(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034350
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】パウチ交換検知装置、 ストーマ用装具及びストーマ用面板
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20220224BHJP
A61F 5/44 20060101ALN20220224BHJP
【FI】
A61F5/445
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138107
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】520225059
【氏名又は名称】奥田 英利
(72)【発明者】
【氏名】奥田 英利
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC23
4C098CC24
4C098CD08
4C098CD09
4C098CE02
(57)【要約】
【課題】ストーマ用面板から排泄物が漏出するおそれがあった。
【解決手段】ストーマ用装具10は、ストーマ用パウチ3と、パウチ交換検知装置1とを備えている。ストーマ用パウチ3は、人体2からの排泄物を収容する袋状の部材である。パウチ交換検知装置1は、ストーマ用パウチ3の交換タイミングを検知する装置である。パウチ交換検知装置1は、検知手段と、報知手段と、を含む。ストーマ用装具10及びストーマ用面板5の交換時期を排泄物(便や尿の水分等)が使用限界領域に到達した場合に電気抵抗の変位をセンサー15で検知し強制的に報知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチの交換タイミングを検知するパウチ交換検知装置であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベース、及び前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚との間に介入する皮膚保護剤を有し、前記ストーマ用パウチを前記人体に取り付ける為のストーマ用面板と、前記皮膚保護剤における排泄物の浸入度合いを検知する為の検知手段と、前記検知手段によって、前記浸入度合い所定度合いを超えたことが検知された旨を報知する報知手段とを含むパウチ交換検知装置。
【請求項2】
前記ストーマ用面板は、ストーマを装着する為のストーマ装着口を有し、前記検知手段が、前記ストーマ装置口を取り囲む環状の配線を含む、請求項1記載のパウチ交換検知装置。
【請求項3】
前記環状の配線が、環状の第一配線と、前記第一配線を取り囲む第二配線とを含み、前記検知手段が、前記第一配線と第二配線とが前記排泄物の水分によって電気的に、接続されたことを検出するセンサーを含む、請求項2記載のパウチ交換検知装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のパウチ交換検知装置と、前記ストーマ用パウチとを含む、ストーマ用装具。
【請求項5】
人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチを前記人体に取り付けるストーマ用装具であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベースと、前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚保護との間に介在する皮膚保護剤と、前記皮膚保護剤における排泄物の水分の浸入度合いを検知する為の検知手段とを含むストーマ用装具。
【請求項6】
ストーマを装着する為のストーマ装着口をさらに有し、前記検知手段が、前記ストーマ装置口を取り囲む環状の配線を含む、請求項5記載のストーマ用装具。
【請求項7】
前記環状の配線が、環状の第一配線と、前記第一配線を取り囲む第二配線とを含み、前記検知手段が、前記第一配線と第二配線とが前記排泄物の水分によって電気的に接続されたことを検出するセンサーを含む請求項6記載のストーマ用装具。
【請求項8】
人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチを前記人体に取り付けるストーマ用面板であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベースと、前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚保護との間に介在する皮膚保護剤と、前記皮膚保護剤における排泄物の水分の浸入度合いを検知する為の検知手段とを含むストーマ用面板。
【請求項9】
前記ストーマ用面板は、ストーマを装着する為のストーマ装着口を有し、前記検知手段が、前記ストーマ装置口を取り囲む環状の配線を含む、請求項8記載のストーマ用面板。
【請求項10】
前記環状の配線が、環状の第一配線と、前記第一配線を取り囲む第二配線とを含み、前記検知手段が、前記第一配線と第二配線とが前記排泄物の水分によって接続されたことを検出するセンサーを含む請求項9記載のストーマ用面板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ交換検知装置、 ストーマ用装具及びストーマ用面板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のストーマ用装具及び面板は、ストーマ周囲の肌接触面から排泄物(便や尿の水分等)が外周へ潜り込み、漏れて下着や衣服を汚してしまっていた。ストーマ用装具及び面板は有色のコロイド及びポリマーで構成されている為、排泄物の水分がストーマ周囲から外周への広がりが見えない。 また、ストーマ用面板を手で触れたりしても厚みがあり交換時期の判断が困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
排泄物はストーマからの排出を自身でコントロールできない為、就寝中に排泄物がパウチに蓄積され、パ ウチの収容容量を超えストーマ用面板の裏面より溢れて漏れが発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチの交換タイミングを検知するパウチ交換検知装置であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベース、及び前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚との間に介入する皮膚保護剤を有し、前記ストーマ用パウチを前記人体に取り付ける為のストーマ用面板と、前記皮膚保護剤における排泄物の水分の浸入度合いを検知する為の検知手段と、前記検知手段によって、前記浸入度合い所定度合いを超えたことが検知された旨を報知する報知手段と、前記ストーマ用パウチとを含む、ストーマ用装具を提供する。
【0005】
本発明は、人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチを前記人体に取り付けるストーマ用装具であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベースと、前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚保護との間に介在する皮膚保護剤と、前記皮膚保護剤における排泄物の水分の浸入度合いを検知する為の検知手段と、を含む、ストーマ用装具を提供する。
【0006】
本発明は、人体からの排泄物を収容するストーマ用パウチを前記人体に取り付けるストーマ用面板であって、前記ストーマ用パウチが取り付けられるベースと、前記人体に取り付けられる際に、前記ベースと前記人体の皮膚保護との間に介在する皮膚保護剤と、前記皮膚保護剤における排泄物の水分の浸入度合いを検知する為の検知手段と、を含む、ストーマ用面板を提供する。
【発明の効果】
【0007】
ストーマ用面板5とストーマ用パウチ3を長期間使用すると便や尿、腸液の水分等がストーマ用面板5の裏面に潜り込みストーマ11周囲から外周へ広がる。 第一配線13を通り越し第二配線14に便、尿の水分が到達した場合に端子間の抵抗変位によりセンサー15で電気的に検知し表示、音、振動等で、ストーマ用装具10または、ストーマ用面板5の交換時期を強制的に報知する事ができ、排泄物の漏出を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るストーマ用装具の正面図及び断面図である。
【
図2】
図1の検知手段a)と、報知手段b)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るストーマ用装具10の正面図である。
図1(b)は、
図1(a)をB-B断面線で切断した図である。ストーマ用装具10は、ストーマ用パウチ3と、パウチ交換検知装置1とを備えている。ストーマ用パウチ3は、人体2からの排泄物を収容する袋状の部材である。パウチ交換検知装置1は、ストーマ用パウチ3の交換タイミングを検知する装置である。パウチ交換検知装置1は、検知手段と、報知手段と、を含む。ベース4は、ストーマ用パウチ3の取り付けられる部材であり、中央部に円形のストーマ用装着口7を有し、ベース4に取り付けられた皮膚保護剤6を含む。配線8はストーマ用装着口7の周囲を包囲する環状の第一配線13と、第一配線13を包囲する第二配線14と、を含む。検知手段は、第一配線13と第二配線14とが水分によって電気的に接続されたことを検出するセンサー15を含む。さらにパウチ交換検知装置1は、センサー15と第一配線13及び第二配線14を接続する取り付け端子9を含む。報知手段は、第一配線13と第二配線14との電気的な接続をセンサー15によって検出したときに、その旨を報知するものである。
【0010】
図2に示す本例のストーマ用装具10及びストーマ用面板5は、人体2に増築されたストーマ11を通してストーマ用面板5が貼り付けされており、ストーマ用面板5にストーマ用パウチ3が取り付けられている。ストーマ用面板5のベース4には、検知するためのストーマ用装具10は、ストーマ用パウチ3と、パウチ交換検知装置1とを備えている。ストーマ用パウチ3は、人体2からの排泄物を収容する袋状の部材である。パウチ交換検知装置1は、ストーマ用パウチ3の交換タイミングを検知する装置である。パウチ交換検知装置1は、検知手段と、報知手段と、を含む。その前面に皮膚保護剤6が配置されている。皮膚保護剤の上に配線8が配置されている。ストーマ用面板5に取り付けされる取り付け端子9は、パウチ交換検知装置1を取り付けする接合部である。
【0011】
図2において、排泄物(便や尿の水分等)12は、ストーマ11を通してストーマ用パウチ3に蓄積される。
【0012】
パウチ交換検知装置1は、ストーマ用面板5に接続を行い、環状の第一配線13と第二配線14に接続でき、弁や尿の水分12が第一配線13を通り越し第二配線14に接続した(使用限界領域に達した)場合に電気信号である抵抗値変位をセンサー15で検知する。パウチ交換検知装置1は表示機能となる液晶、LED等、音機能となるブザー、スピーカー等、振動機能となるバイブレーター等、送信機能となる電磁波、信号伝送等、で使用限界領域に達した浸入度合い所定度合いを通知する。
【0013】
パウチ交換検知装置1は、 前記使用限界領域に達した場合に抵抗値変位データを、受信器16となるスマートフォン等に送信を行う。スマートフォン等が表示機能となる液晶、LED等、音機能となるブザー、スピーカー等、振動機能となるバイブレーター等で使用限界領域に達した旨を知らせる。
【0014】
この実施形態によればストーマ用面板5とストーマ用パウチ3を長期間使用すると便や尿、腸液の水分等がストーマ用面板5の裏面に潜り込みストーマ11周囲から外周へ広がる。 第一配線13を通り越し第二配線14に便、尿の水分が到達した場合に端子間の抵抗変位によりセンサー15で電気的に検知し表示、音、振動等で、ストーマ用装具10または、ストーマ用面板5の交換時期を強制的に報知する事ができ、排泄物の漏出を未然に防止できる。
図3(a)に代表とするストーマ用装具10の構成及び
図3(b)と(c)にストーマ用面板5の取り付け図を示す。
ストーマ用装具10は畜便や畜尿を行うストーマ用パウチ3、人体2とストーマ用パウチ3を接合するストーマ用面板5のベース4、皮膚保護剤6とテープ19等で構成されている。皮膚保護剤6は、ポリマー17とコロイド18で構成される。
次に代表とするストーマ用面板5とパウチ3の装着手順を示す。
ストーマ用面板5のストーマ用装着口7にストーマ11を通し貼り付ける。ストーマ11の周囲に皮膚保護シール20を貼り付けする。ストーマ用面板5にパウチ3を取り付ける。
【符号の説明】
【0015】
1 : パウチ交換検知装置
2 : 人体
3 : ストーマ用パウチ
4 : ベース
5 : ストーマ用面板
6 : 皮膚保護剤
7 : ストーマ用装着口
8 : 配線
9 : 取り付け端子
10 : ストーマ用装具
11 : ストーマ
12 : 排泄物(便や尿の水分等)
13 : 第一配線
14 : 第二配線
15 : センサー
16 : 受信機
17 : ポリマー
18 : コロイド
19 : テープ
20 : 皮膚保護シール