(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034793
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】見守りシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20220225BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220225BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20220225BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220225BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220225BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220225BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 D
G08B21/02
A61B5/00 102C
E05B49/00 S
E05B49/00 J
G16H20/00
G08B25/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138666
(22)【出願日】2020-08-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】520315486
【氏名又は名称】宇野 孝一
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】宇野 孝一
【テーマコード(参考)】
2E250
4C117
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB08
2E250BB63
2E250DD06
2E250DD09
2E250FF08
2E250FF36
4C117XA03
4C117XB04
4C117XB07
4C117XC12
4C117XD17
4C117XE13
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE53
4C117XE62
4C117XG55
4C117XH02
4C117XH12
4C117XJ38
4C117XL03
4C117XQ20
5C086AA22
5C086CA30
5C086CB40
5C086GA02
5C087AA02
5C087BB20
5C087BB72
5C087DD03
5C087DD35
5C087EE18
5C087FF02
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5C087FF11
5C087FF23
5C087GG10
5C087GG20
5C087GG32
5C087GG67
5C087GG83
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザ自身が簡単に救助要請先を選択することを可能とする見守りシステムを提供することである。
【解決手段】見守りシステム10は、高齢者4の手2の指に装着されて高齢者4の生体情報を取得し、別の指が接触して別の指の指紋を認識可能なスマートリング部12と、高齢者4が居住する建屋の玄関扉を施錠又は解錠するスマートロック部14と、建屋内に無線通信網を張り巡らせるための無線中継器部16と、無線通信網を用いてスマートリング部12及びスマートロック部14との通信を行う制御部18と、を備え、制御部18は、生体情報に基づいて、高齢者4が救助を必要とするか否かを判定し、救助が必要であると判断されたときに、スマートリング部12の指紋認識パターンに基づいて、高齢者4の救助要請先を選択し、スマートロック部14を解錠することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手の指に装着されて前記ユーザの生体情報を取得し、前記指とは別の指が接触して前記別の指の指紋を認識可能なスマートリング部と、
前記ユーザが居住する建屋の玄関扉を施錠又は解錠するスマートロック部と、
前記建屋内に無線通信網を張り巡らせるための無線中継器部と、
前記無線通信網を用いて前記スマートリング部及び前記スマートロック部との通信を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記生体情報に基づいて、前記ユーザが救助を必要とするか否かを判定し、前記救助が必要であると判断されたときに、前記スマートリング部の指紋認識パターンに基づいて、前記ユーザの救助要請先を選択し、前記スマートロック部を解錠することを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の見守りシステムにおいて、
前記スマートリング部は、耐水性を有し、かつ、前記指の温度又は太陽光で発電する発電部を含むことを特徴とする見守りシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の見守りシステムにおいて、
前記制御部は、前記スマートロック部の施錠又は解錠の状態に基づいて前記ユーザが在宅中であるか外出中であるかを判定し、かつ、
前記ユーザが外出中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合に緊急度が低いと判定し、前記ユーザが在宅中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合は緊急度が高いと判定することを特徴とする見守りシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の見守りシステムにおいて、
前記救助要請先は、前記緊急度が高いと判断された場合に救急車が自動的に選択されることを特徴とする見守りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少子高齢化などの環境の変化により、高齢者が一人暮らしをすることが増えている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と外部との通信を行う無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備えた複数のウエアラブルな見守りセンサ、および、前記複数の見守りセンサに充電を行うための共通の充電器を有することを特徴とする見守りシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一人暮らしの高齢者の体調が悪化したときの救助要請手段の1つとして、高齢者自身が救急車を呼ぶという方法がある。体調の悪化が深刻でない場合は高齢者自身が救急車を呼ぶまでには至らないと判断して救助要請を躊躇してしまうことがあり、このような場合、家族・知人などに救助を要請することが好ましい場合がある。
【0005】
しかしながら、高齢者が救急車や家族・知人に連絡を取ろうと思うと電話を掛ける必要があり操作に時間がかかるため、より簡単に救助要請先を選択して救助要請をすることが求められている。
【0006】
本発明の目的は、ユーザ自身が簡単に救助要請先を選択して救助要請をすることを可能とする見守りシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る見守りシステムは、ユーザの手の指に装着されて前記ユーザの生体情報を取得し、前記指とは別の指が接触して前記別の指の指紋を認識可能なスマートリング部と、前記ユーザが居住する建屋の玄関扉を施錠又は解錠するスマートロック部と、前記建屋内に無線通信網を張り巡らせるための無線中継器部と、前記無線通信網を用いて前記スマートリング部及び前記スマートロック部との通信を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記生体情報に基づいて、前記ユーザが救助を必要とするか否かを判定し、前記救助が必要であると判断されたときに、前記スマートリング部の指紋認識パターンに基づいて、前記ユーザの救助要請先を選択し、前記スマートロック部を解錠することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る見守りシステムにおいて、前記スマートリング部は、耐水性を有し、かつ、前記指の温度又は太陽光で発電する発電部を含むことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る見守りシステムにおいて、前記制御部は、前記スマートロック部の施錠又は解錠の状態に基づいて前記ユーザが在宅中であるか外出中であるかを判定し、かつ、前記ユーザが外出中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合に緊急度が低いと判定し、前記ユーザが在宅中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合は緊急度が高いと判定することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る見守りシステムにおいて、前記救助要請先は、前記緊急度が高いと判断された場合に救急車が自動的に選択されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザ自身が簡単に救助要請先を選択して救助要請をすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態の見守りシステムを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の見守りシステムにおいて、高齢者が救急車や家族及び知人に救急要請をしている様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の見守りシステムにおいて、高齢者(見守られる側)の携帯端末の画面を示す図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の見守りシステムにおいて、高齢者(見守られる側)の携帯端末の画面を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の見守りシステムにおいて、家族・知人(見守る側)の携帯端末の画面を示す図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の見守りシステムにおいて、家族・知人(見守る側)の携帯端末の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態の見守りシステム10を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の見守りシステム10において、高齢者4が救急車5や家族・知人7に救急要請をしている様子を示す図である。
【0015】
図3及び
図4は、本発明に係る実施形態の見守りシステム10において、高齢者4(見守られる側)の携帯端末19の画面を示す図である。
【0016】
図5及び
図6は、本発明に係る実施形態の見守りシステム10において、家族・知人7(見守る側)の携帯端末19の画面を示す図である。
【0017】
見守りシステム10は、一人暮らしの高齢者4を見守るシステムである。見守りシステム10は、スマートリング部12と、スマートロック部14と、無線中継器部16と、通信機能と制御機能とを有する制御部18とを備えている。
【0018】
スマートリング部12は、高齢者4の手2(例えば、中指や薬指)の指に装着されて、高齢者4の生体情報を取得する指輪型のスマート端末である。生体情報の例として、例えば、心拍数や体温などの情報が含まれている。スマートリング部12には、生体センサを内蔵しており、体温、睡眠パターン、活動量、心拍数など多数のバイオメトリクスデータをモニタする機能を有する。
【0019】
スマートリング部12は、上述の指とは別の指(例えば、親指)が接触して別の指の指紋を認識可能な認証部12bを有する。認証部12bは、指紋センサを有し、高齢者4の手2の親指の指紋を予め登録する。
【0020】
図2に示されるように、高齢者4が親指を曲げて認証部12bに接触させると指紋認証が行われ、親指を認証部12bに接触させたまま10秒以上連続経過させる連続指紋認証のパターンと、10秒未満の短時間の指紋認証(例えば、1秒)を繰り返すパターンを使い分けて救急要請先を変えることが出来る。
【0021】
スマートリング部12は、軽量で携帯性に優れており、かつ、耐水性及び耐熱性に優れた材質で構成されている。
【0022】
スマートリング部12は、高齢者4の手2の指の温度を利用して発電する。スマートリング部12は、物体の両端に温度差を与え、温度差に応じて電位差(起電力)が生じるゼーベック効果を利用し、指の温度を電気に変換する。具体的には、スマートリング部12と手2の指の皮膚表面に生じる温度差を利用して発電を行う。
【0023】
スマートリング部12は、太陽光などの光が照射されることで光エネルギから電気エネルギへと変換を行う光電変換部12aを含む。スマートリング部12は、無線通信(ここでは、ブルートゥース(登録商標)やWifi)を用いて携帯端末6などと通信を行う通信機能を有している。
【0024】
なお、スマートリング部12は、指に装着する際に光電変換部12aが手の甲側に位置し、識別部12bが掌側に位置するように嵌める。これにより、光電変換部12aにより太陽光などの光が照射されやすく、かつ、親指を識別部12bに接触させやすいという利点がある。
【0025】
スマートロック部14は、高齢者4が居住する建屋の玄関扉を施錠又は解錠する施錠機構である。スマートロック部14は、無線通信を用いて制御部18などと通信を行う通信機能を有しており、制御部18などの制御により、施錠又は解錠を行うことが出来る。
【0026】
無線中継器部16は、高齢者4が居住する建屋内に無線通信網を張り巡らせる機能を有する。ここでは、建屋内において、ブルートゥース(登録商標)やWifiなどの無線通信の電波が届きにくい場所に電波が行き渡るように中継する機能を有している。
【0027】
制御部18は、無線通信網を用いてスマートリング部12及びスマートロック部14との通信を行う機能を有する。
【0028】
また、制御部18は、見守りシステム10において動作するアプリケーションソウトウェアを含む。以下では、制御部18のハードウェア及びアプリケーションソウトウェアにより、スマートリング部12及びスマートロック部14との間で通信及び制御を行う。
【0029】
制御部18は、見守りシステム10により見守られる高齢者4の携帯端末19と、見守りシステム10を用いて高齢者4を見守る家族・知人7の携帯端末19と通信を行う。
【0030】
見守られる側の高齢者4の携帯端末19には、例えば、
図3に示されるように、見守りアプリメニューが表示され、見守りの対象となるか否かのON又はOFFの切替、各種設定、救助要請先の設定などが表示されて、高齢者4が操作を行って登録する。
【0031】
各種設定として、例えば、名前、住所、電話番号などを登録し、救助要請条件として、動きが確認されない時間(例えば、3分、5分、10分)、救助要請の事前の通知のON又はOFFなどを設定する。また、救助要請先の情報として、電話やメールアドレスについて優先度の高い順に入力して登録する。
【0032】
また、スマートリング部12により取得された生体情報は日々蓄積されており、例えば、
図4に示されるように、心拍数や体温の24時間の変化、過去30日間の変化及び過去1年間の変化を視覚的に確認することが出来る。また、見守りシステム10の機能をテストすることもでき、高齢者4のIDとパスワードを登録することも可能である。
【0033】
見守る側の家族・知人7の携帯端末19には、例えば、
図5に示されるように、家族・知人7自身の情報を登録する画面、見守り対象者の高齢者4の情報を登録する画面、見守り対象者の高齢者4の安否情報の表示画面及び見守り対象者と見守る人がつながっているか否かを示す確認画面が表示される。
【0034】
見守り対象者の安否情報として、例えば、
図6に示されるように、対象の高齢者4の個人に関する情報(在宅中又は外出中、心拍数、体温などの健康状態が正常か否か)等について表示され、見守り対象者の全員の一覧表が表示される。
【0035】
制御部18は、スマートロック部14の施錠又は解錠の状態に基づいて高齢者4が在宅中であるか外出中であるかを判定し、かつ、高齢者4が外出中であると判断して生体情報の取得ができない場合に緊急度が低いと判定し、高齢者4が在宅中であると判断して生体情報の取得ができない場合は緊急度が高いと判定する。
【0036】
在宅中か外出中かの判断として、例えば、スマートロック部14が施錠状態で、玄関扉の屋外側扉が操作されたときに解錠した後は在宅中と判断するが、解錠した後に屋内側扉が操作されたときに施錠されていると判断する。なお、このとき、屋内側扉が操作されないと施錠忘れとして通知するようにしても好ましい。
【0037】
また、スマートロック部14が施錠状態で、玄関扉の屋内側扉が操作されたときに解錠した後は外出中と判断するが、解錠した後に、屋外側扉が操作されるときに施錠されていると判断する。なお、このとき、屋外側扉を操作しないと施錠忘れとして通知するようにしても好ましい。
【0038】
制御部18は、高齢者4が在宅中の場合に、生体情報に基づいて動きがあると判断したときは正常であると判断し、動きがない場合や長時間生体情報を検知できない場合に異常であると判断する。
【0039】
また、制御部18は、高齢者が外出中に、生体情報に基づいて動きがあると判断したときは正常であると判定し、生体情報を未検知の場合も正常と判定する。外出中の場合は、無線通信ができない状況下にいる可能性もあるため、生体情報が未検知でも正常であると判定する。
【0040】
制御部18により、高齢者4の体調が悪く緊急度が高いと判断された場合には、救急要請先は自動的に救急車5が選択されて、当該高齢者4の救急情報が救急車5に送信される。
【0041】
また、緊急度が低いと判断された場合には、スマートリング部12の指紋認識パターンに基づいて、高齢者4の救助要請先を選択し、スマートロック部14を解錠する。具体的には、高齢者4が
図2で示されるように、親指を認証部12bに接触させる動作を行うことで、救助要請先を選択することができる。
【0042】
例えば、親指を認証部12bに10秒以上連続して接触させた場合には救急車5を呼ぶように設定し、10秒未満の短い時間(例えば1秒)の接触を繰り返す場合には知人・家族7のいずれかを呼ぶように設定してもよい。
【0043】
制御部18は、救急車5、知人・家族7を呼んだ場合に、スマートロック部14のロックを解除する制御を行う。これにより、高齢者4を助けに来た救急車5の隊員や家族・知人7の中から選択された救助者6が高齢者4の建屋内に入って、高齢者4を救出することが出来る。
【0044】
続いて、上記構成の見守りシステム10の作用について説明する。近年、少子高齢化などの環境の変化により、高齢者4が一人暮らしをすることが増えている。
【0045】
高齢者4の家族が時折、高齢者4の家を訪れて様子を伺うなどといったことがなされているが、家族が離れて住んでいる場合は、移動時間や移動経費などの関係上、回数を制限せざるを得ないという状況が有る。
【0046】
そこで、高齢者4を遠隔で見守るシステムが種々提案されており、高齢者4の体調が悪化した際に救急車5などを呼ぶためにスマートウォッチやスマートフォンを操作して連絡をすることなどが提案されている。
【0047】
しかしながら、スマートフォンは常時に身に着けておらず、スマートウォッチも腕に装着しっぱなしだとすると違和感が生じることがある。例えば、入浴時、スマートフォンは持ち込んで入ることはないし、スマートウォッチも取り外すことが多い。しかしながら、入浴時に体調が悪くなる場合もあるため、常時身に着けるできる端末であるが好ましい。
【0048】
見守りシステム10では、スマートリング部12を薬指又は中指に装着するため、軽量で、耐熱性、耐水性にも優れているため、入浴時にも違和感なく装着し続けることが出来る。
【0049】
装着性に優れたスマートリング部12によれば、高齢者4の生体情報を高齢者4自身が把握することができるとともに、家族・知人7も把握することができる。そして、見守る側と見守られる側が相互に繋がることで、高齢者4及び家族・知人7に安心を与えることができるという顕著な効果を奏する。
【0050】
また、スマートリング部12によれば、生体情報に基づいて高齢者4の健康状態を監視し、高齢者4の体調が悪化していると判断したときに高齢者4対して通知を送ることができる。この通知を受けた高齢者4が救急車5を呼んだ方がよいと考えた場合には識別部12bに親指を10秒以上連続して接触する連続指紋認証を行えばよい。
【0051】
さらに、高齢者4自身が救急車5を呼ぶまでもなく、家族・知人7を頼りたいと考えた場合には、10秒未満の短時間の指紋認証を繰り返すことで家族・知人7を呼ぶことが出来る。
【0052】
また、制御部18により、高齢者4の体調が悪く緊急度が高いと判断された場合には、高齢者4自身で連絡を取れないような状況の可能性があるため、自動的に救急車5を選択して、当該高齢者4の情報を救急車5に送信して助けを求めることが出来る。なお、このとき、スマートロック部14を解錠する。
【0053】
高齢者4自身の操作により、また、自動的に救急車5又は家族・知人7に救急要請が出された場合には、スマートロック部14が解錠されるため、救助者6が建屋に到着した場合に屋内に入って高齢者4を助けることが出来る。
【0054】
以上のように、見守りシステム10によれば、装着性に優れたスマートリング部12を用いて救助要請ができるとともに、緊急時に救助者6が建屋内に入るための鍵の受け渡しが必要なく、プライバシーを侵害する可能性のある監視カメラなどを設置する必要もなく、高齢者4を見守りつつ、緊急時に救出することができるという顕著な効果を奏する。
【0055】
また、見守りシステム10によれば、高齢者4が救急車5を呼んだ方がよいと考えた場合には識別部12bに親指を10秒以上連続して接触する連続指紋認証を行えばよく、高齢者4自身が救急車5を呼ぶまでもなく家族・知人7を頼りたいと考えた場合には、10秒未満の短時間の指紋認証を繰り返すことで家族・知人7を呼ぶことができ、高齢者4が状況に応じて気兼ねなく救急要請をおこなうことができるという利点がある。
【0056】
また、見守りシステム10には、様々なオプションを付加してもよく、例えば、建屋内の寝室などに睡眠センサを設置し、急病時と睡眠時との差を区別できるようにしてもよい。さらに、見守りシステム10によれば、高齢者4の生体情報を蓄積することができるため、これらのデータを数多く集めることにより、急病者の緊急事態前の生体情報の特徴を把握し、急病前の予知を行い、高齢者4に健康診断などの受信の提案を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
2 手、4 高齢者、5 救急車、6 携帯端末、7 知人、10 見守りシステム、12 スマートリング部、12a 光電変換部、12b 識別部、14 スマートロック部、16 無線中継器部、18 制御部、19 携帯端末。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手の指に装着されて前記ユーザの生体情報を取得し、前記指とは別の指が接触して前記別の指の指紋を認識可能なスマートリング部と、
前記ユーザが居住する建屋の玄関扉を施錠又は解錠するスマートロック部と、
前記建屋内に無線通信網を張り巡らせるための無線中継器部と、
前記無線通信網を用いて前記スマートリング部及び前記スマートロック部との通信を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記生体情報に基づいて、前記ユーザが救助を必要とするか否かを判定し、前記救助が必要であると判断されたときに、前記スマートリング部の指紋認識パターンに基づいて、前記ユーザの救助要請先を選択し、前記スマートロック部を解錠することを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の見守りシステムにおいて、
前記スマートリング部は、耐水性を有し、かつ、前記指の温度又は太陽光で発電する発電部を含むことを特徴とする見守りシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の見守りシステムにおいて、
前記制御部は、前記スマートロック部の施錠又は解錠の状態、及び、玄関扉の屋内側扉又は屋外側扉が操作された状態に基づいて前記ユーザが在宅中であるか外出中であるかを判定し、かつ、
前記ユーザが外出中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合に緊急度が低いと判定し、前記ユーザが在宅中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合は緊急度が高いと判定することを特徴とする見守りシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の見守りシステムにおいて、
前記救助要請先は、前記緊急度が高いと判断された場合に救急車が自動的に選択されることを特徴とする見守りシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明に係る見守りシステムにおいて、前記制御部は、前記スマートロック部の施錠又は解錠の状態、及び、玄関扉の屋内側扉又は屋外側扉が操作された状態に基づいて前記ユーザが在宅中であるか外出中であるかを判定し、かつ、前記ユーザが外出中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合に緊急度が低いと判定し、前記ユーザが在宅中であると判断して前記生体情報の取得ができない場合は緊急度が高いと判定することが好ましい。