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▶ 有限会社齋藤製筐の特許一覧

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  • 特開-アスファルトブロックの切断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034184
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】アスファルトブロックの切断方法
(51)【国際特許分類】
   E03B 1/00 20060101AFI20220224BHJP
   B26F 3/06 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
E03B1/00 Z
B26F3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137857
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】520312898
【氏名又は名称】有限会社齋藤製筐
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 淳
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA20
3C060CF01
3C060CF08
(57)【要約】
【課題】 作業現場において、ブローンアスファルトブロックを必要な形状、サイズに良好に、安全に効率よく加工処理(切断)する方法が現状では知られていないという点である。
【解決手段】 金属製の板材、パイプ材、もしくは棒材を用途に適合させて形状を変形加工して作業用具を形成し、その作業用具の一部を作業部として加熱し、その熱を利用してアスファルトブロックを目的とする形状に切断処理することとする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の板材、パイプ材、もしくは棒材を用途に適合させて形状を変形加工して作業用具を形成し、その作業用具の一部を作業部として加熱し、その熱を利用してアスファルトブロックを目的とする形状に切断処理することを特徴とするアスファルトブロックの切断方法。
【請求項2】
前記したアスファルトブロックはブローンアスファルトブロックであることを特徴とする請求項1に記載のアスファルトブロックの切断方法。
【請求項3】
前記した金属は鉄であることを特徴とする請求項1または2に記載のアスファルトブロックの切断方法。
【請求項4】
前記した加熱はプロパンバーナーにより行なうことを特徴とする請求項1に記載のアスファルトブロックの切断方法。
【請求項5】
レジンコンクリート製ボックス内に挿通して収められ、ボックス内で表出する上水道管と、前記ボックス内壁との間の隙間を埋める目的で使用するアスファルト材を成形することを特徴とする請求項1から4のうち1項に記載のアスファルトブロックの切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアスファルトブロック、それもブローンアスファルトブロックの切断(形状加工)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、上水道管を内部に挿通させ、その上水道管を内部で表出させるボックス内には、そのボックス内壁と水道管との隙間を埋める(間隔を保持する)ため、スペーサ材が収容される。また、このスペーサ材は地震等の災害や大型車両の通行に起因する震動や負荷により水道管が損傷してしまうことを防止する緩衝材としての効果も得られ、加えて、ボックス内を止水する目的もある。これは、特に交差点や一定の距離で設置することが規定されている消火栓においても重要であって、消火栓は火災の消火のほか、上水道管内の排水作業も行われる。
【0003】
前記したスペーサ材として、硬、軟度や加工性、扱い易さから、ストレートアスファルトに加熱しながら空気を吹き込んで作られるブローンアスファルトが使用されることが多い。
【0004】
このスペーサ材を作成するについて、ブローンアスファルトは初期的に比較的大きなブロック(塊)の基材として提供され、このブロックを釜に入れバーナーを用いて溶解し、その後成形する工程となるが、大きなブロックのままでは溶けずらく、大きな釜も必要となり、非常に作業効率が悪くなってしまう。そのため、大きなブロックは細かく粉砕した方が時間的にも労力的にも有利となる。
【0005】
そして、作成されたスペーサ材を現場に届け、前記した隙間埋めとして使用することとなるが、水道管の外径や水道管を相互に連結するフランジ接合のためのボルトやバルブ開閉ハンドル等の存在によって、前記した隙間のサイズや空間的形態がその度に異なってくるため、各現場での最適なサイズや形状に加工処理(切断)する必要が生じている。
【0006】
従来、現場にあって上記した加工処理(切断)を行なうには、不要部分あるいは全体を加工処理する方法として第一にハンマー等によって粉砕する方法がある。しかし、この方法は目的とするサイズに砕くことは極めて難しく、周囲に破片が飛散してしまうことが多くなってしまう。
【0007】
また、第二にベビーサンダーで切断する方法もある、この方法は砥石が目詰りして切断作業が継続できなくなることが多く、切断途中でブロックが溶け出してしまい、その溶けたものが周囲に飛散してしまう。これは、第三の方法としてレシプロソーやジグソー等での切断も同様で刃部分の目詰りが生じ、切断途中での溶け出しが生じ、その溶けたものの飛散が生じる。この溶けたものの飛散は火傷の原因となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
出願人は本願発明に関して、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似していると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、作業現場において、ブローンアスファルトブロックを必要な形状、サイズに良好に、安全に効率よく加工処理(切断)する方法が現状では知られていないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係るアスファルトブロックの切断方法は、金属製の板材、パイプ材、もしくは棒材を用途に適合させて形状を変形加工して作業用具を形成し、その作業用具の一部を作業部として加熱し、その熱を利用してアスファルトブロックを目的とする形状に切断処理することを特徴とし、前記したアスファルトブロックはブローンアスファルトブロックであることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るアスファルトブロックの切断方法は、前記した金属は鉄であることを特徴とし、前記した加熱はプロパンバーナーにより行なうことを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明に係るアスファルトブロックの切断方法は、レジンコンクリート製ボックス内に挿通して収められ、ボックス内で表出する上水道管と、前記ボックス内壁との間の隙間を埋める目的で使用するアスファルト材を成形することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るアスファルトブロックの切断方法は上記のように構成されている。そのため、作業現場において、水道管とボックスの内壁との寸法関係や空間形状を把握した後に、それに合せてブローンアスファルトブロックを切断し、空隙を埋めていくことができるので、作業効率も良く、危険性も少なくて済み、その結果、精巧な作業を実行することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一の切断工具とその加熱状態を示す図である。
図2】同作業状態を示す図である。
図3】同作業結果を示す図である。
図4】第二の切断工具とその加熱状態を示す図である。
図5】同作業状態を示す図である。
図6】同作業結果を示す図である。
図7】第三の切断工具とその加熱状態を示す図である。
図8】同作業状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例0016】
次に本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中1は第一の切断工具を示しており、この第一の切断工具1は鉄製の円筒体に成形されており、その外側面から上面開口を跨ぐ取手(握持部)2が一体に設けられている。前記した第一の切断工具1はストレートな円筒でも錐状としてもよく、下面開口縁を作業部とするのでその下面開口の縁形状やサイズが目的とする弧状が得られれば良く、場合によっては円筒状ではなく、ハーフパイプ形状でも可である。
【0017】
この第一切断工具1、それも作業部となる下面開口縁の周域をプロパンバーナー3によって加熱し、下面開口縁に対し熱を与える。図では直火による加熱状態を示しているが、必要とあれば炙り加熱でも可能である。
【0018】
また、図中Bはブローンアスファルトブロックを示しており、前記第一の切断工具1の下面開口の一部をこのブローンアスファルトブロックBに宛がい、第一の切断工具1の有する熱でこれを溶かしながら押し切り取る。この切り取り作業は、ボックス内に表出する水道管の外径に合わせる切り欠きを形成するためであり、各々の現場において最適なものが採択される。
【0019】
上記した作業によって、ブローンアスファルトブロックBには、水道管の外径に沿い適合する半弧状の切り欠きB1が形成される。
【0020】
次いで、図中4は第二の切断工具を示しており、第二の切断工具4は鉄製で無垢の円柱状となっており、フランジ5を介して握持用の取手6が直線的に一体に連接されている。この第二の切断工具4は、先端部分が作業部となっており、この先端部分をプロパンバーナー3によって加熱する。この場合も直火ではなく、必要に応じて炙り加熱でも可能である。
【0021】
この第二の切断工具4では、前記したブローンアスファルトブロックBに形成された切り欠きB1の弧中央部分に当てて溶かしながら押し切って、水道管をつなぐフランジボルトの逃がし部B2を形成する。
【0022】
また、図中7は第三の切断工具を示しており、この第三の切断工具7は長方形の鉄板で形成されており、一方の短手側に取手(握持部)8が一体に設けられている。この第三の切断工具7は取手8と反対側の短手部分が作業部となっており、この作業部をプロパンバーナー3によって加熱し、熱を与える。この加熱は直火でよいが必要に応じて炙り加熱でも可能である。
【0023】
この第三の切断工具7によって、前述した釜に入れて溶かし易くするため、前記したものとは別途のブローンアスファルトブロックBに、その作業部を押し当て目的とするサイズに寸断する。この寸断によって釜に入れて溶解させる作業が容易で効率の良いものとなる。
【0024】
本実施例に係るアスファルトブロックの切断方法は上記のように構成されている。そのため、各々の工事現場において適格にスペーサ材としてのピースを作り出すことができ、作業効率が大幅に向上することとなり、加えて、水道管の修理や交換工事にあっても、このスペーサ材としてのピースは扱い易く、取り外しや戻し作業も容易に実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本実施例に係るアスファルトブロックの切断方法は上記のように構成されている。この実施例において示した切断工具のほか、必要に応じて鉄材その他の金属材を変形加工することで、角度を付けた切断や複雑な曲線切断を実行することも可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1 第一の切断工具
2 取手
3 プロパンバーナー
4 第二の切断工具
5 フランジ
6 握持部
7 第三の切断工具
8 取手
B ブローンアスファルトブロック
B1 半弧状の切り欠き
B2 ボルトの逃がし部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8