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  • 特開-複合基板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034605
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】複合基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/00 20060101AFI20220225BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20220225BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H01L25/00 B
H05K1/18 S
H01L25/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138365
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】土谷 太一
【テーマコード(参考)】
5E336
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336AA14
5E336AA16
5E336CC34
5E336CC58
5E336CC60
5E336EE03
5E336GG11
(57)【要約】
【課題】通信性能の低下を抑制した複合基板を提供する。
【解決手段】複合基板は、第1面および第2面を有し、前記第1面側にRFICが実装された回路基板と、第1アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第1アンテナ基板と、第2アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第2アンテナ基板と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面および第2面を有し、前記第1面側にRFICが実装された回路基板と、
第1アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第1アンテナ基板と、
第2アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第2アンテナ基板と、を備える、複合基板。
【請求項2】
前記第1アンテナ基板は前記第2アンテナ基板とは異なる層構成を有する、請求項1に記載の複合基板。
【請求項3】
前記第1アンテナ素子は電磁波を受信するように構成され、
前記第2アンテナ素子は電磁波を送信するように構成され、
前記第1アンテナ基板に含まれる第1絶縁層の数は、前記第2アンテナ基板に含まれる第2絶縁層の数より少ない、請求項2に記載の複合基板。
【請求項4】
前記第1アンテナ素子は電磁波を受信するように構成され、
前記第2アンテナ素子は電磁波を送信するように構成され、
前記第1アンテナ基板に含まれる第1絶縁層は、前記第2アンテナ基板に含まれる第2絶縁層よりも誘電正接が小さい材質により形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合基板。
【請求項5】
前記回路基板の厚さ方向から見た平面視において、前記第1アンテナ基板の面積と前記第2アンテナ基板の面積とが異なる、請求項1から4のいずれか1項に記載の複合基板。
【請求項6】
前記回路基板の厚さ方向から見た平面視において、前記第1アンテナ基板および前記第2アンテナ基板が前記RFICと重なっている、請求項1から5のいずれか1項に記載の複合基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アンテナ素子を有する1つのアンテナ基板と、RFIC(高周波デバイス)が実装された回路基板と、を備えた複合基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3266491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような複合基板では、アンテナ基板に生じる反りが、通信性能を低下させる要因となり得る。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、通信性能の低下を抑制した複合基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る複合基板は、第1面および第2面を有し、前記第1面側にRFICが実装された回路基板と、第1アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第1アンテナ基板と、第2アンテナ素子を有し、前記第2面側に実装された第2アンテナ基板と、を備える。
【0007】
上記態様によれば、複数のアンテナ基板を備えることで、複合基板が全体として備えるアンテナ素子の数や面積を大きくしつつ、アンテナ基板の個別の面積を小さくできる。アンテナ基板の個別の面積が小さいほど、これらのアンテナ基板に生じ得る反りも小さくなる。したがって、反りによって通信性能が低下することを抑制できる。
【0008】
ここで、前記第1アンテナ基板は前記第2アンテナ基板とは異なる層構成を有してもよい。
【0009】
また、前記第1アンテナ素子は電磁波を受信するように構成され、前記第2アンテナ素子は電磁波を送信するように構成され、前記第1アンテナ基板に含まれる第1絶縁層の数は、前記第2アンテナ基板に含まれる第2絶縁層の数より少なくてもよい。
【0010】
また、前記第1アンテナ素子は電磁波を受信するように構成され、前記第2アンテナ素子は電磁波を送信するように構成され、前記第1アンテナ基板に含まれる第1絶縁層は、前記第2アンテナ基板に含まれる第2絶縁層よりも誘電正接が小さい材質により形成されていてもよい。
【0011】
また、前記回路基板の厚さ方向から見た平面視において、前記第1アンテナ基板の面積と前記第2アンテナ基板の面積とが異なっていてもよい。
【0012】
また、前記回路基板の厚さ方向から見た平面視において、前記第1アンテナ基板および前記第2アンテナ基板が前記RFICと重なっていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、通信性能の低下を抑制した複合基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る複合基板の断面図である。
図2図1の複合基板の平面図である。
図3】第2実施形態に係る複合基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の複合基板について図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、複合基板1Aは、回路基板10と、複数のアンテナ基板20A~20Dと、RFIC30と、を備えている。RFIC30は、高周波集積回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)であり、ミリ波帯などの高周波信号を処理する。複合基板1Aは、RFIC30が出力した電気信号をアンテナ基板20A~20Dから放射させたり、アンテナ基板20A~20Dで受信した高周波信号をRFIC30で処理したりすることが可能である。複合基板1Aは、アンテナインパッケージ(AIP:Antenna In Package)とも呼ばれる。
【0016】
本実施形態の複合基板1Aは4つのアンテナ基板20A~20Dを備える。ただし、複合基板1Aが備えるアンテナ基板の数は、2以上であれば、適宜変更してもよい。本明細書では、各アンテナ基板20A~20Dを、第1アンテナ基板20A、第2アンテナ基板20B、第3アンテナ基板20C、および第4アンテナ基板20Dという場合がある。
【0017】
(方向定義)
本明細書では、回路基板10の厚さ方向を上下方向という。上下方向は、回路基板10とアンテナ基板20A~20Dとが対向する方向でもある。上下方向から見ることを平面視という。図1は上下方向に沿った複合基板1Aの断面図(図2のI-I断面矢視図)であり、図2は複合基板1Aを上方から見た平面図である。上下方向において、回路基板10から見て複数のアンテナ基板20A~20Dが位置する側を上方といい、反対側を下方という場合がある。
【0018】
図1に示すように、回路基板10は第1面11および第2面12を有している。第1面11は回路基板10の下面であり、第2面12は回路基板10の上面である。第1面11側に複数の接続部S1(RFIC側接続部)が配置され、第2面12側に複数の接続部S2(アンテナ側接続部)が配置されている。接続部S1はRFIC30と回路基板10とを電気的に接続するとともに、RFIC30を回路基板10に固定する。接続部S2はアンテナ基板20A~20Dと回路基板10とを電気的に接続するとともに、アンテナ基板20A~20Dを回路基板10に固定する。接続部S1、S2としては、例えばはんだや導電性樹脂等を用いることができる。
【0019】
回路基板10は、絶縁体および回路パターンを含んでいる。回路基板10は、1層の絶縁体および当該絶縁体の表面に設けられた回路パターンにより構成されてもよい。あるいは、回路基板10は、複数層の絶縁体と、絶縁体の表面および絶縁体同士の間に設けられた回路パターンにより構成されてもよい。回路基板10を構成する絶縁体としては、例えばFR4等の基板用の一般的な材質を利用できる。
【0020】
RFIC30と第1面11とは、隙間を空けた状態で、上下方向において対向している。アンテナ基板20A~20Dと第2面12とは、隙間を空けた状態で、上下方向において対向している。RFIC30は接続部S1により、第1面11側に実装されている。アンテナ基板20A~20Dは接続部S2により、第2面12側に実装されている。言い換えると、アンテナ基板20A~20Dは、回路基板10におけるRFIC30とは反対側に実装されている。図2に示すように、各アンテナ基板20A~20Dは、平面視においてRFIC30と重なるように配置されている。
【0021】
複数のアンテナ基板20A~20Dは、機能が互いに異なっていてもよい。例えば、第1アンテナ基板20Aおよび第3アンテナ基板20Cが受信用であり、第2アンテナ基板20Bおよび第4アンテナ基板20Dが送信用であってもよい。あるいは、第1アンテナ基板20Aおよび第2アンテナ基板20Bが高い周波数帯の送信、受信用であり、第3アンテナ基板20Cおよび第4アンテナ基板20Dが低い周波数帯の送信、受信用であってもよい。受信用のアンテナ基板は所定の周波数の電磁波を受信するように構成され、送信用のアンテナ基板は所定の周波数の電磁波を送信するように構成される。
ただし、上記はあくまで例示であり、各アンテナ基板20A~20Dの機能は適宜変更可能である。また、各アンテナ基板20A~20Dの機能が互いに同じであってもよい。
【0022】
図1に示すように、第1アンテナ基板20Aは、1つの第1絶縁層21aと、第1アンテナ素子22aと、を有している。第1アンテナ基板20Aは2以上の第1絶縁層21aを有してもよい。第1アンテナ素子22aは、第1絶縁層21aの上面側に形成されている。第1アンテナ素子22aは、例えば第1絶縁層21aを上下方向に貫通するビアホール(不図示)および接続部S2を介して、回路基板10に電気的に接続されている。第1アンテナ基板20Aは、複数の第1アンテナ素子22aを有してもよい。
【0023】
第2アンテナ基板20Bは、2つの第2絶縁層21bと、第2アンテナ素子22bと、を有している。第2アンテナ基板20Bは、1または3以上の第2絶縁層21bを有してもよい。第2アンテナ素子22bは、上方に位置する第2絶縁層21bの上面側に形成されている。ただし、第2アンテナ素子22bは、2つの第2絶縁層21b同士の間に形成されてもよい。第2アンテナ素子22bは、例えば2つの第2絶縁層21bを上下方向に貫通するビアホール(不図示)および接続部S2を介して、回路基板10に電気的に接続されている。第2アンテナ基板20Bは、複数の第2アンテナ素子22bを有してもよい。
【0024】
第1アンテナ基板20Aと第2アンテナ基板20Bとでは、層構成が異なっていてもよい。「層構成」とは、例えば絶縁層の数や、アンテナ素子と回路基板10との導通構造である。導通構造とは、アンテナ素子と回路基板10との間を電気的に接続するための構造である。導通構造としては、先述のビアホールおよび接続部S2、絶縁層の表面に部分的に金属メッキを設けた構造の他に、絶縁層に導電性樹脂を印刷した構造が挙げられる。接続部S2には、はんだの他に、銀や銅などの微粒子を含むペーストを用いることもできる。また、どちらかのアンテナ基板と回路基板10の間にある接続部S2の周囲の空間には、樹脂などを埋めてもよい。第1アンテナ基板20Aと第2アンテナ基板20Bとで、厚さが異なっていてもよい。
【0025】
絶縁層21a、21bとしては、高周波信号の処理に適した、誘電特性のよい材質(すなわち誘電正接が小さい材質)を用いることが好ましい。具体的には、絶縁層21a、21bの材質として熱可塑性の液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)、変性ポリフェニレンエーテル、セラミック、ガラス、フッ素系樹脂などを採用できる。
【0026】
アンテナ素子22a、22bは、絶縁層21a、21bの表面(または内部)に設けられたメタル層である。アンテナ素子22a、22bの具体的な材質としては、例えば銅、銀、アルミニウムなどを採用できる。このようなメタル層は、例えば絶縁層21a、21bの表面に金属の薄膜を形成し、当該薄膜をエッチングすることなどで形成できる。第2絶縁層21b同士の間に第2アンテナ素子22bを形成する場合、例えば下方の第2絶縁層21bの表面に第2アンテナ素子22bを形成した後、その上に第2絶縁層21bを積層すればよい。
【0027】
詳細な説明は省略するが、第3アンテナ基板20Cおよび第4アンテナ基板20Dも、それぞれ絶縁層21c、21dおよびアンテナ素子22c、22dを有する。第3アンテナ基板20Cおよび第4アンテナ基板20Dの構造は、第1アンテナ基板20Aおよび第2アンテナ基板20Bと同様でもよいし、異なってもよい。
【0028】
ここで、複合基板1Aを使用する際には、温湿度の影響でアンテナ基板20A~20Dが伸縮する場合がある。アンテナ基板20A~20Dは接続部S2によって固定されているため、伸縮に伴って反りが生じ得る。また、アンテナ基板20A~20Dを回路基板10に実装する際に、例えば接続部S2を溶融させるために加熱し、その後冷却する場合には、この加熱・冷却により反りが生じる場合もある。反りの大きさは、アンテナ基板20A~20Dの個別の面積に依存する。つまり、アンテナ基板20A~20Dの個別の面積が大きいほど、大きな反りが生じやすい。そして、アンテナ基板20A~20Dに反りが生じると、複合基板1Aの通信低能が低下する。
【0029】
その一方で、アンテナ基板20A~20Dの面積が小さいほど、配置できるアンテナ素子22a~22dの数や面積が小さくなり、通信性能が低下する。そこで本実施形態の複合基板1Aは、1つの回路基板10に複数のアンテナ基板20A~20Dを実装している。これにより、複合基板1Aが備えるアンテナ基板20A~20Dの全体の面積を確保しつつ、各アンテナ基板20A~20Dの個別の面積を小さくできる。これにより、アンテナ素子22a~22dの数や面積を確保しながら、各アンテナ基板20A~20Dに生じる反りを低減することが可能となる。
【0030】
また、各アンテナ基板20A~20Dの個別の面積が小さいことで、各アンテナ基板20A~20Dと回路基板10との間の隙間の大きさを、より均一にできる。前記隙間が過小であると、例えば接続部S2がアンテナ基板20A~20Dと回路基板10との間で押しつぶされ、許容量を超えて広がって短絡が生じる場合がある。前記隙間が過大であると、アンテナ基板20A~20Dと回路基板10との間の導通や、アンテナ基板20A~20Dの固定の強度が不安定となる場合がある。本実施形態によればこれらの現象を抑制することもできる。
なお、複合基板1Aは、少なくとも2つのアンテナ基板(例えば第1アンテナ基板20Aおよび第2アンテナ基板20B)を備えていれば、上記の効果を得ることができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の複合基板1Aは、第1面11および第2面12を有し、第1面11側にRFIC30が実装された回路基板10と、第1アンテナ素子22aを有し第2面12側に実装された第1アンテナ基板20Aと、第2アンテナ素子22bを有し第2面12側に実装された第2アンテナ基板20Bと、を備える。このように、複数のアンテナ基板20A、20Bを備えることで、複合基板1Aが全体として備えるアンテナ素子22a、22bの数や面積を大きくしつつ、アンテナ基板20A、20Bの個別の面積を小さくできる。アンテナ基板20A、20Bの個別の面積が小さいほど、これらのアンテナ基板20A、20Bに生じ得る反りも小さくなる。したがって、反りによって通信性能が低下することを抑制できる。
【0032】
また、複数のアンテナ基板20A~20Dの一部に不良(配線の欠落など)が生じた場合、不良が生じたアンテナ基板のみ交換すれば足りる。さらに、面積の大きなアンテナ基板ほど、不良が生じやすくなる。したがって、1つの大きなアンテナ基板を用いる場合と比較して、複数の小さなアンテナ基板20A~20Dを用いることで、複合基板1Aを製造する際の歩留まりを向上させることができる。
また、複数のアンテナ基板20A~20D同士で、異なる材質や層構成を選択することが可能となる。
【0033】
例えば、第1アンテナ基板20Aは第2アンテナ基板20Bとは異なる層構成を有してもよい。この場合、各アンテナ基板20A、20Bに求められる性能(例えば、送信・受信感度、掃引角度、周波数帯など)に応じて、最適な層構成を選択することができる。
具体的な例として、第1アンテナ素子22aは電磁波を受信するように構成され、第2アンテナ素子22bは電磁波を送信するように構成され、第1アンテナ基板20Aに含まれる第1絶縁層21aの数は、第2アンテナ基板20Bに含まれる第2絶縁層21bの数より少なくてもよい。一般的に、絶縁層の数(積層数)が少ないほど電気信号用の配線が短くなり、電気信号のロスも小さくなる。
【0034】
したがって、より微弱な電磁波を伝達する受信用の第1アンテナ基板20Aの第1絶縁層21aの数を少なくすることで、複合基板1Aの受信性能を高めることができる。同様の理由から、第1アンテナ基板20Aが受信用で第2アンテナ基板20Bが送信用である場合、第1アンテナ基板20Aに含まれる第1絶縁層21aは、第2アンテナ基板20Bに含まれる第2絶縁層21bよりも誘電正接が小さい材質により形成されていてもよい。誘電正接が小さい材質は高価な傾向があるため、要求される誘電特性の高い受信用の第1アンテナ基板20Aとして誘電正接が小さい材質を用い、送信用の第2アンテナ基板20Bとして誘電正接が大きい材質を用いれば、製造コスト(材料費)と性能を両立させることができる。
【0035】
また、図2に示すように、回路基板10の厚さ方向から見た平面視において、第1アンテナ基板20Aおよび第2アンテナ基板20BがRFIC30と重なっていてもよい。この場合、各アンテナ基板20A、20BからRFIC30までの配線経路を短くして、電気信号のロスを小さくすることができ、等長配線もしやすくなる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図3に示すように、本実施形態では、第1アンテナ基板20Aおよび第2アンテナ基板20Bの平面視における面積が互いに異なる。
【0037】
例えば第1アンテナ基板20Aが受信用である場合、先述の通り、第1アンテナ基板20Aの第1絶縁層21aは、第2アンテナ基板20Bの第2絶縁層21bよりも誘電正接が小さい材質で形成することが好ましい。一方、誘電正接が小さい材質は高価である。そこで図3のように、第1アンテナ基板20Aの面積を第2アンテナ基板20Bよりも小さくすることで、第1アンテナ基板20Aの製造コストを抑えることができる。
【0038】
あるいは、第2アンテナ基板20Bが受信用である場合に、図3のように第2アンテナ基板20Bの面積を大きくしてもよい。これにより、第2アンテナ素子22bの数や面積を大きくして、電磁波を受信した際の利得を大きくすることも可能である。
以上の通り、本実施形態の複合基板1Bによれば、平面視における第1アンテナ基板20Aの面積と第2アンテナ基板20Bの面積とが異なっている。これにより、高価な材質を用いたアンテナ基板の面積を小さくして製造コストを抑えたり、受信用のアンテナ基板の面積を大きくして電磁波の利得を大きくしたりすることができる。
【0039】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0040】
例えば、アンテナ基板20A~20Dは層構成や材質が互いに同じであってもよい。
また、アンテナ基板20A~20Dの一部または全部が平面視においてRFIC30と重ならないように配置されてもよい。
【0041】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0042】
例えば前記第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、3つ以上のアンテナ基板を備える複合基板において、少なくとも2つのアンテナ基板の面積が互いに異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1A、1B…複合基板 10…回路基板 11…第1面 12…第2面 20A…第1アンテナ基板 20B…第2アンテナ基板 21a…第1絶縁層 21b…第2絶縁層 22a…第1アンテナ素子 22b…第2アンテナ素子
図1
図2
図3