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特開2022-34860廃棄物回収容器用センサ支持具および廃棄物回収容器管理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034860
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】廃棄物回収容器用センサ支持具および廃棄物回収容器管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65F 5/00 20060101AFI20220225BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20220225BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220225BHJP
【FI】
B65F5/00
B65F1/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138764
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】520315693
【氏名又は名称】株式会社ディスウェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】岡本 佳之
(72)【発明者】
【氏名】布引 順路
(72)【発明者】
【氏名】井戸川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 豊晃
(72)【発明者】
【氏名】井森 清文
【テーマコード(参考)】
3E023
3E025
5L049
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E025AA08
3E025EA01
3E025EA02
3E025EB10
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる廃棄物回収容器用センサ支持具を提供する。
【解決手段】センサ支持具2は、回収容器Wおよび回収容器W内の廃棄物の少なくとも一方に関する情報を取得して、前記情報を管理装置6に送信するセンサ部10と、センサ部10が取り付けられた支柱フレーム30と、支柱フレーム30に接続され、支柱フレーム30を回収容器Wが配置される配置面に対して自立可能に支持するベースフレーム21と、を有する。センサ部10は、ベースフレーム21が前記配置面上に設置された状態で、回収容器Wの上端よりも上に位置するように支柱フレーム30に取り付け可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物回収容器および当該廃棄物回収容器内の廃棄物の少なくとも一方に関する情報を取得して、前記情報を所定の送信先に送信するセンサ部と、
前記センサ部が取り付けられた支柱フレームと、
前記支柱フレームに接続され、前記支柱フレームを前記廃棄物回収容器が配置される配置面に対して自立可能に支持するベースフレームと、
を有し、
前記センサ部は、前記ベースフレームが前記配置面上に設置された状態で、前記廃棄物回収容器の上端よりも上に位置するように前記支柱フレームに取り付け可能に構成されている、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項2】
請求項1に記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
前記ベースフレームは、前記廃棄物回収容器の上下方向に見て、前記廃棄物回収容器を配置可能な領域の少なくとも2方向の境界を示す形状に構成されている、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項3】
請求項2に記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
車輪を有する前記廃棄物回収容器に対して、前記領域内に配置された前記車輪を有する廃棄物回収容器の車輪の位置を前記ベースフレームから所定の範囲内に保持するストッパを有する、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
前記支柱フレームの一部は、前記廃棄物回収容器の上下方向に見て、前記廃棄物回収容器が配置される領域と重複し、
前記センサ部は、前記支柱フレームの前記一部に取り付けられている、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
前記ベースフレームは、前記支柱フレームを接続する接続部を少なくとも一つ有し、
前記支柱フレームが前記接続部の少なくとも一つに着脱可能に接続されている、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
前記支柱フレームと前記ベースフレームとの接続位置から、前記センサ部までの直線距離を変更可能である、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の廃棄物回収容器用センサ支持具において、
前記支柱フレームの少なくとも一部は、柔軟性部材で構成されている、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載のセンサ支持具において、
前記センサ部が取得した前記情報を表示する表示部を有する、
廃棄物回収容器用センサ支持具。
【請求項9】
請求項1から請求項8に記載の廃棄物回収容器用センサ支持具を具備する廃棄物回収容器管理システムであって、
前記廃棄物回収容器用センサ支持具の前記センサ部が取得した情報を取得する管理装置と、
前記情報を作業者に報知する報知部と、を備え、
前記管理装置は、少なくとも一つの前記廃棄物回収容器用センサ支持具の前記センサ部が取得した情報を取得すると、前記情報に基づいて前記廃棄物回収容器の廃棄物の回収が必要かどうか判定し、前記報知部によって、前記情報と、前記情報を取得した前記廃棄物回収容器用センサ支持具の位置情報と、判定した前記廃棄物の回収に関する情報を前記作業者に報知する、廃棄物回収容器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物回収容器用センサ支持具および廃棄物回収容器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ箱内のゴミの収容量を検出するセンサが搭載されたゴミ箱が知られている。前記センサは、前記ゴミ箱の所定位置からゴミ箱内のゴミを検出可能な位置に設ける必要がある。このため、前記センサが搭載されたゴミ箱は、大きさ、形等を変更する場合、所望する大きさ、形等で前記センサが搭載されたゴミ箱を新たに取得しなければならない。そこで、特許文献1には、前記センサを任意のゴミ箱に取り付けることができる取付具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-199358
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミの収容量をできるだけ正確に検出するためには、前記センサは、検出対象のゴミ箱の上端よりも上であって、開口部の中央寄りに取り付けることが望ましい。このため、特許文献1の前記取付具は、ゴミ箱の蓋に着脱されるように構成されている。すなわち、前記取付具は、公園などの公共の場に配置される蓋のないゴミ箱に前記センサを取り付けることはできない。
【0005】
また、イベント会場等では、容量の大きい回収容器がゴミ箱として使用される。前記回収容器は、ゴミの回収回数を削減するため容量の大きい形状の容器によって構成されている。また、前記回収容器は、同時に多くの人が利用しやすいように、開口面積が大きい形状の容器によって構成されている。このような、容量が大きく、且つ開口面積が大きい回収容器において、蓋を設けることは、現実的ではない。したがって、特許文献1の前記取付具は、容量が大きく、且つ開口面積が大きい回収容器に対して、ゴミの収容量を適切に検出可能な位置に前記センサを取り付けることができない。
【0006】
また、特許文献1の前記取付具は、廃棄物回収の際、廃棄物が回収容器ごと回収される廃棄物回収形態において、回収前の前記回収容器から取り外して、別の回収容器の所定の位置に取り付ける必要がある。この際、前記取付具は、前記回収容器に繰り返し着脱することで、破損する可能性がある。また、回収容器内に装着された袋が廃棄物ごと回収されるような廃棄物回収形態において、前記回収容器から前記袋等を脱着する際に前記回収容器が転倒するなどして、前記取付具が外れたり破損したりする可能性がある。このように、前記取付具を回収容器の蓋に取り付ける構成では、前記回収容器の形状に制約が生じたり、廃棄物回収の度に所定の作業が生じたりする問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる廃棄物回収容器用センサ支持具およびそれを具備する廃棄物回収容器管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、第1の発明は、廃棄物回収容器および当該廃棄物回収容器内の廃棄物の少なくとも一方に関する情報を取得して、前記情報を所定の送信先に送信するセンサ部と、前記センサ部が取り付けられた支柱フレームと、前記支柱フレームに接続され、前記支柱フレームを前記廃棄物回収容器が配置される配置面に対して自立可能に支持するベースフレームとを有する廃棄物回収容器用センサ支持具である。前記廃棄物回収容器用センサ支持具において、前記センサ部は、前記ベースフレームが前記配置面上に設置された状態で、前記廃棄物回収容器の上端よりも上に位置するように前記支柱フレームに取り付け可能に構成されている。
【0009】
第2の発明において、前記ベースフレームは、前記廃棄物回収容器の上下方向に見て、前記廃棄物回収容器を配置可能な領域の少なくとも2方向の境界を示す形状に構成されている。
【0010】
第3の発明において、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、車輪を有する前記廃棄物回収容器に対して、前記領域内に配置された前記車輪を有する廃棄物回収容器の車輪の位置を前記ベースフレームから所定の範囲内に保持するストッパを有する。
【0011】
第4の発明において、前記支柱フレームの一部は、前記廃棄物回収容器の上下方向に見て、前記廃棄物回収容器が配置される領域と重複し、前記センサ部は、前記支柱フレームの前記一部に取り付けられている。
【0012】
第5の発明において、前記ベースフレームは、前記支柱フレームを接続する接続部を少なくとも一つ有し、前記支柱フレームが前記接続部の少なくとも一つに着脱可能に接続されている。
【0013】
第6の発明において、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記支柱フレームと前記ベースフレームとの接続位置から、前記センサ部までの直線距離を変更可能である。
【0014】
第7の発明において、前記支柱フレームの少なくとも一部は、柔軟性部材で構成されている。
【0015】
第8の発明において、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記センサ部が取得した前記情報を表示する表示部を有する。
【0016】
第9の発明は、第1の発明から第8の発明の廃棄物回収容器用センサ支持具を具備する廃棄物回収容器管理システムである。前記廃棄物回収容器管理システムは、前記廃棄物回収容器用センサ支持具の前記センサ部が取得した情報を取得する管理装置と、前記情報を作業者に報知する報知部と、を備える。前記管理装置は、少なくとも一つの前記廃棄物回収容器用センサ支持具の前記センサ部が取得した情報を取得すると、前記情報に基づいて前記廃棄物回収容器の廃棄物の回収が必要かどうか判定し、前記報知部によって、前記情報と、前記情報を取得した前記廃棄物回収容器用センサ支持具の位置情報と、判定した前記廃棄物の回収に関する情報を前記作業者に報知する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
第1の発明においては、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器から独立して前記廃棄物回収容器の近傍に設置される。また、前記センサ部は、前記廃棄物回収容器の形状に応じて前記廃棄物回収容器の上端よりも上の位置に設けられる。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの廃棄物回収容器および当該廃棄物回収容器内の廃棄物の少なくともいずれか一方に関する情報を取得することができる。また、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器から独立して前記センサ部を支持しているので、前記廃棄物回収容器自体を交換する場合でも前記センサ部の着脱や調整が不要である。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器に対する汎用性と、前記廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0019】
第2の発明においては、前記ベースフレームに対して前記廃棄物回収容器を沿わせて配置したり、前記廃棄物回収容器に対して前記ベースフレームを沿わせて設置したりすることができる。つまり、前記廃棄物回収容器とは独立して設置される前記廃棄物回収容器用センサ支持具のセンサ部を、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの前記廃棄物回収容器に対して適切な位置に位置付けることができる。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0020】
第3の発明においては、前記廃棄物回収容器が車輪を有する場合に、前記ストッパによって、前記廃棄物回収容器用センサ支持具に対する前記廃棄物回収容器の位置決めをすることができる。また、前記ストッパによって、前記廃棄物回収容器の移動を防止することができる。したがって、作業者は、前記廃棄物回収容器用センサ支持具に対する前記廃棄物回収容器を適切な位置に容易に位置付けることができる。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0021】
第4の発明においては、センサ部は、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの廃棄物回収容器に対して、上方から情報を取得することができる。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具のセンサ部は、前記廃棄物回収容器の形状および大きさに関わらず所望の位置の情報を取得することができる。これにより、廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0022】
第5の発明においては、廃棄物回収容器用センサ支持具は、分解および組立て可能である。よって、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器が配置される任意の場所に容易に設置することができる。また、前記廃棄物回収容器の形状および大きさに応じて、前記センサ部が設けられている支柱フレームの位置および数を変更することができる。これにより、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0023】
第6の発明においては、前記廃棄物回収容器に対する前記センサ部の位置を変更することができる。よって、前記センサ部を、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの廃棄物回収容器に対して、より適した位置に位置付けることができる。これにより、廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0024】
第7の発明においては、柔軟性部材で構成された前記支柱フレームの一部が、前記廃棄物回収容器用センサ支持具に付与された外力を吸収することができる。よって、前記廃棄物回収容器用センサ支持具は、前記廃棄物回収容器が前記支柱フレームや前記センサ部等に接触しても前記柔軟性部材が弾性変形するので前記センサ部の破損が抑制される。これにより、廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0025】
第8の発明においては、表示部に、前記廃棄物回収容器に関する情報である、例えば、前記破棄器物回収容器に廃棄されている廃棄物の量を表示することができる。これにより、前記廃棄物回収容器の利用者に、前記廃棄物回収容器に廃棄可能か否かを容易に知らせることができる。また、前記廃棄物回収容器を回収する作業者に対して、回収の対象となる廃棄物回収容器を容易に知らせることができる。これにより、廃棄物回収容器用センサ支持具は、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0026】
第9の発明においては、廃棄物回収容器管理システムは、複数の廃棄物回収容器用センサ支持具が取得した前記廃棄物回収容器に関する情報に基づいて前記作業者に廃棄物の回収が必要な前記廃棄物回収容器の廃棄物回収作業に関する情報を報知する。これにより、前記廃棄物回収容器管理システムは、廃棄物回収容器に対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、廃棄物回収容器管理システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施形態1に係る廃棄物回収容器用センサ支持具の概略構成を示す斜視図である。
図3図3は、廃棄物回収容器用センサ支持具の平面図である。
図4A図4Aは、センサケースに収容されたセンサ部の平面図である。
図4B図4Bは、図4AのIV-IV線断面図である。
図5図5は、支柱フレームの連結部分の断面図である。
図6図6は、廃棄物回収容器に対するセンサ部の位置を示す図である。
図7図7は、ストッパと廃棄物回収容器の位置関係を示す平面図である。
図8図8は、実施形態2に係る廃棄物回収容器用センサ支持具の平面図である。
図9図9は、廃棄物回収容器用センサ支持具の使用例を示す図である。
図10図10は、廃棄物回収容器および仕切り枠の斜視図である。
図11A図11Aは、その他の実施形態に係るベースフレームの形状を示す平面図である。
図11B図11Bは、その他の実施形態に係るベースフレームの形状を示す平面図である。
図12A図12Aは、その他の実施形態に係る支柱フレームの形状を示す側面図である。
図12B図12Bは、その他の実施形態に係る支柱フレームの形状を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0029】
なお、以下では、センサ支持具2を設置した状態で、センサ部10が位置する側をセンサ支持具2の「上」、ベースフレーム21が位置する側をセンサ支持具2の「下」、とそれぞれ称する。また、センサ支持具2が設置される設置面に対して垂直な方向を「上下方向」と呼ぶ。
【0030】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”および“取り付ける”等(以下、固定等)の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的および間接的な固定等の意味が含まれる。
【0031】
(実施形態1)
(廃棄物回収容器管理システム)
図1は、実施形態1に係る廃棄物回収容器管理システム1の概略構成を示す図である。廃棄物回収容器管理システム1は、ゴミ箱等の廃棄物回収容器を管理して、前記廃棄物回収容器に廃棄されたゴミ等の廃棄物を回収するためのシステムである。
【0032】
本実施形態では、廃棄物回収容器管理システム1を利用する利用者は、前記廃棄物回収容器を管理する管理者、前記廃棄物回収容器に廃棄物を廃棄する使用者および前記廃棄物回収容器内の廃棄物を回収する作業者を含む。以下の説明では、廃棄物回収容器管理システム1が管理の対象とする廃棄物回収容器を、回収容器Wと称す。本実施形態の回収容器Wは、蓋を備えない箱型の廃棄物回収容器である。回収容器Wは、ゴミを収容する収容部Waを有する。また、回収容器Wは、車輪Wbを備える。なお、廃棄物回収容器管理システム1は、車輪を備えない回収容器も対象とすることができる。
【0033】
廃棄物回収容器管理システム1は、少なくとも一つの廃棄物回収容器用センサ支持具であるセンサ支持具2と、通信回線6と、管理装置7と、報知部8と、利用者端末9とを有する。廃棄物回収容器管理システム1では、センサ支持具2、管理装置7、報知部8および利用者端末9との間で通信回線6を介して信号の送受信が可能である。通信回線6は、インターネット、LAN、Wi-Fiなどを含む。また、通信回線6は、有線または無線の通信を含む。
【0034】
センサ支持具2は、センサ部10と、センサ部10を廃棄物回収容器である回収容器Wから独立して自立可能に支持するフレーム部20と、表示部50とを有する。センサ支持具2は、回収容器Wの近傍に設置することができる。なお、設置されたセンサ支持具2の近傍に回収容器Wが配置されてもよい。例えば、センサ支持具2は、イベント会場などに臨時に設営されたゴミステーションに設置することができる。また、センサ支持具2は、公共の施設および公園等において、予め配置されたゴミ箱の近傍に設置することができる。すなわち、廃棄物回収容器管理システム1では、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの回収容器Wを管理および回収の対象とすることができる。
【0035】
センサ部10は、回収容器W、および、回収容器W内の廃棄物の少なくとも一方に関する情報を取得して、前記情報を所定の送信先である管理装置7に送信する。本実施形態では、センサ部10は、情報を取得する対象である回収容器Wの有無および回収容器W内の廃棄物の収容量を取得して、前記廃棄物の収容量、および、センサ部10の識別情報またはセンサ部10の位置情報を管理装置7に送信する。回収容器W内の廃棄物の種別、現在の収容量は、廃棄物回収容器内の廃棄物に関する情報の一例である。回収容器Wの有無、および、センサ部10の識別情報またはセンサ部10の位置情報は、廃棄物回収容器に関する情報の一例である。なお、廃棄物回収容器に関する情報には、廃棄物回収容器内の廃棄物に関する情報が含まれる。センサ支持具2の詳細な構成については、後述する。
【0036】
廃棄物回収容器管理システム1は、任意の数のセンサ支持具2を含むことができる。任意の数のセンサ支持具2は、異なる場所に配置される回収容器Wの近傍にそれぞれ設置されていてもよいし、同一の場所に配置される複数の回収容器Wの近傍にそれぞれ配置されてもよい。
【0037】
管理装置7は、回収容器Wを管理するサーバ装置である。管理装置7は、取得部71と、判定部72と、を有する。
【0038】
取得部71は、少なくとも一つのセンサ支持具2のセンサ部10が取得した情報を取得する。取得部71は、通信回線6を介してセンサ支持具2のセンサ部10と電気的に接続されている。すなわち、取得部71は、センサ部10の識別情報またはセンサ部10の位置情報と、回収容器W内の廃棄物の収容量を取得することができる。また、取得部71は、利用者端末9の位置情報を取得することができる。また、取得部71は、利用者端末9からの回収容器Wに関する情報の要求を取得することができる。
【0039】
判定部72は、取得部71が取得した回収容器W内の廃棄物の収容量に基づいて、回収容器W内の廃棄物の回収が必要かどうか判定する。判定部72には、回収容器W毎の収容閾値が設定されている。また、判定部72は、利用者端末9と回収容器Wとの対応情報、利用者端末9の選択条件等を有している。判定部72は、回収容器Wの廃棄物の収容量が予め設定した収容量閾値を超えていれば、廃棄物の回収が必要と判断する。更に、判定部72は、廃棄物の回収が必要と判断した回収容器Wに対応した利用者端末9を選択する。
【0040】
報知部8は、所定のタイミングで、回収容器Wおよび回収容器W内の廃棄物に関する情報を、後述する利用者端末9に報知する。報知部8は、判定部72によって少なくとも一つの回収容器W内の廃棄物の回収が必要と判断された場合、廃棄物の回収が必要な回収容器W内の廃棄物の収容量と、センサ部10の識別情報またはセンサ部10の位置情報と、判定部72による判定結果とを、通信回線6を介して選択した利用者端末9に報知する。これにより、利用者端末9を保持している作業者は、廃棄物を回収すべき回収容器Wの存在と、当該回収容器Wの位置を知ることができる。更に、前記作業者は、廃棄物を回収すべき回収容器Wの位置によって回収すべき廃棄物の種別を知ることができる。また、報知部8は、利用者端末9からの要望に応じて回収容器Wに関する情報を報知する。判定部72による前記判定結果は、廃棄物の回収に関する情報の一例である。
【0041】
利用者端末9は、廃棄物回収容器管理システム1の利用者が使用する情報端末である。利用者端末9は、例えば、回収容器W内の廃棄物を回収する作業者、回収容器Wの収容量を管理する管理者および回収容器Wにゴミを廃棄する回収容器Wの使用者等の、廃棄物回収容器管理システム1の利用者が使用する、タブレット、パソコン、スマートホン等である。
【0042】
利用者端末9には、前記利用者の要求に応じて、回収容器Wまたは回収容器W内の廃棄物に関する情報を表示させることができる。また、利用者端末9には、前記利用者の要求に応じて、廃棄物回収容器管理システム1が管理する少なくとも一つの回収容器W内の廃棄物の収容量が収容量閾値を超えたときに、当該回収容器W内の廃棄物の収容量と、当該回収容器Wの情報を取得したセンサ支持具2の位置情報と、判定部72による判定結果とを、報知部8によって報知させるようにすることができる。
【0043】
廃棄物回収容器管理システム1は、任意の数の利用者端末9を含むことができる。
【0044】
以上の構成を有する廃棄物回収容器管理システム1は、センサ支持具2を回収容器Wから独立して配置できるため、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの回収容器Wを管理対象とすることができる。また、廃棄物回収容器管理システム1は、センサ支持具2のうち少なくとも一つが取得した回収容器Wに関する情報に基づいて前記作業者に廃棄物の回収が必要な回収容器Wの位置情報を報知する。これにより、廃棄物回収容器管理システム1は、回収容器Wに対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0045】
更に、廃棄物回収容器管理システム1は、利用者端末9を使用している回収容器Wの利用者に回収容器Wの位置、回収する廃棄物の種別、廃棄物を廃棄可能な状態か否かを報知する。これにより、廃棄物回収容器管理システム1は、回収容器Wに対する利便性を向上させることができる。
【0046】
(センサ支持具)
次に、図2から図7を参照して、本実施形態に係るセンサ支持具2について詳細に説明する。図2は、センサ支持具2の概略構成を示す斜視図である。図3は、センサ支持具2の平面図である。図2および図3に示すように、センサ支持具2は、センサ部10と、フレーム部20と、ストッパ40と、表示部50とを有する。
【0047】
センサ部10は、回収容器Wに関する情報および回収容器W内の廃棄物に関する情報のうち少なくとも一方を取得する。また、センサ部10は、前記情報を管理装置7に送信する。センサ部10は、直方体状である。センサ部10は、回収容器Wの上端よりも上に位置するようにフレーム部20に取り付けられている。センサ部10は、センサ13と、位置情報設定部14と、送信部15とを有する。
【0048】
センサ13は、回収容器W内の廃棄物の収容量を検出する。センサ13は、例えば、超音波式の測距センサである。センサ13は、超音波の放射方向が回収容器Wの底面に対して略垂直になるように配置されている。センサ13は、自己の位置から回収容器W内の底面位置までの距離と、自己の位置から回収容器W内の廃棄物の複数の上端位置までの距離との差分に基づいて回収容器Wの有無、前記収容量の平均値等を検出する。なお、回収容器Wの有無、前記収容量等は、本実施形態の検出方法に限定するものではなく、既知の手段、方法で検出できればよい。
【0049】
位置情報設定部14は、センサ支持具2が設置される場所に関する情報である位置情報が設定されている。前記位置情報とは、例えば、「〇〇公園東ゲート売店前」のような場所を示す情報、「経度〇〇度、緯度〇〇度」といった地理的情報である。なお、位置情報設定部14は、自己の位置を取得可能なGNSS受信機などで構成されていてもよい。
【0050】
送信部15は、センサ13によって検出された回収容器W内の廃棄物の収容量と位置情報設定部14に設定された前記位置情報を、所定の時間毎に、管理装置7に送信する。なお、送信部15は、前記収容量が所定の収容量閾値を超えた場合に、前記収容量を管理装置7に送信するように構成されていてもよい。また、送信部15は、管理装置7の要求に応じて、前記収容量を管理装置7に送信する。
【0051】
センサ部10は、管理対象の回収容器Wの容積と、測定した距離とに基づいて、回収容器W内の廃棄物の収容率を演算する演算部を備えていてもよい。この場合、送信部15は、センサ13が取得した前記収容量に変えて、前記収容率を送信する構成であってもよい。
【0052】
また、センサ部10は、管理対象の回収容器W内に廃棄される廃棄物に関する情報が設定される対象廃棄物設定部を備えていてもよい。前記廃棄物に関する情報とは、例えば、「缶」、「ビン」、「プラスチック」等の廃棄物を構成している主な原材料の種類、「不燃物」、「可燃物」、「産業廃棄物」、「医療廃棄物」等の廃棄物の種別等を含む情報である。前記対象廃棄物設定部は、廃棄される廃棄物に関する情報が設定されていてもよいし、前記廃棄物の原材料の種類、廃棄物の種別を判別可能に構成されたセンサによって検出する構成でもよい。
【0053】
センサ部10はセンサケース16に収容された状態で、センサケース16を介してフレーム部20に取り付けられていてもよい。図4Aは、センサケース16の平面図である。図4Bは、図4AのIV-IV線断面図である。
【0054】
図4Aおよび図4Bに示すように、センサケース16は、開口を有する箱状のケース本体部161と、前記開口に設けられた蓋162とを有する。センサ部10は、ケース本体部161と蓋162によって囲まれた空間内に収容可能である。図4Bにおいて破線で示すように、蓋162は開閉可能である。蓋162を開けることで、センサケース16内にセンサ部10を挿入したり、センサケース16からセンサ部10を取り出したりすることができる。ケース本体部161の底面には、センサ13が超音波を送受信するための送受信孔16aが設けられている。センサケース16は、金属などの剛性の高い材料で構成されている。
【0055】
このように、センサ部10をセンサケース16内に収容することで、センサ支持具2は、センサケース16をフレーム部20から取り外すことなく、センサ部10だけを容易に交換することができる。また、センサ支持具2は、センサケース16によって、センサ部10に直接外力が付与されることが防止されるので、外力の付与によるセンサ部10の破損を抑制することができる。また、センサ支持具2は、センサケース16によってセンサ部10の位置が定められているので、センサ部10を交換する際、回収容器Wに対するセンサ部10の位置を調整する必要がない。
【0056】
図2に示すように、フレーム部20は、ベースフレーム21と、センサ部10が取り付けられた支柱フレーム30とを有する。
【0057】
ベースフレーム21は、例えば、金属製の角柱で構成されている。図3に示すように、本実施形態では、ベースフレーム21は、第1ベースフレーム22と、第1ベースフレーム22の両端から第1ベースフレーム22に対して垂直方向であって同一の方向に延びる一対の第2ベースフレーム23とを有する。
【0058】
第1ベースフレーム22と一対の第2ベースフレーム23は、上下方向に見て、回収容器Wを配置可能な領域Rの3方向の境界を示している。これにより、作業者は、ベースフレーム21によって3つの方向が定められた領域R内に、回収容器Wを配置することができる。すなわち、作業者は、ベースフレーム21の形状を基準として回収容器Wを配置したり、配置された回収容器Wに対してベースフレーム21を設置したりすることができる。
【0059】
図2および図3に示すように、第1ベースフレーム22は、上下方向に見て、略中央に支柱フレーム30を着脱可能に接続する接続部24を有する。接続部24に、支柱フレーム30が接続されることで、ベースフレーム21は、支柱フレーム30を自立可能に支持する。接続部24は、第1ベースフレーム22の上面に溶接等により固定され、第1ベースフレーム22から上に向かって延びる4つのボルトで構成されている。接続部24と支柱フレーム30との接続部分の詳細については、後述する。
【0060】
図2に示すように、支柱フレーム30は、ベースフレーム21が設置される設置面に対して鉛直方向に延びる第1垂直フレーム31および第2垂直フレーム32と、水平に延びる水平フレーム33とを有する。第1垂直フレーム31、第2垂直フレーム32および水平フレーム33は、例えば金属製の角パイプで構成されている。
【0061】
第1垂直フレーム31は、延伸方向の一方の端部に第1ベースフレーム22に沿って延びるブラケット31aを有する。ブラケット31aは、第1ベースフレーム22の接続部24を挿入可能な貫通孔を有する。ブラケット31aの前記貫通孔に第1ベースフレーム22の接続部24を挿入した状態で、ブラケット31aが第1ベースフレーム22に対してナット等で固定されている。なお、第1ベースフレーム22と第1垂直フレーム31とは、これ以外の方法で接続されてもよい。
【0062】
第2垂直フレーム32は、延伸方向の一方の端部が第1垂直フレーム31の延伸方向の他方の端部の内側に収容されている。第1垂直フレーム31と第2垂直フレーム32とは、連結具34を介して連結可能に構成されている。つまり、第2垂直フレーム32は、第1垂直フレーム31に対して連結具34によって固定されている。
【0063】
図5は、第1垂直フレーム31と第2垂直フレーム32との連結部分の延伸方向に沿った断面図である。第1垂直フレーム31における第2垂直フレーム32と連結される端部には、向かい合う側面の一方から他方に貫通するように複数の連結孔31bが形成されている。各側面の複数の連結孔31bは、第1垂直フレーム31の延伸方向に等間隔で形成されている。また、第2垂直フレーム32は、第1垂直フレーム31に収容される端部に、向かい合う側面の一方から他方に貫通するように連結孔32aが形成されている。第1垂直フレーム31と第2垂直フレーム32とは、第1垂直フレーム31における任意の位置の連結孔31bと、第2垂直フレーム32の連結孔32aに連結具34を挿入することで、連結されている。第2垂直フレーム32は、連結具34を挿入する第1垂直フレーム31の連結孔31bを変更することで、第1垂直フレーム31に対する第2垂直フレーム32の高さ方向の位置を調整することができる。なお、第1垂直フレーム31と第2垂直フレーム32とは、これ以外の方法で連結されてもよい。
【0064】
図2および図3に示すように、水平フレーム33は、第2垂直フレーム32の他方の端部に固定されている。すなわち、水平フレーム33は、第2垂直フレーム32とともに高さ方向の位置を調整することができる。また、水平フレーム33の少なくとも一部は、上下方向に見て、領域Rと重複するように延びている。このように構成することで、水平フレーム33の少なくとも一部は、領域Rに配置される回収容器Wの上端よりも上で、回収容器Wの略中央に配置することができる。
【0065】
図3に示すように、水平フレーム33の領域Rと重複する前記一部には、センサ部10を取り付ける複数の取付部35が水平フレーム33の延伸方向に並んで設けられている。水平フレーム33は、複数の取付部35のうちの任意の一つにセンサ部10を取り付けることで、回収容器Wに対するセンサ部10の水平方向の位置を調整することができる。すなわち、水平フレーム33は、回収容器Wに関する情報を回収容器Wの鉛直上方から取得可能な位置にセンサ部10を配置することができる。これにより、センサ部10は、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの回収容器Wに対して上方から回収容器Wに関する情報を取得することができる。
【0066】
以上の構成を有するフレーム部20は、第1垂直フレーム31に対する第2垂直フレーム32の連結位置を変更することで、センサ部10の高さ方向の位置を調整することができる。また、フレーム部20は、水平フレーム33に対するセンサ部10の取付位置を変更することで、センサ部10の水平方向の位置を調整することができる。すなわち、センサ支持具2は、支柱フレーム30とベースフレーム21との接続位置からセンサ部10までの直線距離を変更可能である。よって、センサ部10を、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの回収容器Wに対して、適した位置に位置付けることができる。
【0067】
一例として、図6に、連結具34が一番下の連結孔31bに挿入されているときの支柱フレーム30の位置を実線で示し、一番上の連結孔31bに挿入されているときの支柱フレーム30の位置を破線で示す。図6に示すように、実線の位置では、支柱フレーム30の前記長さはL1であり、破線の位置では、支柱フレーム30の前記長さはL2である。このように、フレーム部20では、支柱フレーム30の上下方向の寸法を調整することができる。これにより、領域Rに配置される任意の高さ寸法の回収容器Wの上端からセンサ部10までの上下方向の距離を一定にすることができる。よって、センサ支持具2のセンサ部10は、回収容器Wの形状および大きさに応じた位置から回収容器Wに関する情報を取得することができる。
【0068】
また、上述したように、支柱フレーム30は、ベースフレーム21に着脱可能に接続されている。よって、フレーム部20は、分解および組立て可能である。これにより、センサ支持具2は、回収容器Wが配置される任意の場所に容易に設置することができる。
【0069】
図2および図3に示すように、ストッパ40は、回収容器Wの位置を決定および保持する。ストッパ40は、平板状の金属材料で構成されている。ストッパ40は、回収容器Wが配置される領域R内に延びるように、一対の第2ベースフレーム23に取り付けられている。ストッパ40は、一対の第2ベースフレーム23における、第1ベースフレーム22から所定の距離、離れた位置に取り付けられている。ストッパ40の高さ寸法は、ベースフレーム21の高さ寸法よりも小さい。
【0070】
図7は、領域Rに車輪Wbを有する回収容器Wを配置したときの、ベースフレーム21およびストッパ40と、回収容器Wの位置関係を示す図である。図7に示すように、ストッパ40は、車輪Wbを有する回収容器Wに対して、領域Rに配置された回収容器Wの車輪Wbの位置をベースフレーム21から所定の範囲内に保持することができる。すなわち、ストッパ40は、回収容器Wが車輪Wbを有する場合に、センサ支持具2に対する回収容器Wの位置決めをすることができる。また、ストッパ40は、センサ支持具2に対して回収容器Wが移動することを防止することができる。
【0071】
回収容器Wとともに廃棄物を回収する作業者は、ストッパ40によって、回収容器Wをセンサ支持具2に対して適切な位置に容易に位置付けることができる。これにより、センサ支持具2は、回収容器Wに対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0072】
表示部50は、センサ部10が取得した回収容器W内の廃棄物の収容量を示す。図2に示すように、本実施形態では、表示部50は、センサ部10の上方に取り付けられたランプである。表示部50は、例えば、前記収容量が所定の収容量閾値を超えたときに、赤色で点灯する。これにより、表示部50は、回収容器Wの利用者に前記ランプに対応する回収容器Wに廃棄物の廃棄が可能か否かを容易に知らせることができる。また、表示部50は、回収容器Wを回収する作業者に対して、廃棄物の回収の対象となる回収容器Wの位置を容易に知らせることができる。
【0073】
なお、表示部50は、前記収容量が所定の収容量閾値を超えたときに、「廃棄できません」のような文字が表示される電光表示板であってもよい。また、表示部50には、前記収容量以外の情報である、例えば、回収容器Wに廃棄可能な廃棄物の種類である「缶」「ビン」のような文字が表示されてもよい。
【0074】
以上説明したように、センサ支持具2は、回収容器Wに関する情報と回収容器W内の廃棄物に関する情報との少なくとも一方を取得する。センサ支持具2は、前記情報を管理装置7に送信するセンサ部10と、センサ部10が取り付けられた支柱フレーム30と、支柱フレーム30に接続され、支柱フレーム30を回収容器Wが配置される配置面に対して自立可能に支持するベースフレーム21とを有する。センサ支持具2において、センサ部10は、ベースフレーム21が前記配置面上に設置された状態で、回収容器Wの上端よりも上に位置するように支柱フレーム30に取り付け可能に構成されている。
【0075】
上述の構成を有するセンサ支持具2は、回収容器Wから独立して回収容器Wの近傍に設置することができる。また、センサ部10は、回収容器Wの形状に応じて回収容器Wの上端よりも上の位置、且つ上下方向に見て回収容器Wの略中央に設けられている。これにより、センサ支持具2は、任意の場所に配置された任意の形状および大きさの回収容器Wおよび回収容器W内の廃棄物の少なくとも一方に関する情報を取得することができる。また、支柱フレーム30およびベースフレーム21は、回収容器Wから独立してセンサ部10を支持しているので、回収容器W自体を交換する場合でもセンサ部10の着脱や調整が不要である。これにより、センサ支持具2は、回収容器Wに対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0076】
また、上述の構成を有するセンサ支持具2を具備する廃棄物回収容器管理システム1は、センサ支持具2のセンサ部10が取得した情報を取得する管理装置7と、前記情報を作業者に報知する報知部8と、を備える。管理装置7は、少なくとも一つのセンサ支持具2のセンサ部10から回収容器Wに関する情報と回収容器W内の廃棄物に関する情報との少なくとも一方を取得すると、前記情報に基づいて回収容器Wの廃棄物の回収が必要かどうか判定する。更に、管理装置7は、判定結果に基づいて報知する対象となる利用者端末9を選択し、報知部8によって、選択した利用者端末9に前記情報と、判定部72による判定結果を報知する。
【0077】
このように、廃棄物回収容器管理システム1は、センサ支持具2が取得した回収容器Wに関する情報と回収容器W内の廃棄物に関する情報との少なくとも一方に基づいて前記作業者に利用者端末9を介して廃棄物の回収が必要な回収容器Wの廃棄物回収作業に関する情報を報知する。これにより、廃棄物回収容器管理システム1は、回収容器Wに対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0078】
(実施形態2)
次に、図8および図9を参照して、廃棄物回収容器管理システム1が具備する、センサ支持具102について説明する。本実施形態に係るセンサ支持具102は、フレーム部120の構成が、実施形態1に係るセンサ支持具2のフレーム部20の構成とは異なる。それ以外の構成は、実施形態1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。なお、廃棄物回収容器管理システム1は、センサ支持具2とセンサ支持具102の両方を具備してもよい。
【0079】
図8は、センサ支持具102の平面図である。センサ支持具102は、センサ部10と、フレーム部120と、ストッパ40と、表示部50とを有する。フレーム部120は、複数のセンサ部10を取り付け可能に構成されている。詳細には、フレーム部120は、ベースフレーム121と、それぞれセンサ部10が取り付けられた少なくとも1つの支柱フレーム30とを有する。
【0080】
図8に示すように、本実施形態に係るベースフレーム121は、第1ベースフレーム122と、第1ベースフレーム122の両端から第1ベースフレーム122に対して垂直方向であって同一の方向に延びる一対の第2ベースフレーム123とを有する。
【0081】
第1ベースフレーム122は、延伸方向に沿って所定の間隔をあけて設けられた複数の接続部124を有する。複数の接続部124のそれぞれには、支柱フレーム30が着脱可能に接続される。これにより、1つのセンサ支持具102に、複数のセンサ部10を取り付けることができる。すなわち、1つのセンサ支持具102で、領域Rに配置された回収容器Wに関する複数の情報を取得することができる。
【0082】
これにより、例えば、センサ支持具102は、領域R内に配置された1つの回収容器Wに関する複数個所の情報を取得可能に構成することができる。また、センサ支持具102は、領域R内に配置された複数の回収容器Wに関するそれぞれの情報を取得可能に構成することができる。
【0083】
なお、複数の接続部124の一部に支柱フレーム30が接続されてもよい。例えば、ベースフレーム121に4つの接続部124が設けられている場合、4つの接続部124のうち2つに支柱フレーム30が接続されてもよい。これにより、例えば、領域Rの一部に回収容器Wが配置される場合に、回収容器Wの近傍の接続部124に支柱フレーム30を取り付けることで、センサ部10を回収容器Wに対して適した位置に位置付けることができる。
【0084】
このように、センサ支持具102は、回収容器Wの形状および大きさ、回収容器Wの数、または、回収容器Wの領域R内での位置に応じて、センサ部10の位置および数を変更することができる。
【0085】
センサ支持具102を具備する廃棄物回収容器管理システム1は、例えば、イベント会場に臨時に設営されたゴミステーションを管理することができる。通常、イベント会場には、蓋のない開口面積が大きい回収容器Wが配置される。該回収容器Wは、収容部Waが廃棄される廃棄物の種類等に応じて複数のエリアに区切って使用される。センサ支持具102は、このような収容部Waが複数のエリアに区切られた回収容器Wの近傍に配置される。センサ支持具102では、各エリアにつき一つの支柱フレーム30をベースフレーム121に接続することができる。これにより、各エリアにつき一つのセンサ部10で回収容器Wに関する情報を取得することができる。
【0086】
図9に示すように、センサ支持具102では、回収容器W内の廃棄物の上端が高くなったエリアの上方の表示部50だけを点灯させることができる。利用者は、当該表示部50の下方のエリアでは、回収容器W内の収容量が所定の収容量閾値を超えていることを知ることができる。よって、利用者は、回収容器Wにおいて、点灯していない表示部50の下方に廃棄物を廃棄する。したがって、複数のエリアに区切られた回収容器Wにおいて、廃棄物の収容量を均等化することができる。また、作業者は、回収容器W内の全てのエリアにおける廃棄物の収容量が所定の収容量閾値を超えてから、回収容器Wの廃棄物回収作業をすることができる。また、センサ支持具102では、廃棄される廃棄物の種類等を表示部50によって表示することができる。利用者は、廃棄物の種類に適したエリアに廃棄物を廃棄することができる。作業者は、廃棄物を分別して回収することができる。これにより、廃棄物回収容器管理システム1は、回収容器Wに対する汎用性と、廃棄物回収作業の利便性とを向上させることができる。
【0087】
回収容器Wは、収容部Waを複数のエリアに区切るために、例えば、図10に示すような仕切り枠137が上部に設置されてもよい。回収容器Wは、仕切り枠137によって、回収容器W内のエリアの区切り位置を把握することができる。これにより、センサ支持具102は、センサ部10を回収容器Wに対して適した位置に容易に位置付けることができる。
【0088】
図10に示す仕切り枠137は、複数のパイプ部材137aと、複数のジョイント137bと、伸縮紐137cとを有する。複数のパイプ部材137aは、それぞれ、丸パイプで構成されている。複数のジョイント137bは、2つの筒部を有する2方向ジョイントと、3つの筒部を有する3方向ジョイントとを含む。各ジョイント137bの前記筒部には、それぞれ、パイプ部材137aの先端部が挿入されている。このように、仕切り枠137は、複数のジョイント137bを介して、複数のパイプ部材137aを2方向または3方向に接続することで、全体として、回収容器Wの収容部Waを複数のエリアに区切る。伸縮紐137cは、弾性変形するゴム紐状の部材である。伸縮紐137cは、互いに接続された複数のパイプ部材137aおよび複数のジョイント137bの内部に挿入されて、複数のパイプ部材137aおよび複数のジョイント137bを連結している。
【0089】
仕切り枠137は、パイプ部材137aとジョイント137bとを分離することで折り畳むことができる。パイプ部材137aとジョイント137bとは、互いに分離された状態でも、それらの内部に挿入された伸縮紐137cによって、組み立て時の位置関係を維持した状態で連結されている。これにより、仕切り枠137は、パイプ部材137aとジョイント137bとを分離したときに、仕切り枠137を構成する一部の部材の紛失を防止することができる。この際、折り畳んだ状態の仕切り枠137において、伸縮紐137cは、パイプ部材137aとジョイント137bとの分離によって引き伸ばされ、弾性変形した状態である。したがって、仕切り枠137は、パイプ部材137aをジョイント137bの前記筒部に挿入可能な位置に配置するだけで、伸縮紐137cの弾性復元力によって、パイプ部材137aの先端部をジョイント137bの前記筒部に挿入させることができる。これにより、仕切り枠137は、伸縮紐137cの弾性変形を利用して容易に組み立てることができる。
【0090】
(その他の実施形態)
前記実施形態1,2では、フレーム部20,120は、ストッパ40を有する。しかしながら、フレーム部はストッパを有さなくてもよい。
【0091】
前記実施形態1,2では、ベースフレーム21,121は、領域Rの3方向の領域の境界を示す形状である。しかしながら、ベースフレームは、領域Rの少なくとも2方向の領域の境界を示す形状であればよい。例えば、図11Aに示すように、ベースフレーム221は、上下方向に見て、直交する2つのフレームで構成されていてもよい。また、図11Bに示すように、ベースフレーム321は、上下方向に見て、円弧状でもよい。この場合でも、ベースフレーム221およびベースフレーム321に対して回収容器Wを沿わせて配置したり、回収容器Wに対してベースフレーム221およびベースフレーム321を沿わせて設置したりすることができる。
【0092】
前記実施形態1,2では、支柱フレーム30は、垂直方向に延びる第1垂直フレーム31および第2垂直フレーム32と、水平方向に延びる水平フレーム33とで構成されている。しかしながら、支柱フレームは、ベースフレームによって自立可能に支持され、センサ部を回収容器Wの上端よりも上に取り付けることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、図12Aに示すように、支柱フレーム230は、垂直方向に延びるフレームのみで構成されていてもよい。また、図12Bに示すように、支柱フレーム330は、側面視で、円弧状に湾曲して構成されていてもよい。
【0093】
前記実施形態1,2では、支柱フレーム30は、垂直方向に伸縮する伸縮構造を有し、第1垂直フレーム31に収容される第2垂直フレーム32の範囲を変更することで、水平フレーム33の高さ位置を変更する。しかしながら、支柱フレームは、垂直方向に伸縮する伸縮構造を有さなくてもよい。また、支柱フレームは、第2垂直フレームに対する水平フレームの接続位置を変更可能な構成であってもよい。
【0094】
前記実施形態1,2では、第1垂直フレーム31と、第2垂直フレーム32と、水平フレーム33とは、別体である。しかしながら、第2垂直フレームと水平フレームとは、一体で構成されていてもよい。第1垂直フレームと第2垂直フレームとは、一体で構成されていてもよい。第1垂直フレームと、第2垂直フレームと、水平フレームとは、一体で構成されていてもよい。
【0095】
前記実施形態1,2では、第1垂直フレーム31、第2垂直フレーム32および水平フレーム33は、金属製である。しかしながら、前記支柱フレームの一部または全部が、柔軟性部材で構成されていてもよい。例えば、第2垂直フレームが柔軟性部材で構成されていてもよい。この場合、前記柔軟性部材が、センサ支持具に付与された外力を吸収することができる。よって、回収容器Wが、前記支柱フレームや、前記センサ支持具のセンサ部等に接触しても前記第2垂直フレームが弾性変形するので前記センサ部の破損が抑制される。
【0096】
前記実施形態1,2では、センサ支持具2,102は、表示部50を有する。しかしながら、センサ支持具は、表示部を有さなくてもよい。
【0097】
前記実施形態1,2では、表示部50は、センサ部10の上に取り付けられている。しかしながら、表示部は、センサ支持具のどこに取り付けられてもよい。
【0098】
前記実施形態1では、ベースフレーム21は、上下方向に見て、略中央に支柱フレーム30が接続される接続部24を有する。しかしながら、ベースフレームは、中央以外の位置に接続部を有してもよい。
【0099】
上述の各実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0100】
1 廃棄物回収容器管理システム
2、102 センサ支持具(廃棄物回収容器用センサ支持具)
6 通信回線
7 管理装置
8 報知部
9 利用者端末
10 センサ部
13 センサ
14 位置情報設定部
15 送信部
16 センサケース
20、120 フレーム部
21、121、221、321 ベースフレーム
22、122 第1ベースフレーム
23、123 第2ベースフレーム
24、124 接続部
30、230、330 支柱フレーム
31 第1垂直フレーム
31a ブラケット
31b 連結孔
32 第2垂直フレーム
32a 連結孔
33 水平フレーム
34 連結具
35 取付孔
40 ストッパ
50 表示部
71 取得部
72 判定部
137 仕切り枠
R 領域
W 回収容器(廃棄物回収容器)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B