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▶ ジーエヌ リザウンド エー/エスの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034523
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】聴覚装置用ソケットコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220224BHJP
   H04R 25/02 20060101ALI20220224BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
H04R25/00 A
H04R25/02 B
H04R1/10 104E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021116550
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】PA202070538
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラウリス イーデール キルヒホフ
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】任意の聴覚装置の耳掛けユニットおよび耳穴レシーバユニットを相互接続するための汎用の接続インターフェース(ソケットコネクタ)を提供する。
【解決手段】聴覚装置4は、耳掛け(Behind-The-Ear;BTE)ユニット6と、耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear;RIE)ユニット8と、を備えている。BTEユニットは、フレーム25を備えている。フレームは、BTEユニットの電子部品を備えている。RIEユニットは、RIEユニットとBTEユニットとの間の電気的接続を提供するプラグコネクタ12を備えている。ソケットコネクタ2は、BTEユニットのフレームに接続可能であり、プラグコネクタをフレームに着脱可能に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴覚装置用のソケットコネクタであって、
前記聴覚装置は、
耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットと、
耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットと、を備えており、
前記BTEユニットは、フレームを備えており、
前記フレームは、前記BTEユニットの電子部品を備えており、
前記RIEユニットは、プラグコネクタを備えており、
前記プラグコネクタは、前記RIEユニットと前記BTEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されており、
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットの前記フレームに接続可能であり、
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを前記フレームに着脱可能に接続するように構成されている、ソケットコネクタ。
【請求項2】
前記プラグコネクタは、ロッキング要素を備えており、
前記ソケットコネクタは、前記ロッキング要素と相互作用するように構成されており、
前記ロッキング要素は、前記プラグコネクタの少なくとも一部が前記ソケットコネクタ内に配置される場合、前記プラグコネクタを、前記ソケットコネクタに、または前記ソケットコネクタ内にロックするように構成されている、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
前記ソケットコネクタは、前記フレームに接続する/相互接続する/取り付ける/固定するための1つまたは複数の取り付け点を備えている、請求項1または2に記載のソケットコネクタ。
【請求項4】
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットのハウジングの穴に着脱可能に配置されるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項5】
前記ソケットコネクタは、
ベース要素と、
第1のシーリング要素または第2のシーリング要素のうちの少なくとも1つと、を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項6】
前記第1のシーリング要素は、前記ハウジングと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供するように構成されており、
前記第2のシーリング要素は、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供するように構成されている、請求項5に記載のソケットコネクタ。
【請求項7】
前記第1のシーリング要素および前記第2のシーリング要素は、前記ハウジングと前記シーリングソケットとの間、および前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供する1つのシーリング部品として一体化されている、請求項5または6に記載のソケットコネクタ。
【請求項8】
前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ベース要素に成形されている、請求項5から7のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項9】
前記ソケットコネクタの前記ベース要素は、
複数の内壁と、
複数の外壁と、を備えており、
前記ソケットコネクタの前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の内壁および前記複数の外壁のそれぞれに沿った円周方向のシーリングを提供するように構成されている、請求項5から8のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項10】
前記ソケットコネクタの前記ベース要素と、前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素のそれぞれは、異なる材料から作製されている、請求項5から9のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項11】
前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の内壁との間のシーリングは、前記第2のシーリング要素により提供され、
前記ハウジングと前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の外壁との間のシーリングは、前記第1のシーリング要素により提供される、請求項9または10に記載のソケットコネクタ。
【請求項12】
前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、シリコンといった熱可塑性エラストマーなどのエラストマーから作製されている、請求項5から11のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項13】
前記ベース要素は、繊維強化熱可塑性プラスチックなどのプラスチックから作製されている、請求項5から12のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項14】
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを備える複数の様々なRIEユニットと、および/または複数の様々なフレームと、および/または複数の様々なハウジングと適合するように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
【請求項15】
聴覚装置であって、
ソケットコネクタと、
耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットであって、前記BTEユニットがフレームを備えており、前記フレームが前記BTEユニットの電子部品を備えている、前記BTEユニットと、
耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットであって、前記RIEユニットがプラグコネクタを備えており、前記プラグコネクタが前記RIEユニットと前記BTEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されている、前記RIEユニットと、を備えており、
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットの前記フレームに接続可能であり、
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを前記フレームに着脱可能に接続するように構成されている、聴覚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴覚装置に関する。より具体的には、本開示は、聴覚装置用ソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
聴覚装置は、プラグ-ソケットコネクタによって接続され得る様々なモジュール/ユニットを備え得る。例えば、聴覚装置は、プラグ-ソケットコネクタにより、耳穴ユニット、典型的には耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットに接続することができる耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットを備え得る。聴覚装置が様々な部品を備えることにより、ユーザが聴覚装置を様々な部品に分解することが可能となり、その結果、例えば、ユーザは、必ずしも聴覚装置を完全に捨てる必要なく、特定の部品を洗浄し、または、部品を交換することができる。典型的には、RIEユニットは、1年または2年後に交換されてもよく、一方、BTEユニットは、より長期間にわたって使用されてもよい。
【0003】
しかしながら、様々な部品が適切におよび確実に互いに連結されていない場合や、BTEユニットおよびRIEユニットの内部の電子機器が、湿気や汚れ等の外部因子から隔離されていない場合、様々な部品を備える聴覚装置は、不具合を起こしやすくなるという問題がある。さらに、コネクタが例えばBTEユニットのハウジング内に実装される場合、各タイプまたは各ブランドまたは各世代の聴覚装置は、通常、新しい接続インターフェースを必要とする。
【0004】
BTEおよびRIEユニットを備える様々なタイプの聴覚装置での使用に適した汎用の接続インターフェースを備える改善された聴覚装置が必要とされている。さらに、少なくともRIEユニットを交換することができる聴覚装置が必要とされている。さらに、BTEユニットおよびRIEユニットの内部の電子機器が湿気や汚れ等の外部因子から保護されている聴覚機器が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、任意の聴覚装置のBTEユニットおよびRIEユニットを相互接続するための汎用の接続インターフェースを提供することである。
【0006】
本発明の実施形態の別の目的は、BTEユニットの内部に配置された電子部品および/またはRIEユニット上の電気インターフェースを外部因子から確実に保護する接続インターフェースを提供することである。
【0007】
本発明の実施形態のさらなる目的は、BTEユニットおよびRIEユニットのハウジングを容易に交換することができる接続インターフェースを提供することである。
【0008】
本発明の実施形態のさらなる目的は、BTEユニットのハウジングおよびRIEユニットのプラグコネクタの使用により、コストの低減を可能とする接続インターフェースを提供することである。
【0009】
また、本発明の実施形態のさらなる目的は、相互接続する接続インターフェースとBTEユニットのハウジングとの間のシーリング、および、相互接続する接続インターフェースと聴覚機器のBTEユニットおよびRIEユニットを接続するプラグコネクタとの間のシーリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、聴覚装置用ソケットコネクタが開示される。聴覚装置は、耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットと、耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットと、を備えている。BTEユニットは、フレームを備えており、フレームは、BTEユニットの電子部品を備えている。RIEユニットは、プラグコネクタを備えている。プラグコネクタは、BTEユニットとRIEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されている。ソケットコネクタは、BTEユニットのフレームに接続可能である。ソケットコネクタは、プラグコネクタをフレームに着脱可能に接続する/取り付けるように構成されている。
【0011】
ソケットコネクタは、RIEユニット、すなわちプラグコネクタを、BTEユニット、すなわちBTEユニットのフレームに機械的に接続する別個の部品/ユニットとして理解され得る。
【0012】
ソケットコネクタは、プラグコネクタをBTEユニットのフレームに着脱可能に接続する/取り付けるように構成されている。そのような構成は、様々な部品、すなわち、様々なRIEユニットおよび様々なフレームが広く使用され得るモジュール性を提供する。さらに、ソケットコネクタは、様々なタイプ、ブランド、世代の聴覚装置に使用され得る。
【0013】
聴覚装置は、ヘッドセットまたは補聴器であってもよい。聴覚装置は、BTEユニットと、RIEユニットと、を備えている。BTEユニットは、典型的には、レシーバを除いて、聴覚装置の電子機器の大部分を備えている。聴覚装置は、受信したオーディオ信号に基づいて1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を生成する第1の入力トランスデューサ、例えばマイクロフォンを備えていてもよい。オーディオ信号は、アナログ信号であってもよい。マイクロフォン出力信号は、デジタル信号であってもよい。従って、第1の入力トランスデューサ、例えばマイクロフォン、またはアナログデジタルコンバータは、アナログオーディオ信号をデジタルマイクロフォン出力信号に変換してもよい。全ての信号は、音信号、または音に関する情報を備える信号であってもよい。聴覚装置は、信号プロセッサを備えてもよい。1つまたは複数のマイクロフォン出力信号は、1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を処理するために、信号プロセッサに提供されてもよい。信号は、例えばユーザの聴覚障害を補償するように処理されてもよい。信号プロセッサは、修正された信号を提供してもよい。全てのこれらの部品は、BTEユニットのハウジングに含まれてもよい。聴覚装置は、レシーバ、または出力トランスデューサ、またはスピーカ、またはラウドスピーカを備えていてもよい。レシーバは、信号プロセッサの出力部に接続されてもよい。レシーバは、修正された信号をユーザの耳に出力してもよい。レシーバ、またはデジタルアナログコンバータは、プロセッサからの修正された信号であるデジタル信号をアナログ信号に変換してもよい。レシーバは、RIEユニットに含まれてもよい。RIEユニットは、追加のマイクロフォンおよび/または1つまたは複数のセンサ、例えば、1つまたは複数のバイオセンサを備えていてもよい。従って、追加のマイクロフォンおよび/またはスピーカおよび/または1つまたは複数のセンサは、BTEユニットではなくRIEユニットに配置されてもよい。聴覚装置は、2つ以上のマイクロフォンを備えていてもよく、BTEユニットは、少なくとも1つのマイクロフォンを備えていてもよく、RIEユニットも、少なくとも1つのマイクロフォンを備えていてもよい。
【0014】
聴覚装置信号プロセッサは、増幅器、コンプレッサ、および/またはノイズ低減システムなどの構成要素を備えていてもよい。信号プロセッサは、信号処理チップまたはプリント回路基板(PCB)に実装されていてもよい。聴覚装置は、さらに、出力信号を最適化するための補償フィルタなどのフィルタ機能を有していてもよい。
【0015】
聴覚装置は、電磁場の放射および受信のために、アンテナ、例えば、無線周波数(RF)アンテナまたは磁気誘導アンテナと相互接続された、無線データ通信用の無線通信ユニット、例えば、無線通信回路を備えていてもよい。無線またはトランシーバを含む無線通信ユニットは、1つまたは複数の外部装置、例えば、少なくとも1つのスマートフォン、少なくとも1つのタブレット、少なくとも1つのスパウスマイクロフォン(spouse microphone)、リモートコントロール、オーディオ試験装置などを含む、少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置を含む、1つまたは複数の外部電子装置と通信するために、または、いくつかの実施形態では、典型的にはバイノーラル聴覚装置システムで、別の聴覚装置、例えば、別の耳に配置される別の聴覚装置と通信するために、聴覚装置信号プロセッサおよびアンテナに接続されてもよい。
【0016】
聴覚装置は、任意の聴覚装置であってもよく、例えば聴覚装置の着用者の聴力損失を補償する任意の聴覚装置、または、着用者に音声を提供する任意の聴覚装置、またはノイズキャンセルを提供する聴覚装置、または耳鳴りの低減/マスキングを提供する聴覚装置であってもよい。当業者は、様々な種類の聴覚装置と、聴覚装置の着用者の耳の内部におよび/または聴覚装置の着用者の耳に聴覚装置を配置するための様々なオプションを十分理解している。
【0017】
例えば、聴覚装置は、カナルレシーバ(Receiver-In-Canal)(RIC)または耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIEまたはRITE)型の聴覚装置であってもよく、レシーバは、使用中に、例えば耳穴ユニットの一部として着用者の外耳道内などの耳内に配置され、一方、他の聴覚装置の部品、例えば、プロセッサ、無線通信ユニット、バッテリなどは、アセンブリとして提供され、耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットのハウジングに搭載される。プラグおよびソケットコネクタは、BTEユニットおよびRIEユニットを接続する。
【0018】
聴覚装置は、BTEユニットを備えている。BTEユニットは、ハウジングを備えていてもよく、フレームはハウジングに配置されている。フレームは、典型的には、BTEユニットの電子部品を支持する。フレームは、プリント回路基板(PCB)および/または他の電子部品を備えていてもよい。フレームは、通常、フレームが、その上に/その中に搭載された部品とともにハウジング内に挿入され得るように、設計されている。ソケットコネクタは、フレームに固定されてもよい。フレームは、2つの別個のユニット、すなわち、第1のフレームユニットと、第2のフレームユニットと、を備えていてもよい。ソケットコネクタおよび/または電子部品は、第1のフレームユニットおよび第2のフレームユニットの組み立て中に、フレームに/フレーム内に固定されてもよい。第1のフレームユニットおよび第2のフレームユニットは、第1のフレームユニットおよび第2のフレームユニットを互いに接続する/取り付けるための1つまたは複数の接続/取り付け手段を備えていてもよい。1つまたは複数の接続/取り付け手段は、スナップフィットによる接続であってもよい。代替的には、1つまたは複数の接続/取り付け手段は、機械的な接続/取り付け手段、例えば、ネジ、または非機械的な接続/取り付け手段、例えば、接着剤であってもよい。また、代替として、第1のフレームユニットおよび第2のフレームユニットは、BTEユニットのハウジングによりともに保持される。
【0019】
ハウジングは、BTEユニットの外側シェルを備え、様々な形状、様々な色、および/またはパターンを有していてもよい。当然ながら、フレームは、ハウジングの形状およびサイズに応じて(または、ハウジングは、フレームの形状およびサイズに応じて)様々な形状およびサイズをとってもよい。また、BTEユニットは、様々なタイプのバッテリに応じた大きさであってもよい。ハウジングは、底面を備える底部と、底部の反対側にあり、上面を備える上部と、を備えていてもよい。ハウジングは、前面を備える前部と、前部の反対側にあり、後面を備える後部と、を画定していてもよい。ハウジングは、任意のサイズ、形状、および/または色を有していてもよい。好ましくは、BTEユニットのハウジングは、細長い形状または長手形状または延在形状を有しており、例えば、上部および底部が前部および後部よりも長くまたは長く延びていてもよい。従って、ハウジングは、長手方向に延びていてもよい。ハウジングは、2つの別個のユニット、すなわち、上部ハウジングと底部ハウジングから構成されていてもよい。上部ハウジングは、上部と、任意に、後部および/または前部と、を少なくとも備えていてもよい。底部ハウジングは、底部と、任意に、後部および/または前部と、を少なくとも備えていてもよい。ハウジングは、ユーザの耳の後ろに装着されるように構成されていてもよく、ハウジングは、聴覚装置がユーザの耳の中または耳にその操作位置で装着されるときに、上部が略上側を向いており、底部が略下側を向くように、すなわちユーザの耳を向くように配向されてもよい。上部および底部は、聴覚装置がユーザの耳の中または耳にその操作位置で装着されるとき、略水平な部分であってもよい。前部および後部は、聴覚装置がユーザの耳の中または耳にその操作位置で装着されるとき、略垂直な部分であってもよい。上部ハウジングおよび底部ハウジングは、上部ハウジングおよび底部ハウジングを、互いにおよび/またはBTEユニットのフレームに接続する/取り付けるための1つまたは複数の接続/取り付け手段を備えていてもよい。1つまたは複数の接続/取り付け手段は、スナップフィットによる接続であってもよい。
【0020】
BTEユニットのハウジングは、プラスチック材料、例えば、展性または可撓性を有し、ハウジングに成形され得る任意の合成または半合成有機化合物から作製されてもよい。材料は、硬質材料であってもよく、軟質材料であってもよい。ハウジングは、導電性材料から作製されていてもよく、前記材料は、ハウジングの材料内を電流が流れることを可能としてもよい。ハウジングは、材料の混合物を備えていてもよく、例えば、ハウジングの1つまたは複数の部品またはセクションまたは要素が1つの材料から作製され得る一方で、ハウジングの他の1つまたは複数の部品またはセクションまたは要素が別の材料から作製されてもよい。ハウジングは、RIEユニットの少なくとも一部分のためのガイドを備えていてもよい。ガイドは、RIEユニットの少なくとも一部分、すなわちRIEユニットの電気ワイヤ/チューブを収容してもよい。RIEユニットの少なくとも一部分、すなわち、電気ワイヤ/チューブは、ガイド内にまたはガイド内部に設けられていてもよく、配置されていてもよい。ガイドは、RIEユニットの少なくとも一部分を案内、誘導、搬送、固定、保持等するように構成されていてもよい。
【0021】
聴覚装置は、RIEユニットを備えている。RIEユニットは、典型的には、イヤピースと、プラグコネクタと、プラグコネクタとイヤピースとを接続する電気ワイヤ/チューブと、を備えている。イヤピースは、耳穴ハウジングと、レシーバ、例えば、ユーザの耳内に設けられるように構成されたレシーバおよび/またはユーザの外耳道内に設けられるように構成されたレシーバと、オープンまたはクローズドームと、を備えていてもよい。ドームは、ユーザの耳内にイヤピースを正確に配置することをサポートしてもよい。RIEユニットは、マイクロフォン、レシーバ、1つまたは複数のセンサ、および/または他の電子機器を備えていてもよい。一部の電子部品は、イヤピース内に配置されていてもよい一方、他の電子部品は、プラグコネクタ内に配置されていてもよい。レシーバは、様々な電力強度、すなわち、低電力、中電力、または高電力を有していてもよい。電気ワイヤ/チューブは、RIEユニットのイヤピースに設けられた電子部品と、BTEユニットに設けられた電子部品を電気的に接続する。RIEユニット自体と同様に、電気ワイヤ/チューブも様々な長さを有していてもよい。
【0022】
聴覚装置は、RIEユニットの一部分を形成するプラグコネクタを備えている。プラグコネクタは、ソケットコネクタにより、BTEユニットのフレームに着脱可能に取り付けられるように構成されていてもよい。言い換えると、プラグコネクタは、ソケットコネクタに、そしてそれによりフレームに、着脱可能に取り付けられていてもよく、固定されていてもよく、搭載されていてもよく、しっかりと固定されていてもよく、または相互接続されていてもよい。プラグコネクタは、ソケットコネクタに、そしてそれによりフレームに、機械的に固定されていてもよい。プラグコネクタは、ソケットコネクタとの機械的固定を提供してもよい。プラグコネクタは、ソケットコネクタおよびフレームと係合していてもよく、または係合されていてもよい。ソケットコネクタは、プラグコネクタとともに、RIEユニットとBTEユニットとの間の接続インターフェースを提供するプラグ-ソケットコネクタを形成する。ソケットコネクタおよびプラグコネクタは、それらがハウジングの底部に現れるように、フレーム内に配置されていてもよい。代替的には、ソケットコネクタおよびプラグコネクタは、ハウジングの上部または前部または後部に配置されていてもよい。ソケットコネクタを配置するとき、通常、聴覚装置内の占有されていない空間が考慮される。
【0023】
プラグコネクタは、RIEユニットをBTEユニットに電気的に接続するように構成されている。プラグコネクタは、第1の電気接続インターフェースを備えていてもよく、BTEユニット、すなわち、フレームは、第2の電気接続インターフェースを備えていてもよい。第1および第2の電気接続インターフェースは、RIEユニットとBTEユニットとの間の、例えば、RIEユニットのプラグコネクタとBTEユニットのフレームとの間の電気的接続を提供するように構成されていてもよい。
【0024】
聴覚装置用ソケットコネクタは、プラグコネクタを含むRIEユニットおよび/またはBTEユニットのハウジングが聴覚装置の交換可能な部品であり得るという利点を提供する。すなわち、聴覚装置のユーザまたは聴覚ケア専門家は、BTEユニットのメインの電子機器を交換することなく、いつでもハウジングを交換することができる。ユーザはまた、ソケットコネクタからプラグコネクタを取り外すことにより、RIEユニットを交換することもできる。
【0025】
ソケットコネクタがプラグコネクタに着脱可能に接続されることは、プラグコネクタが、RIEユニットとともに、例えば、RIEユニットの1つまたは複数の部品の交換または洗浄のためにBTEユニットから意識的にまたは意図的に取り外され得るため、有利である。
【0026】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、プラグコネクタを備える複数の様々なRIEユニットと適合するように構成されていてもよい。様々なRIEユニットは、ソケットコネクタと機械的に接続するように構成された、同じ機械的な接続インターフェース、すなわちプラグコネクタを有していてもよい。プラグコネクタ内の電子機器および、プラグコネクタの電気接続インターフェース、例えば、第1の電気接続インターフェースは、異なっていてもよい。このような構成により、1つの汎用ソケットコネクタ/接続インターフェースを様々なRIEユニットと使用することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、プラグコネクタは、ロッキング要素を備えていてもよい。ソケットコネクタは、ロッキング要素と相互作用するように構成されていてもよい。ロッキング要素は、プラグコネクタの少なくとも一部分がソケットコネクタ内に配置される場合、プラグコネクタをソケットコネクタに、またはソケットコネクタ内にロックするように構成されていてもよい。ロッキング要素は、RIEユニットがBTEユニットにしっかりと取り付けられるという利点を有する。ロッキング要素は、例えば、プラグコネクタまたはソケットコネクタを壊すことなくソケットコネクタから取り外されるように、プラグコネクタをソケットコネクタから安全に取り外すことができるというさらなる利点を有する。典型的には、ユーザが力を入れてRIEユニットを引っ張るといった意図しない使用において、ロッキング要素がソケットコネクタを壊すことがないように、ロッキング要素の材料が選択される。このようなシナリオでは、新しいRIEユニットを挿入することができ、聴覚装置は、再び適切に動作するであろう。好ましくは、RIEユニットは、6Nを超える力、例えば10Nを超える力で引っ張られるとき、ソケットコネクタから解放される。聴覚装置が壊れず、聴覚装置を修理する必要がないという点で有利である。ロッキング要素は、欧州特許出願公開第3503587号に開示されているように、プラグコネクタ内に移動可能に配置された別個のデッドボルトであってもよい。デッドボルトは、射出成形を用いて、ソケットコネクタのベース要素に使用される熱可塑性材料よりも柔らかい熱可塑性材料、例えば、ポリオキシメチレン(POM)から作製されていてもよい。ソケットコネクタは、デッドボルトなどのロッキング要素を受け入れるように構成されたアンダーカットを備えていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、複数の様々なフレームと適合するように構成されていてもよい。フレームは、典型的には、ハウジングの形状およびサイズに合うBTEユニットの一部分である。当然ながら、フレームは、様々な形状およびサイズを有していてもよく、ソケットコネクタは、あらゆるバリエーションのフレームと適合するように構成され得る。様々なフレームは、ソケットコネクタと機械的に接続するように構成された同じ機械的な接続インターフェースを有していてもよい。このような構成により、1つの汎用ソケットコネクタ/接続インターフェースを、様々なフレームと、したがって様々なハウジングとともに使用することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、フレームに接続するための1つまたは複数の取り付け点を備えていてもよい。取り付け点は、ソケットコネクタをフレームに取り付ける、および/または相互接続する、および/または固定するように構成されていてもよい。取り付け点は、突起またはフックの形態であってもよい。ソケットコネクタの取り付け点は、フレームの内面に当接し、および/またはフレームのアンダーカット内に配置されていてもよい。取り付け点は、取り付けの強度を改善し、ソケットコネクタおよびフレームの両方の設計公差も改善する。
【0030】
BTEユニットがハウジングを備えているいくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、複数の様々なハウジングに適合するように構成されていてもよい。様々なハウジングは、ソケットコネクタを受け入れるように構成された同じインターフェースを有していてもよい。典型的には、ハウジング、すなわち外側シェルは、各聴覚装置に対して新しくなっている。1つの汎用ソケットコネクタ/接続インターフェースが様々なタイプの聴覚装置において使用可能となるため、様々なハウジングと適合するソケットコネクタを有することは有利である。
【0031】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、ハウジングの穴に着脱可能に配置される/受け入れられるように構成されていてもよい。ハウジングは、ハウジングがBTEユニットのフレームに取り付けられるとき、および/またはフレームの周りに取り付けられるとき、ソケットコネクタを配置する/受け入れるための穴を画定してもよい。ハウジングの穴は、ハウジングの底部に設けられてもよい。ソケットコネクタは、ハウジングに直接取り付けられていないという利点を有し、これにより、高品質の材料から作製される聴覚装置の全体、その電子機器、またはソケットコネクタを交換することなく、ハウジングを交換することができる。ハウジングの穴に受け入れられる/配置されるソケットコネクタは、さもなければBTEユニットのいくつかの電子部品のために確保されるであろう追加の空間を占有しないことがある。言い換えれば、ソケットコネクタが、プラグコネクタを取り付けるためにどのような場合でも存在するハウジングの穴に設けられるという点で有利である。
【0032】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、BTEユニットの電子部品およびプラグコネクタを腐食から保護するために、湿気および汚れに対してシーリングするように構成されていてもよい。すなわち、ソケットコネクタは、それ自体とプラグコネクタとの間、および、それ自体とBTEユニットのハウジングとの間のシーリングを提供する。本文脈では、シーリングという用語は、2つの部品(ソケットコネクタ-プラグコネクタ、およびソケットコネクタ-ハウジング)の間に何も通過しないようにブロックすることと解釈されるべきである。ソケットコネクタは、外部からの水、汗、塩などから守るように、第1および第2の接続インターフェースを含む電子部品をシーリングしてもよい。(ハウジングまたはプラグコネクタによるのではなく)ソケットコネクタによるシーリングを提供することにより、ハウジングおよびプラグコネクタは、より安価な部品として作製され得る。従って、プラグコネクタおよび様々なハウジングの製造は、単純化され、複雑さが減り、さらに、メンテナンスがより少なくて済むような、より簡単で安価な製造ツールが使用可能となる。さらに、様々なデザインを有する新しい製品およびハウジングもまた、より容易に、より安価に製造される。
【0033】
いくつかの実施形態では、ソケットコネクタは、ベース要素と、第1のシーリング要素または第2のシーリング要素の少なくとも1つと、を備えていてもよい。ベース要素は、ソケットコネクタの安定性、強度、剛性、および/または形状を提供してもよく、一方で、第1および/または第2のシーリング要素は、湿気および汚れに対するシーリングを提供してもよい。ベース要素および第1/第2のシーリング要素は、一体化された部品を形成してもよい。ベース部は、プラグコネクタをBTEユニットのフレームに着脱可能に接続するのに適した硬い部品であってもよい。本発明によれば、BTEハウジングおよびRIEユニットは、交換可能な部品であってもよく、一方で、フレームおよびソケットコネクタは、補聴器の交換可能な部品でなくてもよい。
【0034】
いくつかの実施態様では、第1のシーリング要素は、ハウジングとソケットコネクタ(例えばソケットコネクタのベース要素)との間のシーリングを提供するように構成されていてもよく、第2のシーリング要素は、プラグコネクタとソケットコネクタ(例えばソケットコネクタのベース要素)との間のシーリングを提供するように構成されていてもよい。従って、ソケットコネクタにより、二重のシーリングが達成される。第1および/または第2のシーリング要素は、それぞれ、ソケットコネクタがBTEユニットのハウジング内に受け入れられるとき、および/またはプラグコネクタがソケットコネクタ内に受け入れられるときに、壁/表面の間で圧縮/平坦化されるように構成されたシーリングリップを備えていてもよい。従って、第1および/または第2のシーリング要素は、フェイスシールを提供するように構成されていてもよい。従って、第1および/または第2のシーリング要素は、シール性の達成を助けるために、予圧を受ける静的シールとして構成されていてもよい。予圧は、シール高さがシーリングする隙間よりも大きくなるように設計されているときに生じる。圧縮を受けて、第1および/または第2のシーリング要素は、弾性的に変形し、内部応力を生成し、ソケットコネクタ、BTEユニットのハウジング、および/またはプラグコネクタのそれぞれの壁/表面に対して反力を生成する。第1および/または第2のシーリング要素は、5~30%、例えば10~25%、例えば約20%だけ圧縮されるように構成されていてもよい。さらに、プラグコネクタおよびハウジングがシーリングを提供する場合、通常それらはより高価になり、製造がより複雑となるが、プラグコネクタおよびハウジングがシーリングを提供する必要はなくなる。シールを提供するための構成要素を1つのみ、すなわちソケットコネクタのみを有することにより、聴覚装置の全体の製造の複雑さが低減され、コストも低減される。すなわち、製造中に特別な注意を必要とする唯一の構成要素は、ソケットコネクタであり、一方で、他の構成要素は、著しく簡素化される。たとえソケットコネクタが複雑であっても、多くの様々なタイプおよびブランドの聴覚装置に使用され得る汎用性のある構成要素を有するという点で有益である。また、様々な理由で頻繁に交換する必要があるハウジングおよびRIEユニットを交換する方が安価である。
【0035】
いくつかの実施態様では、第1のシーリング要素および第2のシーリング要素は、ハウジングとソケットコネクタとの間、およびプラグコネクタとソケットコネクタとの間のシーリングを提供する1つのシーリング部品として一体化されていてもよい。従って、第1および第2のシーリング要素は、1つのシーリング要素を形成してもよい。1つの一体化された部品のみを使用してシーリングを達成することは、ソケットコネクタの複雑さを低減し、および/またはシーリング要素を強化し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のシーリング要素は、ベース要素に接着的および/または機械的に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2のシーリング要素は、ベース要素に接着的および/または機械的に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のシーリング要素の両方は、全ての部品が本質的に1つの部品、すなわちソケットコネクタを形成するように、ベース要素に接着的および/または機械的に接続されていてもよい。代替的には、第1および/または第2のシーリング要素は、ベース要素に化学的に結合されていてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のシーリング要素は、ベース要素に成形されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2のシーリング要素は、ベース要素に成形されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のシーリング要素の両方が、ベース要素に成形されてもよい。第1および/または第2のシーリング要素は、2K射出成形を使用することによりベース要素に成形されてもよい。2K射出成形が実行されている間、2つ以上の様々な材料は、最初にベース要素を成形し、その後に、第1および/または第2のシーリング要素をベース要素上に直接成形することにより、1つのプラスチック部品に一緒に成形される。従って、2K射出成形を使用するとき、ソケットコネクタは、本質的に1つの一体化された部品として製造される。第1および第2のシーリング要素は、同じ材料から作製されていてもよい。2K射出成形は、ソケットコネクタの設計に必要とされる多くの特徴、カーブ、エッジ、突起等を有する微細構造を作り出すことができる、十分に確立されたプロセスである。
【0038】
いくつかの実施態様では、ソケットコネクタのベース要素は、複数の内壁と、複数の外壁と、を備えていてもよい。ベース要素は、円形、楕円形、長方形等の形状を有していてもよく、中心部に穴を有している。次いで、複数の内壁は、穴を画定してもよく、一方で、複数の外壁は、ソケットコネクタの全体的な形状を画定してもよい。
【0039】
いくつかの実施態様では、ベース要素の複数の内壁は、ソケットコネクタに穴を形成していてもよい。穴は、プラグコネクタとBTEユニットの電子部品との間の電気的接続、すなわち、第1および第2の電気的接続インターフェースの間の接続を可能にするボアまたは貫通穴であってもよい。プラグコネクタがソケットコネクタの穴に配置されているとき、複数の内壁は、プラグコネクタに向かって内側を向いていてもよい。ソケットコネクタがハウジングの穴に配置されているとき、ベース要素の複数の外壁は、ハウジングを向いていてもよい。
【0040】
いくつかの実施態様では、ソケットコネクタの第1および/または第2のシーリング要素は、ベース要素の複数の内壁および複数の外壁をそれぞれ少なくとも部分的または完全に囲むように配置されている。このような構成により、第1および第2のシーリング要素は、ソケットコネクタの複数の内壁の少なくとも一部分、すなわちソケットコネクタに画定された穴の円周上、およびソケットコネクタの複数の外壁の少なくとも一部分、すなわちソケットコネクタの外周上の両方に設けられている。従って、ソケットコネクタの第1および/または第2のシーリング要素は、ソケットコネクタのベース要素の複数の内壁および複数の外壁のそれぞれに沿った円周方向のシーリングを提供するように構成されてもよい。第1および/または第2のシーリング要素はまた、シーリングソケットの底部側、すなわち、BTEユニットのフレームに当接する部分に設けられていてもよい。
【0041】
いくつかの実施態様では、プラグコネクタとソケットコネクタのベース要素の複数の内壁との間のシーリングは、第2のシーリング要素により提供されてもよい。前記シーリングは、プラグコネクタとベース要素の複数の内壁の少なくとも一部分との間のシーリングを提供するように構成された第2のシーリング要素により達成される。ハウジングとソケットコネクタのベース要素の複数の外壁との間のシーリングは、第1のシーリング要素により提供されてもよい。これは、第1のシーリング要素が、ハウジングとベース要素の複数の外壁の少なくとも一部分との間に配置されるシールとして構成されることにより達成される。
【0042】
いくつかの実施態様では、ベース要素と、ソケットコネクタの第1のシーリング要素および/または第2のシーリング要素は、異なる材料から作製されていてもよい。典型的には、ベース要素は、硬い材料から作製されていてもよく、一方で、シーリング要素は、ベース要素よりも柔らかい材料から作製されていてもよい。ベース要素は、通常はフレームに固定されており、ソケットコネクタの全体の安定性を提供するために、硬くてもよい。シーリング要素の材料は、シールを形成することができるように、より柔らかい材料から作製されていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のシーリング要素および/または第2のシーリング要素は、シリコンといった熱可塑性エラストマーなどのエラストマーから作製されていてもよい。シーリング要素は、ゴム状の/可撓性の物質から作製されていてもよく、それにより、柔軟なシールを画定する。熱可塑性ゴムと呼ばれることもある熱可塑性エラストマー(TPE)は、熱可塑性およびエラストマー特性の両方を有する材料からなる共重合体または重合体の物理的な混合物(通常はプラスチックおよびゴム)の部類である。シーリング要素に使用されるエラストマーは、30~80ショアデュロメーターの範囲内の硬度を有していてもよい。シーリングの機能に加えて、シーリング要素は、聴覚装置の機能に影響を及ぼす可能性のある外部振動を減衰させてもよく、特に、聴覚装置が硬い表面上に落ちたとき、聴覚装置の全体的な堅牢性を向上させる。加えて、シーリング要素の高い柔軟性のために、ソケットコネクタに当接するハウジングおよびプラグコネクタの部品の製造公差が改善される。
【0044】
いくつかの実施形態では、ベース要素は、繊維強化熱可塑性プラスチックといった硬い/堅いプラスチックなどのプラスチックから作製されていてもよい。ベース要素は、ソケットコネクタの安定性および硬さを確保するとともに、シーリング要素を支持してもよい。2つの材料は、2Kプロセスにより、ベース要素が最初に作製され、次に柔らかいシーリング要素がベース要素に成形されるように、一緒に成形されてもよい。代替的には、2つの材料は、互いに接着的または機械的に取り付けられてもよい。さらに代替的には、2つの材料は、例えば熱を加えることにより、互いに化学的に結合されてもよい。2つの材料が互いに取り付けられた後、ソケットコネクタは、1つの部品のようになる。第1および第2のシーリング要素は、同じまたは異なる硬度を有する同じまたは異なる熱可塑性エラストマーから作製されてもよいことに留意されたい。
【0045】
本発明の第2の態様では、聴覚装置が開示される。聴覚装置は、ソケットコネクタと、耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットと、耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットと、を備えている。BTEユニットは、フレームを備えており、RIEユニットは、プラグコネクタを備えている。フレームは、BTEユニットの電子部品を備えている。プラグコネクタは、RIEユニットとBTEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されている。ソケットコネクタは、BTEユニットのフレームに接続可能であり、プラグコネクタをフレームに着脱可能に接続する/取り付けるように構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、第1の態様によるソケットコネクタを備えている。
【0047】
本発明は、上記および以下に記載されるソケットコネクタ、および対応する聴覚装置とを含む様々な態様に関し、各々は、第1に記載された態様に関連して記載される利益および利点のうちの1つまたは複数をもたらし、各々は、第1に記載された態様に関連して記載され、かつ/または添付の特許請求の範囲に開示される実施形態に対応する1つまたは複数の実施形態を有する。
【0048】
上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明により、当業者に容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1a】ソケットコネクタを有する例示的な聴覚装置を組立図で概略的に示す。
図1b】ソケットコネクタを有する例示的な聴覚装置を分解図で概略的に示す。
図2a】例示的なソケットコネクタの様々な斜視図を示す。
図2b】例示的なソケットコネクタの様々な斜視図を示す。
図2c】例示的なソケットコネクタの様々な斜視図を示す。
図3】BTEユニットのフレームに取り付けられたソケットコネクタを概略的に示す。
図4a】ソケットコネクタ、プラグコネクタ、およびロッキング要素を概略的に示す。
図4b】ソケットコネクタ、プラグコネクタ、およびロッキング要素を概略的に示す。
図4c】ソケットコネクタ、プラグコネクタ、およびロッキング要素を概略的に示す。
図5】例示的な聴覚装置のブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を示す。従って、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明されない。図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明として、または特許請求の範囲に記載された発明の範囲に対する限定として意図されていない。加えて、図示された実施形態は、図示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に記載されていなくても、任意の他の実施形態で実施され得る。
【0051】
図1aおよび図1bは、本発明によるソケットコネクタ2を有する例示的な聴覚装置4を概略的に示す。聴覚装置4は、耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニット6と、耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニット8と、を備えている。BTEユニット6は、フレーム25を備えており、フレーム25は、BTEユニット6の電子部品11を備えている。RIEユニット8は、プラグコネクタ12を備えている。プラグコネクタ12は、RIEユニット8とBTEユニット6との間の電気的接続を提供するように構成されている。プラグコネクタ12はまた、RIEユニット8とBTEユニット6との間を、すなわちソケットコネクタ2を介して、機械的に接続する。ソケットコネクタ2は、BTEユニット6のフレーム25に接続可能であり、プラグコネクタ12をフレーム25に着脱可能に接続する/取り付けるように構成されている。
【0052】
さらに、聴覚装置4は、フレーム25の周りにBTEユニット6の外側シェルを形成するハウジング10を備えている。ハウジング10は、ソケットコネクタ2を受け入れるように構成された穴9を備えている。ハウジング10は、底面を備える底部34と、底部34の反対側にあり、上面を備える上部35と、を備えている。ハウジングは、前面を備える前部36と、前部36の反対側にあり、後面を備える後部37と、を画定する。穴9は、ハウジング10の底部34に配置される。
【0053】
BTEユニット6は、図示の実施形態のように、バッテリドア(図示省略)を介して/通してアクセス可能なバッテリコンパートメント7を備えていてもよい。聴覚装置4は、バッテリドアを備えているまたはバッテリドアを備えていない再充電可能な聴覚装置であってもよい。
【0054】
RIEユニット8は、図示の実施形態のように、電気ワイヤ/チューブ41と、イヤピース40と、をさらに備えていてもよい。電気ワイヤ/チューブ41は、図5に示すように、イヤピース40内の電子部品、例えば、レシーバを、プラグコネクタ12に電気的に接続するように構成されている。イヤピース40は、オープンまたはクローズドーム40aを備えていてもよい。
【0055】
図1bの分解図は、ハウジング10が底部ハウジング10aと上部ハウジング10bからどのように構成され得るか、フレーム25が第1のフレームユニット25aと第2のフレームユニット25bをどのように備え得るか、BTEユニット6の電子部品11がプリント回路基板11aと第2の電気接続インターフェース11bをどのように備え得るか、を特に示している。プラグコネクタ12は、対応する第1の電気接続インターフェース(図示省略)を備えている。製造現場での聴覚装置4の組立中に、フレーム25および電子部品11が、特定の聴覚装置の所定の仕様に従って選択され、ソケットコネクタ2は、フレームの組立中に、すなわち、第1のフレームユニット25aが第2のフレームユニット25bに搭載され/相互接続され/固定されるときに、フレーム25に相互接続され/固定される。その後、製造現場で、または聴覚ケア専門家の元で、フレーム25に適合する/適したハウジング10が、組み立てられたフレームに/フレームの周りに取り付けられ、すなわち、上部ハウジング10bおよび底部ハウジング10aは、ソケットコネクタ2に底部ハウジング10aの穴9を通してアクセス可能となるように、互いにおよび/またはフレーム25に搭載され/相互接続され/固定される。最後に、RIEユニット8のプラグコネクタ12は、聴覚ケア専門家またはユーザにより、ソケットコネクタ2に着脱可能に取り付けられ、第1および第2の電気接続インターフェースは、位置合わせされて電気的に接続される。
【0056】
このような構成は、様々な聴覚装置の部品、すなわち、様々なRIEユニット8、様々なフレーム25、および様々なハウジング10が広く使用され得るモジュール性を提供する。さらに、ソケットコネクタ2は、様々なタイプ、ブランド、世代の聴覚装置に使用され得る。
【0057】
図2a、図2bおよび図2cは、例示的なソケットコネクタ2の様々な斜視図を示す。ソケットコネクタ2は、ベース要素14と、第1のシーリング要素16と、第2のシーリング要素18と、を備えていてもよい。図3に示すように、第1のシーリング要素16は、BTEユニット6のハウジング10とソケットコネクタ2のベース要素14との間のシーリングを提供するように構成されており、第2のシーリング要素18は、プラグコネクタ12とソケットコネクタ2のベース要素14との間のシーリングを提供するように構成されている。第1および第2のシーリング要素16、18は、それぞれ、ベース要素14の表面または壁から延びるシーリングリップ、例えば、円周状のシーリングリップを形成してもよい。第1および第2のシーリング要素16、18は、一体化された部品を形成してもよく、および/または柔軟な材料、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)から作製されていてもよい。ベース要素14は、シーリング要素よりも硬い材料から作製されていてもよい。それは、プラスチック材料、例えば、繊維強化熱可塑性プラスチックであってもよい。3つの部品14、16、18のすべては、2K成形によって一緒に成形されてもよい。代替的には、第1のシーリング要素16および第2のシーリング要素18は、ベース要素14に接着的および/または機械的に固定されていてもよい。ベース要素14は、複数の内壁20と、複数の外壁22と、を形成する。ベース要素14の複数の内壁20は、ソケットコネクタ2に穴24を形成する。第1のシーリング要素16は、ベース要素14の複数の外壁22の1つに配置されている。第2のシーリング要素18は、ベース要素14の複数の内壁20の1つに配置されている。ソケットコネクタ2の穴24は、プラグコネクタ、例えば、図1a、図1b、図3および図4に示すプラグコネクタ12を受け入れるように構成されている。
【0058】
図3は、ソケットコネクタ2がBTEユニットのフレームに取り付けられている聴覚装置アセンブリ4の断面の一部分を概略的に示す。BTEユニットは、BTEユニットの電子部品(図示省略)の配置のために機能するフレーム25を備えている。ソケットコネクタ2は、フレーム25に相互接続され/固定されていてもよい。ソケットコネクタ2は、フレーム25に接続するための複数の取り付け点、例えば、ベース要素14により形成される第1のフック27および第2のフック27aを備えている。第1および第2のフック27、27aは、フレーム25の組立中に、フレーム25内に形成されているアンダーカット29、29a内に配置されてもよい。取り付け点は、取り付けの強度を向上させ、また、ソケットコネクタ2およびフレーム25の両方の設計公差を改善する。
【0059】
図3はまた、ソケットコネクタ2がハウジング10の穴9に受け入れられたとき、第1のシーリング要素16が、ソケットコネクタ2(すなわちソケットコネクタ2のベース要素14)の壁/表面とハウジング10の壁/表面(すなわちハウジング10の穴9の壁/表面)との間でどのように圧縮されているかを示す。図3はまた、プラグコネクタ12がソケットコネクタ2に受け入れられたとき、第2のシーリング要素18が、ソケットコネクタ2(すなわちソケットコネクタ2のベース要素14)の壁/表面とプラグコネクタの壁/表面との間でどのように圧縮されているかを示す。ハウジング10およびプラグコネクタ12のそれぞれの壁/表面は、略平坦/平面的な壁/表面であってもよい。第1および/または第2のシーリング要素16、18は、5~30%、例えば10~25%、例えば約20%だけ圧縮されるように構成されていてもよい。
【0060】
図4aおよび図4bは、本発明によるソケットコネクタ2、プラグコネクタ12、およびロッキング要素26、すなわちソケット-プラグコネクタを概略的に示す。図4cは、ソケットコネクタ2と、プラグコネクタ12と、ロッキング要素26を備える聴覚装置アセンブリを概略的に示す。図4aは、ソケットコネクタ2と、ロッキング要素26によりソケットコネクタ2に着脱可能に取り付けられた/ロックされたプラグコネクタ12の上面図を示す。ソケットコネクタ2は、第1の端部2aと、第2の端部2bと、を備えている。ソケットコネクタ2/ベース要素14は、ソケットコネクタ2の第1の端部2aと第2の端部2bとの間に延びる軸と平行な方向に長手形状を有していてもよい。プラグコネクタ12は、自由端である第1の端部12aと、電気ワイヤ/チューブ41に接続されている第2の端部12bと、を備えている。プラグコネクタ12は、プラグコネクタ12の第1の端部12aと第2の端部12bとの間を延びる本体31を備えている。本体31は、プラグコネクタ12の第1の端部12aと第2の端部12bとの間を延びる軸と平行な方向に長手形状を有していてもよい。プラグコネクタ12は、ロッキング要素26を備えていてもよい。ロッキング要素26は、プラグコネクタ12の少なくとも一部分がソケットコネクタ2内に配置されたとき、プラグコネクタ12をソケットコネクタ2に、またはソケットコネクタ2内に着脱可能に取り付ける/ロックするように構成されている。図4cにも示されるように、プラグコネクタ12は、ソケットコネクタ2の外面(およびBTEユニットのハウジング10の外面)と同一平面上にある上側自由表面13と、凸状表面領域15と、を有している。凸状表面領域15は、例えば、爪を、凸状表面領域15に沿って、プラグコネクタ12の上側自由表面13と同一平面上にある上側表面を有する解放ノブ26aに対してスライドさせることにより、ユーザはソケットコネクタ2からプラグコネクタ12を解放することができる。図4bは、ソケットおよびプラグコネクタ2、12の断面を示しており、図示されたロッキング要素26は、ソケットコネクタ2のアンダーカット17内に向かって、例えば、ソケットコネクタ2の第2の端部2bに設けられているベース要素14の複数の内壁20のアンダーカット17に向かって、プラグコネクタ12の本体31のスロット32内を移動可能であるデッドボルト26bをさらに備えている。ロッキング要素26、すなわちデッドボルト26bとソケットコネクタ2との間のアンダーカット17の表面28には、角度が付けられている。この角度が付けられた表面28は、プラグコネクタ12が、例えば、ソケットコネクタ2が壊れるまたは損傷する前に、ロッキング要素26がソケットコネクタ2から解放されることを可能にするように引っ張られる場合に役立つ。この角度が付けられた表面は、プラグコネクタ12をソケットコネクタ2から容易に解放することができないような寸法になっている。図4a、図4bおよび図4cは、ソケットコネクタ2へのプラグコネクタ12の挿入方向が、ソケットコネクタ2(またはハウジング10)の長手方向に対して5~80度の間の角度であってもよいことを示す。挿入方向は、ソケットコネクタ2の第1の端部2aのアンダーカット33内へのプラグコネクタ12の配置によるものである。ソケットコネクタ2内へのプラグコネクタ12の正確な挿入/配置は、ソケットコネクタ2、例えば、ソケットコネクタ2の第2の端部2bと、任意選択的に、ハウジング10、例えば、底部ハウジング10aと、に画定されるガイド30により、容易になる。ガイド30は、プラグコネクタ12の第2の端部12bから延びる電気ワイヤ/チューブ41を受け入れるように構成されている。プラグコネクタ12は、ロッキング要素26によりソケットコネクタ2に固定されている。
【0061】
第1の電気接続インターフェース(図示省略)は、プラグコネクタ12の底面19上/底面19に設けられていてもよい。底面19は、プラグコネクタ12の上側自由表面13と反対にある。
【0062】
図5は、例示的な聴覚装置4のブロック図を概略的に示す。聴覚装置4は、BTEユニット6と、RIEユニット8と、を備えている。
【0063】
BTEユニット6は、ハウジング10を備えている。BTEユニット6は、受信したオーディオ信号に基づいて1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を生成するために、第1のトランスデューサ、例えばマイクロフォン42を備えていてもよい。1つまたは複数のマイクロフォン出力信号は、1つまたは複数のマイクロフォン出力信号を処理するために、信号プロセッサ44に提供されてもよい。BTEユニット6は、電磁場の放射および受信のために、アンテナ、例えば、無線周波数(RF)アンテナまたは磁気誘導アンテナと相互接続された、無線データ通信用の無線通信ユニット48、例えば、無線通信回路を備えていてもよい。無線またはトランシーバを含む無線通信ユニット48は、1つまたは複数の外部機器、例えば、少なくとも1つのスマートフォン、少なくとも1つのタブレット、少なくとも1つのスパウスマイクロフォン(spouse microphone)、リモートコントロール、オーディオ試験装置などを含む、少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置を含む1つまたは複数の外部電子機器と通信するために、または、いくつかの実施形態では、典型的にはバイノーラル聴覚装置システムで、別の聴覚装置、例えば、別の耳に配置される別の聴覚装置と通信するために、聴覚装置信号プロセッサ44とアンテナ50に接続されてもよい。
【0064】
RIEユニット8は、プラグコネクタ12と、電気ワイヤ/チューブ41と、イヤピース40と、を備えている。プラグコネクタ12および電気ワイヤ/チューブ41は、イヤピース40をBTEユニット6に機械的および電気的に接続するように構成されている。イヤピース40は、レシーバ出力信号をユーザの外耳道に供給するためのレシーバまたはスピーカ46を備えていてもよい。レシーバまたはスピーカ46は、信号プロセッサ44の出力部に接続されていてもよく、信号プロセッサの出力信号は、ユーザの聴覚障害を補償するように修正されてもよく、信号プロセッサ44は、修正された信号をスピーカ46に提供してもよい。この接続は、プラグコネクタ12を通して確立されてもよい。
【0065】
特定の特徴が示されて記載されてきたが、それらは、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされ得ることが、当業者にとって明らかであることが理解される。従って、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、全ての代替物、修正物、および均等物を包含することが意図される。
【0066】
(項目)
(項目1)
聴覚装置用のソケットコネクタであって、
前記聴覚装置は、
耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットと、
耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットと、を備えており、
前記BTEユニットは、フレームを備えており、
前記フレームは、前記BTEユニットの電子部品を備えており、
前記RIEユニットは、プラグコネクタを備えており、
前記プラグコネクタは、前記RIEユニットと前記BTEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されており、
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットの前記フレームに接続可能であり、
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを前記フレームに着脱可能に接続するように構成されている、ソケットコネクタ。
(項目2)
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを備える複数の様々なRIEユニットと適合するように構成されている、項目1に記載のソケットコネクタ。
(項目3)
前記プラグコネクタは、ロッキング要素を備えており、
前記ソケットコネクタは、前記ロッキング要素と相互作用するように構成されており、
前記ロッキング要素は、前記プラグコネクタの少なくとも一部分が前記ソケットコネクタ内に配置される場合、前記プラグコネクタを、前記ソケットコネクタに、または前記ソケットコネクタ内にロックするように構成されている、項目1または2に記載のソケットコネクタ。
(項目4)
前記ソケットコネクタは、複数の様々なフレームと適合するように構成されている、項目1から3のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目5)
前記ソケットコネクタは、前記フレームに接続する/相互接続する/取り付ける/固定するための1つまたは複数の取り付け点を備えている、項目1から4のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目6)
前記BTEユニットは、ハウジングを備えており、
前記ソケットコネクタは、複数の様々なハウジングと適合するように構成されている、項目1に記載のソケットコネクタ。
(項目7)
前記ソケットコネクタは、前記ハウジングの穴に着脱可能に配置されるように構成されている、項目1から6のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目8)
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットの電子部品およびプラグコネクタを保護するために、湿気および汚れに対してシーリングするように構成されている、項目1から7のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目9)
前記ソケットコネクタは、
ベース要素と、
第1のシーリング要素または第2のシーリング要素のうちの少なくとも1つと、を備えている、項目1から8のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目10)
前記第1のシーリング要素は、前記ハウジングと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供するように構成されており、
前記第2のシーリング要素は、前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供するように構成されている、項目9に記載のソケットコネクタ。
(項目11)
前記第1のシーリング要素および前記第2のシーリング要素は、前記ハウジングと前記シーリングソケットとの間、および前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタとの間のシーリングを提供する1つのシーリング部品として一体化されている、項目9または10に記載のソケットコネクタ。
(項目12)
前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ベース要素に接着的および/または機械的に接続されている、項目9から11のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目13)
前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ベース要素に成形されている、項目9から11のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目14)
前記ソケットコネクタの前記ベース要素は、複数の内壁と、複数の外壁と、を備えている、項目9から13のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目15)
前記ベース要素の前記複数の内壁は、前記ソケットコネクタに穴を形成し、
前記複数の内壁は、前記プラグコネクタが前記ソケットコネクタの前記穴に配置されているとき、前記プラグコネクタに向かって内側を向いており、
前記ベース要素の前記複数の外壁は、前記ソケットコネクタが前記ハウジングの前記穴に配置されているとき、前記ハウジングを向いている、項目14に記載のソケットコネクタ。
(項目16)
前記ソケットコネクタの前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ベース要素の前記複数の内壁および前記複数の外壁のそれぞれを、少なくとも部分的に、または完全に囲むように配置されている、項目14または15に記載のソケットコネクタ。
(項目17)
前記ソケットコネクタの前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の内壁および前記複数の外壁のそれぞれに沿った円周方向のシーリングを提供するように構成されている、項目14から16のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目18)
前記プラグコネクタと前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の内壁との間のシーリングは、前記第2のシーリング要素により提供され、
前記ハウジングと前記ソケットコネクタの前記ベース要素の前記複数の外壁との間のシーリングは、前記第1のシーリング要素により提供される、項目14から17のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目19)
前記ソケットコネクタの前記ベース要素と、前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素のそれぞれは、異なる材料から作製されている、項目9から18のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目20)
前記第1のシーリング要素および/または前記第2のシーリング要素は、シリコンといった熱可塑性エラストマーなどのエラストマーから作製されている、項目9から19のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目21)
前記ベース要素は、繊維強化熱可塑性プラスチックなどのプラスチックから作製されている、項目9から20のいずれか一項に記載のソケットコネクタ。
(項目22)
聴覚装置であって、
ソケットコネクタと、
耳掛け(Behind-The-Ear)(BTE)ユニットであって、前記BTEユニットがフレームを備えており、前記フレームが前記BTEユニットの電子部品を備えている、前記BTEユニットと、
耳穴レシーバ(Receiver-In-the-Ear)(RIE)ユニットであって、前記RIEユニットがプラグコネクタを備えており、前記プラグコネクタが前記RIEユニットと前記BTEユニットとの間の電気的接続を提供するように構成されている、前記RIEユニットと、を備えており、
前記ソケットコネクタは、前記BTEユニットの前記フレームに接続可能であり、
前記ソケットコネクタは、前記プラグコネクタを前記フレームに着脱可能に接続するように構成されている、聴覚装置。
(項目23)
前記ソケットコネクタは、項目1から21のいずれか一項に記載のソケットコネクタである、項目22に記載の聴覚装置。
【符号の説明】
【0067】
2 :ソケットコネクタ
2a :ソケットコネクタの第1の端部
2b :ソケットコネクタの第2の端部
4 :聴覚装置
6 :耳掛け(BTE)ユニット
7 :バッテリコンパートメント
8 :耳穴レシーバ(RIE)ユニット
9 :ハウジングの穴
10 :ハウジング
10a :底部ハウジング
10b :上部ハウジング
11 :BTEユニットの電子部品
11a :プリント回路基板
11b :第2の電気接続インターフェース
12 :プラグコネクタ
12a :プラグコネクタの第1の端部
12b :プラグコネクタの第2の端部
13 :上側自由表面
14 :ベース要素
15 :凸状表面領域
16 :第1のシーリング要素
17 :ソケットコネクタの第2の端部のアンダーカット
18 :第2のシーリング要素
19 :プラグコネクタの底面
20 :ベース要素の内壁
22 :ベース要素の外壁
24 :ソケットコネクタの穴
25 :フレーム
25a :第1のフレームユニット
25b :第2のフレームユニット
26 :ロッキング要素
26a :解放ノブ
26b :デッドボルト
27、27a:ベース要素のフック
28 :ロッキング要素とソケットコネクタとの間の表面
29、29a:フレームのアンダーカット
30 :ガイド
31 :プラグコネクタの本体
32 :スロット
33 :ソケットコネクタの第1の端部のアンダーカット
34 :ハウジングの底部
35 :ハウジングの上部
36 :ハウジングの前部
37 :ハウジングの後部
40 :イヤピース
40a :ドーム
41 :電気ワイヤ/チューブ
42 :マイクロフォン
44 :信号プロセッサ
46 :スピーカ
48 :無線通信ユニット
50 :アンテナ
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
図4c
図5
【外国語明細書】