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特開2022-34659測定手段提示装置、測定手段提示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034659
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】測定手段提示装置、測定手段提示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220225BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20220225BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138465
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】515237795
【氏名又は名称】アキュイティー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 眞平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
5L049CC00
(57)【要約】
【課題】測定対象の測定に適した測定手段を選択しやすくする。
【解決手段】測定手段提示装置1は、測定対象を示す測定対象情報を取得する情報取得部131と、測定対象情報が示す測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する特定部132と、複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を記憶する記憶部と、前記測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から前記特定部が特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象を示す測定対象情報を取得する情報取得部と、
前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する特定部と、
複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を記憶する記憶部と、
前記測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から前記特定部が特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力する出力部と、
を有する測定手段提示装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、測定対象物の性状を示す性状情報を前記測定対象情報として取得し、
前記特定部は、前記性状情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1に記載の測定手段提示装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、測定内容を示す測定内容情報を前記測定対象情報として取得し、
前記特定部は、前記測定内容情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1又は2に記載の測定手段提示装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、前記測定対象を測定する目的を示す目的情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記目的情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に許容される時間を示す許容時間情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記許容時間情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定を行う環境を示す環境情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記環境情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に要求される精度を示す精度情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記精度情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定結果に要求される分解能を示す分解能情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記分解能情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項9】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定結果に要求される再現性の度合いを示す再現性情報をさらに取得し、
前記特定部は、前記測定対象情報及び前記再現性情報に基づいて前記測定要件を特定する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項10】
前記情報取得部は、前記複数の測定手段のうち選択可能な複数の許容測定手段を示す許容測定手段情報をさらに取得し、
前記選択部は、前記許容測定手段情報が示す前記複数の許容測定手段から前記一以上の測定手段を選択する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項11】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に許容されるコストを示す許容コスト情報をさらに取得し、
前記記憶部は、前記複数の測定手段に関連付けて所要コストをさらに記憶し、
前記選択部は、前記許容コスト情報が示すコストと、前記記憶部に記憶された前記所要コストとを比較することにより前記一以上の測定手段を選択する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項12】
前記情報取得部は、前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を用いて前記測定対象を測定した結果を示す測定結果情報を取得し、
前記選択部は、前記測定結果情報が示す結果が所定の条件を満たしていないと判定した場合に、前記一以上の測定手段と異なる他の測定手段を選択し、
前記出力部は、前記他の測定手段を示す前記選択情報を出力する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の測定手段提示装置。
【請求項13】
コンピュータが、
測定対象を示す測定対象情報を取得するステップと、
前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定するステップと、
複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択するステップと、
選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力するステップと、
を実行する測定手段提示方法。
【請求項14】
コンピュータを、
測定対象を示す測定対象情報を取得する情報取得部、
前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する特定部、
複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から前記特定部が特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する選択部、及び
前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力する出力部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象を測定する手段を提示するための測定手段提示装置、測定手段提示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定対象物を測定する位置及び測定方法の指定を受け付けて、指定された測定方法を用いて指定された位置の測定をする装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-203469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置を用いて測定対象物を測定するためには、測定方法を指定するユーザが、使用可能な測定方法に関する知識に基づいて測定方法を指定する必要があった。しかしながら、ユーザが測定方法に関する知識を十分に有していない場合、測定対象物に適した測定方法が指定されるとは限らなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、測定対象の測定に適した測定手段を選択しやすくするための測定手段提示装置、測定手段提示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の測定手段提示装置は、測定対象を示す測定対象情報を取得する情報取得部と、前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する特定部と、複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を記憶する記憶部と、前記測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から前記特定部が特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記情報取得部は、測定対象物の性状を示す性状情報を前記測定対象情報として取得し、前記特定部は、前記性状情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。前記情報取得部は、測定内容を示す測定内容情報を前記測定対象情報として取得し、前記特定部は、前記測定内容情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記測定対象を測定する目的を示す目的情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記目的情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0009】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に許容される時間を示す許容時間情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記許容時間情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0010】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定を行う環境を示す環境情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記環境情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0011】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に要求される精度を示す精度情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記精度情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0012】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定結果に要求される分解能を示す分解能情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記分解能情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0013】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定結果に要求される再現性の度合いを示す再現性情報をさらに取得し、前記特定部は、前記測定対象情報及び前記再現性情報に基づいて前記測定要件を特定してもよい。
【0014】
前記情報取得部は、前記複数の測定手段のうち選択可能な複数の許容測定手段を示す許容測定手段情報をさらに取得し、前記選択部は、前記許容測定手段情報が示す前記複数の許容測定手段から前記一以上の測定手段を選択してもよい。
【0015】
前記情報取得部は、前記測定対象の測定に許容されるコストを示す許容コスト情報をさらに取得し、前記記憶部は、前記複数の測定手段に関連付けて所要コストをさらに記憶し、前記選択部は、前記許容コスト情報が示すコストと、前記記憶部に記憶された前記所要コストとを比較することにより前記一以上の測定手段を選択してもよい。
【0016】
前記情報取得部は、前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を用いて前記測定対象を測定した結果を示す測定結果情報を取得し、前記選択部は、前記測定結果情報が示す結果が所定の条件を満たしていないと判定した場合に、前記一以上の測定手段と異なる他の測定手段を選択し、前記出力部は、前記他の測定手段を示す前記選択情報を出力してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の測定手段提示方法は、コンピュータが、測定対象を示す測定対象情報を取得するステップと、前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定するステップと、複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択するステップと、選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力するステップと、を実行する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータを、測定対象を示す測定対象情報を取得する情報取得部、前記測定対象情報が示す前記測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する特定部、複数の測定手段と前記複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を参照することにより、前記複数の測定手段から前記特定部が特定した前記測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する選択部、及び前記選択部が選択した前記一以上の測定手段を示す選択情報を出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、測定対象の測定に適した測定手段を選択しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】測定手段提示システムSの概要を説明するための図である。
図2】測定手段提示装置1が実行する処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図3】測定手段提示装置1の構成を示す図である。
図4】測定要件データベースの一例を示す図である。
図5】測定手段データベースの一例を示す図である。
図6】測定手段提示装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[測定手段提示システムSの概要]
図1は、測定手段提示システムSの概要を説明するための図である。測定手段提示システムSは、測定の対象と測定に求められる要件に応じて、各種の測定手段のうち適した測定手段を選択し、選択した測定手段をユーザに提示するためのシステムである。測定の対象は、測定の対象物及び測定の内容を含む。測定を実施したいと考えているユーザが測定手段に関する知識を持っていない場合であっても、測定手段提示システムSを利用することで、ユーザは、測定の対象物、及びどのような測定を行いたいかを入力することにより、適切な測定手段を把握することができる。
【0022】
測定手段提示システムSは、測定手段提示装置1及び情報端末2を備える。測定手段提示装置1及び情報端末2は、ネットワークNを介して互いにデータを送受信することができる。ネットワークNは、例えばインターネット又はイントラネットである。情報端末2は、測定手段を選択したいユーザが使用する端末であり、コンピュータ又はスマートフォン等のように、情報の入力を受け付ける手段とともに情報を表示するためのディスプレイを有する。情報端末2は、ユーザから例えば測定対象物の名称の入力を受け付けて、測定対象物の名称を示す測定対象情報を測定手段提示装置1に送信する。
【0023】
測定手段提示装置1は、情報端末2から受信した測定対象情報に基づいて、複数の測定手段のうち、測定対象情報が示す測定対象の測定に適した測定手段を選択し、選択した測定手段を示す選択情報を情報端末2に送信するコンピュータである。測定手段提示装置1は、例えば、各種の測定を実施する企業、又は測定方法についてコンサルティングする企業が管理するサーバである。
【0024】
情報端末2は、測定手段提示装置1から選択情報を受信すると、選択情報が示す測定手段をディスプレイに表示することにより、ユーザが、どのような測定手段が適しているかを把握することができる。例えば測定対象物が細い突起を有する物体であり、ユーザが当該物体の高さを測定する必要がある場合に、撮像画像に基づいて物体の高さを測定してしまうと、細い突起の高さを検出できないということが想定される。このような場合に、ユーザは、測定手段提示装置1を利用することにより、レーザー光をスキャンして測定することが適しているということを認識することを可能にする。
【0025】
なお、図1においては2台の情報端末2が示されているが、測定手段提示装置1にアクセスする情報端末2の数は任意である。また、情報端末2を使用するユーザは、測定を行う人に限らず、測定を実施する企業の従業員や測定方法をコンサルティングする企業の従業員であってもよい。この場合、当該従業員は、例えば顧客が測定したいと考えている測定対象物に関する情報を取得して、取得した情報を情報端末2に入力することにより、適切な測定手段を把握することが可能になる。
【0026】
図2は、測定手段提示装置1が実行する処理の流れの概要を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、情報端末2において測定対象を示す情報が入力された時点から開始している。
【0027】
測定手段提示装置1は、情報端末2から測定対象情報を取得する(S1)。測定手段提示装置1は、測定対象情報に基づいて、測定において求められる要件である測定要件を特定する(S2)。測定要件は、測定対象情報が示す測定対象物の測定を行った結果に影響を与える要素であり、例えば、測定精度、測定時間又は分解能である。
【0028】
続いて、測定手段提示装置1は、複数の測定手段それぞれの特徴を示す測定手段データベース(測定手段DB)を参照することにより(S3)、複数の測定手段のうち、特定した測定要件を満たす測定手段を選択する(S4)。測定手段提示装置1は、測定要件を満たす複数の測定手段がある場合、測定要件を満たす度合いが最も大きな測定手段を選択してもよく、複数の測定手段を選択してもよい。
【0029】
また、測定手段提示装置1は、複数の測定手段を組み合わせて使用することが適切であると判定した場合、組み合わせて測定対象を測定する複数の測定手段を選択してもよい。測定手段提示装置1は、選択した測定手段を示す選択情報を出力する(S5)。測定手段提示装置1は、選択情報を情報端末2に送信してもよく、測定手段提示装置1が有するディスプレイに選択情報を表示してもよく、紙に印刷してもよい。
【0030】
[測定手段提示装置1の構成]
図3は、測定手段提示装置1の構成を示す図である。測定手段提示装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、情報取得部131と、特定部132と、選択部133と、出力部134と、を有する。
【0031】
通信部11は、ネットワークNを介してデータを送受信するための通信インターフェースである。通信部11は、例えば情報端末2が送信した測定対象情報を受信し、受信した測定対象情報を情報取得部131に入力する。また、通信部11は、出力部134が出力する選択情報を情報端末2へと送信する。
【0032】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、測定対象物と測定要件とが関連付けられた測定要件データベースを記憶していてもよい。記憶部12は、複数の測定手段と複数の測定手段それぞれが実施できる測定の性能とが関連付けられた測定手段情報を含む測定手段データベースを記憶していてもよい。
【0033】
図4は、測定要件データベースの一例を示す図である。図4に示す例においては、測定対象物と、測定内容と、要求精度と、要求測定時間とが関連付けられている。「要求精度」は、測定対象物の測定結果に要求される精度として予め設定された精度である。「要求測定時間」は、測定対象物の測定に要する時間の最大値として予め設定されて時間である。1つの測定対象物に対して複数の測定内容が関連付けられている場合、図4に示している「家具B」及び「トマト」のように、複数の測定内容それぞれに対して要求精度が設定されていてもよい。測定要件データベースにおいては、測定対象物に関連付けて、要求精度及び要求測定時間以外の要件が設定されていてもよい。
【0034】
図5は、測定手段データベースの一例を示す図である。図5に示す例においては、測定手段名と、測定内容と、測定精度と、分解能と、測定時間と、測定環境と、再現性と、対応性状と、コストとが関連付けられている。測定内容、測定精度、測定時間、分解能、測定環境、再現性、対応性状及びコストは、測定の性能の例である。測定の性能として、測定がアナログ処理によって行われるかデジタル処理によって行われるかという情報が含まれていてもよい。
【0035】
「測定手段名」は、測定に使用する測定機の種別又は測定器の型名のように、測定する手段を示す。「測定内容」は、測定手段を用いて測定することができる内容を示す。一つの測定手段に対して一つの測定内容が登録されていてもよく、一つの測定手段に対して複数の測定内容が登録されていてもよい。
【0036】
「測定精度」から「コスト」までの各項目は、測定内容のそれぞれに対して登録されており、各測定手段で実施される各測定内容の特徴を示す。◎は相対的に優れていることを示し、〇は標準的であることを示し、△は相対的に劣っていることを示している。図5に示す例においては、このように特徴が3段階で登録されているが、特徴がより多くの段階により示されていてもよい。また、測定内容の特徴を表す数値が登録されていてもよい。
【0037】
「測定精度」は、測定の精度のレベルを示す。ノギスで測定対象物の形状を測定する場合と、三次元測定機で測定対象物の形状を測定する場合と、撮像装置で測定対象物の形状を測定する場合とを比較すると、人が測定対象物の各部を測定することにより形状を測定するノギスに比べて、プロセッサがアクチュエータを制御することにより形状を測定する三次元測定機の方が高い精度を得られる。一方、撮像装置で測定対象物を撮像することにより測定対象物の形状を測定する場合、撮像素子の解像度により精度が制限されるため、三次元測定機に比べて精度が低くなる。したがって、ノギス及び撮像装置の測定精度は△になっており、三次元測定装置の測定精度は◎になっている。
【0038】
「分解能」は、測定結果の分解能の高さを示す。三次元測定機で測定対象物の形状を測定する場合、μmのオーダーでの分解能を得られるのに対して、撮像装置で測定対象物の形状を測定する場合、数百μmのオーダーでの分解能しか得られないと考えられる。したがって、三次元測定装置は◎、撮像装置は△になっている。
【0039】
「測定時間」は、測定に要する時間の長さを示す。ノギスで測定対象物の形状を測定する場合と、三次元測定機で測定対象物の形状を測定する場合と、撮像装置で測定対象物の形状を測定する場合とを比較すると、測定対象物の多数の位置にプローブを接触させることにより形状を測定する三次元測定機に比べて、少数の撮像画像を用いて形状を測定できる撮像装置の方が、測定時間が短い。また、ノギスを用いて複雑な形状を測定する場合、三次元測定機で形状を測定する場合よりも長時間を要すると考えられる。したがって、ノギスは△、三次元測定装置は〇、撮像装置は◎になっている。
【0040】
「測定環境」は、測定をする際に必要な周辺環境の条件を示し、「面積」、「明るさ」、「振動」、「騒音」の項目が含まれている。「測定環境」に、測定をする際の周辺の物質(例えば空気中、真空、水中、又は土中)に関する項目がさらに含まれていてもよい。「面積」は、測定に要する面積の大きさを示す。「明るさ」は、測定に要する明るさを示す。「振動」は、測定時に発生する振動の大きさを示す。「騒音」は、測定時に発生する騒音の大きさを示す。図5に示す例においては、測定に要する面積が小さい場合、測定に要する明るさの制限が小さい場合、測定時に発生する振動が小さい場合、及び測定時に発生する騒音が小さい場合に、◎となっている。一例として、三次元測定機は、広い設置面積が必要であり、振動や騒音を発生するため、これらの項目が△になっている。一方、明るさに関係なく測定することができるので、「明るさ」は◎になっている。
【0041】
「再現性」は、各測定手段で測定内容に示す測定を実施した際の再現性の高さを示す。例えばノギスを用いて測定対象物の厚み、幅、形状等を測定する場合、人の操作による測定となるため、再現性は〇になっている。一方、三次元測定装置の場合はプロセッサがアクチュエータを制御して測定が行われるため、再現性は◎になっている。
【0042】
「対応性状」は、測定をする対象物の性状の許容範囲の大きさを示す。例えばノギスを用いて測定対象物の厚み、幅、形状等を測定する場合、測定対象物の大きさに制約があるため、ノギスに対する「対応性状」は△となっている。一方、三次元測定装置の場合は測定対象物の大きさや形状に対する制約が少ないため、三次元測定装置に対する「対応性状」は◎となっている。
【0043】
「コスト」は、各測定手段で測定内容に示す測定をする場合に要するコスト(所要コスト)の大きさを示す。所要コストには装置の価格も含まれており、三次元測定装置に比べてノギスのコストが低く設定されている。
【0044】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、特定部132、選択部133及び出力部134として機能する。
【0045】
情報取得部131は、通信部11を介して各種の情報を取得する。情報取得部131は、取得した情報を、例えば当該情報を送信した情報端末2のユーザを識別するためのユーザID又は取得した情報を識別するための受付IDに関連付けて記憶部12に記憶させてもよい。
【0046】
情報取得部131は、測定対象を示す測定対象情報を取得する。測定対象情報は、例えば、家具、衣服、荷物、野菜、魚介類等のように、測定対象物が属する製品分野の名称を示す情報である。測定対象情報は、測定対象物の性状を示す性状情報を含んでもよい。測定対象物の性状は、例えば、測定対象物の形状、大きさ、硬さ、移動速度、移動加速度、乾燥度合い、光の反射度合い、電導性、重さ、又は形状(凹凸の有無若しくは隠れた部位の有無)である。性状情報は、測定対象物の設計データ(例えばCADデータ)、測定対象物を構成する各部の長さ又は厚み等の情報を含むテキストデータ、又は測定対象物の撮像画像データのように、測定対象部の性状を示す任意の情報でよい。
【0047】
情報取得部131は、測定対象物の性状を示す性状情報と、測定対象物の測定内容を示す測定内容情報と、を測定対象情報として取得してもよい。測定内容は、例えば、測定対象物の長さ、高さ、厚み、深さ若しくは幅のように測定対象物の形状に関連する測定、測定対象物の色の測定、測定対象物の硬度の測定、測定対象物の速度又は加速度の測定である。
【0048】
情報取得部131は、特定部132が測定要件を特定するために使用可能な他の各種の情報をさらに取得してもよい。情報取得部131が取得する情報は、例えば、測定対象を測定する目的を示す目的情報、測定対象の測定を行う環境を示す環境情報、測定対象の測定に要求される精度を示す精度情報、測定対象の測定結果に要求される分解能を示す分解能情報、測定対象の測定に許容される時間を示す許容時間情報、測定対象の測定結果に要求される再現性の度合いを示す再現性情報、測定対象の測定に許容されるコストを示す許容コスト情報又は複数の測定手段のうち選択可能な複数の許容測定手段を示す許容測定手段情報の少なくともいずれかである。
【0049】
これらの各情報の詳細については後述するが、これらの情報は、例えば情報端末2を使用するユーザにより設定された情報である。情報取得部131は、取得した目的情報、環境情報、精度情報、分解能情報、許容時間情報及び再現性情報を特定部132に通知する。情報取得部131は、許容コスト情報及び許容測定手段情報を選択部133に通知する。
【0050】
特定部132は、測定対象情報が示す測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する。特定部132は、例えば測定対象物の名称に関連付けて記憶部12に記憶された、図4に示すような測定要件データベースを参照することにより、測定要件を特定する。一例として、特定部132は、測定対象情報が、測定対象物が家具Aであることを示している場合に、家具Aの高さを0.5mmの精度で測定することを測定要件として特定する。特定部132は、測定対象情報が、測定対象物がニンジンであることを示している場合に、ニンジンの長さを1mmの精度で測定し、重量を1gの精度で測定することを測定要件として特定する。
【0051】
特定部132は、測定対象情報に含まれている性状情報及び測定内容情報に基づいて、測定要件を特定してもよい。この場合、特定部132は、測定要件データベースを用いることなく、性状情報が示す性状を、測定内容情報が示す測定を実施する場合の要件の一つとして特定してもよい。例えば、測定対象情報が「高さが約1mの家具の高さの測定」であることを示している場合、特定部132は、1m以上の測定対象物の高さを測定することを測定要件として特定する。
【0052】
特定部132は、測定対象情報に基づいて測定要件を一意に特定することができない場合、情報取得部131から通知された各種の情報にさらに基づいて測定要件を特定してもよい。すなわち、特定部132は、上記の目的情報、環境情報、精度情報、分解能情報、許容時間情報、再現性情報、許容コスト情報及び許容測定手段情報の少なくともいずれかに基づいて測定要件を特定する。特定部132は、これらの情報と測定対象情報とを組み合わせることにより測定要件を特定してもよい。
【0053】
特定部132は、例えば目的情報に基づいて、測定要件の一つとして測定内容を特定する。具体的には、製品の大きさが規格値を満たしているかどうかを確認する検査であることを目的情報が示している場合、製品の形状、幅、又は高さの測定が必要であるということを測定要件として特定する。さらに、特定部132は、測定対象情報が、測定対象物が図4に示す家具Aであることを示している場合、1m以上の高さを精度0.5mmで1秒以内に測定する必要があることを測定要件として特定する。
【0054】
特定部132は、図4に示すトマトの品質のランク分けをするための測定であることを目的情報が示している場合、直径と色の測定が必要であるということを測定要件として特定する。また、直径の測定精度が1mm以内であり、測定時間が0.5秒以内であることを測定要件として特定する。
【0055】
また、特定部132は、目的情報に基づいて測定に要求される精度、分解能、許容時間、環境等を測定要件として特定してもよい。特定部132は、例えば測定の目的が予備測定であることを目的情報が示している場合、測定に要求される精度が低いということを特定し、測定の目的が認可試験であることを目的情報が示している場合、測定に要求される精度が高いということを特定する。また、特定部132は、測定の目的が試作機の測定であることを目的情報が示している場合、測定に許容される時間が比較的長く、測定の目的が量産品の出荷検査であることを目的情報が示している場合、測定に許容される時間が比較的短いということを特定する。
【0056】
特定部132は、測定をする場所が実験室であることを環境情報が示している場合、測定場所が比較的狭いということを特定し、測定をする場所が自動車の製造ラインであることを環境情報が示している場合、測定場所が比較的広いということを特定する。
【0057】
特定部132は、精度情報、分解能情報、許容時間情報、再現性情報及びコスト情報に基づいて、測定に要求される精度、分解能、許容時間、再現性の必要レベル、許容コストを特定する。特定部132は、これらの情報を、例えば図5に示したような測定手段データベースに対応する情報に変換する。
【0058】
一例として、特定部132は、これらの情報が数値で与えられた場合に、数値に基づいて、これらの情報を複数段階(例えば、図5の◎、〇、△に対応する3段階)に分類する。特定部132は、これらの情報が「高い」、「低い」のように相対的なテキスト情報として与えられ、測定手段データベースにおいて各測定手段の特徴が数値で示されている場合、これらのテキスト情報を数値範囲に変換してもよい。特定部132がこのように情報取得部131が取得した情報を測定手段データベースに合わせて変換することで、選択部133が適切な測定手段を選択する確率を高めることができる。
【0059】
選択部133は、測定手段データベースに含まれている測定手段情報を参照することにより、複数の測定手段から特定部132が特定した測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する。選択部133は、測定手段データベースに含まれている複数の測定手段のうち、特定部132が特定した測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択する。選択部133は、測定要件を満たす測定手段が複数ある場合、複数の測定手段を選択してもよい。
【0060】
また、選択部133は、測定要件に加えて、ユーザにより指定された他の条件に基づいて測定手段を選択してもよい。選択部133は、例えば、情報取得部131が取得した許容測定手段情報が示す複数の許容測定手段から一以上の測定手段を選択する。許容測定手段情報は、ユーザが使用可能な測定手段として予め設定した測定手段を示すので、選択部133が複数の許容測定手段から一以上の測定手段を選択することで、ユーザが使用することができない測定手段が選択される確率を下げることができる。
【0061】
また、選択部133は、許容コスト情報が示すコストと、記憶部12に記憶された所要コストとを比較することにより、測定要件を満たす複数の測定手段から一以上の測定手段を選択してもよい。選択部133は、例えば、コストの制約が厳しいということを許容コスト情報が示している場合、ノギス、三次元測定機、撮像装置のいずれもが測定要件を満たしているとしても、測定手段データベースにおいてコストが最も低い撮像装置による測定を選択する。選択部133がこのように動作することで、ユーザが求めるコスト以内の測定手段をユーザに提示することが可能になる。
【0062】
出力部134は、選択部133が選択した一以上の測定手段を示す選択情報を出力する。出力部134は、例えば、通信部11を介して情報端末2に対して選択情報を送信する。出力部134は、ディスプレイに選択情報を表示させたり、プリンタに選択情報を送信して印刷させたりしてもよい。
【0063】
[測定手段提示装置1における処理の流れ]
図6は、測定手段提示装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、家具のサイズを測定したいと考えているユーザが情報端末2において測定対象情報を入力した時点から開始している。
【0064】
特定部132は、測定対象情報に基づいて、測定対象物が家具であり、測定内容がサイズの測定であることを特定する(S11)。また、特定部132は、目的情報に基づいて、測定の目的が出荷時の検査であることを特定する(S12)。
【0065】
また、特定部132は、情報取得部131が取得した許容時間情報、環境情報及び精度情報に基づいて、許容時間が5秒以内であり(S13)、測定する場所が製造ラインであり比較的スペースに余裕があり(S14)、測定精度として1mm以内が要求される(S15)ということを測定要件として特定する。
【0066】
続いて、選択部133は、特定部132が特定した測定要件と測定手段データベースとに基づいて、測定手段として撮像装置及びレーザースキャナを選択し(S16)、出力部134が、選択された測定手段名を情報端末2に送信する。
【0067】
ここでは、選択部133が測定手段として選択した撮像装置及びレーザースキャナのうち、ユーザが撮像装置を選択したものとする。ユーザが測定をした後に、情報取得部131は、選択部133が選択した一以上の測定手段を用いて測定対象を特定した結果を示す測定結果情報を取得する。情報取得部131は、例えば、測定手段として撮像装置を用いて測定を行った結果を示す情報を取得する。情報取得部131は、結果を示す情報に基づいて、測定結果が良好であったか否かを判定する。
【0068】
測定結果が良好であった場合(S17においてYES)、測定手段提示装置1は動作を終了する。一方、測定結果が良好でなかった場合(S17においてNO)、情報取得部131は、測定対象物の性状や測定が良好でなかった原因を確認するための画面を情報端末2に表示させ、ユーザから測定対象物に関するさらなる情報を取得する。ここでは、情報取得部131が、性状情報及び分解能情報を取得し、特定部132が、測定対象物に細い突起があり(S18)、分解能として、当該突起の幅以下の分解能が必要である(S19)ということを測定要件として特定したものとする。
【0069】
選択部133は、測定結果情報が示す測定結果が所定の条件を満たしていないと判定した場合に、特定部132が特定した測定要件に基づいて、一以上の測定手段と異なる他の測定手段を選択する。この例において、選択部133は、細い突起を有する家具の測定をするために、測定手段としてレーザースキャナを選択し(S20)、出力部134は、選択した他の測定手段(レーザースキャナ)を示す選択情報を情報端末2に送信する。測定手段提示装置1がこのように動作することで、測定結果が良好でなかった場合に、より良い測定手段をユーザが選択することが可能になる。
【0070】
[本実施形態の適用例]
本実施形態に係る測定手段提示方法は、上記の形状測定の事例以外にも各種の事例に適用することができる。以下、測定手段提示方法を適用できる事例をさらに例示する。
【0071】
(上下水道管の異常検知)
上下水道管の異常を検知するための手段として、上下水道管の断面画像を教師データとして機械学習した人工知能を用いることが想定される。しかしながら、上下水道管の断面画像には、上下水道管自体の画像よりも、上下水道管を流れるゴミ、浮遊物、液体等の画像が占める割合が多いため、また水が光を反射することにより画質のばらつきが大きいため、人工知能の判定精度が不十分になりやすい。また、上下水道管に大きな異物が入っているような場合にも、人工知能の判定精度が不十分になりやすい。
【0072】
このような場合、特定部132は、例えば、内部に存在する測定対象物以外の物体の割合が大きいこと、又は内部に液体が存在することといった測定対象物の性状に基づいて、ノイズが多い画像を解析する必要があるという測定要件を特定する。特定部132は、水道管の異常を検知するという測定目的にさらに基づいて、暗い場所での測定であるという測定要件を特定してもよい。
【0073】
また、測定手段データベースには、人工知能を用いた画像解析が、内部に存在する測定対象物以外の物体の割合が大きい、内部に液体が存在する場合の精度が低い、又は暗い場所での精度が低いという情報が登録されている。選択部133は、「測定対象物=上下水道管」、「測定内容=異常の検知」、「要求精度=目視レベル」、「要求測定時間=100mあたり10分」、「ノイズが多い画像を解析する」という測定要件と、測定手段データベースに登録されている情報とに基づいて、上下水道管の異常を検知する手段として、人工知能による画像全体の解析ではなく、指定された領域の画像解析を用いることを決定する。
【0074】
(物体の軌道の特定)
物体が移動する際の軌道を特定する手段として、物体にマーカーを装着し、マーカーから受信する情報に基づいて軌道を特定するという手段が想定される。しかしながら、測定要件として示される要求精度が比較的低い場合(例えばマイクロメートルオーダーよりも低い場合)、選択部133は、画像を機械学習した人工知能を用いる手段を選択することができる。
【0075】
この場合、特定部132は、例えばマーカーの大きさや移動速度といったマーカーの性状を示す測定対象情報、及びマーカーの軌道を測定するという測定内容を示す測定対象情報に基づいて、測定要件を特定する。具体的には、マーカーが閾値以上の大きさであったり、移動速度が閾値以下であったりする場合、特定部132は、測定要件データベースの測定内容の項目及び要求精度の項目を参照することにより、高い分解能が要求されないという測定要件を特定する。そして、選択部133は、測定手段データベースを参照することにより、測定要件を満たす手段として人口知能を用いる方法を選択する。
【0076】
[変形例]
以上の説明においては、測定手段として複数の測定装置を例示したが、測定手段の少なくとも一部として、機械学習モデルや画像処理アルゴリズムが含まれていてもよい。この場合、測定手段データベースは、複数の種類の機械学習モデル、又は複数の種類の画像処理アルゴリズムそれぞれの特徴を含んでおり、選択部133は、測定要件に基づいて、測定に適した機械学習モデル又は画像処理アルゴリズムを選択してもよい。
【0077】
[測定手段提示装置1による効果]
以上説明したように、情報取得部131は、測定対象を示す測定対象情報を取得し、特定部132は、測定対象情報が示す測定対象の測定において求められる要件である測定要件を特定する。そして、選択部133は、複数の測定手段と測定手段の測定内容とが関連付けられた測定手段データベースを参照することにより、複数の測定手段から測定要件を満たす性能を有する一以上の測定手段を選択し、出力部134が、選択した一以上の測定手段を出力する。測定手段提示装置1がこのように構成されていることで、測定を実施したいと考えているユーザが測定手段に関する十分な知識を有していない場合であっても、ユーザが測定したいと考えている測定対象物や測定の目的に適した測定手段を選択することが可能になる。
【0078】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0079】
1 測定手段提示装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 情報取得部
132 特定部
133 選択部
134 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6