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特開2022-34880車両用重量推定装置、重量推定方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034880
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】車両用重量推定装置、重量推定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/08 20060101AFI20220225BHJP
【FI】
G01G19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138798
(22)【出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木津 志基
(72)【発明者】
【氏名】小久江 健
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 資史
(72)【発明者】
【氏名】羽廣 寿久
(57)【要約】
【課題】被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい車両用重量推定装置、重量推定方法、およびプログラムを得る。
【解決手段】車両用重量推定装置は、記憶部と、実測値取得部と、内圧値算出部と、重量算出部と、を備える。記憶部は、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶している。実測値取得部は、実測内圧値および実測車体高さを取得する。内圧値算出部は、実測内圧値が実測車体高さに対応する重量算出用情報の内圧値よりも大きい場合には、実測内圧値から補正値を減算し、実測内圧値が実測車体高さに対応する重量算出用情報の内圧値よりも小さい場合には、実測内圧値に補正値を加算することにより、空気ばねの補正内圧値を算出する。重量算出部は、補正内圧値に基づいて、空気ばねが支持する被支持体の重量を算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部と、
前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得する実測値取得部と、
前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出する内圧値算出部と、
前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出する重量算出部と、
を備えた、車両用重量推定装置。
【請求項2】
前記重量算出部は、前記実測内圧値が前記実測車体高さと前記重量算出用情報で対応付けられた前記内圧値と異なる場合は、前記補正内圧値に基づいて前記被支持体の重量を算出し、前記実測内圧値が前記実測車体高さと前記重量算出用情報で対応付けられた前記内圧値と同じ場合は、前記実測内圧値に基づいて前記被支持体の重量を算出する、請求項1に記載の車両用重量推定装置。
【請求項3】
前記重量算出用情報は、前記車体を備えた車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記被支持体の重量が変化しない状態での前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す、請求項1または2に記載の車両用重量推定装置。
【請求項4】
前記重量算出用情報は、前記車体を備えた車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記空気ばねに空気を供給して前記車体高さを高くしてから前記被支持体の重量を変化させた場合の前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す上昇対応関係情報と、前記車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記空気ばねから空気を排出して前記車体高さを低くしてから前記被支持体の重量を変化させた場合の前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す下降対応関係情報と、に基づいて作成された、請求項1ないし3のうちいずれか一つに記載の車両用重量推定装置。
【請求項5】
車両用重量推定装置で実行される重量推定方法であって、
前記車両用重量推定装置は、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部を備え、
前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得するステップと、
前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出するステップと、
前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出するステップと、
を含む、重量推定方法。
【請求項6】
車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部を備えた車両用重量推定装置のコンピュータを、
前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得する実測値取得部と、
前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出する内圧値算出部と、
前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出する重量算出部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用重量推定装置、重量推定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サスペンションを構成する空気ばねによって車体を支持する車両に設けられ、測定された空気ばねの内圧に基づいて、空気ばねが支持する被支持体の重量を算出する車両用重量推定装置が知られている。被支持体は、車体と車体に搭載された荷物等を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-205523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気ばねの内圧と、空気ばねが支持する被支持体の重量との関係は、サスペンションの伸縮のヒステリシスが存在すると、ヒステリシスに応じて変化する。すなわち、空気ばねが支持する被支持体の重量との関係は、サスペンションが伸長した場合とサスペンションが短縮した場合とで相違する。このようなヒステリシスに応じて被支持体の重量を算出するために、従来技術では、測定した空気ばねを補正するための内圧にサスペンションが伸長した場合およびサスペンションが短縮した場合に応じた空気ばねの内圧補正用の二つのマップを用いていた。このような従来技術では、空気ばねが支持する被支持体の重量の算出において二つのマップを使い分ける必要があるので、被支持体の重量の算出処理が煩雑になりやすかった。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい車両用重量推定装置、重量推定方法、およびプログラムを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の車両用重量推定装置は、例えば、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部と、前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得する実測値取得部と、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出する内圧値算出部と、前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出する重量算出部と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、被支持体の重量の算出に、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を用いるので、被支持体の重量の算出に、サスペンションの伸縮のヒステリシスに応じた情報を使い分ける必要がない。よって、被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【0008】
また、前記車両用重量推定装置では、例えば、前記重量算出部は、前記実測内圧値が前記実測車体高さと前記重量算出用情報で対応付けられた前記内圧値と異なる場合は、前記補正内圧値に基づいて前記被支持体の重量を算出し、前記実測内圧値が前記実測車体高さと前記重量算出用情報で対応付けられた前記内圧値と同じ場合は、前記実測内圧値に基づいて前記被支持体の重量を算出する。
【0009】
このような構成によれば、重量算出部は、実測内圧値が実測車体高さと重量算出用情報で対応付けられた内圧値と同じ場合は、実測内圧値に基づいて被支持体の重量を算出するので、被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【0010】
また、前記車両用重量推定装置では、例えば、前記重量算出用情報は、前記車体を備えた車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記被支持体の重量が変化しない状態での前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す。
【0011】
このような構成によれば、例えば、被支持体の重量の算出の精度が向上する。
【0012】
また、前記車両用重量推定装置では、例えば、前記重量算出用情報は、前記車体を備えた車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記空気ばねに空気を供給して前記車体高さを高くしてから前記被支持体の重量を変化させた場合の前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す上昇対応関係情報と、前記車両が停車した時点または前記車両が走行を開始した時点から前記空気ばねから空気を排出して前記車体高さを低くしてから前記被支持体の重量を変化させた場合の前記内圧値と前記車体高さとの対応関係を示す下降対応関係情報と、に基づいて作成される。
【0013】
このような構成によれば、例えば、被支持体の重量の算出の精度が向上する。
【0014】
本発明の実施形態の重量推定方法は、車両用重量推定装置で実行される重量推定方法であって、前記車両用重量推定装置は、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部を備え、前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得するステップと、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出するステップと、前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出するステップと、を含む。
【0015】
このような構成によれば、被支持体の重量の算出に、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を用いるので、被支持体の重量の算出に、サスペンションの伸縮のヒステリシスに応じた情報を使い分ける必要がない。よって、被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【0016】
本発明の実施形態のプログラムは、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を記憶した記憶部を備えた車両用重量推定装置のコンピュータを、前記空気ばねの内圧値の実測値である実測内圧値および前記車体高さの実測値である実測車体高さを取得する実測値取得部と、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも大きい場合には、前記実測内圧値から補正値を減算し、前記実測内圧値が前記実測車体高さに対応する前記重量算出用情報の前記内圧値よりも小さい場合には、前記実測内圧値に補正値を加算することにより、前記空気ばねの補正内圧値を算出する内圧値算出部と、前記補正内圧値に基づいて、前記空気ばねが支持する、前記車体を含む被支持体、の重量を算出する重量算出部と、として機能させる。
【0017】
このような構成によれば、被支持体の重量の算出に、車体を支持する空気ばねの内圧値と、基準からの前記車体の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報を用いるので、被支持体の重量の算出に、サスペンションの伸縮のヒステリシスに応じた情報を使い分ける必要がない。よって、被支持体の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態の車両の一例が示されたブロック図である。
図2図2は、実施形態の車高調整ECUのCPUで実現されるモジュールの一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態の重量算出用情報の作成方法を説明するための説明図である。
図4図4は、実施形態の重量算出用情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態の被支持体の重量算出処理を説明するための説明図である。
図6図6は、実施形態の被支持体の重量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。
【0020】
図1は、実施形態の車両1の一例が示されたブロック図である。図1に示すように、車両1は、それぞれ車高調整部として機能する空気ばね12FR,12FL,12RR,12RL(以下、各空気ばねを区別しない場合は単に「空気ばね12」と示す場合もある)を備える。空気ばね12は、車両1の車体3と、車輪(不図示)との間に介在している。空気ばね12は、車体3と車輪とを接続するサスペンションを構成する。なお、図1では、車体3が空気ばね12FR,12FL,12RR,12RLのうち空気ばね12RRだけに接続されているが、実際には車体3は各空気ばね12FR,12FL,12RR,12RLに接続されている。
【0021】
各空気ばね12は、作動流体(例えば、空気)の給排にしたがって車体3に対して車輪の懸架状態を変化させる。また、空気ばね12内に圧縮状態で封入された空気による弾性により車両1の振動を吸収する機能を有する。なお、空気ばね12FR,12FLは、前輪車高調整部という場合もある。また、空気ばね12RR,12RLは、後輪車高調整部という場合もある。空気ばね12は、公知の構造が利用可能である。空気ばね12は、空気の弾性を利用するため金属ばねに比べて細かい振動を吸収しやすい。また、空気圧を制御することにより車高を一定に保つ、または所望の車高に調整したり、ばね定数を所望の値に変更したりすることができる。
【0022】
前輪車高調整部である空気ばね12FR,12FLは、車高調整バルブ14FR,14FLを介して空気が流れる主流路16に接続されている。同様に、後輪車高調整部である空気ばね12RR,12RLは、車高調整バルブ14RR,14RLを介して空気が流れる主流路16に接続されている。車高調整バルブ14FR,14FL,14RR,14RLを区別しない場合は単に「車高調整バルブ14」と示す場合もある。また、本実施形態において、空気ばね12と車高調整バルブ14とを併せて車高調整部という場合もある。
【0023】
本実施形態においては、車高調整バルブ14FR,14FLは、例えば金属や樹脂で形成される流路ブロック内に埋め込み配置されて、前輪バルブユニット18aを構成している。同様に、車高調整バルブ14RR,14RLは、流路ブロック内に埋め込み配置されて後輪バルブユニット18bを構成している。なお、別の実施形態では、各車高調整バルブ14を個別に配置してもよい。この場合、各車高調整バルブ14のレイアウトの自由度が向上する。また、4個の車高調整バルブ14を纏めてユニット化してもよい。この場合、ユニット化による部品点数の削減に寄与できる。
【0024】
図1に示すように、前輪バルブユニット18aと後輪バルブユニット18bを別々のユニットで構成することで、前輪バルブユニット18aを前輪側に配置可能になる。その結果、前輪バルブユニット18aから前輪側の各空気ばね12への流路配管の長さを、全ての車高調整バルブ14を纏めてユニット化する場合に比べて短くすることができる。同様に、後輪バルブユニット18bを後輪側に配置可能となり、後輪バルブユニット18bから後輪側の各空気ばね12への流路配管の長さを、全ての車高調整バルブ14を纏めてユニット化する場合に比べて短くすることができる。その結果、流路配管の配索が容易になるとともに、流路配管の長さが短くなることで当該流路配管の破損等のリスクも軽減できる。
【0025】
前輪バルブユニット18aの一端面には、主流路16が接続される第1ポート18a1が形成され、前輪バルブユニット18aの内部には、当該第1ポート18a1を一端とし、他端を第2ポート18a2とする主流路チャネル20が貫通形成されている。前輪バルブユニット18aの内部において、主流路チャネル20から副流路チャネル22が2本分岐形成されている。そして、車高調整バルブ14FRの一端は、副流路チャネル22のうち1本に接続され、車高調整バルブ14FRの他端は、第3ポート18a3を介して空気ばね12FRに接続されている。同様に、車高調整バルブ14FLの一端は、副流路チャネル22のもう1本に接続され、車高調整バルブ14FLの他端は、第4ポート18a4を介して空気ばね12FLに接続されている。
【0026】
第2ポート18a2には、連通用主流路16a(主流路16)が接続されている。この連通用主流路16aは、後輪バルブユニット18bの第1ポート18b1に接続されている。後輪バルブユニット18bの内部には、第1ポート18b1を一端とする主流路チャネル20が形成されている。後輪バルブユニット18bの内部にも、主流路チャネル20から副流路チャネル22が2本分岐形成されている。そして、車高調整バルブ14RRの一端は、副流路チャネル22のうち1本に接続され、車高調整バルブ14RRの他端は、第2ポート18b2を介して空気ばね12RRに接続されている。車高調整バルブ14RLの一端は、副流路チャネル22のもう1本に接続され、車高調整バルブ14RLの他端は、第3ポート18b3を介して空気ばね12RLに接続されている。
【0027】
なお、図1の場合、前輪バルブユニット18aは4ポートタイプを用い、後輪バルブユニット18bは3ポートタイプを用いた例を示したが、例えば、前輪側と後輪側とで、同じ4ポートタイプのバルブユニットを用いることも可能である。後輪バルブユニット18bとして前輪バルブユニット18aと同じ4ポートタイプを用いる場合は、第2ポート18a2に対応するポートをプラグキャップ(メクラ栓)で封止する。この場合、バルブユニットの共通化による部品種類の低減、設計コストの低減等に寄与することができる。
【0028】
各車高調整バルブ14(14FR,14FL,14RR,14RL)は、同一タイプの開閉バルブが利用可能であり、例えばON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有している。何れの制御バルブもソレノイドが非通電状態にある場合に閉弁状態とされる常閉型電磁制御バルブとすることができる。
【0029】
主流路16は、回路バルブブロック24およびタンク接続主流路16bを介して圧縮状態の空気の貯留が可能な圧力タンク26に接続されている。回路バルブブロック24は、コンプレッサ流出流路28aを介してコンプレッサユニット30の流出側に接続されている。また、回路バルブブロック24は、コンプレッサ流入流路28bを介してコンプレッサユニット30の流入側に接続されている。回路バルブブロック24は、複数の開閉バルブ、例えば4個の開閉バルブを含む弁体ブロックとして構成されている。具体的に回路バルブブロック24は、第1開閉バルブ24a、第2開閉バルブ24b、第3開閉バルブ24c、第4開閉バルブ24dで構成されている。第1開閉バルブ24aおよび第2開閉バルブ24bは、一端側がタンク接続主流路16b(主流路16)を介して圧力タンク26に接続される。第3開閉バルブ24cは、一端側がコンプレッサ流出流路28aを介してコンプレッサユニット30の流出側と接続されるとともに第2開閉バルブ24bの他端側に接続される。また、第3開閉バルブ24cの他端側が空気ばね12側(車高調整部側、前輪バルブユニット18a側)に接続されている。第4開閉バルブ24dは、一端側がコンプレッサ流入流路28bを介してコンプレッサユニット30の流入側に接続されるとともに第1開閉バルブ24aの他端側に接続される。また、第4開閉バルブ24dの他端側が空気ばね12側(車高調整部側、前輪バルブユニット18a側)と接続されている。
【0030】
回路バルブブロック24に含まれる第1開閉バルブ24a、第2開閉バルブ24b、第3開閉バルブ24c、第4開閉バルブ24dは、同一タイプの開閉バルブが利用可能であり、例えばON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有している。何れの開閉バルブもソレノイドが非通電状態にある場合に閉弁状態とされる常閉型電磁制御バルブとすることができる。
【0031】
回路バルブブロック24は、圧力タンク26側の圧力を検出する第1圧力センサ32aおよび空気ばね12側(車高調整部側、前輪バルブユニット18a側)の圧力を検出する第2圧力センサ32bを含む。第1圧力センサ32aは、例えば、第1開閉バルブ24aおよび第2開閉バルブ24bが閉弁状態の場合、圧力タンク26側の静的圧力を正確に検出できる。また、第1開閉バルブ24aと第2開閉バルブ24bの少なくとも一方が開弁して空気が流動している場合、第1圧力センサ32aは、圧力タンク26側の動的圧力を検出できる。同様に、第3開閉バルブ24cおよび第4開閉バルブ24dを閉弁状態にして、少なくとも車高調整バルブ14FR,14FL,14RR,14RLを開弁状態にすれば、第2圧力センサ32bは、空気ばね12側の静的圧力を測定できる。また、第3開閉バルブ24cおよび第4開閉バルブ24dを閉弁状態にするとともに、車高調整バルブ14RRおよび車高調整バルブ14RLを閉弁状態にして、車高調整バルブ14FRまたは車高調整バルブ14FLの一方を開弁状態にする場合を考える。この場合、第2圧力センサ32bは、前輪側の空気ばね12FRまたは空気ばね12FLのいずれか一方の静的圧力を検出できる。また車高調整バルブ14FRおよび車高調整バルブ14FLの両方を開弁状態にすることで、第2圧力センサ32bは、空気ばね12FR,12FL両方の平均静的圧力を検出できる。また、第3開閉バルブ24cおよび第4開閉バルブ24dを閉弁状態にするとともに、車高調整バルブ14FRおよび車高調整バルブ14FLを閉弁状態にして、車高調整バルブ14RRまたは車高調整バルブ14RLの一方を開弁状態にする場合を考える。この場合、第2圧力センサ32bは、後輪側の空気ばね12RRまたは空気ばね12RLのいずれか一方の静的圧力を検出できる。また車高調整バルブ14RRおよび車高調整バルブ14RLの両方を開弁状態にすることで、第2圧力センサ32bは、空気ばね12RR,12RL両方の平均静的圧力が検出できる。さらに、第3開閉バルブ24cおよび第4開閉バルブ24dを閉弁状態にするとともに、車高調整バルブ14FR、車高調整バルブ14FL、車高調整バルブ14RR、車高調整バルブ14RLを開弁状態にする場合を考える。この場合、第2圧力センサ32bは、全ての車輪に対応する空気ばね12FR,12FL,12RR,12RLの全体としての静的圧力が検出できる。また、第2圧力センサ32bは、第3開閉バルブ24cや第4開閉バルブ24dが開弁状態の場合、空気ばね12側(車高調整部側、前輪バルブユニット18aおよび後輪バルブユニット18b側)の動的圧力の測定が可能である。
【0032】
このように、第1圧力センサ32aは、回路バルブブロック24の上流側(例えば圧力タンク26側)の圧力(静的圧力または動的圧力)を検出可能であり、第2圧力センサ32bは、回路バルブブロック24の下流側(例えば空気ばね12側)の圧力(静的圧力または動的圧力)を検出可能である。圧力タンク26側の圧力と空気ばね12側の圧力との圧力差(差圧)により空気を圧力タンク26側から空気ばね12側へ流動させることで車高調整ができる。なお、圧力タンク26側と空気ばね12側の圧力差が小さい場合は車高調整のための空気の流動が十分に行えなくなる場合がある。この場合、コンプレッサユニット30の駆動により強制的に空気を流動させて、各空気ばね12の駆動制御を行うことができる。
【0033】
圧力タンク26は、各空気ばね12に対して給排する作動流体(例えば、空気)を圧縮状態で蓄圧可能な例えば金属製または樹脂製の容器で、空気ばね12による車高調整制御時および非制御時を含めて、流路系内で発生する圧力に十分に耐え得る耐圧性と容量を有している。また、圧力タンク26は、タンク本体26aの内圧が何らかの原因により設定圧(予め試験等により設定した圧力)以上になった場合に減圧するためのリリーフバルブ26bを有する。
【0034】
コンプレッサユニット30は、モータ34により駆動するコンプレッサ36、ドライヤ38、オリフィス40aおよび逆止弁40bで構成される絞り機構40を主要構成としている。図1の場合、この他、リリーフバルブ42、逆止弁44,46,48、フィルタ50,52等を含む例を示している。
【0035】
コンプレッサユニット30は、車高上昇制御時に圧力タンク26側と空気ばね12側との圧力差が所定値(予め試験等により設定した値)以下になった場合や、車高下降制御時に空気ばね12側から圧力タンク26へ空気を汲み上げる(戻す)場合にモータ34によりコンプレッサ36を動作させて空気を圧送する。なお、本実施形態の車高調整システム10は、経路内の空気(当初から封入された空気)を圧力タンク26側と空気ばね12側との間で移動させることで車高調整を行うクローズドタイプのシステム(閉鎖型急速車高調整タイプの車高調整システム)である。したがって、空気ばね12を急速に伸長させることが可能であり、走行中でもその状況に応じて迅速な車高制御が実現できる。また、クローズドタイプの装置の場合、基本的には、システム内に外気を取り込む必要がなく、湿度変動等の環境変化はないと見なせる。したがって、クローズドタイプのシステムの場合、基本的には、ドライヤ38や絞り機構40は省略することができる。ただし、何らかの原因によりシステム内の空気が外部に漏れてしまう場合がある。そのような場合は、フィルタ52および逆止弁48を介して外部から雰囲気(外気)を取り込み、システム内の空気を補充する。この場合、雰囲気は車高調整システム10内の構成部品に不利となる水分(湿気)を含んでいる場合がある。そのため、図1に示す車高調整システム10は、コンプレッサ36の下流側に、取り込んだ雰囲気の湿気を所定量取り除くドライヤ38や当該ドライヤ38における雰囲気の通過速度を調整するための絞り機構40が設けられている。なお、車高調整システム10内の圧力が何らかの原因で制限圧を超えた場合に減圧するために、コンプレッサユニット30はリリーフバルブ42を有している。このリリーフバルブ42は、例えばON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有し、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉弁状態とされる常閉型電磁制御バルブとすることができる。なお、本実施形態のリリーフバルブ42は、非通電時の閉弁状態をいかなる場合も維持するものではなく、車高調整システム10内の圧力が制限圧(予め試験等により設定した圧力)を超えた場合に大気開放方向に空気の流動を許容する逆止弁54を含む。例えば、何らかの不具合が生じて車高調整システム10の内部圧力が制限圧を超えた場合は、逆止弁54の付勢力に逆らい開弁状態となり、自動的に制限圧以下になるように減圧が行われる。なお、リリーフバルブ42は、後述する車高調整ECU62からの制御信号に基づいて開弁状態に移行することも可能で、制限圧に拘わらず、車高調整システム10の内部圧力を減圧することができる。
【0036】
このように構成される前輪バルブユニット18a、後輪バルブユニット18b、回路バルブブロック24、コンプレッサユニット30等は、車内ネットワーク60を介して電気的に接続された車高調整ECU62(electronic control unit)から送られる制御信号によって制御される。車内ネットワーク60は、例えば、CAN(controller area network)として構成されている。車内ネットワーク60には、車高調整ECU62の他、ナビゲーションECU64、表示ECU66等の制御ユニットやモニタ装置68等が電気的に接続され、相互に制御信号やデータ(情報)の送受を行っている。
【0037】
車高調整ECU62は、車内ネットワーク60を介して取得した車高調整要求や各空気ばね12の伸縮(車高)状態を検出する車高センサ70の検出結果や第1圧力センサ32aおよび第2圧力センサ32bの検出結果等に基づいて、車高調整バルブ14FR,14FL,14RR,14RL、第1開閉バルブ24a、第2開閉バルブ24b、第3開閉バルブ24c、第4開閉バルブ24d、リリーフバルブ42等の開閉制御やモータ34の駆動制御を行う。また、車高調整ECU62は、空気ばね12が支持する被支持体5の重量を算出する。被支持体5は、少なくとも車体3を含む。被支持体5は、車体3に乗員が乗っている場合には、乗員を含み、車体3に荷物が載っている場合には、荷物を含む。
【0038】
車高調整ECU62は、CPU62a(central processing unit)や、ROM62b(read only memory)、RAM62c(random access memory)、SSD62d(solid state drive、フラッシュメモリ)等の記憶装置(記憶部)を有する。CPU62aは、例えば、ROM62b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することで、上述した各バルブやモータの制御量を決定するとともに、その制御量に基づいて、各空気ばね12の伸縮制御を行い各車輪における車高制御を実行する。また、CPU62aは、例えば、ROM62b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することで、被支持体5の重量算出処理を実行する。CPU62aが行う被支持体5の重量の算出処理の詳細は後述する。RAM62cは、CPU62aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、SSD62dは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、車高調整ECU62の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、操作部62eを操作することにより、手動で車高調整を実行することができる。操作部62eは、例えば、押しボタンやトグルスイッチ、ロータリスイッチ等であり、整地路と不整地路とで車高を手動で切り替えたり、乗員の好みに応じて車高の調整を行ったり、乗降や荷物の積み降ろしに適した車高にする場合に用いる。また、車高の手動調整と自動調整の切り替えも操作部62eを用いて行ってもよい。車高調整ECU62は、車両用重量推定装置の一例である。車両用重量推定装置は、車両用重量算出装置とも称される。
【0039】
ナビゲーションECU64は、CPU64aや、ROM64b、RAM64c、SSD64d等の記憶装置(記憶部)を有する。CPU64aは、例えば、ROM64b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することで、GPS受信部64eを介して取得したGPS信号に基づく自車の現在位置の取得、現在位置から目的地までの移動経路の算出、移動経路周辺の施設の案内、および目的地までの誘導等を実行する。RAM64cは、CPU64aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、SSD64dは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ナビゲーションECU64の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。ナビゲーションに用いる地図情報は、例えばSSD64dに保持され、ナビゲーション処理の過程や経路表示の際に読み出されて利用されるとともに、適宜更新され適切な地図情報が提供されるようになっている。また、後述するが、ナビゲーションECU64が取得する自車の現在位置と地図情報とを用いて、車高調整ECU62は、旋回走行時の車高制御の開始位置と終了位置とを取得することができる。
【0040】
表示ECU66は、モニタ装置68の表示装置68aで表示される画像処理を実行する。表示装置68aは、車室内の運転席の周辺、例えばダッシュボード等に配置された、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。表示装置68aは、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部68bで覆われている。乗員は、操作入力部68bを介して表示装置68aの表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置68aの表示画面に表示される画像に対応した位置で手指等により操作入力部68bを触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。音声出力装置68cは、例えば、スピーカである。
【0041】
表示ECU66は、CPU66a、ROM66b、RAM66c、SSD66d、表示制御部66e、音声制御部66f等を有する。CPU66aは、例えば、表示装置68aで表示される画像に関連した画像処理を実行する。また、後述するが車高調整ECU62が撮像部66gで取得した撮像画像データに基づいて車高調整の開始や終了を決定する場合は、車高調整ECU62で利用可能な情報を生成する。CPU66aは、ROM66b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM66cは、CPU66aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。SSD66dは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、表示ECU66の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。また、表示制御部66eは、表示ECU66での演算処理のうち、主として、表示装置68aで表示される画像データの合成等を実行する。また、音声制御部66fは、表示ECU66での演算処理のうち、主として、音声出力装置68cで出力される音声データの処理を実行する。なお、モニタ装置68は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
【0042】
車高調整ECU62、ナビゲーションECU64、表示ECU66において、CPU62a,64a,66aや、ROM62b,64b,66b、RAM62c,64c,66c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、各ECUは、CPUに替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD62d,64d,66dに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSDやHDDは、ECUとは別に設けられてもよい。
【0043】
車内ネットワーク60には、この他、車高センサ70、車輪速センサ72、加速度センサ74、舵角センサ76等の各種センサが電気的に接続され信号の送受が行われている。
【0044】
車高センサ70(70a,70b,70c,70d)は、サスペンションを構成するサスペンションアーム(ロアアームなど)に車輪ごとに接続され、サスペンションアームに対する車体3の上下方向の位置、すなわちサスペンションアームに対する車体3の高さである車体高さを検出する。サスペンションアームは、基準の一例である。また、車高センサ70は、サスペンションアームと車体3との上下変位量を検出することができる。車高センサ70は、また、車高センサ70として、路面との距離を超音波やレーザで直接計測するタイプのものを用いてもよい。車高調整ECU62は、車高センサ70の検出値に基づき、前輪バルブユニット18a、後輪バルブユニット18b、回路バルブブロック24、コンプレッサユニット30等を制御して、各空気ばね12(12FR,12FL,12RR,12RL)の伸縮動作を制御する。例えば、車両1の積載量や乗員数が変化した場合、その重量により車高が変化するが、空気ばね12の伸縮状態を制御すれば車両1の車高をほぼ一定の高さに制御できる。また、空気ばね12は、車両1の車速によって車高を変化させることが可能で、車速に応じた安定した走行を実現できる。さらに、空気ばね12は、乗員が乗降するときに車高を下げたり、荷物の積み降ろしのために荷台の高さを調節したりすることが可能であり、乗降動作や積み降ろし作業を容易に行わせることができる。また、路面に凹凸(例えば、岩や縁石、窪み等)が存在する場合、空気ばね12は、各車輪の車高を適宜変化させて、車両1が極端に傾いたり、車体3底部が路面に接触して走行不能になってしまったりすることを回避することができる。さらに、旋回走行中に旋回外側の空気ばね12を伸長させて傾斜制御を実行することにより、車両1を旋回内側が低くなるように傾斜させて旋回走行に適した車両1姿勢にすることができる。
【0045】
車輪速センサ72(72a,72b,72c,72d)は、各車輪に設けられ各車輪の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、検出した回転数を示す車輪速パルス数を検出値として出力する。車高調整ECU62は、車輪速センサ72から取得した検出値に基づき、車両1の車速や移動量などを演算し、各種制御を実行する。なお、車高調整ECU62は、車輪速センサ72(72a,72b,72c,72d)の検出値に基づいて車両1の車速を算出する場合、4輪のうち最も小さな検出値の車輪の速度に基づき車両1の車速を決定し、各種制御を実行する。また、車高調整ECU62は、4輪の中で他の車輪に比べて検出値が大きな車輪が存在する場合、例えば、他の車輪に比べて単位期間(単位時間や単位距離)の回転数が所定数以上多い車輪が存在する場合、その車輪はスリップ状態(空転状態)であると見なし、各種制御を実行する。
【0046】
本実施形態の車高調整システム10は、2個の加速度センサ74(74a,74b)を備える。加速度センサ74aは、例えば、車両1の左右方向の加速度を検出するセンサであり、加速度センサ74bは、例えば、車両1の前後方向の加速度を検出するセンサである。車高調整ECU62は、加速度センサ74a,74bの検出値に基づき、車両1の左右方向の傾き(ロール角)や前後方向の傾き(ピッチ角)を算出する。
【0047】
舵角センサ76は、例えば、ステアリングホイールの操舵量を検出するセンサである。車高調整ECU62は、運転者によるステアリングの操舵量と操舵方向を舵角センサ76から取得して各種制御を実行する。なお、車高調整ECU62は、舵角センサ76の検出値に基づく舵角情報と車輪速センサ72が検出する値に基づく車速情報とに基づき、車両1に作用している横加速度を算出することができる。
【0048】
なお、上述の説明では、各種センサの検出値に基づく演算を便宜上車高調整ECU62で行う例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、センサの種類や検出値の用途に応じて他のECUで演算するようにしてもよい。
【0049】
次に、車高調整ECU62が行う被支持体5の重量の算出について詳細に説明する。図2に示すように、車高調整ECU62に含まれるCPU62aは、ROM62b等の記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、重量算出用情報算出部80aと、実測値取得部80bと、内圧値算出部80cと、重量算出部80dと、を実現する。
【0050】
車高調整ECU62は、SSD62dに記憶された重量算出用情報Mに基づいて、被支持体5の重量を算出する。重量算出用情報Mは、車体3を支持する空気ばね12の内圧値と、基準(一例としてサスペンションアーム)からの車体3の高さである車体高さと、の対応関係を示す。詳細には、重量算出用情報Mは、車体3を備えた車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から被支持体5の重量が変化しない状態での内圧値と車体高さとの対応関係を示す。すなわち、重量算出用情報Mは、サスペンションのヒステリシスが無い状態(または略無い状態)の車体3の高さである車体高さと、の対応関係を示す。重量算出用情報Mは、被支持体5の算出の前に重量算出用情報算出部80aによって予め作成される。そして、重量算出用情報算出部80aによって作成された重量算出用情報Mを用いて、実測値取得部80b、内圧値算出部80c、および重量算出部80dが、重量算出処理を行う。
【0051】
重量算出用情報算出部80aが行う重量算出用情報Mの作成方法について、図3および図4に基づいて説明する。図3は、実施形態の重量算出用情報Mの作成方法を説明するための説明図である。
【0052】
図3に示すように、重量算出用情報Mは、下降対応関係情報M1と、上昇対応関係情報M2と、に基づいて作成される。重量算出用情報M、下降対応関係情報M1および上昇対応関係情報M2は、それぞれ、マップ形式の情報である。
【0053】
下降対応関係情報M1は、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12から空気を排出して車体高さを低くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の内圧値と車体高さとの対応関係を示す。上昇対応関係情報M2は、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12に空気を供給して車体高さを高くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の内圧値と車体高さとの対応関係を示す。ここで、車両1の走行は、例えば、車両1の製造における検査工程において車輪をローラ上で回転させることによる走行であってよい。重量算出用情報Mは、理論式用マップとも称され、上昇対応関係情報M2および下降対応関係情報M1は、理論式算出用内圧マップとも称される。
【0054】
重量算出用情報M、下降対応関係情報M1、および上昇対応関係情報M2は、マップ値として、理論式用車高マップ値(Hm*(*は整数))および初期車高センサ実測値(Hs0)を含む。また、重量算出用情報Mは、マップ値として、初期内圧センサ実測値(Ps0)と、理論式用内圧マップ値(Pc*(*は整数))と、を含む。下降対応関係情報M1は、マップ値として、理論式算出用内圧マップ値(Pm1-*(*は整数))と、理論式算出用内圧中間計算値(Pm1)と、を含む。上昇対応関係情報M2は、マップ値として、理論式算出用内圧マップ値(Pm2-*(*は整数))と、理論式算出用内圧中間計算値(Pm2)と、を含む。
【0055】
次に、図4を参照して重量算出用情報Mの作成処理を説明する。図4は、実施形態の重量算出用情報Mの作成処理の一例を示すフローチャートである。重量算出用情報Mの作成処理は、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から開始される。
【0056】
重量算出用情報算出部80aは、初期内圧センサ実測値(Ps0)と、初期車センサ実測値(Hs0)と、を取得する(S1)。具体的には、重量算出用情報算出部80aは、第2圧力センサ32bが検出した空気ばね12の内圧値を初期内圧センサ実測値(Ps0)として第2圧力センサ32bから受信する。重量算出用情報算出部80aは、車高センサ70が検出した車体高さを初期車センサ実測値(Hs0)として車高センサ70から受信する。
【0057】
次に、重量算出用情報算出部80aは、理論式算出用内圧値(Pm*-*)と、理論式用車高マップ値(Hm*)と、を取得する(S2)。重量算出用情報算出部80aは、下降対応関係情報M1を作成する際には、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12から空気を排出して車体高さを低くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の理論式算出用内圧値(Pm1-*)と、理論式用車高マップ値(Hm*)と、を取得する。被支持体5の重量の変化は、例えば車体3に対する荷物の揚げ降ろしによってなされる。理論式算出用内圧値(Pm*-*)は、第2圧力センサ32bの実測値であり、理論式用車高マップ値(Hm*)は、車高センサ70の実測値である。一方、重量算出用情報算出部80aは、上昇対応関係情報M2を作成する際には、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12に空気を供給して車体高さを高くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の理論式算出用内圧値(Pm2-*)と、理論式用車高マップ値(Hm*)と、を取得する。被支持体5の重量の変化は、例えば車体3に対する荷物の揚げ降ろしによってなされる。
【0058】
次に、重量算出用情報算出部80aは、理論式算出用内圧中間計算値(Pm1、Pm2)を算出する(S3)。Pm1とPm2とは、次式により求められる。
Pm1=((Pm1-1)-(Pm1-0))/(Hm1-Hm0)×Hs0+(Pm1-0)
Pm2=((Pm2-1)-(Pm2-0))/(Hm2-Hm0)×Hs0+(Pm2-0)
【0059】
次に、重量算出用情報算出部80aは、理論式算出用内圧マップ値(Pc*)を算出する(S4)。Pc*は、次式により求められる。
Pc0=((Pm2-0)-(Pm1-0))×(Ps0-Pm1)/(Pm2-Pm1)+(Pm1-0)
Pc1=((Pm2-1)-(Pm1-1))×(Ps0-Pm1)/(Pm2-Pm1)+(Pm1-1)
【0060】
上記のようにして、各Pc*が求められる。これにより重量算出用情報Mが求まる。
【0061】
図2に示す、重量算出用情報Mを用いて重量算出処理を行う、実測値取得部80b、内圧値算出部80c、および重量算出部80dについて図5を参照して説明する。図5は、実施形態の被支持体5の重量算出処理を説明するための説明図である。
【0062】
実測値取得部80bは、空気ばね12の内圧値の実測値である重量算出時内圧センサ実測値(Psa)および車体高さの実測値である重量算出時車高センサ実測値(Hsa)を取得する。重量算出時内圧センサ実測値(Psa)は、実測内圧値の一例であり、重量算出時車高センサ実測値(Hsa)は、実測車体高さの一例である。具体的には、実測値取得部80bは、第2圧力センサ32bが検出した空気ばね12の内圧値を重量算出時内圧センサ実測値(Psa)として第2圧力センサ32bから受信する。重量算出用情報算出部80aは、車高センサ70が検出した車体高さを重量算出時車高センサ実測値(Hsa)として車高センサ70から受信する。
【0063】
内圧値算出部80cは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が重量算出時車高センサ実測値(Hsa)に対応する重量算出用情報Mの内圧値よりも大きい場合には、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)から補正値を減算することにより、空気ばね12の補正内圧値を算出する。一方、内圧値算出部80cは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が重量算出時車高センサ実測値(Hsa)に対応する重量算出用情報Mの内圧値よりも小さい場合には、重量算出時車高センサ実測値(Hsa)に補正値を加算することにより、空気ばね12の補正内圧値を算出する。なお、上記の二つの補正値は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。補正内圧値は、補正後内圧値とも称される。
【0064】
重量算出部80dは、補正内圧値に基づいて、被支持体5の重量を算出する。重量算出部80dは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が重量算出時車高センサ実測値(Hsa)と重量算出用情報Mで対応付けられた内圧値と異なる場合は、補正内圧値に基づいて被支持体5の重量を算出する。一方、重量算出部80dは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が重量算出時車高センサ実測値(Hsa)と重量算出用情報Mで対応付けられた内圧値と同じ場合は、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)に基づいて被支持体5の重量を算出する。例えば、重量算出部80dは、補正内圧値または重量算出時内圧センサ実測値(Psa)と空気ばね12の所定の受圧面積とを積算することにより被支持体5の重量を算出する。
【0065】
次に、被支持体5の重量算出処理の手順を図6に基づいて説明する。図6は、実施形態の被支持体5の重量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
実測値取得部80bが、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)と重量算出時車高センサ実測値(Hsa)とを取得する(S11)。
【0067】
次に、内圧値算出部80cが、重量算出時車高センサ実測値(Hsa)に近接する二つの車高マップ値(Hm*)を特定(判定)する(S12)。図5の例では、二つの車高マップ値は、Hm1およびHm2である。
【0068】
次に、内圧値算出部80cが、重量算出用情報Mの内圧値(Pca)を算出する(S13)。図5の例の場合、内圧値(Pca)は、次式から求められる。
Pca=(Pc2-Pc1)/(Hm2-Hm1)×Hsa+Pc0
【0069】
次に、重量算出部80dが、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも大きいか否かを判定する(S14)。重量算出部80dは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも大きいと判定した場合には(S14:Yes)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)から補正値(Psus)を減算して、重量算出用内圧値(Pc)を算出する(S15)。この場合の計算式は、Pc=Psa-Psusである。
【0070】
重量算出部80dは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも大きくなく(S14:No)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも小さいと判定した場合には(S16:Yes)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)に補正値(Psus)を加算して、重量算出用内圧値(Pc)を算出する(S17)。この場合の計算式は、Pc=Psa+Psusである。ここで、補正値(Psus)は、空気ばね12を含むサスペンションの形式に応じて異なり、重量算出部80dは、サスペンション形式に応じた補正値(Psus)を用いる。補正値(Psus)は、例えば、リジットサスペンションよりも独立懸架サスペンションの方が大きい。
【0071】
重量算出部80dは、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも大きくなく(S14:No)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)よりも小さくなく(S16:No)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)が内圧値(Pca)と同じ場合には(S18)、重量算出時内圧センサ実測値(Psa)を重量算出用内圧値(Pc)とする。この場合の計算式は、Pc=Psa(=Pca)である。
【0072】
次に、重量算出部80dが、重量算出用内圧値(Pc)に基づいて、被支持体5の重量を算出する(S19)。
【0073】
以上から分かるように、本実施形態では、車高の上昇および下降を検出せずに、車体3に対して荷物を積載または降ろした際の空気ばね12の内圧の実測値と理論値(重量算出用情報M)との乖離を算出(判定)し、サスペンションのヒステリシスに起因する理論値に対する空気ばね12の内圧の乖離を補正する。これにより、補正マップを持いる算出方法と比較して路面影響等でサスペンションのヒステリシスが変化した場合でも高い重量算出精度を得ることができる。なお、理論値からの乖離を算出する内圧変動については、単位ストローク当たりの内圧変動(MPa/mm)だけでなく、さらにそれを単位時間で割った内圧変動(MPa/mm/sec)としてもよい。また、必要とされる重量算出精度に応じて補正を行う乖離量に不感帯を設けることにより、微小な内圧変動による重量算出のハンチングを抑えることができる。また、理論値(重量算出用情報M)を算出するための下降対応関係情報M1および上昇対応関係情報M2は、必要とされる重量算出精度に応じた任意の内圧および車体高さで設定されてよい。
【0074】
以上のように、本実施形態では、車高調整ECU62(車両用重量推定装置)は、例えば、SSD62d(記憶部)と、実測値取得部80bと、内圧値算出部80cと、重量算出部80dと、を備える。SSD62dは、車体3を支持する空気ばね12の内圧値と、基準からの車体3の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報Mを記憶している。実測値取得部80bは、空気ばね12の内圧値の実測値である実測内圧値および車体高さの実測値である実測車体高さを取得する。内圧値算出部80cは、実測内圧値が実測車体高さに対応する重量算出用情報Mの内圧値よりも大きい場合には、実測内圧値から補正値を減算し、実測内圧値が実測車体高さに対応する重量算出用情報Mの内圧値よりも小さい場合には、実測内圧値に補正値を加算することにより、空気ばね12の補正内圧値を算出する。重量算出部80d、補正内圧値に基づいて、空気ばね12が支持する、車体3を含む被支持体5、の重量を算出する。
【0075】
このような構成によれば、被支持体5の重量の算出に、車体3を支持する空気ばね12の内圧値と、基準からの前記車体3の高さである車体高さと、の対応関係を示す重量算出用情報Mを用いるので、被支持体5の重量の算出に、サスペンションの伸縮のヒステリシスに応じた情報を使い分ける必要がない。よって、被支持体5の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。すなわち、一種類の重量算出用情報Mによって被支持体5の重量の算出を行うことができるので、二種類の重量算出用情報を用いる場合に比べて、処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【0076】
また、本実施形態では、例えば、重量算出部80dは、実測内圧値が実測車体高さと重量算出用情報Mで対応付けられた内圧値と異なる場合は、補正内圧値に基づいて被支持体5の重量を算出し、実測内圧値が実測車体高さと重量算出用情報Mで対応付けられた内圧値と同じ場合は、実測内圧値に基づいて被支持体5の重量を算出する。
【0077】
このような構成によれば、重量算出部80dは、実測内圧値が実測車体高さと重量算出用情報Mで対応付けられた内圧値と同じ場合は、実測内圧値に基づいて被支持体5の重量を算出するので、被支持体5の重量の算出処理が煩雑になるのを抑制しやすい。
【0078】
また、本実施形態では、例えば、重量算出用情報Mは、車体3を備えた車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から被支持体5の重量が変化しない状態での内圧値と車体高さとの対応関係を示す。
【0079】
このような構成によれば、例えば、被支持体5の重量の算出の精度が向上する。
【0080】
また、本実施形態では、例えば、重量算出用情報Mは、車体3を備えた車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12に空気を供給して車体高さを高くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の内圧値と車体高さとの対応関係を示す上昇対応関係情報M2と、車両1が停車した時点または車両1が走行を開始した時点から空気ばね12から空気を排出して車体高さを低くしてから被支持体5の重量を変化させた場合の内圧値と車体高さとの対応関係を示す下降対応関係情報M1と、に基づいて作成される。
【0081】
このような構成によれば、例えば、被支持体5の重量の算出の精度が向上する。
【0082】
なお、上記実施形態では、第2圧力センサ32bで空気ばね12の圧力を検出したが。空気ばね12の圧力は、各空気ばね12に設けられた圧力センサによって検出してもよい。この場合、上記の重量算出で用いる圧力は、全ての圧力センサの出力値の平均値であってもよいし、一つの圧力センサの出力値であってもよい。
【0083】
本発明において実施形態および変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1…車両
3…車体
12…空気ばね
62…車高調整ECU(車両用重量推定装置)
62d…SSD(記憶部)
80b…実測値取得部
80c…内圧値算出部
80d…重量算出部
M…重量算出用情報
M1…下降対応関係情報
M2…上昇対応関係情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6