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特開2022-34540人工呼吸器の利用者をサポートする方法、及び人工呼吸システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034540
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】人工呼吸器の利用者をサポートする方法、及び人工呼吸システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/60 20180101AFI20220224BHJP
【FI】
G16H40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132507
(22)【出願日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】10 2020 121 680.7
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517191714
【氏名又は名称】レーヴェンシュタイン メディカル テクノロジー エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シュワイボルド マティアス
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人工呼吸器の利用者への、特に在宅人工呼吸器の利用者への、改善されたサポートを提供する人工呼吸器の利用者をサポートする方法及び人工呼吸システムを提供する。
【解決手段】人工呼吸器1は、制御アルゴリズムを含む端末器具2とリンクし、人工呼吸器1に記録されている、人工呼吸器1が検出する人工呼吸パラメータを含んだデータが端末器具2に伝送し、伝送されたデータが端末器具2及び/又は端末器具2と通信をするコンピュータデバイスによって、少なくとも1つの利用者情報を提供するために評価される。それにより利用者は、その医学的な専門知識に関わりなく少なくとも部分的に人工呼吸パラメータに基づく評価及び/又は援助を受け、端末器具2によって利用者情報が出力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工呼吸器(1)の、特に在宅人工呼吸器(100)の利用者を特にテレマティクス式にサポートする方法において、少なくとも次の各ステップを含み、
前記人工呼吸器(1)と端末器具(2)の間でデータを交換するために、少なくとも1つの制御アルゴリズムを含む少なくとも1つの移動端末器具(2)が前記人工呼吸器(1)とリンクされ、
前記人工呼吸器(1)に記録されているデータが前記端末器具(2)に伝送され、前記データは前記人工呼吸器(1)により検出される少なくとも1つの人工呼吸パラメータを含み、
伝送された前記データが前記端末器具(2)及び/若しくは前記人工呼吸器(1)で、並びに/又は前記端末器具(2)若しくは前記人工呼吸器(1)と通信をするコンピュータデバイスによって、少なくとも1つの利用者情報を提供するために評価され、それにより利用者はその医学的な専門知識に関わりなく少なくとも部分的に人工呼吸パラメータに基づく評価及び/又は援助を受け、
前記端末器具(2)によって利用者情報が出力され、特に表示される方法。
【請求項2】
データが追加的に前記端末器具(2)から前記人工呼吸器(1)へと伝送され、前記データは前記端末器具(2)及び/又は補助器具(20)によって局地的に収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
利用者情報の提供のために少なくとも1つの保存された治療上の目標設定が考慮される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記評価は治療行動を評価し、そのために特に前記人工呼吸器(1)の治療上の使用の頻度及び/若しくは期間及び/若しくは強度が評価され、並びに/又は前記評価はマスク気密性(漏れ)及び/若しくは残存呼吸イベント(AHI)の頻度に関する少なくとも1つの情報を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記評価は点数システム及び/若しくは評点システム並びに/又はグラフィック式のシンボルを用いたシステム並びに/又は報奨システムを含み、前記評価にあたって少なくとも1つの以前の評価及び/又は利用者により作成された少なくとも1つの目標設定が考慮される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記援助は前記人工呼吸器(1)を使用するための少なくとも1つの手引き及び/又は少なくとも1つの治療説明を含み、前記援助は特に少なくとも1つのビデオ及び/又はアニメーションによって提供され、前記援助として少なくとも1つのレポートが看護者のために作成されて特に定義されたサーバにロードされ、及び/又は看護者の参画が推奨される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
デジタル日記のための少なくとも1つの機能が前記端末器具(2)に格納され、該デジタル日記を通じて利用者が治療の経験を記録することができ、前記日記が援助の作成のために、並びに特にレポート及び/又は評価のために考慮される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
利用者が主観的及び/又は客観的な追加情報を入力することができる少なくとも1つの入力マスクが前記端末器具(2)に表示され、利用者情報の提供は少なくとも部分的に前記追加情報に依存して行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記追加情報が時間依存的に、及び/又は前記人工呼吸器(1)の制御コマンドに基づいて、及び/又は利用者による要求に基づいて照会される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記主観的な追加情報はセンサでは検出されず、及び/若しくは検出可能ではなく、好ましくは圧迫個所の発生及び/若しくは呼吸インターフェース(102)での漏れの発生を含み、並びに/又は前記客観的な追加情報は安静時脈拍数、負荷時脈拍数、年齢、体重、身長、肥満度指数(BMI)、血圧値、既往症、活動性、運動、睡眠指標を少なくとも含む追加情報の群から選択される請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記客観的な追加情報は少なくとも部分的に前記端末器具(2)によって提供され、そのためにセンサ手段及び/若しくは前記端末器具のヘルスアプリケーションを呼出し可能であり、並びに/又は前記客観的な追加情報は利用者自身により測定される健康パラメータである、請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記入力マスクは複数の質問が保存されている少なくとも1つの質問票を含み、前記質問は特にインタラクティブ及び/又はダイナミックに選択される、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記入力マスクは、特に質問票は、前記人工呼吸器により検出される人工呼吸パラメータ及び/又は以前に提供された利用者情報及び/又は少なくとも1つの利用者入力、たとえばヘルプボタンの操作に少なくとも依存して作成及び/又は適合化される、請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
利用者情報の提供のために定義された人工呼吸パラメータが援用され、定義された人工呼吸パラメータのうち評価のために利用可能ではないものが追加情報によって置換及び/又は補足され、そのために必要な追加情報が入力マスクを用いて的確に照会される、請求項8から13のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
利用者情報の提供のために適用される人工呼吸パラメータは少なくとも部分的に追加情報に依存して選択される、請求項8から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
利用者情報の提供がインタラクティブに行われ、そのために利用者情報がグラフィック表示され、利用者情報の表示中に主観的な追加情報の入力及び/又はさらに別の利用者入力が可能であり、このような入力によって利用者情報がダイナミックに適合化される、請求項8から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
利用者情報が時間依存的に、及び/又は前記人工呼吸器(1)の制御コマンドに基づいて、及び/又は利用者による要求に基づいて作成され、利用者情報の提供のために複数の治療時間の期間及び/又は複数の治療日の期間が援用される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
利用者情報の提供が治療の進行中に行われ、治療の進行中に継続してデータが前記人工呼吸器(1)から前記端末器具(2)に伝送され、利用者情報がそれに伴って継続して更新され、特に吸息と呼息を含む呼吸イベントが生じたときに利用者情報が更新される、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記端末器具(2)の少なくとも1つの投影デバイス(3)を用いて利用者情報が周囲に投影され、それにより前記端末器具(2)を直接見なくても利用者情報を光学的に知覚可能であり、並びに/又は利用者情報が音響的及び/若しくは触覚的に行われる、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記投影デバイス(3)によりさまざまに異なる照明効果が周囲に投影され、及び/又は視覚的な構造が周囲の投影面に生成される、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
利用者情報は、利用者の人工呼吸について前記人工呼吸器(1)によりセンサで最新に検出された人工呼吸パラメータの実際値が、治療のために保存されている人工呼吸パラメータの目標値からどの程度大きく相違するかを表す目安を示す、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記目安がアニメーションとして構成され、利用者の呼吸プロセスによってアニメーションにインタラクティブに影響を及ぼすことができ、それにより利用者はアニメーションの変化を通じて、自分の呼吸が治療のために必要な呼吸にどれだけ近いかに関する直接的なフィードバックを受ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、前記人工呼吸器(1)の使用のもとでのリラックス補助若しくは入眠補助として、及び/又は前記人工呼吸器(1)を使用するための学習補助として構成され、前記人工呼吸器(1)により少なくとも1つの保存された、及び/又は調整可能な呼吸パターンが設定され、呼吸パターンのために必要な少なくとも1つの目標人工呼吸パラメータが調整され、設定された呼吸パターンが特に利用者情報により前記端末器具(2)を用いて出力され、利用者の少なくとも1つの実際人工呼吸パラメータがセンサで検出され、実際人工呼吸パラメータが目標人工呼吸パラメータからどの程度大きく相違しているかに依存して呼吸パターンが適合化され、それにより、設定された呼吸パターンと自分の呼吸との同期化を利用者に容易にするために、設定されている呼吸パターンを患者の実際の呼吸パターンに合わせて部分的に適合化することができる、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
いつ及び/又はどれだけ長く吸息がなされるべきか、並びにいつ及び/又はどれだけ長く呼息がなされるべきかの呼吸パターンが定義され、そのために吸息と呼息についてそれぞれ光学式及び/又は音響式及び/又は触覚式の信号が時間制御のもとで前記端末器具(2)を通じて出力される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか1項に記載の方法に基づいて作動させるのに適し、そのために構成される、少なくとも1つの人工呼吸器(1)と少なくとも1つの移動端末器具(2)とを有している人工呼吸システム(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工呼吸器の、特に在宅人工呼吸器の利用者をサポートする方法に関する。さらに本発明は、そのような方法を実施するための人工呼吸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
在宅人工呼吸は、患者が診療所に行く必要がなく、慣れ親しんだ環境の自宅にとどまることができるという利点をしばしば提供する。ただしこのことは、患者が人工呼吸器をほぼ独力で操作しなければならないことも意味する。したがって、医学的又は技術的な予備知識のない利用者にも高度の操作快適性を提供し、医療スタッフによる常時の監視なしに自宅で使用することができる人工呼吸器が知られている。
【0003】
しかしその際に在宅人工呼吸では、人工呼吸器の本来の操作に加えて、利用者が看護者との連絡を必要とする、又は希望する、それ以外の数多くの契機が頻繁に生じることが指摘されている。これにしばしば該当するのが治療行動の管理であり、たとえば、人工呼吸器がどれだけの時間と頻度で使用されているかである。さらに別の側面は、看護者との接触が稀であるために、治療への動機付けが急速に低下し得ることにある。しかし、それは治療の成功にとって非常に重要である。さらに在宅人工呼吸での別の問題は、看護者又は医師のもとへ通院が可能になったときに初めて、不安やニーズあるいは要望などを再び訴えることができることにある。たとえば、呼吸用マスクを着用して入眠するのが非常に難しい場合が多いことが、不安やニーズのひとつに数えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それに対して本発明の課題は、人工呼吸器の利用者への、特に在宅人工呼吸器の利用者への、改善されたサポートを提供することにある。このときサポートは自助を促進するか、又は看護者との連絡を少なくとも部分的に代替し、若しくはこれを準備するのがよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の方法及び請求項25に記載の人工呼吸システムによって解決される。発展例や好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。その他の利点や構成要件は、全般的な説明及び実施例の説明から明らかとなる。
【0006】
本発明による方法は、人工呼吸器の、特に在宅人工呼吸器及び/又は睡眠治療器具の利用者を(特にテレマティクス式に)サポートする役目を果たす。この方法は以下のステップを少なくとも含む(この順序で、又は意味のあるその他の順序で)。人工呼吸器と端末器具の間でデータを交換するために少なくとも1つの移動端末器具が(そのつど伝送デバイスによって)人工呼吸器とリンクされること。端末器具は、特に少なくとも1つの制御アルゴリズムを含む。特に、制御アルゴリズムは端末器具にインストールされ、たとえばアプリケーション又はアプリ(Application)として構成される。人工呼吸器に記録されているデータが端末器具に伝送されること。このデータは、人工呼吸器によって(特にセンサ手段によりセンサ式に)検出された少なくとも1つの人工呼吸パラメータを含む。伝送されたデータが端末器具及び/又は人工呼吸器で、特に端末器具のプロセッサデバイスによって、及び/又は制御アルゴリズムによって評価されること。追加的又は代替的に、伝送されたデータの評価は、端末器具又は人工呼吸器と通信する少なくとも1つのコンピュータデバイスによって、及び特にサーバによって行うことができる。このような評価は、少なくとも1つの(特に医学的な予備知識に関わりなく理解できる)利用者情報を提供するための役目を果たす。このことは特に、利用者がその医学的な専門知識に関わりなく、少なくとも部分的に人工呼吸パラメータに基づく、並びに/又は少なくとも部分的に人工呼吸パラメータを考慮する、並びに/又は少なくとも人工呼吸器及び/若しくは治療法の適用に関連する、評価及び/又は援助を受けるようにされる。端末器具によって利用者情報が少なくとも利用者に出力され、好ましくは表示されること。この出力は、特に端末器具の出力デバイスによって行われる。特に、出力デバイスは少なくとも1つの表示デバイス、たとえばディスプレイなどを含む。
【0007】
別の実施形態では、データを追加的に端末器具から人工呼吸器に伝送することができ、データは端末器具及び/又は補助器具によって局地的に収集される。
【0008】
端末器具は、人工呼吸器のための通信ハブ又はモデムとしても機能することができる。端末器具は、たとえば呼吸流量曲線、呼吸数、現在の治療圧力、現在の漏れ量などのデータを人工呼吸器から受信して転送することができる。
【0009】
たとえば端末器具はデータをたとえばSDK/APIを介して、及び/又は当該データを評価するその他のソフトウェアインターフェースを介して、内部的に他のアプリケーションへ転送することができる。その代替として端末器具は、端末器具の別のインターフェースを介してデータを補助器具へ転送することができる。補助器具は、たとえば患者の周辺にある診断器具やデータレコーダであり得る。いくつかの実施形態では、端末器具は遠隔通信(たとえば移動無線やWLAN)を介して遠隔ステーションの補助器具に、たとえばクラウドソフトウェアや医師向けソフトウェアに、データを転送することもできる。
【0010】
これとは逆に、端末器具がさまざまなデータを受信して人工呼吸器に転送することもできる。
【0011】
このようなデータは、たとえば、局地的に収集されたデータであり得る。局地的に収集されるデータは、たとえば少なくとも1つの補助器具によって収集することができる。補助器具はたとえば診断器具であり得る。補助器具は、室温や湿度などに関するデータを供給する温度計又は湿度計などでもあり得る。
【0012】
その代替として、これは端末器具が遠隔地から受信するデータであってもよい。このようなデータは、たとえば医療看護者が保存しておき、端末器具が保存場所及び/又は人工呼吸器から受信する、変更された人工呼吸パラメータであり得る。
【0013】
データは一般的なデータであってもよい。一般的なデータは、たとえば患者に表示される、患者の滞在場所を担当する看護者を含むことができる。一般的なデータは、人工呼吸パラメータ及び/又は呼吸空気加湿パラメータ及び/又は呼吸空気加熱パラメータを最適化するために利用することができる、患者の滞在場所の気象データも含むことができる。
【0014】
端末器具で収集されて人工呼吸器に転送されるこのようなデータを用いて、人工呼吸器はその治療パラメータを、すなわちたとえば治療圧力及び/又はトリガーパラメータ及び/又は呼吸空気加湿若しくは呼吸空気加熱のパラメータを、最適化することができる。
【0015】
その代替として、端末器具はデータを参照して最適化されたパラメータを自ら判定し、人工呼吸器に通知することができる。
【0016】
人工呼吸器と端末器具がたとえばBluetoothを介して接続されていれば、人工呼吸器及び/又は端末器具が可能な別の通信相手を並行して探すこともできる。たとえば端末器具は第2のBluetoothチャネルを含むことができ、これによって別の通信相手を探す。
【0017】
別の通信相手は、たとえばパルスオキシメータ、CO2測定器、ポリグラフなどの診断器具であり得る。
【0018】
別の通信相手が見いだされたとき、この通信相手が端末器具及び/又は人工呼吸器と直接接続することができる。この接続は人工呼吸器と直接行われるのが好ましい。
【0019】
別の通信相手が見いだされたとき、端末器具は、この通信相手が存在することを人工呼吸器に通知して、端末器具と人工呼吸器との間の接続の終了を指図することができる。引き続いて、人工呼吸器が別の通信相手との接続を確立することができる。
【0020】
本発明による方法は多くの利点を提供する。人工呼吸器と端末器具との間の通信、及びそれによって端末器具で生成される利用者情報は、顕著な利点を提供する。それにより、在宅治療での看護が顕著に改善され、簡易化される。たとえば、専門スタッフが稀にしか往診しなくてよく、又は現場にいなくてよい。ここで特別な利点となるのは、医療や技術の素人にもサポートが理解しやすいという点である。
【0021】
本発明により、患者が多くのケースで特別に快適に自助を行うことができる。さらに、患者が治療により深く関わることになり、治療又は自身の行動を自力で評価して改善できるという可能性がある。とりわけ、医師による必要な監視を望ましくない依存性と感じることが多い慢性疾患の患者では、このことが治療にプラスの効果をもたらし、自覚を強めることができる。
【0022】
本発明のさらに別の利点は、端末器具が通常は高性能のプロセッサと高解像度のディスプレイを有していることである。したがって端末器具は、利用者情報の評価と生成に特別に適している。それと同時に、人工呼吸器でのプロセッサ性能やディスプレイをより簡素に抑えることができる。それにより、ひいてはバッテリ駆動式の人工呼吸器の稼働時間を大幅に延ばすことができる。さらにはコストを節減することができ、それと同時に、信頼性が高く安全な人工呼吸を保証することができる。したがって、端末器具によって利用者は自身の治療についてより良く認識し、自分の不安やニーズを伝え、治療行動の評価を受けることができる。他の方法でそれが可能であるとすれば、通院又は看護者とのコミュニケーションによる以外にない。
【0023】
利用者情報の提供のために、少なくとも1つの保存された治療上の目的設定が考慮されることが可能であり、好ましい。目標設定は、特に少なくとも一時的に端末器具にも保存される。特に、目標設定は看護者によって作成される。それにより、特別に的確な評価又は援助を行うことができる。
【0024】
評価は、利用者の治療行動を評価するのが好ましい。そのために、人工呼吸器の治療上の使用の頻度及び/又は期間及び/又は強度が評価されるのが好ましい。特に、いわゆるコンプライアンスパラメータ(すなわち、特に患者とその治療及び要求との一致)が評価される。そのために、これらのパラメータが人工呼吸器によって特に自動的に検出されて記録される。
【0025】
いずれの実施形態においても評価は、マスク気密性(漏れ)及び/又は残存呼吸イベント(AHI)の頻度に関する少なくとも1つの情報を含むのが好ましい。特に、そのためにAHIの回数及び/又は頻度が表示される。マスク気密性については、特に、マスク気密性を定性的に特徴づける評価が出力される(たとえば良いほうから悪いほうへの段階づけによって)。このような評価は、たとえば星印やスマイリーを用いてグラフィック式に行うこともできる。
【0026】
評価は、少なくとも1つの点数システム及び/若しくは評点システム並びに/又は(グラフィック式及び/若しくはアニメーション式の)シンボルを用いた少なくとも1つの評価システム並びに/又は少なくとも1つの報奨システムを含むことが可能であり、好ましい。このようなシステムの組み合わせも可能である。このようにして、治療へのモチベーションをさらに高めることができる。
【0027】
報奨システムの報奨は、保存されている治療上の目標設定の達成に依存して行われるのが有利であり、好ましい。特に報奨システムは、保存されている治療上の目標設定と、利用者の実際の治療行動との相違を表す目安を考慮する。事前に定義された治療行動も、目標設定として保存しておくことができる。特に報奨はシンボリックなものである。報奨が他の機能とリンクしていてもよい。たとえば、報奨としてゲーム機能の使用許可を出すことができる。特に、報奨システムによって治療行動の改善に報奨が与えられる。このことは、看護者のもとへ通院をあらためて行わなくても、治療行動に関する特別に明瞭なフィードバックを提供する。
【0028】
評価にあたっては、少なくとも1つの以前の評価が考慮されるのが好ましい。利用者によって作成又は保存された少なくとも1つの(自発的な)目標設定が考慮されることも可能である。このように、以前の評価又は自発的な目標設定に応じて、進捗状況を特別に良好に認識することができる。
【0029】
援助は、人工呼吸器及び/若しくは端末器具を使用するための少なくとも1つの手引き、並びに/又は少なくとも1つの(特に素人向けに最適化された)治療説明を含むのが好ましい。援助は、少なくとも1つのビデオ及び/若しくは少なくとも1つのアニメーションによって提供され、又は少なくとも1つのそのようなものを含むのが好ましい。援助は、ビデオポータルとの、及び/又はサーバ上のビデオへの、少なくとも1つの的確な接続によって行うことができる。
【0030】
好ましい実施形態では、看護者のための少なくとも1つのレポートが援助として生成され、特に、定義されたサーバにロードされる。看護者の参画が援助として推奨されることも可能である。このようにして利用者は、追加の通院をすることなく、すみやかにフィードバック又はさらなる援助を受けることができる。
【0031】
レポートは、利用者情報及び/又はその他のデータを含むことができる。その他のデータは、特に利用者情報の中で利用者に提供されるデータを、看護者向けの医療面及び/又は技術面の情報によって補足するための役目を果たす。レポート及び/又はその他のデータが看護者にのみ閲覧可能であることが可能である。作成又は保存されたレポートに関するメッセージを看護者が自動的に受け取ることが可能である。看護者は、レポートが保存されているサーバへのアクセス権を得ることができる。たとえばそのようなサーバは、クラウド又はそのようなクラウドの一部である。レポートは、特に、現在の情況に関して看護者に情報提供がなされるように構成される。たとえば人工呼吸器、端末器具、及び/又は利用者によって認識された問題又は進捗状況に関して、情報提供がなされる。
【0032】
看護者の参画を提案することができ、及び/又は自動的に実行することができる。そのためにたとえば通話を行うことができ、又は、看護者との間で予約日を取り決めることができる。そのために、端末器具に保存されているカレンダーを援用することができる。緊急通報の実行も可能である。特に、その際には援助の背景にある問題の重大性が考慮される。
【0033】
看護者がデータ伝送接続を通じて、及びたとえばリモート方式を通じて、端末器具及び/又は人工呼吸器にアクセスできることが可能であり、好ましい。特に、看護者がそこで詳しいデータを照会することができ、及び/又は設定を行うことができる。看護者が端末器具にメッセージ及び/又は予約日の取決めを送信できるようにすることも可能である。このようにして、それがどのような種類の懸念や問題であるのかを、さしあたり端末器具を通じて自動的に判断することができる。そして、それでも看護者との連絡が必要である場合に、看護者がさらなる補助を行うことができ、又は的確に追加質問をすることができる。
【0034】
特別に好ましく有利な実施形態では、デジタル日記のための少なくとも1つの機能が端末器具に格納される。特に、利用者は日記を通じて治療の経験を記録することができる。特に、利用者情報及び特に援助の作成のために、並びに/又はレポートのために、並びに/又は評価のために日記が考慮される。
【0035】
いずれの実施形態においても、少なくとも1つの入力マスクが端末器具に表示されるのが特に好ましい。利用者は、主観的及び/又は客観的な追加情報を入力マスクに入力することができる。特に、利用者情報の提供は少なくとも部分的に追加情報に依存して行われる。特に利用者情報の提供のために、人工呼吸器により提供されるデータ及び特に人工呼吸パラメータと追加情報が相殺される。利用者情報を提供するために、追加情報と、人工呼吸器により提供されるデータとを重みづけして考慮することができる。利用者情報は、特に、追加情報及び人工呼吸器により提供されるデータに依存して計算される。利用者情報は、特に制御アルゴリズムの一部である妥当性検証がなされたロジックに従って、追加情報及び人工呼吸器により提供されるデータから計算されるのが好ましい。
【0036】
追加情報は時間依存的に、及び/又は人工呼吸器の制御コマンドに基づいて、及び/又は利用者による要求に基づいて、照会されるのが好ましく、有利である。時間依存的な照会は、特に特定のインターバルで、及び/又は特定のイベントが生じたときに、たとえば人工呼吸器のスイッチが投入されたときに行われる。そのような照会を惹起する制御コマンドは、たとえば動作エラー及び/又は障害及び/又は認識された特別な呼吸イベントによって行うことができる。たとえば無呼吸、マスクの非密閉性、及び/又は使用が稀であることなどが認識されたときに、追加情報を照会することができる。利用者による要求に基づく照会は、たとえば利用者がヘルプボタンを押したときに行うことができる。
【0037】
主観的な追加情報は、特にセンサによって検出されない、及び/又は検出可能ではない情報である。特に追加情報は、圧迫個所の発生及び/又は呼吸インターフェースにおける適合化困難を含む。主観的な追加情報は、特に、治療への不満、器具を扱うときの困難、操作の問題、感受された副作用、感受された圧迫個所、騒音感覚、健康感覚、睡眠習慣を少なくとも含む追加情報の群から選択される。追加的又は代替的に、主観的な追加情報の群は少なくとも以下も含むことができる。呼吸困難全般、呼吸困難のうち横になる、座る、歩く、食べる、階段を歩く、走る、朝、夕方、夜、人工呼吸器のスイッチ切断後などの特別な状況下でのもの、鼻での分泌物形成、咽頭での分泌物形成、上気道での分泌形成、咳能力、生活の質全般、疾病関連の生活の質、日中の疲労感、日中の眠気。そのために、満足度のスケールの上に値を表記することができる。
【0038】
客観的な追加情報は、特に、安静時脈拍数、負荷時脈拍数、年齢、体重、身長、肥満度指数(BMI)、血圧値、既往症、活動性、運動、睡眠行動(睡眠活動)を少なくとも含む追加情報の群から選択される。追加的又は代替的に、客観的な追加情報の群は少なくとも以下も含むことができる。肺機能、特に呼気ピーク流量、血液の酸素飽和度、血液のCO2含有率、呼気のCO2含有率、呼気の有機組成(特に揮発性有機分子)、心臓の1回拍出量、心臓の分時拍出量、心拍数、体温、環境条件(温度、気圧、大気汚染)、痰の色、痰の組成、睡眠の質、睡眠段階、睡眠の断片化、睡眠/覚醒情報。客観的な追加情報は特にセンサによって検出され、及び/又はセンサによって検出可能である。センサによって検出されるこのようなパラメータを手動式に入力し、及び/又は機械式に(アプリに)読み込むことができ、これはたとえばBluetooth接続、たとえばSDKを通じての端末器具のアプリのリンク、又はAPIを介してのクラウドサーバからのセンサデータの読み込みなどによる。
【0039】
客観的な追加情報は、端末器具及び/又は人工呼吸器によって少なくとも部分的に提供されることが可能である。そのために、特にセンサ手段及び/又は端末器具のヘルスアプリケーションを呼出し可能である。たとえば血圧値のように、客観的な追加情報が利用者自身によって測定される健康パラメータであることも可能であり、好ましい。
【0040】
入力マスクは、複数の質問が保存された少なくとも1つの質問票を含むのが好ましい。特に、質問はインタラクティブ及び/又はダイナミックに選択される。
入力マスク及び特に質問票の例示的な実施形態では、以下のステップが全面的又は少なくとも部分的に実行される。
-利用が少なすぎる場合(好ましくは1日6時間以下、特別に好ましくは1日4時間以下、若しくは選択的に1日2時間以下)、又は利用が減少している場合(1日あたり好ましくは1時間以上、特別に好ましくは2時間以上)には、モチベーションの欠如がないか的確に質問し、並びに/又は治療の意義に関して説明を提示し、並びに/又は治療時の取り扱いの問題の可能性について、及び/若しくは治療の副作用の可能性について、及び/若しくは上気道の感染症の可能性について、及び/若しくは呼吸用マスクを付けての呼吸を困難にする分泌物形成の増加について質問する。
-マスク漏れが上昇しつつある場合又は増加している場合(好ましくは20l/min若しくは15l/min以上の漏れ中央値、又は50l/min以上の漏れの95パーセンタイル、又は治療時間の10%以上の高い漏れの割合)には、漏れに起因する副作用の可能性について的確に質問する。このとき的確な質問が惹起される漏れの閾値は、1日あたりの減少した利用時間又は減少しつつある利用時間が測定されている場合には、感度が高くなるように選択されるのが特別に好ましい。
-呼吸数が増加している場合(好ましくは20bpm以上若しくは25bpm以上)、又は呼吸数が上昇しつつある場合(好ましくは時間的に遡る対照期間の対照値と比べて3bpm以上)には、呼吸困難が増しているかどうか、又は上昇しつつあるかどうか質問する。
【0041】
入力マスクは、特に質問票は、人工呼吸器により検出された少なくとも人工呼吸パラメータ及び/又は以前に提供された利用者情報及び/又は少なくとも1つの利用者入力に依存して、作成及び/又は適合化されるのが好ましい。入力マスクは、人工呼吸器の制御コマンド及び/又は人工呼吸器により提供されるその他のデータに基づいて作成又は適合化することもできる。そのような利用者入力は、たとえばヘルプボタンの操作及び/又は端末器具の特定のメニュー選択であり得る。このようなボタンは、特に人工呼吸器の操作デバイスに配置される。入力マスクは、保存されている個々の要素から生成することができ、及び/又は保存されている多数の入力マスクから選択することができる。
【0042】
利用者情報の提供のために、特に(制御アルゴリズムで)定義された人工呼吸パラメータが援用される。このとき、定義された人工呼吸パラメータのうち評価に利用可能ではないもの、及び/又は人工呼吸器により提供されたのではないもの、若しくは提供することができないものを、(主観的及び/又は客観的な)追加情報によって置換及び/又は補足することが可能であり、好ましい。特に、そのために必要な追加情報が入力マスクを用いて的確に照会される。そのために入力マスクが相応に適合化される。このことは、評価と援助の著しい改善を可能にする。特に、置換又は補足のためにどのような追加情報が必要であるかが制御アルゴリズムに保存される。
【0043】
利用者情報の提供のために適用される人工呼吸パラメータは、少なくとも部分的に追加情報に依存して選択されるのが好ましい。
【0044】
特に、利用者情報の提供はインタラクティブに行われる。特に、そのために利用者情報がグラフィック表示される。特に、そのために利用者情報の表示中に主観的な追加情報の入力及び/又はさらに別の利用者入力が可能である。特に、利用者情報がそのような入力によってあらためて作成され、及び/又はダイナミックに適合化される。
【0045】
いずれの実施形態においても、利用者情報は時間依存的に、及び/又は人工呼吸器の制御コマンドに基づいて、及び/又は利用者による要求に基づいて作成されるのが特別に好ましい。このような利用者情報の作成は、特に少なくとも部分的に、追加情報の照会について上記で説明したように構成される。
【0046】
特に、利用者情報の提供のために複数の治療時間の期間及び/又は複数の治療日の期間が援用される。これよりも長い期間又は短い期間も可能である。
【0047】
特別に好ましく有利な実施形態では、進行中の治療中に利用者情報の提供が行われることが可能である。このことは、特別に迅速でスムーズなフィードバック又はヘルプを可能にする。さらに別の利点は、たとえば現在治療を行っている人工呼吸器でメニューを選択するよりも、治療中に移動端末器具を使用するほうがはるかに便利なことである。
【0048】
特に、進行している治療中にデータが人工呼吸器から端末器具へ継続的に伝送される。特に、それに伴って利用者情報が継続的に更新される。継続的にとは、特に、連続する反復及び特定の時点での反復、又は不定期の反復をいずれも意味する。
【0049】
特別に好ましく有利な実施形態では、呼吸イベントが生じたときに、好ましくは新たな呼吸イベントが生じるたびに、利用者情報が更新される。このような呼吸イベントは、特に吸息及び/又は呼息を含む。その他の呼吸イベント、たとえば特別に早い、又は遅い、又は浅い呼吸、あるいは無呼吸なども可能である。このようにして、利用者は自身の呼吸に関してスムーズな、かつたとえばリアルタイムに、又はほぼリアルタイムに実行されるフィードバックを受け取る。それにより、人工呼吸器によって行われる呼吸サポートを、利用者の助力によって的確に補足することができる。このことが特別に好ましいのは、たとえば人工呼吸器なしでの呼吸が治療目標として想定される場合である。
【0050】
特別に有利で好ましい発展例では、端末器具の少なくとも1つの投影デバイスを用いて利用者情報が少なくとも部分的に周囲に投影されることが意図され、特にそれにより、端末器具を直接見なくても利用者情報を少なくとも部分的に光学的に知覚可能である。特に、端末器具は少なくとも1つの投影デバイスを含む。特に、端末器具は少なくとも1つの表示デバイス及び特にディスプレイを含む。特に、投影デバイスは表示デバイスによって提供され、又は少なくとも1つの表示デバイスを含む。表示デバイスから少なくとも部分的に切り離された投影デバイスも可能である。特に利用者情報は、利用者情報を知覚するために端末器具を、特にその表示デバイスを、見なくてもよいように投影される。
【0051】
あるいは、利用者情報が端末器具の表示デバイスに少なくとも部分的に表示されることも可能である。その場合、利用者はたとえば端末器具を手に持ち、ベッドで楽に横になってスマートフォンで利用者情報を見守ることができ、人工呼吸器に視線を向ける必要がない。
【0052】
利用者情報が少なくとも部分的に音響的及び/又は触覚的に出力されることも可能であり、好ましい。そのために、たとえば音色及び/又は物音及び/又はメロディ及び/又はその他の種類の音響的に知覚可能なシーケンスの再生が行われる。触覚式の再生は、たとえば振動などによって行うことができる。このことも、端末器具を直接見ることのない利用者情報の知覚を可能にする。
【0053】
投影デバイスにより、さまざまに異なる照明効果が周囲に投影されるのが好ましい。投影デバイスにより、周囲の少なくとも1つの投影面に視覚的な構造が生成されることも可能である。投影面は、たとえば部屋の壁及び/又は天井である。そのために、たとえばそれぞれ吸息と呼息について異なる色及び/又はパターンが意図されていてよい。それぞれ吸息と呼息について異なる音響信号及び/又は触覚信号が適用されることも可能である。このようにして利用者は、治療で良好な結果を得るにはどれだけ長く吸息又は呼息をするのがよいか、直接的なフィードバックを受けることができる。呼吸があまりに浅く行われるのはいつか、及び/又はあまりにゆっくりと行われるのはいつかを表示することも可能である。
【0054】
同じく好ましい有利な発展例では、利用者情報は、利用者の人工呼吸について人工呼吸器により(センサで)(最新に)検出された人工呼吸パラメータの実際値が、(人工呼吸器に)保存されている人工呼吸パラメータの目標値からどの程度大きく相違するかを表す少なくとも1つの目安を示すことが意図される。人工呼吸パラメータとして、たとえば呼吸数又はその他の適切な人工呼吸パラメータが意図されていてよい。この目安を、たとえば対応する色彩や音色などによって表現することができる。たとえば呼吸が目標値に特別によく呼応しているときには緑色の光を投影し、呼吸が目標値から大きく外れすぎているときには赤色の光を投影することができる。
【0055】
アニメーションとして構成された、又は動きのあるグラフィック要素を含む、利用者情報も可能である。たとえば利用者はスマートフォンを見て、呼吸が設定に即しているどうかをアニメーションの助けで見守ることができる。アニメーションの中で、たとえばオブジェクトの位置又は色又はサイズによって目安を明示することができる。このことは、たとえば患者としての子供の場合にも大きな利点となる。
【0056】
利用者の呼吸プロセスによってインタラクティブに影響を及ぼされ得る、少なくとも1つのアニメーションとして目安が構成されるのが好ましく、特別に有利であり、それにより、利用者はアニメーションの変化を通じてこれに関する直接的なフィードバックを受ける。特に利用者は、治療のために必要な呼吸に自分の呼吸がどれだけ近いかに関して直接的なフィードバックを受ける。そのようなアニメーションは、光学的及び/又は音響的及び/又は触覚的な要素を含むことができる。アニメーションがコンピュータ遊戯又はゲームの形式で意図されていてもよい。このようにして、利用者は遊びながら呼吸を治療することができ、呼吸を調整すべきか否か、いずれの方向に調整すべきかを容易に認識することができる(ゲーミフィケーション)。たとえばアニメーション化された環境によって、仮想オブジェクトを制御するよう呼吸によって試みなければならない。その動きがたとえば吸息と呼息にリンクされる。
【0057】
この方法は、人工呼吸器の使用のもとでのリラックス補助若しくは入眠補助として、及び/又は人工呼吸器を使用するための学習補助として構成されるのが好ましい。このとき特に少なくとも1つの保存された、及び/又は調整可能な呼吸パターンが人工呼吸器によって設定される。特に、呼吸パターンに必要な少なくとも1つの目標人工呼吸パラメータが調整される。特に、設定された呼吸パターンが利用者情報によって端末器具を用いて出力される。特に、利用者の少なくとも1つの実際人工呼吸パラメータがセンサで(人工呼吸器によって)検出される。このとき呼吸パターンは、実際人工呼吸パラメータが目標人工呼吸パラメータとどれだけ大きく相違するかに依存して(継続的に)適合化されるのが好ましい。このとき特に、設定された呼吸パターンと自分の呼吸を同期させることを利用者に容易にするために、設定されている呼吸パターンも、患者の実際の呼吸パターンに合わせて定義された程度だけ部分的に適合化される。このようにして利用者は、利用者情報を観察することで、自分の呼吸が呼吸パターンに対応しているかどうかを確認することができ、それと同時に、呼吸パターンも利用者の呼吸パターンに合わせて(軽微に)適合化される。利用者の実際の呼吸パターンに合わせて設定される呼吸パターンの調整は、特に、1回の呼吸ごとに少なくとも1回行われる。
【0058】
出願人は、人工呼吸器の使用のもとでのリラックス補助若しくは入眠補助として、及び/又は人工呼吸器を使用するための学習補助として、このような方法を別個に権利申請する権利を留保する。本発明によるこのような方法も、上記の課題を特別に好ましく解決する。このような方法は少なくとも部分的に、本発明による他の方法について上記で説明したように構成されるのが好ましい。これら両方の方法の構成要件を有意義な形で互いに組み合わせ、及び/又は入れ替えることが可能であり、好ましい。特に、この方法は本来の治療のためではなく、意図される呼吸療法を準備又は簡易化する役目だけを果たす。呼吸パターン又は設定される呼吸を調整可能であり、及び/又は呼吸パターンの群から選択可能であるのが好ましい。このようにして利用者は、トレーニング又は入眠習慣又は治療の必要性に応じて、自分の希望に即してトレーニングを適合化することができる。
【0059】
呼吸パターンは、いつ及び/又はどれだけ長く吸息がなされるべきかを定義するのが特別に好ましい。追加的又は代替的に呼吸パターンは、いつ及び/又はどれだけ長く呼息がなされるべきかを定義することができる。そのために、特に吸息及び/又は呼息についてそれぞれ光学式及び/又は音響式及び/又は触覚式の信号が利用者情報として時間制御式に端末器具を用いて出力される。そのために、利用者情報が特に上記で説明したように構成される。そのために投影デバイス及び/又は表示デバイスが利用されるのが特別に好ましい。
【0060】
たとえば呼吸パターンを、色の変化及び/又はアニメーションによって表現することができる。追加的又は代替的に呼吸パターンを音色又は物音、及びたとえば潮騒や鳥の鳴き声、又はメロディによって表現することができる。呼吸パターンは、たとえばインタラクティブなアニメーションについて上で説明したように、利用者によってインタラクティブに影響を及ぼすことができるのが特別に好ましい。このようにして、正しい呼吸又は迅速な入眠を、遊びを通じて学習することができる(ゲーミフィケーション)。たとえばこの場合にも、呼吸パターンに対応させるべき呼吸によって、アニメーション化された環境による仮想オブジェクトを制御することができる。
【0061】
本発明による人工呼吸システムは、少なくとも1つの人工呼吸器と、少なくとも1つの移動端末器具とを含む。人工呼吸器は、上に説明した本発明による方法の少なくとも1つに基づいて作動させるのに適しており、そのために構成される。特に、人工呼吸システムは本発明による方法のうち少なくとも1つを実施するのに適しており、そのために構成される。本発明による人工呼吸システムも、上記で課された課題を特別に好ましく解決する。
【0062】
特にこの方法は、人工呼吸器によって実行される、又は実行可能である呼吸療法にあたってサポートをするための役目を果たす。特に、このサポートは使用の前及び/又は後及び/又は途中に行われる。
【0063】
データ及び特に人工呼吸パラメータは、生データの形で(直接的に)伝送することができる。データ及び特に人工呼吸パラメータは、伝送の前にたとえば変換及び/又は選択などの加工を受けることができる。特にリンクはセキュリティシステムを含む。たとえば、端末器具と人工呼吸器を少なくとも1度は物理的に近接させなければならない。特にあらためてのリンク付けは、たとえば同じ(WLAN)ネットワークにログインする場合などには、少なくとも部分的に自動的に行われる。人工呼吸器に記録されたデータの端末器具への伝送は、特にセキュリティ保護接続を介して行われる。
【0064】
データ及び特に人工呼吸パラメータは、特に、人工呼吸器の少なくとも1つのセンサ手段によって検出される。人工呼吸パラメータは、特に、少なくとも以下を含む人工呼吸パラメータの群から選択される。圧力、流量(流量率又は体積流量)、呼吸数、呼吸容積、判定された呼吸障害、器具の機能に関わる人工呼吸パラメータ及びたとえばCPAP、APAPなどの設定された治療モード、使用の時間的な検出(いつ、どれだけ長く)、障害、認識された操作エラー。
【0065】
利用者情報は少なくとも1つの行動指図を含むことができ、又は行動指図として構成されていてよい。利用者情報はアクションを含むことができ、又はアクションとして構成されていてよい。アクションとして、たとえば緊急通報の自動的な実行及び/又は看護者への連絡を行うことができる。それ以外の適切なアクション、たとえば別のコンピュータデバイス及び/又は人工呼吸器との通信も可能である。それ以外の光学的及び/又は音響的及び/又は触覚的なアクションも可能である。いずれの実施形態においても、利用者情報が少なくともグラフィック処理され、たとえばアニメーション化されるのが特別に好ましい。特に、利用者情報はグラフィックの構成要素及び/又はテキストの構成要素を含む。
【0066】
利用者情報の提供は、少なくとも部分的に、人工呼吸器の器具設定及び/又は治療設定に依存して行うことが可能である。特に、サポート及び特に利用者情報の提供に関わりなく人工呼吸器の治療を実行することができる。特に、人工呼吸器の人工呼吸デバイスの制御に関わりなく、及び/又はこれに追加して、利用者情報の出力が行われる。利用者情報の提供とは、特に利用者情報の生成であると理解される。
【0067】
移動端末器具は、特にスマートフォン又はタブレット、あるいはその他の種類のハンドヘルド又はモバイル・スマート・デバイスである。そのような端末器具は、たとえばハンドヘルド(スマートフォン、折りたたみ式スマートフォン、又はタブレット若しくはタッチパッドなど)、あるいはその他の種類のスマートデバイス(たとえばスマートウォッチなど)、あるいはノートブック、折りたたみ式ノートブックなどである。
【0068】
本発明の枠内において利用者とは、特に、治療を受けている者であると理解される。看護者は、特に医療上及び/若しくは技術上の専門スタッフに属しており、又は医師である。看護者として、たとえばテクニカルサポート及び/又はメディカルサポートが意図されていてよい。(在宅)人工呼吸とは、特に、陽圧療法がなされる(一切の)治療であると理解される。特に、これは少なくとも次のものであると理解される。睡眠療法(CPAP、バイレベル、ASV)、ハイフロー療法、酸素療法、非侵襲的人工呼吸、侵襲的人工呼吸、マウスピース人工呼吸。
【0069】
いずれの実施形態においても、人工呼吸器が端末器具によって少なくとも部分的に遠隔制御可能であるのが好ましい。特に人工呼吸器は、治療を実行するために端末器具によって始動及び/又は停止及び/又は休止及び/又は調整できることが意図される。
【0070】
本発明の上記以外の利点と構成要件は、添付の図を参照して以下に説明する実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】本発明による人工呼吸システムを斜視図として示す純粋に模式的な図面である。
図2】本発明の純粋に模式的なブロック図である。
図3】端末器具のスクリーンショットである。
図4】端末器具のスクリーンショットである。
図5】端末器具のスクリーンショットである。
図6】端末器具のスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、在宅人工呼吸器100として構成された人工呼吸器1と、端末器具2とを有する、本発明による人工呼吸システム10を示している。端末器具2はここではスマートフォン12として構成されており、ディスプレイを備えた表示デバイス4を含んでいる。端末器具2は、たとえばWLAN、Bluetooth、又はその他の種類の無線式若しくは有線式の伝送技術を介して人工呼吸器1とリンクさせることができる。人工呼吸システム10のそれぞれリンクされた器具1,2の間で、データを伝送することができる。ここに示す人工呼吸システム10は、本発明による方法に基づいて作動する。
【0073】
人工呼吸器1は、呼吸ガス流を生成するための送風機デバイス9を装備する人工呼吸デバイス8をハウジングの内部に有している。呼吸ガス流は、呼吸インターフェース102(たとえば呼吸マスク)を有する、人工呼吸デバイス8に結合されたホースデバイス103を介して利用者に供給される。
【0074】
ここでは人工呼吸器1は、表示デバイス5と操作デバイス6とを含んでいる。このとき、たとえば接触感応式の表示面又はタッチスクリーンのような方式で、操作デバイス6と表示デバイス5との組み合わせが意図されていてもよい。ここでは操作デバイス6は、問題が発生したときヘルプを要求するために押すことができるヘルプボタンを含んでいる。さらに人工呼吸器1は、ここでは端末器具2から部分的に遠隔制御することができる。
【0075】
ここでは人工呼吸デバイス8は、人工呼吸パラメータ及び場合により人工呼吸について特徴的なその他の量を検出するための1つ又は複数のセンサを有するセンサ手段7と作用接続されている。たとえばセンサ手段7は、呼吸ガス流の圧力状況を検出する、ここには詳細には示さない圧力センサを含んでいる。ここではセンサ手段7が制御デバイスと作用接続されており、それにより、検出された人工呼吸パラメータを記録し、場合により評価して、端末器具2に送信することができる。このときそのような人工呼吸パラメータとして、器具パラメータ及び場合によりバッテリレベルや、エラーメッセージなども送信することができる。
【0076】
ここでは人工呼吸デバイス8を通じて、たとえばCPAP人工呼吸又はAPAP人工呼吸を実行することができる。人工呼吸のために、人工呼吸デバイス8がたとえば定義された呼吸ガス流量及び/又は呼吸ガス圧力に合わせて設定される。人工呼吸デバイス8は必要な最小圧力を提供することができ、及び/又は利用者の呼吸活動によって引き起こされる圧力変動を補償することができる。たとえば人工呼吸デバイス8は、センサ手段4によって呼吸マスク102の中の現在の圧力を検出し、所望の人工呼吸圧力が印加されるまで、送風機デバイス9の出力を相応に再調節する。
【0077】
人工呼吸器1とリンクされている端末器具2は、ここでは利用者と人工呼吸器1との間の、及び利用者と看護者又は医師との間の、通信インターフェースとしての役目を果たすこのようにして、利用者をテレマティクス式にサポートすることができる。そのために制御アルゴリズムが、本例ではアプリケーション又はアプリが、端末器具にインストールされる。人工呼吸器1に記録されたデータが端末器具2に伝送される。そして、利用者情報を提供するために、送信されたデータが端末器具2で評価される。利用者情報によって利用者は、自分の医学的な専門知識に関わりなく、伝送された人工呼吸パラメータを考慮した評価と援助を受ける。そして端末器具2の表示デバイス4に利用者情報が表示される。
【0078】
アプリを含む端末器具2によって器具1のデータを解釈することができ、妥当性検査済みのロジックに従って、利用者又は患者が自身の治療に関するフィードバックを受ける。スマートフォンは多くの場合、そのような評価のための強力なプロセッサと優れたディスプレイを有しており、評価のインタラクティブな提示のために特別に適している。その場合、プロセッサ回線や人工呼吸器1での表示器をかなりシンプルに保つことができ、このことはコストを節約し、それにもかかわらず良好で安全な人工呼吸を保証するのを助ける。
【0079】
特定のケース(特定の時点、問題が疑われるとき、患者が「問題ボタン」をクリックしたとき)では、患者が記入するべき質問票を追加的にアプリで患者に提示することができる。いっそう的確なフィードバックを提供するために、たとえば取り扱いの問題や副作用についての患者の回答をアプリが器具データと組み合わせる。このことは、看護者又は看護をする医師に通知をすることへの推奨も含む。そうしたケースでは、検出されたデータに関するレポートをアプリがさらに生成することもでき、これを患者が医師に提供することができる。
【0080】
このとき患者は追加情報として、健康データ又は「ヘルス」データを端末器具2からアプリにロード又は入力することができる。その例は、安静時脈拍数と負荷時脈拍数、年齢、体重、既往症、活動性、運動、睡眠指標などである。これらの追加情報が、解釈の質を向上させるために、任意選択として追加的に人工呼吸器1のデータと相殺される。さらに、たとえば満足度などの主観的な追加情報を入力して考慮することもできる。
【0081】
このとき人工呼吸システム10を用いて、人工呼吸器1の使用のもとでのリラクゼーション補助若しくは入眠補助として構成された方法、及び/又は人工呼吸器1を利用するための学習補助として構成された方法を具体化することもできる。それにより利用者は、アプリでのバイオフィードバックを通じてリラクゼーション補助/入眠補助を受ける。その際には利用者情報として呼吸パターンが視覚化される。
【0082】
そのために、たとえば端末器具2はアプリを通じて、たとえば1/3の吸息時間と2/3の呼息時間とを含む呼吸数10bpmなどの、リラックスをさせる呼吸パターンを設定する。ただし、このパターンが厳密に再生されるわけではない。そうしないと、実際の呼吸パターンと設定された呼吸パターンとが次第に大きく乖離していくことになるからである。その代わりに、少なくとも呼吸1回ごとに設定が実際の呼吸パターンと同期化され、それにより患者の現在の呼吸が「出迎えられ」て、理想的な呼吸に向かう方向へと少しずつ「連れて行かれる」。
【0083】
このとき実際の呼吸パターンの設定は、たとえば表示デバイス4により提供される投影デバイス3によって行われる。たとえば、そのためにディスプレイの明るさが強められる。吸息と呼息について異なる色でディスプレイが着色されることで、呼吸パターンが投影される。このようにして端末器具2を横にすれば、部屋の天井又は部屋の壁に、実際の呼吸パターンを設定するパターンが生じる。たとえば端末器具2に視線を向ける必要なしに、横になってトレーニングを行うことができる。その代替又は追加として、端末器具2のディスプレイでのグラフィックアニメーション及び/又は音響アニメーションによって、実際の呼吸パターンの設定を行うこともできる。
【0084】
図2は、アプリのいくつかの要素の例示的な、かつここでは大幅に簡略化されたブロック図を示している。ここでは利用者情報としてデイリーフィードバック200が日ごとに、及びウイークリーレポート201が週ごとに(たとえば日曜日に)、作成されて出力される。ここではたとえば個人的な週間目標が考慮されて、場合により報奨が与えられる。デイリーフィードバック200の枠内で、たとえば絵文字を短いテキストとともに付与することが毎日可能な治療日記を提供することもできる。
【0085】
たとえばデイリーフィードバック200の可能な評価規則として、各々の治療日をたとえば優秀から不合格まで、特定の基準に従って4つ又はそれ以上のカテゴリーに個別に区分することができる。そしてカテゴリーを参照して、個別の日についてのフィードバックメッセージを決定することができる。そして、ウイークリーレポート201のためのデータを供給するために、個別日とそのカテゴリーが計算により分析される。
【0086】
たとえばコンプライアンス(器具の使用)、マスク気密性(漏れ)、及び残存呼吸イベントの回数(AHI)に関してフィードバックメッセージを行うことができる。デイリーフィードバック200及び/又はウイークリーレポート201では、利用者によって行われるフィードバック、たとえばその星印評価も考慮に入れることができる。
【0087】
ここでは特定のインターバルで、たとえば7日、28日、又は84日ごとに、治療チェック202が開始され、そのために治療チェックは入力マスクを質問票とともに含んでいる。治療チェック202は、たとえばヘルプボタンが押されたときに、トリガー205(リリース装置)に基づいて開始することもできる。トリガー205として、特定の(センサで検出された)パラメータの発生、又は特定のクリティカルな主観的若しくは客観的な追加情報の発生を援用することもできる。問題が認識されたときにも、このような治療チェックの質問票及び/又は医師への連絡を推奨することができる。そのために特に閾値が保存され、それにより、その超過がこのような推奨を惹起することができる。
【0088】
治療チェック202は、治療チェック202の評価203を得るために、自動的に、又は要求に基づいて分析することができる。評価203は、報奨、推奨(たとえば看護者の参画)及び/又は援助(トラブルシューティング)を含むことができる。
【0089】
その場合に治療チェック202の評価203は単独で、又はたとえばステータスレポート及び/若しくは器具データとともに、看護者又は医師に送信される。さらに、適切なトリガー205によっても評価203の送信を惹起することができる。
【0090】
図3図6は、スマートフォン12として構成され、アプリを装備している端末器具2のスクリーンショット(画面画像)を示している。
【0091】
図3は、たとえばデイリーフィードバック200を含む一週間の治療内での利用者情報の提供を示している。図4にはウイークリーレポート201が示されている。図5は、評価203を開始するための選択のための画面を示している。図6には、人工呼吸器1の遠隔操作として端末器具2が利用されるときの画面が示されている。
【符号の説明】
【0092】
1 人工呼吸器
2 端末器具
3 投影デバイス
4 表示デバイス
5 表示デバイス
6 操作デバイス
7 センサ手段
8 人工呼吸デバイス
9 送風機デバイス
10 人工呼吸システム
12 スマートフォン
20 補助器具
100 在宅人工呼吸器
102 呼吸インターフェース
103 ホースデバイス
200 デイリーレポート
201 ウイークリーレポート
202 治療チェック
203 評価
204 送信
205 トリガー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】