(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034145
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】突っ張り棒用取付具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20220224BHJP
A47G 25/02 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A47G29/00 L
A47G25/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137799
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】518282598
【氏名又は名称】株式会社アイビー
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】城尾 八也
【テーマコード(参考)】
3K099
3K100
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA03
3K099BA26
3K099CA09
3K099CA10
3K099DA13
3K099EA06
3K099EA16
3K100AA01
3K100AA05
3K100AA11
3K100AA16
3K100AE01
3K100AE12
3K100AF01
3K100AG03
3K100AH23
3K100AJ09
(57)【要約】
【課題】美観を向上できる突っ張り棒用取付具を提供する。
【解決手段】本発明は、突っ張り棒9の端部を壁面Wに取り付けるための突っ張り棒用取付具1を対象とする。本発明の取付具1は、裏面側が壁面Wに取付可能に構成され、かつ表面側に突っ張り棒9の端部を支持可能な受止部32が設けられたベース部材2と、突っ張り棒9の端部外周を覆うように突っ張り棒端部を収納可能な周壁体31を有し、かつ基端部が、ベース部材2の表面側に着脱自在に取り付けられるカバー部材3とを備える。カバー部材3の周壁体31に、突っ張り棒端部の通過を許容するスロット36が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突っ張り棒の端部を壁面に取り付けるための突っ張り棒用取付具であって、
裏面側が壁面に取付可能に構成され、かつ表面側に突っ張り棒の端部を支持可能な受止部が設けられたベース部材と、
突っ張り棒の端部外周を覆うように突っ張り棒端部を収納可能な周壁体を有し、かつ基端部が、前記ベース部材の表面側に着脱自在に取り付けられるカバー部材とを備え、
前記カバー部材の前記周壁体に、突っ張り棒端部の通過を許容するスロットが形成されていることを特徴とする突っ張り棒用取付具。
【請求項2】
前記カバー部材の基端部の一部が、前記ベース部材にヒンジ部を介して回転自在に連結されて、
前記カバー部材の基端部が前記ベース部材から離間した開放状態と、前記カバー部材の基端部が接触した閉塞状態との間で、前記スロットによる突っ張り棒の通過を許容しつつ、前記カバー部材が前記ヒンジ部を支点に揺動可能に構成されている請求項1に記載の突っ張り棒用取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハンガーパイプ、設置棚、カーテンレール等として利用される突っ張り棒を壁面に取り付けるための突っ張り棒用取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
便利グッズとして人気の高い突っ張り棒は、キッチン回り、洗面台回り、トイレ、玄関等、室内のデッドスペースに手軽に取り付けることができ、衣類等を引っ掛けるハンガーパイプや、小物を設置する設置棚、カーテンを吊持するためのカーテンレールとして広範囲に利用することができる。
【0003】
突っ張り棒は、伸縮性のある棒によって構成されており、対向する一対の壁面に両端部を突っ張った状態に押し当てて一対の壁面間に組み付けるものである。
【0004】
突っ張り棒は、その両端には端具として滑り止め部材が取り付けられているものの、高重量のものを吊したり載置したりして、高負荷が加わった場合には、端具が壁面に対し位置ずれしてしまい、場合によっては突っ張り棒自体が壁面から不用意に外れてしまうおそれがある。
【0005】
そこで下記特許文献1,2に示すように、壁面に対する突っ張り棒の位置ずれを防止できるように、突っ張り棒用の取付具が提案されている。
【0006】
特許文献1,2の取付具は、裏面が壁面に固定されるベース部材を備え、そのベース部材の表面に、U字状の受止部が形成されている。そして突っ張り棒の端具を、取付具のベース部材におけるU字状受止部のU溝内に上端開口部から挿入配置する。これにより突っ張り棒の端具をU字状受止部に支持させて壁面方向への位置ずれを防止して、突っ張り棒が容易に外れてしまうのを防止するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5843122号
【特許文献2】実用新案登録第3182846号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで突っ張り棒は、既述したようにその端部に滑り止め用等に端具が装着されているが、その端具は、突っ張り棒本体(棒部材)に比べて外径寸法が大きくなっている。つまり突っ張り棒を取付具に組み付けた状態では、取付具に支持された突っ張り棒の大径の端具が露出した状態となり、大径端具の見栄えが悪く美観的に好ましくないという課題があった。
【0009】
特におしゃれグッズとして、突っ張り棒を用いる場合例えば、目隠しカーテンや目隠しパネルを取り付ける際に突っ張り棒を用いるような場合には、大径の端具が目立ってしまい、良好な美観を得ることが困難であるという課題があった。
【0010】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、突っ張り棒の端部を被覆できて、美観を向上させることができる突っ張り棒用取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0012】
[1]突っ張り棒の端部を壁面に取り付けるための突っ張り棒用取付具であって、
裏面側が壁面に取付可能に構成され、かつ表面側に突っ張り棒の端部を支持可能な受止部が設けられたベース部材と、
突っ張り棒の端部外周を覆うように突っ張り棒端部を収納可能な周壁体を有し、かつ基端部が、前記ベース部材の表面側に着脱自在に取り付けられるカバー部材とを備え、
前記カバー部材の前記周壁体に、突っ張り棒端部の通過を許容するスロットが形成されていることを特徴とする突っ張り棒用取付具。
【0013】
[2]前記カバー部材の基端部の一部が、前記ベース部材にヒンジ部を介して回転自在に連結されて、
前記カバー部材の基端部が前記ベース部材から離間した開放状態と、前記カバー部材の基端部が接触した閉塞状態との間で、前記スロットによる突っ張り棒の通過を許容しつつ、前記カバー部材が前記ヒンジ部を支点に揺動可能に構成されている前項1に記載の突っ張り棒用取付具。
【発明の効果】
【0014】
発明[1]の突っ張り棒用取付具によれば、突っ張り棒の端部を壁面に支持するベース部材と、突っ張り棒端部を覆うカバー部材とを備えているため、突っ張り棒端部を被覆隠蔽できて収まり良く配置でき、良好な美観を確保することができる。さらに本発明の取付具においては、カバー部材の周壁体に突っ張り棒端部の通過を許容するスロットを形成しているため、突っ張り棒をベース部材に取り付けたままの状態であっても、スロットに突っ張り棒を挿通させることによって、カバー部材の開閉操作を不具合なく行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0015】
発明[2]の突っ張り棒用取付具によれば、カバー部材をベース部材にヒンジ部を介して連結されているため、ベース部材およびカバー部材を一つの部材として取り扱うことができ、ベース部材およびカバー部材の一方の部材を紛失してしまうような不具合を確実に防止でき、利便性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1はこの発明の実施形態である閉塞状態の突っ張り棒用取付具を示す斜視図である。
【
図2】
図2は実施形態における開放状態の突っ張り棒用取付具を示す斜視図である。
【
図3】
図3は実施形態における開放状態の突っ張り棒用取付具を示す正面図である。
【
図4】
図4は実施形態における開放状態の突っ張り棒用取付具を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~
図4はこの発明の実施形態である突っ張り棒用取付具1を示す図である。これらの図に示すように本実施形態の取付具1は、合成樹脂の一体成形品によって構成されており、ベース部材2と、カバー部材3と、両部材2,3を揺動自在にヒンジ部4とを備えている。なお以下の説明においては、
図1の状態を閉塞状態とし、
図2~
図4の状態を開放状態として説明する。さらにカバー部材3においては、
図1の左側(
図4の右側)を「先端側」とし、
図1の右側(
図4の左側)を「基端側」として説明する。また本実施形態において、突っ張り棒9の端部とは、突っ張り棒9の端具91を含むその周辺の部分である。
【0018】
図1~
図4に示すようにベース部材2は、正面視矩形状の板状に形成されており、裏面側が壁面Wに接着剤や粘着剤等によって接着固定可能に構成されている。
【0019】
ベース部材2の表面側における中間領域には、受止部21が表面側に突出するように一体に形成されている。この受止部21は、壁面Wに装着する突っ張り棒9の端具91の外周に沿い得るように正面視においてU字状(半円弧状)に形成されており、その受止部21のU溝内に突っ張り棒9の端具91を上方から収容できるように構成されており、そのように収容した状態では端具91が掛止突起21内に適合状態に配置されるように構成されている。さらに端具91を掛止突起21内に収容した状態では、掛止突起21によって端具91の下側半周域が支持されるとともに、端具91は両側および下側の周囲3方向への位置ずれが防止されるように構成されている。
【0020】
またベース部材2の表面側における下側部両端には、弾性を有する断面L字状のフック22が一体に形成されている。
【0021】
一方
図1に示すように、カバー部材3は、概略四角錐台形状を有しており、突っ張り棒9の端具91の周囲(外周面)を覆うようにしてその端具91を収容可能な周壁体31を備えている。この周壁体31の先端部には、突っ張り棒9を挿通配置可能な開口部35が形成されるとともに、基端部側は開放されている。さらに
図1の閉塞状態において、周壁体31の下側部には、突っ張り棒9の端具91を挿通挿通可能な切欠状のスロット36が形成されている。開口部35とスロット36とは連通されており、さらにスロット36は、カバー部材3(周壁体31)の基端側開放部に連通されている。
【0022】
また
図1の閉塞状態において、周壁体31の基端部における一部(上側縁部)、つまりスロット36の形成側の縁部とは反対側の縁部が、上記のヒンジ部4を介してベース部材2の上端縁に取り付けられている。ヒンジ部4は柔軟性を有し、その柔軟性(可変性)に基づきカバー部材3がベース部材2に対しヒンジ部4を支点に回転自在に連結されている。そして
図1に示すようにカバー部材3の基端部がベース部材2に接触配置される閉塞状態と、
図2に示すようにカバー部材3の基端部がベース部材2から離間して配置される開放状態との間で、カバー部材3がヒンジ部4を支点に揺動可能に構成されている。
【0023】
また
図1の閉塞状態において、周壁体31の基端部における下側縁部、つまり周壁体31の基端部におけるヒンジ部4とは反対側の縁部の両側部には、上記ベース部材2のフック22に対応して、弾性を有する係合突起32が一体に形成されている。
【0024】
以上の構成の本実施形態の取付具1を用いて、突っ張り棒1を壁面Wに組み付ける場合には、壁面Wにおける突っ張り棒9の端具91を固定する位置に、取付具1のベース部材2を固定する。例えばベース部材2の裏面に予め貼り付けられた両面テープを用いて壁面Wに取り付ける。この場合、ベース部材2をそのヒンジ部4側が上方に、係合突起32側が下方に配置されるように取り付ける。なお言うまでもなく本発明において、ベース部材2の壁面Wへの貼付手段は両面テープに限定されるものではなく、他の貼付手段を用いて良い。
【0025】
次に
図2~
図4に示すようにカバー部材3を上方に揺動させて開放状態にしておき、
図2に示すように所定の長さに伸長させた突っ張り棒9の端具91を、ベース部材2におけるU字状の受止部21内に、その上端開口部から挿入して収容する。この収容状態では、突っ張り棒9はその端具91が壁面W側に押圧して(突っ張って)固定されており、端具91が受止部21によって左右および下方向が規制されて左右および下方向への位置ずれが防止されて、不用意に外れるのが防止される。なお突っ張り棒9の図示されない反対側の端具91も、同様に取り付けても良いし、取付具1を用いずに壁面Wに直接固定するようにしても良い。
【0026】
続いて、カバー部材3をヒンジ部4を支点にして下方に揺動させていき、スロット36に突っ張り棒1の端部を挿通させて開口部35に配置させることにより、
図1に示すようにカバー部材3によって突っ張り棒9の端具91周辺を覆うように配置する。さらにカバー部材3の係合突起32をベース部材2のフック22にスナップフィットさせて弾性係合する。これによりカバー部材3をベース部材2に着脱自在に取り付けて閉塞状態とする。この閉塞状態においては、突っ張り棒9の端部(端具91)がカバー部材3内に収容されて被覆隠蔽されるため、突っ張り棒端部が露出せず、収まり良く配置されて良好な美観を確保することができる。
【0027】
一方、
図1に示すように突っ張り棒9を取付具1を介して壁面Wに取り付けた状態から突っ張り棒9を取り外すには、上記の取付操作と逆の操作を行えば良い。すなわち、カバー部材3の基端側下縁部をベース部材2の下縁部から少し引っ張って、係合突起32におけるベース部材2のフック22に対する弾性係合を解除し、その後、カバー部材3をヒンジ部44を支点に上方へ揺動させていき、開口部35内に配置された突っ張り棒92をスロット36に通してカバー部材3の外部に配置する。続いて、突っ張り棒9の端具91を上方に持ち上げることにより、端具91をベース部材2の受止部21から抜き出して、突っ張り棒9を取り外すものである。
【0028】
以上のように本実施形態の取付具1によれば、突っ張り棒9の端具91を位置ずれ防止状態に取り付けるベース部材2と、端具91を覆うように配置されるカバー部材3とを備えているため、突っ張り棒9の端具91の位置ずれを防止できるとともに、端具91を被覆隠蔽できて収まり良く配置することができる。このため突っ張り棒9が不用意に外れてしまうのを確実に防止しつつ、良好な美観を確保することができる。
【0029】
また本実施形態の取付具1においては、カバー部材3の周壁体31に突っ張り棒9の挿通を許容するスロット36を形成しているため、突っ張り棒9をベース部材2に取り付けたままの状態であっても、スロット36に突っ張り棒9を挿通させることによって、カバー部材3の端具91に対する被覆操作および開放操作を不具合なく行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0030】
さらに本実施形態の取付具1においては、カバー部材3をベース部材2に対しヒンジ部4を介して一体に形成されているため、ベース部材およびカバー部材を一つの部材として取り扱うことができ、ベース部材およびカバー部材を別部材として構成する場合と比較して、流通時、保管時、壁面Wへの取付時等に、ベース部材2およびカバー部材3の一方の部材を紛失してしまうよう不具合を確実に防止でき、利便性をより一層向上させることができる。
【0031】
なお上記実施形態においては、カバー部材3をベース部材2に対し上開き式に取り付けているが、それだけに限られず、本発明においては、カバー部材をベース部材に対し横開き式や下開き式に取り付けるようにしても良い。
【0032】
また上記実施形態においては、カバー部材3を略四角錐台形状に形成しているが、それだけに限られず、本発明においては、カバー部材の形状は特に限定されるものではない。例えばカバー部材を三角錐台形状、五角錐台形状等の他の多角錐台形状に形成したり、円錐台形状や、楕円錐台形状に形成したり、さらに三角柱形状や四角柱形状等の多角柱形状や、円柱形状や、楕円柱形状に形成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明の突っ張り棒取付具は、突っ張り棒を壁面に取り付ける際に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1:突っ張り棒用取付具
2:ベース部材
3:カバー部材
31:周壁体
32:受止部
36:スロット
4:ヒンジ部
9:突っ張り棒
W:壁面