(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034634
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 9/00 20060101AFI20220225BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20220225BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220225BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
F24F9/00 A
F24F7/00 A
F24F7/06 B
A61L9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138417
(22)【出願日】2020-08-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】520314641
【氏名又は名称】エヴァンリード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】芝田 智宗
【テーマコード(参考)】
3L058
4C180
【Fターム(参考)】
3L058BE08
3L058BF04
4C180AA07
4C180CA06
4C180CB03
4C180CC02
4C180DD03
4C180DD09
4C180EA17X
4C180EA58X
4C180HH05
4C180MM05
(57)【要約】
【課題】 人の間における飛沫感染の可能性を低減できる、空気清浄機を提供することを目的とする。
【解決手段】 空気清浄機100は、飛沫を含む空気を吸い込む吸込口と130b、空気から飛沫を除去する飛沫除去部と、飛沫が除去された空気を吹き出す吹出口120cと、空気を送風する送風部と、を備える。吹出口120cが空気清浄機100の上部に配置され、空気を下方に吹き出し、吸込口130bが空気清浄機の下部に配置され、空気を上方から吸い込む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛沫を含む空気を吸い込む吸込口を備える吸込部と、前記空気から前記飛沫を除去する飛沫除去部と、前記飛沫が除去された空気を吹き出す吹出口を備える吹出部と、前記吸込口から前記飛沫除去部を介して前記吹出口まで少なくとも送風する送風部と、を備える空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記空気清浄機の上部に配置され、前記吹出口が吹き出した空気を前記吹出部の下方に導き、
前記吸込部は、前記空気清浄機の下部に配置され、前記吹出部が吹き出した空気を前記吸込部の上方から前記吸込口に吸い込む、空気清浄機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より高い位置に配置され、前記吸込部は、前記想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より低い位置に配置される、空気清浄機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、縦方向(例えば略垂直方向)で互いに向かい合う又は整合するように配置される、空気清浄機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、それぞれ横方向(例えば略水平方向)に延びる、空気清浄機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載する空気清浄機であって、
前記吹出部から前記吸込部へ一定方向の気流が発生し、
前記吸込部から取り込まれた空気は、前記空気清浄器の内部では、前記下部から前記上部へリターンされ前記飛沫除去部で清浄化された空気となって、前記上部の前記吹出部に向かう内部気流となり、
前記吹出部から吹き出される空気は、前記空気清浄機の外部では、前記上部から下部へ向かう外部気流となり、
前記外部気流及び前記内部気流がそれぞれ連続して発生することで前記一定方向に前記気流を循環させる、空気清浄機。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、それぞれ環状に配置される、空気清浄機。
【請求項7】
請求項6に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記空気清浄機の頭部に配置される、空気清浄機。
【請求項8】
請求項7に記載の空気清浄機であって、
前記飛沫除去部を通過した空気を前記頭部に供給する管部を備え、
前記管部の上端が前記頭部に接続される、空気清浄機。
【請求項9】
請求項6に記載の空気清浄機であって、
前記頭部は、傘状又はドーム状の頭部である、空気清浄機。
【請求項10】
請求項6に記載の空気清浄機であって、
前記頭部は、ドーナツ状の頭部である、空気清浄機。
【請求項11】
請求項10に記載の空気清浄機であって、
前記飛沫除去部を通過した空気を前記頭部に供給する管部を備え、
前記管部の上端と前記頭部とを接続する接続管部を備える、空気清浄機。
【請求項12】
請求項11に記載の空気清浄機であって、
前記接続管部は、L字状又は十字状の接続管部である、空気清浄機。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の空気清浄機であって、
前記接続管部の中心部と、前記ドーナツ状の前記頭部との間に空間(S)が形成される、空気清浄機。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部の間で、前記上方から前記下方に流れる気流を形成する、空気清浄機。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記吹出口に設けた気流制御部を備える、空気清浄機。
【請求項16】
請求項15に記載の空気清浄機であって、
前記気流制御部は、前記吹出口が開口する方向に沿って設けられる、空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関し、より詳細には、ウイルス等の病原体を含む飛沫を隔離可能な空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
2019年末から新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに世界はさらされている。新型コロナウイルスは、人の口や鼻からの飛沫によって感染が広がる可能性がある。例えば、非特許文献1において、隣り合う人体の間で、咳、くしゃみ、又は発声に含まれる飛沫から感染が広がる可能性が強く示唆されている。
【0003】
一方、室内の空気を浄化する空気清浄機は、例えば、特許文献1や2に示すように提案されている。特許文献1の空気清浄装置は、
図1に示されるように、排出口7(吹出口)が上方にあり吸入口3が下方に配置されている。特許文献1の空気清浄装置において、排出口7の排出方向及び吸入口3の吸込方向は、共に横方向となるため、人が隣り合う際、飛沫が横方向に移動し、感染が広がる可能性がある。
【0004】
特許文献2の空気清浄装置は、
図1等に示されるように、吹出口5が下方に配置され、吸引部10が吹出口5の斜め上方に配置されている。したがって、空気が下方から斜めに上方に流れるため、人が隣り合う場合、飛沫が下方から斜め上方に移動し、感染が広がる可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】坪倉 誠,「室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策」,2020年6月3日[online],理化学研究所 計算科学研究センター,[2020年7月31日検索],インターネット <https://www.r-ccs.riken.jp/jp/fugaku/corona/projects/tsubokura.html>
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-264059号公報
【特許文献2】特許第2775085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1や2に示したような従来の空気清浄機は、隣り合う人の飛沫感染を防止することはできなかった。そこで、本発明は、隣り合う人の間における飛沫感染の可能性を低減できる、空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各態様は次の通りである。
[態様1]
飛沫を含む空気を吸い込む吸込口を備える吸込部と、前記空気から前記飛沫を除去する飛沫除去部と、前記飛沫が除去された空気を吹き出す吹出口を備える吹出部と、前記吸込口から前記飛沫除去部を介して前記吹出口まで少なくとも送風する送風部と、を備える空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記空気清浄機の上部に配置され、前記吹出口が吹き出した空気を前記吹出部の下方に導き、
前記吸込部は、前記空気清浄機の下部に配置され、前記吹出部が吹き出した空気を前記吸込部の上方から前記吸込口に吸い込む、空気清浄機。
[態様2]
態様1に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より高い位置に配置され、前記吸込部は、前記想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より低い位置に配置される、空気清浄機。
【0009】
[態様3]
態様1又は2に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、縦方向(例えば略垂直方向)で互いに向かい合う又は整合するように配置される、空気清浄機。
[態様4]
態様1乃至3のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、それぞれ横方向(例えば略水平方向)に延びる、空気清浄機。
[態様5]
態様1から4のいずれか一項に記載する空気清浄機であって、
前記吹出部から前記吸込部へ一定方向の気流が発生し、
前記吸込部から取り込まれた空気は、前記空気清浄器の内部では、前記下部から前記上部へリターンされ前記飛沫除去部で清浄化された空気となって、前記上部の前記吹出部に向かう内部気流となり、
前記吹出部から吹き出される空気は、前記空気清浄機の外部では、前記上部から下部へ向かう外部気流となり、
前記外部気流及び前記内部気流がそれぞれ連続して発生することで前記一定方向に前記気流を循環させる、空気清浄機。
【0010】
[態様6]
態様1乃至4のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、それぞれ環状に配置される、空気清浄機。
[態様7]
態様6に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記空気清浄機の頭部に配置される、空気清浄機。
[態様8]
態様7に記載の空気清浄機であって、
前記飛沫除去部を通過した空気を前記頭部に供給する管部を備え、
前記管部の上端が前記頭部に接続される、空気清浄機。
【0011】
[態様9]
態様6に記載の空気清浄機であって、
前記頭部は、傘状又はドーム状の頭部である、空気清浄機。
[態様10]
態様6に記載の空気清浄機であって、
前記頭部は、ドーナツ状の頭部である、空気清浄機。
[態様11]
態様10に記載の空気清浄機であって、
前記飛沫除去部を通過した空気を前記頭部に供給する管部を備え、
前記管部の上端と前記頭部とを接続する接続管部を備える、空気清浄機。
【0012】
[態様12]
態様11に記載の空気清浄機であって、
前記接続管部は、L字状又は十字状の接続管部である、空気清浄機。
[態様13]
態様11又は12に記載の空気清浄機であって、
前記接続管部の中心部と、前記ドーナツ状の前記頭部との間に空間(S)が形成される、空気清浄機。
[態様14]
態様1乃至13のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部の間で、前記上方から前記下方に流れる気流を形成する、空気清浄機。
【0013】
[態様15]
態様1乃至14のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記吹出口に設けた気流制御部を備える、空気清浄機。
[態様16]
態様15に記載の空気清浄機であって、
前記気流制御部は、前記吹出口が開口する方向に沿って設けられる、空気清浄機。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気清浄機は、隣り合う人の間における飛沫感染の可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る空気清浄機の使用状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の空気清浄機の吹出口を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る空気清浄機の使用状態を示す斜視図である。
【
図8】
図5の空気清浄機の頭部を示す断面斜視図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る空気清浄機の使用状態を示す斜視図である。
【
図10】
図9の空気清浄機を示す断面斜視図である。
【
図11】
図9の空気清浄機の頭部を示す断面斜視図である。
【
図12】本発明の第4の実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
【
図16】本発明の第5の実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
【
図20】本発明の第6の実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
【
図24】本発明の第7の実施形態に係る空気清浄機を示す右側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本発明の各実施形態に係る空気清浄機について、前提となる特徴及び基本構造を説明する。
【0017】
[空気清浄機の特徴]
各実施形態に係る空気清浄機は、上方から下方に向けて空気を吹き出すことにより、飛沫発生ポイントである顔(口及び/又は鼻)の上方から顔(口及び/又は鼻)の下方へ一定の方向(一方向)の気流を発生させ、発生した飛沫や飛沫を含む周辺の空気を前記気流(下方へ一方向に発生させた気流)に同伴させることで拡散させず下方から吸い込み回収し、空気清浄機内部で飛沫或いは飛沫を含む空気を浄化(捕集)し、清化された空気を再び上方から下方に向けて吹き出すことで局所的に周辺空気を循環させる。ベルヌーイの定理に基づき、飛沫や飛沫を含む空気は発生する気流に引き寄せられて一緒に流れるという現象を利用する。
【0018】
各実施形態が想定する人は、想定身長として、好ましくは、160~170cmを有するものとする。第1及び第2の実施形態に係る空気清浄機は、想定身長の人が椅子に座った状態で、顔(口及び/又は鼻)の位置より高い位置から下方に気流を発生させ、顔(口及び/又は鼻)の位置より低い位置で吸い込み口から周囲の空気を吸い込む。第3~第6の実施形態に係る空気清浄機は、想定身長の人が直立した状態で、顔(口及び/又は鼻)の位置より高い位置から下方に気流を発生させ、顔(口及び/又は鼻)の位置より低い位置で吸い込み口から周囲の空気を吸い込む。
【0019】
第1~第7の実施形態に係る空気清浄機は、人の顔(口及び/又は鼻)を中心位置とし、中心位置の上方から発生する気流を、中心位置の下方に流して、一方向の気流を形成し、中心位置の周囲の空気の少なくとも一部を一方向に循環させることが特徴である。
【0020】
下方に流された飛沫を含む空気は「吸引部(吸引スリット)」に吸い込まれ、空気清浄機のリターンダクトを通り飛沫除去部を通過することで、飛沫を含む空気が浄化(捕集)され清浄な空気となる。飛沫除去部は、空気から飛沫を除去、滅菌、或いは除菌する機能を有する。飛沫除去部は、例えば、フィルタ、紫外線照射装置、オゾン発生装置、酸化触媒浄化装置、消毒薬(次亜塩素酸等)のいずれか一つ又は任意の複数の組み合わせとすることができる。なお、フィルタは、好ましくは、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)を用いることができる。なお、フィルタは、HEPA又はULPA相当のろ過能力を有するフィルタを用いることもできる。
【0021】
第1~第7の実施形態に係る空気清浄機において、飛沫除去部を通過した清浄な空気が想定身長の人の顔(口及び/又は鼻)よりも上方から下方に一定方向の気流を吹き出し、飛沫やそれを含む空気を拡散させず下方へ流し、人の顔(口及び/又は鼻)の下方からそれら空気を吸い取る。
【0022】
以上説明したように、人の顔(口及び/又は鼻)位置の上方から、人の顔(口及び/又は鼻)の位置より下方へ一定方向の気流を流し、下方の吸込口から飛沫やそれを含む空気を吸い込み、飛沫或いは飛沫を含む空気を浄化(捕集)し、清化された空気を人の顔(口及び/又は鼻)の上方から下方に吹き出す。これによって、好ましくは密閉された特定空間内を、浄化した空気が循環し続ける。第1~第7の実施形態に係る空気清浄機は、人の顔の下方で空気を取り込みリターンする事で清浄な空気を吹き出すため、空気が特定空間内を一定方向に循環する。その循環中にフィルタ等の飛沫除去部で除去(捕集)することで、飛沫や飛沫を含む空気の捕集又は分離することができる。これによって、飛沫或いは飛沫を含む周辺の空気が拡散することを、抑制・防止・隔離することができる。
【0023】
[空気清浄機の基本構造]
第1~第7の実施形態に係る空気清浄機は、上方から下方への気流を作るために、空気清浄機の上部に吹出口を有する吹出部を設け、空気清浄機の下部に吸込口を有する吸込部を設けた構造とする。上方とは、好ましくは、想定身長の人が直立した状態若しくは姿勢(例えば、床から鉛直方向の距離が130cm以上)又は、座った状態若しくは姿勢(例えば、床から鉛直方向の距離が100cm以上)での顔(口及び/又は鼻)の位置を示しており、それより高い位置に気流の吹出部があり、上方から下方へ気流が吹き出される。
【0024】
下方とは、好ましくは、想定身長の人が直立した状態若しくは姿勢(例えば、床から鉛直方向の距離が130cm以下)又は、座った状態若しくは姿勢(例えば、床から鉛直方向の距離が100cm以下)での顔(口及び/又は鼻)の位置を示しており、それより下に吸込部のある構造とする。ベルヌーイの定理により流体の速度が増すと周囲の空気の圧力が下がる事を利用し、飛沫或いは飛沫を含む周辺空気を引き寄せ飛沫の拡散、感染のリスクを抑制又は防止しつつ本体内部で飛沫を捕集し、飛沫の隔離或いは飛沫量の削減を図る。
【0025】
第1~第7の実施形態に係る空気清浄機は、上方からは清浄空気を吹き出し、下方では飛沫を含む空気を吸い込み、本体内部のリターンダクト内に設けられた飛沫除去部で空気を清浄化させ、上方から清浄エアを吹き出すことにより、周辺空気を循環させ清浄化する。
【0026】
第1~第7の実施形態に係る空気清浄機の各部は、一体構造もしくは分割可能な構造とすることができる。ただし、第1~第7の実施形態に係る空気清浄機において、吹出部と吸込部という二つの組み合わせは常に一対とする必要がある。
【0027】
第1~第7の実施形態において、清浄空気の吹出口は、好ましくは、細く絞られたノズル構造、又は、スリット構造とし、一つ又は複数の吹出口から一定方向に気流を発生させる。
【0028】
また、第1~第7の実施形態に係る空気清浄機において、ベルヌーイの定理に基づく気流制御を行うことができる。具体的には、ノズル又はスリット又は複数の吹出口から発生する気流を湾曲面等の気流制御部に当てることで、空気が流れる距離が変わりその吹き出し方向を制御することができる。吹出口に飛行機の翼部のような構造の気流制御部を設けることも気流の発生や気流の速さを向上させることができる。
【0029】
第1~第7の実施形態において、飛沫或いは飛沫を含む空気の吸込口は、空気の吸込みに必要な開口部であり、清浄空気の吹出口と一対の構成となっている。また吸い込んだ空気は、飛沫除去部によって飛沫が除去される。第1~第7の実施形態に係る空気清浄機は、非閉鎖空間のスポット(局所)において、一方向の気流循環制御による飛沫或いは飛沫を含む空気の飛散・拡散防止或いは抑制と空気の除菌或いは滅菌を行い、清浄化させた空気を一定方向に吹き出すこともできる。
【0030】
第1~第7の実施形態において、気流を作り出すための送風部は、送風ファンとすることができ、送風ファンは、単数又は複数台のファンモータを直列や並列に設置するか、送風ファンのプロペラ数(ブロアやターボファン等を利用する場合はランナー数やブレード数)を増やすことや二重反転式(逆に回転するプロペラを重ねる)にすることにより、送風圧力の向上を図り、HEPAやULPAなど圧力損失の大きなフィルタ等の飛沫除去部の使用に耐えうるものとする。
【0031】
第1~第7の実施形態において、吹出部及び吸込部は一対とする必要はあるが必ずしも、吹出部、吸込部を一体の装置とする必要は無い。例えば、飛沫除去部を取り付けた吹出部と、飛沫或いは飛沫を含む空気を吸い込む吸込部を別々の装置として設置することも可能である。吹出部に送る空気の供給源や、吸込部から吸い込んだ空気の排気先は、設置施設の大元であるメインのエア供給ダクト及びメインの排気ダクトに各々接続し一括して運用することも可能である。
【0032】
次に、上述した特徴及び基本構造を前提としつつ、各実施形態に係る空気清浄機を図面を参照して説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る空気清浄機100は、卓上設置型であり、
図1~
図4に示される。空気清浄機100は、
図1に示すように、椅子(不図示)に座った人20が利用するテーブル10等の上に設置される。空気清浄機100は、円筒状の本体部110と、本体部110に接続された上側管部120と、本体部110に接続された下側管部(吸込部)130とから構成される。
図3に示すように、本体部110内部には、下側管部130に接続された飛沫除去部112と、飛沫除去部112の上側に接続された送風部114とが設けられている。
【0034】
飛沫除去部112は、好ましくは円筒状とすることができ、その側面を空気の吸い込み面とし、その上面を空気の吐出面とすることができる。送風部114は、好ましくは1つ又は複数のプロペラファンを用いることができる。
【0035】
上側管部120は、本体部110の上面から縦方向又は上方向(好ましくは略垂直方向)に延びる縦管部分120aと、縦管部分の上端に接続され横方向(好ましくは略水平方向)に延びる横管部分(吹出部)120bと、横管部分120bの下向き面に形成された吹出口120cとを備えている。吹出口120cは、好ましくは横管部分120bの長手方向と平行に延びる、一つ又は複数のスリットとすることができる。
【0036】
下側管部130は、本体部110の側面から横方向(好ましくは略水平方向)に延びる横管部分130aと、横管部分130aの上向き面に形成された吸込口130bとから構成される。吸込口130bは、好ましくは、横管部分130aの長手方向と平行に延びる、一つ又は複数のスリットとすることができる。吸込口130b及び吹出口120cは、縦方向(好ましくは略垂直方向)において互いに実質的に互いに向かい合う又は整合(整列)している。
【0037】
図4を用いて、横管部分120bの構造を説明する。横管部分120bには、好ましくは、吹出口120cが開口する方向(横方向又は長手方向)に沿って、吹き出し気流を下方向に導く翼部(気流制御部)120dを設けることができる。翼部120dの断面は、先細端が下方を向いた略水滴状とすることができる。
【0038】
第1の実施形態に係る空気清浄機100の動作を説明する。
図1に示したように、空気清浄機100がテーブル10上に設置され、人20がテーブル10上で作業をするか、テーブル10を囲んで会議をする場合を想定する。会話や咳等に伴い、人20から飛沫が空気中に放出される。ここで、空気清浄機100の吹出口120cから下向きの気流が噴出される。人20から発生した飛沫を含む空気は気流に巻き込まれて、下方の吸込口130bに吸い込まれる。
【0039】
吸い込まれた空気は、横管部分130aを通って本体部110内部に流入する。本体部110内部に流入した空気に含まれる飛沫は、飛沫除去部112で除去(浄化、又は隔離)される。飛沫が除去された空気は、送風部114、縦管部分120a、横管部分120bを通って、吹出口120cから下方に吹き出される。これによって、上から下に向かう気流を構成することができる。
【0040】
吹出口120cは、人20の顔(好ましくは、口及び/又は鼻の位置)よりも上方に配置され、吸込口130bは、人20の顔(好ましくは、口及び/又は鼻の位置)よりも下方に配置される。吸込部130a(吸込口130b)及び吹出部120b(吹出口120c)は、縦方向(好ましくは略垂直方向)で互いに向かい合う又は整合しており、両者をスリットとした場合、上から下に流れるエアカーテンACを構成することができる。
【0041】
図1に示したように、空気清浄機100が形成するエアカーテンACをテーブル10上で、人20の正面と向かい合う又は整合するように形成することができる。吸込口130b及び吹出口120cは、上から下に流れる気流又はエアカーテンACを構成することができる。上から下に流れる気流又はエアカーテンACは、人20の顔周囲の空気を引き寄せるため、人から発生する飛沫の横方向への飛散を妨げつつ、飛沫を吸引することができる。
【0042】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る空気清浄機200は、空気清浄機100と同様に卓上設置型であり、
図5~
図8に示される。空気清浄機200は、
図5に示すように、椅子30に座った複数の人20が利用するテーブル10等の上に設置される。空気清浄機200は、
図6及び
図7に示すように、円盤状の基部210と、基部210から縦方向(好ましくは略垂直方向)に延びる管部220と、管部220の上端に接続された本体部230と、本体部230の上部に接続された頭部240とから構成される。
【0043】
図7に示すように、基部210は、その上面に環状に形成された吸込口210aを備える吸込部210Aと、吸込口210aに接続される内部空間210bと、管部220の下端に接続される開口部210cとを備える。管部220の上端は、本体部230の下端開口に接続されている。本体230内には、管部220の上端に接続された飛沫除去部232と、飛沫除去部232の上端に接続された送風部234とが設けられている。飛沫除去部232及び送風部234は、それぞれ飛沫除去部112及び送風部114と同様に構成することができる。
【0044】
頭部240は、本体部230及び送風部234の上端に接続され、本体部230の直径より大きな直径を有する。頭部240の下面には、下方向に気流を吹き出す環状の吹出口240aを備える吹出部240Aが設けられている。吹出口240aは、斜め下方を向いて開口している。
【0045】
吹出口240aを備える吹出部240Aの構造を、
図8の拡大断面図を用いて説明する。頭部240は、傘状又はドーム状とすることができる。吹出部240Aは、好ましくは吹出口240aの下流側に、吹出口240aが開口する方向(周方向)に沿って、環状に設けられた翼部240bを備えることができる。翼部240bは、好ましくは吹出口240aの下流側に膨らみ、その下端に向けて厚さが減少するように構成される。翼部240bの断面は、より好ましくは航空機の翼と同様の断面形状を有することができる。吸込部210A及び吹出部240Aは、縦方向(好ましくは略垂直方向)で互いに実質的に向き合う又は整合している。なお、第2乃至第7の実施形態において、実質的に向き合う又は整合するとは、吹出部が、縦方向において、吸込部と向き合う又は整合することを意味すればよく、吹出口が、縦方向において吸込口と向き合う又は整合することまでも意味するものではない。
【0046】
第2の実施形態に係る空気清浄機200の動作を説明する。
図5に示したように、空気清浄機200がテーブル30の中央に設置され、複数の人20がテーブル10を囲んで会議をする場合を想定する。会話や咳等に伴い、人20から飛沫が空気中に放出される。
【0047】
図5及び
図7に示すように、吹出部240Aは、人20の顔の上方に配置され、吸込部210Aは、人20の顔の下方であってテーブル10上に配置される。これによって、吹出部240A及び吸込部210Aは、人20の顔に隣接して上から下に環状に流れる気流を形成することができる。
【0048】
ここで、空気清浄機200の送風部234が発生する気流にしたがって、吸込部210Aの吸込口210aから飛沫を含む空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、基部210の内部空間210b及び管部220を通って本体230内に流入する。本体230内に流入した空気に含まれる飛沫は、飛沫除去部232で除去される。飛沫が除去された空気は、送風部234、頭部240の内部空間を通って、吹出部240Aの吹出口240aから下方に環状に噴出される。
【0049】
吹出部240Aから下方に環状(筒状)に流れる気流は、人20の顔周囲の空気を引き寄せつつ吸込口210aに向かって流れる。これによって、空気清浄機200は、人20から発生する飛沫の横方向への飛散を妨げつつ、飛沫を吸引し浄化することができる。また、吹出口240aの下流側に翼部240bを設けたことにより、吹出口240aから噴出される気流の流速を高めることもできる。
【0050】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る空気清浄機300は、床上設置型又は地面設置型であり、
図9~
図11に示される。空気清浄機300は、
図9に示すように、人20が立つ床上又は地面等に設置される。空気清浄機300は、脚部310と、脚部310から縦方向(好ましくは略垂直方向)に延びる柱部320と、柱部320の上端に設けられた基部330と、基部330の上部に接続され縦方向(好ましくは略垂直方向)に延びる管部340と、管部340の上端に接続された本体部350と、本体部350の上端に接続された頭部360とから構成される。
【0051】
図10に示すように、基部330は、その上面に形成された複数の吸込口330aを備える環状の吸込部330Aと、吸込口330aに接続される内部空間330bと、管部340の下端に接続される開口部330cとを備える。管部340の上端は、本体部350の下端開口に接続されている。本体350内には、飛沫除去部352と、飛沫除去部352の上端に接続された送風部354とが設けられている。
【0052】
図11に示すように、頭部360は、本体部350及び送風部354の上端に接続され、本体部330の直径より大きな直径を有する。頭部360の下面には、下方向に気流を吹き出す環状の吹出口360aを備える吹出部360Aが環状に設けられている。吹出口360aは、斜め下方を向いて開口している。
【0053】
第3の実施形態に係る空気清浄機300の動作を説明する。
図9に示すように、空気清浄機300が床等に設置され、人20が空気清浄機300に顔を向けて横に立っている場合を想定する。会話や咳等に伴い、人20から飛沫が空気中に放出される。
【0054】
図9及び
図10に示すように、吹出部360Aは、人20の顔の上方に配置され、複数の吸込部330Aは、人20の顔の下方(好ましくは人20の腰の高さ)に環状に配置される。これによって、吹出部360A及び吸込部330Aは、人20の顔に隣接して上から下に環状に流れる気流を形成することができる。
【0055】
ここで、空気清浄機300の送風部354が発生する気流にしたがって、吸込部330Aから飛沫を含む空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、吸込基部330の内部空間330b及び管部340を通って本体350内に流入する。本体350内に流入した空気に含まれる飛沫は、飛沫除去部352で除去される。飛沫が除去された空気は、送風部354、頭部360の内部空間を通って、吹出部360Aから下方に環状に噴出される。
【0056】
吹出部360Aから下方に環状に流れる気流は、人20の顔周囲の空気を引き寄せつつ吸込部330Aに向かって流れる。これによって、空気清浄機300は、人20から発生する飛沫の横方向への飛散を妨げつつ、飛沫を効率よく吸引することができる。また、吹出口360aの下流側に、吹出口360aが開口する方向(周方向)に沿って、翼部360bを設けたことにより、吹出口360aから噴出される気流の流速を高めることもできる。
【0057】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る空気清浄機400は、床上設置型又は地面設置型であり、
図12~
図15に示される。空気清浄機400は、
図12に示すように、空気清浄機400は、基部410と、基部410から縦方向(好ましくは略垂直方向)に延びる下側管部420と、下側管部420の上端に設けられた送風機収容部430と、送風機収容部430の上端に接続され縦方向(好ましくは略垂直方向)に延びる上側管部440と、上側管部440の上端に接続された頭部450とから構成される。
【0058】
図13に示すように、基部410は、その傾斜側面に形成された複数の吸込口410aを備える吸込部410Aと、吸込口410aに接続される内部空間410bと、内部空間410bに配置された飛沫除去部411とを備える。飛沫除去部411は、側面から空気を取り入れ上面から浄化した空気を放出する。飛沫除去部411の上面は、下側管部420の下端に接続されている。
【0059】
送風機収容部430は、送風機431を収容している。上側管部440の上端は、L字状の接続管部441の一端に接続されている。L字状の接続管部441の他端は、頭部450の内部空間に接続されている。頭部450は、概略ドーナツ状であり、頭部450の外周側に環状に配置された吹出部450Aを備える。吹出部450Aは、斜め下方を向く環状の吹出口450aと、吹出口450aの下流側に、吹出口450aが開口する方向(周方向)に沿って、設けられた翼部450bとから構成される。ドーナツ状の頭部450の中心に、上側管部440の上端が配置されているため、頭部450の内側壁と、上側管部440の中心部との間に空間Sが形成される。吹出口450a及び翼部450bは、頭部450の内側面に沿って、環状に配置されている。
【0060】
第4の実施形態に係る空気清浄機400の動作を説明する。空気清浄機400が床等に設置され、人20が空気清浄機400に顔を向けて横に立っている場合を想定する。会話や咳等に伴い、人20から飛沫が空気中に放出される。環状の吹出部450Aは、人の顔の上方に配置され、複数の吸込口410aを含む吸込部410Aは、人20の顔の下方に環状に配置される。これによって、吹出部450A及び吸込部410Aは、人の顔に隣接して上から下に環状に流れる気流を形成することができる。
【0061】
空気清浄機400の送風部431が発生する気流にしたがって、吸込部410Aから飛沫を含む空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、基部410の内部空間410bに設けられた飛沫除去部411で除去される。飛沫が除去された空気は、下側管部420、送風部430、上側管部440、L字状の接続管部441、頭部450を通って、吹出部450Aから下方に環状に噴出される。
【0062】
吹出部450Aから下方に環状に流れる気流は、空間Sの上方の空気、及び人20の顔周囲の空気を引き寄せつつ吸込部410Aに向かって流れる。これによって、空気清浄機400は、人から発生する飛沫の横方向への飛散を妨げつつ、飛沫を吸引することができる。また、吹出口450aの下流側に翼部450bを設けたことにより、吹出口450aから噴出される気流の流速を高めることもできる。
【0063】
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係る空気清浄機400Aは、床上設置型又は地面設置型であり、
図16~
図19に示す。空気清浄機400Aに関して、空気清浄機400と共通する部分の説明は省略する。空気清浄機400Aは、上側管部440の上端に接続される十字状の接続管部441Aを有する。十字状の接続管部441Aの横方向管の末端は、ドーナツ状の頭部450の内側壁を貫通して頭部450内と接続されている。
【0064】
第5の実施形態に係る空気清浄機400Aにおいて、上側管部440を通過した空気が十字状の接続管部441Aで複数の(4つの)横方向管を介して比較的均等に頭部450内に供給されるため、吹出部450Aからより均等に、環状の気流を下方に吹き出すことができる。
【0065】
[第6の実施形態]
第6の実施形態に係る空気清浄機400Bは、床上設置型又は地面設置型であり、
図20~
図23に示す。空気清浄機400Bに関して、空気清浄機400と共通する部分の説明は省略する。空気清浄機400Bは、上側管部440の上端に接続される十字頭部450Bを有する。
図23に示すように、十字状頭部450Bの十字状に突出する突出部451Bは中空であり、下面に複数の吹出口450Baを備える吹出部450BAが形成される。吹出部450BAは、吹出口450Baの下流に、吹出口450Baが開口する方向(横方向)に沿って、配置した翼部450Bbを備えることができる。翼部450Bbの断面は、先細端が下方を向いた略水滴状とすることができる。
【0066】
第6の実施形態に係る空気清浄機400Bにおいて、上側管部440を通過した空気が頭部450Bの4つの吹出口450Baを含む吹出部450BAから下方に供給されるため、吹出部450BAからより強い気流を吹き出すことができる。
【0067】
[第7の実施形態]
第7の実施形態に係る空気清浄機500は、ゲーム機取付型であり、
図24~
図25に示される。空気清浄機500は、
図24及び
図25に示すように、椅子35に座った人20が操作するゲーム機30に設置される。空気清浄機500は、ゲーム機30の上方に配置される吸込部510と、吸込部510に接続される管部520と、管部520の上端に接続されると共に、ゲーム機30の上方に配置される本体部530とから構成される。ゲーム機30は、例えば、パチンコ、パチスロ、スロットマシン、又はアーケードゲームとすることができる。
【0068】
吸込部510は、横方向(略水平方向)に延びる吸込口(スリット)510aを備える。管部520は、リターンダクトを構成し、好ましくは屈曲可能な材料から形成することができる。本体部530は、好ましくはゲーム機30上部に固定された支持部(支持枠)515に取り付けられる。支持部515がゲーム機30の上部から横方向に張り出すことにより、本体部530を人20の上方(頭上)に設置することができる。
【0069】
本体部530内には、管部520の上端に接続された飛沫除去部(フィルタ等)531と、飛沫除去部531の吐出側に接続された送風部(ブロア等)533とが設けられている。本体部530は、さらに送風部533に接続された吹出部535を備えている。吹出部535には、吹出口535aが設けられている。吹出口535aは、下方に開口してる。吹出口535aは、好ましくは横方向(略水平方向)に直線的に延びるスリットから構成される。なお、吹出部535は、吹出口535aの下流側に、吹出口535aが開口する方向(横方向)に沿って配置した翼部(気流制御部)を備えることもできる。
【0070】
第7の実施形態に係る空気清浄機500の動作を説明する。
図24及び
図25に示すように、空気清浄機500がゲーム機30に設置され、人20がゲーム機30を操作する場合を想定する。会話や咳等に伴い、人20から飛沫がディスプレィ30bに向けて空気中に放出される。
【0071】
吹出部535は、人20の顔の上方に配置され、吸込部510は、人20の顔の下方(好ましくはゲーム機30の操作部30a下方)に配置される。これによって、吹出部353及び吸込部510の間で、人20の顔に隣接して上から下に流れる気流を形成することができる。
【0072】
ここで、空気清浄機500の送風部533が発生する気流にしたがって、吸込部510から飛沫を含む空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、吸込部510の内部空間及び管部520を通って本体530内に流入する。本体530内に流入した空気に含まれる飛沫は、飛沫除去部531で除去される。飛沫が除去された空気は、送風部533を通って、吹出部535から下方に吹き出される。
【0073】
吹出部535から下方に流れる気流は、ゲーム機30のディスプレィ30bと人20の顔周囲の空気を引き寄せつつ吸込部510に向かって流れる。これによって、空気清浄機500は、人20から発生する飛沫の人20の横方向への飛散を妨げつつ、飛沫を効率よく吸引することができる。
【0074】
第1~第7の実施形態の空気清浄機は、図示していないが、好ましくは、飛沫浄化部及び/又は送風部の動作を制御する制御部(制御基板)を備えている。また、第1~第7の実施形態の空気清浄機は、好ましくは、それぞれの管部(縦管部分120a、管部220、管部340、上側管部440)を伸縮自在とする二重管構造を備えることができる。これにより、吹出口の縦方向位置を変更可能とすることができる。第1~第7の実施形態の空気清浄機は、好ましくは、照明部を備えることもできる。
【符号の説明】
【0075】
100 空気清浄機
110 本体部
120 上側管部
120b 横管部分(吹出部)
120c 吹出口
120d 翼部
130 下側管部(吸込部)
130b 吸込口
200 空気清浄機
210 基部
210A 吸込部
210a 吸込口
220 管部
230 本体部
240 頭部
240A 吹出部
240a 吹出口
240b 翼部
300 空気清浄機
330 基部
330A 吸込部
330a 吸込口
340 管部
350 本体
360 頭部
400 空気清浄機
410 基部
410A 吸込部
410a 吸込口
440 上側管部
441 L字状管部
450 頭部
450A 吹出部
450a 吹出口
450b 翼部
400A 空気清浄機
441A 十字状管部
400B 空気清浄機
450B 十字状頭部
450BA 吹出部
450Ba 吹出口
450Bb 翼部
451B 突出部
500 空気清浄機
510 吸込部
510a 吸込口
535 吹出部
535a 吹出口
AC エアカーテン
S 空間
【手続補正書】
【提出日】2021-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛沫を含む空気を吸い込む空洞の吸込口を備える吸込部と、前記空気から前記飛沫を除去する飛沫除去部と、前記飛沫が除去された空気を吹き出す吹出口を備える吹出部と、前記吸込口から前記飛沫除去部を介して前記吹出口まで少なくとも送風する送風部と、を備える空気清浄機であって、
前記吹出部は、前記空気清浄機の上部に配置され、前記吹出口が吹き出した空気を前記吹出部の下方に導き、
前記吸込部は、前記空気清浄機の下部に配置され、前記吹出部が吹き出した空気を前記吸込部の上方から前記吸込口に吸い込み、
前記吹出口及び前記吸込口は、互いに平行に連続して直線状に延びる開口であり、
前記吹出部は、前記吹出口に沿って連続的に延びる気流制御部を備え、前記気流制御部は、下方に向かって延びる先細端を備える、空気清浄機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部は、想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より高い位置に配置され、前記吸込部は、前記想定身長の人が直立した状態又は座った状態に対して、前記想定身長の人の顔より低い位置に配置される、空気清浄機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、縦方向(例えば略垂直方向)で互いに向かい合う又は整合するように配置される、空気清浄機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出部及び前記吸込部は、それぞれ横方向(例えば略水平方向)に延びる、空気清浄機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載する空気清浄機であって、
前記吹出部から前記吸込部へ一定方向の気流が発生し、
前記吸込部から取り込まれた空気は、前記空気清浄器の内部では、前記下部から前記上部へリターンされ前記飛沫除去部で清浄化された空気となって、前記上部の前記吹出部に向かう内部気流となり、
前記吹出部から吹き出される空気は、前記空気清浄機の外部では、前記上部から下部へ向かう外部気流となり、
前記外部気流及び前記内部気流がそれぞれ連続して発生することで前記一定方向に前記気流を循環させる、空気清浄機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記気流制御部の前記断面は、前記先細端が下方を向いた水滴状である、空気清浄機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記気流制御部の前記先細端は、前記吹出口から下方に突出している、空気清浄機。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の空気清浄機であって、
前記吹出口は、前記気流制御部の対向する側面に沿って延びる一対のスリットである、空気清浄機。