(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034400
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20220224BHJP
【FI】
A63B53/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138173
(22)【出願日】2020-08-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月8日ウェブサイト(https://www.prgrkorea.com/community/topic.php?category=&id=235&page=1&mode=read)で公開されている株式会社プロギアのウェブサイトにて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月6日ウェブサイト(https://www.prgr-golf.com)で公開されている株式会社プロギアのウェブサイトにて発表
(71)【出願人】
【識別番号】515185924
【氏名又は名称】株式会社プロギア
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】中原 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】北崎 剛史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康守
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
2C002CH04
2C002CH06
2C002MM04
2C002MM07
(57)【要約】
【課題】初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利なゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供する。
【解決手段】ソール側フランジ角度θ1を30°以上70°以下とし、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1交点P1からフェースバック26方向に離れたソール面18Aの箇所にソール側変曲点H1が形成され、ソール側変曲点H1の曲率半径RAを第1交点P1とソール側変曲点H1との間に位置するソール面18Aの曲率半径よりも小さい値とした。打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が集中することでフェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の下端とソール面の前端との境界点を第1境界点K1とし、
前記フェース中心基準断面において、前記第1境界点K1を含み前記水平面と平行する平面上で前記第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記ソール面との交点を第1交点P1とし、
前記第1境界点K1と前記第1交点P1とを結ぶ直線が前記水平面に対してなす角度をソール側フランジ角度θ1としたとき、
前記ソール側フランジ角度θ1が30°以上70°以下であり、
前記フェース中心基準断面において、前記第1交点P1から前記フェースバック方向に離れた前記クラウン面の箇所にソール側変曲点H1が形成され、
前記フェース中心基準断面において前記ソール側変曲点H1を含む前記ソール面の部分の曲率半径を前記ソール側変曲点H1の曲率半径としたとき、
前記ソール側変曲点H1の曲率半径は、前記第1交点P1と前記ソール側変曲点H1との間に位置する前記ソール面の曲率半径よりも小さい値であり、
前記第1境界点K1と前記ソール側変曲点H1とを前記水平面に投影したときの前記第1境界点K1から前記ソール側変曲点H1までの距離D1は3mm以上20mm以下であり、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記ソール側変曲点H1を含み前記水平面と平行する平面上で前記ソール側変曲点H1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記ソール面との交点を第2交点P2とし、
前記ソール側変曲点H1と前記第2交点P2とを結ぶ直線と前記水平面とがなす角度をソール側変曲点角度θ2としたとき、
前記ソール側変曲点角度θ2は1°以上15°以下であり、
前記基準状態で、前記フェース基準中心断面において、前記ソール側変曲点H1を含み前記水平面と平行する平面上で前記ソール側変曲点H1から前記フェース部方向に1mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記ソール面との交点を第3交点P3としたとき、
前記第3交点P3の曲率半径RBに対する前記ソール側変曲点H1の曲率半径RAの比RA/RBが0.04以上0.8以下である、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ソール側変曲点H1はトウヒール方向に沿って連続して形成され、かつ、それら連続して形成された変曲点を結ぶ仮想線Lv1は前記フェース面の下端と前記ソール面の前端との境界線とほぼ平行に延在しており、
前記基準状態で、前記ヘッド本体を前記フェース面の前方から見たとき前記水平面に対して22.23mm上方に位置するヒール側の箇所から最もトウ側に位置する端部までの距離を前記水平面に投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さHLとしたとき、
前記基準状態で、前記ヘッド本体を平面視したときに、前記仮想線は前記フェース中心基準断面と交差し、かつ、前記仮想線を前記水平面に投影した前記仮想線Lv1の寸法D2は、前記ヘッド長さHLの20%以上である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記ソール側変曲点H1を含み前記水平面と平行する平面上で前記ソール側変曲点H1からフェースバック方向に10mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記ソール面との交点を第4交点P4としたとき、
前記第1境界点K1から前記ソール側変曲点H1までの前記ソール部の前記フェース中心基準断面に沿った長さで重み付けされた前記ソール部の肉厚の加重平均値Δd1が、前記ソール側変曲点H1から前記第4交点P4までの前記ソール部の前記フェース中心基準断面に沿った長さで重み付けされた前記ソール部の肉厚の加重平均値よΔd2よりも小さい値である、
ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の上端とクラウン面の前端との境界点を第2境界点K2とし、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記第2境界点K2を含み前記水平面と平行する平面上で前記第2境界点K2からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記クラウン面との交点を第5交点P5とし、
前記第2境界点K2と前記第5交点P5とを結ぶ直線が前記水平面に対してなす角度をクラウン側フランジ角度θ3としたとき、
前記クラウン側フランジ角度θ3が15°以上50°以下であり、
前記フェース中心基準断面において、前記第5交点P5から前記フェースバック方向に離れた前記クラウン面の箇所にクラウン側変曲点H2が形成され、
前記フェース中心基準断面において前記クラウン側変曲点H2を含む前記クラウン面の部分の曲率半径を前記クラウン側変曲点H2の曲率半径としたとき、
前記クラウン側変曲点H2の曲率半径は、前記第5交点P5と前記クラウン側変曲点H2との間に位置する前記クラウン面の曲率半径よりも小さい値であり、
前記第2境界点K2と前記クラウン側変曲点H2とを前記水平面に投影したときの前記第2境界点K2から前記クラウン側変曲点H2までの距離D3は5mm以上20mm以下であり、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記クラウン側変曲点H2を含み前記水平面と平行する平面上で前記クラウン側変曲点H2からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記クラウン面との交点を第6交点P6とし、
前記クラウン側変曲点H2と前記第6交点P6とを結ぶ直線と前記水平面とがなす角度をクラウン側変曲点角度θ4としたとき、
前記クラウン側変曲点角度θ4は0°以上15°以下である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記ソール側フランジ角度θ1は前記クラウン側フランジ角度θ3よりも大きい、
ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の中心点から前記ソール部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し3つの測定点を通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点を1mmずつ前記ソール部に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定し、
前記測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点のうちの中間の測定点を下部フェース側第1規定点とし、
前記フェース側第1規定点よりも1mm前記中心点寄りの測定点を下部フェース側第2規定点とし、
前記フェース側第2規定点よりも1mm前記中心点寄りの測定点を下部フェース側第3規定点とし、
前記下部フェース側第1規定点、前記下部フェース側第2規定点、前記下部フェース側第3規定点を通る円弧を前記ソール部側に延長した曲線を第1規定線とし、
前記フェース中心基準断面において、前記ソール部から前記フェース部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し3つの測定点を通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点を1mmずつ前記フェース部に近づく方向に向かって 変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定し、
前記測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.4未満となったときに、3つの測定点のうちの中間の測定点をソール側第1規定点とし、
前記ソール側第1規定点よりも1mmフェースバック寄りの測定点をソール側第2規定点とし、
前記ソール側第2規定点よりも1mmフェースバック寄りの測定点をソール側第3規定点とし、
前記ソール側第1規定点、前記ソール側第2規定点、前記ソール側第3規定点を通る円弧を前記フェース部側に延長した曲線を第2規定線としたとき、
前記第1境界点K1は、前記第1規定線と前記第2規定線との交点である、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の中心点から前記クラウン部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し3つの測定点を通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点を1mmずつ前記クラウン部に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定し、
前記測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点のうちの中間の測定点を上部フェース側第1規定点とし、
前記フェース側第1規定点よりも1mm前記中心点寄りの測定点を上部フェース側第2規定点とし、
前記フェース側第2規定点よりも1mm前記中心点寄りの測定点を上部フェース側第3規定点とし、
前記上部フェース側第1規定点、前記上部フェース側第2規定点、前記上部フェース側第3規定点を通る円弧を前記クラウン部側に延長した曲線を第3規定線とし、
前記フェース中心基準断面において、前記クラウン部から前記フェース部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し3つの測定点を通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点を1mmずつ前記フェース部に近づく方向に向かって 変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定し、
前記測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.4未満となったときに、3つの測定点のうちの中間の測定点をクラウン側第1規定点とし、
前記クラウン側第1規定点よりも1mmフェースバック寄りの測定点をクラウン側第2規定点とし、
前記クラウン側第2規定点よりも1mmフェースバック寄りの測定点をクラウン側第3規定点とし、
前記クラウン側第1規定点、前記クラウン側第2規定点、前記クラウン側第3規定点を通る円弧を前記フェース部側に延長した曲線を第4規定線としたとき、
前記第2境界点K2は、前記第3規定線と前記第4規定線との交点である、
ことを特徴とする請求項4、請求項4を引用する請求項5、請求項4を引用する請求項6の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項記載のゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドでボールを打球した際のボールの初速を向上させると共に、高初速エリア(スイートエリア)を拡大させ、また、飛距離を改善するためには、フェース部のたわみ量を如何にして確保するかが重要である。
特許文献1には、フェース面とソール面とがなす角α及びフェース面とクラウン面とがなす角βを共に110°乃至150°とし、それら角αと角βとの差を10°以内とすることが開示されている。この従来技術によれば、フェース面にボールが衝突した際のフェース部の変形量(たわみ量)がクラウン部側とソール部側を均一とし、反発効率を向上させるようにしている。
また、特許文献2には、クラウン部のフランジ角度θ1を15°以上50°以下とし、フェース基準断面において、クラウン面の箇所にソール側変曲点H1を形成し、ソール側変曲点H1がトウヒール方向に連続することによりクラウン面上にトウヒール方向に延在する稜線を視認可能に形成することが開示されている。この従来技術によれば、打球時にソール側変曲点H1(稜線)を含むクラウン部の部分に応力が集中することでフェース部寄りのクラウン部の変形量を大きく確保でき、フェース部のたわみ量が増加することで、反発係数を向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-305522号公報
【特許文献2】特許6537562号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で一定の効果があるものの、さらなる初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利なゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の下端とソール面の前端との境界点を第1境界点K1とし、前記フェース中心基準断面において、前記第1境界点K1を含み前記水平面と平行する平面上で前記第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記ソール面との交点を第1交点P1とし、前記第1境界点K1と前記第1交点P1とを結ぶ直線が前記水平面に対してなす角度をソール側フランジ角度θ1としたとき、前記ソール側フランジ角度θ1が30°以上70°以下であり、前記フェース中心基準断面において、前記第1交点P1から前記フェースバック方向に離れた前記クラウン面の箇所にソール側変曲点H1が形成され、前記フェース中心基準断面において前記ソール側変曲点H1を含む前記ソール面の部分の曲率半径を前記ソール側変曲点H1の曲率半径としたとき、前記ソール側変曲点H1の曲率半径は、前記第1交点P1と前記ソール側変曲点H1との間に位置する前記ソール面の曲率半径よりも小さい値であり、前記第1境界点K1と前記ソール側変曲点H1とを前記水平面に投影したときの前記第1境界点K1から前記ソール側変曲点H1までの距離D1は3mm以上20mm以下であり、前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記ソール側変曲点H1を含み前記水平面と平行する平面上で前記ソール側変曲点H1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記ソール面との交点を第2交点P2とし、前記ソール側変曲点H1と前記第2交点P2とを結ぶ直線と前記水平面とがなす角度をソール側変曲点角度θ2としたとき、前記ソール側変曲点角度θ2は1°以上15°以下であり、前記基準状態で、前記フェース基準中心断面において、前記ソール側変曲点H1を含み前記水平面と平行する平面上で前記ソール側変曲点H1から前記フェース部方向に1mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記ソール面との交点を第3交点P3としたとき、前記第3交点P3の曲率半径RBに対する前記ソール側変曲点H1の曲率半径RAの比RA/RBが0.04以上0.8以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ソール側フランジ角度θ1を30°以上70°以下とし、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1交点P1からフェースバック方向に離れたソール面の箇所にソール側変曲点が形成され、ソール側変曲点の曲率半径RAを第1交点P1とソール側変曲点H1との間に位置するソール面の曲率半径よりも小さい値としたので、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が集中することでフェース部寄りのソール部の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図である。
【
図6】フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。
【
図7】フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。
【
図8】フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。
【
図9】フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。
【
図10】ゴルフクラブヘッドの重心点G0とフェース面上重心点FGとの関係を示すゴルフクラブヘッドの断面図である。
【
図11】フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図12】フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの断面図である。
【
図13】フェース面の中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。
【
図14】
図1の平面Xで破断したフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の下部およびソール部の前部を描いている。
【
図15】第1境界点K1を規定するための曲率半径Rの測定方法の説明図である。
【
図16】
図1の平面Xで破断したフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の上部およびクラウン部の前部を描いている。
【
図17】第2境界点K2を規定するための曲率半径Rの測定方法の説明図である。
【
図18】打球前後におけるゴルフクラブヘッドの形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の下部およびソール部の前部を描いており、(A)は一般的なゴルフクラブヘッド、(B)は本発明のゴルフクラブヘッドを示す。
【
図19】打球前後におけるゴルフクラブヘッドの形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の上部およびクラウン部の前部を描いており、(A)は一般的なゴルフクラブヘッド、(B)は本発明のゴルフクラブヘッドを示す。
【
図20】本発明が適用されたゴルフクラブヘッドのフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、(A)は打球前の状態を示し、(B)は打球後の状態を示す。
【
図21】条件1における実験例の評価結果を示す図である。
【
図22】条件2における実験例の評価結果を示す図である。
【
図23】条件3における実験例の評価結果を示す図である。
【
図24】条件4における実験例の評価結果を示す図である。
【
図25】条件5における実験例の評価結果を示す図である。
【
図26】条件6における実験例の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1~
図5に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッド(ドライバー)であり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14よりも小さい肉厚でフェース部14の上部から後方に延在している。
例えば、クラウン部16の肉厚は、0.4mm~1.2mmであり、フェース部14の肉厚は、2.0mm~4.5mmであり、ソール部18の肉厚は、0.6mm~1.5mmである。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28(
図14参照)とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した裏面がフェース裏面14Bとなっている(
図14参照)。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の中空部28に面した裏面がクラウン裏面16Bである(
図16参照)。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30にシャフトSが接続されることで本発明に係るゴルフクラブ100が構成される。
ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した裏面がソール裏面18Bとなっている(
図14参照)。
図中、符号19はリーディングエッジを示す。
【0009】
次に、フェース面14Aの中心点Pcの規定方法について説明する。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
【0010】
[A]フェース面14Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図6~
図9はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
【0011】
(1)まず、
図6に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面HP上にゴルフクラブヘッド10を載置する。このときのゴルフクラブヘッド10の状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
【0012】
(2)次にクラウン部16及びソール部18を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、
図6に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
【0013】
(3)次に
図7に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に
図8に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
【0014】
(5)次に
図9に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面14Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面14Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウヒール方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
【0015】
[B]フェース面14Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
【0016】
図10に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面14A上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面14Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面14A上重心点FGである。
ここで、
図11に示すように、重心点G0とフェース面14A上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
【0017】
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、
図12に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(
図12における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、
図11、
図12に示すように、フェース面14Aとして定義される。
【0018】
次に、
図13に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上(水平面HP)にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面14Aのトウ22側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール24側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
【0019】
次に、ゴルフクラブヘッド10の各部の規定について詳細に説明する。
図1~
図5に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。なお、以下では、ゴルフクラブヘッド10の基準状態を単に「基準状態」という。
図1、
図14に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行な任意の平面でヘッド本体12を破断した断面をフェース基準断面Pfとする。したがって、フェース基準断面Pfはフェース中心基準断面Pfcを含む。
【0020】
(第1境界点K1)
図14に示すように、第1境界点K1は、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの下端とソール面18Aの前端との境界点をいう。
本実施の形態では、第1境界点K1を以下の方法で規定する。
図15に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、中心点Pcからソール部18に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつソール部18に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを下部フェース側第1規定点A1とする。
下部フェース側第1規定点A1よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pを下部フェース側第2規定点A2とする。
下部フェース側第2規定点A2よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pを下部フェース側第3規定点A3とする。
下部フェース側第1規定点A1、下部フェース側第2規定点A2、下部フェース側第3規定点A3を通る円弧をソール部18側に延長した曲線(円弧)を第1規定線αとする。
なお、第1規定線αを規定する複数の測定点pのうち、下部フェース側第2規定点A2から最もフェース面14Aの中心点Pcに近い測定点pまでの第1規定線αに沿った距離は約3mm~15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッド10では、フェース中心基準断面Pfcにおいて、上記約3mm~15mmの範囲でフェース面14Aの曲率半径Rはほぼ一定である。
【0021】
フェース中心基準断面Pfcにおいて、ソール部18からフェース部14に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェース部14に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
なお、ソール部18の測定点pの始点は以下のように定めることが好ましい。
すなわち、フェース中心基準断面Pfcにおいて、下部フェース側第1規定点A1を含み水平面HPと平行する平面上で下部フェース側第1規定点A1からフェースバック26方向に30mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L10とソール面18Aとが交差する交点P10の箇所を始点とするか、あるいは、交点P10よりもフェース部14寄りの箇所をソール部18の測定点pの始点とする。
【0022】
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.4未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pをソール側第1規定点B1とする。
ソール側第1規定点B1よりも1mmフェースバック26寄りの測定点pをソール側第2規定点B2とする。
ソール側第2規定点B2よりも1mmフェースバック26寄りの測定点pをソール側第3規定点B3とする。
ソール側第1規定点B1、ソール側第2規定点B2、ソール側第3規定点B3を通る円弧をフェース部14側に延長した曲線(円弧)を第2規定線βとする。
なお、第2規定線βを規定する複数の測定点pのうち、ソール側第2規定点B2から最もフェース面14Aの中心点Pcから遠い測定点pまでの第2規定線βに沿った距離は約3~15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッド10では、フェース中心基準断面Pfcにおいて、上記約3mmから15mmの範囲でソール面18Aの曲率半径はほぼ一定である。
【0023】
上記の第1規定線αと第2規定線βとの交点を第1境界点K1とする。
したがって、
図15に示すように、第1境界点K1は、ゴルフクラブヘッド10の外面から外側に僅かに離れた箇所に位置している。
なお、
図3に示すように、基準状態で、ヘッド本体12を底面視したときに、フェース面14Aの下端とソール面18Aの前端との境界線Lfsが視認可能に形成される。
すなわち、フェース面14Aの下端とソール面18Aの前端との境界線Lfsは、下部フェース側第1規定点A1とソール側第1規定点B1との間の箇所に位置する。
【0024】
(第2境界点K2)
図16に示すように、第2境界点K2は、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界点をいう。
本実施の形態では、第2境界点K2も第1境界点K1と同様の方法で規定する。
すなわち、
図17に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、中心点Pcからクラウン部16に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつクラウン部16に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを上部フェース側第1規定点C1とする。
上部フェース側第1規定点C1よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pを上部フェース側第2規定点C2とする。
上部フェース側第2規定点C2よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pを上部フェース側第3規定点C3とする。
上部フェース側第1規定点C1、上部フェース側第2規定点C2、上部フェース側第3規定点C3を通る円弧をクラウン部16側に延長した曲線(円弧)を第3規定線γとする。
なお、第3規定線γを規定する複数の測定点pのうち、上部フェース側第2規定点C2から最もフェース面14Aの中心点Pcに近い測定点pまでの第3規定線γに沿った距離は約3mm~15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッド10では、フェース中心基準断面Pfcにおいて、上記約3mm~15mmの範囲でフェース面14Aの曲率半径Rはほぼ一定である。
【0025】
フェース中心基準断面Pfcにおいて、クラウン部16からフェース部14に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェース部14に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn-1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
なお、クラウン部16の測定点pの始点は以下のように定めることが好ましい。
すなわち、フェース中心基準断面Pfcにおいて、上部フェース側第1規定点C1を含み水平面HPと平行する平面上で上部フェース側第1規定点C1からフェースバック26方向に30mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L12とクラウン面16Aとが交差する交点P12の箇所を始点とするか、あるいは、交点P12よりもフェース部14寄りの箇所をクラウン部16の測定点pの始点とする。
【0026】
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn-1で除した値が0.4未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pをクラウン側第1規定点D1とする。
クラウン側第1規定点D1よりも1mmフェースバック26寄りの測定点pをクラウン側第2規定点D2とする。
クラウン側第2規定点D2よりも1mmフェースバック26寄りの測定点pをクラウン側第3規定点D3とする。
クラウン側第1規定点D1、クラウン側第2規定点D2、クラウン側第3規定点D3を通る円弧をフェース部14側に延長した曲線(円弧)を第4規定線δとする。
なお、第4規定線δを規定する複数の測定点pのうち、クラウン側第2規定点D2から最もフェース面14Aの中心点Pcから遠い測定点pまでの第4規定線δに沿った距離は約3~15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッド10では、フェース中心基準断面Pfcにおいて、上記約3mmから15mmの範囲でクラウン面16Aの曲率半径はほぼ一定である。
【0027】
上記の第3規定線γと第4規定線δとの交点を第2境界点K2とする。
したがって、
図17に示すように、第2境界点K2は、ゴルフクラブヘッド10の外面から外側に僅かに離れた箇所に位置している。
本実施の形態では、上述のような手順で第1境界点K1および第2境界点K2を規定したため、第1境界点K1および第2境界点K2を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
第1境界点K1および第2境界点K2を規定するための各曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、ゴルフクラブヘッド10をレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成して、曲率半径を測定するなどすればよい。
なお、
図4に示すように、基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界線Lfcが形成される。
すなわち、実際にゴルファーがアドレス時に認識するフェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界線Lfcは、上部フェース側第1規定点C1とクラウン側第1規定点D1との間の箇所に位置する。また、この境界線Lfcは、外観仕上げ、特にクラウン部16の塗装の位置によってその位置を変化させることが可能である。
【0028】
(ソール側フランジ角度θ1)
図14に示すように、基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1境界点K1を含み水平面HPと平行する平面HP′上で第1境界点K1からフェースバック26方向に5mm離れた点を通り水平面HP(HP′)と直交する直線L1とソール面18Aとの交点を第1交点P1とする。
ソール側フランジ角度θ1は、第1境界点K1と第1交点P1とを結ぶ直線L20が水平面HP(HP′)に対してなす角度である。
【0029】
(ソール側変曲点H1、曲率半径RA、仮想線Lv1)
図14に示すように、ソール側変曲点H1は、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1交点P1からフェースバック26方向に離れたソール面18Aの箇所に形成されている。
曲率半径RAは、フェース中心基準断面Pfcにおけるソール側変曲点H1の曲率半径であり、曲率半径RAは、第1交点P1とソール側変曲点H1との間に位置するソール面18Aの曲率半径よりも小さい値である。
ソール側変曲点H1はトウヒール方向に連続して形成され、
図3に示すように、基準状態で、ヘッド本体12を底面視したときに、それら連続して形成されたソール側変曲点H1を結ぶ仮想線Lv1は、フェース面14Aの下端とソール面18Aの前端との境界線Lfsとほぼ平行に延在している。
なお、ソール側変曲点H1の曲率半径RAが比較的小さい値の場合、ソール側変曲点H1がトウヒール方向に連続して形成されることで稜線がソール面18Aの箇所に視認可能に形成される。
また、ソール側変曲点H1の曲率半径RAが比較的大きい値の場合、ソール側変曲点H1がトウヒール方向に連続して形成されることで稜線は視認されないが、トウヒール方向に連続する緩やかな湾曲面がソール面18Aの箇所に形成される。
【0030】
(ソール側変曲点角度θ2)
図14に示すように、基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、ソール側変曲点H1を含み水平面HPと平行する平面HP″上でソール側変曲点H1からフェースバック26方向に5mm離れた点を通り水平面HP(HP″)と直交する直線L2とソール面18Aとの交点を第2交点P2としたとき、ソール側変曲点H1と第2交点P2とを結ぶ直線L22と水平面HP(HP″)とがなす角度をソール側変曲点角度θ2とする。
なお、ソール側変曲点角度θ2の正負は以下の通りとする。
直線L22がフェースバック26に至るにつれて平面HP″から下方に離間する傾斜となる場合にソール側変曲点角度θ2を正の値とする。
直線L22がフェースバック26に至るにつれて平面HP″から上方に離間する傾斜となる場合にソール側変曲点角度θ2を負の値とする。
【0031】
(曲率半径RB)
図14に示すように、基準状態で、フェース基準中心断面Pfcにおいて、ソール側変曲点H1を含み水平面HPと平行する平面HP″上でソール側変曲点H1からフェース部14方向に1mm離れた点を通り水平面HP(HP″)と直交する直線L3とソール面18Aとの交点を第3交点P3としたとき、第3交点P3の曲率半径を曲率半径RBとする。
【0032】
(クラウン側フランジ角度θ3)
図16に示すように、基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第2境界点K2を含み水平面HPと平行する平面HP1′上で第2境界点K2からフェースバック26方向に5mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L5とクラウン面16Aとの交点を第5交点P5とする。
クラウン側フランジ角度θ3は、第2境界点K2と第5交点P5とを結ぶ直線L30が水平面HP(HP1′)に対してなす角度である。
【0033】
(クラウン側変曲点H2、曲率半径RC、仮想線Lv2)
図16に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第5交点P5からフェースバック26方向に離れたクラウン面16Aの箇所にクラウン側変曲点H2が形成されている。
曲率半径RCは、フェース中心基準断面Pfcにおけるクラウン側変曲点H2の曲率半径であり、曲率半径RCは、第5交点P5とクラウン側変曲点H2との間に位置するクラウン面16Aの曲率半径よりも小さい値である。
クラウン側変曲点H2はトウヒール方向に連続して形成され、
図4に示すように、基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、それら連続して形成されたクラウン側変曲点H2を結ぶ仮想線Lv2は、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界線Lfcとほぼ平行に延在している。
なお、クラウン側変曲点H2の曲率半径RCが比較的小さい値の場合、クラウン側変曲点H2がトウヒール方向に連続して形成されることで稜線がクラウン面16Aの箇所に視認可能に形成される。
また、クラウン側変曲点H2の曲率半径RCが比較的大きい値の場合、クラウン側変曲点H2がトウヒール方向に連続して形成されることで稜線は視認されないが、トウヒール方向に連続する緩やかな湾曲面がクラウン面16Aの箇所に形成される。
【0034】
(クラウン側変曲点角度θ4)
図16に示すように、基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、クラウン側変曲点H2を含み水平面HPと平行する平面HP1″上でクラウン側変曲点H2からフェースバック26方向に5mm離れた点を通り水平面HP(HP1″)と直交する直線L6と、クラウン面16Aとの交点を第6交点P6とする。
クラウン側変曲点H2と第6交点P6とを結ぶ直線L32と水平面HP(HP1″)とがなす角度をクラウン側変曲点角度θ4とする。
なお、クラウン側変曲点角度θ4の正負は以下の通りとする。
直線L32がフェースバック26に至るにつれて平面HP1″から下方に離間する傾斜となる場合にクラウン側変曲点角度θ4を正の値とする。
直線L32がフェースバック26に至るにつれて平面HP1″から上方に離間する傾斜となる場合にクラウン側変曲点角度θ4を負の値とする。
【0035】
(ヘッド長さHL)
図1、
図4に示すように、基準状態で、ヘッド本体12をフェース面14Aの前方から見たとき水平面HPに対して22.23mm上方に位置するヒール24側の箇所から最もトウ22側に位置する端部までの距離を水平面HPに投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さHLとする。
【0036】
本実施の形態では、ソール側フランジ角度θ1を30°以上70°以下とし、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1交点P1からフェースバック26方向に離れたソール面18Aの箇所にソール側変曲点H1が形成され、ソール側変曲点H1の曲率半径RAを第1交点P1とソール側変曲点H1との間に位置するソール面18Aの曲率半径よりも小さい値とした。
なお、ソール側フランジ角度θ1と曲率半径RAは、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
ソール側フランジ角度θ1とソール側変曲点H1の曲率半径RAを上記規定範囲内とすることによって、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が集中することでフェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
ソール側フランジ角度θ1が30°未満であると、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する上で不利となり、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で不利となる。
ソール側フランジ角度θ1が70°より大きいと、ゴルフクラブヘッド10を正面視した場合にフェース部14寄りのソール部18の部分の面積が拡大することでフェース面14Aの面積が相対的に縮小するため、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で不利となる。
また、ソール側フランジ角度θ1を70°より大きく確保し、かつ、フェース面14Aの面積を大きく確保するようにヘッド本体12を構成すると、ゴルフクラブヘッド10を正面視した場合のゴルフクラブヘッド10の上下幅が広くなる、いわゆるディープフェースとなり、ボールを打ちにくくなることから初速が低下する不利がある。
さらに、フェース部14とソール部18の境界部が角張るので、耐久強度が低下する不利があり、打球時におけるフェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を確保する上で不利となり高初速エリアも狭くなる不利がある。
また、ソール側フランジ角度θ1が70°より大きいと、第1境界点K1に対応するヘッド本体12の部分(フェース面14Aとソール面18Aとの境目)の強度が低下するため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性が低下する。
なお、より好ましくはソール側フランジ角度θ1が40°以上60°以下であり、さらに好ましくはソール側フランジ角度θ1が45°以上55°以下である。
【0037】
また、本実施の形態では、
図14に示すように、基準状態で、第1境界点K1とソール側変曲点H1とを水平面HPに投影したときの第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1を3mm以上20mm以下とした。
なお、距離D1は、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
距離D1を上記規定範囲内とすることによって、打球時にソール側変曲点H1よりも前方に位置するソール部18の部分に応力が集中することでフェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
距離D1が3mm未満であると、第1境界点K1からソール側変曲点H1が近すぎるため、ソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する上で不利となる。
距離D1が20mmより大きいと、第1境界点K1からソール側変曲点H1が離れすぎているため、打球時にソール側変曲点H1よりも前方に位置する部分に加わる応力が低下しまうことから、ソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する上で不利となる。
なお、より好ましくは距離D1は5mm以上15mm以下である。
【0038】
また、本実施の形態では、ソール側変曲点角度θ2を1°以上15°以下とした。
なお、ソール側変曲点角度θ2は、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
ソール側変曲点角度θ2を上規定範囲内とすることによって、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が適度に集中することでフェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
ソール側変曲点角度θ2が1°未満であると、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する上で不利となる。
ソール側変曲点角度θ2が15°より大きいと、ヘッド本体12の部分(打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分)の強度が低下するため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が低下する。
【0039】
また、本実施の形態では、第3交点P3の曲率半径RBに対するソール側変曲点H1の曲率半径RAの比RA/RBを0.04以上0.8以下とした。
比RA/RBを上記規定範囲内とすることによって、打球時においてソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が集中しやすく、ソール部18の部分の変形量を確保する上で有利となり、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
比RA/RBが0.04未満だと、打球時においてソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が局所的に集中しやすく耐久性の向上を図る上で不利となる。
また、比RA/RBが0.8よりも大きいと、打球時においてソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に応力が集中しにくく、フェース部14のたわみ量が確保されず、反発係数を高くすることができず、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で不利となる。
【0040】
また、本実施の形態では、トウヒール方向に沿って連続して形成されたソール側変曲点H1を結ぶ仮想線Lv1はフェース面14Aの下端とソール面18Aの前端との境界線Lfsとほぼ平行に延在しており、基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、仮想線Lv1はフェース中心基準断面Pfcと交差し、かつ、仮想線Lv1を水平面HPに投影した仮想線Lv1の寸法D2は、ヘッド長さHLの20%以上とした。
寸法D2を上記規定範囲とすることによって、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に集中する応力を高め、ソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する上で有利となり、フェース部14寄りのソール部18の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上でより有利となる。
仮想線Lv1の寸法D2がヘッド長さHLの20%未満であると、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分に集中する応力を高める効果が低下し、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する効果が低下し、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が低下する。
なお、仮想線Lv1の寸法D2は、好ましくはヘッド長さHLの30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
【0041】
また、本実施の形態では、
図14に示すように、基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、ソール側変曲点H1を含み水平面HPと平行する平面HP″上でソール側変曲点H1からフェースバック26方向に10mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L4とソール面18Aとの交点を第4交点P4としたとき、第1境界点K1からソール側変曲点H1までのソール部18のフェース中心基準断面Pfcに沿った長さで重み付けされたソール部18の肉厚の加重平均値Δd1が、ソール側変曲点H1から第4交点P4までのソール部18のフェース中心基準断面Pfcに沿った長さで重み付けされたソール部18の肉厚の加重平均値Δd2よりも小さい値であるものとした。
なお、加重平均値Δd1、加重平均値Δd2は、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfcの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
加重平均値Δd1を加重平均値Δd2よりも小さな値とすることによって、第1境界点K1からソール側変曲点H1までのソール部18の部分の肉厚が、ソール側変曲点H1から第4交点P4までのソール部18の部分よりも肉厚よりも薄くなり、変形しやすいことになる。
そのため、打球時において、ソール側変曲点H1を含むソール部18の部分のうち、フェース部14寄りの部分が残りの部分よりも変形しやすくなり、フェース部14のソール部18寄りの部分のたわみ量を確保する上で有利となり、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する効果が向上し、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が向上する。
また、上記とは逆に、加重平均値Δd1が加重平均値Δd2よりも大きな値であると、打球時において、ソール側変曲点H1を含むソール部18の部分のうち、フェース部14寄りの部分が残りの部分よりも変形しにくく、フェース部14のソール部18寄りの部分のたわみ量を確保する効果が低下し、打球時にソール側変曲点H1を含むソール部18の部分の変形量を確保する効果が低下し、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が低下する。
なお、第1境界点K1からソール側変曲点H1までのソール部18の肉厚は、0.5mm~1.2mmであり、より好ましくは0.6mm~1.0mmである。
また、ソール側変曲点H1から第4交点P4までのソール部18の肉厚は、0.8mm~2.0mmであり、より好ましくは1.2mm~1.6mmである。
【0042】
また、本実施の形態では、クラウン側フランジ角度θ3が15°以上50°以下とし、クラウン側変曲点H2の曲率半径RCを、第4交点P4とクラウン側変曲点H2との間に位置するクラウン面16Aの曲率半径よりも小さい値とした。
なお、クラウン側フランジ角度θ3と曲率半径RCは、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
クラウン側フランジ角度θ3とクラウン側変曲点H2の曲率半径RCを上記規定範囲内とすることによって、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分に応力が集中することでフェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
クラウン側フランジ角度θ3が15°未満であると、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の変形量を確保する効果が低下するとなる。
クラウン側フランジ角度θ3が50°より大きいと、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の変形量が過剰に大きくなり、反発係数が低下し、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が低下する。
なお、より好ましくはクラウン側フランジ角度θ3が20°以上40°以下であり、さらに好ましくはクラウン側フランジ角度θ3が25°以上35°以下である。
【0043】
また、本実施の形態では、
図16に示すように、第2境界点K2とクラウン側変曲点H2とを水平面HPに投影したときの第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3を5mm以上20mm以下とした。
なお、距離D3は、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
距離D3を上記規定範囲内とすることによって、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分に応力が適度に集中することでフェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
距離D3が5mm未満であると、打球時に変形するクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の面積を十分に確保できないため、クラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の変形量を確保する効果が低下する。
距離D3が20mmより大きいと、打球時に変形するクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の面積が大きすぎるため、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分に加わる応力がクラウン側変曲点H2よりも後方(フェースバック26方向)のクラウン部16の箇所に逃げてしまうことから、クラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の変形量を確保する効果が低下する。
【0044】
また、本実施の形態では、クラウン側変曲点角度θ4を0°以上15°以下とした。
なお、クラウン側変曲点角度θ4は、フェース中心基準断面Pfcからのフェース基準断面Pfの距離によって厳密には僅かに変化し、言い換えると、一定の範囲内で変化する。
クラウン側変曲点角度θ4を上記規定範囲内とすることによって、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分に応力が適度に集中することでフェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保でき、これによりフェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすることができるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
クラウン側変曲点角度θ4が0°未満であると、打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分の変形量を確保する効果が低下する。
クラウン側変曲点角度θ4が15°より大きいと、ヘッド本体12の部分(打球時にクラウン側変曲点H2を含むクラウン部16の部分)の強度が低下するため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が低下する。
【0045】
一般的に、ソール面18Aとフェース面14Aとがなす角度である接続角度は鋭角であり、クラウン面16Aとフェース面14Aとがなす接続角度は鈍角である。
そのため、打球時において、ソール部18寄りのフェース部14の箇所に比較してクラウン部16寄りのフェース部14の箇所の方が変形しやすい。
本実施の形態では、ソール側フランジ角度θ1はクラウン側フランジ角θ3よりも大とした。
このようにソール側フランジ角度θ1>クラウン側フランジ角θ3とすると、打球時におけるクラウン部16のフェース部14寄りの部分の変形量が、ソール部18のフェース部14寄りの部分の変形量よりも過大となることを抑制できる。
言い換えると、打球時におけるクラウン部16のフェース部14寄りの部分の変形量とソール部18のフェース部14寄りの部分の変形量とのバランスを取ることができる。
そのため、クラウン部16のフェース部14寄りの部分の変形量が過大となることで生じるエネルギーロスを抑制することができ、これによりフェース部14の反発係数を向上する効果が向上し、また、打ち出し角を適切に維持することができ、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が向上する。
これに対して、ソール側フランジ角度θ1<クラウン側フランジ角θ3とすると、クラウン側フランジ角θ3が大きくなりすぎることから打球時にクラウン部16のフェース部14寄りの部分の変形量が過大となることからエネルギーロスが生じ、フェース部14の反発係数を向上する効果が低下し、また、打ち出し角が大きくなりすぎ、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る効果が低下する。
【0046】
図18は、打球前後におけるゴルフクラブヘッド10のフェース部14寄りのソール部18の部分形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、(A)は一般的なゴルフクラブヘッド10′を示し、(B)は本発明のゴルフクラブヘッド10を示す。
図18(A)、(B)において、実線が打球前の状態を示し、二点鎖線が打球後に変形した状態を示しており、二点鎖線は実際の変形量を拡大して示している。
また、Dx1、Dx2は、打球によってソール部18が変形した範囲を示す。
図18(A)、(B)から明らかなように、一般的なゴルフクラブヘッド10′の変形範囲Dx1に比較して、本発明のゴルフクラブヘッド10の変形範囲Dx2は狭い。
すなわち、打球時にソール側変曲点H1を含むフェース部14寄りのソール部18の部分に応力が集中する度合いが、一般的なゴルフクラブヘッド10′に比較して、本発明のゴルフクラブヘッド10の方がより大きい。
つまり、本発明のゴルフクラブヘッド10では、ソール部18のうちフェース部14寄りの狭い範囲に集中して変形が生じるので、その変形はフェース部14のたわみに寄与する度合いが高い。
これにより、フェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くでき高初速となる。さらにフェース面の変形端部がよりソール側に移行するので高初速エリアが広くなり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
【0047】
これに対して、一般的なゴルフクラブヘッド10′では、ソール部18のうちフェース部14寄りの部分に加えて、フェース部14からフェースバック26方向に離れたソール部18の部分にも変形が生じ、すなわち、広い範囲に変形が生じる。
したがって、フェース部14寄りのソール部18の変形はフェース部14のたわみに寄与するものの、フェース部14からフェースバック26方向に離れたソール部18の部分の変形はフェース部14のたわみにほとんど寄与しない。そのため、フェース部14のたわみ量は本発明に比較して小さく、初速、高初速エリア、飛距離は本発明に比較して小さいものとなる。
【0048】
図19は、打球前後におけるゴルフクラブヘッド10のフェース部14寄りのクラウン部16の部分形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、(A)は一般的なゴルフクラブヘッド10′を示し、(B)は本発明のゴルフクラブヘッド10を示す。
図19(A)、(B)において、実線が打球前の状態を示し、二点鎖線が打球後に変形した状態を示しており、二点鎖線は実際の変形量を拡大して示している。
また、Dy1、Dy2は、打球によってクラウン部16が変形した範囲を示す。
図19(A)、(B)から明らかなように、一般的なゴルフクラブヘッド10′の変形範囲Dy1に比較して、本発明のゴルフクラブヘッド10の変形範囲Dy2は狭い。
すなわち、打球時にソール側変曲点H1を含むフェース部14寄りのクラウン部16の部分に応力が集中する度合いが、一般的なゴルフクラブヘッド10′に比較して、本発明のゴルフクラブヘッド10の方がより大きい。
つまり、本発明のゴルフクラブヘッド10では、クラウン部16のうちフェース部14寄りの狭い範囲に集中して変形が生じるので、その変形はフェース部14のたわみに寄与する度合いが高い。
これにより、フェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くできるので、初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上で有利となる。
【0049】
これに対して、一般的なゴルフクラブヘッド10′では、クラウン部16のうちフェース部14寄りの部分に加えて、フェース部14からフェースバック26方向に離れたクラウン部16の部分にも変形が生じ、すなわち、広い範囲に変形が生じる。
したがって、フェース部14寄りのクラウン部16の変形はフェース部14のたわみに寄与するものの、フェース部14からフェースバック26方向に離れたクラウン部16の部分の変形はフェース部14のたわみにほとんど寄与しない。そのため、フェース部14のたわみ量は本発明に比較して小さく、初速、高初速エリア、飛距離は本発明に比較して小さいものとなる。
【0050】
打球時におけるソール部18、クラウン部16の変形についてさらに説明する。
図20(A)、(B)は打球前後における本発明のゴルフクラブヘッド10の形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、実際の変形量を拡大して示している。なお、
図20(B)の二点鎖線は打球前のゴルフクラブヘッド10の形状を示す。
図20(B)に示すように、ボールBの打球時におけるソール部18およびクラウン部16の変形は、フェース部14寄りに集中しており、フェース部14寄り以外のソール部18およびクラウン部16の変形は極めて少ないことがわかる。
このようにソール部18およびクラウン部16のうちフェース部14寄りの狭い範囲の変形量が大きいので、その変形はフェース部14のたわみに寄与する度合いが高くなる。
一方、ソール部18およびクラウン部16のうちフェース部14寄りの部分を除く部分は変形量が小さく、したがって、フェース部14のたわみに寄与する度合いが少ない無駄な変形が抑制され、フェース部14のたわみ量が増加し反発係数を高くでき、打ち出し角を大きくできるので高初速となる。さらに、フェース部14がたわむエリアが広くなり高初速エリアが広くなり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
なお、
図20に示した例では、ソール部18にソール側変曲点H1を設けると共に、クラウン部16にクラウン側変曲点H2を設けた場合について説明したが、ソール側変曲点H1のみを設けクラウン側変曲点H2を省略してもよい。ただし、
図20のようにソール側変曲点H1およびクラウン側変曲点H2の双方を設けるとフェース部14のたわみ量を確保し初速、高初速エリア、飛距離の向上を図る上でより一層有利となる。
【0051】
以下、本発明の実験例について説明する。
図21~
図26は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、以下の4つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、4つの指数の合計点を求めた。
【0052】
(1)初速
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い9打点における初速の平均値を指数で評価した。比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど初速が速く、評価が良いことを示す。
ヘッドスピード:40m/s
ボール:株式会社プロギア製プロギアTRスピン(商品名)
打点位置は、以下の合計9打点とし、各打点で5回ずつボールを打撃した。
フェース面14Aの中心点Pcと、中心点Pcを通りフェースセンターラインCLと直交する直線上で中心点Pcからトウ22方向に7mm離間した点と、ヒール24方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部16方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する上5mmライン上で、上記点からトウ22方向に7mm離間した点と、ヒール24方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからソール部18方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する下5mmライン上で、上記点からトウ22方向に7mm離間した点と、ヒール24方向に7mm離間した点の3打点。
【0053】
(2)高初速エリア(スイートエリア)
フェース面14Aの中心点Pcを中心に、トウヒール方向およびクラウンソール方向に等間隔をおいた45箇所を打点Piとして設定した。
専用のスイングロボットを用いて45の打点Piでゴルフクラブをスイングし、計測器によってゴルフボールの初速を計測した。ヘッドスピードは40m/sとした。
45打点の初速のデータを補間し、ゴルフボールの最大初速の98%以上となるフェース面14Aの高初速エリアの面積を指数化した。なお、中心点Pcより上打点(クラウン部16側)でのデータと、下打点(ソール部18側)でのデータは、ゴルファーの実使用打点位置に合わせて、上打点(クラウン部16側)でのデータの重み付けを重くした。
高初速エリアのデータは、実験例1のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0054】
(3)飛距離
初速の試験における上記打点位置での実打試験で得られた飛距離を測定した。
合計9打点の飛距離平均値を求め、比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど飛距離が長く、評価が良いことを示す。
【0055】
(4)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部14の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、比較例に相当する実験例のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
【0056】
(5)合計点
上述した初速、高初速エリア、飛距離、耐久性の4つの指数を合計したものを合計点とした。
比較例に相当する実験例の合計点を400とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
【0057】
以下実験例のゴルフクラブヘッド10について説明する。
なお、実験例で使用したゴルフクラブヘッド10は、ドライバーであり、各実験例で規定したパラメータを除き以下の条件を共通としている。
ヘッド本体12の材料:チタン合金 Ti-8Al-1Mo-1V
フェース部14の材料:Ti-6Al-4V
ロフト角 10.5°
ライ角 59°
ヘッド体積 460cc
【0058】
(条件1)
各実験例について、
図21に示すように、請求項1で規定する条件を変更した。
なお、請求項2~4で規定する条件は、以下に示すように一定条件とした。
また、請求項5で規定するソール側フランジ角θ1とクラウン側フランジ角θ3は後述する実験例2~5を除き以下に示すように一定条件とした。
請求項2で規定するソール側変曲点H1の仮想線Lv1を水平面HPへ投影した寸法D2はヘッド長さHLの85%とし、20%以上であるという規定を満たすものとした。
請求項3で規定するソール側変曲点H1よりも前方のソール部18の加重平均値Δd1とソール側変曲点H1よりも後方のソール部18の加重平均値Δd2については、Δd1/Δd2=1.0/1.4(mm)として、請求項3で規定するΔd1<Δd2を満たすものとした。
請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定を満たすものとした。
請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定を満たすものとした。
請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定を満たすものとした。
請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、実験例2~5を除きθ1-θ3=15°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たすものとした。
【0059】
実験例1は、比較例に相当するものであり、ソール側変曲点H1およびクラウン側変曲点H2を備えていない一般的なゴルフクラブヘッド10(ドライバー)である。
なお、図中符号「-」は該当する数値(条件)が存在しないことを示す。
【0060】
実験例2は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が28°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲を下回っている。
実験例2は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例2は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例2は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例2は、本発明の範囲外である。
なお、実験例2は、請求項5で規定するソール側フランジ角θ1>クラウン側フランジ角θ2を満たしておらず、θ1-θ2=-7.0°となっている。
【0061】
実験例3は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が72°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲を上回っている。
実験例3は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例3は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例3は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例3は、本発明の範囲外である。
なお、実験例3は、請求項5で規定するソール側フランジ角θ1>クラウン側フランジ角θ2を満たしているが、θ1-θ2=37.0°となっており、上述した一定条件15.0°と異なる値となっている。
【0062】
実験例4は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が32°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例4は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例4は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例4は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例4は本発明の範囲内である。
なお、実験例4は、請求項5で規定するソール側フランジ角θ1>クラウン側フランジ角θ2を満たしておらず、θ1-θ2=-3.0°となっている。
【0063】
実験例5は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が68°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例5は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例5は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例5は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例5は、本発明の範囲内である。
なお、実験例5は、請求項5で規定するソール側フランジ角θ1>クラウン側フランジ角θ2を満たしているが、θ1-θ2=33.0°となっており、上述した一定条件15.0°と異なる値となっている。
【0064】
実験例6は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例6は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が22mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲を上回っている。
実験例6は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例6は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例6は、本発明の範囲外である。
【0065】
実験例7は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例7は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が18mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例7は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例7は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例7は、本発明の範囲内である。
【0066】
実験例8は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例8は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例8は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が0.6°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲を下回っている。
実験例8は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例8は、本発明の範囲外である。
【0067】
実験例9は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例9は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例9は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が17°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲を上回っている。
実験例9は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例9は、本発明の範囲外である。
【0068】
実験例10は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例10は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例10は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が1.5°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
実験例10は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例10は、本発明の範囲内である。
【0069】
実験例11は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例11は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例11は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が14°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例11は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.4であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例11は、本発明の範囲内である。
【0070】
実験例12は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例12は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例12は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例12は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.6であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内である。
したがって、実験例12は、本発明の範囲内である。
【0071】
実験例13は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例13は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例13は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例13は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが1.0であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲外である。
したがって、実験例13は、本発明の範囲外である。
【0072】
実験例32は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例32は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例32は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例32は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.02であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲外である。
したがって、実験例32は、本発明の範囲外である。
【0073】
実験例33は、請求項1で規定するソール側フランジ角θ1が50°であり、30°≦θ1≦70°の規定範囲内である。
実験例33は、請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1が7mmであり、3mm≦θ1≦20mmの規定範囲内である。
実験例33は、請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2が7.2°であり、1°≦θ2≦15°の規定範囲内である。
実験例33は、請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBが0.7であり、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲無いである。
したがって、実験例33は、本発明の範囲内である。
【0074】
したがって、
図21に示すように、請求項1の規定を全て満たす実験例4、5、7,10,11,12、33は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が本発明の範囲外である実験例1、2、3、6、8、9、13、32を上回っている。
【0075】
(条件2)
各実験例について、
図22に示すように、請求項2で規定する条件を変更した。
なお、請求項1、3~5で規定する条件は、以下のように一定条件とした。
したがって、条件2の実験例14,15は全て請求項1の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
請求項1で規定するソール側フランジ角θ1は50°とし、30°≦θ1≦70°という規定範囲内とした。
請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1を7.0mmとし、3mm≦D1≦20mmの規定範囲内とした。
請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2を7.0°とし、1°≦θ2≦15°の規定範囲内とした。
請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBを0.4とし、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内とした。
請求項3、4については条件1と同一条件とし、請求項3,4の規定を満たすものとした。
請求項5についてはθ1-θ3=15°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たすものとした。
【0076】
図22に示すように、実験例14は、請求項2で規定するソール側変曲点H1の仮想線Lv1の寸法D2は、ヘッド長さHLの18%であり、20%以上の規定範囲を下回っており、請求項2の範囲外である。
実験例15は、請求項2で規定するソール側変曲点H1の仮想線Lv1の寸法D2は、ヘッド長さHLの22%であり、20%以上の規定範囲内であり、請求項2の規定を満たしている。
【0077】
したがって、
図22に示すように、請求項1~7の規定を全て満たす実験例15は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が本発明の範囲内であるが請求項2の規定を満たさない実験例14を上回っている。
【0078】
(条件3)
各実験例について、
図23に示すように、請求項3で規定する条件を変更した。
なお、請求項1、2、4、5で規定する条件は、以下のように条件1の場合と同じく一定条件とした。
したがって、条件3の実験例16は請求項1の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
請求項1で規定するソール側フランジ角θ1は50°とし、30°≦θ1≦70°という規定範囲内とした。
請求項1で規定する第1境界点K1からソール側変曲点H1までの距離D1を7.0mmとし、3mm≦D1≦20mmの規定範囲内とした。
請求項1で規定するソール側変曲点角度θ2を7.0°とし、1°≦θ2≦15°の規定範囲内とした。
請求項1で規定する曲率半径の比率RA/RBを0.4とし、0.04≦RA/RB≦0.8の規定範囲内とした。
請求項1、4、5については条件2と同一条件とし、請求項3,4の規定を満たすものとした。
請求項2については、請求項2で規定するソール側変曲点H1の仮想線Lv1の寸法D2は、ヘッド長さHLの85%であり、20%以上の規定範囲内とした。
【0079】
図23に示すように、実験例16は、請求項3で規定するソール側変曲点H1よりも前方のソール部18の加重平均値Δd1とソール側変曲点H1よりも後方のソール部18の加重平均値Δd2とが、Δd1/Δd2=1.4/1.0(mm)として、請求項3で規定するΔd1<Δd2を満たさないのとした。
図中、符号「○」で規定を満たすことを示し、符号「×」で規定を満たさないことを示しているす。
実験例7は、条件2(
図22)に記載していたものと同じであり、Δd1/Δd2=1.0/1.4(mm)として、請求項3で規定するΔd1<Δd2を満たしており、実験例15とΔd1/Δd2の値のみが相違しており、他の請求項1、2、4、5の条件は全て同一となっている。
【0080】
したがって、
図23に示すように、請求項1~7の規定を全て満たす実験例7は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が本発明の範囲内であるが請求項3の規定を満たさない実験例16を上回っている。
【0081】
(条件4)
各実験例について、
図24に示すように、請求項4で規定する条件を変更した。
なお、請求項1で規定する条件は、条件2の場合と同じく一定条件とした。
したがって、条件4の実験例17~26は全て請求項1の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
請求項2、3で規定する条件は、条件1の場合と同じく一定条件とした。
請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、実験例17~20を除いてθ1-θ3=15°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たすものとした。
【0082】
図24に示すように、実験例17は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を13°として15°≦θ3≦50°の規定範囲を下回るものとした。
実験例17は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
実験例17は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例17は請求項4の規定の一部を満たさないものである。
なお、実験例17は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=38°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たすものとした。
【0083】
実験例18は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を53°として15°≦θ3≦50°の規定範囲を上回るものとした。
また、実験例18は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
また、実験例18は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例18は請求項4の規定の一部を満たさないものである。
なお、実験例18は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=-3°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たさないものとした。
【0084】
実験例19は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を17°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
また、実験例19は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
また、実験例19は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例19は請求項4の規定を全て満たすものである。
なお、実験例19は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=33°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定を満たすものとした。
【0085】
実験例20は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を18°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
実験例20は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内した。
また、実験例20は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例20は請求項4の規定を全て満たすものである。
実験例20は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=2°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定範囲を満たすものとした。
【0086】
実験例21は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
また、実験例21は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は22mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲を上回ったものとした。
実験例21は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例20は請求項4の規定の一部を満たさないものである。
【0087】
実験例22は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
実験例22は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は18mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
実験例22は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例22は請求項4の規定を全て満たすものである。
【0088】
実験例23は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
実験例23は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
実験例23は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を-2.0°として0°以上15°以下の規定範囲を下回るものとした。
したがって、実験例23は請求項4の規定の一部を満たさないものである。
【0089】
実験例24は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
また、実験例24は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
また、実験例24は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を18°として0°以上15°以下の規定範囲を上回るものとした。
したがって、実験例24は請求項4の規定の一部を満たさないものである。
【0090】
実験例25は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
実験例25は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
実験例25は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を2.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例25は請求項4の規定を全て満たすものである。
【0091】
実験例26は、請求項4で規定するクラウン側フランジ角度θ3を35°として15°≦θ3≦50°の規定範囲内とした。
実験例26は、請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
実験例26は、請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を13.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
したがって、実験例26は請求項4の規定を全て満たすものである。
【0092】
したがって、
図24に示すように、請求項1、2、3、4の規定を全て満たす実験例19,20、22、25,26は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が本発明の範囲内であるが請求項4の規定を満たさない実験例17、18、21、23,24を上回っている。
【0093】
(条件5)
各実験例について、
図25に示すように、請求項5で規定する条件を変更した。
なお、請求項1で規定する条件は、条件2の場合と同じく一定条件とした。
したがって、条件5の実験例27、28は全て請求項1の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
請求項2、3で規定する条件は、条件1の場合と同じく一定条件とした。
請求項4で規定する条件のうちクラウン側フランジ角θ3を除いて、以下のように一定条件とした。
請求項4で規定する第2境界点K2からクラウン側変曲点H2までの距離D3は8.6mmとして5mm以上20mm以下という規定範囲内とした。
請求項4で規定するクラウン側変曲点角度θ4を7.0°として0°以上15°以下の規定範囲内とした。
【0094】
実験例27は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=35°-50°=-15°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定範囲を満たさないものとした。
したがって、実験例27は請求項5の規定を満たさないものである。
【0095】
実験例28は、請求項5で規定するソール側フランジ角度θ1とクラウン側フランジ角度θ3については、θ1-θ3=50°-35°=15°としてソール側フランジ角度θ1がクラウン側フランジ角度θ3よりも大きいという規定範囲を満たすものとした。
したがって、実験例28は請求項5の規定を満たすものである。
【0096】
したがって、
図25に示すように、請求項1、2、3、4、5の規定を全て満たす実験例28は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が本発明の範囲内であるが請求項5の規定を満たさない実験例27を上回っている。
【0097】
(条件6)
図26に示す実施例30,31は、請求項1~5で規定する条件を全て満たすものであり、請求項1~請求項5で規定する各数値を、上述した条件1~条件5に比較してより好適なものとした。
したがって、条件6の実験例30,31は全て請求項1の規定範囲内であり、本発明の範囲内である。
実施例30,31は、初速、高初速エリア、飛距離、耐久性、合計点が、請求項1~5で規定する条件を全て満たす他の実施例4、5,7、10、11、12、15,19,20,22、25,26,28を上回っている。
【0098】
また、本発明は、中空部28を有するドライバー、中空部28を有するフェアウェイウッド、中空部28を有するユーテリティなどの様々な中空部28を有するゴルフクラブヘッド10に適用されることは無論のことである。
さらに、本発明は、このようなゴルフクラブヘッド10を備えるゴルフクラブ100に適用される。
【符号の説明】
【0099】
100 ゴルフクラブ
10 ゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
16 クラウン部
16A クラウン面
18 ソール部
18A ソール面
19 リーディングエッジ
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
30 ホーゼル
HP 水平面
HP′、HP″、HP1′、HP1″ 平面
Pc フェース面の中心点
Pfc フェース中心基準断面
Pf フェース基準断面
P1 第1交点
P2 第2交点
P3 第3交点
P4 第4交点
K1 第1境界点
K2 第2境界点
H1 ソール側変曲点
Lv1 仮想線
H2 クラウン側変曲点
Lv2 仮想線
θ1 ソール側フランジ角度
θ2 ソール側変曲点角度
θ3 クラウン側フランジ角度
θ4 クラウン側フランジ角度
RA ソール側変曲点H1の曲率半径
RB 第3交点P3の曲率半径
RC クラウン側変曲点H2の曲率半径
HL ヘッド長さ