4つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、2つの錠剤を、12時間毎に投与する。
【0237】
一実施形態において、800mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2は、それを必要としている被験体に投与され得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、800mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、200mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する4つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態I、および125mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む4つの錠剤を、患者に1日当たり投与し得る。さらなる実施形態において、4つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、2つの錠剤を、投与する機会毎に投与し、1日当たり2回の投与する機会が存在する。さらなる実施形態において、800mgの化合物1および500mgの化合物2は、200mgの化合物1および125mgの化合物2をそれぞれが含む2つの錠剤を1日2回(BID)投与することによって患者に投与する。さらなる実施形態において、800mgの化合物1および500mgの化合物2は、200mgの化合物1および125mgの化合物2をそれ
ぞれが含む2つの錠剤を12時間毎に(q12h)投与することによって患者に投与する。
【0238】
一実施形態において、600mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2は、それを必要としている被験体に投与され得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、600mgの化合物1形態Iおよび250mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、200mgの化合物1形態I、および83.3mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する3つの錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態I、および83.3mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む3つの錠剤を、患者に1日当たり投与し得る。さらなる実施形態において、3つの錠剤を一日の中で、同時にまたは異なる時間に投与し得る。さらなる実施形態において、3つの錠剤を、同時に投与する。
【0239】
一実施形態において、600mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2を、それを必要としている被験体に投与し得る。これらの実施形態において、投薬量は、1つまたは複数の本発明の錠剤の投与によって達成され得る。例えば、600mgの化合物1形態Iおよび500mgの実質的にアモルファスの化合物2の投与は、200mgの化合物1形態I、および83.3mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含有する3つの錠剤を投与し、それに続いて125mgの化合物2をそれぞれが含む2つのさらなる錠剤を投与することによって達成され得る。投与の期間は、疾患の寛解が達成されるまで、または被験体の医師が助言するまで継続してもよく、例えば、投与の期間は、1週間未満、1週間、2週間、3週間、4週間(28日)、もしくは1カ月、またはそれより長い期間であり得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態Iおよび83.3mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む3つの錠剤を毎日(qd)、ならびに125mgの化合物2をそれぞれが含む2つの錠剤を12時間毎に(q12h)投与することによって、600mgの化合物1を毎日(qd)投与し得、250mgの化合物2を1日2回(bid)投与し得る。一実施形態において、200mgの化合物1形態Iおよび83.3mgの実質的にアモルファスの化合物2をそれぞれが含む3つの錠剤を毎日(qd)、ならびに125mgの化合物2をそれぞれが含む2つの錠剤を12時間毎に(q12h)投与することによって、600mgの化合物1を毎日(qd)投与し得、250mgの化合物2を12時間毎に(q12h)投与し得る。
【0240】
これらの組合せは、嚢胞性線維症を含めた本明細書に記載されている疾患を処置するのに有用である。これらの組合せはまた、本明細書に記載されているキットにおいて有用である。別の態様において、本発明は、化合物1形態I、および実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および別個のさらなる治療剤またはその医薬組成物を含む、本発明の医薬組成物または錠剤を含むキットを特徴とする。別の実施形態において、本発明の医薬組成物または錠剤、別個のさらなる治療剤またはその医薬組成物は、別個の容器中にある。別の実施形態において、別個の容器は、ボトルである。別の実施形態において、別個の容器は、バイアルである。別の実施形態において、別個の容器は、ブリスターパックである。
【0241】
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物において通常投与される量以下である。好ましくは、現在開示されている組成物中のさらなる治療剤の量は、その剤を唯一の治療活性剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%~100%の範囲である。
【0242】
組成物の治療上の使用
一態様において、本発明はまた、患者において疾患を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を提供し、この方法は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含み、ここで、上記疾患は、嚢胞性線維症、喘息、喫煙によって誘発されるCOPD、慢性気管支炎、鼻副鼻腔炎、便秘、膵炎、膵機能不全、先天性両側精管欠損症(CBAVD)によって引き起こされる男性不妊症、軽度肺疾患、特発性膵炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、肝疾患、遺伝性気腫、遺伝性血色素症、凝固-線維素溶解の欠乏、例えば、プロテインC欠乏症、1型遺伝性血管性浮腫、脂質処理の欠乏、例えば、家族性高コレステロール血症、1型カイロミクロン血症、無ベータリポタンパク血症、リソソーム蓄積症、例えば、I細胞病/偽性ハーラー、ムコ多糖症、サンドホフ/テイ-サックス、クリグラー-ナジャーII型、多腺性内分泌障害/高インスリン血症(hyperinsulemia)、真性糖尿病、ラロン小人症、ミエロペルオキシダーゼ(myleoperoxidase)欠乏、原発性副甲状腺機能低下症、黒色腫、グリカノシス(glycanosis)CDG1型、先天性甲状腺機能亢進症、骨形成不全症、遺伝性低フィブリノーゲン血症、ACT欠乏、尿崩症(DI)、神経下垂体性(neurophyseal)DI、腎性(neprogenic)DI、シャルコー-マリー-トゥース症候群、ペリツェウス-メルツバッヘル(Perlizaeus-Merzbacher)病、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺(plasy)、ピック病、いくつかのポリグルタミン神経障害、例えば、ハンチントン、脊髄小脳失調症(spinocerebullar ataxia)I型、球脊髄性筋萎縮症、歯状核赤核(dentatorubal)淡蒼球ルイ体、および筋緊張性ジストロフィー、ならびに海綿状脳症、例えば、遺伝性クロイツフェルト-ヤコブ病(プリオンタンパク質処理の欠陥による)、ファブリー病、ストロイスラー-シャインカー症候群、COPD、ドライアイ疾患、またはシェーグレン病、骨粗鬆症、骨減少症、骨折治癒機転および骨成長(骨修復、骨再生、骨吸収の低減および骨沈着の増加を含めた)、ゴーラム症候群、クロライドチャネル病、例えば、先天性筋強直症(ThomsonおよびBecker型)、バーター症候群III型、デント病、過剰驚愕症、てんかん、リソソーム蓄積症、アンジェルマン症候群、ならびに線毛の構造および/または機能の遺伝性障害のための用語である、内臓逆位を伴うPCD(カルタゲナー症候群としても公知である)、内臓逆位を伴わないPCD、および線毛無形成を含めた、原発性線毛機能不全(PCD)から選択される。
【0243】
一態様において、本発明はまた、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において疾患を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を提供し、疾患は、全般てんかん熱性(ferbrile)けいれんプラス(GEFS+)、全般(general)てんかん熱性(ferbile)および無熱性(aferbrile)けいれん、筋強直症、先天性パラミオトニア、カリウム惹起性筋強直症、高カリウム血性周期性四肢麻痺、LQTS、LQTS/ブルガダ症候群、聾を伴う常染色体優性LQTS、常染色体劣性LQTS、異形症のフィーチャを伴うLQTS、先天性および後天性LQTS、チモシー症候群、乳児期の持続性高インスリン性低血糖症(hypolglycemia)、拡張型心筋症、常染色体優性LQTS、デント病、大理石骨病、バーター症候群III型、中心コア病、悪性高体温症、ならびにカテコールアミン作動性多形性頻拍から選択される。
【0244】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、CFTR遺伝子変異N1303K、ΔI507、またはR560Tを有する。
【0245】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、CFTR遺伝子変異G551Dを有する。別の実施形態において、患者は、G551Dにおいてホモ接合型である。別の実施形態において、患者は、G551Dにおいてヘテロ接合型であり、他のCFTR遺伝子変異は、ΔF508、G542X、N1303K、W1282X、R117H、R553X、1717-1G->A、621+1G->T、2789+5G->A、3849+10kbC->T、R1162X、G85E、3120+1G->A、ΔI507、1898+1G->A、3659delC、R347P、R560T、R334W、A455E、2184delA、または711+1G->Tのいずれか1つである。
【0246】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、CFTR遺伝子変異ΔF508を有する。別の実施形態において、患者は、ΔF508においてホモ接合型である。別の実施形態において、患者は、ΔF508においてヘテロ接合型であり、他のCFTR遺伝子変異は、G551D、G542X、N1303K、W1282X、R117H、R553X、1717-1G->A、621+1G->T、2789+5G->A、3849+10kbC->T、R1162X、G85E、3120+1G->A、ΔI507、1898+1G->A、3659delC、R347P、R560T、R334W、A455E、2184delA、または711+1G->Tのいずれか1つである。
【0247】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052V、G1069R、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、D1152H、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。
【0248】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。この態様の一実施形態において、本発明は、化合物1をG
178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549RおよびS1251Nから選択されるヒトCFTR変異を有する患者に投与することを含む、CFTRを処置する方法を提供する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。この態様のいくつかの実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送に対して、クロライド輸送において10倍超の増加を生じさせる。
【0249】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、およびD1152Hから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。この態様の一実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送の10%に等しいかまたは10%を超えるクロライド輸送の増加を生じさせる。
【0250】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、1811+1.6kbA->G、2789+5G->A、3272-26A->G、および3849+10kbC->Tから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、2789+5G->Aおよび3272-26A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。
【0251】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052V、G1069R、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D12
70N、D1152H、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。
【0252】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549RおよびS1251Nから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。この態様のいくつかの実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送に対して、クロライド輸送において10倍超の増加を生じさせる。
【0253】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、およびD1152Hから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。この態様の一実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送の10%に等しいかまたは10%を超えるクロライド輸送の増加を生じさせる。
【0254】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1
G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、1811+1.6kbA->G、2789+5G->A、3272-26A->Gおよび3849+10kbC->Tから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、2789+5G->Aおよび3272-26A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117Hから選択されるヒトCFTR変異を有する。
【0255】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052V、G1069R、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、D1152H、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異を有する。
【0256】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549RおよびS1251Nから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患
者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。この態様のいくつかの実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送に対して、クロライド輸送において10倍超の増加を生じさせる。
【0257】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、およびD1152Hから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。この態様の一実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送の10%に等しいかまたは10%を超えるクロライド輸送の増加を生じさせる。
【0258】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、1811+1.6kbA->G、2789+5G->A、3272-26A->G、および3849+10kbC->Tから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、2789+5G->Aおよび3272-26A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異を有する。
【0259】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052V、G1069R、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270N、D1152H、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、
3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択されるヒトCFTR変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。
【0260】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549R、S1251N、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、G178R、G551S、G970R、G1244E、S1255P、G1349D、S549N、S549RおよびS1251Nから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、E193K、F1052VおよびG1069Rから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。この態様のいくつかの実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送に対して、クロライド輸送において10倍超の増加を生じさせる。
【0261】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、R117C、D110H、R347H、R352Q、E56K、P67L、L206W、A455E、D579G、S1235R、S945L、R1070W、F1074L、D110E、D1270NおよびD1152Hから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。この態様の一実施形態において、方法は、ベースラインのクロライド輸送の10%に等しいかまたは10%を超えるクロライド輸送の増加を生じさせる。
【0262】
一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、621+1G->T、3120+1G->A、1898+1G->A、711+1G->T、2622+1G->A、405+1G->A、406-1G->A、4005+1G->A、1812-1G->A、1525-1G->A、712-1G->T、1248+1G->A、1341+1G->A、3121-1G->A、4374+1G->T、3850-1G->A、2789+5G->A、3849+10kbC->T、3272-26A->G、711+5G->A、3120G->A、1811+1.6
kbA->G、711+3A->G、1898+3A->G、1717-8G->A、1342-2A->C、405+3A->C、1716G/A、1811+1G->C、1898+5G->T、3850-3T->G、IVS14b+5G->A、1898+1G->T、4005+2T->Cおよび621+3A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、1717-1G->A、1811+1.6kbA->G、2789+5G->A、3272-26A->Gおよび3849+10kbC->Tから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。一態様において、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物または錠剤を患者、好ましくは、哺乳動物に投与することを含む、患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法を対象とし、患者は、2789+5G->Aおよび3272-26A->Gから選択されるCFTR遺伝子変異、ならびに△F508、R117H、およびG551Dから選択される1つまたは複数のヒトCFTR変異を有する。
【0263】
ある特定の実施形態において、化合物1形態I、および実質的にアモルファスの化合物2の固体分散物を含む本発明の薬学的に許容される組成物または錠剤は、呼吸性および非呼吸性上皮の頂端膜において残留CFTR活性を示す患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用である。上皮表面における残留CFTR活性の存在は、当技術分野において公知の方法、例えば、標準的な電気生理学的、生化学的、または組織化学的技術を使用して容易に検出することができる。このような方法は、インビボもしくはエキソビボでの電気生理学的技術、汗もしくは唾液のCl-濃度の測定、または細胞表面密度をモニターするためのエキソビボでの生化学的もしくは組織化学的技術を使用してCFTR活性を同定する。このような方法を使用して、残留CFTR活性は、最も一般の変異である△F508、ならびに他の変異、例えば、G551D変異、またはR117H変異についてホモ接合型またはヘテロ接合型である患者を含めて、種々の異なる変異についてヘテロ接合型またはホモ接合型である患者において容易に検出することができる。ある特定の実施形態において、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む薬学的に許容される組成物または錠剤は、残留CFTR活性をほとんど示さないかもしくは全く示さない患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用である。ある特定の実施形態において、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む薬学的に許容される組成物または錠剤は、呼吸性上皮の頂端膜において残留CFTR活性をほとんど示さないかもしくは全く示さない患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用である。
【0264】
別の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、薬理学的方法を使用して誘発または増強された残留CFTR活性を有する患者において嚢胞性線維症を処置するかまたはその重症度を低くするのに有用である。別の実施形態において、本発明の化合物および組成物は、遺伝子治療を使用して誘発または増強される残留CFTR活性を有する患者において嚢胞性線維症を処置するかまたはその重症度を低くするのに有用である。このような方法は、細胞表面において存在するCFTRの量を増加させ、それによって、患者における今まで存在していなかったCFTR活性を誘発するか、または患者における現存するレベルの残留CFTR活性を増強する。
【0265】
一実施形態において、本明細書に記載されるような、化合物1形態Iと、実質的にアモ
ルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む本発明の医薬組成物および錠剤は、残留CFTR活性を示すある特定の遺伝子型、例えば、I型変異(合成せず)、II型変異(誤った折り畳み)、III型変異(レギュレーションもしくはゲート開閉の異常)、IV型変異(コンダクタンスの変化)、またはV型変異(合成の低減)の範囲内の患者において嚢胞性線維症を処置するかまたはその重症度を低くするのに有用である。
【0266】
一実施形態において、本明細書に記載されるような、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む本発明の医薬組成物および錠剤は、ある特定の臨床的表現型、例えば、上皮の頂端膜における残留CFTR活性の量に典型的には相関する中程度から軽度の臨床的表現型の範囲内の患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用である。このような表現型は、十分な膵機能を示す患者を含む。
【0267】
一実施形態において、本明細書に記載されるような、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む本発明の医薬組成物および錠剤は、十分な膵機能、特発性膵炎および先天性両側精管欠損症、または軽度肺疾患と診断された患者を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用であり、患者は、残留CFTR活性を示す。
【0268】
一実施形態において、本明細書に記載されるような、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む本発明の医薬組成物および錠剤は、十分な膵機能、特発性膵炎および先天性両側精管欠損症、または軽度肺疾患と診断された患者を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置するのに有用であり、患者は、野性型CFTRを有する。
【0269】
嚢胞性線維症に加えて、CFTR活性のモジュレーションは、CFTRにおける変異によって直接もたらされない他の疾患、例えば、CFTRによって媒介される分泌性疾患および他のタンパク質フォールディング疾患に対して有益であり得る。これらには、以下に限定されないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ドライアイ疾患、およびシェーグレン症候群が含まれる。COPDは、進行性であり完全に可逆的でない気流の制限によって特性決定される。気流の制限は、粘液分泌過多、気腫、および細気管支炎によるものである。変異または野性型CFTRの活性化因子は、COPDにおいて一般である粘液分泌過多および粘液線毛クリアランスの異常についての有望な処置を提供する。具体的には、CFTRに亘るアニオン分泌の増加は、気道表面液体への流体輸送を促進し、粘液および最適化された線毛間流体粘度を水和させ得る。これは、増進された粘液線毛クリアランス、およびCOPDと関連する症状の低減をもたらす。ドライアイ疾患は、涙の水分生成の減少および異常な涙膜脂質、タンパク質およびムチンのプロファイルによって特性決定される。ドライアイには多くの原因が存在し、これらのいくつかには、年齢、レーシック眼手術、関節炎、医薬品、化学外傷/熱傷、アレルギー、ならびに疾患、例えば、嚢胞性線維症およびシェーグレン症候群が含まれる。CFTRによるアニオン分泌の増加は、角膜内皮細胞および目の周りの分泌腺からの流体輸送を増進し、角膜の水和を増加する。これは、ドライアイ疾患と関連する症状を軽減するのを助ける。シェーグレン症候群は、免疫系が、目、口、皮膚、呼吸組織、肝臓、膣、および腸を含めた体中の水分を生じさせる腺を攻撃する自己免疫疾患である。症状は、乾燥した目、口、および膣、ならびに肺疾患を含む。この疾患はまた、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(systemic lupus)、全身性硬化症、および多発性筋炎(polymypositis)/皮膚筋炎と関連する。タンパク質トラフィッキングの欠陥が疾患をもたらすと考えられており、このために処置の選択肢は限定される。CFTR活性の増強物質または誘発物質は、疾患によって苦しめられる様々な器官を水和し得、そして、関連する症状を高めるのを助け得る。
【0270】
一実施形態において、本発明は、チャネルと医薬組成物PC-I~PC-XXVのいずれか1つとを接触させることを含む、インビトロまたはインビボでのアニオンチャネル活性を増強または誘発する方法に関する。別の実施形態において、アニオンチャネルは、クロライドチャネルまたは重炭酸塩チャネルである。別の実施形態において、アニオンチャネルは、クロライドチャネルである。
【0271】
必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および全身状態、感染症の重症度、特定の剤、その投与形式などに依存して被験体毎に変わる。本発明の化合物は好ましくは、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬量単位形態で製剤される。「投薬量単位形態」という表現は、本明細書において使用する場合、処置を受ける患者に適した剤の物理的個別単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の総1日使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医が決定することが理解される。任意の特定の患者または生物体についての特定の有効用量レベルは、処置される障害および障害の重症度;用いる特定の化合物の活性;用いる特定の組成物;患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別および食事;用いる特定の化合物の投与の時間、投与経路、および排せつ率;処置の期間;用いる特定の化合物と組み合わせて、または同時発生的に使用する薬物、ならびに医学の技術分野において周知の同様の要因を含めた種々の要因に依存して決まる。「患者」という用語は、本明細書において使用する場合、動物、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトを意味する。
【0272】
化合物の名称が化合物の構造を正しく説明し得ない場合、本出願のどこにおいても、構造が名称に取って代わり、優先する。
【実施例0273】
XRPD(X線粉末回折)
【0274】
化合物1形態IのX線回折(XRD)データは、HI-STAR二次元検出器およびフラットグラファイトモノクロメーターを有するBruker D8DISCOVER粉末回折計で集めた。Kαの放射を伴うCuシールド管を、40kV、35mAにて使用した。試料を、ゼロバックグラウンドシリコンウエハー上に25℃にて置いた。各試料について、2つのデータフレームを、2つの異なるθ2角度、8°および26°にて120秒でそれぞれ集めた。データをGADDSソフトウェアで統合し、DIFFRACTplusEVAソフトウェアでマージした。報告したピーク位置についての不確実性は、±0.2度である。
【0275】
示差走査熱量測定法(DSC)
【0276】
化合物1形態Iの示差走査熱量測定法(DSC)データを、DSC Q100V9.6Build290(TA Instruments、New Castle、DE)を使用して集めた。温度をインジウムで較正し、熱容量をサファイアで較正した。3~6mgの試料を、1つのピンホールを有する蓋を使用して圧着したアルミニウムパン中へと量り分けた。試料を1.0℃/分の加熱速度で50ml/分の窒素ガスパージを伴って、25℃~350℃でスキャンした。データを、Thermal Advantage Q SeriesTMバージョン2.2.0.248ソフトウェアによって集め、Universal分析ソフトウェアバージョン4.1D(TA Instruments、New Castle、DE)によって分析した。報告した数は、単一の分析を表す。
【0277】
化合物1形態Iの単結晶構造の決定
【0278】
回折データは、シールド管Cu K-アルファ源およびApex II CCD検出器
を備えたBruker Apex II回折計で得た。SHELXプログラム(Sheldrick, G.M.、Acta Cryst.、(2008年)A64巻、112~122頁)を使用して、構造を解析および精密化した。消滅則および強度統計に基づいて、構造をP21/n空間群において解析および精密化した。
【0279】
Vitride(登録商標)(水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム[またはNaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]、トルエン中の65重量%溶液)は、Aldrich Chemicalsから購入した。
【0280】
2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボン酸は、Saltigo(Lanxess Corporationの関連会社)から購入した。
【0281】
化合物1の調製
【0282】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-メタノールの調製
【化11】
【0283】
市販の2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルボン酸(1.0当量)を、トルエン(10容量)中でスラリーにした。温度を15~25℃に維持する速度で、Vitride(登録商標)(2当量)を添加漏斗によって加えた。添加の終了後、温度を40℃に2時間(h)上昇させ、次いで10%(w/w)のNaOH水溶液(aq)(4.0当量)を添加漏斗によって注意深く加え、温度を40~50℃に維持した。さらに30分(min)間撹拌した後、層を40℃にて分離させた。有機相を20℃に冷却し、次いで、水(2×1.5容量)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濃縮し、粗(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-メタノールを得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0284】
5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソールの調製
【化12】
【0285】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-メタノール(1.0当量)を、MTBE(5容量)に溶解させた。触媒量の4-(N,N-ジメチル)アミノピリジン(DMAP)(1mol%)を加え、SOCl2(1.2当量)を添加漏斗によって加えた。反応器中の温度を15~25℃に維持する速度で、SOCl2を加えた。温度を30℃に1時間上昇させ、次いで、20℃に冷却した。温度を30℃より低く維持する間に、水(4容量)を添加漏斗によって加えた。さらに30分間撹拌した後、層を分離させた。有機層を撹拌し、10%(w/v)のNaOH水溶液(4.4容量)を加えた
。15~20分間撹拌した後、層を分離させた。次いで、有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮し、粗5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソールを得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0286】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリルの調製
【化13】
【0287】
5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール(1当量)のDMSO(1.25容量)溶液を、温度を30~40℃の間に維持しながら、DMSO(3容量)中のNaCN(1.4当量)のスラリーに加えた。混合物を1時間撹拌し、次いで、水(6容量)を加え、それに続いてメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(4容量)を加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。水層を、MTBE(1.8容量)で抽出した。合わせた有機層を水(1.8容量)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮し、粗(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリル(95%)を得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0288】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-エチルアセテート-アセトニトリルの合成
【化14】
【0289】
反応器を窒素でパージし、900mLのトルエンを入れた。溶媒を窒素散布によって16時間以上脱気した。次いで、反応器に、Na3PO4(155.7g、949.5mmol)を入れ、それに続いて、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(7.28g、12.66mmol)を入れた。ヘキサン中のtert-ブチルホスフィンの10%w/w溶液(51.23g、25.32mmol)を、窒素パージした添加漏斗から10分に亘り23℃にて入れた。混合物を50分間撹拌し、この時点で5-ブロモ-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール(75g、316.5mmol)を1分に亘り加えた。さらに50分間撹拌した後、混合物に5分に亘りシアノ酢酸エチル(71.6g、633.0mmol)を入れ、それに続いて水(4.5mL)を一度に入れた。混合物を、70℃に40分に亘り加熱し、反応物から生成物への変換率(パーセント)について1~2時間毎にHPLCによって分析した。完全な変換が観察された後(典型的には、5~8時間後に100%変換)、混合物を20~25℃に冷却し、セライトパッドを通して濾過した。セライトパッドをトルエン(2×450mL)ですすぎ、合わせた有機物を300mLに真空下で60~65℃にて濃縮した。濃縮物に225mLのDMSOを入れ、溶媒の活発な蒸留が停止するまで、真空下で70~80℃にて濃縮した。溶液を20~25℃に冷却し、ステップ2のための調製においてDMSOで900mLに希釈した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.16 - 7.10 (m
, 2H), 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.19 (m, 2H), 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0290】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリルの合成
【化15】
【0291】
上記事項に由来する(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-エチルアセテート-アセトニトリルのDMSO溶液に、内部温度を40℃より低く維持しながら、3NのHCl(617.3mL、1.85mol)を20分に亘り入れた。次いで、混合物を75℃に1時間に亘り加熱し、変換率(%)についてHPLCによって1~2時間毎に分析した。>99%の変換が観察されたとき(典型的には、5~6時間後)、反応物を20~25℃に冷却し、抽出中に、完全な相分離を可能とする十分な時間をかけてMTBE(2×525mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、5%NaCl(2×375mL)で洗浄した。次いで、溶液を、冷却したレシーバーフラスコを備えた1.5~2.5Torrの減圧蒸留に適した機器に移した。溶液を真空下で<60℃にて濃縮し、溶媒を除去した。次いで、このように得られた油から(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリルを125~130℃(オーブン温度)および1.5~2.0Torrで蒸留した。(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリルを、5-ブロモ-2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール(2ステップ)から、91.5%AUCのHPLC純度(95%のw/wアッセイに対応する)で透明な油状物として収率66%で単離した。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.44 (br s, 1H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 4.07 (s, 2H).
【0292】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリルの調製
【化16】
【0293】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-アセトニトリル(1.0当量)、50重量%KOH水溶液(5.0当量)、1-ブロモ-2-クロロエタン(1.5当量)、およびOct4NBr(0.02当量)の混合物を、70℃にて1時間加熱した。反応混合物を冷却し、次いで、MTBEおよび水で後処理した。有機相を、水およびブラインで洗浄した。溶媒を除去し、(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリルを得た。
【0294】
1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸の調製
【化17】
【0295】
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリルを、エタノール(5容量)中の6MのNaOH(8当量)を使用して80℃にて一晩加水分解した。混合物を室温に冷却し、エタノールを真空下で蒸発させた。残渣を水およびMTBEに溶解させ、1MのHClを加え、層を分離した。次いで、MTBE層を、ジシクロヘキシルアミン(DCHA)(0.97当量)で処理した。スラリーを0℃に冷却し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、対応するDCHA塩を得た。塩をMTBEおよび10%クエン酸中に入れて、全ての固体が溶解するまで撹拌した。層を分離し、MTBE層を水およびブラインで洗浄した。ヘプタンへの溶媒交換、それに続く濾過によって、真空オーブン中で50℃にて一晩乾燥の後で、1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸を得た。
【0296】
1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニルクロリドの調製
【化18】
【0297】
1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸(1.2当量)を、トルエン(2.5容量)中でスラリーにし、混合物を、60℃に加熱した。SOCl2(1.4当量)を、添加漏斗によって加えた。30分後に、トルエンおよびSOCl2を反応混合物から蒸留した。さらなるトルエン(2.5容量)を加え、このように得られた混合物を再び蒸留し、生成物酸塩化物が油状物として残り、これをそれ以上精製することなく使用した。
【0298】
tert-ブチル-3-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートの調製
【化19】
【0299】
2-ブロモ-3-メチルピリジン(1.0当量)を、トルエン(12容量)に溶解させた。K2CO3(4.8当量)を加え、それに続いて水(3.5容量)を加えた。このように得られた混合物を、N2の気流下で65℃に1時間加熱した。次いで、3-(t-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(1.05当量)およびPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.015当量)を加え、混合物を、80℃に加熱した。2時間後、熱を遮断し、水を加え(3.5容量)、層を分離させた。次いで、有機相を水(3.5容量)で洗浄し、10%メタンスルホン酸水溶液(2当量のMsOH、7.7容量)で抽出した。水相を50%NaOH水溶液(2当量)によって塩基性とし、EtOAc(8容量)で抽出した。有機層を濃縮し、粗tert-ブチル-3-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエート(82%)を得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0300】
2-(3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)-3-メチルピリジン-1-オキシドの調製
【化20】
【0301】
tert-ブチル-3-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエート(1.0当量)を、EtOAc(6容量)に溶解させた。水(0.3容量)を加え、それに続いて尿素-過酸化水素(3当量)を加えた。次いで、無水フタル酸(3当量)を、反応器中の温度を45℃より低く維持する速度で混合物に少しずつ固体として加えた。無水フタル酸の添加の完了の後、混合物を、45℃に加熱した。さらに4時間撹拌した後、熱を遮断した。添加漏斗によって、10%w/wのNa2SO3水溶液(1.5当量)を加えた。Na2SO3の添加の完了後、混合物をさらに30分間撹拌し、層を分離した。有機層を撹拌し、10%wt/wtのNa2CO3水溶液(2当量)を加えた。30分間撹拌した後、層を分離させた。有機相を13%w/vのNaCl水溶液で洗浄した。次いで、有機相を濾過し、濃縮し、粗2-(3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)-3-メチルピリジン-1-オキシド(95%)を得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0302】
tert-ブチル-3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートの調製
【化21】
【0303】
2-(3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)-3-メチルピリジン-1-オキシド(1当量)およびピリジン(4当量)のアセトニトリル(8容量)溶液を、70℃に加熱した。メタンスルホン酸無水物(1.5当量)のMeCN(2容量)溶液を、温度を75℃より低く維持しながら、50分に亘り添加漏斗によって加えた。完全な添加の後に、混合物をさらに0.5時間撹拌した。次いで、混合物を周囲温度に冷却させた。エタノールアミン(10当量)を、添加漏斗によって加えた。2時間撹拌した後、水(6容
量)を加え、混合物を10℃に冷却した。3時間撹拌した後、固体を濾過によって集め、水(3容量)、2:1のアセトニトリル/水(3容量)、およびアセトニトリル(2×1.5容量)で洗浄した。真空オーブンにおいて固体を僅かなN2ブリードで恒量まで(<1%の差異)50℃にて乾燥させ、tert-ブチル-3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートを赤黄色の固体として得た(53%収率)。
【0304】
3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエートの調製
【化22】
【0305】
上記の粗酸塩化物をトルエン(酸塩化物に基づいて2.5容量)に溶解させ、トルエン(tert-ブチル-3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートに基づいて4容量)中のtert-ブチル-3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエート(1当量)、DMAP(0.02当量)、およびトリエチルアミン(3.0当量)の混合物に添加漏斗によって加えた。2時間後、水(tert-ブチル-3-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾエートに基づいて4容量)を、反応混合物に加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。次いで、有機相を濾過し、濃縮し、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエートの濃厚な油状物(定量的粗収率)を得た。アセトニトリル(粗生成物に基づいて3容量)を加え、結晶化が起こるまで蒸留した。水(粗生成物に基づいて2容量)を加え、混合物を2時間撹拌した。固体を濾過によって集め、1:1(容量で)のアセトニトリル/水(粗生成物に基づいて2×1容量)で洗浄し、フィルター上で、真空下で部分的に乾燥した。真空オーブンにおいて固体を僅かなN2ブリードで恒量まで(<1%の差異)60℃にて乾燥させ、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエートを茶色の固体として得た。
【0306】
3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸・HCL塩の調製
【化23】
【0307】
MeCN(3.0容量)中の3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエート(1.0当量)のスラリーに、水(0.83容量)を加え、それに続いて濃HCl水溶液(0.83容量)を加えた。混合物を、45±5℃に加熱した。24~48時間撹拌した後、反応が完了し、混合物を周囲温度に冷却させた。水(1.33容量)を加え、混合物を撹拌した。固体を濾過によって集め、水(2×0.3容量)で洗浄し、フィルター上で、真空下で部分的に乾燥した。真空オーブンにおいて固体を僅かなN2ブリードで恒量まで(<1%の差異)60℃にて乾燥させ、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸・HClをオフホワイトの固体として得た。
【0308】
化合物1の
1HNMRスペクトルを
図8に示し、
図9は、HCl塩としての化合物1の
1HNMRスペクトルを示す。
【0309】
下記の表2は、化合物Iについての
1HNMRデータを列挙する。
【表2-2】
【0310】
化合物1形態Iの調製
【0311】
【0312】
水(10容量)中の3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーを、周囲温度にて撹拌した。24時間撹拌した後、試料を取り出した。試料を濾過し、固体を水(2回)で洗浄した。固体試料を、DSC分析に供した。DSC分析が形態Iへの完全な変換を示したとき、固体を濾過によって集め、水(2×1.0容量)で洗浄し、フィルター上で、真空下で部分的に乾燥した。次いで、真空オーブンにおいて固体を僅かなN2ブリードで恒量まで(<1%の差異)60℃にて乾燥させ、化合物1形態Iをオフホワイトの固体として得た(98%収率)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.14 (s, 1H), 7.99-7.93 (m, 3H), 7.80-7.78 (m, 1H), 7.74-7.72 (m, 1H), 7.60-7.55 (m, 2H), 7.41-7.33 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.53-1.51 (m, 2H), 1.19-1.17 (m, 2H).
【0313】
【0314】
3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエート(1.0当量)のギ酸(3.0容量)溶液を、撹拌しながら70±10℃に8
時間加熱した。クロマトグラフ法によって、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエート)の1.0%以下のAUCがそのままであるとき、反応は完了したと見なした。混合物を周囲温度に冷却させた。溶液を水(6容量)に加え、50℃で加熱し、混合物を撹拌した。次いで、3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)-t-ブチルベンゾエートのレベルが0.8%以下(AUC)になるまで、混合物を70±10℃に加熱した。固体を、濾過によって集め、水(2×3容量)で洗浄し、フィルター上で、真空下で部分的に乾燥した。真空オーブンにおいて固体を僅かなN2ブリードで恒量まで(<1%の差異)60℃にて乾燥させ、化合物1形態Iをオフホワイトの固体として得た。
【0315】
化合物1形態IのDSCトレースを
図10に示す。化合物1形態Iについての溶融は、約204℃において起こる。
【0316】
X線回折パターンを、化合物1形態Iの単結晶構造から計算し、
図1に示す。表3は、
図1についての計算したピークを一覧表示する。
【表3】
【0317】
化合物1形態Iの実際のX線粉末回折パターンを、
図2に示す。表4は、
図2についての実際のピークを一覧表示する。
【表4】
【0318】
化合物1形態Iの無色の結晶を、濃縮した1-ブタノール溶液を75℃から10℃に0.2℃/分の速度で冷却することによって得た。0.50×0.08×0.03mmの寸法を有する結晶を選択し、鉱油で浄化し、MicroMount上に乗せ、Bruker
APEX IIシステム上の中央に置いた。逆格子空間において分離した40フレームの3つのバッチを得て、配向マトリックスおよび最初の格子パラメーターを得た。最終格子パラメーターを得て、完全なデータセットに基づいて精密化した。
【0319】
逆格子空間の回折データセットは、各フレームについて30秒の曝露を使用して、0.5°ステップを使用して、0.82Åの分解能まで得た。データは100(2)Kで集めた。強度の統合、および格子パラメーターの精密化は、APEXIIソフトウェアを使用して達成した。データ収集の後の結晶の観察は、分解の徴候を示さなかった。
【0320】
単結晶X線分析に基づいた化合物1形態Iの立体配座的描写を、
図11に示す。化合物1形態Iは、単斜晶、P
21/nであり、下記の単位格子寸法:a=4.9626(7)Å、b=12.299(2)Å、c=33.075(4)Å、β=93.938(9)°、V=2014.0Å
3、Z=4を有する。構造データから計算した化合物1形態Iの密度は、100Kにて1.492g/cm
3である。
【0321】
化合物2の調製
【0322】
4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(26)の合成
【化26】
【0323】
エチル4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキシレート(25)の調製のための手順
【化27】
【0324】
化合物23(4.77g、47.7mmol)を、表面下N2流と共に、化合物22(10g、46.3mmol)に滴下で添加し、エタノールを30℃未満で0.5時間追い出した。次いで、溶液を100~110℃に加熱し、2.5時間撹拌した。混合物を60℃未満に冷却した後、ジフェニルエーテルを加えた。このように得られた溶液を、表面下N2流と共に、228~232℃に1.5時間加熱したジフェニルエーテルに滴下で添加し、エタノールを追い出した。混合物を228~232℃にてさらに2時間撹拌し、100℃未満に冷却し、次いで、ヘプタンを加え、生成物を沈殿させた。このように得られたスラリーを30℃にて0.5時間撹拌した。次いで、固体を濾過し、ケークをヘプタンで洗浄し、真空中で乾燥させ、化合物25を茶色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6; 400 MHz) δ 12.25 (s), δ 8.49 (d),
δ 8.10 (m), δ 7.64 (m), δ 7.55 (m), δ 7.34 (m), δ 4.16 (q), δ 1.23 (t).
【0325】
4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(26)の調製のための手順
【化28】
方法1
【0326】
化合物25(1.0当量)を、HCl(10.0当量)およびH2O(11.6容量)の溶液に懸濁させた。スラリーを、85~90℃に加熱したが、代わりの温度もまたこの加水分解ステップに適している。例えば、加水分解は代わりに、約75~約100℃の温度にて行うことができる。場合によって、加水分解は、約80~約95℃の温度にて行われる。その他では、加水分解ステップは、約82~約93℃(例えば、約82.5~約92.5℃または約86~約89℃)の温度で行われる。85~90℃にて概ね6.5時間撹拌した後、反応物を反応の完了についてサンプリングする。撹拌は、加水分解に適した温度のいずれかの下で行い得る。次いで、溶液を20~25℃に冷却し、濾過した。反応器/ケークを、H2O(2容量×2)ですすいだ。次いで、ケークを、pHが≧3.0になるまで2容量のH2Oで洗浄した。次いで、ケークを真空下で60℃にて乾燥し、化合物26を得た。
【0327】
方法2
化合物25(11.3g、52mmol)を、10%NaOH(aq)(10mL)およびエタノール(100mL)の混合物に加えた。溶液を、16時間加熱還流し、20~25℃に冷却し、次いで、8%HClでpHを2~3に調整した。次いで、混合物を0.5時間撹拌し、濾過した。ケークを水(50mL)で洗浄し、次いで、真空中で乾燥させ、化合物26を茶色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6; 400 MHz) δ 15.33 (s), δ 13.39 (s), δ 8.87 (s), δ 8.26 (m), δ 7.87 (m), δ 7.80 (m), δ 7.56 (m).
【0328】
N-(2,4-ジ-tert-ブチル-5-ヒドロキシフェニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミド(化合物2)の全合成
【化29】
【0329】
2,4-ジ-tert-ブチルフェニルメチルカーボネート(30)の調製のための手順
【化30】
方法1
【0330】
2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、29(10g、48.5mmol)のジエチルエーテル(100mL)およびトリエチルアミン(10.1mL、72.8mmol)溶液に、クロロギ酸メチル(7.46mL、97mmol)を0℃にて滴下で添加した。次いで、混合物を室温に温め、さらに2時間撹拌した。次いで、さらなる5mLのトリエチルアミンおよび3.7mLのクロロギ酸メチルを加え、反応物を一晩撹拌した。次いで、反応物を濾過し、濾液を0℃に冷却し、さらに5mLのトリエチルアミンおよび3.7mLのクロロギ酸メチルを次いで加え、反応物を室温に温め、次いで、さらに1時間撹拌した。この段階で、反応は殆ど完了し、濾過することによって後処理し、次いで、水(2×)、それに続いてブラインで洗浄した。次いで、溶液を濃縮し、黄色の油状物を生成し、カラムクロマトグラフィーを使用して精製し、化合物30を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (d, J = 2.4 Hz,
1H), 7.29 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.29 (s, 9H).
【0331】
方法2
4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、3.16g、25.7mmol)および2,4-ジtert-ブチルフェノール(化合物29、103.5g、501.6mmol)
を入れた反応器槽に、塩化メチレン(415g、313mL)を加え、全ての固体が溶解するまで溶液をかきまわした。次いで、トリエチルアミン(76g、751mmol)を加え、溶液を0~5℃に冷却した。次いで、溶液温度を0~5℃の間に維持しながら、クロロギ酸メチル(52g、550.3mmol)を2.5~4時間に亘り滴下で添加した。次いで、反応混合物を23~28℃にゆっくりと加熱し、20時間撹拌した。次いで、反応物を10~15℃に冷却し、150mLの水を入れた。混合物を15~20℃にて35~45分間撹拌し、次いで、水層を分離し、150mLの塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせ、5~20℃の温度にて2.5%HCl(aq)で中和し、5~6の最終pHを得た。次いで、有機層を水で洗浄し、真空中で20℃より低い温度で150mLに濃縮し、塩化メチレン中の化合物30を得た。
【0332】
5-ニトロ-2,4-ジ-tert-ブチルフェニルメチルカーボネート(31)の調製のための手順
【化31】
方法1
【0333】
化合物30(6.77g、25.6mmol)の撹拌した溶液に、6mLの硫酸および硝酸の1:1混合物を0℃にて滴下で添加した。混合物を室温に温め、1時間撹拌した。生成物を液体クロマトグラフィー(ISCO、120g、0~7%EtOAc/ヘキサン、38分)を使用して精製し、化合物31の位置異性体の約8:1~10:1混合物を白色固体として生成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.63 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 3.87 (s, 3H),
1.36 (s, 9H), 1.32 (s, 9H).
HPLC保持時間、3.92分、10~99%CH3CN、5分のラン;ESI-MS、310m/z(MH)+。
【0334】
方法2
化合物30(100g、378mmol)に、DCM(540g、408mL)を加えた。全ての固体が溶解するまで混合物を撹拌し、次いで、-5~0℃に冷却した。次いで、反応の最初の温度を維持しながら、濃硫酸(163g)を滴下で添加し、混合物を4.5時間撹拌した。次いで、反応の最初の温度を維持しながら、硝酸(62g)を2~4時間に亘り滴下で添加し、次いで、この温度でさらに4.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷水にゆっくりと加え、温度を5℃より低く維持した。次いで、クエンチした反応物を25℃に加熱し、水層を除去し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、124~155mLに濃縮した。ヘキサン(48g)を加え、このように得られた混合物を再び124~155mLに濃縮した。さらなるヘキサン(160g)を、引き続いて混合物に加えた。次いで、混合物を23~27℃にて15.5時間撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケークに、ヘキサン(115g)を加え、このように得られた混合物を加熱還流し、2~2.5時間撹拌した。次いで、混合物を3~7℃に冷却し、さらに1~1.5時間撹拌し、濾過し、化合物31を淡黄色の固体
として得た。
【0335】
5-アミノ-2,4-ジ-tert-ブチルフェニルメチルカーボネート(32)の調製のための手順
【化32】
【0336】
2,4-ジ-tert-ブチル-5-ニトロフェニルメチルカーボネート(1.00当量)を入れ、それに続いて5%Pd/C(乾量基準で2.50重量%、Johnson-Matthey Type37)を、適切な水素付加反応器に入れた。MeOH(15.0容量)を反応器に入れ、系を閉じた。系をN2(g)でパージし、次いで、H2(g)で2.0バールに加圧した。25℃+/-5℃の反応温度にて反応を行った。完了した時、反応物を濾過し、反応器/ケークをMeOH(4.00容量)で洗浄した。このように得られた濾液を、真空下で、50℃以下で8.00容量になるまで蒸留した。水(2.00容量)を、45℃+/-5℃にて加えた。生成したスラリーを、0℃+/-5に冷却した。スラリーを0℃+/-5℃にて1時間以上保持し、濾過した。ケークを、0℃+/-5℃のMeOH/H2O(8:2)(2.00容量)で1回洗浄した。ケークを、真空下で(-0.90バールおよび-0.86バール)35℃~40℃にて乾燥させ、化合物32を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.05 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 1.33 (s, 9H), 1.23 (s, 9H).
【0337】
反応が完了したらすぐに、このように得られた混合物を、上記のように、約5~10容量のMeOH(例えば、約6~約9容量のMeOH、約7~約8.5容量のMeOH、約7.5~約8容量のMeOH、または約7.7容量のMeOH)で希釈し、約35±5℃の温度に加熱し、濾過し、洗浄し、乾燥させた。
【0338】
N-(2,4-ジ-tert-ブチル-5-ヒドロキシフェニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミド(化合物2)の調製
【化33】
【0339】
4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸、26(1.0当量)および5-アミノ-2,4-ジ-tert-ブチルフェニルメチルカーボネート、32(1.1当量)を、反応器に入れた。2-MeTHF(4.0容量、酸に対して)を加え、それに続いて2-MeTHF(1.7当量)中のT3P(登録商標)50%溶液を加えた。T3Pを入れた槽を、2-MeTHF(0.6容量)で洗浄した。次いで、ピリジン(2.0当量)を加え、このように得られた懸濁液を47.5+/-5.0℃に加熱し、この温度にて8時間維持した。試料を取り出し、完了についてHPLCによってチェックした。完了したらすぐに、このように得られた混合物を、25.0℃+/-2.5℃に冷却した。2-MeTHFを加え(12.5容量)、混合物を希釈した。反応混合物を水(10.0容量)で2回洗浄した。2-MeTHFを加え、反応物の総容量を40.0容量(約16.5容量を導入)にした。この溶液にNaOMe/MeOH(1.7当量)を加え、メタノリシスを行った。反応物を1.0時間以上撹拌し、完了についてHPLCによってチェックした。完了したらすぐに、反応物を1NのHCl(10.0容量)でクエンチし、0.1NのHCl(10.0容量)で洗浄した。有機溶液を磨き濾過し、微粒子を取り出し、第2の反応器中に入れた。濾過した溶液を、35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以上(内部反応温度)にて減圧下で20容量に濃縮した。CH3CNを40容量まで加え、溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以上(内部反応温度)にて20容量に濃縮した。CH3CNの全部で3回の添加および20容量への4回の濃縮のために、CH3CNの添加および濃縮サイクルをさらに2回繰り返した。20容量への最終濃縮の後、16.0容量のCH3CNを加え、それに続いて4.0容量のH2Oを加え、出発酸に対して40容量の10%H2O/CH3CNの最終濃度にした。このスラリーを、78.0℃+/-5.0℃(還流)に加熱した。次いで、スラリーを、5時間以上撹拌した。スラリーを0.0℃+/-5℃に5時間に亘り冷却し、濾過した。ケークを、0.0℃+/-5.0℃のCH3CN(5容量)で4回洗浄した。このように得られた固体(化合物2)を、真空オーブンにおいて50.0℃+/-5.0℃にて乾燥した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (s, 1H), 11.8 (s, 1H), 9.2 (s, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.3
(s, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.9 (t, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.5 (t, 1H), 7.1 (s, 1H), 1.4 (s, 9H), 1.4 (s, 9H).
【0340】
N-(2,4-ジ-tert-ブチル-5-ヒドロキシフェニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミド(化合物2)の代わりの調製
【化34】
【0341】
4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸、26(1.0当量)および5-アミノ-2,4-ジ-tert-ブチルフェニルメチルカーボネート、32(1.1当量)を、反応器に入れた。2-MeTHF(4.0容量、酸に対して)を加え、それに続いて2-MeTHF中のT3P(登録商標)50%溶液(1.7当量)を加えた。T3Pを入れた槽を、2-MeTHF(0.6容量)で洗浄した。次いで、ピリジン(2.0当量)を加え、このように得られた懸濁液を47.5+/-5.0℃に加熱し、この温度にて8時間維持した。試料を取り出し、完了についてHPLCによってチェックした。完了したらすぐに、このように得られた混合物を、20℃+/-5℃に冷却した。2-MeTHFを加え(12.5容量)、混合物を希釈した。反応混合物を水(10.0容量)で2回洗浄し、2-MeTHF(16.5容量)を反応器に入れた。この溶液に30%w/wのNaOMe/MeOH(1.7当量)を入れ、メタノリシスを行った。反応物を25.0℃+/-5.0℃にて1.0時間以上撹拌し、完了についてHPLCによってチェックした。完了したらすぐに、反応物を1.2NのHCl/H2O(10.0容量)でクエンチし、0.1NのHCl/H2O(10.0容量)で洗浄した。有機溶液を磨き濾過(polish filtered)し、微粒子を取り出し、第2の反応器中に入れた。
【0342】
濾過した溶液を、35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以上(内部反応温度)にて減圧下で20容量に濃縮した。CH3CNを40容量まで加え、溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以上(内部反応温度)にて20容量に濃縮した。CH3CNの全部で3回の添加および20容量への4回の濃縮のために、CH3CNの添加および濃縮サイクルをさらに2回繰り返した。20容量への最終濃縮の後、16.0容量のCH3CNを入れ、それに続いて4.0容量のH2Oを入れ、出発酸に対して40容量の10%H2O/CH3CNの最終濃度にした。このスラリーを、78.0℃+/-5.0℃(還流)に加熱した。次いで、スラリーを、5時間以上撹拌した。スラリーを、20~25℃に5時間に亘り冷却し、濾過した。ケークを、20~25℃に加熱したCH3CN(
5容量)で4回洗浄した。このように得られた固体(化合物2)を、真空オーブンにおいて50.0℃+/-5.0℃にて乾燥した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.8 (s, 1H), 11.8 (s, 1H), 9.2 (s, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.3 (s, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.9 (t, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.5 (t, 1H), 7.1 (s, 1H), 1.4 (s, 9H), 1.4 (s,
9H).
【0343】
N-(2,4-ジ-tert-ブチル-5-ヒドロキシフェニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボキサミド(化合物2)の再結晶のための手順
【化35】
【0344】
化合物2(1.0当量)を、反応器に入れた。2-MeTHF(20.0容量)を加え、それに続いて0.1NのHCl(5.0容量)を加えた。二相性溶液を撹拌し、分離し、上部の有機相を0.1NのHCl(5.0容量)でさらに2回洗浄した。有機溶液を磨き濾過して、微粒子を除去し、第2の反応器中に入れた。濾過した溶液を減圧下で35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以下(内部反応温度)にて10容量に濃縮した。酢酸イソプロピル(IPAc)(10容量)を加え、溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃以下(内部反応温度)にて10容量に濃縮した。全部で3回のIPAcの添加および10容量への4回の濃縮のために、IPAcの添加および濃縮をさらに2回繰り返した。最終濃縮の後、10容量のIPAcを入れ、スラリーを加熱還流し、この温度にて5時間維持した。スラリーを、0.0℃+/-5℃に5時間に亘り冷却し、濾過した。ケークを、IPAc(5容量)で1回洗浄した。このように得られた固体を、真空オーブンにおいて50.0℃+/-5.0℃にて乾燥した。
【0345】
実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物の調製
【0346】
90重量%のMEK/10重量%の脱イオン水の比によって配合したMEKおよび脱イオン水の溶媒系を、磁気撹拌機および熱回路を備えた反応器中で20~30℃の温度に加熱した。この溶媒系中に、19.5重量%の酢酸コハク酸ヒプロメロース/0.5重量%のSLS/80重量%の化合物2の比によって、酢酸コハク酸ヒプロメロースポリマー(HPMCAS)(HGグレード)、SLS、および化合物2を加えた。このように得られた混合物は、10.5重量%の固体を含有した。この混合物を生じさせるために使用した成分および溶媒の実際の量を、下記の表5において列挙する。
【表5-1】
【0347】
混合物温度を20~45℃の範囲に調整し、これが実質的に均質でありかつ全ての構成要素が実質的に溶解するまで混合した。
【0348】
ベアディング防止キャップを備えた圧力ノズル(オリフィス/コアサイズ54/21を有する噴霧システムMaximum PassageシリーズSK-MFP)をフィットした市販のNiro PSD4噴霧乾燥機である噴霧乾燥機を、下記の表6において列挙した乾式噴霧プロセスパラメーターに従って通常の噴霧乾燥モード下で使用した。
【表6】
【0349】
高効率サイクロンによって、湿った生成物を噴霧ガスおよび溶媒蒸気から分離した。湿った生成物は、8.5~9.7%のMEKおよび0.56~0.83%の水を含有し、17~19μmの平均粒径および0.27~0.33g/ccのかさ密度を有した。湿った生成物を、乾燥のために4000Lのステンレス鋼ダブルコーン真空乾燥機に移し、残留溶媒を約5000ppm未満のレベルに低減させ、<0.03%のMEKおよび0.3%の水を含有するアモルファス化合物2の乾式噴霧乾燥分散物を生じさせた。
【0350】
完全連続湿式造粒プロセスからの錠剤形成
【0351】
機器/プロセス
【0352】
機器
【0353】
完全連続開発およびローンチリグ(DLR)または同様のタイプの機器
【0354】
スクリーニング
【0355】
化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤を、別個の中間のビン容器(IBC)中に分注し得る。これらの材料は、「ビンからビン」のスクリーニング操作を使用してスクリーニングされ得る。適当なスクリーンサイズは、20メッシュ、40メッシュ、または60メッシュである。
【0356】
ブレンド
【0357】
スクリーニングした化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤を含有するIBCは、材料を制御された様式で、例えば、容積測定または重量測定によるロスインウエイトフィーダーを使用して、連続ブレンダー中に供給することができるフィーダーシステムにドッキングし得る。個々の構成要素の供給速度は、配合組成物および全体的なライン速度によって定義される。ライン速度は、8kg/時間~30kg/時間であり得る。連続ブレンダーは、適当なブレンドを可能とする異なるブレード構成を有することができ、これらのブレードの回転速度は、80RPM~300RPMの間であり得る。
【0358】
湿式造粒
【0359】
造粒溶液は、700RPMの撹拌スピードを伴うオーバーヘッド撹拌機を使用して、ステンレス鋼容器中で48gのラウリル硫酸ナトリウムおよび159gのポリビニルピロリドンを1,626gの水に溶解させることによって調製され得る。造粒溶液は容器中に入れてもよく、ここから溶液は、プロセスに適した流量を使用して、質量流量計およびコントロールを有する蠕動ポンプを使用して、二軸スクリュー造粒機中にポンピングされ得る。ブレンドは、二軸スクリュー造粒機、例えば、DLRのパートである造粒機を使用して顆粒化され得る。ブレンドは、ロスインウエイトフィーダー、例えば、DLR上のK-Tronフィーダーを使用して、8kg/時間~24kg/時間の供給速度で二軸スクリュー造粒機に加えられ得る。二軸スクリュー造粒機は、摂氏25度のバレル温度および200~950RPMのスクリュースピードで操作され得る。造粒プロセスは、小さなバッチサイズについては3分間または大きなバッチサイズについては数時間行われ得る。
【0360】
乾燥
【0361】
湿った顆粒は、流動床乾燥機、例えば、DLR上のセグメント化された流動床乾燥機中に直接供給され得る。乾燥エンドポイントは、摂氏40~55度の範囲の排出の間の生成物温度で選択してもよく、このポイントで、顆粒の水分含有率は、2.1%w/w(「乾燥減量、LOD」)もしくはそれ未満であり得る。所望の乾燥エンドポイントに到達するのに、乾燥時間は、12分であっても、それより短くても、それより長くてもよい。
【0362】
ミル加工
【0363】
乾燥した顆粒をミル加工して、顆粒のサイズを低減し得る。コーンミル、例えば、一体型Quadro U10 CoMilを、このために使用し得る。
【0364】
ブレンド
【0365】
ロスインウエイトフィーダーおよび連続ブレンダーを使用して、顆粒を、顆粒外添加剤、例えば、充填剤および滑沢剤とブレンドし得る。ブレンドスピードは、80~300R
PMであり得る。
【0366】
圧縮
【0367】
適切な大きさのツーリングを使用したシングルステーションまたはロータリー錠剤プレス機、例えば、DLRシステムの一部であるCourtoy Modul Pプレス機を使用して、圧縮ブレンドを錠剤に圧縮し得る。200mgの化合物1形態Iおよび125mgの実質的にアモルファスの化合物2の用量に対する錠剤の重量は、約500mgまたは600mgであり得る。
【0368】
フィルムコーティング
【0369】
DLRシステムの一部である革新的なOmegaフィルムコーティング機を使用して、錠剤をフィルムコーティングし得る。このコーティング機は、1~4kgのサブバッチの急速なフィルムコーティングを行い、連続製造を行うことを可能とする。
【0370】
プリント
【0371】
フィルムコーティングされた錠剤は、例えば、Ackleyランププリンターで、錠剤の一方または両方の面上にモノグラムがプリントされ得る。
【0372】
二軸スクリュー湿式造粒プロセスからの錠剤形成
【0373】
機器/プロセス
【0374】
機器
【0375】
二軸スクリュー湿式造粒機:ConsiGma-1、ConsiGma-25またはLeistritz nano
【0376】
スクリーニング/秤量
【0377】
化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤は、検量の前または後にスクリーニングされ得る。適当なスクリーンサイズは、20メッシュ、40メッシュ、または60メッシュである。化合物1形態I、および/または実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物は、添加剤の1つまたは複数と事前ブレンドされ、スクリーニングを単純化し得る。
【0378】
ブレンド
【0379】
化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、および添加剤を、異なる順序でブレンダーに加え得る。ブレンドは、Turbulaブレンダー、v-シェルブレンダー、またはビンブレンダーにおいて行われ得る。構成要素は、10分間ブレンドされ得る。
【0380】
湿式造粒
【0381】
造粒溶液は、700RPMの撹拌スピードを伴うオーバーヘッド撹拌機を使用して、ステンレス鋼容器中で48gのラウリル硫酸ナトリウムおよび159gのポリビニルピロリドンを1,626gの水に溶解させることによって調製され得る。ブレンドは、二軸スク
リュー造粒機、例えば、ConsiGma-1を使用して顆粒化され得る。造粒溶液は、蠕動ポンプ、例えば、ConsiGma-1上のポンプを使用して、67g/分の供給速度で二軸スクリュー造粒機に加えられ得る。ブレンドは、ロスインウエイトフィーダー、例えば、ConsiGma-1上のBrabenderフィーダーを使用して、10kg/時間の供給速度で二軸スクリュー造粒機に加えられ得る。二軸スクリュー造粒機は、摂氏25度のバレル温度および400RPMのスクリュースピードで操作され得る。造粒プロセスは、4分間行われ得る。造粒プロセスは、より短いまたはより長い持続時間で行われて、より少ないまたはより多い量の湿った顆粒を生成し得る。
【0382】
乾燥
【0383】
湿った顆粒は、流動床乾燥機、例えば、ConsiGma-1上の乾燥チャンバー、またはCTL-25上のセグメント化された流動床乾燥機中に直接供給され得る。乾燥エンドポイントは、摂氏43度の生成物温度にて選択してもよく、このポイントで顆粒の水分含有率は、1.6%w/w(「乾燥減量、LOD」)であり得る。所望の乾燥エンドポイントに到達するのに、乾燥時間は12分であっても、それより短くても、それより長くてもよい。乾燥は、59m3/分の気流および摂氏60度の入口温度で行われ得る。代わりに、二軸スクリュー造粒機から来る湿った顆粒は、ビンまたは容器中に一定期間集められてもよく、この後、湿った顆粒を、別個の独立型の流動床乾燥機、例えば、Vector
Multi15に移す。
【0384】
ミル加工
【0385】
乾燥した顆粒をミル加工して、顆粒のサイズを低減し得る。コーンミル、例えば、Quadro194CoMilを、このために使用し得る。
【0386】
ブレンド
【0387】
顆粒は、V-シェルブレンダーまたはビンブレンダーを使用して、顆粒外添加剤、例えば、充填剤および滑沢剤とブレンドされ得る。ブレンド時間は、5分、3分または1分であり得る。
【0388】
圧縮
【0389】
0.55’×0.33’の楕円形状のツーリングを使用したシングルステーションまたはロータリー錠剤プレス機、例えば、Courtoy Modul Pプレス機を使用して、圧縮ブレンドを錠剤に圧縮し得る。200mgの化合物1形態Iおよび125mgの実質的にアモルファスの化合物2の用量に対して錠剤の重量は、約500mgまたは600mgであり得る。
【0390】
フィルムコーティング
【0391】
錠剤は、パンコーター、例えば、Thomas Engineering Compu-Labコーティング機を使用してフィルムコーティングされ得る。微量のカルナウバワックスを加えて、錠剤の外観およびプロセスの能力を改善し得る。
【0392】
プリント
【0393】
フィルムコーティングされた錠剤は、例えば、Hartnett Deltaプリンターで、錠剤の一方または両方の面上にモノグラムがプリントされ得る。
【0394】
連続二軸スクリュー湿式造粒プロセスからの錠剤形成
【0395】
機器/プロセス
【0396】
機器
造粒機:ConsiGmaまたはLeistritzまたはThermo Fisher二軸スクリュー造粒機
【0397】
スクリーニング/秤量
【0398】
化合物1および添加剤は、検量の前または後にスクリーニングされ得る。可能なスクリーンサイズは、20メッシュ、40メッシュ、または60メッシュである。化合物1は、添加剤の1つまたは複数と事前ブレンドされ、スクリーニングを単純化し得る。
【0399】
ブレンド
【0400】
化合物1および添加剤は、異なる順序でブレンダーに加えられ得る。ブレンドは、Turbulaブレンダー、v-シェルブレンダー、ビンブレンダー、または連続ブレンダーで行われ得る。構成要素は、バッチブレンダーについて10分間、または連続ブレンダーについて連続的にブレンドされ得る。
【0401】
造粒操作
造粒流体-SLSおよび結合剤を精製水に加え、溶解するまで混合する。適切な比は、水中の2.5%w/wのSLSおよび10.0%w/wのPVP K30である。
造粒-化合物1および添加剤を含有するブレンドを、10kg/時間の速度でロスインウエイトフィーダーを使用して二軸スクリュー造粒機中に投入し得る。蠕動ポンプを使用して造粒流体を3.5kg/時間の速度で加え得る。造粒機は、400RPMのスピードで操作され得る。本二軸スクリュー湿式造粒プロセスの注目すべき利点は、増加した湿潤性によるより良好な造粒のために界面活性剤および結合剤の両方を含む造粒流体を使用することである。一実施形態において、界面活性剤は、SLSである。別の注目すべき利点は、プロセスが連続的であり、いつにおいても限定された量のみの材料が加工されるので、プロセスは、良好に制御され得、そして、高品質な生成物をもたらすことである。
【0402】
ミル加工
【0403】
顆粒は、乾燥前もしくは乾燥後、またはそれら両方において、スクリーンミルまたはコーンミルを使用してサイズを低減し得る。
【0404】
乾燥
【0405】
顆粒は、真空オーブン、トレイ乾燥機、バイコニカル乾燥機、または流動床乾燥機を使用して乾燥され得る。
【0406】
ブレンド
【0407】
顆粒は、顆粒外添加剤とブレンドされ得る。顆粒は、300リットルのビンブレンダーを使用して60回転ブレンドした。
【0408】
圧縮
【0409】
Courtoy Modul Pロータリープレス機を使用して、圧縮ブレンドを錠剤に圧縮した。
【0410】
フィルムコーティング
【0411】
錠剤は、パンコーター、例えば、O’Hara Labcoatなどを使用してフィルムコーティングされ得る。
【0412】
プリント
【0413】
フィルムコーティングされた錠剤は、例えば、Hartnett Deltaプリンターで錠剤の一方または両方の面上にモノグラムがプリントされ得る。
【0414】
アッセイ
プロトコル1
【0415】
化合物の△F508-CFTR強化特性を検出および測定するためのアッセイ
化合物の△F508-CFTRモジュレーション特性をアッセイするための膜電位光学的方法
【0416】
アッセイは、NIH3T3細胞中の機能的△F508-CFTRの増加についての読み出し情報として、蛍光プレートリーダー(例えば、FLIPR III、Molecular Devices, Inc.)を使用して、膜電位における変化を測定する蛍光電圧感知色素を利用する。応答のための駆動力は、細胞を化合物で従前に処理し、引き続いて電圧感知色素を添加した後で、単一の液体添加ステップによるチャネル活性化と併せて、塩化物イオン勾配を生じさせることである。
【0417】
ポテンシエーター化合物の同定
△F508-CFTRのポテンシエーターを同定するために、二重添加HTSアッセイフォーマットが開発された。このHTSアッセイは、蛍光電圧感知色素を利用し、温度補正した△F508CFTR NIH3T3細胞における△F508CFTRのゲート開閉(コンダクタンス)の増加についての測定値として、FLIPR III上の膜電位の変化を測定する。応答のための駆動力は、細胞をポテンシエーター化合物(またはDMSOビヒクル対照)で従前に処理し、引き続いて再分布色素を入れた後で、蛍光プレートリーダー、例えば、FLIPR IIIを使用した、単一の液体添加ステップにおけるフォルスコリンによるチャネル活性化と共同での、Cl-イオン勾配である。
【0418】
溶液
バス溶液#1:(mMで)160のNaCl、4.5のKCl、2のCaCl2、1のMgCl2、10のHEPES、NaOHによってpH7.4。
【0419】
クロリド非含有バス溶液:バス溶液#1(上記)中のクロリド塩を、グルコン酸塩で置き換える。
【0420】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学的測定のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で
、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。全ての光学アッセイについて、細胞を384ウェルのmatrigelコーティングしたプレートにおいて約20,000個/ウェルで播種し、ポテンシエーターアッセイのために27℃にて24時間培養する前に37℃にて2時間培養した。補正アッセイのために、細胞を、化合物と共におよびそれ無しで、27℃または37℃にて16~24時間培養する。
【0421】
化合物の△F508-CFTRモジュレーション特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ
【0422】
Ussingチャンバーアッセイ
Ussingチャンバー実験を、△F508-CFTRを発現している分極した気道上皮細胞上で行い、光学アッセイにおいて同定される△F508-CFTR増強物質または誘発物質をさらに特性決定した。非CFおよびCF気道上皮を気管支組織から単離し、従前に記載されているように培養し(Galietta, L.J.V.、Lantero, S.、Gazzolo, A.、Sacco, O.、Romano, L.、Rossi, G.A.およびZegarra-Moran, O.(1998年)、In Vitro Cell. Dev. Biol.、34巻、478~481頁)、NIH3T3-条件培地で事前コーティングしたCostar(登録商標)Snapwell(商標)フィルター上に蒔いた。4日後、頂端培地を除去し、細胞を使用の前に気液界面において14日間より長く増殖させた。これは完全に分化した円柱細胞の単層をもたらしたが、これは繊毛細胞であり、気道上皮の特徴であるフィーチャである。非CF HBEを、どの公知の肺疾患も有さない非喫煙者から単離した。CF-HBEを△F508についてホモ接合型である患者から単離した。
【0423】
Costar(登録商標)Snapwell(商標)細胞培養物インサート上で増殖させたHBEをUssingチャンバー(Physiologic Instruments, Inc.、San Diego、CA)中に乗せ、側底から頂端のCl-勾配(ISC)の存在下での経上皮抵抗および短絡電流を、電位固定システム(生物工学部、アイオワ大学、IA)を使用して測定した。手短に言えば、HBEを、電位固定記録条件(Vhold=0mV)下で37℃にて検査した。側底溶液は、(mMで)145のNaCl、0.83のK2HPO4、3.3のKH2PO4、1.2のMgCl2、1.2のCaCl2、10のグルコース、10のHEPES(pHはNaOHで7.35に調整)を含有し、頂端溶液は、(mMで)145のNaGluconate、1.2のMgCl2、1.2のCaCl2、10のグルコース、10のHEPES(pHはNaOHで7.35に調整)を含有した。
【0424】
ポテンシエーター化合物の同定
典型的なプロトコルは、側底膜から頂端膜のCl-濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、通常のリンガーを側底膜上で使用し、一方、頂端NaClを等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4に滴定)で置き換え、上皮に亘り大きなCl-濃度勾配を得た。フォルスコリン(10μM)および全ての試験化合物を、細胞培養物インサートの頂端側に加えた。推定上の△F508-CFTRポテンシエーターの有効性を、公知のポテンシエーターであるゲニステインの有効性と比較した。
【0425】
パッチクランプ記録
△F508-NIH3T3細胞における総Cl-電流を、従前に記載されているように、穿孔パッチ記録構成を使用してモニターした(Rae, J.、Cooper, K.、Gates, P.およびWatsky, M.(1991年)、J. Neurosci. Methods、37巻、15~26頁)。電位固定記録を、Axopatch200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.、Fos
ter City、CA)を使用して22℃にて行った。ピペット溶液は、(mMで)150のN-メチル-D-グルカミン(NMDG)-Cl、2のMgCl2、2のCaCl2、10のEGTA、10のHEPES、および240μg/mLのアンホテリシン-B(pHはHClで7.35に調整)を含有した。細胞外培地は、(mMで)150のNMDG-Cl、2のMgCl2、2のCaCl2、10のHEPES(pHはHClで7.35に調整)を含有した。パルス発生、データ取得、および分析を、Clampex8(Axon Instruments Inc.)と併せて、Digidata1320A/Dインターフェースを備えたPCを使用して行った。△F508-CFTRを活性化するために、10μMのフォルスコリンおよび20μMのゲニステインをバスに加え、電流電圧関係を30秒毎にモニターした。
【0426】
ポテンシエーター化合物の同定
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3細胞における巨視的△F508-CFTR Cl-電流(I△F508)を増加させる△F508-CFTRポテンシエーターの能力をまた、穿孔パッチ記録技術を使用して調査した。光学アッセイから同定されたポテンシエーターは、光学アッセイにおいて観察される同様の効力および有効性を伴って、I△F508における用量依存的な増加を誘起した。検査した全ての細胞において、ポテンシエーター適用の前および間の逆転電位は、概ね-30mVであったが、これは計算したECl(-28mV)である。
【0427】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、ホールセル記録のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。ホールセル記録のために、2,500~5,000個の細胞をポリ-L-リシンコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、ポテンシエーターの活性を試験するために使用する前に27℃にて24~48時間培養し、コレクターの活性を測定するために補正化合物と共にまたはそれ無しで37℃にてインキュベートした。
【0428】
単一チャネル記録
NIH3T3細胞において発現しているwt-CFTRおよび温度補正した△F508-CFTRのゲート開閉活性を、Axopatch200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)を使用して、従前に記載されているように、切除したインサイドアウトの膜パッチ記録を使用して観察した(Dalemans, W.、Barbry, P.、Champigny, G.、Jallat, S.、Dott, K.、Dreyer, D.、Crystal, R.G.、Pavirani, A.、Lecocq, J-P.、Lazdunski, M.(1991年)、Nature、354巻、526~528頁)。ピペットは、(mMで):150のNMDG、150のアスパラギン酸、5のCaCl2、2のMgCl2、および10のHEPES(pHはトリス塩基で7.35に調整)を含有した。バスは、(mMで):150のNMDG-Cl、2のMgCl2、5のEGTA、10のTES、および14のトリス塩基(pHはHClで7.35に調整)を含有した。切除後、wt-CFTRおよび△F508-CFTRの両方を、1mMのMg-ATP、75nMのcAMP依存性タンパク質キナーゼの触媒サブユニット(PKA;Promega Corp.Madison、WI)、およびタンパク質ホスファターゼを阻害する10mMのNaFを加えることによって活性化したが、これは電流ランダウンを防止した。ピペット電位は、80mVで維持した。チャネル活性は、≦2活性チャネルを含有する膜パッチから分析した。同時開口部の最大数は、実験の過程における活性チャネルの数を決定した。単一チャネル電流振幅を決定
するために、120秒の△F508-CFTR活性から記録したデータを、100Hzにて「オフライン」濾過し、次いで、バイオパッチ分析ソフトウェア(Bio-Logic
Comp.France)を使用して複数のガウス関数をフィットした全点振幅ヒストグラムを構築するために使用した。総微視的電流および開確率(Po)は、120秒のチャネル活性から決定した。Poは、バイオパッチソフトウェアを使用して、または関係Po=I/i(N)(式中、I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチにおける活性チャネルの数)から決定した。
【0429】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除した膜パッチクランプ記録のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。単一チャネル記録のために、2,500~5,000個の細胞を、ポリ-L-リシンコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、使用前に27℃にて24~48時間培養した。
【0430】
プロトコル2
【0431】
化合物の△F508-CFTR補正特性を検出および測定するためのアッセイ
【0432】
化合物の△F508-CFTRモジュレーション特性をアッセイするための膜電位光学的方法
【0433】
光学膜電位アッセイは、蛍光の変化を測定するための計器類、例えば、電圧/イオンプローブリーダー(VIPR)(Gonzalez, J. E.、K. Oadesら(1999年)、「Cell-based assays and instrumentation for screening ion-channel targets」、Drug Discov Today、4巻(9号):431~439頁を参照されたい)と組み合わせて、GonzalezおよびTsien(Gonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1995年)、「Voltage sensing
by fluorescence resonance energy transfer in single cells」、Biophys J、69巻(4号):1272~80頁、およびGonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1997年)、「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」、Chem Biol、4巻(4号):269~77頁を参照されたい)によって記載されている電圧感受性FRETセンサーを利用した。
【0434】
これらの電圧感受性アッセイは、膜可溶性電圧感受性色素、DiSBAC2(3)と、形質膜の外側小葉に付着し、FRETドナーとして作用する蛍光リン脂質CC2-DMPEとの間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の変化に基づく。膜電位(Vm)における変化は、負に帯電しているDiSBAC2(3)が形質膜に亘り再分布することをもたらし、CC2-DMPEからのエネルギー移動の量は、それに応じて変化する。蛍光発光における変化を、96ウェルまたは384ウェルマイクロタイタープレートにおいてセルベーススクリーニングを行うために設計された一体型液体処理器および蛍光検出器であるVIPR(商標)IIを使用してモニターした。
【0435】
補正化合物の同定
△F508-CFTRと関連するトラフィッキングの欠陥を補正する小分子を同定するために、単一添加HTSアッセイフォーマットを開発した。試験化合物の存在下または非存在下(陰性対照)で、細胞を無血清培地中で37℃にて16時間インキュベートした。陽性対照として、384ウェルプレート中に蒔いた細胞を、27℃にて16時間インキュベートし、△F508-CFTRを「温度補正した」。細胞を引き続いてKrebsリンガー溶液で3回すすぎ、電圧感受性色素を入れた。△F508-CFTRを活性化するために、Cl-非含有培地と共に10μMのフォルスコリンおよびCFTRポテンシエーターであるゲニステイン(20μM)を各ウェルに加えた。Cl-非含有培地の添加は、△F508-CFTR活性化に応じてCl-流出を促進し、このように得られた膜脱分極を、FRETをベースとする電圧センサー色素を使用して光学的にモニターした。
【0436】
ポテンシエーター化合物の同定
△F508-CFTRのポテンシエーターを同定するために、二重添加HTSアッセイフォーマットを開発した。最初の添加の間に、試験化合物を伴うかまたは含まないCl-非含有培地を、各ウェルに加えた。22秒後、2~10μMのフォルスコリンを含有するCl-非含有培地の第2の添加を追加し、△F508-CFTRを活性化した。両方の添加に続く細胞外Cl-濃度は28mMであったが、これは△F508-CFTR活性化に応じてCl-流出を促進し、このように得られた膜脱分極を、FRETをベースとする電圧センサー色素を使用して光学的にモニターした。
【0437】
溶液
バス溶液#1:(mMで)160のNaCl、4.5のKCl、2のCaCl2、1のMgCl2、10のHEPES、NaOHによってpH7.4。
【0438】
クロリド非含有バス溶液:バス溶液#1(上記)中のクロリド塩を、グルコン酸塩と置き換える。
【0439】
CC2-DMPE:DMSO中10mMのストック溶液として調製し、-20℃で貯蔵。
【0440】
DiSBAC2(3):DMSO中10mMのストックとして調製し、-20℃で貯蔵。
【0441】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学的測定のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。全ての光学アッセイのために、細胞を30,000個/ウェルにて384ウェルのmatrigelコーティングしたプレート中に播種し、ポテンシエーターアッセイのために27℃にて24時間培養する前に、37℃にて2時間培養した。補正アッセイのために、細胞を、化合物と共に、およびそれを伴うことなく27℃または37℃にて16~24時間培養する。
【0442】
化合物の△F508-CFTRモジュレーション特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ
【0443】
Ussingチャンバーアッセイ
Ussingチャンバー実験を、△F508-CFTRを発現している分極した上皮細胞上で行い、光学アッセイにおいて同定される△F508-CFTR増強物質または誘発
物質をさらに特性決定した。Costar Snapwell細胞培養物インサート上で増殖したFRT△F508-CFTR上皮細胞を、Ussingチャンバー(Physiologic Instruments, Inc.、San Diego、CA)中に乗せ、電位固定システム(生物工学部、アイオワ大学、IA、およびPhysiologic Instruments, Inc.、San Diego、CA)を使用して単層を連続的に短絡した。経上皮抵抗を、2-mVのパルスを加えることによって測定した。これらの条件下において、FRT上皮は、4KΩ/cm2以上の抵抗を示した。溶液を27℃に維持し、空気で泡立てた。電極オフセット電位および流体抵抗を、無細胞インサートを使用して補正した。これらの条件下で、電流は、頂端膜において発現している△F508-CFTRによって、Cl-の流れを反映する。MP100A-CEインターフェースおよびAcqKnowledgeソフトウェア(v3.2.6;BIOPAC Systems、Santa Barbara、CA)を使用して、ISCをデジタル的に取得した。
【0444】
補正化合物の同定
典型的なプロトコルは、側底膜から頂端膜のCl-濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜上で通常のリンガーを使用し、一方で、頂端NaClを等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4に滴定)で置き換え、上皮に亘り大きなCl-濃度勾配を得た。全ての実験は、未変化の単層で行った。△F508-CFTRを完全に活性化するために、フォルスコリン(10μM)およびPDE阻害剤であるIBMX(100μM)を適用し、それに続いてCFTRポテンシエーターであるゲニステイン(50μM)を添加した。
【0445】
他の細胞型において観察されるように、低温にて△F508-CFTRを安定的に発現しているFRT細胞のインキュベーションによって、形質膜におけるCFTRの機能的密度は増加する。補正化合物の活性を決定するために、細胞を37℃にて10μMの試験化合物と共に24時間インキュベートし、引き続いて、記録の前に3回洗浄した。化合物で処理した細胞におけるcAMPが媒介するISCおよびゲニステインが媒介するISCを、27℃および37℃での対照に対して規準化し、活性百分率として表した。補正化合物による細胞のプレインキュベーションは、37℃での対照と比較して、cAMPが媒介するISCおよびゲニステインが媒介するISCを有意に増加させた。
【0446】
ポテンシエーター化合物の同定
典型的なプロトコルは、側底膜から頂端膜のCl-濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、通常のリンガーを側底膜上で使用し、ナイスタチン(360μg/ml)で透過処理し、一方で、頂端NaClは、等モルのグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4に滴定)で置き換えて、上皮に亘って大きなCl-濃度勾配を得た。全ての実験は、ナイスタチン透過処理の30分後に行った。フォルスコリン(10μM)および全ての試験化合物を、細胞培養物インサートの両側に加えた。推定上の△F508-CFTRポテンシエーターの有効性を、公知のポテンシエーターであるゲニステインの有効性と比較した。
【0447】
溶液
側底溶液(mMで):NaCl(135)、CaCl2(1.2)、MgCl2(1.2)、K2HPO4(2.4)、KHPO4(0.6)、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)(10)、およびデキストロース(10)。溶液は、NaOHでpH7.4に滴定した。
【0448】
頂端溶液(mMで):側底溶液と同じであり、NaClをグルコン酸ナトリウム(135)で置き換える。
【0449】
細胞培養
△F508-CFTRを発現しているFisherラット上皮(FRT)細胞(FRT△F508-CFTR)を、本発明者らの光学アッセイから同定された推定上の△F508-CFTR増強物質または誘発物質について、Ussingチャンバー実験のために使用した。細胞を、Costar Snapwell細胞培養物インサート上で培養し、5%ウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを補充したCoon改変HamのF-12培地中で、37℃および5%CO2にて5日間培養した。化合物のポテンシエーター活性を特定決定するために使用の前に、細胞を27℃にて16~48時間インキュベートし、△F508-CFTRを補正した。補正化合物の活性を決定するために、細胞を、化合物と共におよびそれ無しで、27℃または37℃にて24時間インキュベートした。
【0450】
ホールセル記録
△F508-CFTRを安定的に発現している、温度補正および試験化合物補正したNIH3T3細胞における巨視的△F508-CFTR電流(I△F508)を、穿孔パッチホールセル記録を使用してモニターした。手短に言えば、I△F508の電位固定記録を、Axopatch200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.、Foster City、CA)を使用して室温にて行った。全ての記録は、10kHzのサンプリング周波数で取得し、1kHzでローパスフィルターをかけた。ピペットは、細胞内溶液で充填したとき、5~6MΩの抵抗を有した。これらの記録条件下で、室温にてCl-(ECl)についての計算した逆転電位は、-28mVであった。全ての記録は、シール抵抗>20GΩおよび直列抵抗<15MΩを有した。パルス発生、データ取得、および分析は、Clampex8(Axon Instruments Inc.)と併せて、Digidata1320A/Dインターフェースを備えたPCを使用して行った。バスは<250μlの食塩水を含有し、重力駆動式灌流システムを使用して2ml/分の速度で連続的に灌流した。
【0451】
補正化合物の同定
形質膜における機能的△F508-CFTRの密度を増加させるための補正化合物の活性を決定するために、本発明者らは、上記の穿孔パッチ記録技術を使用して、補正化合物による24時間の処理に続いて、電流密度を測定した。△F508-CFTRを完全に活性化するために、10μMのフォルスコリンおよび20μMのゲニステインを、細胞に加えた。本発明者らの記録条件下で、27℃での24時間のインキュベーションに続く電流密度は、37℃での24時間のインキュベーション後に観察されるものより高かった。これらの結果は、形質膜における△F508-CFTRの密度に対する低温度でのインキュベーションの公知の効果と一致する。CFTR電流密度に対する補正化合物の効果を決定するために、細胞を10μMの試験化合物と共に37℃にて24時間インキュベートし、電流密度を、27℃および37℃での対照(活性%)と比較した。記録の前に、細胞を細胞外記録培地で3回洗浄し、残りの試験化合物を除去した。10μMの補正化合物によるプレインキュベーションは、37℃での対照と比較して、cAMP依存性およびゲニステイン依存性電流を有意に増加させた。
【0452】
ポテンシエーター化合物の同定
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3細胞における巨視的△F508-CFTR Cl-電流(I△F508)を増加させる△F508-CFTRポテンシエーターの能力をまた、穿孔パッチ記録技術を使用して調査した。光学アッセイから同定されたポテンシエーターは、光学アッセイにおいて観察される同様の効力および有効性を伴って、I△F508における用量依存的な増加を誘起した。検査した全ての細胞において、ポテンシエーター適用の前および間の逆転電位は、概ね-30mVであったが、こ
れは計算したECl(-28mV)である。
【0453】
溶液
細胞内溶液(mMで):Cs-アスパルテート(90)、CsCl(50)、MgCl2(1)、HEPES(10)、および240μg/mlのアンホテリシン-B(pHはCsOHで7.35に調整)。
【0454】
細胞外溶液(mMで):N-メチル-D-グルカミン(NMDG)-Cl(150)、MgCl2(2)、CaCl2(2)、HEPES(10)(pHはHClで7.35に調整)。
【0455】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、ホールセル記録のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。ホールセル記録のために、2,500~5,000個の細胞を、ポリ-L-リシンコーティングしたガラス製カバースリップ上で播種し、ポテンシエーターの活性を試験するために使用する前に27℃にて24~48時間培養し、コレクターの活性を測定するために補正化合物と共にまたはそれ無しで37℃にてインキュベートした。
【0456】
単一チャネル記録
NIH3T3細胞において安定的に発現している温度補正した△F508-CFTRの単一チャネル活性、およびポテンシエーター化合物の活性を、切除したインサイドアウトの膜パッチを使用して観察した。手短に言えば、単一チャネル活性の電位固定記録を、Axopatch200Bパッチクランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)で室温にて行った。全ての記録は10kHzのサンプリング周波数で取得し、400Hzでローパスフィルターをかけた。パッチピペットは、Corning Kovar Sealing#7052ガラス(World Precision Instruments, Inc.、Sarasota、FL)から製作し、細胞外溶液で充填したとき、5~8MΩの抵抗を有した。△F508-CFTRを、1mMのMg-ATP、および75nMのcAMP依存性タンパク質キナーゼ、触媒サブユニット(PKA;Promega Corp.Madison、WI)を加えることによって切除後に活性化させた。チャネル活性が安定化した後、重力駆動式微小灌流システムを使用してパッチを灌流した。流入物をパッチに隣接して入れ、1~2秒以内の完全な溶液交換がもたらされた。急速な灌流の間に△F508-CFTR活性を維持するために、非特異的ホスファターゼ阻害剤F-(10mMのNaF)を、バス溶液に加えた。これらの記録条件下で、パッチ記録の持続時間(60分まで)を通してチャネル活性は一定であった。細胞内から細胞外溶液に移動する正の電荷によって生じる電流(アニオンは反対方向で移動する)は、正の電流として示す。ピペット電位(Vp)は、80mVに維持した。
【0457】
チャネル活性は、≦2活性チャネルを含有する膜パッチから分析した。同時開口部の最大数は、実験の過程の間に活性チャネルの数を決定した。単一チャネル電流振幅を決定するために、120秒の△F508-CFTR活性から記録したデータを、100Hzにて「オフライン」濾過し、次いで、バイオパッチ分析ソフトウェア(Bio-Logic Comp.France)を使用して複数のガウス関数をフィットした全点振幅ヒストグラムを構築するために使用した。総微視的電流および開確率(Po)は、120秒のチャネル活性から決定した。Poは、バイオパッチソフトウェアを使用して、または関係Po=I/i(N)(式中、I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチに
おける活性チャネルの数)から決定した。
【0458】
溶液
細胞外溶液(mMで):NMDG(150)、アスパラギン酸(150)、CaCl2(5)、MgCl2(2)、およびHEPES(10)(pHはトリス塩基で7.35に調整)。
【0459】
細胞内溶液(mMで):NMDG-Cl(150)、MgCl2(2)、EGTA(5)、TES(10)、およびトリス塩基(14)(pHはHClで7.35に調整)。
【0460】
細胞培養
△F508-CFTRを安定的に発現しているNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除した膜パッチクランプ記録のために使用する。細胞を、175cm2の培養フラスコにおける2mMのグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×ペニシリン/ストレプトマイシン、および25mMのHEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、5%CO2および90%湿度において37℃に維持する。単一チャネル記録のために、2,500~5,000個の細胞を、ポリ-L-リシンコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、使用前に27℃にて24~48時間培養した。
【0461】
本発明の化合物1および化合物2は、CFTR活性の増強物質または誘発物質として有用である。下記の表5は、化合物1および化合物2のEC50および相対的有効性を例示する。下記の表5において、下記の意味を適用する。EC50:「+++」は、<10μMを意味し、「++」は、10μM~25μMの間を意味し、「+」は、25μM~60μMの間を意味する。有効性%:「+」は、<25%を意味し、「++」は、25%~100%の間を意味し、「+++」は、>100%を意味する。
【表5-2】
【0462】
他の実施形態
本開示において言及される全ての刊行物および特許は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されている場合と同一程度に、参考として本明細書に援用される。参考として援用される特許または公開資料のいずれかにおける用語の意味が本開示において使用される用語の意味と矛盾する場合、本開示における用語の意味が支配することが意図される。さらに、上記の考察は、単に本発明の例示的実施形態を開示および記載する。このような考察から、ならびに添付図面および特許請求の範囲から、下記の特許請求の範囲において定義されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、改変および変形をその中で行うことができることを当業者は容易に認識する。
【0463】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
固定された投薬量の3-(6-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-3-メチルピリジン-2-イル)安息香酸(化合物1)形態Iと、実質的にアモルファスのN-(5-ヒドロキシ-2
,4-ジtert-ブチル-フェニル)-4-オキソ-1H-キノリン-3-カルボキサミド(化合物2)を含む固体分散物とを含む医薬組成物。
(項2)
PC-Iと称される、
a.充填剤;
b.崩壊剤;
c.界面活性剤;および
d.結合剤
をさらに含む、上記項1に記載の医薬組成物。
(項3)
30~55重量パーセントの化合物1形態Iと、10~45重量パーセントの実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む、上記項1に記載の医薬組成物。
(項4)
PC-IIと称される、下記の配合:
【表7】
を有する、上記項2に記載の医薬組成物。
(項5)
PC-IIIと称される、
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;
f.結合剤;および
g.滑沢剤
を含む、医薬組成物。
(項6)
約100~250mgの化合物1形態I、および約80~150mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項7)
約200mgの化合物1形態I、および約125mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項8)
約200mgの化合物1形態I、および約83mgの実質的にアモルファスの化合物2を含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項9)
約150mgの化合物1形態I、および約125mgの実質的にアモルファスの化合物
2を含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項10)
25~50重量パーセントの化合物1形態Iと、15~35重量パーセントの、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項11)
PC-IVと称される、下記の配合:
【表8】
を有する、上記項5に記載の医薬組成物。
(項12)
着色剤およびワックスをさらに含む、上記項5に記載の医薬組成物。
(項13)
固体経口医薬組成物である、上記項2に記載の医薬組成物。
(項14)
前記固体経口医薬組成物が、顆粒剤である、上記項13に記載の医薬組成物。
(項15)
PC-Vと称される、下記の配合:
【表9】
を有する、上記項14に記載の顆粒剤。
(項16)
PC-VIと称される、下記の配合:
【表10】
を有する、上記項14に記載の顆粒剤。
(項17)
PC-VIIと称される、下記の配合:
【表11】
を有する、上記項14に記載の顆粒剤。
(項18)
固体経口医薬組成物である、上記項5に記載の医薬組成物。
(項19)
前記固体経口医薬組成物が、錠剤である、上記項18に記載の医薬組成物。
(項20)
PC-VIIIと称される、下記の配合:
【表12】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項21)
PC-IXと称される、下記の配合:
【表13】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項22)
PC-Xと称される、下記の配合:
【表14】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項23)
PC-XIと称される、下記の配合:
【表15】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項24)
PC-XIIと称される、下記の配合:
【表16】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項25)
PC-XIIIと称される、下記の配合:
【表17】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項26)
PC-XIVと称される、下記の配合:
【表18】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項27)
PC-XVと称される、下記の配合:
【表19】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項28)
PC-XVIと称される、下記の配合:
【表20】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項29)
PC-XVIIと称される、下記の配合:
【表21】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項30)
PC-XVIIIと称される、下記の配合:
【表22】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項31)
PC-XIXと称される、下記の配合:
【表23】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項32)
PC-XXと称される、下記の配合:
【表24】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項33)
PC-XXIと称される、下記の配合:
【表25】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項34)
PC-XXIIと称される、下記の配合:
【表26】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項35)
PC-XXIIIと称される、下記の配合:
【表27】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項36)
PC-XXIVと称される、下記の配合:
【表28】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項37)
PC-XXVと称される、下記の配合:
【表29】
を有する、上記項19に記載の錠剤。
(項38)
患者に、有効量の上記項1に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記患者において嚢胞性線維症を処置するか、その重症度を低くするか、またはそれを対症的に処置する方法。
(項39)
前記医薬組成物が、PC-I~PC-XXVのいずれか1つの配合を有する、上記項38に記載の方法。
(項40)
前記患者が、△F508CFTR変異を有する、上記項38に記載の方法。
(項41)
前記患者が、△F508においてホモ接合型である、上記項40に記載の方法。
(項42)
前記患者が、△F508においてヘテロ接合型である、上記項40に記載の方法。
(項43)
下記の構成要素:
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
を湿式造粒することを含む、顆粒剤を調製する方法。
(項44)
i)下記の構成要素:
a.化合物1形態I;
b.実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物;
c.充填剤;
d.崩壊剤;
e.界面活性剤;および
f.結合剤
を含む複数の顆粒状医薬組成物;
ii)崩壊剤;
iii)充填剤;ならびに
iv)滑沢剤
を圧縮することを含む、錠剤を調製する方法。
(項45)
a)化合物1形態I、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物、充填剤、および崩壊剤をブレンダー中で混合し、ブレンドを形成させるステップと;
b)水、結合剤、および界面活性剤によって造粒溶液を調製するステップと;
c)ステップb)からの前記造粒溶液を加える間に、ステップa)からの前記ブレンドを、連続二軸スクリュー造粒機中に供給し、顆粒を生成するステップと;
d)ステップc)からの前記顆粒を乾燥させ、これらをミル加工するステップと;
e)ステップd)からの前記ミル加工した顆粒を充填剤、崩壊剤、および滑沢剤とブレンドし、ブレンドを形成させるステップと;
f)ステップe)からの前記ブレンドを錠剤に圧縮するステップと
を含む、化合物1形態Iと、実質的にアモルファスの化合物2を含む固体分散物とを含む錠剤を調製する連続方法。
(項46)
上記項1に記載の医薬組成物および別個の治療剤を含むキット。
(項47)
前記医薬組成物および前記治療剤が、別個の容器中にある、上記項46に記載のキット。
(項48)
前記容器が、ボトル、バイアル、もしくはブリスターパック、またはこれらの組合せである、上記項47に記載のキット。