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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034655
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138460
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000137203
【氏名又は名称】株式会社マースエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 誠
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
(57)【要約】
【課題】規制対象であるか否かの判断を容易に実行可能であって、従業員の負担を低減することができる遊技システムを提供する。
【解決手段】本発明の遊技システムは、遊技場において入場した遊技客の状態を検知する遊技客状態検知部と、遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であるか否かについて、遊技客状態検知部が検知した検知結果に基づいて判定を行う規制対象判定部と、遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であると規制対象判定部が判定した場合に報知を行う報知部とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場において入場した遊技客の状態を検知する遊技客状態検知部と、
前記遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であるか否かについて、前記遊技客状態検知部が検知した検知結果に基づいて判定を行う規制対象判定部と、
前記遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であると前記規制対象判定部が判定した場合に報知を行う報知部と
を有する、
遊技システム。
【請求項2】
前記遊技客状態検知部は、前記遊技客の状態として前記遊技客の体温を検知するサーモグラフィーを含み、
前記規制対象判定部は、前記サーモグラフィーによって検知された前記遊技客の体温の値が、予め定めた上限値を超えたときには、体温の値が前記上限値を超えた前記遊技客を前記規制対象であると判定する、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記報知部は、前記規制対象判定部が前記規制対象であると判定した前記遊技客に認識可能な報知を行うように構成されている、
請求項1または2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記報知部は、前記遊技場の従業員が装着する携帯端末を用いて前記従業員に報知を行うように構成されている、
請求項1から3のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項5】
遊技客が前記従業員を呼び出す際に操作する呼出操作部と、
前記呼出操作部における呼び出しが行われたことに基づく表示と前記報知部における報知とのいずれか一方を優先的に前記携帯端末に示すように設定する優先事項設定部と
を有する
請求項4に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において利用される遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロット機などの遊技機が設置された遊技場においては、入場を規制する対象がある。入場の規制対象は、例えば、遊技場への入場を禁止されている、年齢が18歳未満である人物等である。ここでは、例えば、従業員によって、規制対象の判断が行われている。その他、身分証明書などの情報に基づいて、システムが遊技客の年齢を確認することによって、規制対象であるか判断する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-161524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
規制対象は、上記の他に、飲酒による酒酔い状態の人物や、感染症等によって発熱状態にある人物などが該当する場合がある。
【0005】
しかしながら、飲酒による酒酔い状態や感染症等による発熱状態等は、判断が容易でなく、従業員の負担が大きい。そして、判断ミスや接客上の問題等が生ずる場合がある。
【0006】
したがって、本発明は、規制対象であるか否かの判断を容易に実行可能であって、従業員の負担を低減することができる遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技システムは、遊技場において入場した遊技客の状態を検知する遊技客状態検知部と、遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であるか否かについて、遊技客状態検知部が検知した検知結果に基づいて判定を行う規制対象判定部と、遊技客状態検知部によって状態が検知された遊技客が規制対象であると規制対象判定部が判定した場合に報知を行う報知部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、規制対象であるか否かの判断を容易に実行可能であって、従業員の負担を低減することができる遊技システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る遊技システム10において、データ表示機9の構成を模式的に示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る遊技システム10において、携帯端末26の構成を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
図7図7は、実施形態の変形例1において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
[A]遊技システム10
図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
【0011】
図1に示すように、遊技システム10は、複数のパチンコ機2(遊技機)及び複数のスロット機7(遊技機)と、複数の台間機3(遊技用装置)及び複数の台間機8(遊技用装置)と、複数のデータ表示機9と、ネットワーク20と、島コンピュータ25とを備えている。
【0012】
[A-1]台間機3および台間機8
遊技システム10において、複数の台間機3は、複数のパチンコ機2にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置であって、複数のパチンコ機2に各々接続されている。一方、複数の台間機8は、複数のスロット機7にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置である。なお、台間機3および台間機8には、紙幣識別装置(ビルバリ)などが搭載されている。
【0013】
[A-2]データ表示機9
複数のデータ表示機9は、複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。データ表示機9は、例えば、パチンコ機2に関しては、スランプグラフ、スタート回数(例えば複数の絵柄を揃えて大当たり抽選を行った回数)、大当たり回数などの情報を表示するために設置されている。
【0014】
[A-3]ネットワーク20
ネットワーク20は、ハブやWi-Fi(登録商標)アクセスポイントなどの通信用機器を用いて構築されている。
【0015】
[A-4]島コンピュータ25
島コンピュータ25は、複数のパチンコ機2、複数のスロット機7、複数の台間機3、複数の台間機8、及び、複数のデータ表示機9などの機器と、ネットワーク20との間に介在している。
【0016】
なお、以降の説明では、ともに遊技機であるパチンコ機2とスロット機7とを個別に説明する必要がある場合を除き、パチンコ機2の場合を例にとって説明する。
【0017】
[A-5]その他の周辺機器
上述した機器以外に、遊技システム10には、様々な周辺機器が設けられている。
【0018】
ここでは、周辺機器として、管理装置5、パーソナルコンピュータ5a、景品払出機11、精算機12、計数機14、発券機15、景品管理機16、データ公開機17、プロトコルコンバータ21、モデム22、カードセンタ23、再プレー受付機24などを遊技システム10が備えている。
【0019】
また、本実施形態の遊技システム10においては、ウェアラブル端末などの携帯端末26、および、遊技客状態検知部100を更に備えている。周辺機器は、ネットワーク20に接続されている。
【0020】
[A-5-1]景品管理機16
上記の周辺機器のうち、景品管理機16は、景品交換装置(POS)であって、景品払出機11が併設されている。景品管理機16は、景品交換時に従業員が操作を行うように構成されていてもよく、景品交換時に遊技客自身が操作を行うように構成されていてもよい。
【0021】
[A-5-2]管理装置5
上記の周辺機器のうち、管理装置5は、例えば、ホールコンピュータ、景品管理装置、会員管理装置などの情報収集装置として構成されている。そして、管理装置5は、管理装置5の情報を参照する機能を含むパーソナルコンピュータ5aに接続されている。パチンコ機2、スロット機7、及び、各周辺機器が出力する情報は、ネットワーク20を介して、管理装置5に出力された後に、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
【0022】
[A-5-3]遊技客状態検知部100
上記の周辺機器のうち、遊技客状態検知部100は、遊技場において遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行うために来場した遊技客の状態を検知するために設置されている。遊技客状態検知部(100)は、例えば、遊技客の状態として遊技客の体温を検知するサーモグラフィーを含む。遊技客状態検知部(100)は、例えば、遊技場において遊技客が入場する入場口の近傍に設置されている。
【0023】
遊技システム10を構成する各部の詳細については、適宜、後述する。
【0024】
[A-6]会員用カード27,非会員用カード28
遊技システム10では、遊技客は、貨幣(紙幣、硬貨)の他に、会員用カード27(遊技用記録媒体)、非会員用カード28(遊技用記録媒体)を用いて、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行うことができる。
【0025】
詳細には、遊技システム10では、貨幣、会員用カード27、非会員用カード28によって、遊技場(遊技ホール)と遊技客(会員の遊技客,非会員の遊技客)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われる。そして、遊技客は、貸借されたパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を遊技機(パチンコ機2、スロット機7)において使用して遊技を行う。
【0026】
ここで、「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したものであって、例えば、1万円を度数化した場合には100度数になる。また、「会員の遊技客」とは、会員用カード27を有する遊技客であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台(好きな種類の遊技機)、連絡先、暗証番号などの属性情報が、当該会員の遊技客を個別に識別可能な会員番号(会員ID)と対応付けされて管理装置5に登録されている遊技客である。一方、「非会員の遊技客」とは、会員の遊技客として情報が登録されていない一般の遊技客である。
【0027】
会員用カード27及び非会員用カード28は、ICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状である。非会員用カード28は、例えば、会員用カード27よりも、縦及び横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されていて会員用カード27と区別される。会員用カード27には、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、カードIDには、会員である遊技客の種々の情報が紐付けされる。この紐付けされる情報は、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数残高、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技客の獲得玉)、利用した金額などの情報である。
【0028】
この他に、貯玉数(スロットの場合は、貯メダル)、ポイント、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貸玉数(スロットの場合は、貸メダル数)、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの情報を紐付けてもよい。また、遊技中は、例えば、遊技客が遊技している遊技台の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けることもできる。上記した度数残高や貸玉、貯玉など金銭的に価値のある情報を「価値情報」と呼ぶ。また、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐付けしてもよい。
【0029】
上記の「アウト(発射玉)」は、スロットでは「イン(投入枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「アウト」と称す。同様に、上記の「セーフ」は、スロットでは、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであっても、パチンコと同様に、「セーフ」と称す。「ポイント」には、来店ポイント(台間機3および台間機8に、会員用カード27を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。これらの情報は、管理装置5によって管理される。「管理」とは、これらの情報を更新したり、消去したり、保持したりすることである。情報は、上記に限定されず、遊技の管理を行う上で必要な情報であれば、適宜、紐付け(関連付け)られる。
【0030】
非会員用カード28にも、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、非会員の遊技客の種々の情報が紐付けられる。詳細には、遊技ID(収集用識別情報)、度数、貸玉、入金などの情報、これらの情報を所定の期間に限って紐付ける。ただし、この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けされる。これらの紐付けされる情報は、会員用カード27に紐付けされる情報と同様に、管理装置5によって管理される。非会員用カード28には、会員番号、ポイントなどの情報は紐付けされない。ただし、管理装置5は、これらの情報をいつでも紐付け可能なように、保持しておくことが可能である。
【0031】
上記情報のうち遊技IDは、例えば、台間機3または台間機8に貨幣を投入したときに付与されるIDである。遊技の情報は、この遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード27及び非会員用カード28を所有しない遊技客が貨幣によって遊技を開始した場合、まず遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード28が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード28に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード27を所有している遊技客においては、貨幣を投入せずに会員用カード27を台間機3または台間機8に挿入し遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード27を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
【0032】
[B]各部の構成
以下より、本実施形態の遊技システム10の要部に関して詳細に説明する。
【0033】
[B-1]台間機3
図2は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。
【0034】
台間機3について図2を用いて説明する。なお、台間メダル貸し機である台間機8は、台間機3と対応する機能を有している。このため、ここでは、台間機3について主に説明し、台間機8については詳細な説明を省略する。
【0035】
台間機3は、主に、パチンコ機2の上皿へパチンコ玉を供給するための装置である。台間機3は、図2に示すように、制御部30と、カード受付部31と、カード処理部32と、貨幣受付部33と、操作部34と、表示部35と、ランプ部36と、通信部37とを備える。なお、台間機3は、対応するパチンコ機2で獲得されたパチンコ玉を計数できる計数部やパチンコ玉を払い出す払出部を備えている場合もある。
【0036】
[B-1-1]制御部30
制御部30は、台間機3を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部30は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0037】
[B-1-2]カード受付部31
カード受付部31は、会員用カード27又は非会員用カード28が挿入される。
【0038】
[B-1-3]カード処理部32
カード処理部32は、図示を省略しているが、リーダライタ部、カード貯留部、カード発行部を備える。
【0039】
リーダライタ部は、カード受付部31が受け付けた会員用カード27又は非会員用カード28からカードIDを読み取る。また、リーダライタ部は、会員用カード27又は非会員用カード28に度数などの情報が記憶されている場合、カードIDに加えてこれらの情報も読み取る。リーダライタ部は、その読み取った情報の制御部30への出力や、制御部30に制御されて更新された度数などの書き込みを行う。
【0040】
カード貯留部は、度数などの価値情報が「0」となり回収した非会員用カード28を貯留する。
【0041】
カード発行部は、カード貯留部から非会員用カード28を取り出し、例えば、カードIDや最新の価値情報などを新たに記憶させてカード受付部31から発行する。「最新の価値情報(残額情報)」は、例えば、遊技中に消費されずに残った度数を示す情報である。また、台間機3が計数部を備える場合は計数したパチンコ玉数の情報(獲得遊技媒体)も含まれる。
【0042】
新たな非会員用カード28を発行した場合、カード処理部32は、制御部30に制御されて、非会員用カード28を発行したことを発行情報として管理装置5に送信する。この発行情報には、例えば、非会員用カード28を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード28に記録されたカードIDと、非会員用カード28に記憶させた最新の価値情報とが含まれる。
【0043】
[B-1-4]貨幣受付部33
貨幣受付部33は、例えば紙幣識別装置と接続されており、この紙幣識別装置に貨幣が挿入されたことや貨幣の金額を認識することができる。認識された貨幣の金額は、パチンコ機2の遊技で使用可能な度数に変換される。
【0044】
[B-1-5]操作部34
操作部34は、貸玉ボタン、再プレー用貸玉ボタン、返却ボタンなどの操作ボタンを備えている。貸玉ボタンは、遊技客がパチンコ玉の貸し出しを要求するときに、押されるボタンである。例えば、貸玉ボタンが1回押されると度数に基づいて500円分のパチンコ玉の貸し出しが行われ、パチンコ機2の内部からパチンコ玉が払い出される。再プレー用貸玉ボタンは、遊技客が再プレー(貯玉の再払い出し)を要求するときに押されるボタンである。再プレーの払い出しはパチンコ機2から払い出すのではなく、台間機3に備わる払出部からパチンコ玉を払い出してもよい。返却ボタンは、遊技客が会員用カード27または非会員用カード28の発行や返却を要求するときに押されるボタンである。その他、操作部34は、タッチパネルやキーパッドなどの入力インターフェースを有している。
【0045】
[B-1-6]表示部35
表示部35は、各種の情報を表示させるディスプレイ(表示装置)を有する。
【0046】
[B-1-7]ランプ部36
ランプ部36は、ランプを有し、点灯及び消灯を行うように構成されている。
【0047】
[B-1-8]通信部37
通信部37は、通信インターフェースを有し、外部の装置との情報通信を行うように構成されている。
【0048】
[B-2]データ表示機9
図3は、実施形態に係る遊技システム10において、データ表示機9の構成を模式的に示すブロック図である。
【0049】
データ表示機9について、図3を用いて説明する。データ表示機9は、上述したように、各遊技機(パチンコ機2、スロット機7)に対応して設けられており、主に、各遊技機に関する情報を表示するために設置されている。
【0050】
データ表示機9は、図3に示すように、制御部40と、表示部41と、通信部42と、呼出操作部45と、呼出ランプ部46とを備えている。
【0051】
[B-2-1]制御部40
制御部40は、データ表示機9を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部40は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0052】
[B-2-2]表示部41
表示部41は、各種の情報を表示させるディスプレイ(表示装置)を有する。
【0053】
[B-2-3]通信部42
通信部42は、通信インターフェースを有し、遊技機や外部の装置との情報通信を行うように構成されている。
【0054】
[B-2-4]呼出操作部45
呼出操作部45は、呼出ボタンなどを備えており、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技する遊技客の操作によって、従業員の呼び出しを開始する呼出開始操作と、従業員の呼び出しを終了させる呼出終了操作とを受け付ける。
【0055】
[B-2-5]呼出ランプ部46
呼出ランプ部46は、呼出ランプなどを備えており、呼出操作部45によって呼出開始操作が実行されたときに呼出ランプが点灯し、呼出終了操作が実行されたときに呼出ランプが消灯する。
【0056】
[B-3]携帯端末26
図4は、実施形態に係る遊技システム10において、携帯端末26の構成を模式的に示すブロック図である。
【0057】
携帯端末26について図4を用いて説明する。携帯端末26は、例えば、遊技場において、従業員が手首に装着するスマートウォッチなどの情報端末である。
【0058】
携帯端末26は、図4に示すように、制御部60と表示部61と操作部62と通信部63とを有する。
【0059】
[B-3-1]制御部60
制御部60は、携帯端末26を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部60は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0060】
[B-3-2]表示部61
表示部61は、各種の情報を表示させるディスプレイ(表示装置)を有し、各種情報を表示する。
【0061】
例えば、データ表示機9の呼出操作部45を用いて、従業員の呼び出しを開始する呼出開始操作を遊技客が行ったときには、その操作がされた旨を示す情報と該操作が行われた遊技機番号を示す情報が、表示部61に表示される。
【0062】
[B-3-3]操作部62
操作部62は、例えば、表示部61を構成するディスプレイに設置されたタッチパネルを有するグラフィカルユーザーインターフェースを有し、ディスプレイに表示された画像を選択することで操作を入力するように構成されている。
【0063】
[B-3-4]通信部63
通信部63は、通信インターフェースを有し、外部の装置との情報通信を行うように構成されている。
【0064】
[B-4]管理装置5
図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。また、図6は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
【0065】
管理装置5について図5および図6を用いて説明する。
【0066】
管理装置5は、図5に示すように、制御部50とタイマ部51と情報集計部52と状態監視部53とデータベース部54と通信部55とID管理部56とを有する。
【0067】
この他に、本実施形態では、図5に示すように、管理装置5は、規制対象判定部201と報知部211と優先事項設定部221とを更に有する。
【0068】
[B-4-1]制御部50
制御部50は、管理装置5を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部50は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0069】
[B-4-2]タイマ部51
タイマ部51は、タイマーを有し、時間の計測を行う。タイマ部51は、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などによって制御されることで計時動作を開始する。そして、タイマ部51は、所定時間を計時し、タイムアップしたときには、そのタイムアップした旨を、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などに通知する。タイマ部51は、タイムアップ通知後、リセットされる。
【0070】
[B-4-3]情報集計部52
情報集計部52は、各部から送信された情報について集計を行うように構成されている。情報集計部52は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、情報の集計を行う。ここでは、情報集計部52は、島コンピュータ25、台間機3、台間機8、パチンコ機2、スロット機7などの機器から送信された種々の情報に基づいて、遊技に関する遊技データをデータベース部54へ登録すると共に集計を行う。
【0071】
遊技データは、図6に示すように、例えば「稼働(遊技中)/非稼働(遊技終了や遊技の一時的中断)」、獲得玉の増加などを表す「玉の増加情報」、会員用/非会員用のカードの挿入状況を表す「カード情報」、遊技客の所持する度数を表す「度数残高」、遊技客が当日に使用した金額を表す「利用金額」、遊技客の所持する貯玉数を表す「貯玉数」などである。
【0072】
この他に、情報集計部52は、例えば、スタート回数や大当たり回数などの情報の集計や管理を行う。さらに、情報集計部52は、大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報を遊技データとして管理することができる。これらの遊技データは、例えば、パチンコ機2から出力される信号(大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号)、および、台間機3から出力される信号(入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号)などに基づいて、情報集計部52において管理される。
【0073】
遊技データは、図6に示すように、データベース部54において遊技IDなどの情報に関連付けたテーブルとして記憶され、テーブルは、情報集計部52で管理される。テーブルが複数ある場合、データ番号などのテーブル固有の識別子をそれぞれ紐付けることよって、管理することができる。
【0074】
遊技データは、情報集計部52において、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理することができる。例えば、情報集計部52は、大当り種別毎に遊技データを集計するなど、種々の情報毎に集計したデータを管理する。
【0075】
[B-4-4]状態監視部53
状態監視部53は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、遊技機の状態を監視するように構成されている。
【0076】
ここでは、状態監視部53は、情報集計部52において管理される遊技データ(図6参照)に基づいて、遊技機(パチンコ機2、スロット機7)を遊技客が占有していない状態を示す「空台状態」と、遊技中であることを示す「遊技状態」と、空台状態と遊技状態の中間の状態である「監視状態」といった状態に、遊技機の状態を区分する。また、例えばそのほかに、遊技を行うことを禁止する「遊技不可能状態」を区分してもよい。
【0077】
[B-4-5]データベース部54
データベース部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど種々の記憶装置を備えている。データベース部54は、図6に示した遊技データなどの情報をテーブルとして記憶する。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。
【0078】
[B-4-6]通信部55
通信部55は、通信インターフェースを備えている。通信部55は、ネットワーク20を介し、例えばパチンコ機2や台間機3などの周辺機器との間で、情報(信号)を送信および受信するために設けられている。またインターネット回線などを通じて外部にある決済機関の管理装置などとも通信を行うことができる。
【0079】
[B-4-7]ID管理部56
ID管理部56は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、IDの管理を行うように構成されている。図示を省略しているが、ID管理部56は、ID検索部、ID発行部及びID登録部として機能する。ID検索部は、データベース部54に記憶されたテーブルから、所定の遊技IDを検索し、その検索した遊技IDを制御部50に通知するように機能する。ID発行部は、新たに遊技IDを発行するように機能する。ID登録部は、ID発行部が発行した遊技IDをデータベース部54に記憶させるように機能する。ここでは、ID登録部は、図6に示すように、発行情報に含まれるカードIDを遊技IDと対応付けてデータベース部54に登録する。
【0080】
[B-4-8]規制対象判定部201
規制対象判定部201は、遊技客状態検知部100によって状態が検知された遊技客が規制対象(入場規制対象など)であるか否かについて、遊技客状態検知部が検知した検知結果に基づいて判定を行う。規制対象判定部201は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、上記の判定を行うように構成されている。
【0081】
具体的には、遊技客の状態として遊技客の体温を検知するサーモグラフィーを遊技客状態検知部100が含む場合には、規制対象判定部201は、そのサーモグラフィーによって検知された遊技客の体温の値が、予め定めた上限値を超えたときには、体温の値が上限値を超えた遊技客を規制対象であると判定する。
【0082】
上限値は、例えば、37.5℃であって、上限値を超えた場合には、遊技客について、発熱の症状がある規制対象であると判定する。その他、遊技客について、飲酒による体温の上昇がある規制対象であると判定するために、上限値を設定してもよい。
【0083】
[B-4-9]報知部211
報知部211は、遊技客状態検知部100によって状態が検知された遊技客が規制対象であると規制対象判定部201が判定した場合に報知を行う。報知部211は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、上記の報知を行うように構成されている。
【0084】
具体的には、報知部211は、遊技場の従業員が装着する携帯端末26を用いて従業員に報知を行うように構成されている。ここでは、報知部211は、例えば、携帯端末26の表示部61に、規制対象の遊技客が遊技場に入場した旨を示す情報を表示することで、従業員に報知を行う。
【0085】
もしくは、報知部211は、規制対象判定部201が規制対象であると判定した遊技客自身に報知を行うように構成してもよい。ここでは、報知部211は、例えば、遊技場の入口に設置したディスプレイ(図示省略)に、規制対象である旨を示す情報を表示することで、規制対象の遊技客に報知を行う。例えば、「入場お断り」などの報知を規制対象の遊技客に行う。
【0086】
[B-4-10]優先事項設定部221
優先事項設定部221は、呼出操作部41における呼び出しと報知部211における報知とのいずれか一方を優先的に携帯端末26に表示するかの設定を行うように構成されている。優先事項設定部221は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、上記の設定を行うように構成されている。
【0087】
優先事項設定部221において呼び出しを優先するようにパーソナルコンピュータ5aの操作部を用いて設定された場合には、呼び出しと規制対象である旨の報知とが同時に行われたときであっても、呼び出しに関する情報が携帯端末26において示される。これに対して、規制対象である旨の報知を優先するように設定された場合には、呼び出しに関する情報でなく、規制対象である旨の報知が携帯端末26において優先的に示される。つまり、感染症などが流行している状況下においては規制対象者である発熱者の入場を可能な限り避けるべく、優先的に規制対象の報知が重要であり、また例えば飲酒状態の遊技客の入場を避ける目的などそれほど規制が重要ではない場合では呼び出しを優先するなど、遊技場毎の目的や世の中の状況に対応して表示の優先順位を変更することができる。
【0088】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の遊技システム10では、遊技場において遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行うために入場した遊技客の状態を遊技客状態検知部100が検知する。そして、遊技客状態検知部100によって状態が検知された遊技客が規制対象であるか否かについて、遊技客状態検知部100が検知した検知結果に基づいて、規制対象判定部201が判定を行う。そして、遊技客状態検知部100によって状態が検知された遊技客が規制対象であると規制対象判定部201が判定した場合には、報知部211が報知を行う。
【0089】
したがって、本実施形態では、規制対象であるか否かの判断を容易に実行可能であって、従業員の負担を低減することができる。
【0090】
[D]変形例
[D-1]変形例1
図7は、実施形態の変形例1において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
【0091】
図7に示すように、本変形例では、管理装置5は、上記実施形態の場合(図5参照)と異なり、更に、遊技機特定部231を有する。
【0092】
遊技機特定部231は、遊技場に設置された複数の遊技機(パチンコ機2、スロット機7)のうち、遊技客状態検知部100、および規制対象判定部201によって規制対象である判定された遊技客が遊技を行う遊技機(パチンコ機2、スロット機7)を特定する。遊技機特定部231は、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、上記の特定を行うように構成されている。
【0093】
遊技機特定部231による特定は、例えば、遊技場に設置した追尾カメラによって取得した情報を用いて行われる。追尾カメラは、例えば、遊技場の天井に設置されており、規制対象と判定された遊技客を遊技場において追尾する。これにより、規制対象と判定された遊技客が遊技を行う遊技機(パチンコ機2、スロット機7)に関する情報として例えば遊技機番号などの情報が得られる。
【0094】
遊技機特定部231による特定は、上記の他に、顔認証に基づいて実行してもよい。この場合には、例えば、会員の遊技客の属性情報として会員用カード27のカードIDに関連付けて予め記憶されている会員の顔の画像データと、規制対象と判定された遊技客の顔の画像データとの間において照合を行うことで、顔認証を行う。会員の顔の画像データは、例えば、管理装置5において記憶されている。規制対象と判定された遊技客の顔の画像データは、例えば、遊技場の入口に設置した撮像装置(図示省略)で自動的に撮像されることで得られる。顔認証を行い規制対象となった会員の遊技客を特定することにより、該会員の会員IDを特定することができ、また例えば該会員の会員用カード27を台間機3および台間機8において受け付けた場合に、規制対象者の会員が遊技を行おうとしている遊技機(パチンコ機2、スロット機7)を特定することができる。
【0095】
この他に、顔認証は、台間機3および台間機8に設けられた撮像装置(図示省略)によってリアルタイムに撮像された遊技客の顔の画像データを用いて行ってもよい。この場合には、台間機3および台間機8の撮像装置で撮像された遊技客の顔の画像データと、遊技場の入口に設置した撮像装置(図示省略)で自動的に撮像された規制対象者の顔の画像データとを照合することによって、遊技機特定部231が上記の特定を実施する。
【0096】
そして、遊技機特定部231によって規制対象が遊技を行うと特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)については、報知部211によって報知される。報知内容としては、例えば遊技場の入口にて撮像された顔画像、台間機3および台間機8に設けられた撮像装置にて撮像された顔画像、規制対象者が遊技しようとしている遊技機番号、会員ID、会員の属性情報として登録されている顔画像、会員の名前などが含まれる。なお、遊技機特定部231にて特定をせずに、または特定不可能な場合に、遊技場の入口にて撮像された規制対象者の顔画像を、報知部211により従業員の装着する携帯端末26の表示部61に表示してもよい。
【0097】
例えば、報知部211は、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)に関する情報を、従業員が装着する携帯端末26の表示部61に表示する。ここでは、報知部211は、遊技場の複数の従業員のうち特定の従業員が装着する携帯端末26に報知を行う。例えば、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)のあるエリアについて担当する従業員が装着する携帯端末26を用いて、報知部211が報知を行う。もしくは規制対象者に対する接客サービスのみにおいてはエリアを担当する従業員でなく、責任者の権限を有する従業員や規制対象者への接客専門従業員が装着する携帯端末26を用いて、報知部211が報知を行うように構成してもよい。これにより、例えば感染症対策により規制を行っている場合は感染対策を行っている従業員のみが対応することが可能になる。報知で用いる携帯端末26の選択は、従業員IDの情報に関連付けた携帯端末26の固有ID情報に基づいて行われる。
【0098】
この他に、報知部211は、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)に対応する、台間機3および台間機8の表示部35や、データ表示機9の表示部45を用いて、規制対象である遊技客に報知を行ってもよい。
【0099】
また、報知部211は、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)において遊技が終了したときには、遊技が終了した旨を携帯端末26の表示部61に報知してもよい。これにより、従業員は、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)について清掃などの準備作業を開始可能であることを認識することができる。なお、遊技が終了した旨の判定は管理装置5の通信部55おいて遊技機(パチンコ機2、スロット機7)から受信する遊技を行っていることを示すアウト信号が所定時間途絶すること、または台間機3および台間機8からカードが発行、返却された旨の信号を受信することにより行われる。
【0100】
また、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)において規制対象である遊技客の遊技が終了したと判定されたときには、上記の他に、貨幣受付部33への貨幣の受付、および、カード受付部31への会員用カード27又は非会員用カード28の受付を不可能に制御してもよい。貨幣の受付禁止およびカードの受付禁止は、例えば、清掃終了後、清掃終了の旨を従業員が携帯端末26に入力したときに、解除される。
【0101】
さらに、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)における遊技に関して、管理装置5の制御部50が遊技を行うことを不可能に制御してもよい。それにより、規制対象者は遊技することができないため、早急に退店することが見込める。あるいは遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)における遊技を許容する一方、遊技場に設置された複数の遊技機(パチンコ機2、スロット機7)のうち、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)の隣りに設置された他の遊技機(パチンコ機2、スロット機7)における遊技について、管理装置5の制御部50が遊技を行うことを不可能にするように制御してもよい。例えば感染症の感染防止を目的に規制を行う場合は、規制対象者の隣での遊技を禁止することで感染症に感染しないための適度な間隔を設けることができる。なお、遊技を行うことを不可能にする制御とは、パチンコ機2について、遊技の際に玉を放出するためのモータの駆動を停止する。この他に、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)について、電力の供給を停止する等の処理を実行することで、遊技不可能な状態にしてもよいし、台間機3および台間機8において入金やカードの挿入を不可能なように制御してもよい。これにより、規制対象が感染者である場合であっても、感染者の濃厚接触者が発生せずに、感染症の拡散を効果的に防止可能である。
【0102】
また、遊技機特定部231によって特定された遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で規制対象であると判定された遊技客が会員用カード27を用いて遊技している場合には、規制対象であると判定された旨を遊技客の会員情報として記録することが好ましい。同様に、遊技場に設置された複数の遊技機(パチンコ機2、スロット機7)のうち、規制対象である判定された遊技客が遊技を行う遊技機の隣りに設置された他の遊技機で遊技した他の遊技客が会員用カード27を用いて遊技している場合には、該遊技機で遊技を行った情報を、他の遊技客の会員情報として記録することが好ましい。上記の情報は、例えば、管理装置5のID管理部56が、データベース部54において遊技IDなどの情報に関連付けたテーブルとして記憶させる。これにより、規制対象が感染者であることが判ったときに、感染者の濃厚接触者を容易に認識可能である。
【0103】
なお、遊技機特定部231を設けない場合には、遊技場の入口に設置した撮像装置(図示省略)で自動的に撮像された規制対象の顔の画像データを、報知部211が携帯端末26の表示部61に表示するように構成してもよい。これにより、従業員は、規制対象の顔の画像データを用いて、規制対象の特定を行うことができる。
【0104】
[D-2]変形例2
上記の実施形態では、遊技客状態検知部100がサーモグラフィーを含む場合について説明したが、これに限らない。遊技客状態検知部100は、監視カメラ、心拍数測定器、顔色判別、集音マイク、呼気センサーなどを含む生体認証システム、生体検査システムなどの各種機器を備えていてもよい。
【0105】
例えば、遊技客状態検知部100が顔色判別を含む生体認証システムを有する場合、規制対象判定部201は、撮像した顔画像において色の属性(色相、明度、彩度)が予め定めた範囲であるときには、遊技客が規制対象であると判定する。ここでは、赤色を帯びている属性であるときには、飲酒による規制対象であると判定する。その他、遊技客状態検知部100によって検知した各種の生体情報に基づいて、規制対象判定部201が規制対象の判定を行うように構成してもよい。
【0106】
その他、酒酔いの程度が高い遊技客を入場の規制対象として判断する場合には、遊技客状態検知部100としてアルコール検知器を用いてもよい。この場合には、アルコール検知器で検知されたアルコール濃度に関する検知データが規制対象判定部201に入力される。そして、規制対象判定部201は、その入力された検知データのアルコール濃度が閾値を超えているとき、その遊技客を規制対象として判定する。また、もしくは、監視カメラの撮像によりマスク着用をしているか否か、集音マイクにより咳をしていないかなどの判定を行い規制対象か判定を行ってもよい。
【0107】
<その他>
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
2:パチンコ機、3:台間機、5:管理装置、5a:パーソナルコンピュータ、7:スロット機、8:台間機、9:データ表示機、10:遊技システム、11:景品払出機、12:精算機、14:計数機、15:発券機、16:景品管理機、17:データ公開機、20:ネットワーク、21:プロトコルコンバータ、22:モデム、23:カードセンタ、24:再プレー受付機、25:島コンピュータ、26:携帯端末、27:会員用カード、28:非会員用カード、30:制御部、31:カード受付部、32:カード処理部、33:貨幣受付部、34:操作部、35:表示部、36:ランプ部、37:通信部、40:制御部、41:表示部、41:呼出操作部、42:通信部、45:呼出操作部、45:表示部、46:呼出ランプ部、50:制御部、51:タイマ部、52:情報集計部、53:状態監視部、54:データベース部、55:通信部、56:管理部、60:制御部、61:表示部、62:操作部、64:通信部、100:遊技客状態検知部、201:規制対象判定部、211:報知部、221:優先事項設定部、231:遊技機特定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7