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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034305
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220224BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G06F3/041 470
G06F3/044 126
G06F3/041 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138042
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島 武弘
(57)【要約】
【課題】 画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性との両立を実現することが可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、表示装置は、デジタル信号を記憶可能なメモリを備える複数の画素が配置された表示部と、表示部を囲む非表示部と、非表示部に配置され、複数のメモリにデジタル信号を供給する第1ドライバと、第1ドライバと対向して配置される複数のタッチ検出電極と、第1ドライバと複数のタッチ検出電極との間に配置され、所定電位を有するシールド電極と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル信号を記憶可能なメモリを備える複数の画素が配置された表示部と、
前記表示部を囲む非表示部と、
前記非表示部に配置され、前記複数のメモリにデジタル信号を供給する第1ドライバと、
前記第1ドライバと対向して配置される複数のタッチ検出電極と、
前記第1ドライバと前記複数のタッチ検出電極との間に配置され、所定電位を有するシールド電極と、
を具備する、表示装置。
【請求項2】
前記第1ドライバが配置された第1基板と、前記複数のタッチ検出電極が配置された第2基板との間に挟持される液晶層をさらに具備し、
前記第1基板は、前記表示部に配置された複数の画素電極を備え、
前記第2基板は、前記表示部の全面に亘って配置され、前記液晶層を介して複数の画素電極に対向する共通電極を備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記シールド電極は、前記第1基板側に配置され、絶縁膜を介して前記第1ドライバと対向し、前記液晶層を介して検出電極に対向している、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記シールド電極は、前記複数の画素電極と同層に配置されている、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記シールド電極は、前記第2基板側に配置されており、前記液晶層を介して前記第1ドライバに対向している、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記シールド電極は、前記共通電極と同層に配置されている、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の画素電極は、前記第1基板側に配置される平坦化膜の上に配置され、
前記複数のタッチ検出電極は、前記第1基板および前記第2基板の間に配置されるシールと、前記平坦化膜に形成される第1コンタクトホールとを介して、前記第1基板側に配置される第1配線と電気的に接続し、
前記シールド電極は、前記平坦化膜に形成される第2コンタクトホールを通り、前記第1基板側に配置される第2配線と接続し、
前記共通電極は、前記シールと、前記平坦化膜に形成される第3コンタクトホールとを介して、前記第1基板側に配置される第3配線と電気的に接続し、
前記第1~第3コンタクトホールは、平面視において重畳せず、
前記第1~第3配線は、互いに交差しない、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1コンタクトホールと、前記第2コンタクトホールとは、前記表示部の中心を通る同一直線上に配置されない、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数のタッチ検出電極は、任意のタイミングに入力される駆動パルスに応じてタッチ検出を行う、
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記シールド電極には、前記任意のタイミング時に前記駆動パルスと同相の信号が入力される、
請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチ検出機能付きのウェアラブルデバイス(例えば腕時計型のウェアラブルデバイス、眼鏡型のウェアラブルデバイス等)が徐々に普及してきている。このようなウェアラブルデバイスでは、画像を表示する際の表示品位と、タッチによる優れた操作性との両立が求められており、種々様々な開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-61563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示は、画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性との両立を実現することが可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、表示装置は、デジタル信号を記憶可能なメモリを備える複数の画素が配置された表示部と、前記表示部を囲む非表示部と、前記非表示部に配置され、前記複数のメモリにデジタル信号を供給する第1ドライバと、前記第1ドライバと対向して配置される複数のタッチ検出電極と、前記第1ドライバと前記複数のタッチ検出電極との間に配置され、所定電位を有するシールド電極と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置の一構成例を示す平面図である。
図2図2は、同実施形態に係る表示装置の第1基板の構成例を示す平面図である。
図3図3は、同実施形態に係る表示装置の第2基板の構成例を示す平面図である。
図4図4は、同実施形態に係る表示装置の一部構成を説明するための平面図である。
図5図5は、図4に示すA-B線により切断された表示装置の断面図である。
図6図6は、図4に示すC-D線により切断された表示装置の断面図である。
図7図7は、図4に示すE-F線により切断された表示装置の断面図である。
図8図8は、同実施形態に係るセグメント画素の回路構成例を示す図である。
図9図9は、同実施形態に係る水平ドライバの概略構成例を示す図である。
図10図10は、同実施形態に係る垂直ドライバの概略構成例を示す図である。
図11図11は、同実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
図12図12は、同実施形態に係る表示装置の駆動方法の別の例を示すタイミングチャートである。
図13図13は、同実施形態に係る表示装置の別の構成例を示す断面図である。
図14図14は、同実施形態に係る表示装置のさらに別の構成例を示す断面図である。
図15図15は、同実施形態に係る表示装置のさらに別の構成例を示す断面図である。
図16図16は、同実施形態に係る表示装置の第2基板の別の構成例を示す平面図である。
図17図17は、同実施形態に係る表示装置の第1基板の別の構成例を示す平面図である。
図18図18は、同実施形態に係る表示装置の配線配置の一例を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0008】
本実施形態においては、表示装置の一例として、タッチ検出機能付きの表示装置について説明する。タッチ検出方式には、光学式、抵抗式、静電容量方式、電磁誘導方式などの種々の方式がある。上記した各種検出方式のうちの静電容量方式は、物体(例えば指など)の近接または接触に起因して静電容量が変化することを利用する検出方式である。本実施形態では、主に、静電容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0009】
なお、静電容量方式は、互いに離間した状態で配置された送信電極(駆動電極)と受信電極(検出電極)との間に電界を発生させ、物体の近接または接触に伴う当該電界の変化を検出する相互容量方式と、単一の電極を用いて、物体の近接または接触に伴う静電容量の変化を検出する自己容量方式とを含む。本実施形態では、主に、自己容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の表示装置1の一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向Xおよび第2方向Yは、表示装置1を構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置1の厚さ方向に相当する。本明細書においては、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方向、当該矢印の先端から反対に向かう方向を下方向と称することもある。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置1を観察する観察位置がある。この観察位置から、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視と言う。
【0011】
図1に示すように、表示装置1は、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。表示部DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域のうち、画像が表示される領域に相当する。表示部DAには画素PXが配置されている。具体的には、表示部DAには、多数の画素PXが第1方向Xおよび第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。本実施形態において、画素PXは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の副画素SPを含む。また、各副画素SPは、複数のセグメント画素SGを有する。各セグメント画素SGは、面積の異なる画素電極PEを有しており、これら複数のセグメント画素SGの表示/非表示状態を切り替えることで、副画素SPごとに階調が形成される。非表示部NDAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域のうち、表示部DAの外側の領域に相当する。詳細については後述するが、第1基板SUB1および第2基板SUB2は、シールにより接着される。このシールの中には金属でコーティングされたビーズが混ぜ込まれており、当該ビーズが第1基板SUB1側の電極と第2基板SUB2側の電極とに当接することにより電極間での導通が図られ、これら電極は電気的に接続される。
【0012】
なお、本実施形態では、表示部DAが円形状であり、かつ、表示部DAを囲む非表示部NDAもまた同系統の形状である場合を例示しているが、これに限定されず、表示部DAは円形状でなくてもよいし、非表示部NDAは表示部DAとは異なる系統の形状であってもよい。例えば、表示部DAと非表示部NDAのいずれかが多角形状であってもよい。あるいは、表示部DAが円形または矩形状の場合に、非表示部NDAが表示部DAとは異なる系統の形状である矩形または円形状であってもよい。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、非表示部NDAにおいて、フレキシブル配線基板2と、水平ドライバ3と、垂直ドライバ4とを備えている。水平ドライバ3および垂直ドライバ4は、各々から延出する配線(図示せず)を介して、フレキシブル配線基板2と電気的に接続されている。水平ドライバ3および垂直ドライバ4は、フレキシブル配線基板2を介して電気的に接続された制御装置(図示せず)によりその動作が制御される。水平ドライバ3は、表示部DAの下方の縁部に沿う円弧形状を有している。また、垂直ドライバ4は、表示部DAの左方の縁部に沿う円弧形状を有している。なお、水平ドライバ3は、信号線駆動回路、ソースドライバ、あるいは、第1ドライバなどと言い換えることもできる。また、垂直ドライバ4は、走査線駆動回路、ゲートドライバ、あるいは、第2ドライバなどと言い換えることもできる。
【0014】
図1において拡大して示すように、セグメント画素SGは、スイッチング素子SW、画素回路PC、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LCなどを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだセグメント画素SGの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、画素回路PCを介して、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。走査線Gは上記した垂直ドライバ4と電気的に接続され、信号線Sは上記した水平ドライバ3と電気的に接続されている。
【0015】
なお、本実施形態では、各副画素SPが複数のセグメント画素SGを有する場合について説明するが、これに限定されず、各副画素SPは一つのセグメント画素SGを有するとしてもよい。この場合、副画素SPが、図1において拡大して示したセグメント画素SGに相当し、スイッチング素子SW、画素回路PCおよび画素電極PEは、副画素SPごとに形成される。
【0016】
図2は、本実施形態の表示装置1の第1基板SUB1の構成例を示す平面図である。図2に示すように、第1基板SUB1には、水平ドライバ3と、垂直ドライバ4と、二つのシールド電極SE1およびSE2と、二つの共通電極端子部CT1およびCT2と、複数の検出電極端子部RT1~RT8とが設けられている。
【0017】
シールド電極SE1およびSE2は円弧形状を有し、表示部DAを囲むように配置されている。シールド電極SE1およびSE2は、水平ドライバ3および垂直ドライバ4と平面視において重畳する。シールド電極SE1の両端部近辺にはコンタクトホールCH1およびCH2が形成され、シールド電極SE2の両端部近辺にはコンタクトホールCH3およびCH4が形成されている。シールド電極SE1およびSE2は、コンタクトホールCH1~CH4を介してシールド電極配線SLに接続される。シールド電極配線SLは、シールド電極SE1およびSE2の円弧に沿って延出し、円状に形成される。シールド電極配線SLは、シールド電極SE1およびSE2とは平面視において重畳し、水平ドライバ3および垂直ドライバ4とは平面視において重畳しない。シールド電極SE1およびSE2は、シールド電極配線SLを介して、図1に示したフレキシブル配線基板2と電気的に接続され、シールド電極SE1およびSE2には、一定の直流電圧(例えばグランド(GND)電圧)が供給される。つまり、シールド電極SE1およびSE2の電位は固定されている。
【0018】
シールド電極SE1の両端部と、シールド電極SE2の両端部との間には、共通電極端子部CT1およびCT2が配置されている。共通電極端子部CT1およびCT2は、後述する共通電極CEの一部と平面視において重畳するように配置され、表示部DAと非表示部NDAの境界から、非表示部NDAに向けて延在している。共通電極端子部CT1およびCT2は、第2基板SUB2に配置される共通電極CEと電気的に接続される。共通電極端子部CT1は、コンタクトホールCH5を介して共通電極配線CL1に接続される。共通電極端子部CT2は、コンタクトホールCH6を介して共通電極配線CL2に接続される。共通電極端子部CT1およびCT2は、共通電極配線CL1およびCL2を介して、図1に示したフレキシブル配線基板2と電気的に接続され、共通電極端子部CT1およびCT2には、コモン電圧が供給される。これによれば、共通電極端子部CT1およびCT2の電位を、後述する共通電極CEの一部と同電位にすることが可能なため、共通電極CEの一部にコモン電圧が供給された際に、共通電極CEの一部と共通電極端子部CT1およびCT2との間に位置する液晶分子が動いてしまい、タッチの誤検出が発生してしまうことを抑制することが可能である。
【0019】
なお、共通電極端子部CT1およびCT2の幅(半径方向の長さ)は、シールド電極SE1およびSE2の幅よりも大きい方が望ましく、共通電極端子部CT1およびCT2が通るためのコンタクトホールCH5およびCH6は、シールド電極SE1およびSE2が通るためのコンタクトホールCH1~CH4よりも外側に形成される方が望ましい。これによれば、シールド電極配線SLと、共通電極配線CL1およびCL2とが、互いに交差しないようにすることができる。
【0020】
シールド電極SE1およびSE2の外側には、複数の検出電極端子部RT1~RT8がシールド電極SE1およびSE2を囲むように配置されている。検出電極端子部RT1~RT8は、それぞれ、第2基板SUB2に配置される検出電極RX1~RX8と電気的に接続される。検出電極端子部RT1~RT8は、それぞれ、コンタクトホールCH7~CH14を介して検出電極配線RL1~RL8に接続される。検出電極端子部RT1~RT8は、検出電極配線RL1~RL8を介して、図1に示したフレキシブル配線基板2と電気的に接続され、検出電極配線RL1~RL8には、検出電極RX1~RX8により読み出された検出信号が出力される。
【0021】
なお、検出電極端子部RT1~RT8は、シールド電極SE1およびSE2の両端部近辺の外周には配置されない方が望ましい。より詳しくは、検出電極端子部RT1~RT8は、シールド電極SE1およびSE2が通るためのコンタクトホールCH1~CH4と、検出電極端子部RT1~RT8が通るためのコンタクトホールCH7~CH14とが、表示部DAの中心を通る同一直線上に並んで配置されないように、配置される方が望ましい。
【0022】
以上説明した図2においては、各種配線が、シールド電極配線SL、検出電極配線RL、共通電極配線CLの順に、内側から外側に向かって配置されている場合を例示したが、これに限定されず、各種配線は互いに交差しなければ、図2とは異なる配置であっても構わない。
【0023】
図3は、本実施形態の表示装置1の第2基板SUB2の構成例を示す平面図である。図3に示すように、第2基板SUB2には、共通電極CEと、複数の検出電極(タッチ検出電極)RX1~RX8とが設けられている。
【0024】
共通電極CEは、表示部DAの全面に亘って配置されている。また、共通電極CEは、図2に示した第1基板SUB1に配置された共通電極端子部CT1およびCT2と平面視において重畳する位置にも配置される。つまり、表示部DAの全面に亘って配置された共通電極CEの一部は、表示部DAから非表示部NDAに向けて延出し、当該延出した共通電極CEの一部は、共通電極端子部CT1およびCT2と平面視において重畳している。
【0025】
複数の検出電極RX1~RX8は、表示部DAを囲んで配置されている。複数の検出電極RX1~RX8は、それぞれ、図2に示した複数の検出電極端子部RT1~RT8と平面視において重畳している。
【0026】
複数の検出電極RX1~RX8のうち、シールド電極SE1およびSE2の両端部から離れて配置される検出電極端子部RT3,RT4,RT7,RT8に対応した検出電極RX3,RX4,RX7,RX8は、円弧形状を有している。一方で、複数の検出電極RX1~RX8のうち、シールド電極SE1およびSE2の両端部近辺に配置される検出電極端子部RT1,RT2,RT5,RT6に対応した検出電極RX1,RX2,RX5,RX6は、円弧形状の一部が欠けた形状を有している。
【0027】
ここで、図4を参照して、シールド電極SEの一方の端部近辺に配置された検出電極端子部RT1に対応した検出電極RX1について説明する。なお、図4では、図面が煩雑になるのを防ぐために一部構成の図示を省略している。
【0028】
図4に示すように、検出電極RX1は、円弧形状の一部が欠けた形状を有している。具体的には、検出電極RX1は、シールド電極SE1が通るためのコンタクトホールCH1と平面視において重畳しないように(上記ビーズが当たって導通しないように)円弧形状の一部が欠けた形状を有している。これによれば、検出電極RX1がシールド電極SE1と電気的に接続されることを防ぐことが可能である。なお、検出電極RX1は、コンタクトホールCH1が形成されている部分以外においては、シールド電極SE1と平面視において重畳する。
【0029】
以上説明した図4においては、検出電極RX1に着目したが、シールド電極SE1の他方の端部近辺に配置された検出電極端子部RT6に対応した検出電極RX6や、シールド電極SE2の両端部近辺に配置された検出電極端子部RT2およびRT5に対応した検出電極RX2およびRX5も、検出電極RX1と同様に、シールド電極SE1およびSE2が通るためのコンタクトホールCH2~CH4と平面視において重畳しないように、円弧形状の一部が欠けた形状を有している。これによれば、検出電極RX2,RX5,RX6が、シールド電極SE1およびSE2と電気的に接続されることを防ぐことが可能である。
【0030】
図5は、図4に示すA-B線により切断された表示装置1の断面図である。以下では、表示部DA側の構成と、非表示部NDA側の構成とのそれぞれについて説明する。
【0031】
表示装置1は、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCとを備えている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、平面視において重畳し、シール30により接着されている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持され、シール30によって封止されている。
【0032】
なお、本実施形態では、表示装置1が、バックライトが配置されない反射型の表示装置である場合を例示しているが、これに限定されず、表示装置1は、有機ELを画素として採用した表示装置や、バックライトユニットが配置された透過型の表示装置であってもよい。あるいはまた、表示装置1は、反射型と透過型とを組み合わせた表示装置であってもよい。かかる表示装置としては、ITOなどの透明な導電膜と光を反射可能な金属膜とを組み合わせて画素電極を形成する構成や、金属製の画素電極間の隙間からバックライトからの光を透過させることで各画素の輝度を向上させる構成が挙げられる。これら構成の場合、バックライトユニットは、第1基板SUB1の裏面に配置され、バックライトユニットと第1基板SUB1との間に偏光板が設けられる。バックライトユニットとしては、種々の形態のバックライトユニットが利用可能であり、例えば、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや、冷陰極管(CCFL)を利用したもの、などが利用可能である。
また、第2基板SUB2の上には、偏光板やカバー部材などがさらに配置されてもよい。
【0033】
表示部DA側において、第1基板SUB1は、図5に示すように、透明基板10と、層間絶縁膜11と、スイッチング素子SWと、画素回路PCと、平坦化膜12と、画素電極PEと、配向膜AL1とを備えている。第1基板SUB1は、上記した構成の他に、図1に示した走査線Gや信号線Sなどを備えているが、図5ではこれらの図示を省略している。
【0034】
透明基板10は、主面(下面)10Aと、主面10Aの反対側の主面(上面)10Bと、を備えている。層間絶縁膜11は、透明基板10の主面10Bの上に配置されている。スイッチング素子SWおよび画素回路PCは、層間絶縁膜11の上に配置されている。平坦化膜12は、少なくとも一つ以上の絶縁膜によって構成されており、スイッチング素子SWおよび画素回路PCを覆っている。画素電極PEは、平坦化膜12の上に配置され、平坦化膜12に形成されたコンタクトホールを介して画素回路PCに接続されている。スイッチング素子SW、画素回路PCおよび画素電極PEは、セグメント画素SG毎に配置されている。配向膜AL1は、画素電極PEを覆い、液晶層LCに接している。
【0035】
なお、図5においては、スイッチング素子SWおよび画素回路PCを簡略化して図示しているが、実際にはスイッチング素子SWおよび画素回路PCは半導体層や各層の電極を含んでいる。また、図5においては図示を省略しているが、スイッチング素子SWと画素回路PCとは電気的に接続されている。
【0036】
表示部DA側において、第2基板SUB2は、図2に示すように、透明基板20と、カラーフィルタCFと、オーバーコート層OCと、共通電極CEと、配向膜AL2とを備えている。
【0037】
透明基板20は、主面(下面)20Aと、主面20Aの反対側の主面(上面)20Bと、を備えている。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと対向している。カラーフィルタCFは透明基板20の主面20A側に配置されている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、などを含む。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第3方向Zにおいて複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEはオーバーコート層OCの上に配置されている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆い、液晶層LCに接している。なお、図5では、表示部DA側の第2基板SUB2の構成として、各セグメント画素SG(又は各カラーフィルタCF)を区画する遮光膜が設けられていない構成を説明したが、各セグメント画素SGを区画するために遮光膜が設けられ、この遮光膜がカラーフィルタCFの一部と重なる構成であってもよい。
液晶層LCは、主面10Aと主面20Aとの間に配置されている。
【0038】
透明基板10および20は、例えばガラス基材やプラスチック基板などの絶縁基板である。層間絶縁膜11は無機絶縁膜である。平坦化膜12は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物またはアクリル樹脂などの透明な絶縁材料によって形成されている。一例では、平坦化膜12は、無機絶縁膜および有機絶縁膜を含んでいる。画素電極PEは、反射電極として形成され、例えば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、銀(Ag)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)の三層積層構造になっている。共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1およびAL2は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0039】
非表示部NDA側において、第1基板SUB1は、図5に示すように、透明基板10と、層間絶縁膜11と、水平ドライバ3と、シールド電極配線SLと、共通電極配線CL1(CL)と、平坦化膜12と、シールド電極SE1(SE)と、配向膜AL1とを備えている。以下では、表示部DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0040】
水平ドライバ3は、透明基板10(層間絶縁膜11)の上に配置されている。シールド電極配線SLは、層間絶縁膜11の上に配置されている。シールド電極配線SLは、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置に配置される。共通電極配線CL1は、シールド電極配線SLと同層に配置されており、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置であって、シールド電極配線SLより外側の位置に配置されている。水平ドライバ3、シールド電極配線SLおよび共通電極配線CL1は、平坦化膜12によって覆われている。平坦化膜12には、コンタクトホールCH1(CH)が形成されている。コンタクトホールCH1は、シールド電極配線SLの上面を露出させている。
【0041】
シールド電極SE1は、表示部DA側に配置された画素電極PEと同層に配置される。つまり、シールド電極SE1は、平坦化膜12の上に配置され、コンタクトホールCH1を通ってシールド電極配線SLに接続される。シールド電極SE1は、第3方向Zにおいて水平ドライバ3と対向している。シールド電極SE1が画素電極PEと同層に配置されることにより、画素電極PEと同じ金属で一度に製膜することが可能である。
【0042】
非表示部NDA側において、第2基板SUB2は、図5に示すように、透明基板20と、遮光膜BMと、オーバーコート層OCと、検出電極RX1(RX)と、配向膜AL2とを備えている。以下では、表示部DA側において既に説明した構成については、その詳しい説明を省略する。
【0043】
遮光膜BMは、透明基板20の主面20A側に配置されている。遮光膜BMは、非表示部NDAのほぼ全面に亘って配置されている。遮光膜BMは、例えば、表示部DA側に配置されたカラーフィルタCFの一部と重なる遮光膜と同層に配置される。遮光膜BMは、非表示部NDAに配置される各種配線に起因したぎらつきを抑制することが可能である。オーバーコート層OCは表示領域のカラーフィルタCFと共に遮光膜BMを覆っている。検出電極RX1はオーバーコート層OCの上に配置されている。図5に示す構成においては、検出電極RX1は、表示部DA側の共通電極CEと同層に配置されており、例えば共通電極CEと同じ透明導電材料によって形成されている。配向膜AL2は表示領域の共通電極CEと共に検出電極RXを覆い、液晶層LCに接している。図5に示す断面においては、検出電極RX1は、第3方向ZにおいてコンタクトホールCH1と対向する位置まで延在していない。検出電極RX1は、シールド電極SE1と対向して配置され、検出電極RX1とシールド電極SE1との間には液晶層LCが配置されている。液晶層LCはシール30により封止されている。
【0044】
検出電極RXは、少なくとも水平ドライバ3と垂直ドライバ4のいずれか一方と対向して配置されている。なお、図5中では、検出電極RX1は水平ドライバ3と対向している。
【0045】
シールド電極配線SLおよび共通電極配線CL1は、例えば、Ti(チタン)およびAl(アルミ)によって構成された二層積層構造を有している。シールド電極SE1は、例えばITOなどの透明導電材料によって形成されている。
【0046】
図6は、図4に示すC-D線により切断された表示装置1の断面図である。なお、表示部DA側の構成は、図5と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。以下では、非表示部NDA側の構成であって、図5と異なる構成について説明する。
【0047】
図6に示すように、第1基板SUB1に配置された構成と、第2基板SUB2に配置された構成とは、シール30の中に混ぜ込まれた上記ビーズ31により電気的に接続される。
【0048】
図6に示すように、検出電極配線RL1(RL)は、層間絶縁膜11の上に配置されている。検出電極配線RL1は、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置に配置されている。シールド電極配線SLは、検出電極配線RL1と同層に配置されており、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置であって、検出電極配線RL1より内側の位置に配置されている。共通電極配線CL1(CL)は、検出電極配線RL1およびシールド電極配線SLと同層に配置されており、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置であって、検出電極配線RL1より外側の位置に配置されている。水平ドライバ3、検出電極配線RL1、シールド電極配線SLおよび共通電極配線CL1は、平坦化膜12によって覆われている。平坦化膜12には、コンタクトホールCH7(CH)が形成されている。コンタクトホールCH7は、検出電極配線RL1の上面を露出させている。
【0049】
検出電極端子部RT1(RT)は、表示部DA側に配置された画素電極PEと同層に配置される。つまり、検出電極端子部RT1は、平坦化膜12の上に配置され、コンタクトホールCH7を通って検出電極配線RL1に接続される。検出電極端子部RT1とシールド電極SE1とは同層に配置され、所定の間隔を空けて隣接している。
【0050】
図6に示す断面においては、検出電極RX1は、第3方向ZにおいてコンタクトホールCH7と対向する位置まで延在している。検出電極RX1は、導通材としても機能するシール30を介して、検出電極端子部RT1および検出電極配線RL1と電気的に接続される。
なお、検出電極配線RL1は、シールド電極配線SLおよび共通電極配線CL1と同様に、例えば、Ti(チタン)およびAl(アルミ)によって構成された二層積層構造を有している。
【0051】
図7は、図4に示すE-F線により切断された表示装置1の断面図である。なお、表示部DA側の構成は、図5および図6と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。以下では、非表示部NDA側の構成であって、図5および図6と異なる構成について説明する。
【0052】
図7に示すように、共通電極配線CL1(CL)は、層間絶縁膜11の上に配置されている。共通電極配線CL1は、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置に配置されている。検出電極配線RL1(RL)およびシールド電極配線SLは共に、共通電極配線CL1と同層に配置され、第3方向Zにおいてシール30と対向する位置であって、共通電極配線CL1より内側の位置に配置されている。水平ドライバ3、共通電極配線CL1、検出電極配線RL1およびシールド電極配線SLは、平坦化膜12によって覆われている。平坦化膜12には、コンタクトホールCH5(CH)が形成されている。コンタクトホールCH5は、共通電極配線CL1の上面を露出させている。
【0053】
共通電極端子部CT1(CT)は、表示部DA側に配置された画素電極PEと同層に配置される。つまり、共通電極端子部CT1は、平坦化膜12の上に配置され、コンタクトホールCH5を通って共通電極配線CL1に接続される。共通電極端子部CT1は、表示部DAと非表示部NDAとの境界から、非表示部NDAに向けて延在し、第3方向Zにおいて共通電極CEと対向している。
【0054】
図7に示す断面においては、共通電極CEは、第3方向ZにおいてコンタクトホールCH5と対向する位置まで延在している。共通電極CEは、シール30の中に混ぜ込まれた上記ビーズ31により、共通電極端子部CT1および共通電極配線CL1と電気的に接続される。
【0055】
以上説明した図5図7においては、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向によって2つに分類される液晶モードが、いわゆる縦電界モードである場合の構成を例示しているが、本構成は、液晶モードがいわゆる横電界モードの場合にも適用可能である。上記した縦電界モードは、例えばTN(Twisted Nematic)モードや、VA(Vertical Alignment)モードなどを含む。また、上記した横電界モードは、例えばIPS(In-Plane Switching)モードや、IPSモードの1つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどを含む。横電界モードを採用する場合、表示領域に設けられる共通電極は第1基板に設けられ、薄い絶縁層を介して画素電極と対向する。
【0056】
図8は、セグメント画素SGの回路構成の一例を示す図である。図8に示すように、各セグメント画素SGは、第1回路C1と、画素メモリMAと、第2回路C2とを備えている。なお、上記した画素回路PCは、第1回路C1および画素メモリMAによって構成される。
【0057】
第1回路C1は、スイッチング素子Q1およびQ2を備えている。スイッチング素子Q1およびQ2はn型トランジスタである。スイッチング素子Q1は、第1駆動線DL1に接続された入力端と、選択信号線SSに接続された出力端と、画素メモリMAに接続された制御端と、を有している。スイッチング素子Q2は、第2駆動線DL2に接続された入力端と、選択信号線SSに接続された出力端と、画素メモリMAに接続された制御端と、を有している。第1駆動線DL1には、画像の表示信号である第1駆動信号xFRPが供給される。第2駆動線DL2には、画像の非表示信号である第2駆動信号FRPが供給される。選択信号線SSには、第1駆動信号xFRPおよび第2駆動信号FRPのいずれか一方が供給される。
【0058】
画素メモリMAは、スイッチング素子Q3~Q6を備えている。スイッチング素子Q3およびQ4はn型トランジスタであり、スイッチング素子Q5およびQ6はp型トランジスタである。スイッチング素子Q5およびQ6の入力端には、第1電源配線PL1が接続されている。第1電源配線PL1には、高電位レベルの電源電圧VDD1が供給される。一方で、スイッチング素子Q3およびQ4の入力端には、第2電源配線PL2が接続されている。第2電源配線PL2には、低電位レベルの電源電圧VSSが供給される。電源電圧VSSの電位は、電源電圧VDDの電位よりも低い。スイッチング素子Q3およびQ5の出力端がスイッチング素子Q2の制御端に接続された第1インバータを構成し、スイッチング素子Q4およびQ6の出力端がスイッチング素子Q1の制御端に接続された第2インバータを構成する。これらインバータは逆方向に並列接続されている。これら一対のインバータによって所謂S-RAM構造のメモリが形成され、入力される画素信号Sigがラッチされる。当該画素メモリMAにラッチされる画素信号Sigに応じてスイッチング素子Q1およびQ2のいずれか一方が選択的にオンとなり、他方がオフとなる。
【0059】
第2回路C2(スイッチング素子SW)は、水平ドライバ3から信号線Sに供給される2値の画素信号(デジタル信号)Sigを画素メモリMAに記憶させる回路であって、n型トランジスタのスイッチング素子Q7を備えている。スイッチング素子Q7は、信号線Sに接続された入力端と、画素メモリMAに接続された出力端と、走査線Gに接続された制御端と、を有している。走査線Gに走査信号Gateが供給されると、スイッチング素子Q7はオン状態となり、信号線Sに供給されている画素信号Sigが画素メモリMAに供給される。
【0060】
スイッチング素子Q1~Q7は、例えばいずれも薄膜トランジスタであって、第1基板SUB1に形成されている。第1駆動線DL1、第2駆動線DL2、第1電源配線PL1、第2電源配線PL2および走査線Gも第1基板SUB1に形成されており、第1方向Xに並ぶ複数のセグメント画素SGの画素回路PCに接続されている。信号線Sも第1基板SUB1に形成されており、第2方向Yに並ぶ複数のセグメント画素SGの画素回路PCに接続されている。なお、第1駆動線DL1、第2駆動線DL2、第1電源配線PL1、第2電源配線PL2の少なくともいずれかは信号線Sに沿って形成されていてもよく、その場合、かかる配線は第2方向に並ぶセグメント画素SGの画素回路PCに接続される。
【0061】
上述の如く複数のセグメント画素SGからなる副画素SPを備える表示装置1は、デジタルモードで各セグメント画素SGの表示/非表示を個別に制御し、これによって副画素SPの階調が制御される。デジタルモードは、画素メモリMAが記憶する画素信号Sigに基づきセグメント画素SGのオン/オフ(あるいは明表示/暗表示、又は点灯/非点灯ともいう)を制御する方式である。本実施形態では、表示装置1は、画素メモリMAがHighレベル(高電位レベル、以下では「Hレベル」と表記する)に設定されているときにセグメント画素SGがオン(白表示)され、画素メモリMAがLowレベル(低電位レベル、以下では「Lレベル」と表記する)に設定されているときにセグメント画素SGがオフ(黒表示)される場合を想定する。なお、白表示とは、セグメント画素SGがオンしている状態のことを示し、当該セグメント画素SGがカラーフィルタCFを有している場合は、当該カラーフィルタCFに応じた色が表示されることになる。なお、また、セグメメント画素SGがオンの時に白表示となり、オフの時に黒状態となるモードをノーマリブラックモードと称し、セグメント画素SGがオンの時に黒表示となりオフの時に白表示となるモードをノーマリホワイトモードと称する。
【0062】
デジタルモードにおいては、信号線Sに供給された2値の画素信号Sigを画素メモリMAに記憶させる記憶期間と、第1駆動信号xFRPおよび第2駆動信号FRPのうち画素メモリMAに記憶された画素信号Sig(HレベルまたはLレベル)に対応する一方を選択的に画素電極PEに供給する表示期間とが繰り返される。なお、表示状態や使用者の態様によっては、表示を長期にわたって変更させる必要がない場合がある。この場合、各セグメント画素SGは、画素メモリMAに記憶されている画素信号Sigに基づいて表示を実行し、その表示状態は長期にわたって維持される。したがって、かかる期間の間は、上述のごとき記録期間(各画素のリフレッシュ)を設ける必要がなく、その分だけ消費電力が節約される。
【0063】
表示期間において、共通電極CEには所定周期の交流電流が供給されている。第1駆動線DL1には、当該交流電流と逆相の電流(xFRP)が供給される。かかる電流が画素電極PEに供給されると、画素電極PEおよび共通電極CE間に電界が発生し、その結果、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向状態は当該電界により変化する。一方で、第2駆動線DL2には、上記した所定周期の交流電流と同じ電流(FRP)が供給されている。かかる電流が画素電極PEに供給されると、画素電極PEおよび共通電極CE間には電界が発生せず、その結果、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向状態は変化しないことになる。
なお、共通電極CEが固定電位の場合、第1駆動線DL1には、所定周期の交流電流が供給され、第2駆動線DL2には固定電位が供給される。
【0064】
表示期間においては、画素メモリMAがHレベルに設定されている場合、スイッチング素子Q1はオンされ、スイッチング素子Q2はオフされる。このため、画素電極PEには選択信号線SSを介して、第1駆動線DL1の第1駆動信号xFRPが供給され、セグメント画素SGはオンされる。一方で、画素メモリMAがLレベルに設定されている場合、スイッチング素子Q1はオフされ、スイッチング素子Q2はオンされる。このため、画素電極PEには選択信号線SSを介して、第2駆動線DL2の第2駆動信号FRPが供給され、セグメント画素SGはオフされる。以上のように、セグメント画素SGのオン/オフは、セグメント画素SGの駆動電位を、画素メモリMAに記憶されている画素信号Sigに対応する電位に設定することで制御される。
【0065】
以下の説明においては、表示部DAにおいて第1方向Xに並ぶ一群のセグメント画素SGを、水平ラインと称して説明する。また、1水平ラインへの画素信号Sigの書き込みに要する期間を、水平期間と称して説明する。
【0066】
次に、図9を参照して、水平ドライバ3について説明する。図9は、水平ドライバ3の概略的な構成を示す図である。図9に示すように、水平ドライバ3は、複数の第1シフトレジスタSRA1~SRA4と、第1シフトレジスタSRA1~SRA4の各々に対応する複数のラインメモリMB1~MB4とを備えている。第1シフトレジスタSRAと、ラインメモリMBとは、2本の配線L1およびL2(画素信号供給線)によりそれぞれ接続されている。各ラインメモリMBには、赤色に対応する二つの画素列と、緑色に対応する二つの画素列と、青色に対応する二つの画素列とに向けて延びる信号線Sがそれぞれ接続されている。配線L1には、第1シフトレジスタSRAの出力spが供給される。配線L2には、第1シフトレジスタSRAの出力xspが供給される。
【0067】
第1シフトレジスタSRAおよびラインメモリMBは、電源電圧VDD1およびVSSを駆動電源として動作する。第1シフトレジスタSRAは、水平クロックパルスHCKが入力すると、前段の第1シフトレジスタSRAの出力パルスsoを取り込み、当該出力パルスsoをラッチする。
【0068】
例えば、第1シフトレジスタSRA2は、水平クロックパルスHCKが入力すると、前段に位置する第1シフトレジスタSRA1の出力パルスso1を取り込み、これをラッチする。この時、前段の第1シフトレジスタSRA1の出力パルスso1がHレベルであれば、第1シフトレジスタSRA2の出力sp2はHレベルとなり、第1シフトレジスタSRA2の出力xsp2はLレベルとなる。一方で、前段の第1シフトレジスタSRA1の出力パルスso1がLレベルであれば、第1シフトレジスタSRA2の出力sp2はLレベルとなり、第1シフトレジスタSRA2の出力xsp2はHレベルとなる。なお、第1シフトレジスタSRA2の出力sp2は、次段の第1シフトレジスタSRA3に出力パルスso2として出力される。また、第1シフトレジスタSRA2の出力sp2とxsp2とは、サンプリングパルスとして、ラインメモリMB2に供給される。なお、ここでは、第1シフトレジスタSRA2に着目したが、その他の第1シフトレジスタSRAも同様に動作する。
【0069】
第1シフトレジスタSRAとラインメモリMBとの間には、データバスDBL1~DBL6が延在している。データバスDBL1~DBL6は、各ラインメモリMBに接続されており、シリアルに供給される各画素行の画像データDataを順に各ラインメモリMBに供給する。例えば、データバスDBL1、DBL4が赤色の画素行の画像データData1、Data4をラインメモリMBに供給する。データバスDBL2、DBL5が緑色の画素行の画像データData2、Data5をラインメモリMBに供給する。データバスDBL3、DBL6が青色の画素行の画像データData3、Data6をラインメモリMBに供給する。なお、各画像データは2値のデジタルデータを備えてなる。また、ここでは、第1シフトレジスタSRAとラインメモリMBとの間に、6本のデータバスDBL1~DBL6が延在している場合を例示したが、これに限定されず、第1シフトレジスタSRAとラインメモリMBとの間には任意の本数のデータバスDBLが延在するとして構わない。
【0070】
第1シフトレジスタSRAにHレベルの出力パルスsoが入力した時(換言すれば、第1シフトレジスタSRAの出力spがHレベルであり、出力xspがLレベルである時)、例えばデータバスDBL1~DBL6に供給された画像データData1~Data6がラインメモリMBに供給される。このように、シフトレジスタSRA1~SRA4が順にラインメモリMBを駆動させ、各ラインメモリMBには画像データDataに基づく画素信号Sigがラッチされる。これにより、第1方向Xに並ぶ各画素列(水平ライン)に出力される画素信号SigがラインメモリMBにラッチされる。
【0071】
次に、図10を参照して、垂直ドライバ4について説明する。図10は、垂直ドライバ4の概略的な構成を示す図である。図10に示すように、垂直ドライバ4は、複数の第2シフトレジスタSRB1およびSRB2と、第2シフトレジスタSRB1およびSRB2の各々と接続する二つのバッファ回路BF1およびBF2と、を備えている。第2シフトレジスタSRBと、バッファ回路BF1およびBF2とは、2本の配線L3およびL4によりそれぞれ接続されている。配線L3には、第2シフトレジスタSRBの出力spが供給される。配線L4には、第2シフトレジスタSRBの出力xspが供給される。
【0072】
第2シフトレジスタSRBと、バッファ回路BF1およびBF2とは、高電位レベルの電源電圧VDD2と、低電位レベルの電源電圧VSSとを駆動電源として動作する。第2シフトレジスタSRBは、垂直クロックパルスVCKが入力すると、前段の第2シフトレジスタSRBの出力パルスsoを取り込み、当該出力パルスsoをラッチする。
【0073】
例えば、第2シフトレジスタSRB2は、垂直クロックパルスVCKが入力すると、前段に位置する第2シフトレジスタSRB1の出力パルスso1を取り込み、これをラッチする。この時、前段の第2シフトレジスタSRB1の出力パルスso1がHレベルであれば、第2シフトレジスタSRB2の出力sp2はHレベルとなり、Hレベルの出力sp2が配線L3を介してバッファ回路BF1およびBF2に供給される。またこの場合、第2シフトレジスタSRB2の出力xsp2はLレベルとなり、Lレベルの出力xsp2が配線L4を介してバッファ回路BF1およびBF2に供給される。一方で、前段の第2シフトレジスタSRB1の出力パルスso1がLレベルであれば、第2シフトレジスタSRB2の出力sp2はLレベルとなり、Lレベルの出力sp2が配線L3を介してバッファ回路BF1およびBF2に供給される。またこの場合、第2シフトレジスタSRB2の出力xsp2はHレベルとなり、Hレベルの出力xsp2が配線L4を介してバッファ回路BF1およびBF2に供給される。
【0074】
なお、第2シフトレジスタSRB2の出力sp2は、次段の第2シフトレジスタSRBに出力パルスso2として出力される。また、上記したように、第2シフトレジスタSRBの出力sp2とxsp2とは、サンプリングパルスとして、バッファ回路BF1およびBF2に供給される。なお、ここでは、第2シフトレジスタSRB2に着目したが、その他の第2シフトレジスタSRBも同様に動作する。
【0075】
バッファ回路BF1には、イネーブル信号ENB1が供給される。バッファ回路BF2には、イネーブル信号ENB2が供給される。バッファ回路BF1は、例えば、第2シフトレジスタSRBの出力spがHレベルであり出力xspがLレベルであり、かつ、イネーブル信号ENB1が供給されたことに応じて、バッファ回路BF1に接続された走査線GにHレベルの走査信号Gateを供給する。バッファ回路BF2は、例えば、第2シフトレジスタSRBの出spがHレベルであり出力xspがLレベルであり、かつ、イネーブル信号ENB2が供給されたことに応じて、バッファ回路BF2に接続された走査線GにHレベルの走査信号Gateを供給する。Hレベルの走査信号Gateが供給された走査線Gに接続されたセグメント画素SGにおいては、スイッチング素子Q7がオンされる。これによれば、これらセグメント画素SGでは、信号線Sに供給された画素信号Sigを画素メモリMAに書き込むことができる。
【0076】
以下では、一般的な表示装置を比較例にして、本実施形態に係る表示装置1の効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係る表示装置1が奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、比較例と本実施形態とで共通する構成や効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
【0077】
一般的な表示装置においては、ユーザのタッチを検出するための検出電極は表示部に配置されることが多い。これによれば、表示部に表示された画像に対するユーザのタッチを検出することが可能である。しかしながら、複数の検出電極が表示部に配置されてしまうと、隣接する二つの検出電極間のスリットがすじむらとして視認されてしまう可能性がある。
【0078】
そこで、上記した問題を解消するために、複数の検出電極を非表示部に配置することが検討されている。これによれば、検出電極の形成に伴うスリットが表示部に形成されることはなく、すじむらは発生しない。
【0079】
その一方で、複数の検出電極Rxを非表示部NDAに配置する場合、これら検出電極Rxは、非表示部NDAに配置される周辺回路の影響を受けやすく、タッチの誤検出が発生してしまう場合がある。具体的には、非表示部NDAに配置される検出電極Rxと周辺回路との間には液晶層LCが存在しており、この液晶層LCに含まれる液晶分子の配向状態は周辺回路の電位に起因して局所的に変化してしまうことがある。電極同士が対向している関係上、検出電極と水平ドライバとの間には一定の寄生容量が発生することとなるが、誘電体たる液晶分子の配向状態が局所的に変化してしまうと、その部分だけ他の部分とは寄生容量が異なってしまうことになり、その容量変化を検出電極Rxが検出してしまい、タッチの誤検出が発生してしまう場合がある。
【0080】
しかしながら、本実施形態の表示装置1には、検出電極RXと水平ドライバ3(ラインメモリMBを含む水平ドライバ3)との間に、所定の電位を有するシールド電極SEが配置されるため、当該シールド電極SEにおいて、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができ、検出電極RXとシールド電極SEとの間で形成される容量を一定に保つことが可能であり、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向状態が局所的に変化してしまうことを抑制して、検出電極RXが局所的な容量変化を検出してしまうことを抑制する。これによれば、タッチ検出精度の低下を抑制し、タッチの誤検出を減らすことが可能である。
【0081】
また、一般的な表示装置においては、上記したタッチの誤検出を減らすために、1フレームを、周辺回路を駆動して画像を表示するための表示期間と、タッチを検出するためのタッチ期間とに分け、タッチ期間においては周辺回路を停止させることで、検出電極に対する周辺回路の影響を抑制することが知られている。しかしながら、本実施形態の表示装置1においては、シールド電極SEが検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができるため、一般的な表示装置のように、1フレームを表示期間とタッチ期間とに分ける必要がない。以下、図11を参照して、表示装置1の駆動方法について説明する。
【0082】
図11は、表示装置1の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
1フレームが開始されると、バックポーチ期間tBPを経て、垂直期間tVDが開始される。
垂直期間tVDが開始されると、垂直ドライバ4は、図11に示すように、制御装置から供給される垂直スタートパルスVST、垂直クロックパルスVCK、イネーブル信号ENB1およびENB2の入力に応じて、走査線G1~GnにHレベルの走査信号Gate1~Gatenを順に供給する動作を実行する。
【0083】
一方で、水平ドライバ3は、図11に示すように、制御装置から供給される水平スタートパルスHSTおよび水平クロックパルスHCKの入力に応じて、ラインメモリMBにラッチされている画像データDataに基づく画素信号Sigを信号線Sに供給しつつ、次の水平ラインの画像データDataに基づく画素信号SigをラインメモリMBにラッチする通常動作(Normal operation)を実行する。
【0084】
垂直期間tVDが終了すると、フロントポーチ期間tFPを経て、次の1フレームに遷移し、垂直ドライバ4および水平ドライバ3は、同様な動作を繰り返し実行する。
【0085】
図11に示すように、検出電極RXには、任意のタイミングで制御装置から駆動パルスが入力される。検出電極RXは、駆動パルスの入力に応じて検出信号を読み出し、これを制御装置に出力する。これによれば、制御装置は、表示装置1に配置された複数の検出電極RXのうち、タッチされた検出電極RXを判別することが可能である。
【0086】
なお、図11に示すように、シールド電極SEにはGND電圧が常に供給され、電位が固定されている。これによれば、シールド電極SEは、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することが可能である。
【0087】
以上説明したように、本実施形態の表示装置1においては、シールド電極SEが検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができるため、一般的な表示装置のように、1フレームを表示期間とタッチ期間とに分ける必要がないという利点を得ることが可能である。換言すれば、検出電極RXを利用したタッチ検出動作と、画像を表示するための表示動作とを同期させる必要がないという利点を得ることが可能である。
【0088】
なお、図12のタイミングチャートに示すように、シールド電極SEには、検出電極RXに駆動パルスが入力されるタイミングに、当該駆動パルスと同相の信号が入力されてもよい。これによれば、検出電極RXとシールド電極SEとの間で形成される容量をキャンセルすることができ、図11に示した駆動方法に比べて、S/N比を向上させることが可能である。
【0089】
以上説明した本実施形態では、例えば図6に示したように、検出電極RXは透明基板20の主面20A側に配置されている(換言すると、共通電極CEと同層に配置されている)としたが、図13に示すように、検出電極RXは透明基板20の主面20B側に配置されていても構わない。この場合、シールド電極SEは、図6の場合と同様に第1基板SUB1側に配置されていてもよいが、望ましくは、第2基板SUB2の透明基板20の主面20A側、より詳しくは、表示部DA側の共通電極CEと同層に配置されている方がよい。これによれば、シールド電極SEと水平ドライバ3との間で形成される容量を小さくすることができ、消費電力を抑制することが可能である。なお、シールド電極SEが第2基板SUB2側に配置される場合、シールド電極SEは、シール30の中に混ぜ込まれる上記ビーズ31により、シールド電極端子部STおよびシールド電極配線SLと電気的に接続される。なお、図13中では、接着層OCAおよび偏光板PPが検出電極RXの上に配置されており、検出電極RXはこれら層により保護されている。以上説明した図13に示す構成であっても、検出電極RXと水平ドライバ3との間にシールド電極SEが配置されている点に変わりはないため、当該シールド電極SEにおいて、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができ、タッチ検出精度の低下を抑制することが可能である。
【0090】
以上説明した本実施形態では、例えば図6に示したように、検出電極RXは非表示部NDAのみに配置されているとしたが、図14に示すように、非表示部NDAに配置される検出電極RXとは別に、表示部DAに一つの検出電極RXがさらに配置されていても構わない。表示部DAの一つの検出電極RXは、例えば、透明基板20の主面20B側に配置され、表示部DA全体をカバーする。なお、図14中では、接着層OCAおよび偏光板PPが表示部DAの一つの検出電極RXの上に配置されており、当該検出電極RXはこれら層により保護されている。
【0091】
表示部DAに配置される検出電極RXは一つであるため、上記したスリットが存在せず、当該スリットに起因したすじむらは発生しない。一方で、表示部DAに配置される検出電極RXは一つであることから、当該検出電極RXは表示部DAのどの位置がタッチされたかを判別することはできないものの、表示部DAがタッチされたか否かを判別することは可能であるため、例えば、表示部DAがタッチされたことに伴い表示装置1に特定の動作を実行させる機能、などを実装することが可能である。
【0092】
なお、非表示部NDAにおいて、検出電極RXと水平ドライバ3との間にシールド電極SEが配置されている点に変わりはないため、当該シールド電極SEにおいて、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができ、タッチ検出精度の低下を抑制することも可能である。つまり、図14に示す構成によれば、非表示部NDAに配置された複数の検出電極RXのタッチ検出精度の低下を抑制しつつも、表示部DAに配置された一つの検出電極RXを利用した機能の実装を実現させることが可能である。
【0093】
以上説明した本実施形態では、自己容量方式を利用したタッチ検出機能付きの表示装置1について説明したが、これに限定されず、例えば図15に示すように、表示部DAに配置された一つの電極を駆動電極TXとし、非表示部NDAに配置された複数の電極を検出電極RXとすることで、相互容量方式のタッチ検出機能付きの表示装置1を実現させることも可能である。なお、図15中では、接着層OCAおよび偏光板PPが駆動電極TXの上に配置されており、駆動電極TXはこれら層により保護されている。図15に示した場合においても、検出電極RXと水平ドライバ3との間にシールド電極SEが配置されている点に変わりはないため、当該シールド電極SEにおいて、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができ、タッチ検出精度の低下を抑制することが可能である。なお、検出電極RXと駆動電極TXの位置は互いに入れ替えるとしてもよい。
【0094】
以上説明した本実施形態では、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが、上記ビーズ31が混ぜ込まれたシール30により接着される場合について説明したが、これに限定されず、第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、上記ビーズ31が混ぜ込まれていないシールにより接着されてもよい。この場合、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間の導通は、導通させたい部分にのみ導通材を付加し、その周囲をシールで囲むことによって実現される。これによれば、検出電極RXが、シールド電極SEが通るためのコンタクトホールCHと平面視において重畳していたとしても、検出電極RXとシールド電極SEとが電気的に接続されてしまうことがないため、例えば図16に示すように、検出電極RXの形状を全て円弧形状にすることができ、タッチ検出可能な領域を拡張することが可能である。
【0095】
以上説明した本実施形態では、シールド電極SEは、表示部DAを囲むように配置されているとしたが、例えば図17に示すように、水平ドライバ3と平面視において重畳する位置にのみ配置されるとしてもよい。かかる構成によれば、シールド電極SEは、少なくとも検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができる。
【0096】
以上説明した本実施形態では、図2に示したように、各種配線が、シールド電極配線SL、検出電極配線RL、共通電極配線CLの順に、内側から外側に向かって配置されている場合について説明したが、これに限定されず、各種配線は、例えば図18に示すように、検出電極配線RL、シールド電極配線SL、共通電極配線CLの順に、内側から外側に向かって配置されてもよい。なお、一点鎖線で囲まれる領域には検出電極端子部RTが配置され、点線で囲まれる領域にはシールド電極端子部STが配置され、太線で囲まれる領域には共通電極端子部CTが配置されている。
【0097】
この場合、図18に示すように、検出電極配線RLと検出電極端子部RTとを接続するための多数のコンタクトホールCHRと、シールド電極配線SLとシールド電極端子部STとを接続するための多数のコンタクトホールCHSと、共通電極配線CLと共通電極端子部CTとを接続するための多数のコンタクトホールCHCとは、表示装置1の外周に沿った方向に一直線に並んで配置される。コンタクトホールCHR、CHSおよびCHCを一直線に並べて配置するために、シールド電極配線SLは、本体部SLaから分岐し、検出電極配線RLや共通電極配線CLと同一直線状に並ぶ分岐部SLbを備えている。分岐部SLbは本体部SLaと並んで設けられ、複数の接続部SLcを介してこれら分岐部SLbと本体部SLaとは接続されている。コンタクトホールCHCがこの分岐部SLbに形成されることにより、コンタクトホールCHR、CHSおよびCHCを、表示装置1の外周に沿った方向に一直線に並べて配置することが可能である。
【0098】
以上説明したように、表示装置1は、デジタル信号Sigを記憶可能な画素メモリMAを備える複数の画素PX(副画素SP、セグメント画素SG)が配置された表示部DAと、表示部DAを囲む非表示部NDAと、非表示部NDAに配置され、複数の画素メモリMAにデジタル信号Sigを供給する水平ドライバ3と、水平ドライバ3と対向して配置される複数の検出電極RXと、水平ドライバ3と複数の検出電極RXとの間に配置され、所定電位を有するシールド電極SEと、を備える。
【0099】
上記した構成の表示装置1によれば、複数の検出電極Rxは、表示部DAではなく非表示部NDAに配置されるため、上記したスリットが存在せず、当該スリットに起因したすじむらの発生を抑制することが可能である。また、検出電極RXと水平ドライバ3との間には、常に一定の電圧が供給され、電位が固定されているシールド電極SEが配置されているため、当該シールド電極SEにおいて、検出電極RXに対する水平ドライバ3の影響を遮断することができ、検出電極RXとシールド電極SEとの間で形成される容量を一定に保つことが可能であり、液晶層LCに含まれる液晶分子の配向状態が局所的に変化してしまうことを抑制して、検出電極RXが局所的な容量変化を検出してしまうことを抑制する。これによれば、タッチ検出精度の低下を抑制することが可能である。
【0100】
以上説明した一実施形態によれば、画像を表示する際の表示品位とタッチによる優れた操作性との両立を実現し得る表示装置を提供することが可能である。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1…表示装置、3…水平ドライバ、4…垂直ドライバ、DA…表示部、NDA…非表示部、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、RL…検出電極配線、RT…検出電極端子部、RX…検出電極、CL…共通電極配線、CT…共通電極端子部、CE…共通電極、SL…シールド電極配線、SE…シールド電極、CH…コンタクトホール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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