(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034410
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/30 20060101AFI20220224BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20220224BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20220224BHJP
G06F 11/14 20060101ALI20220224BHJP
G06F 1/28 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G06F1/30 305
G06F3/06 304Z
G06F13/10 340A
G06F11/14 641A
G06F1/28
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138188
(22)【出願日】2020-08-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 修
(72)【発明者】
【氏名】奈良岡 順
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011EA10
5B011EB07
5B011GG03
5B011JA06
(57)【要約】
【課題】データ保存機能の信頼性を向上できる端末装置を提供する。
【解決手段】端末装置10は、データ出力装置70から出力されたデータを媒体に書き込むストレージ30と、ストレージ30を制御する制御部20と、制御部20及びストレージ30に給電する第1電源部40とを備える。制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、ストレージ30にデータの書き込みを停止させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、
前記ストレージを制御する制御部と、
前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部と
を備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、端末装置。
【請求項2】
前記データを一時的に格納して前記ストレージに出力するメモリを更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記メモリに前記データの書き込みを停止させる、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる、請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記データ出力装置に給電する第2電源部を更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記第2電源部から前記データ出力装置への給電を停止する、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記データ出力装置としてのカメラから画像データを取得して録画するゲートウェイ端末として用いられる、請求項1から4までのいずれか一項に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像センサの画像データを取得するゲートウェイ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲートウェイ装置において、画像データに限られず種々のデータを保存する機能の信頼性の向上が求められる。
【0005】
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、データ保存機能の信頼性を向上できる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る端末装置は、データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、前記ストレージを制御する制御部と、前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部とを備える。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる。このようにすることで、ストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。
【0007】
一実施形態に係る端末装置は、前記データを一時的に格納して前記ストレージに出力するメモリを更に備えてよい。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記メモリに前記データの書き込みを停止させてよい。このようにすることで、メモリ又はストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。
【0008】
一実施形態に係る端末装置において、前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させてよい。このようにすることで、データ出力装置による無駄なデータの出力が減少する。その結果、端末装置の利便性が高まる。
【0009】
一実施形態に係る端末装置は、前記データ出力装置に給電する第2電源部を更に備えてよい。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記第2電源部から前記データ出力装置への給電を停止してよい。このようにすることで、データ出力装置に供給する無駄な電力が減少する。その結果、端末装置の利便性が高まる。
【0010】
一実施形態に係る端末装置は、前記データ出力装置としてのカメラから画像データを取得して録画するゲートウェイ端末として用いられてよい。このようにすることで、高い信頼性でデータを保存できる端末装置によって安定して画像が録画される。その結果、監視用途での利便性が高められる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、データ保存機能の信頼性を向上できる端末装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】一実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】端末装置の制御方法の手順例を示すフローチャートである。
【
図4】他の実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示に係る実施形態が、比較例と対比しながら説明される。
【0014】
(比較例)
図1に示されるように、比較例に係る端末装置90は、ストレージ93と、電源部94とを備える。ストレージ93は、データ出力装置97が出力するデータを取得して格納する。ストレージ93は、電源部94から供給される電力で動作する。電源部94が電力を供給できなくなった場合、ストレージ93は、動作を停止する。
【0015】
ストレージ93は、データ出力装置97から取得したデータを媒体に書き込む。ストレージ93は、例えば、磁気ディスク、又は、フラッシュメモリ等の媒体にデータを書き込む。ストレージ93がデータを媒体に書き込む動作を実行中に電源部94からの給電が止まる場合、ストレージ93が故障する可能性が高まる。ストレージ93が故障してしまった場合、電源部94からの給電が再開したとしても、ストレージ93は、データの書き込みを再開できない。その結果、端末装置90におけるデータ保存機能の信頼性が低下する。
【0016】
また、端末装置90がエッジコンピュータゲートウェイの用途に適用される場合、故障した端末装置90を修理してデータの書き込みを再開させることは困難である。その結果、端末装置90におけるデータ保存機能の信頼性が低下する。
【0017】
以上述べてきたように、比較例に係る端末装置90は、データ保存機能の信頼性に課題を有している。
【0018】
そこで、本開示は、データ保存機能の信頼性を向上できる端末装置10(
図2参照)を説明する。端末装置10は、エッジコンピュータゲートウェイの用途に適用されてよい。端末装置10は、IoT(Internet of Things)のゲートウェイ端末として用いられてよい。
【0019】
(本開示の一実施形態)
図2に示されるように、本開示の一実施形態に係る端末装置10は、制御部20と、ストレージ30と、第1電源部40とを備える。端末装置10は、データ出力装置70からデータを取得してストレージ30に格納する。
【0020】
(端末装置10の構成例)
以下、端末装置10の各構成の一例が説明される。
【0021】
<ストレージ30>
ストレージ30は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk drive)等として構成されてよい。ストレージ30は、磁気ディスク、フラッシュメモリ、又は、USB(Universal Serial Bus)メモリ若しくはSDカード等の媒体にデータを書き込むことよってデータを格納できる。ストレージ30に格納されたデータは、ネットワーク等を介した通信によって外部装置に出力されることによって利用され得る。ストレージ30に格納されたデータは、ユーザが媒体を取り出すことによって利用されてもよい。
【0022】
<制御部20>
制御部20は、ストレージ30にデータを取得させたりデータを書き込ませたりするように、ストレージ30を制御する。また、制御部20は、データ出力装置70にデータの出力を開始させたり停止させたりするように制御してもよい。
【0023】
制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成されてよい。制御部20は、プロセッサに所定のプログラムを実行させることによって所定の機能を実現してもよい。制御部20は、記憶部を備えてもよい。記憶部は、制御部20の動作に用いられる各種情報、又は、制御部20の機能を実現するためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、制御部20のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、制御部20に含まれてもよいし、制御部20と別体として構成されてもよい。
【0024】
<電源部>
第1電源部40は、制御部20及びストレージ30に電力を供給する。つまり、制御部20及びストレージ30は、第1電源部40から供給される電力で動作する。
【0025】
端末装置10は、必須ではないが、第2電源部60を更に備える。第2電源部60は、データ出力装置70に電力を供給する。第2電源部60は、制御部20によって、データ出力装置70に電力を供給するか制御される。つまり、制御部20は、第2電源部60からデータ出力装置70への給電を制御することによって、データ出力装置70の動作を制御できる。
【0026】
第1電源部40及び第2電源部60は、レギュレータ等を含んで構成されてよい。
【0027】
<データ出力装置70>
端末装置10に接続されるデータ出力装置70は、例えば、監視カメラ等のカメラを含んで構成されてよい。データ出力装置70は、カメラを含んで構成される場合、画像データを出力する。データ出力装置70は、例えば、温度センサ等のセンサを含んで構成されてよい。データ出力装置70は、センサを含んで構成される場合、センサの測定データを出力する。端末装置10は、データ出力装置70から出力される画像データ又は測定データ等のデータをストレージ30に格納する。
【0028】
(端末装置10の動作例)
以下、端末装置10の動作の一例が説明される。
【0029】
データ出力装置70は、端末装置10のストレージ30に対してデータを出力する。ストレージ30は、データ出力装置70からデータを取得する。ストレージ30は、取得したデータを媒体に書き込むことによってデータを格納する。ストレージ30は、データ出力装置70からデータを取得しない場合、媒体へのデータの書き込みを実行しない。
【0030】
第1電源部40からの給電が停止したり第1電源部40の出力電圧が低下したりした場合、ストレージ30は停止し得る。第1電源部40からの給電が所定時間以上にわたって停止することは、第1電源部40の停電とも称される。第1電源部40の出力電圧が所定値以下に低下することは、第1電源部40の電圧低下とも称される。
【0031】
ストレージ30がデータを媒体に書き込んでいる途中で停止してしまった場合、媒体が故障し得る。媒体に書き込まれているデータが読み取り不可能となり得る。媒体がフラッシュメモリ等のメモリである場合、メモリセルが故障し得る。媒体が磁気ディスクである場合、磁気ヘッド又は磁気記録面が故障し得る。
【0032】
第1電源部40の停電又は電圧低下が発生した場合でも、ストレージ30は、所定時間にわたって動作を継続し得る。端末装置10の制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生したことを検出した場合、所定時間内にストレージ30の書き込み動作を停止させる。このようにすることで、ストレージ30は、故障しにくくなる。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0033】
具体的には、制御部20は、第1電源部40が給電を継続しているか監視する。言い換えれば、制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下の少なくとも一方の発生を監視する。制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、ストレージ30が所定時間内に停止する可能性があると判定し、ストレージ30に書き込み動作を停止させる。
【0034】
ストレージ30は、データ出力装置70からデータを取得しない場合、データを書き込まない。したがって、制御部20は、ストレージ30におけるデータの書き込みを停止させるように、ストレージ30にデータの取得を停止させてよい。また、制御部20は、データ出力装置70にデータの出力を停止させてもよい。データ出力装置70にデータの出力を停止させることによって、無駄に出力されるデータが減少する。端末装置10が第2電源部60を備える場合、制御部20は、第2電源部60からデータ出力装置70への給電を停止させるように第2電源部60を制御することによって、データ出力装置70からのデータの出力を停止させてもよい。データ出力装置70への給電を停止することによって、無駄に消費される電力が減少する。その結果、端末装置10の利便性が高まる。
【0035】
制御部20は、第1電源部40から供給される電力で動作する。したがって、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生した場合、制御部20も停止し得る。制御部20は、制御部20自身が停止する前にストレージ30の書き込み動作を停止させることができるように、制御部20自身に給電するバックアップ電源を備えてもよい。ストレージ30は、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生してもストレージ30自身における書き込み動作を完了できるように、ストレージ30自身に給電するバックアップ電源を備えてもよい。
【0036】
端末装置10は、第1電源部40からの給電が再開した場合に、自動的に動作を再開させてもよい。制御部20は、第1電源部40からの給電が再開したか判定する。制御部20は、第1電源部40からの給電が再開したと判定した場合、ストレージ30に、データ出力装置70からのデータの取得を再開させてよいし、取得したデータの書き込みを再開させてよい。制御部20は、第1電源部40からの給電が再開したと判定した場合、データ出力装置70にデータの出力を再開させてよい。
【0037】
制御部20は、第1電源部40からの給電が再開した場合に自動的に起動するように構成されてよい。制御部20は、制御部20自身が起動したことによって第1電源部40からの給電が再開したと判定してよい。制御部20は、制御部20自身が起動した後に第1電源部40の出力電圧を検出することによって第1電源部40からの給電が再開したと判定してもよい。
【0038】
以上述べてきたように、本実施形態に係る端末装置10は、第1電源部40の停電又は電圧低下によってストレージ30が停止する前に媒体へのデータの書き込みを停止させることができる。このようにすることで、ストレージ30は、故障しにくくなる。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0039】
また、第1電源部40からの給電が再開した場合、端末装置10は、ストレージ30にデータの書き込みを再開させることができる。このようにすることで、端末装置10は、第1電源部40の停電又は電圧低下によって停止した状態から容易に動作を再開できる。端末装置10が容易に動作を再開できることによって、ストレージ30によって媒体にデータが格納されない期間が短縮され得る。つまり、媒体に保存されないデータが減少し得る。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0040】
<フローチャート>
端末装置10は、
図3に例示されるフローチャートの手順を含む制御方法を実行してもよい。制御方法は、制御部20を構成するプロセッサに実行させる制御プログラムとして実現されてもよい。制御プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0041】
端末装置10のストレージ30は、データ出力装置70から出力されるデータを取得する(ステップS1)。
【0042】
ストレージ30は、データを媒体に書き込む(ステップS2)。
【0043】
端末装置10の制御部20は、第1電源部40を監視し、第1電源部40の停電又は電圧低下の少なくとも一方が発生したか判定する(ステップS3)。
【0044】
制御部20は、第1電源部40の停電及び電圧低下が両方とも発生していない場合(ステップS3:NO)、ステップS1の手順に戻る。制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下の少なくとも一方が発生した場合(ステップS3:YES)、ストレージ30にデータの書き込みを停止させる(ステップS4)。具体的には、制御部20は、データ出力装置70からデータが出力されたかにかかわらず、ストレージ30に書き込みを停止させてよい。制御部20は、ストレージ30にデータの取得を停止させてもよい。制御部20は、データ出力装置70にデータの出力を停止させてもよい。
【0045】
制御部20は、第1電源部40からの給電が再開したか判定する(ステップS5)。制御部20は、第1電源部40からの給電が再開していない場合(ステップS5:NO)、ステップS5の手順を繰り返す。制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下によって動作を停止した場合、第1電源部40からの給電が再開することによって動作を再開できる。制御部20自身の動作が再開していない場合、制御部20は、第1電源部40からの給電が再開していないと判定したとみなされてよい。
【0046】
制御部20は、第1電源部40からの給電が再開した場合(ステップS5:YES)、ステップS1の手順に戻って、ストレージ30にデータの取得及び書き込みを再開させる。
【0047】
以上述べてきたように、本実施形態に係る端末装置10が実行する制御方法によれば、第1電源部40の停電又は電圧低下によってストレージ30が停止する前に媒体へのデータの書き込みが停止される。このようにすることで、ストレージ30は、故障しにくくなる。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0048】
また、第1電源部40からの給電が再開した場合に、ストレージ30におけるデータの書き込みが容易に再開され得る。データの書き込みが容易に再開されることによって、ストレージ30によって媒体にデータが格納されない期間が短縮され得る。つまり、媒体に保存されないデータが減少し得る。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0049】
(他の実施形態)
<メモリ50を備える構成例>
図4に示されるように、他の実施形態に係る端末装置10は、必須ではないが、メモリ50を更に備える。メモリ50は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はフラッシュメモリ等を含んで構成されてよい。
【0050】
メモリ50は、データ出力装置70が出力するデータを一時的に格納し、ストレージ30に出力する。ストレージ30は、メモリ50に一時的に格納されたデータを取得して媒体に書き込む。メモリ50は、第1電源部40から供給される電力で動作する。メモリ50は、制御部20によって制御される。
【0051】
第1電源部40の停電又は電圧低下が発生した場合、メモリ50は、停止し得る。メモリ50がデータをメモリセルに書き込んでいる途中で停止してしまった場合、メモリセルが故障し得る。メモリセルに書き込まれているデータが読み取り不可能となり得る。
【0052】
第1電源部40の停電又は電圧低下が発生した場合でも、メモリ50は、所定時間にわたって動作を継続し得る。端末装置10の制御部20は、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生したことを検出した場合、所定時間内にメモリ50の書き込み動作を停止させる。このようにすることで、メモリ50は、故障しにくくなる。また、メモリ50の書き込み動作が停止することによって、ストレージ30は、データを取得しなくなり、媒体へのデータの書き込み動作を停止する。このようにすることで、ストレージ30は、故障しにくくなる。その結果、端末装置10のデータ保存の信頼性が向上する。
【0053】
メモリ50は、データ出力装置70からデータを取得しない場合、データを書き込まない。したがって、制御部20は、メモリ50におけるデータの書き込みを停止させるように、メモリ50にデータの取得を停止させてよい。メモリ50は、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生してもメモリ50自身における書き込み動作を完了できるように、メモリ50自身に給電するバックアップ電源を備えてもよい。
【0054】
<制御部20によるデータの書き込み>
以上説明してきた実施形態において、ストレージ30は、ストレージ30自身によってデータ出力装置70からデータを取得して媒体に書き込む。他の実施形態として、制御部20は、データ出力装置70からデータを取得してストレージ30に出力することによって、ストレージ30の書き込み動作を制御してもよい。具体的には、制御部20は、データ出力装置70から取得したデータをストレージ30に出力しないことによって、ストレージ30の書き込み動作を停止させてもよい。端末装置10がメモリ50を備える場合、制御部20は、データ出力装置70からデータを取得してメモリ50に出力することによって、メモリ50の書き込み動作を制御してもよい。具体的には、制御部20は、データ出力装置70から取得したデータをメモリ50に出力しないことによって、メモリ50の書き込み動作を停止させてもよい。
【0055】
<他の構成例>
第1電源部40は、UPS(Uninterruptible Power Supply)を含んで構成されてもよい。第1電源部40がUPSを含む場合、第1電源部40の停電及び電圧低下は発生しにくくなる。しかし、UPSのバッテリの充電率がゼロになることによって、第1電源部40の停電又は電圧低下が発生し得る。端末装置10の制御部20は、UPSの充電率がゼロに近づいていることを検出してストレージ30又はメモリ50の書き込み動作を停止させてもよい。
【0056】
端末装置10は、データ出力装置70としてのカメラから画像を取得し、その画像をストレージ30に録画するゲートウェイ端末として用いられてもよい。このようにすることで、高い信頼性でデータを保存できる端末装置10によって安定して画像が録画される。その結果、監視用途での利便性が高められる。
【0057】
端末装置10は、バックアップ電源として、リチウムイオンキャパシタを備えてもよい。また、端末装置10は、リチウムイオンキャパシタから放電される電力の制御回路として、リチウムイオンキャパシタの端子電圧に基づいて電力の供給先の負荷を選択する回路を備えてもよい。例えば、放電電力の制御回路は、リチウムイオンキャパシタの端子電圧が所定値以上の場合、端末装置10全体に電力を供給してよい。放電電力の制御回路は、リチウムイオンキャパシタの端子電圧が所定値未満となった場合に、制御部20への給電を停止し、ストレージ30だけに給電を継続してよい。このようにすることで、ストレージ30がデータの書き込み中に停止しにくくなる。その結果、ストレージ30が故障しにくくなる。
【0058】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 端末装置
20 制御部
30 ストレージ
40 第1電源部
50 メモリ
60 第2電源部
70 データ出力装置
【手続補正書】
【提出日】2021-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、
前記ストレージを制御する制御部と、
前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部と
を備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方の発生の予兆を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、端末装置。
【請求項2】
前記第1電源部は、バッテリを含み、
前記制御部は、前記予兆として前記バッテリの充電率がゼロに近づいていることを検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる、請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、
前記ストレージを制御する制御部と、
前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部と
を備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる、端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記データ出力装置に給電する第2電源部を更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記第2電源部から前記データ出力装置への給電を停止する、請求項4又は5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記データを一時的に格納して前記ストレージに出力するメモリを更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記メモリに前記データの書き込みを停止させる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記データ出力装置としてのカメラから画像データを取得して録画するゲートウェイ端末として用いられる、請求項1から7までのいずれか一項に記載の端末装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
幾つかの実施形態に係る端末装置は、データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、前記ストレージを制御する制御部と、前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部とを備える。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方の発生の予兆を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる。このようにすることで、ストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。
幾つかの実施形態に係る端末装置は、データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、前記ストレージを制御する制御部と、前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部とを備える。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる。このようにすることで、ストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、
前記ストレージを制御する制御部と、
前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部と
を備え、
前記第1電源部は、バッテリを含み、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方の発生の予兆として前記バッテリの充電率がゼロに近づいていることを検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、
前記ストレージを制御する制御部と、
前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部と
を備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる、端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記データ出力装置に給電する第2電源部を更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記第2電源部から前記データ出力装置への給電を停止する、請求項3又は4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記データを一時的に格納して前記ストレージに出力するメモリを更に備え、
前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記メモリに前記データの書き込みを停止させる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記データ出力装置としてのカメラから画像データを取得して録画するゲートウェイ端末として用いられる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の端末装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
幾つかの実施形態に係る端末装置は、データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、前記ストレージを制御する制御部と、前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部とを備える。前記第1電源部は、バッテリを含む。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方の発生の予兆として前記バッテリの充電率がゼロに近づいていることを検出した場合、前記ストレージに前記データの書き込みを停止させる。このようにすることで、ストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。
幾つかの実施形態に係る端末装置は、データ出力装置から出力されたデータを媒体に書き込むストレージと、前記ストレージを制御する制御部と、前記制御部及び前記ストレージに給電する第1電源部とを備える。前記制御部は、前記第1電源部の停電又は電圧低下の少なくとも一方を検出した場合、前記データ出力装置に前記データの出力を停止させる。このようにすることで、ストレージが故障しにくくなる。その結果、端末装置のデータ保存の信頼性が向上する。