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特開2022-34496棒材連結具およびそのアタッチメント、金型および屋根構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034496
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】棒材連結具およびそのアタッチメント、金型および屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/08 20060101AFI20220224BHJP
   E04G 7/14 20060101ALI20220224BHJP
   E04G 7/16 20060101ALI20220224BHJP
   E04G 7/22 20060101ALI20220224BHJP
   E04G 21/28 20060101ALI20220224BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
E04G7/08 B
E04G7/14 B
E04G7/16 B
E04G7/22 C
E04G21/28 A
F16B7/04 302C
F16B7/04 302B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020197658
(22)【出願日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】P 2020138149
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520313345
【氏名又は名称】大嶋 奈穂子
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】大西 哲史
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA05
3J039AA09
3J039BB01
3J039FA01
3J039FA12
(57)【要約】
【課題】簡易かつ迅速に雨や日差しを避けるための屋根を構成する。
【解決手段】第1の棒材収容部(3a)、第2の棒材収容部(3b)および第3の棒材収容部(9)と、第2の棒材収容部(3b)の中心軸と第3の棒材収容部(9)の中心軸とが直交するように、第2の棒材収容部(3b)の側面と第3の棒材収容部(9)の側面とを連結する第1の連結具(7)と、第3の棒材収容部(9)の反対側の第2の棒材収容部(3b)の側面から第2の棒材収容部(3b)の開口する方向と同一の方向に延伸した位置で、第1の棒材収容部(3a)の中心軸と第2の棒材収容部(3b)の中心軸とが平行となると共に、第1の棒材収容部(3a)の開口する方向が第2の棒材収容部(3b)が開口する方向と逆方向となるように、第1の棒材収容部(3a)の側面と第2の棒材収容部(3b)の側面とを連結する第2の連結具(5)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棒材(11b)を連結する棒材連結具(1)であって、
中空の柱状に形成され、側面の一部が開口する第1の棒材収容部(3a、23a)および第2の棒材収容部(3b、23b)と、
複数の棒材収容部を連結する第1の連結具(7、27)および第2の連結具(5、25)と、を備え、
前記第2の連結具(5、25)は、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の中心軸と前記第2の棒材収容部(3b、23b)の中心軸とが平行となると共に、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の開口する方向が、前記第2の棒材収容部(3b、23b)の開口する方向と逆方向となるように、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の側面と前記第2の棒材収容部(3b、23b)の側面とを連結し、
前記第1の棒材収容部(3a、23a)および前記第2の棒材収容部(3b、23b)が、2本の第1の棒材(11b)を平行な状態で連結することを特徴とする棒材連結具。
【請求項2】
中空の柱状に形成され、側面の一部が開口する第3の棒材収容部(9)をさらに備え、
前記第1の連結具(7)は、前記第2の連結具(5)が設けられた側面とは反対側の前記第1の棒材収容部(3a)の側面に設けられ、前記第2の棒材収容部(3b)の中心軸と前記第3の棒材収容部(9)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(3b)の側面と前記第3の棒材収容部(9)の側面とを連結し、
前記第3の棒材収容部(9)が、1本の第2の棒材(13)を前記各第1の棒材(11b)と直交する状態で連結することを特徴とする請求項1記載の棒材連結具。
【請求項3】
前記第2の連結具(5)は、さらに、前記第2の棒材収容部(3b)の側面から前記第2の棒材収容部(3b)の開口する方向と同一方向に延伸した位置で、前記第1の棒材収容部(3a)の側面と前記第2の棒材収容部(3b)の側面とを連結することを特徴とする請求項1または請求項2記載の棒材連結具。
【請求項4】
前記第2の連結具(25)は、前記第1の棒材収容部(23a)の開口する一端と、前記第2の棒材収容部(23b)の開口する一端とを連結し、
前記第1の連結具(27)は、第1の貫通孔(29)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の棒材連結具。
【請求項5】
樹脂により一体成型されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の棒材連結具。
【請求項6】
前記第1の棒材収容部(3a、23a)、第2の棒材収容部(3b、23b)および第3の棒材収容部(9)の内側面に、ゴムからなる緩衝層(4a、4b、9a)が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項5記載のいずれかに記載の棒材連結具。
【請求項7】
前記第1の連結具(7)は、前記第2の棒材収容部(3b)の中心軸周りに回転可能であることを特徴とする請求項2記載の棒材連結具。
【請求項8】
請求項4記載の棒材連結具(1)のアタッチメント(100)であって、
一端が開口端であり他端が閉口端である中空の柱状に形成され、第4の棒材(33a)の端部を収容する第4の棒材収容部(31)と、
前記閉口端から前記第4の棒材とは反対の方向に延伸し、前記第4の棒材の中心軸と直交する方向に突出する係合突起(41)が設けられた第3の連結具(35)と、
前記第4の棒材収容部(31)の側面に設けられ、前記第4の棒材の側面に設けられた第4の棒材の係合突起(43)と係合する係合孔(43a、43b)と、を備え、
前記第3の連結具(35)に設けられた前記係合突起(41)が、前記第1の連結具(27)の第1の貫通孔(29)に係合することによって、前記第2の棒材収容部(23b)の中心軸と前記第4の棒材収容部(31)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(23b)と前記第4の棒材収容部(31)とが連結し、前記第4の棒材(33a)と前記各第1の棒材(11b)とが直交する状態で連結することを特徴とするアタッチメント。
【請求項9】
前記係合孔(43a、43b)は、円形または楕円形の貫通孔であり、前記第4の棒材の係合突起(43)が前記係合孔(43a、43b)に係合することを特徴とする請求項8記載のアタッチメント。
【請求項10】
請求項4記載の棒材連結具(1)のアタッチメント(101)であって、
一端が開口端であり他端が閉口端である中空の柱状に形成され、第5の棒材(33b)の端部の内側に嵌合する第5の棒材嵌合部(31a)と、
前記閉口端から前記第5の棒材(33b)とは反対の方向に延伸し、前記第5の棒材(33b)の中心軸と直交する方向に突出する係合突起(41)が設けられた第3の連結具(35)と、
前記第5の棒材嵌合部(31a)の側面に設けられ、前記第5の棒材(33b)の内側面を押圧する押圧部(44)と、を備え、
前記係合突起(41)が、前記第1の連結具(27)の第1の貫通孔(29)に係合することによって、前記第2の棒材収容部(23b)の中心軸と前記第5の棒材嵌合部(31a)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(23b)と前記第5の棒材嵌合部(31a)とが連結し、前記第5の棒材(33b)と前記各第1の棒材(11b)とが直交する状態で連結することを特徴とするアタッチメント。
【請求項11】
前記押圧部(44)は、凸状の係合爪で形成され、第5の棒材(33b)の内側面に設けられた第3の係止部(45)と係合することにより係止されることを特徴とする請求項8記載のアタッチメント。
【請求項12】
前記第1の連結具(27)は、前記係合突起(41)を中心軸として回転可能であることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のアタッチメント。
【請求項13】
前記第3の棒材収容部(9)は、
二つの円弧部(60a、60b)と、
前記各円弧部(60a、60b)の一端を軸支して開閉可能に連結するヒンジ機構(61)と、
前記各円弧部(60a、60b)のヒンジ機構(61)の反対側の端部にそれぞれ設けられた鈎型突起(63a、63b)と、
前記各円弧部(60a、60b)の内側に棒材(13)を押圧する複数の弾性体(65)と、を備え、
前記各円弧部(60a、60b)は、前記ヒンジ機構(61)と対峙する位置で前記各鈎型突起(63a、63b)によって係合することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の棒材連結具。
【請求項14】
前記第1および第2の棒材収容部(3a、3b、23a、23b)は、
前記棒材(11b)を挟持するよう閉状態に付勢する付勢手段(67)を備えた開閉軸(81)と、
一対の把持部(69)と、
前記第2の棒材収容部(3b、23b)の一方の把持部に設けられた第1の連結具(7、27)と、を備え、
前記開閉軸(81)を支点として、前記第1および第2の棒材収容部(3a、3b、23a、23b)が開閉することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の棒材連結具。
【請求項15】
前記第1の連結具(7、27)は、他方の把持部とは反対側に屈曲していることを特徴とする請求項14記載の棒材連結具。
【請求項16】
請求項2または請求項3記載の棒材連結具を樹脂により一体成型するための金型。
【請求項17】
鉛直方向と平行に設けられた複数の支柱(15)と、
前記支柱と直交するように連結した第2の棒材(13)と、
対向する一組の両端部に前記第1の棒材(11b)がそれぞれ設けられた矩形シート(11a)と、
前記第1の棒材(11b)および前記第2の棒材(13)を連結する請求項2から請求項7のいずれかに記載の複数の棒材連結具と、を備えることを特徴とする屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の第1の棒材および1本の第2の棒材を連結する棒材連結具およびそのアタッチメント、棒材連結具を製造するための金型および棒材連結具を用いた屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の棒材を連結するための連結具が提案されている。例えば、特許文献1に開示されている仮設建設の単管金具では、自在クランプや単管が差し込める外形のパイプを横方向単管、縦方向単管に対して、平面的な構成とし、従来の締め付けや押えつけ方式を改め、横方向単管に自在クランプを取り付け、自在クランプに溶接した単管が差し込める外形のパイプに縦方向単管を差し込み締め付け用ボルトで締め付ける構成が採られている。
【0003】
また、特許文献2に開示されている棒材連結具は、横断面が略S字形状で、二つの湾曲面部で2本の棒材の外周の約半周を抱持する中間抱持部材と、その中間抱持部材の各湾曲面部との間に棒材を挟んで相対峙し中間抱持部材と相互に結合される二つの側面抱持部材とで構成される。中間抱持部材と各側面抱持部材の一側縁が蟻継ぎにより連結され、他側縁は締結具としてのボルトで締結されて2本の棒材が連結される。
【0004】
また、特許文献3に開示されている伸縮式連結具は、パイプ材(例えば、足場を構成する縦支柱)の連結に用いる連結具であって、継手具と、当該継手具の長手方向の少なくとも一端側に長さ調整可能に設けられたパイプ保持具を備えている。継手具は内周に雌ねじを備えたパイプ材であり、パイプ保持具は、外周に継手具の雌ねじに螺合可能な雄ねじを有する軸部と、当該軸部の先端側に設けられた単クランプを備えている。この伸縮式連結具は、パイプ保持具の継手具へのねじ込み長を変えることによって、継手具からの突出長を調整して、全体の長さを所望長に伸縮させられる。また、この伸縮式連結具は、雄ねじを有する継手具と雌ねじを有するパイプ保持具を備えた構成とすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-309067号公報
【特許文献2】特開2009-024784号公報
【特許文献3】特開2020-007769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から、一般住宅等の小規模建築物の建築現場では、雨天の際には作業ができず、日程遅れが頻繁に発生している。また、日程が遅れることにより工程スケジュールの調整、日程を間に合わせるために追加人員の補充、施工に必要な足場等の部材の回転率の悪化などが発生し、著しい経済効果の低下を招いている。さらに、工程を間に合わせるために職人の休日労働、残業等が発生し、ライフワークバランスを保てなくなっている。このため、雨天であっても現場作業が継続できる仕組みが必要とされている。
【0007】
また、夏場の屋根における作業は、体感温度が50℃以上になり、長時間の作業は熱中症などの危険が伴う。このような危険を考慮すると、日中での長時間の作業は困難であり、作業効率が著しく低下する。このため、気温の下がる夕方から夜に作業を行なう場合があるが、暗くなることから危険性が高まると共に、作業員の身体的負担が高くなる。従って、雨対策だけではなく、昨今の気候の変化による夏場の高温、直射日光への対策も必要とされている。上述したように、従来から棒材を連結する連結具が提案されてきたが、構造が複雑で高価なる一方、壊れる場合があった。また、雨や日差しを避けるための仕組みを合わせた技術は十分に検討されていなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡易かつ迅速に雨や日差しを避けるための屋根を構成することができる棒材連結具およびそのアタッチメント、棒材連結具を製造するための金型および棒材連結具を用いた屋根構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の棒材連結具は、2本の第1の棒材(11b)および1本の第2の棒材(13)を連結する棒材連結具(1)であって、中空の柱状に形成され、側面の一部が開口する第1の棒材収容部(3a、23a)、第2の棒材収容部(3b、23b)および第3の棒材収容部(9)と、前記第2の棒材収容部(3b、23b)の中心軸と前記第3の棒材収容部(9)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(3b、23b)の側面と前記第3の棒材収容部(9)の側面とを連結する第1の連結具(7、27)と、前記第3の棒材収容部(9)の反対側の前記第2の棒材収容部(3b、23b)の側面から前記第2の棒材収容部(3b、23b)の開口する方向と同一の方向に延伸した位置で、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の中心軸と前記第2の棒材収容部(3b、23b)の中心軸とが平行となると共に、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の開口する方向が前記第2の棒材収容部(3b、23b)が開口する方向と逆方向となるように、前記第1の棒材収容部(3a、23a)の側面と前記第2の棒材収容部(3b、23b)の側面とを連結する第2の連結具(5、25)と、を備え、前記第1の棒材収容部(3a、23a)および前記第2の棒材収容部(3b、23b)が、2本の第1の棒材(11b)を平行な状態で連結すると共に、前記第3の棒材収容部(9)が、1本の第2の棒材(13)を前記各第1の棒材(11b)と直交する状態で連結することを特徴とする。
【0010】
(2)また、本発明の棒材連結具は、樹脂により一体成型されたことを特徴とする。
【0011】
(3)また、本発明の棒材連結具は、前記第1の棒材収容部(3a)、第2の棒材収容部(3b)および第3の棒材収容部(9)の内側面に、ゴムからなる緩衝層(4a、4b、9a)が設けられたことを特徴とする。
【0012】
(4)また、本発明の棒材連結具において、前記第1の連結具(7)は、前記第2の棒材収容部(3b)の中心軸周りに回転可能であることを特徴とする。
【0013】
(5)また、本発明の金型は、上記(1)または(2)記載の棒材連結具を樹脂により一体成型する。
【0014】
(6)また、本発明の屋根構造は、鉛直方向と平行に設けられた複数の支柱(15)と、前記支柱と直交するように連結した第2の棒材(13)と、対向する一組の両端部に前記第1の棒材(11b)がそれぞれ設けられた矩形シート(11a)と、前記第1の棒材(11b)および前記第2の棒材(13)を連結する上記(1)から(4)のいずれかに記載の複数の棒材連結具と、を備えることを特徴とする。
【0015】
(7)また、本発明の棒材連結具において、前記第2の連結具(25)は、前記第1の棒材収容部(23a)の開口する一端と、前記第2の棒材収容部(23b)の開口する一端とを連結し、前記第1の連結具(27)は、第1の貫通孔(29)が設けられていることを特徴とする。
【0016】
(8)また、本発明のアタッチメントは、上記(7)記載の棒材連結具(1)のアタッチメント(100)であって、一端が開口端であり他端が閉口端である中空の柱状に形成され、第4の棒材(33a)の端部を収容する第4の棒材収容部(31)と、前記閉口端から前記第4の棒材とは反対の方向に延伸し、前記第4の棒材の中心軸と直交する方向に突出する係合突起(41)が設けられた第3の連結具(35)と、前記第4の棒材収容部(31)の側面に設けられ、前記第4の棒材の側面に設けられた第4の棒材の係合突起(43)と係合する係合孔(43a、43b)と、を備え、前記第3の連結具に設けられた前記係合突起(41)が、前記第1の連結具(27)の第1の貫通孔(29)に係合することによって、前記第2の棒材収容部(23b)の中心軸と前記第4の棒材収容部(31)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(23b)と前記第4の棒材収容部(31)とが連結し、前記第4の棒材(33a)と前記各第1の棒材(11b)とが直交する状態で連結することを特徴とする。
【0017】
(9)また、本発明のアタッチメントにおいて、前記係合孔(43a、43b)は、円形または楕円形の貫通孔であり、前記第4の棒材の係合突起(43)が前記係合孔(43a、43b)に係合することを特徴とする。
【0018】
(10)また、本発明のアタッチメントは、上記(7)記載の棒材連結具(1)のアタッチメント(100)であって、一端が開口端であり他端が閉口端である中空の柱状に形成され、第5の棒材(33b)の端部の内側に嵌合する第5の棒材嵌合部(31a)と、前記閉口端から前記第5の棒材(33b)とは反対の方向に延伸し、前記第5の棒材(33b)の中心軸と直交する方向に突出する係合突起(41)が設けられた第3の連結具(35)と、前記第5の棒材嵌合部(31a)の側面に設けられ、前記第5の棒材(33b)の内側面を押圧する押圧部(44)と、を備え、前記係合突起(41)が、前記第1の連結具(27)の第1の貫通孔(29)に係合することによって、前記第2の棒材収容部(23b)の中心軸と前記第5の棒材嵌合部(31a)の中心軸とが直交するように、前記第2の棒材収容部(23b)と前記第5の棒材嵌合部(31a)とが連結し、前記第5の棒材(33b)と前記各第1の棒材(11b)とが直交する状態で連結することを特徴とする。
【0019】
(11)また、本発明のアタッチメントにおいて、前記押圧部(44)は、凸状の係合爪で形成され、第5の棒材(33b)の内側面に設けられた第3の係止部(45)と係合することにより係止されることを特徴とする。
【0020】
(12)また、本発明のアタッチメントにおいて、前記第1の連結具(27)は、前記係合突起(41)を中心軸として回転可能であることを特徴とする。
【0021】
(13)また、本発明の棒材連結具において、前記第3の棒材収容部(9)は、二つの円弧部(60a、60b)と、前記各円弧部(60a、60b)の一端を軸支して開閉可能に連結するヒンジ機構(61)と、前記各円弧部(60a、60b)のヒンジ機構(61)の反対側の端部にそれぞれ設けられた鈎型突起(63a、63b)と、前記各円弧部(60a、60b)の内側に棒材(13)を押圧する複数の弾性体(65)と、を備え、 前記各円弧部(60a、60b)は、前記ヒンジ機構(61)と対峙する位置で前記各鈎型突起(63a、63b)によって係合することを特徴とする。
【0022】
(14)また、本発明の棒材連結具において、前記第1および第2の棒材収容部(3a、3b、23a、23b)は、前記棒材(11b)を挟持するよう閉状態に付勢する付勢手段(67)を備えた開閉軸(81)と、一対の把持部(69)と、前記第2の棒材収容部(3b、23b)の一方の把持部に設けられた第1の連結具(7、27)と、を備え、前記開閉軸(81)を支点として、前記第1および第2の棒材収容部(3a、3b、23a、23b)が開閉することを特徴とする。
【0023】
(15)また、本発明の棒材連結具において、前記第1の連結具(7、27)は、他方の把持部とは反対側に屈曲していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、簡易かつ迅速に雨や日差しを避けるための屋根を構成することが可能となる。すなわち、既存の足場部材を利用できるので、専用の足場部材を作成する必要がなく、コストメリットが大きい。また、工具類を使用しないで取付けおよび取り外しが行なえるため、手間と時間が節約できる。矩形シート11aを前後、左右にオーバーラップさせて取付けができるので、矩形シートの合わせ目からの水漏れを防止できる。また、1種類の棒材連結具によって、単管の上方向、下方向のどちらにも取付けができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る棒材連結具の正面図である。
図2】本実施形態に係る棒材連結具の左側面図である。
図3】本実施形態に係る棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの軸方向から見た側面図である。
図5】本実施形態に係る棒材連結具1を2個用いて、それぞれの棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの軸方向から見た側面図である。
図6】建物Aの屋根の上方に、本実施形態に係る棒材連結具1を用いて、矩形シートを設けた一例を示す図である。
図7】建物Aの屋根の上方に、本実施形態に係る棒材連結具1を用いて、矩形シートを設けた一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る棒材連結具1、第1のアタッチメント(ビケ足場支柱用アタッチメント)100と第4の棒材(ビケ足場支柱)33aとを連結する様子を示す斜視図である。
図9】本実施形態に係る棒材連結具1、第2のアタッチメント(単管用アタッチメント)101と第5の棒材(単管支柱)33bとを連結する様子を示す斜視図である。
図10A】第1のアタッチメント100における係合孔の変形例を示す斜視図である。
図10B】第1のアタッチメントト100における係合孔の変形例を示す正面図である。
図10C図10Bの断面A-Aを示す図である。
図10D】第4の棒材33a収容時の第1のアタッチメントの動作の様子を示す図である。
図11A】第3の棒材収容部9の変形例の正面図である。
図11B】第3の棒材収容部9の変形例の斜視図である。
図12A】本実施形態に係る棒材連結具1を示す斜視図である。
図12B図12Aの棒材連結具の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、雨天や猛暑によって、現場作業が滞ることに着目し、棒材連結具を用いて現場に簡易かつ迅速に屋根を構成することによって、天候の影響を受けることなく作業の効率化を図り、また、現場作業員の安全を確保できることを見出し、本発明に至った。
【0027】
すなわち、本発明は、棒材連結具(1)によって、第1の棒材収容部(3a、23a)および第2の棒材収容部(3b、23b)が、2本の第1の棒材(11b)を平行な状態で連結すると共に、第3の棒材収容部(9)が、1本の第2の棒材(13)を各第1の棒材(11b)と直交する状態で連結することを特徴とする。
【0028】
これにより、本発明者らは、簡易かつ迅速に雨や日差しを避けるための屋根を構成することを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
[構成]
図1は、本実施形態に係る棒材連結具の正面図であり、図2は、本実施形態に係る棒材連結具の左側面図である。また、図3は、本実施形態に係る棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を示す斜視図であり、図4は、本実施形態に係る棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの軸方向から見た側面図である。図1から図4に示すように、棒材連結具1は、中空の円柱状に形成され、側面の一部が開口する第1の棒材収容部3a、第2の棒材収容部3bおよび第3の棒材収容部9を備えている。ここでは、円柱状に形成された例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、5角柱や6角柱などの多角柱であってもよい。各棒材収容部3a、3b、9は、図1および図2に示すように、円柱の側面が一部喪失しており、軸方向に垂直な断面の形状が略C字状となっている。
【0030】
第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの外径は同一であり、また、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの軸方向の長さ(円柱の高さ)は、第3の棒材収容部9の外径と概略同一に形成されている。すなわち、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bは、後述する矩形シート11aの両端に設けられたシート用棒材11bを収容するサイズを有する。また、第3の棒材収容部9は、後述する単管を収容するサイズを有する。また、図2に示すように、第3の棒材収容部9の軸方向の長さ(円柱の高さ)は、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの外径と同一である。
【0031】
第1の連結具7は、第2の棒材収容部3bの中心軸と第3の棒材収容部9の中心軸とが直交するように、第2の棒材収容部3bの側面と第3の棒材収容部9の側面とを連結する。ここでは、第2の棒材収容部3bの側面と第3の棒材収容部9の側面とを固着する例を示しているが、本発明は、これに限定されず、第1の連結具7は、第2の棒材収容部3bの中心軸周りに回転可能となるように構成されてもよい。これにより、単管との交差関係を柔軟に定めることが可能となる。
【0032】
第2の連結具5は、第3の棒材収容部9の反対側の第2の棒材収容部3bの側面に設けられ、その位置から第2の棒材収容部3bの開口する方向と同一の方向に延伸した位置において、第1の棒材収容部3aを連結させる。ここで、第2の連結具5は、第1の棒材収容部3aの中心軸と第2の棒材収容部3bの中心軸とが平行となると共に、第1の棒材収容部3aの開口する方向が第2の棒材収容部3bが開口する方向と逆方向となるように、第1の棒材収容部3aの側面と第2の棒材収容部3bの側面とを連結する。
【0033】
図2に示すように、第2の連結具5は、第1の棒材収容部3aの中心軸と、第2の棒材収容部3bの中心軸とが距離dだけ離れるように、両者を連結する。距離dは、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの外径と同一の距離である。このような位置関係で両者を連結することにより、第2の棒材収容部3bが単管側(内側)でシート用棒材11bを収容すると共に、第1の棒材収容部3aが単管と反対側(外側)でシート用棒材11bを収容することとなって、図4に示すように、各矩形シート11aの端部同士がオーバーラップすることとなる。なお、図3に示すように、第1の棒材収容部3a、第2の棒材収容部3bおよび第3の棒材収容部9の内側面に、ゴムからなる緩衝層(4a、4b、9a)を設けることもできる。これにより、棒材連結具1と各棒材とを密着させ、外れにくくすることが可能となる。
【0034】
図11Aは、第3の棒材収容部9の変形例の正面図であり、図11Bは、第3の棒材収容部9の変形例の斜視図である。図11Aおよび図11Bに示すように、第3の棒材収容部9は、二つの円弧部60a、60bと、各円弧部60a、60bの一端を軸支して開閉可能に連結するヒンジ機構61と、各円弧部60a、60bのヒンジ機構61の反対側の端部にそれぞれ設けられた鈎型突起63a、63bと、各円弧部60a、60bの内側に棒材13を押圧する複数の弾性体65とを備えている。各円弧部60a、60bは、ヒンジ機構61と対峙する位置で各鈎型突起63a、63bによって係合する。
【0035】
各弾性体65は、樹脂で作製された樹脂バネであり、第2の棒材13を第3の棒材収容部9に収容すると、第2の棒材13は、各弾性体65により、第3の棒材収容部9にセンタリングされる。また、各弾性体65により、各円弧部60a、60bは、ヒンジ機構61を支点として開こうとする力が発生する。図11Aおよび図11Bに示す第3の棒材収容部9は、各弾性体65により発生した力を用いて、各鈎型突起63a、63bを係合し、内部に収容した第2の棒材を固定する。また、鈎型突起63bを第3の棒材収容部9の内側へ押すことにより、鈎型突起63aと鈎型突起63bとを係合が解除することができる。これにより、第2の棒材13を第3の棒材収容部9の中央に配置するとともに、第2の棒材13と第3の棒材収容部9とを密着させ、外れにくくすることが可能となる。
【0036】
図5は、本実施形態に係る棒材連結具1を2個用いて、それぞれの棒材連結具1が、2本のシート用棒材11bと1本の単管13とを連結する様子を、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの軸方向から見た側面図である。図5では、単管13に対し、紙面に向かって上側と下側に棒材連結具が設けられている。第2の連結具5が、第1の棒材収容部3aの中心軸と、第2の棒材収容部3bの中心軸とが距離dだけ離れるように、両者を連結することから、図5に示すように、2つの棒材連結具1を隣接させると、点対称の位置関係を有する。すなわち、紙面に対して上側の第1の棒材収容部3aの中心と紙面に対して下側の第2の棒材収容部3bの中心とが同一直線状に位置する。同様に、紙面に対して上側の第2の棒材収容部3bの中心と紙面に対して下側の第1の棒材収容部3aの中心とが同一直線状に位置する。これにより、矩形シート11aを無駄なく、かつ隙間なく、合理的に設けることが可能となる。
【0037】
このような棒材連結具1は、樹脂を材料とした一体成型で製造することが可能である。すなわち、金型に樹脂を流入させ、固めることで一体成型が可能である。樹脂製であることから、各棒材収容部は、棒材と連結する際に、開口が広がり、棒材に嵌合することとなる。これにより、工具が不要で、ワンタッチで各棒材を連結させることが可能となる。
【0038】
[使用例]
図6および図7は、建物Aの屋根の上方に、本実施形態に係る棒材連結具1を用いて、矩形シートを設けた一例を示す図である。図6では、図4に示した態様で、単管13とシート用棒材とを連結させ、矩形シート11aを設けた。また、図7では、図5に示した態様で、各矩形シート11aの端部が重なるように、矩形シート11aを設けた。このように、本発明では、建物Aの屋根に複数本渡した単管13に、樹脂製の棒材連結具1を用いて、矩形シート11aを取り付ける。屋根の大きさに応じて、矩形シート11aを縦横方向に並べて取り付ける。並べて取り付ける際は、矩形シート11aをオーバーラップさせて取り付けることにより、雨漏りを防止することが可能である。ここで、図5に示したように、縦方向に並べる際には、棒材連結具1を2つ用い、上下逆向きで使用する。これにより、ワンタッチで取付け、取り外しが可能となる。図7に示すように、各矩形シート11aに、風の通り道ができることから、テントが強風で吹き飛ばされるようなことを回避することが可能となる。
【0039】
(第2の実施形態)
本実施形態では、建築現場において設置されるビケ足場支柱33aや単管支柱33bなどの既存の支柱に取り付け可能な棒材連結具1とそのアタッチメント100、101について説明する。
【0040】
[棒材連結具]
図8は、本実施形態に係る棒材連結具1、第1のアタッチメント(ビケ足場支柱用アタッチメント)100と第4の棒材(ビケ足場支柱)33aとを連結する様子を示す斜視図である。図9は、本実施形態に係る棒材連結具1、第2のアタッチメント(単管用アタッチメント)101と第5の棒材(単管支柱)33bとを連結する様子を示す斜視図である。
【0041】
図8および図9に示すように、棒材連結具1は、中空の円柱状に形成され、側面の一部が開口する第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23bを備えている。ここでは、各棒材収容部は、円柱状に形成された例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、5角柱や6角柱などの多角柱であってもよい。図8および図9に示すように、第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23bは、円柱の側面が一部喪失しており、軸方向に垂直な断面の形状が略C字状となっている。
【0042】
第1の棒材収容部23aと第2の棒材収容部23bの外径は同一であり、また、第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23bの軸方向の長さ(円柱の高さ)は、後述する第1のアタッチメント100の第4の棒材収容部31および第2のアタッチメント101の第5の棒材嵌合部31aの外径と概略同一に形成されている。第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部3bは、第1の実施形態と同様、矩形シート11aの両端に設けられたシート用棒材11bを収容するサイズを有する。
【0043】
第1の連結具27は、第2の棒材収容部23bの側面に設けられており、第1の貫通孔29を有する。第2の棒材収容部23bの中心軸と、第4の棒材収容部31または第5の棒材嵌合部31aの中心軸とが直交するように、第1の連結具27に設けられた第1の貫通孔29と、第4の棒材収容部31または第5の棒材嵌合部31aに設けられた第3の連結具35に設けられた係合突起41とを係合させることにより、第2の棒材収容部23bと第4の棒材収容部31とを連結する。第1の連結具27は、第3の連結具35に設けられた係合突起41を中心軸として、回転可能となるように構成されていてもよい。これにより、ビケ足場支柱33aまたは単管支柱33bとの交差関係を柔軟に定めることが可能となる。
【0044】
第2の連結具25は、第4の棒材収容部31または第5の棒材嵌合部31aと連結される側面とは反対側の第2の棒材収容部23bの側面に設けられ、第1の棒材収容部23aの開口する一端と、第2の棒材収容部23bの開口する一端を連結する。ここで、第2の連結具25は、第1の棒材収容部23aの中心軸と第2の棒材収容部23bの中心軸とが平行となると共に、第1の棒材収容部23aの開口する方向が第2の棒材収容部23bが開口する方向と逆方向となるように、第1の棒材収容部23aの側面と第2の棒材収容部23bの側面とを連結する。
【0045】
また、第1の実施形態と同様、第2の連結具25は、第1の棒材収容部23aの中心軸と、第2の棒材収容部23bの中心軸とが距離dだけ離れるように、両者を連結する。距離dは、第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23bの外径と同一の距離である。このような位置関係で両者を連結することにより、各棒材収容部に、シート用棒材11bを収容した際に、各矩形シート11aの端部同士がオーバーラップすることとなる。なお、本実施形態においても、第1の棒材収容部23a、第2の棒材収容部23bの内側に、ゴムからなる緩衝層(4a、4b)を設けることもできる。これにより、棒材連結具1と各棒材とを密着させ、外れにくくすることが可能となる。
【0046】
[第1のアタッチメント(ビケ足場支柱用アタッチメント)]
次に、ビケ足場支柱に取り付けるビケ足場支柱用アタッチメントである第1のアタッチメント100について説明する。図8に示すように、第4の棒材(ビケ足場支柱)33aの一端の外径は、第4の棒材33aの他の内径と同一もしくはそれ以下であり、第4の棒材33aの側面に第4の棒材の係合突起43が設けられ、第4の棒材33aの他端の外側には係合孔(図示しない)が設けられている。ビケ足場支柱は、第4の棒材の係合突起43が係合孔に係合することにより、第4の棒材33aを垂直方向に連結して組み立てていく。以下に説明する第1のアタッチメント(ビケ足場支柱用アタッチメント)100は、上述したビケ足場支柱の構造を利用したものである。
【0047】
図8に示すように、第1のアタッチメント100は、一端が開口端であり、他端が閉口端である中空の円柱状に形成され、第4の棒材33aを収容する第4の棒材収容部31と、第3の連結具35と、第4の棒材収容部31の側面に設けられ、第4の棒材33aの外側に設けられた第4の棒材の係合突起43と係合する係合孔43aを備えている。第4の棒材収容部31の外径は、第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23b、第4の棒材33aの外径と概略同一に形成されている。第4の棒材収容部31は、第4の棒材33aを収容するサイズを有する。ここでは、第4の棒材収容部は、円柱状に形成された例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、5角柱や6角柱などの多角柱であってもよい。
【0048】
図8に示すように、第3の連結具35は、第4の棒材収容部31の閉口端から第4の棒材33aとは反対の方向に延伸し、第4の棒材33aの中心軸と直交する方向に突出する係合突起41を備えている。第3の連結具35に設けられた係合突起41が、第1の連結具27の第1の貫通孔29に係合することによって、第2の棒材収容部23bの中心軸と第4の棒材収容部31の中心軸とが直交するように、第2の棒材収容部23bと第4の棒材収容部31とが連結し、第4の棒材33aと各第1の棒材11bとが直交する状態で連結する。
【0049】
図8に示すように、係合孔43aは、第4の棒材収容部31の側面に、対峙する位置に2つ設けられ、第4の棒材33aの外側に設けられた第4の棒材の係合突起43と係合する。係合孔43aは、丸穴形状に形成された例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、後述する長孔形状であってもよい。
【0050】
図10Aは、第1のアタッチメントにおける係合孔の変形例を示す斜視図であり、図10Bは、第1のアタッチメントにおける係合孔の変形例を示す正面図であり、図10Cは、図10Bの断面A-Aを示す図であり、図10Dは、第4の棒材33a収容時の第1のアタッチメントの動作の様子を示す図である。図10Aから図10Dに示すように、第4の棒材収容部31の側面に設けられる係合孔43bは、長孔形状であってもよい。
【0051】
図10Cに示すように、各係合孔43bは、第4の棒材収容部31の側面に対峙する位置であって、第4の棒材収容部31の中心軸に対し垂直となる円周方向の概ね90°の大きさを有する。図10Dに示すように、係合孔43bの形状を長孔形状にすることによって、第1のアタッチメント100を、第4の棒材33aの中心軸に対し垂直となる円周方向に90°回転させることが可能となる。これにより、ほぼ全方位での取り付けが可能となる。
【0052】
[第2のアタッチメント(単管支柱用アタッチメント)]
次に、単管支柱に取り付ける単管支柱用アタッチメントである第2のアタッチメント101について説明する。図9に示すように、第5の棒材(単管支柱)33bの一端は、第5の棒材33bの内側面に第3の係止部45が設けられ、第5の棒材33bの他端は、外径が第5の棒材33bの他の内径と同一もしくはそれ以下であり、第5の棒材33bの側面に押圧部(図示しない)が設けられている。単管支柱は、第3の係止部と押圧部が係合することにより、第5の棒材33bを垂直方向に連結して組み立てていく。以下に説明する第2のアタッチメント101は、上述した単管支柱の構造を利用したものである。
【0053】
図9に示すように、第2のアタッチメント101は、一端が開口端であり、他端が閉口端である中空の円柱状に形成された、第5の棒材33bを収容する第5の棒材嵌合部31aと、第3の連結具35と、第5の棒材嵌合部31aの側面に設けられ、第5の棒材33bの内側面を押圧する押圧部44を備えている。第5の棒材嵌合部31aの外径は、第1の棒材収容部23aおよび第2の棒材収容部23b、第5の棒材33bの内径と概略同一に形成されている。第5の棒材嵌合部31aは、第5の棒材33bに嵌合するサイズを有する。ここでは、第5の棒材嵌合部31aは、円柱状に形成された例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではなく、5角柱や6角柱などの多角柱であってもよい。
【0054】
図9に示すように、第3の連結具35の構成は、第1のアタッチメント100と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
図9に示すように、押圧部44は、凸状の係合爪で形成され、第5の棒材嵌合部31aの側面に設けられ、第5の棒材33bの内側面に設けられた第3の係止部45と係合する。
【0056】
このような棒材連結具1、第1のアタッチメント、および第2のアタッチメントは、それぞれ樹脂を材料とした一体成型で製造することが可能である。すなわち、金型に樹脂を流入させ、固めることで一体成型が可能である。樹脂製であることから、各棒材収容部は、棒材と連結する際に、開口が広がり、棒材に嵌合することとなる。これにより、工具が不要で、ワンタッチで各棒材を連結させることが可能となる。
【0057】
[第3の実施形態]
図12Aは、本実施形態に係る棒材連結具を示す斜視図であり、図12Bは、図12Aの棒材連結具の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係る棒材連結具における第2の棒材連結具については、第2の実施形態に係る棒材連結具と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図12Aに示すように、棒材連結具は、第1の棒材収容部3a、23aおよび第2の棒材収容部3b、23bに、第1の棒材11bを挟持するよう閉状態に付勢する付勢手段67を備えた開閉軸81と、一対の把持部69と、第2の棒材収容部3b、23bの一方の把持部に設けられた第1の連結具7、27を、さらに備えている。開閉軸81を支点として、第1の棒材収容部3a、23aおよび第2の棒材収容部3b、23bが開閉する。本実施形態に係る棒材連結具は、樹脂で作製されており、付勢手段67は、C字型形状の板バネで構成されている。
【0059】
図12Bに示すように、第1の連結具7、27は、第1の連結具7、27が設けられた把持部69aと対となっている他方の把持部69とは反対側に屈曲していてもよい。図12Aおよび図12Bに示す棒材連結具は、図8に示すビケ足場支柱用のアタッチメント100や、図9に示す単管支柱用のアタッチメント101と連結することが可能である。
【0060】
[効果]
第1の実施形態から第3の実施形態に係る棒材連結具1によれば、矩形シート11aの取付けおよび取り外しに時間が掛からないため、人件費の節約につながる。また、取付け、取り外し作業が簡単であるため、狭く、危険な屋根の上でも安全に作業ができる。また、雨や日射の影響がなくなるので計画通りに作業ができ、足場等の回転が早くなり経済効果が上がる。さらに、計画通りに作業ができるので事業計画が立てやすく、日程を守るための追加人員が必要なくなり経済効果が向上する。ここで、矩形シート11aは防水の布材とし、この両端に、断面が円形のパイプフレームであるシート用棒材11bを設けているが、矩形シート11aの端部形状に、第1の棒材収容部3aおよび第2の棒材収容部3bの形状を適合させることによって、様々な防雨部材の取付けが可能となる。本実施形態に係る棒材連結具1は、建築現場を想定しているが、野外コンサートやキャンプでも利用可能である。また、取り付け形状を変更すれば利用範囲が拡大する。また、樹脂製であるため、量産が可能で単価を安くすることができ、その結果、広く普及することが見込まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…棒材連結具
3a、23a…第1の棒材収容部
3b、23b…第2の棒材収容部
4a、4b…内側面、緩衝層
5、25…第2の連結具
7、27…第1の連結具
9…第3の棒材収容部
9a…内側面、緩衝層
11a…矩形シート
11b…シート用棒材
13…単管
29…第1の貫通孔
31…第4の棒材収容部
31a…第5の棒材嵌合部
33a…第4の棒材、ビケ足場支柱
33b…第5の棒材、単管支柱
35…第3の連結具
41…係合突起
43…第4の棒材の係合突起
43a、43b…係合孔
44…押圧部
45…第3の係止部
60a、60b…円弧部
61…ヒンジ機構
63a、63b…鈎型突起
65…弾性体
67…付勢手段
69、69a…把持部
81…開閉軸
100…第1のアタッチメント
101…第2のアタッチメント
A…建物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B