(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034164
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
F25B 30/06 20060101AFI20220224BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20220224BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20220224BHJP
F25B 30/02 20060101ALI20220224BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20220224BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20220224BHJP
【FI】
F25B30/06 Z
F24H4/02 Z
F25B1/00 399Y
F25B30/02 Z
F24F5/00 101A
F24F11/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137826
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】399040106
【氏名又は名称】ゼネラルヒートポンプ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180552
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 旭洋
(72)【発明者】
【氏名】柴 芳郎
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】正木 一郎
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 正樹
(72)【発明者】
【氏名】下 泰蔵
【テーマコード(参考)】
3L054
3L122
3L260
【Fターム(参考)】
3L054BF09
3L054BG03
3L054BG08
3L122AA12
3L122AA23
3L122AA24
3L122AC12
3L122BA17
3L122EA09
3L122GA05
3L260AB06
3L260AB09
3L260BA46
3L260BA48
3L260BA49
3L260CA34
3L260CB36
3L260FA02
3L260FB02
3L260FB25
3L260FB54
(57)【要約】
【課題】設置コストを低減するヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】ヒートポンプシステム1Aは、第一熱媒体391を熱源として、第二熱媒体392を加熱又は冷却する。ヒートポンプシステム1Aは、太陽熱集熱器211、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70を備えている。制御盤70のCPUは、太陽熱集熱器211、空気熱交換器111、第一熱交換器112、及びヒートポンプ部35のON及びOFFを切り替えて、第二熱媒体392を冷却する。太陽熱集熱器211、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70は、ユニット11A内に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一熱媒体を熱源として、第二熱媒体を加熱又は冷却するヒートポンプシステムにおいて、
太陽からの日射による熱によって前記第一熱媒体を加熱する太陽熱集熱器と、
空気と前記第一熱媒体との間で熱交換し、前記第一熱媒体を加熱又は冷却する空気熱交換器と、
前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換し、前記第二熱媒体を加熱又は冷却する第一熱交換器と、
ヒートポンプ方式により前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換し、前記第二熱媒体を加熱又は冷却するヒートポンプ部と、
前記太陽熱集熱器、前記空気熱交換器、前記第一熱交換器、及び前記ヒートポンプ部のON及びOFFを切り替えて、前記第二熱媒体を加熱又は冷却する制御部を有する制御盤と、
前記空気熱交換器、前記第一熱交換器、前記ヒートポンプ部、及び前記制御盤を内部に備えるユニットと
を備えたことを特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第一熱交換器と前記ヒートポンプ部との少なくとも一方に供給される前記第一熱媒体の温度である第一供給温度を検出する第一供給温度検出手段と、
前記第一熱交換器と前記ヒートポンプ部との少なくとも一方に供給される前記第二熱媒体の温度である第二供給温度を検出する第二供給温度検出手段と、
前記第一供給温度検出手段によって検出される前記第一供給温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度と第一所定温度とを加算した温度である第一温度以上であるか否かを判断する第一温度判断手段と、
日照時間内であるか否かを判断する日照時間判断手段と、
前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日照時間判断手段によって前記日照時間内でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第一設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日照時間判断手段によって前記日照時間内でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第二設定手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
日射量を検出する日射量検出手段と、
前記日照時間判断手段によって前記日照時間内であると判断された場合に、前記日射量検出手段によって検出された前記日射量が基準値以上であるか否かを判断する日射量判断手段と、
前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第三設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第四設定手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載のヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記制御部は、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
前記外気温度検出手段によって検出される前記外気温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度と第二所定温度とを加算した温度である第二温度以上であるか否かを判断する第二温度判断手段と、
前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをOFFにして、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第五設定手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載のヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上である判断された場合に、前記第一熱交換器、前記太陽熱集熱器、及び前記空気熱交換器をONにし、前記ヒートポンプ部をOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第六設定手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをONにし、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをOFFにして、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第七設定手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載のヒートポンプシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上であると判断された場合に、前記ヒートポンプ部、前記太陽熱集熱器、及び前記空気熱交換器をONにし、前記第一熱交換器をOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第八設定手段を備えたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第一供給温度検出手段によって検出される前記第一供給温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度から第三所定温度を引いた温度である第三温度以下であるか否かを判断する第三温度判断手段と、
前記第三温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第三温度以下であると判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を冷却し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を冷却する第九設定手段を備えたことを特徴とする請求項2から9のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第三温度判断手段によって前記第一供給温度が、前記第三温度以下でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を冷却し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を冷却する第十設定手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載のヒートポンプシステム。
【請求項12】
前記ユニット内に設けられ、前記太陽熱集熱器において加熱された前記第一熱媒体と第三熱媒体との間で熱交換し、前記第三熱媒体を加熱する第二熱交換器と、
前記第二熱交換器において加熱された前記第三熱媒体の熱を利用し、温水貯留部に貯留された水を加熱して温水を生成する温水生成部と
を備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
【請求項13】
前記第三熱媒体は清水であることを特徴とする請求項12に記載のヒートポンプシステム。
【請求項14】
前記第一熱媒体は不凍液であり、
前記第二熱媒体は清水であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換を行うヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱交換を行うヒートポンプシステムが知られている。例えば、特許文献1に記載のヒートポンプシステムは、空気熱交換器、中央ヒートポンプ、及び太陽熱集熱器を備えている。ヒートポンプシステムは、空気熱交換器、中央ヒートポンプ、及び太陽熱集熱器による熱交換により、空調及び給湯を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のヒートポンプシステムは、空気熱交換器、中央ヒートポンプ、及び太陽熱集熱器など、熱交換を行うすべての機器が別々に設けられていた。このため、空気熱交換器、中央ヒートポンプ、及び太陽熱集熱器を別々に設置して、配管工事を行う必要があった。このため、ヒートポンプシステムを設置するためのコストが多かった。
【0005】
本発明の目的は、設置コストを低減するヒートポンプシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヒートポンプシステムは、第一熱媒体を熱源として、第二熱媒体を加熱又は冷却するヒートポンプシステムにおいて、太陽からの日射による熱によって前記第一熱媒体を加熱する太陽熱集熱器と、空気と前記第一熱媒体との間で熱交換し、前記第一熱媒体を加熱又は冷却する空気熱交換器と、前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換し、前記第二熱媒体を加熱又は冷却する第一熱交換器と、ヒートポンプ方式により前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換し、前記第二熱媒体を加熱又は冷却するヒートポンプ部と、前記太陽熱集熱器、前記空気熱交換器、前記第一熱交換器、及び前記ヒートポンプ部のON及びOFFを切り替えて、前記第二熱媒体を加熱又は冷却する制御部を有する制御盤と、前記空気熱交換器、前記第一熱交換器、前記ヒートポンプ部、及び前記制御盤を内部に備えるユニットとを備えている。この場合、空気熱交換器、第一熱交換器、ヒートポンプ部、及び制御盤が、1つのユニットに設けられている。このため、空気熱交換器、第一熱交換器、ヒートポンプ部、及び制御盤を別々に設ける場合に比べて、空気熱交換器、第一熱交換器、ヒートポンプ部、及び制御盤を設置するための工数、及び、配管工事の工数が少なくなる。よって、ヒートポンプシステムの設置コストを低減できる。
【0007】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一熱交換器と前記ヒートポンプ部との少なくとも一方に供給される前記第一熱媒体の温度である第一供給温度を検出する第一供給温度検出手段と、前記第一熱交換器と前記ヒートポンプ部との少なくとも一方に供給される前記第二熱媒体の温度である第二供給温度を検出する第二供給温度検出手段と、前記第一供給温度検出手段によって検出される前記第一供給温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度と第一所定温度とを加算した温度である第一温度以上であるか否かを判断する第一温度判断手段と、日照時間内であるか否かを判断する日照時間判断手段と、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日照時間判断手段によって前記日照時間内でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第一設定手段とを備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上となり、日照時間内でない場合に、自動的に、第一熱交換器と空気熱交換器とがONに設定され、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。天候及び季節等の外部環境に応じて、ヒートポンプ部、空気熱交換器、第一熱交換器、及び太陽熱集熱器のONとOFFが自動で切り替えられるので、使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とが使用される場合に比べて、ヒートポンプシステムの運転コストを低減できる。
【0008】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日照時間判断手段によって前記日照時間内でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第二設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上ではなく、日照時間内でない場合に、自動的に、ヒートポンプ部と空気熱交換器とがONに設定され、第一熱交換器と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0009】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、日射量を検出する日射量検出手段と、前記日照時間判断手段によって前記日照時間内であると判断された場合に、前記日射量検出手段によって検出された前記日射量が基準値以上であるか否かを判断する日射量判断手段と、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第三設定手段とを備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上であり、日照時間内であり、日照量が基準値以上でない場合に、自動的に、第一熱交換器と空気熱交換器とがONに設定され、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とが使用される場合に比べて、ヒートポンプシステムの運転コストを低減できる。
【0010】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第四設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上でなく、日照時間内であり、日照量が基準値以上でない場合に、自動的に、ヒートポンプ部と空気熱交換器とがONに設定され、第一熱交換器と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0011】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記外気温度検出手段によって検出される前記外気温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度と第二所定温度とを加算した温度である第二温度以上であるか否かを判断する第二温度判断手段と、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上でないと判断された場合に、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをOFFにして、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第五設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上であり、日照時間内であり、日照量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上でない場合に、自動的に、第一熱交換器と太陽熱集熱器とがONに設定され、ヒートポンプ部と空気熱交換器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部と空気熱交換器とが使用される場合に比べて、ヒートポンプシステムの運転コストを低減できる。
【0012】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上であると判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上である判断された場合に、前記第一熱交換器、前記太陽熱集熱器、及び前記空気熱交換器をONにし、前記ヒートポンプ部をOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第六設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上であり、日照時間内であり、日照量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である場合に、自動的に、第一熱交換器、太陽熱集熱器、及び空気熱交換器がONに設定され、ヒートポンプ部がOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステムの運転コストを低減できる。
【0013】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをONにし、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをOFFにして、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第七設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上でなく、日照時間内であり、日照量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上でない場合に、自動的に、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とがONに設定され、第一熱交換器と空気熱交換器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0014】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第一温度以上でないと判断され、前記日射量判断手段によって前記日射量が基準値以上であると判断され、前記第二温度判断手段によって前記外気温度が前記第二温度以上であると判断された場合に、前記ヒートポンプ部、前記太陽熱集熱器、及び前記空気熱交換器をONにし、前記第一熱交換器をOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記太陽熱集熱器によって前記第一熱媒体を加熱し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を加熱する第八設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第一温度以上でなく、日照時間内であり、日照量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である場合に、自動的に、ヒートポンプ部、太陽熱集熱器、及び空気熱交換器がONに設定され、第一熱交換器がOFFに設定されて、第二熱媒体が加熱される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0015】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第一供給温度検出手段によって検出される前記第一供給温度が、前記第二供給温度検出手段によって検出される前記第二供給温度から第三所定温度を引いた温度である第三温度以下であるか否かを判断する第三温度判断手段と、前記第三温度判断手段によって前記第一供給温度が前記第三温度以下であると判断された場合に、前記第一熱交換器と前記空気熱交換器とをONにし、前記ヒートポンプ部と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を冷却し、前記第一熱交換器によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を冷却する第九設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第三温度以下である場合に、自動的に、第一熱交換器と空気熱交換器とがONに設定され、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が冷却される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部と太陽熱集熱器とが使用される場合に比べて、ヒートポンプシステムの運転コストを低減できる。
【0016】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、前記第三温度判断手段によって前記第一供給温度が、前記第三温度以下でないと判断された場合に、前記ヒートポンプ部と前記空気熱交換器とをONにし、前記第一熱交換器と前記太陽熱集熱器とをOFFにして、前記空気熱交換器によって前記第一熱媒体を冷却し、前記ヒートポンプ部によって前記第一熱媒体と前記第二熱媒体との間で熱交換して前記第二熱媒体を冷却する第十設定手段を備えてもよい。この場合、第一熱媒体の第一供給温度が、第三温度以下でない場合に、自動的に、ヒートポンプ部と空気熱交換器とがONに設定され、第一熱交換器と太陽熱集熱器とがOFFに設定されて、第二熱媒体が冷却される。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動で切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0017】
前記ヒートポンプシステムは、前記ユニット内に設けられ、前記太陽熱集熱器において加熱された前記第一熱媒体と第三熱媒体との間で熱交換し、前記第三熱媒体を加熱する第二熱交換器と、前記第二熱交換器において加熱された前記第三熱媒体の熱を利用し、温水貯留部に貯留された水を加熱して温水を生成する温水生成部とを備えてもよい。この場合、太陽熱集熱器において太陽によって加熱された第一熱媒体の熱が利用され、水が加熱される。これによって、第一熱媒体から放熱されるので、夏季などに、第一熱媒体の温度が上がりすぎることを防止でき、さらに、温水も生成できる。
【0018】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記第三熱媒体は清水であってもよい。この場合、仮に、故障等によって、温水貯留部に貯留された水に、第三熱媒体が漏れ出したとしても、清水であるので、安全である。
【0019】
前記ヒートポンプシステムにおいて、前記第一熱媒体は不凍液であり、前記第二熱媒体は清水であってもよい。この場合、第二熱媒体が清水であるので、ユニットの外側の機器において第二熱媒体が外部に漏れ出したとしても安全である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ヒートポンプシステム1Aの物理的構成を示す模式図である。
【
図2】ヒートポンプシステム1Aの電気的構成を示す模式図である。
【
図3】モード1~モード8の態様を示すテーブル95を示す図である。
【
図4】モード1又はモード4の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図5】モード2又はモード7の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図6】モード3の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図7】モード5の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図8】モード6の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図9】モード8の場合の第一熱媒体391と第二熱媒体392の流れを示す模式図である。
【
図16】変形例に係るヒートポンプシステム1Bの物理的構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具現化したヒートポンプシステム1Aについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、ヒートポンプシステム1Aは、ユニット11A、太陽熱集熱器211、及び負荷212を備えている。
【0022】
ユニット11Aは、外装である収納部110を備えている。ユニット11Aは、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70等を、収納部110の内部に収納している。
【0023】
ユニット11Aの構成について説明する。ユニット11Aの収納部110には、接続口801,802,803,804が設けられている。流路811の一端は、接続口801に接続され、他端は、分岐部901に接続されている。流路812の一端は、分岐部901に接続され、他端は、空気熱交換器111に接続されている。流路812は、空気熱交換器111を介して、流路813の一端に接続されている。流路813の他端は、分岐部902に接続されている。
【0024】
流路814の一端は、分岐部902に接続され、他端は、ヒートポンプ部35の零次側熱交換器351に接続されている。流路814は、零次側熱交換器351を介して、流路815の一端に接続されている。流路815の他端は、分岐部903に接続されている。流路816の一端は、分岐部903に接続され、他端は、分岐部904に接続されている。
【0025】
流路817の一端は、分岐部904に接続され、他端は、分岐部905に接続されている。流路818の一端は、分岐部905に接続され、他端は、分岐部906に接続されている。流路819の一端は、分岐部906に接続され、他端は、接続口802に接続されている。
【0026】
流路820の一端は、分岐部904に接続され、他端は、第一熱交換器112に接続されている。流路820は、第一熱交換器112を介して、流路821の一端に接続されている。流路821の他端は、分岐部905に接続されている。
【0027】
流路822の一端は、分岐部901に接続され、他端は、分岐部907に接続されている。流路823の一端は、分岐部907に接続され、他端は、分岐部906に接続されている。流路824の一端は、分岐部907に接続され、他端は、分岐部908に接続されている。
【0028】
流路825の一端は、分岐部908に接続され、他端は、分岐部903に接続されている。流路826の一端は、分岐部908に接続され、他端は、分岐部902に接続されている。
【0029】
流路841の一端は、接続口803に接続され、他端は、分岐部911に接続されている。流路842の一端は、分岐部911に接続され、他端は、ヒートポンプ部35の一次側熱交換器352に接続されている。流路842は、一次側熱交換器352を介して、流路843の一端に接続されている。流路843の他端は、分岐部912に接続されている。流路844の一端は、分岐部912に接続され、他端は、接続口804に接続されている。
【0030】
流路845の一端は、分岐部911に接続され、他端は、第一熱交換器112に接続されている。流路845は、第一熱交換器112を介して、流路846の一端に接続されている。流路846の他端は、分岐部912に接続されている。
【0031】
流路811には、開閉弁921が設けられている。流路813には、開閉弁922が設けられている。流路815には、開閉弁923が設けられている。流路817には、開閉弁924が設けられている。流路821には、開閉弁925が設けられている。流路822には、開閉弁926が設けられている。流路823には、開閉弁927が設けられている。流路824には、開閉弁928が設けられている。流路825には、開閉弁929が設けられている。流路826には、開閉弁930が設けられている。流路845には、開閉弁931が設けられている。流路843には、開閉弁932が設けられている。
【0032】
流路811において、開閉弁921と分岐部901との間には、温度センサ941が設けられている。流路812には、温度センサ942が設けられている。流路813において、開閉弁922と空気熱交換器111との間には、温度センサ943が設けられている。流路814には、温度センサ944が設けられている。流路820には、温度センサ945が設けられている。流路818には、温度センサ946が設けられている。流路819には、温度センサ947が設けられている。
【0033】
流路841には、温度センサ951が設けられている。流路842には、温度センサ952が設けられている。流路844には、温度センサ953が設けられている。流路845において、開閉弁931と第一熱交換器112との間には、温度センサ954が設けられている。
【0034】
流路818において、温度センサ946と分岐部906との間には、ポンプ961が設けられている。流路844において、温度センサ953と分岐部912との間には、ポンプ962が設けられている。
【0035】
流路818において、ポンプ961と温度センサ946との間には、流量センサ971が設けられている。流路841において、温度センサ951と分岐部911との間には、流量センサ972が設けられている。ユニット11Aの外面には、日射量検出器891、操作部892、及び温度センサ948が設けられている。
【0036】
太陽熱集熱器211は、ユニット11Aの外側に設けられている。流路981の一端は、太陽熱集熱器211に接続され、他端は、接続口801に接続されている。流路981は、太陽熱集熱器211を介して、流路982の一端に接続されている。流路982の他端は、接続口802に接続されている。
【0037】
負荷212は、ユニット11Aの外側に設けられている。負荷212は、例えば、ビルの空調設備、給湯器、冷水製造機などである。流路991の一端は、負荷212に接続され、他端は、接続口803に接続されている。流路991は、負荷212を介して、流路992の一端に接続されている。流路992の他端は、接続口804に接続されている。
【0038】
ヒートポンプシステム1Aは、零次側の第一熱媒体391を熱源とし、第一熱交換器112又はヒートポンプ部35において一次側の第二熱媒体392を加熱又は冷却し、第二熱媒体392の熱を、負荷212で使用する。本実施形態においては、一例として、第一熱媒体391は不凍液(例えば、エチレングリコール)であり、第二熱媒体392は清水であるとする。零次側の第一熱媒体391は、流路811~826、及び流路981,982を流れる。一次側の第二熱媒体392は、流路841~846、及び流路991、992を流れる。
【0039】
ヒートポンプ部35は、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換を行い、第二熱媒体392を加熱又は冷却する。ヒートポンプ部35は、零次側熱交換器351、一次側熱交換器352、圧縮機353、膨張弁354、及び中間冷媒配管355を備えている。中間冷媒配管355は、冷媒356が通流する循環配管である。
【0040】
零次側熱交換器351、一次側熱交換器352、圧縮機353、及び膨張弁354は、中間冷媒配管355に介装されている。圧縮機353は、冷媒356を圧縮する。膨張弁354は、冷媒356を膨張させる。冷媒356は、常温常圧で気体の冷媒であって、例えば、R410Aである。ヒートポンプ部35は、零次側熱交換器351において第一熱媒体391から採熱し、一次側熱交換器352において、第二熱媒体392を加熱又は冷却する。
【0041】
図2を参照して、ヒートポンプシステム1Aのユニット11Aの電気的構成について説明する。制御盤70は、CPU701、ROM702、及びRAM703を備えている。ユニット11Aには、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、空気熱交換器111、ポンプ961,962、開閉弁921~932、流量センサ971,972、温度センサ941~948、温度センサ951~954、日射量検出器891、操作部892が設けられている。ユニット11Aの外側には、太陽熱集熱器211と負荷212とが設けられている。
【0042】
CPU701は、ユニット11Aの制御を行う。CPU701は、ROM702とRAM703とに電気的に接続されている。ROM702には、後述する加熱運転処理(
図10参照)及び冷却運転処理の(
図15参照)プログラム等、種々のプログラムデータが記憶されている。RAM703には、種々の一時データが記憶される。なお、フラッシュメモリを設け、各種のデータをフラッシュメモリに記憶してもよい。
【0043】
CPU701は、ヒートポンプ部35に電気的に接続されている。CPU701は、ヒートポンプ部35を制御し、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との熱交換を行う。
【0044】
CPU701は、空気熱交換器111に電気的に接続されている。収納部110には、ユニット11Aの外側の外気を空気熱交換器111側に取り込むための図示しない通気口が設けられている。CPU701は、空気熱交換器111を制御し、ユニット11Aの外側の外気と第一熱媒体391との熱交換を行う。CPU701は、太陽熱集熱器211に電気的に接続されている。CPU701は、太陽熱集熱器211を制御し、太陽からの日射による熱によって第一熱媒体391を加熱する。
【0045】
CPU701は、ポンプ961,962、温度センサ941~948,951~954、開閉弁921~932、及び流量センサ971,972に電気的に接続されている。ポンプ961,962は、一例として、第一熱媒体391及び第二熱媒体392の流量を調整可能なポンプ(例えば、インバータポンプ)であるとする。
【0046】
流量センサ971は、流路818を流れる第一熱媒体391の流量に対応する信号を、CPU701に出力する。CPU701は、流量センサ971の出力に基づき、流路818を流れる第一熱媒体391の流量を検出する。流量センサ972は、流路841を流れる第二熱媒体392の流量に対応する信号を、CPU701に出力する。CPU701は、流量センサ972の出力に基づき、流路841を流れる第二熱媒体392の流量を検出する。
【0047】
温度センサ941~948は、温度センサ941~948が設置されている流路を流れる第一熱媒体391の温度に対応する信号を、CPU701に出力する。CPU701は、温度センサ941~948の出力に基づき、流路を流れる第一熱媒体391の温度を検出する。温度センサ951~954は、温度センサ951~954設置されている流路を流れる第二熱媒体392の温度に対応する信号を、CPU701に出力する。CPU701は、温度センサ941~954の出力に基づき、流路を流れる第二熱媒体392の温度を検出する。
【0048】
CPU701は、第一熱媒体391と第二熱媒体392との流量、及び、温度を参照しつつ、ポンプ961,962を制御して、第一熱媒体391及び第二熱媒体392の流量を調整する。
【0049】
CPU701は、日射量検出器891及び操作部892に電気的に接続されている。日射量検出器891は、太陽からの日射量に対応する信号を、CPU701に出力する。CPU701は、日射量検出器891の出力に基づき、日射量を検出する。CPU701は、操作部892から入力される使用者からの指示を取得する。また、CPU701は、時間及び時刻を測定可能である。
【0050】
本実施形態では、一例として、第一熱交換器112は、電気的な駆動源を使用しない熱交換を行うとする。この場合、第一熱交換器112は、CPU701に電気的に接続されなくてもよい。
【0051】
本実施形態では、CPU701は、ヒートポンプ部35、第一熱交換器112、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111のONとOFFを自動的に切り替えることによって、ヒートポンプシステム1Aを、
図3に示す8つのモードに切り替え可能である。なお、本実施形態では、第一熱交換器112は、電気的な駆動源を使用しない熱交換を行うが、第一熱交換器112をONするとは、第一熱交換器112に第一熱媒体391と第二熱媒体392とを供給して熱交換を行うことである。また、太陽熱集熱器211は、電気的な駆動源を使用せずに太陽からの日射による熱によって第一熱媒体391を加熱するが、太陽熱集熱器211をONするとは、太陽熱集熱器211に第一熱媒体391を供給して第一熱媒体391を加熱することである。なお、CPU701は、太陽熱集熱器211に接続されなくてもよい。
【0052】
図3のテーブル95に示すように、モード1及びモード2は、一次側(すなわち、第二熱媒体392側)を冷却する場合に設定されるモードである。モード3,4,5,6,7,8は、一次側を加熱するモードである。
【0053】
モード1においては、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がOFFに設定される。
図4に示すように、モード1の場合、CPU701は、開閉弁922,923,924,926,927,932を開き、開閉弁921,925,928,929,930,931を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路817、流路816、流路815、零次側熱交換器351、流路814、流路813、空気熱交換器111、流路812、流路822、流路823を循環する(矢印661参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路843、一次側熱交換器352、流路842、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印681参照)。
【0054】
モード1においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が冷却される。冷却された第一熱媒体391は、ヒートポンプ部35の零次側熱交換器351に供給される。ヒートポンプ部35においては、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が冷却される。ヒートポンプ部35において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、冷却される。ヒートポンプ部35において冷却された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。例えば、負荷212において、第二熱媒体392の温度が、冷房に使用されたり、冷水の製造に使用されたりする(後述するモード2も同様)。
【0055】
図3に示すように、モード2においては、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がOFFに設定される。
図5に示すように、モード2の場合、CPU701は、開閉弁922,925,926,927,929,930,931を開き、開閉弁921,923,924,928,932を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路821、第一熱交換器112、流路820、流路816、流路825、流路826、流路813、空気熱交換器111、流路812、流路822、及び流路823を循環する(矢印662参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路846、第一熱交換器112、流路845、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印682参照)。
【0056】
モード2においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が冷却される。冷却された第一熱媒体391は、第一熱交換器112に供給される。第一熱交換器112においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が冷却される。第一熱交換器112において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、冷却される。第一熱交換器112において冷却された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0057】
図3に示すように、モード3においては、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がONに設定され、第一熱交換器112と空気熱交換器111がOFFに設定される。
図6に示すように、モード3の場合、CPU701は、開閉弁921,923,924,926,928,930,932を開き、開閉弁922,925,927,929,931を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路817、流路816、流路815、零次側熱交換器351、流路814、流路826、流路824、流路822、流路811、流路981、太陽熱集熱器211、流路982、及び流路819を循環する(矢印663参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路843、一次側熱交換器352、流路842、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印683参照)。
【0058】
モード3においては、太陽熱集熱器211において、太陽からの日射による熱によって第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、ヒートポンプ部35の零次側熱交換器351に供給される。ヒートポンプ部35においては、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。ヒートポンプ部35において熱交換に使用された第一熱媒体391は、太陽熱集熱器211に送られ、加熱される。ヒートポンプ部35において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。例えば、負荷212において、第二熱媒体392の温度が、暖房に使用されたり、温水の生成に使用されたりする(後述するモード4~8も同様)。
【0059】
図3に示すように、モード4においては、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がOFFに設定される。
図4に示すように、モード4の場合、モード1と同様に、開閉弁921~932が制御され、ポンプ961,962が駆動される。第一熱媒体391と第二熱媒体392は、モード1と同様の流路を流れる(矢印661及び矢印681参照)。
【0060】
モード4においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、ヒートポンプ部35の零次側熱交換器351に供給される。ヒートポンプ部35においては、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。ヒートポンプ部35において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、加熱される。ヒートポンプ部35において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0061】
図3に示すように、モード5においては、ヒートポンプ部35、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112がOFFに設定される。
図7に示すように、モード5の場合、CPU701は、開閉弁921,922,923,924,932を開き、開閉弁925,926,927,928,929,930,931を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路817、流路816、流路815、零次側熱交換器351、流路814、流路813、空気熱交換器111、流路812、流路811、流路981、太陽熱集熱器211、流路982、及び流路819を循環する(矢印665参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路843、一次側熱交換器352、流路842、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印685参照)。
【0062】
モード5においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、太陽熱集熱器211において、太陽からの日射の熱によってさらに加熱される。加熱された第一熱媒体391は、ヒートポンプ部35の零次側熱交換器351に供給される。ヒートポンプ部35においては、ヒートポンプ方式により、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。ヒートポンプ部35において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、加熱される。ヒートポンプ部35において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0063】
図3に示すように、モード6においては、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がONに設定され、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がOFFに設定される。
図8に示すように、モード6の場合、CPU701は、開閉弁921,925,926,929,928,931を開き、開閉弁922,923,924,927,930,932を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路821、第一熱交換器112、流路820、流路816、流路825、流路824、流路822、流路811、流路981、太陽熱集熱器211、流路982、流路819を循環する(矢印666参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路846、第一熱交換器112、流路845、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印686参照)。
【0064】
モード6においては、太陽熱集熱器211において、太陽からの日射の熱によって第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、第一熱交換器112に供給される。第一熱交換器112においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。第一熱交換器112において熱交換に使用された第一熱媒体391は、太陽熱集熱器211に送られ、加熱される。第一熱交換器112において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0065】
図3に示すように、モード7においては、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される。
図5に示すように、モード7の場合、モード2と同様に、開閉弁921~932が制御され、ポンプ961,962が駆動される。第一熱媒体391と第二熱媒体392は、モード2と同様の流路を流れる(矢印662及び矢印682参照)。
【0066】
モード7においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、第一熱交換器112に供給される。第一熱交換器112においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。第一熱交換器112において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、加熱される。第一熱交換器112において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0067】
図3に示すように、モード8においては、第一熱交換器112、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35がOFFに設定される。
図9に示すように、モード8の場合、CPU701は、開閉弁921,922,925,929,930,931を開き、開閉弁923,924,926,927,928,932を閉じ、ポンプ961,962を駆動する。第一熱媒体391は、流路818、流路821、第一熱交換器112、流路820、流路816、流路825、流路826、流路813、空気熱交換器111、流路812、流路811、流路981、太陽熱集熱器211、流路982、及び流路819を循環する(矢印668参照)。第二熱媒体392は、流路844、流路846、第一熱交換器112、流路845、流路841、流路991、負荷212、及び流路992を循環する(矢印688参照)。
【0068】
モード8においては、空気熱交換器111において、空気と第一熱媒体391との間で熱交換され、第一熱媒体391が加熱される。加熱された第一熱媒体391は、太陽熱集熱器211に送られ、太陽からの日射の熱によってさらに加熱される。加熱された第一熱媒体391は、第一熱交換器112に供給される。第一熱交換器112においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392との間で熱交換され、第二熱媒体392が加熱される。第一熱交換器112において熱交換に使用された第一熱媒体391は、空気熱交換器111に送られ、加熱される。第一熱交換器112において加熱された第二熱媒体392は、負荷212に送られ、負荷212において使用される。
【0069】
CPU701によって実行される処理について説明する。まず、
図10~
図14を参照し、CPU701によって実行される、加熱運転処理について説明する。加熱運転処理は、例えば、負荷212側の機器(例えば、空調機及び給湯器等)から、加熱運転を行う指示が入力された場合に、実行される。CPU701は、ROM702から加熱運転処理のプログラムを読み出し、RAM703に展開する。CPU701は、加熱運転処理のプログラムに従って、加熱運転処理を行う。
【0070】
運転開始処理では、まず、現在の時刻が、日照時間内であるか否かが判断される(S101)。日照時間は、予め設定され、ROM702に記憶されている。日照時間の設定は、例えば、9:00~16:00である。なお、季節に応じて、日照時間の設定が変更されてもよい。
【0071】
現在の時刻が、日照時間内である場合(S101:YES)、日射量検出器891の出力に基づき、日射量が検出される(S102)。次いで、S102において検出された日射量が、基準値以上であるか否かが判断される(S103)。基準値は、予め設定され、ROM702に記憶されている。基準値は、例えば、800W/m2である。
【0072】
日射量が基準値以上である場合(S103:YES)、後述するS108において第一供給温度の状態を判定するためのモードが、モード8に設定される(S104)。第一供給温度については、後述する。
【0073】
S104において、CPU701は、第一熱交換器112、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35をOFFに設定することで、モード8に設定する(
図3及び
図9参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。これによって、第一熱媒体391及び第二熱媒体392が流れるので、後述するS108において第一供給温度の状態を判定することが可能となる。なお、S104においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392とが流れればよく、第一熱交換器112、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111において、熱交換が行われなくてもよい。
【0074】
S101において現在の時刻が日照時間内でない場合(S101:NO)、又は、S103において日射量が基準値以上でない場合(S103:NO)、後述するS108において第一供給温度の状態を判定するためのモードが、モード7に設定される(S105)。
【0075】
S105において、CPU701は、第一熱交換器112及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード7に設定する(
図3及び
図5参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。これによって、第一熱媒体391及び第二熱媒体392が流れるので、後述するS108において第一供給温度の状態を判定することが可能となる。なお、S105においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392とが流れればよく、第一熱交換器112及び空気熱交換器111において、熱交換が行われなくてもよい。
【0076】
以下のS106~S108及びS201~S210(
図11参照)の処理は、S104又はS105において設定したモードで、例えば1分間運転を行う間に実行され、モード1からモード8のいずれかの運転開始モードが確定される。
【0077】
S104又はS105が実行された後、温度センサ946の出力に基づき、第一供給温度が検出される(S106)。第一供給温度は、第一熱交換器112とヒートポンプ部35との少なくとも一方に供給される第一熱媒体391の温度である。
【0078】
次いで、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S107)。第二供給温度は、第一熱交換器112とヒートポンプ部35との少なくとも一方に供給される第二熱媒体392の温度である。
【0079】
次いで、S106において検出された第一供給温度が、第一温度以上であるか否かが判断される(S108)。第一温度は、S107において検出された第二供給温度と、第一所定温度とを加算した温度である。第一所定温度は、例えば、5℃である。
【0080】
第一供給温度が第一温度以上である場合(S108:YES)、
図11に示すように、CPU701は、一次側(すなわち、第二熱媒体392側)を加熱するモード3~8(
図3参照)の中から、第一熱交換器112を使用するモードであるモード6~8に設定することを決定する(S201)。
【0081】
次いで、S101と同様に、現在の時刻が、日照時間内であるか否かが判断される(S202)。現在の時刻が、日照時間内である場合(S202:YES)、S102と同様に、日射量検出器891の出力に基づき、日射量が検出される(S203)。次いで、S103と同様に、S203において検出された日射量が、基準値以上であるか否かが判断される(S204)。
【0082】
日射量が基準値以上である場合(S204:YES)、S107と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S205)。次いで、温度センサ948の出力に基づき、外気温度が検出される(S206)。次いで、S206で検出された外気温度が、第二温度以上であるか否かが判断される(S207)。第二温度は、S205において検出された第二供給温度と第二所定温度とを加算した温度である。第二所定温度は、例えば、5℃である。
【0083】
外気温度が、第二温度以上である場合(S207:YES)、運転開始モードが、モード8に設定される(S208)。S208において、CPU701は、太陽熱集熱器211、第一熱交換器112、及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35をOFFに設定することで、モード8に設定する(
図3及び
図9参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理は後述するS211に進む。
【0084】
外気温度が、第二温度以上でない場合(S207:NO)、運転開始モードが、モード6に設定される(S209)。S209において、CPU701は、太陽熱集熱器211及び第一熱交換器112をONに設定し、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111をOFFに設定することで、モード6に設定する(
図3及び
図8参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理は後述するS211に進む。
【0085】
S202において、現在の時刻が日照時間内でない場合(S202:NO)、又は、S204において、日射量が基準値以上でない場合(S204:NO)、運転開始モードがモード7に設定される(S210)。S210において、CPU701は、第一熱交換器112及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード7に設定する(
図3及び
図5参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理はS211に進む。
【0086】
S208、S209、及びS210において、第一熱交換器112を使用するモードであるモード6、モード7、及びモード8のいずれで運転が開始された後、5分経過したか否かが判断される(S211)。なお、5分と異なる時間であってもよい。5分経過していない場合(S211:NO)、待機する。
【0087】
5分経過した場合(S211:YES)、CPU701は、
図12に示すS301~S320の処理を行う。以下のS301~S320の処理においては、第一熱交換器112を使用して第二熱媒体392の加熱を行うモード6~8で運転が開始された後に、例えば天候が変わるなど、周囲の環境が変化した場合に、モードが切り替えられる。
【0088】
まず、S106と同様に、温度センサ946の出力に基づき、第一供給温度が検出される(S301)。次いで、S107と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S302)。
【0089】
次いで、S108と同様に、S301において検出された第一供給温度が、第一温度以上であるか否かが判断される(S303)。なお、S303における第一温度は、S302において検出された第二供給温度と、第一所定温度とを加算した温度である。第一所定温度は、例えば、5℃である。なお、S303における第一所定温度は、S108における第一所定温度と異なっていてもよい。例えば、S108における第一所定温度が5℃であり、S303における第一所定温度が3℃であってもよい。
【0090】
第一供給温度が第一温度以上である場合(S303:YES)、S208、S209,及びS210のいずれかで設定されたモード6~8を継続することが決定される(S304)。以下の説明においては、運転中のモードを「滞在モード」という場合がある。
【0091】
次いで、S202と同様に、現在の時刻が、日照時間内であるか否かが判断される(S305)。現在の時刻が、日照時間内である場合(S305:YES)、S203と同様に、日射量検出器891の出力に基づき、日射量が検出される(S306)。次いで、S204と同様に、S306において検出された日射量が、基準値以上であるか否かが判断される(S307)。
【0092】
日射量が基準値以上である場合(S307:YES)、S205と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S308)。次いで、S206と同様に、温度センサ948の出力に基づき、外気温度が検出される(S309)。次いで、S207と同様に、S309で検出された外気温度が、第二温度以上であるか否かが判断される(S310)。S310における第二温度は、S308において検出された第二供給温度と、第二所定温度とを加算した温度である。第二所定温度は、例えば、5℃である。なお、S310における第二所定温度は、S207における第二所定温度と異なっていてもよい。例えば、S207における第二所定温度が5℃であり、S303における第二所定温度が7℃であってもよい。
【0093】
外気温度が、第二温度以上である場合(S310:YES)、日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S311)。すなわち、S305:YES、S307:YES、S310:YESと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S311)。所定の時間は、例えば、1分である(後述するS313、S315、S511、S513、S515、S611、及びS613も同様)。所定の時間間継続しない場合(S311:NO)、処理はS301に戻る。
【0094】
日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である状態が、所定の時間以上継続した場合(S311:YES)、選択モードが、モード8に決定される(S312)。選択モードとは、モードを設定する候補となるモードである。次いで、処理は後述するS318に進む。
【0095】
S310において、外気温度が、第二温度以上でない場合(S310:NO)、日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上でない状態が、所定の時間以上続したか否かが判断される(S313)。すなわち、S305:YES、S307:YES、S310:NOと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S313)。所定の時間以上継続しない場合(S313:NO)、処理はS301に戻る。
【0096】
日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二所定温度以上でない状態が、所定の時間以上継続した場合(S313:YES)、選択モードが、モード6に決定される(S314)。次いで、処理は、後述するS318に進む。
【0097】
S307において、日射量が基準値以上でない場合(S307:NO)、日照時間内であり、日射量が基準値以上でない状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S315)。すなわち、S305:YES、S307:NOと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S315)。所定の時間間継続しない場合(S315:NO)、処理はS301に戻る。
【0098】
日照時間内であり、日射量が基準値以上でない状態が、所定の時間以上継続した場合(S315:YES)、選択モードが、モード7に決定される(S316)。また、S305において、現在時刻が日照時間内でない場合(S305:NO)、選択モードがモード7に決定される(S316)。次いで、処理は、後述するS318に進む。
【0099】
S303において、第一供給温度が、第一温度以上でないと判断された場合(S303:NO)、選択モードが、ヒートポンプ部35を使用するモードに決定される(S317)。なお、ヒートポンプ部35を使用するモードは、モード3~5である(
図3参照)。
【0100】
次いで、S312、S314、S316、又はS317において設定された選択モードが、滞在モードと同じであるか否かが判断される(S318)。選択モードと滞在モードが同じである場合(S318:YES)、処理はS301に戻る。すなわち、運転中のモードで、運転が継続される。
【0101】
選択モードと滞在モードが異なる場合(S318:NO)、選択モードがヒートポンプ部35を使用するモードであるか否かが判断される(S319)。S317において、選択モードがヒートポンプ部35を使用するモードに決定されていた場合(S319:YES)、処理は、後述するS401(
図13参照)に進む。これによって、後述するS408、S409、及びS410(
図13参照)において、ヒートポンプ部35を使用するモードであるモード3~5のいずれかで、運転が開始される。
【0102】
選択モードがヒートポンプ部35を使用するモードでない場合(S319:NO)、選択モードでの運転が開始される(S320)。次いで、処理は、S301に戻る。S301~S320が繰り返されることで、外部環境に応じて、モードが切り替えられて、ヒートポンプシステム1Aの運転が継続される。例えば、ヒートポンプシステム1Aがモード8で運転している状態で、外気温度が第二温度より低くなった場合(S310:NO)、モード6に切り替えられる(S314及びS320)。また、ヒートポンプシステム1Aがモード6で運転している状態で、日射量が基準値より小さくなった場合(S307:NO)、モード7に切り替えられる(S316及びS320)。
【0103】
S108(
図10参照)において、第一供給温度が第一温度以上でない場合(S108:NO)、
図13に示すように、CPU701は、一次側(すなわち、第二熱媒体392側)を加熱するモード3~8(
図3参照)の中から、ヒートポンプ部35を使用するモードであるモード3~5に設定することを決定する(S401)。
【0104】
次いで、S101と同様に、現在の時刻が、日照時間内であるか否かが判断される(S402)。現在の時刻が、日照時間内である場合(S402:YES)、S102と同様に、日射量検出器891の出力に基づき、日射量が検出される(S403)。次いで、S103と同様に、S403において検出された日射量が、基準値以上であるか否かが判断される(S404)。
【0105】
日射量が基準値以上である場合(S404:YES)、S107と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S405)。次いで、温度センサ948の出力に基づき、外気温度が検出される(S406)。次いで、S406で検出された外気温度が、第二温度以上であるか否かが判断される(S407)。S407における第二温度は、S406において検出された第二供給温度と第二所定温度とを加算した温度である。第二所定温度は、例えば、5℃である。
【0106】
外気温度が、第二温度以上である場合(S407:YES)、運転開始モードが、モード5に設定される(S408)。S408において、CPU701は、太陽熱集熱器211、空気熱交換器111、及びヒートポンプ部35をONに設定し、第一熱交換器112をOFFに設定することで、モード5に設定する(
図3及び
図7参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理は後述するS411に進む。
【0107】
外気温度が、第二温度以上でない場合(S407:NO)、運転開始モードが、モード3に設定される(S409)。S409において、CPU701は、太陽熱集熱器211及びヒートポンプ部35をONに設定し、第一熱交換器112及び空気熱交換器111をOFFに設定することで、モード3に設定する(
図3及び
図6参照)また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理は後述するS411に進む。
【0108】
S402において、現在の時刻が日照時間内でない場合(S402:NO)、又は、S404において、日射量が基準値以上でない場合(S404:NO)、運転開始モードがモード4設定される(S410)。S410において、CPU701は、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111をONに設定し、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード4に設定する(
図3及び
図4参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理はS411に進む。
【0109】
S408、S409、及びS410において、ヒートポンプ部35を使用するモードであるモード3、モード4、及びモード5のいずれで運転が開始された後、5分経過したか否かが判断される(S411)。なお、5分と異なる時間であってもよい。5分経過していない場合(S411:NO)、待機する。
【0110】
5分経過した場合(S411:YES)、CPU701は、
図14に示すS501~S520の処理を行う。以下のS501~S520の処理においては、ヒートポンプ部35を使用して第二熱媒体392の加熱を行うモード3~5で運転が開始された後に、天候が変わるなど、外部環境が変化した場合に、モードを切り替える。
【0111】
図14に示すように、S106と同様に、温度センサ946の出力に基づき、第一供給温度が検出される(S501)。次いで、S107と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S502)。
【0112】
次いで、S501において検出された第一供給温度が、第一温度以上であるか否かが判断される(S503)。なお、S503における第一温度は、S502において検出された第二供給温度と、第一所定温度とを加算した温度である。第一所定温度は、例えば、5℃である。なお、S503における第一所定温度は、S108における第一所定温度と異なっていてもよい。例えば、S108における第一所定温度が5℃であり、S503における第一所定温度が3℃であってもよい。
【0113】
第一供給温度が、第一温度以上でない場合(S503:NO)、S408、S409,及びS410のいずれかで設定されたモード3~5を継続することが決定される(S504)。次いで、現在の時刻が、日照時間内であるか否かが判断される(S505)。現在の時刻が、日照時間内である場合(S505:YES)、日射量検出器891の出力に基づき、日射量が検出される(S506)。次いで、S306において検出された日射量が、基準値以上であるか否かが判断される(S507)。
【0114】
日射量が基準値以上である場合(S507:YES)、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S508)。次いで、温度センサ948の出力に基づき、外気温度が検出される(S509)。次いで、S207と同様に、S309で検出された外気温度が、第二温度以上であるか否かが判断される(S510)。S510における第二温度は、S508において検出された第二供給温度と第二所定温度とを加算した温度である。第二所定温度は、例えば、5℃である。なお、S510における第二所定温度は、S207における第二所定温度と異なっていてもよい。例えば、S207における第二所定温度が5℃であり、S510における第二所定温度が7℃であってもよい。
【0115】
外気温度が、第二温度以上である場合(S510:YES)、日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S511)。すなわち、S505:YES、S507:YES、S510:YESと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S511)。所定の時間以上継続しない場合(S511:NO)、処理はS501に戻る。
【0116】
日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上である状態が、所定の時間以上継続した場合(S511:YES)、選択モードが、モード5に決定される(S512)。次いで、処理は後述するS518に進む。
【0117】
S510において、外気温度が、第二温度以上でない場合(S510:NO)、日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二温度以上でない状態が、所定の時間以上続したか否かが判断される(S513)。すなわち、S505:YES、S507:YES、S510:NOと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S513)。所定の時間以上継続しない場合(S513:NO)、処理はS501に戻る。
【0118】
日照時間内であり、日射量が基準値以上であり、外気温度が第二所定温度以上でない状態が、所定の時間以上継続した場合(S513:YES)、選択モードが、モード3に決定される(S514)。次いで、処理は、後述するS518に進む。
【0119】
S507において、日射量が基準値以上でない場合(S507:NO)、日照時間内であり、日射量が基準値以上でない状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S515)。すなわち、S505:YES、S507:NOと同じ状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S515)。所定の時間間継続しない場合(S515:NO)、処理はS501に戻る。
【0120】
日照時間内であり、日射量が基準値以上でない状態が、所定の時間以上継続した場合(S515:YES)、選択モードが、モード4に決定される(S516)。また、S505において、現在時刻が日照時間内でない場合(S505:NO)、選択モードがモード4に決定される(S516)。次いで、処理は、後述するS518に進む。
【0121】
S503において、第一供給温度が、第一温度以上であると判断された場合(S503:YES)、選択モードが、第一熱交換器112を使用するモードに決定される(S517)。なお、第一熱交換器112を使用するモードは、モード6~8である(
図3参照)。
【0122】
次いで、S512、S514、S516、又はS517において設定された選択モードが、滞在モードと同じであるか否かが判断される(S518)。選択モードと滞在モードが同じである場合(S518:YES)、処理はS501に戻る。すなわち、運転中のモードで、運転が継続される。
【0123】
選択モードと滞在モードが異なる場合(S518:NO)、選択モードが、第一熱交換器112を使用するモードであるか否かが判断される(S519)。S517において、選択モードが第一熱交換器112を使用するモードに決定されていた場合(S519:YES)、処理は、S201(
図11参照)に進む。これによって、S208、S209、及びS210において、第一熱交換器112を使用するモードであるモード6~8で、運転が開始される。
【0124】
選択モードが第一熱交換器112を使用するモードでない場合(S519:NO)、選択モードでの運転が開始される(S520)。次いで、処理は、S501に戻る。S501~S520が継続されることで、外部環境に応じて、モードが切り替えられて、ヒートポンプシステム1Aの運転が継続される。例えば、ヒートポンプシステム1Aがモード5で運転している状態で、外気温度が第二温度より低くなった場合(S510:NO)、モード3に切り替えられる(S514及びS520)。また、ヒートポンプシステム1Aがモード3で運転している状態で、日射量が基準値より小さくなった場合(S507:NO)、モード4に切り替えられる(S516及びS520)。
【0125】
図15を参照し、CPU701によって実行される、冷却運転処理について説明する。冷却運転処理は、例えば、負荷212側の機器(例えば、空調設備、給湯器、冷水製造機など)から、冷却運転を行う指示が入力された場合に実行される。CPU701は、ROM702から冷却運転処理のプログラムを読み出し、RAM703に展開する。CPU701は、冷却運転処理のプログラムに従って、冷却運転処理を行う。
【0126】
冷却運転処理では、後述するS604において第一供給温度の状態を判定するためのモードが、モード2に設定される(S601)。S601において、CPU701は、第一熱交換器112及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード2に設定する(
図3及び
図5参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。これによって、第一熱媒体391及び第二熱媒体392が流れるので、第一供給温度の状態を判定することが可能となる。なお、S601においては、第一熱媒体391と第二熱媒体392とが流れればよく、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111において、熱交換がされなくてもよい。
【0127】
次いで、S106と同様に、温度センサ946の出力に基づき、第一供給温度が検出される(S602)。次いで、S107と同様に、温度センサ953の出力に基づき、第二供給温度が検出される(S603)。
【0128】
次いで、S601において検出された第一供給温度が、第三温度以下であるか否かが判断される(S604)。第三温度は、S603で検出された第二供給温度から第三所定温度を引いた温度である。第三所定温度は、例えば、5℃である。
【0129】
第一供給温度が第三温度以下である場合(S604:YES)、運転開始モードが、モード2に設定される(S605)。S605において、CPU701は、第一熱交換器112及び空気熱交換器111をONに設定し、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード2に設定する(
図3及び
図5参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。次いで、処理は後述するS607に進む。
【0130】
第一供給温度が第三温度以下でない場合(S604:NO)、運転開始モードがモード1に設定される(S606)。S606において、CPU701は、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111をONに設定し、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211をOFFに設定することで、モード1に設定する(
図3及び
図4参照)。また、前述したように、開閉弁921~932が開閉され、ポンプ961,962が駆動される。
【0131】
次いで、S605及びS606において、モード1又はモード2で運転が開始された後、
5分経過したか否かが判断される(S607)。5分経過していない場合(S607:NO)、待機する。
【0132】
5分経過した場合(S607:YES)、S608~S616の処理を行う。S608~S616の処理においては、モード1又はモード2で運転が開始された後に、例えば天候が変わるなど、周囲の環境が変化した場合に、モードを切り替える。
【0133】
5分経過した場合(S607:YES)、第一供給温度が検出される(S608)。次いで、第二供給温度が検出される(S609)。次いで、S604と同様に、S607において検出された第一供給温度が、第三温度以下であるか否かが判断される(S610)。S610における第三温度は、S609で検出された第二供給温度から第三所定温度を引いた温度である。なお、S610における第三所定温度は、S604における第三所定温度と異なっていてもよい。
【0134】
第一供給温度が、第三温度以下である場合(S610:YES)、第一供給温度が第三温度以下である状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S611)。所定の時間以上継続しない場合(S611:NO)、処理はS608に戻る。
【0135】
第一供給温度が第三温度以下である状態が所定の時間以上継続した場合(S611:YES)、選択モードが、モード2に決定される(S612)。次いで、処理は、後述するS615に進む。
【0136】
第一供給温度が、第三温度以下でない場合(S610:NO)、第一供給温度が第三温度以下でない状態が、所定の時間以上継続したか否かが判断される(S613)。所定の時間以上継続しない場合(S613:NO)、処理はS608に戻る。
【0137】
第一供給温度が第三温度以下でない状態が所定の時間以上継続した場合(S613:YES)、選択モードが、モード1に決定される(S614)。次いで、S612又はS613において設定された選択モードが、滞在モード(すなわち、運転中のモード)と同じであるか否かが判断される(S615)。選択モードと滞在モードが同じである場合(S615:YES)、処理はS608に戻る。すなわち、運転中のモードで、運転が継続される。
【0138】
選択モードと滞在モードが異なる場合(S615:NO)、S612又はS614で決定された選択モードでの運転が開始される(S616)。これによって、モードが切り替えられる。次いで、処理は、S608に戻る。S608~S616が継続されることで、外部環境に応じて、モードが切り替えられて、ヒートポンプシステム1Aの運転が継続される。例えば、ヒートポンプシステム1Aがモード2で運転している状態で、外部環境の変化によって第一供給温度が第三温度より高くなった場合(S610:NO)、モード1に切り替えられる(S614及びS616)。また、ヒートポンプシステム1Aがモード1で運転している状態で、外部環境の変化によって第一供給温度が第三温度以下となった場合(S610:YES)、モード2に切り替えられる(S612及びS616)。
【0139】
以上のように本実施形態における処理が実行される。本実施形態においては、制御盤70のCPU701は、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び太陽熱集熱器211のONとOFFとを切り替えて、第二熱媒体392を加熱又は冷却する。空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70は、1つのユニット11A内に設けられている。このため、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70が別々に設けられる場合に比べて、空気熱交換器111、第一熱交換器112、ヒートポンプ部35、及び制御盤70を設置するための工数、及び、配管工事の工数が少なくなる。よって、ヒートポンプシステム1Aの設置コストを低減できる。
【0140】
また、第一熱媒体391の第一供給温度が、第一温度以上であり(S108:YES)(S303:YES)、日照時間内でない場合に(S202:NO)(S305:NO)、自動的に、モード7に設定される(S210)(S316及びS320)。モード7においては、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図5参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの運転コストを低減できる。
【0141】
また、第一供給温度が第一温度以上でなく(S108:NO)(S503:NO)、日照時間内でない場合に(S402:NO)(S505:NO)、自動的に、モード4に設定される(S410)(S516及びS520)。モード4においては、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図4参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0142】
また、第一熱媒体391の第一供給温度が、第一温度以上であり(S108:YES)(S303:YES)、日照時間内ではあり(S202:YES)(S305:YES)、日射量が基準値以上でない場合に(S204:NO)(S307:NO)、自動的に、モード7に設定される(S210)(S316及びS320)。モード7においては、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図5参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの運転コストを低減できる。
【0143】
また、第一供給温度が第一温度以上でなく(S108:NO)(S503:NO)、日照時間内であり(S402:YES)(S505:YES)、日射量が基準値以上でない場合(S404:NO)(S507:NO)、自動的に、モード4に設定される(S410)(S516及びS520)。モード4においては、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図4参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0144】
また、第一供給温度が第一温度以上であり(S108:YES)(S303:YES)、日照時間内であり(S202:YES)(S305:YES)、日射量が基準値以上であり(S204:YES)(S307:YES)、外気温度が第二温度以上でない場合(S207:NO)(S310:NO)、自動的に、モード6に設定される(S209)(S314及びS320)。モード6においては、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がONに設定され、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図8参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの運転コストを低減できる。
【0145】
また、第一供給温度が第一温度以上であり(S108:YES)(S303:YES)、日照時間内であり(S202:YES)(S305:YES)、日射量が基準値以上であり(S204:YES)(S307:YES)、外気温度が第二温度以上である場合(S207:YES)(S310:YES)、自動的に、モード8に設定される(S208)(S312及びS320)。モード8においては、第一熱交換器112、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図9参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部35が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの運転コストを低減できる。
【0146】
また、第一供給温度が第一温度以上でなく(S108:NO)(S503:NO)、日照時間内であり(S402:YES)(S505:YES)、日射量が基準値以上であり(S404:YES)(S507:YES)、外気温度が第二温度以上でない場合(S407:NO)(S510:NO)、自動的に、モード3に設定される(S409)(S514及びS520)。モード3においては、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がONに設定され、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図6参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0147】
また、第一供給温度が第一温度以上でなく(S108:NO)(S503:NO)、日照時間内であり(S402:YES)(S505:YES)、日射量が基準値以上であり(S404:YES)(S507:YES)、外気温度が第二温度以上である場合(S407:YES)(S510:YES)、自動的に、モード5に設定される(S408)(S512及びS520)。モード5においては、ヒートポンプ部35、太陽熱集熱器211、及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112がOFFに設定され、第二熱媒体392が加熱される(
図3及び
図7参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0148】
また、第一供給温度が第三温度以下である場合(S604:YES)(S610:YES)、自動的に、モード2に設定される(S605)(S612及びS616)。モード2においては、第一熱交換器112及び空気熱交換器111がONに設定され、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が冷却される(
図3及び
図5参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。また、ヒートポンプ部35及び太陽熱集熱器211が使用される場合に比べて、ヒートポンプシステム1Aの運転コストを低減できる。
【0149】
また、第一供給温度が第三温度以下でない場合(S604:NO)(S610:NO)、自動的に、モード1に設定される(S606)(S614及びS616)。モード1においては、ヒートポンプ部35及び空気熱交換器111がONに設定され、第一熱交換器112及び太陽熱集熱器211がOFFに設定され、第二熱媒体392が冷却される(
図3及び
図4参照)。このため、天候及び季節等の外部環境に応じて使用者が手動でモードを切り替える場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
【0150】
また、第三熱媒体394は、清水である。このため、貯湯槽502において第三熱媒体394が水393側に漏れ出したとしても、清水であるので、安全である。
【0151】
また、第一熱媒体391は不凍液であり、第二熱媒体392は、清水である。第二熱媒体392が清水であるので、例えば、ユニット11Aの外側の負荷212が備える機器において、第二熱媒体392が外部に漏れ出したとしても安全である。
【0152】
以上のように、ヒートポンプシステム1Aは、日照時間、外気温度、日射量、及び熱媒温度計測値(すなわち、第一供給温度、及び、第二供給温度)をもとに、太陽熱、空気熱を単独で利用又は併用し、ヒートポンプ部35において第二熱媒体392を加熱する場合の集熱源とするか、第一熱交換器112において直接第二熱媒体392を加熱する場合の集熱源として利用するかを判断し、年間に亘る性能向上を図る。太陽熱集熱器211における太陽熱の集熱、及び、空気熱交換器111における空気熱の集熱が特に期待できる時間帯では、第一熱交換器112において熱源水(第二熱媒体392)を直接加熱するモードであるモード6,7,8への切替によるシステム全体の高効率運転が可能であり、外気条件に応じた太陽熱、空気熱の多様な活用が有効である。
【0153】
上記実施形態において、CPU701は、本発明の「制御部」の一例である。S106、S301、S501、S602、及びS608の処理を行うCPU701は、本発明の「第一供給温度検出手段」の一例である。S107、S205、S302、S308、S405、S502、S508、S603、及びS609の処理を行うCPU701は、本発明の「第二供給温度検出手段」の一例である。S108、S303、及びS503の処理を行うCPU701は、本発明の「第一温度判断手段」の一例である。S101、S202、S305、S402、及びS505の処理を行うCPU701は、本発明の「日照時間判断手段」の一例である。S102、S203、S306、S403、及びS506の処理を行うCPU701は、本発明の「日射量検出手段」の一例である。S103、S204、S307、S404、及びS507の処理を行うCPU701は、本発明の「日射量判断手段」の一例である。S206、S309、S406、及びS509の処理を行うCPU701は、本発明の「外気温度検出手段」の一例である。S207、S310、S407、及びS510の処理を行うCPU701は、本発明の「第二温度判断手段」の一例である。S604及びS610の処理を行うCPU701は、本発明の「第三温度判断手段」の一例である。
【0154】
S210、S316、及びS320の処理を行うCPU701は、本発明の「第一設定手段」、「第三設定手段」、の一例である。S410、S516、及びS520の処理を行うCPU701は、本発明の「第二設定手段」「第四設定手段」の一例である。S209、S314、及びS320の処理を行うCPU701は、本発明の「第五設定手段」の一例である。S208、S312、及びS320の処理を行うCPU701は、本発明の「第六設定手段」の一例である。S409、S514、及びS520の処理を行うCPU701は、本発明の「第七設定手段」の一例である。S408、S512、及びS520の処理を行うCPU701は、本発明の「第八設定手段」の一例である。S605、S612、及びS616の処理を行うCPU701は、本発明の「第九設定手段」の一例である。S606、S614、及びS616の処理を行うCPU701は、本発明の「第十設定手段」の一例である。
【0155】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、モード1~モード8の少なくとも1つが、設定できなくてもよい。また、CPU701は、太陽熱集熱器211、空気熱交換器111、第一熱交換器112、及びヒートポンプ部35のON及びOFFを切り替えて、第二熱媒体392を加熱又は冷却すればよく、モード1~8とは異なる設定にしてもよい。
【0156】
また、
図16に示すヒートポンプシステム1Bのように、変形してもよい。以下の説明において、上記実施形態を同様の構成は、同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
図16に示すように、ヒートポンプシステム1Bは、夏季放熱回路50、負荷60、及び地中熱交換器604を備えている。
【0157】
負荷60は、ユニット11Bの外側に設けられている。負荷60は、給湯用ヒートポンプ601、空調用ヒートポンプ602,603を備えている。夏季放熱回路50は、第二熱交換器113及び貯湯槽502を備えている。
【0158】
流路611の一端は、接続口803に接続され、他端は、分岐部631に接続されている。流路612の一端は、接続口804に接続され、他端は、分岐部632に接続されている。流路613の一端は、分岐部631に接続され、他端は、分岐部632に接続されている。
【0159】
流路614の一端は、分岐部632に接続され、他端は、地中熱交換器604に接続されている。流路614は、地中熱交換器604を介して、流路615の一端に接続されている。流路615の他端は、分岐部633に接続されている。流路616の一端は、分岐部633に接続され、他端は、空調用ヒートポンプ603に接続されている。流路616は、空調用ヒートポンプ603を介して、流路617の一端に接続されている。流路617の他端は、分岐部634に接続されている。
【0160】
流路618の一端は、分岐部633に接続され、他端は、空調用ヒートポンプ602に接続されている。流路618は、空調用ヒートポンプ602を介して、流路619の一端に接続されている。流路619の他端は、分岐部634に接続されている。
【0161】
流路620の一端は、分岐部633に接続され、他端は、給湯用ヒートポンプ601に接続されている。流路620は、給湯用ヒートポンプ601を介して、流路621の一端に接続されている。流路621の他端は、分岐部634に接続されている。流路622の一端は、分岐部634に接続され、他端は、分岐部631に接続されている。
【0162】
ユニット11Bの内側において、流路811の一端は、分岐部591に接続されている。流路571の一端は、分岐部591に接続され、他端は、分岐部592に接続されている。流路572の一端は、分岐部592に接続され、他端は、接続口801に接続されている。
【0163】
流路588の一端は、接続口802に接続され、他端は、分岐部593に接続されている。流路573の一端は、分岐部593に接続され、他端は、分岐部594に接続されている。流路819の一端は、分岐部594に接続されている。
【0164】
流路574の一端は、分岐部594に接続され、他端は、分岐部591に接続されている。流路575の一端は、分岐部592に接続され、他端は、第二熱交換器113に接続されている。流路575は、第二熱交換器113を介して、流路576の一端に接続されている。流路576の他端は、分岐部593に接続されている。
【0165】
流路578の一端は、収納部110の外面に設けられた接続口806に接続され、他端は、第二熱交換器113に接続されている。流路578は、第二熱交換器113を介して、流路579の一端に接続されている。流路579の他端は、収納部110の外面に設けられた接続口805に接続されている。
【0166】
ユニット11Bの外側において、流路580の一端は、接続口806に接続され、他端は、貯湯槽502の内側に設けられた熱交換部504の一端に接続されている。熱交換部504の他端は、流路581の一端に接続されている。流路581の他端は、接続口805に接続されている。なお、熱交換部504は、貯湯槽502に貯留される水393の中に配置される。
【0167】
流路582の一端は、貯湯槽502に接続され、他端は、給湯用ヒートポンプ601に接続されている。流路582は、給湯用ヒートポンプ601を介して、流路583の一端に接続されている。流路583の他端は、貯湯槽502に接続されている。
【0168】
流路583には、ポンプ511が設けられている。流路578には、ポンプ512が設けられている。流路576には、ポンプ513が設けられている。流路574には、開閉弁515が設けられている。流路572には、開閉弁516が設けられている。
【0169】
前述の実施形態におけるモード1~8の負荷212と同様に、負荷60に第二熱媒体392が供給される。ユニット11Bから供給された第二熱媒体392は、流路611、流路622を介して、負荷60に流れる。第二熱媒体392は、負荷60の給湯用ヒートポンプ601及び空調用ヒートポンプ602,603において、給湯及び空調の熱源に使用される。熱源に使用された第二熱媒体392は、流路615を介して、地中熱交換器604に流れる。地中熱交換器604においては、第二熱媒体392と地中熱との熱交換が行われ、第二熱媒体392が冷却又は加熱される。第二熱媒体392は、流路614,612を介して、ユニット11Bに流れる。
【0170】
貯湯槽502に貯留される水393は、ポンプ511の駆動により、流路582、給湯用ヒートポンプ601、流路583、及び貯湯槽502を循環する。給湯用ヒートポンプ601においては、第二熱媒体392と水393との熱交換により、水393が加熱され、温水となり、貯湯槽502に貯留される。
【0171】
夏季放熱回路50は、夏季に、太陽熱集熱器211において加熱された第一熱媒体391から、熱を放熱させる。夏季放熱回路50は、放熱させる第一熱媒体391の熱を貯湯槽502における給湯に利用する。夏季放熱回路50によって放熱させる場合、CPU701は、開閉弁516を開き、他の開閉弁を閉じ、ポンプ512,513を駆動する。第一熱媒体391は、流路576、流路588、流路982、太陽熱集熱器211、流路981、流路572、流路575、及び第二熱交換器113を循環する。
【0172】
太陽熱集熱器211において加熱された第一熱媒体391は、第二熱交換器113に送られる。第二熱交換器113は、第一熱媒体391と第三熱媒体394との間で熱交換を行い、第三熱媒体394を加熱する。本実施形態では、一例として、第三熱媒体394は、清水であるとする。第三熱媒体394は、ポンプ512の駆動によって第二熱交換器113、流路579、流路581、熱交換部504、流路580、及び流路578を循環する。熱交換部504において、第三熱媒体394と、貯湯槽502に貯留された水393との間で熱交換され、水393が加熱され温水となる。貯湯槽502に貯留された温水である水393は、例えば、図示しない蛇口等を介して、使用者に使用される。
【0173】
以上のように、夏季放熱回路が使用される。本変形例においては、第二熱交換器113は、太陽熱集熱器211において加熱された第一熱媒体391と第三熱媒体394との間で熱交換し、第三熱媒体394を加熱する。熱交換部504は、第二熱交換器113において加熱された第三熱媒体394の熱を利用し、貯湯槽502に貯留された水を加熱する。すなわち、太陽熱集熱器211において太陽によって加熱された第一熱媒体391の熱が利用され、水393が加熱される。これによって、第一熱媒体391から放熱されるので、夏季などに、第一熱媒体391の温度が上がりすぎる可能性を低減でき、さらに、温水も生成できる。
【0174】
また、第三熱媒体394は、清水であるので、仮に、故障等によって、貯湯槽502に貯留された水393に、第三熱媒体394が漏れ出したとしても、安全である。
【0175】
また、第二熱媒体392が清水であるので、仮に、故障等によって、地中熱交換器604において地中に第二熱媒体392が漏れ出したとしても、安全である。
【0176】
本変形例において、貯湯槽502は、本発明の「温水貯留部」の一例である。熱交換部504は、本発明の「温水生成部」の一例である。
【0177】
なお、CPU701が第一熱媒体391を流す流路は一例であり、他の流路を流して、第二熱交換器113において、熱交換してもよい。また、夏季放熱回路50は、夏季だけでなく、春季、秋季、及び冬季に使用されてもよい。また、太陽熱集熱器211において太陽によって加熱された第一熱媒体391の熱は、熱交換部504において温水が生成されることで、放熱されていたが、これに限定されない。例えば、貯湯槽502及び熱交換部504の代わりに、空気と第三熱媒体394との間で熱交換を行い、第三熱媒体394を冷却する熱交換器を設けてもよい。この場合、該熱交換器によって、第一熱媒体391の熱が放熱される。
【符号の説明】
【0178】
1A,1B ヒートポンプシステム
11A,11B ユニット
35 ヒートポンプ部
50 夏季放熱回路
70 制御盤
110 収納部
111 空気熱交換器
112 第一熱交換器
113 第二熱交換器
211 太陽熱集熱器
391 第一熱媒体
392 第二熱媒体
393 水
394 第三熱媒体
502 貯湯槽
504 熱交換部
701 CPU